特許第6364058号(P6364058)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6364058
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】サッシ窓の網戸取付け装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/52 20060101AFI20180712BHJP
【FI】
   E06B9/52 B
   E06B9/52 N
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-221333(P2016-221333)
(22)【出願日】2016年11月14日
(65)【公開番号】特開2018-80446(P2018-80446A)
(43)【公開日】2018年5月24日
【審査請求日】2016年11月22日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 第30条第2項適用、平成28年9月13日旭化成ホームズ株式会社本社(東京都新宿区西新宿1−24−1エステック情報ビル10階)において旭化成ホームズ株式会社に技術内容を説明
(73)【特許権者】
【識別番号】000101776
【氏名又は名称】アルメタックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122323
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100067367
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 泉
(72)【発明者】
【氏名】中川 智
(72)【発明者】
【氏名】高野 博則
【審査官】 家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−197579(JP,A)
【文献】 特開2013−007253(JP,A)
【文献】 特開2010−070977(JP,A)
【文献】 特開2007−205153(JP,A)
【文献】 特開2015−113566(JP,A)
【文献】 特開平08−312271(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/056789(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/52−9/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
躯体(4)に取付けた窓枠(1)と、上記窓枠(1)にそれぞれ取付けた屋外側框材(3)及び屋内側枠体(5)と、上記屋外側框材(3)に取付けた障子(6)と、上記屋内側枠体(5)に着脱自在に取付けた網戸(7)とを備え、
上記網戸(7)が網本体(10)と、上記網本体(10)の上縁(10A)と下縁(10B)とにそれぞれ取付けた上側及び下側アタッチメント(8A)、(8B)と、上記網本体(10)の右縁10Dと左縁10Cとにそれぞれ取付けた右側及び左側アタッチメント(9A)、(9B)とで構成され、
上記屋内側枠体(5)が上下一対の上枠(5A)及び下枠(5B)と、左右一対の左縦枠(5D)及び右縦枠(5C)と、上記上枠(5A)の下部内周と下枠(5B)の上部内周にそれぞれ相対向して形成した上下一対の上側取付け溝(5E)及び下側取付け溝(5F)と、上記右縦枠(5C)の左部内周と上記左縦枠(5D)の右部内周にそれぞれ相対向して形成した左右一対の右側取付け溝(5G)及び左側取付け溝(5G)とで構成され、
上記上側及び下側アタッチメント(8A)、(8B)を上記上側取付け溝(5E)と下側取付け溝(5F)とにそれぞれスライドさせて着脱自在に嵌合させ、上記右側及び左側アタッチメント(9A)、(9B)を上記右側取付け溝(5G)及び左側取付け溝(5G)とにそれぞれ回転して着脱自在に嵌合させているサッシ窓の網戸取付け装置において、
上記上側及び下側アタッチメント(8A)、(8B)がそれぞれ屋外側に開口する溝(13)を形成した長尺フレーム(11)と、上記長尺フレーム(11)の屋内側外側面から水平に張り出した係止片(12)と、上記溝(13)に嵌合して当該溝(13)内に挿入した上記網本体(10)の上縁(10A)と下縁(10B)とをそれぞれ挟み込むストッパ(14)とで構成し、
上記上側取付け溝(5E)の下面と上記下側取付け溝(5F)の上面に上記係止片(12)に対向するフック(15)をそれぞれ起立させ、上記上側及び下側アタッチメント(8A)、(8B)を上記上側取付け溝(5E)と上記下側取付け溝(5F)に嵌合すると共に上記各係止片(12)を上記フック(15)にそれぞれ係合させているサッシ窓の網戸取付け装置。
【請求項2】
上記上側アタッチメント(8A)と上記下側アタッチメント(8B)はそれぞれ上記網本体(10)の中心線を挟んで両側に左右一対設けられている請求項1に記載のサッシ窓の網戸取付け装置。
【請求項3】
上記ストッパ(14)がフランジ(14a)と、上記フランジ(14a)から水平に伸びて上記溝(13)に嵌合する弾性な脚(14b)とで構成され、上記脚(14b)の外周と上記溝(13)の内周とで上記網本体(10)の上縁(10A)と下縁(10B)とを挟み込んでいる請求項1又は2のいずれか1項に記載のサッシ窓の網戸取付け装置。
【請求項4】
上記上側取付け溝(5E)と上記下側取付け溝(5F)の開口部にそれぞれ化粧用カバー(16)を嵌合させ、当該カバー(16)でそれぞれ上記各アタッチメント(8A)、(8B)を覆い被せている請求項1、2又は3のいずれか1項に記載のサッシ窓の網戸取付け装置。
【請求項5】
躯体(4)に取付けた窓枠(1)と、上記窓枠(1)にそれぞれ取付けた屋外側框材(3)及び屋内側枠体(5)と、上記屋外側框材(3)に取付けた障子(6)と、上記屋内側枠体(5)に着脱自在に取付けた網戸(7)とを備え、
上記網戸(7)が網本体(10)と、上記網本体(10)の上縁(10A)と下縁(10B)とにそれぞれ取付けた上側及び下側アタッチメント(8A)、(8B)と、上記網本体(10)の右縁(10D)と左縁(10C)とにそれぞれ取付けた右側及び左側アタッチメント(9A)、(9B)とで構成され、
上記屋内側枠体(5)が上下一対の上枠(5A)及び下枠(5B)と、左右一対の左縦枠(5D)及び右縦枠(5C)と、上記上枠(5A)の下部内周と下枠(5B)の上部内周にそれぞれ相対向して形成した上下一対の上側取付け溝(5E)及び下側取付け溝(5F)と、上記右縦枠(5C)の左部内周と上記左縦枠(5D)の右部内周にそれぞれ相対向して形成した左右一対の右側取付け溝(5G)及び左側取付け溝(5G)とで構成され、
上記上側及び下側アタッチメント(8A)、(8B)を上記上側取付け溝(5E)と下側取付け溝(5F)とにそれぞれスライドさせて着脱自在に嵌合させ、上記右側及び左側アタッチメント(9A)、(9B)を上記右側取付け溝(5G)及び左側取付け溝(5G)とにそれぞれ回転して着脱自在に嵌合させているサッシ窓の網戸取付け装置において、
上記右側及び左側アタッチメント(9A)、(9B)がそれぞれ屋外側に開口する溝(17)を形成した長尺フレーム(18)と、上記長尺フレーム(18)の端部から屋外側に延びる係止片(20)と、上記溝(17)に嵌合して当該溝(17)内に挿入した上記網本体(10)の右縁(10D)と左縁(10C)とをそれぞれ挟み込むストッパ(21)とで構成し、
上記右側及び左側取付け溝(5G)、(5G)の内周に上記係止片(20)に対向する引っ掛け片(22)をそれぞれ起立させ、上記右側及び左側アタッチメント(9A)、(9B)を上記右側取付け溝(5G)と上記左側取付け溝(5G)とに嵌合すると共に上記各係止片(20)を上記引っ掛け片(22)にそれぞれ係合させているサッシ窓の網戸取付け装置。
【請求項6】
上記右側及び左側取付け溝(5G)、(5G)が奥側の湾曲した内周面(23)と上記奥側内周面(23)に連なる水平な内周面(24)とを備え、上記長尺フレーム(18)が上記奥側内周面(23)に対応する湾曲した外周面(25)を形成して断面扇状に形成されている請求項5に記載のサッシ窓の網戸取付け装置。
【請求項7】
上記ストッパ(21)がフランジ(21a)と、このフランジ(21a)から水平に伸びて上記溝(17)に嵌合する弾性な脚(21b)とで構成され、上記脚(21b)の外周と上記溝(17)の内周とで上記網本体(10)の右縁(10D)と左縁(10C)をそれぞれ挟み込んでいる請求項5又は6いずれか1項に記載のサッシ窓の網戸取付け装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般住宅、マンション、ビルディング等の建築物のサッシ窓に取付けられ網戸の取付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一戸住宅、マンション等の建築物のサッシ窓は窓枠に屋外側の障子と屋内側の防虫用網戸を配置したものが多く採用されている。
【0003】
この種のサッシ窓としては、例えば特許文献1、特許文献2に開示されたものが開発されている。
【0004】
特許文献1のサッシ窓は、躯体に取付けた窓枠と、窓枠にそれぞれ取付けた屋外側框材及び屋内側枠体と、屋外框材に取付けた障子と、上記屋内側枠体に着脱自在に取付けた網戸とを備えている。
【0005】
また、網戸が網本体と、網本体の右縁と左縁とにそれぞれ取付けた右側及び左側アタッチメントとで構成され、これらの左右のアタッチメントを介して網戸が屋内側枠体の係止溝に差し込んで取り付けられているものである。
【0006】
しかしながら、上記特許文献1のサッシ窓の網戸取付け構造は網本体の左右両側が左右のアタッチメントを介して屋内側枠体に取付けられているだけであるから、網本体の上下部の保持が不安定であり、網本体が屈曲し、或いは、皺が発生し、サッシ窓の美観を損ねる恐れがある。
【0007】
他方、特許文献2に示す網本体の取付け装置では、上記特許文献1の網他の取付け装置と同じように、網本体の右縁と左縁とにそれぞれ取付けた右側及び左側アタッチメントを設け、これらの左右のアタッチメントを介して網戸が屋内側枠体の係止溝に差し込んで嵌合させると共に網本体の上下端部を別の押え部材を介して屋内側枠体の上下の凹溝内に押し込んでいるものである。
【0008】
この為、特許文献2に開示された網戸の取付け装置によれば、網本体の上下端が押え部材で押え込まれているので、網本体の上下端がしっかりと保持され、網本体の歪みや皺の発生が防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007−177566号公報(図2図3参照)
【特許文献2】特開2009−79414号公報(要約、図3図6参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記特許文献1、2に開示されている網本体の取付け装置は機能上特に欠陥が有るわけではないが次のような不具合の改善がのぞまれている。
【0011】
即ち、左右のアタッチメントは係止溝に差し込んで嵌合させているだけであるから網本体に十分な張力が付与されず長期間の使用中に網本体が歪む恐れがあり、或いは、屋外側又は屋内側から網本体に応力が作用するとアタッチメントが弛む恐れがある。
【0012】
更に、上記特許文献2に開示されている網本体上下の押え部材は網本体と一体に結合されておらず、別々の部材であるから網本体と一緒になって凹溝に取付けできず、網本体と押え部材との取付け作業を別々に行う必要があり、網本体の取り付け作業が面倒である。
【0013】
また、この押え部材は複数の部材から構成されているので構造が複雑で、加工性、取付性、経済性において不利である。
【0014】
そこで、本発明の目的は、網本体の上下、左右を網本体と一体化された上下、左右のアタッチメントを介して網本体をワンタッチで且つ十分な張力を付与しながら屋内側枠体に取付けでき、且つ構造が簡単で、取付け取外し作業が容易であり、加工性、取付性、経済性に優れたサッシ窓の網本体取付け装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の目的を達成する為、本発明の一つの手段は、躯体に取付けた窓枠と、上記窓枠にそれぞれ取付けた屋外側框材及び屋内側枠体と、上記屋側外框材に取付けた障子と、上記屋内側枠体に着脱自在に取付けた網戸(7)とを備え、上記網戸が網本体と、上記網本体の上縁と下縁とにそれぞれ取付けた上側及び下側アタッチメントと、上記網本体の右縁と左縁とにそれぞれ取付けた右側及び左側アタッチメントとで構成され、上記屋内側枠体が上下一対の上枠及び下枠と、左右一対の左縦枠及び右縦枠と、上記上枠の下部内周と下枠の上部内周にそれぞれ相対向して形成した上下一対の上側取付け溝及び下側取付け溝と、上記右縦枠の左部内周と上記左縦枠の右部内周にそれぞれ相対向して形成した左右一対の右側取付け溝及び左側取付け溝とで構成され、記上側及び下側アタッチメントを上記上側取付け溝と下側取付け溝とにそれぞれスライドさせて着脱自在に嵌合させ、上記右側及び左側アタッチメントを上記右側取付け溝及び左側取付け溝とにそれぞれ回転して着脱自在に嵌合させているサッシ窓の網戸取付け装置において、
上記上側及び下側アタッチメントがそれぞれ屋外側に開口する溝を形成した長尺フレームと、上記長尺フレームの屋内側外側面から水平に張り出した係止片と、上記溝に嵌合して当該溝内に挿入した上記網本体の上縁と下縁とをそれぞれ挟み込むストッパとで構成し、上記上側取付け溝の下面と上記下側取付け溝の上面に上記係止片に対向するフックをそれぞれ起立させ、上記上側及び下側アタッチメントを上記上側取付け溝と上記下側取付け溝に嵌合すると共に上記各係止片を上記フックにそれぞれ係合させていることを特徴とするものである。
同じく、他の手段は、躯体に取付けた窓枠と、上記窓枠にそれぞれ取付けた屋外側框材及び屋内側枠体と、上記屋外側框材に取付けた障子と、上記屋内側枠体に着脱自在に取付けた網戸とを備え、上記網戸が網本体と、上記網本体の上縁と下縁とにそれぞれ取付けた上側及び下側アタッチメントと、上記網本体の右縁と左縁とにそれぞれ取付けた右側及び左側アタッチメントとで構成され、上記屋内側枠体が上下一対の上枠及び下枠と、左右一対の左縦枠及び右縦枠と、上記上枠の下部内周と下枠の上部内周にそれぞれ相対向して形成した上下一対の上側取付け溝及び下側取付け溝と、上記右縦枠の左部内周と上記左縦枠の右部内周にそれぞれ相対向して形成した左右一対の右側取付け溝及び左側取付け溝とで構成され、上記上側及び下側アタッチメントを上記上側取付け溝と下側取付け溝とにそれぞれスライドさせて着脱自在に嵌合させ、上記右側及び左側アタッチメントを上記右側取付け溝及び左側取付け溝とにそれぞれ回転して着脱自在に嵌合させているサッシ窓の網戸取付け装置において、上記右側及び左側アタッチメントがそれぞれ屋外側に開口する溝を形成した長尺フレームと、上記長尺フレームの端部から屋外側に延びる係止片と、上記溝に嵌合して当該溝内に挿入した上記網本体の右縁と左縁とをそれぞれ挟み込むストッパとで構成し、上記右側及び左側取付け溝の内周に上記係止片に対向する引っ掛け片をそれぞれ起立させ、上記右側及び左側アタッチメントを上記右側取付け溝と上記左側取付け溝とに嵌合すると共に上記各係止片を上記引っ掛け片にそれぞれ係合させていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の網戸の取付け装置によれば次の効果を達成できる。
1)網本体の上下、左右を網本体と一体化された上下、左右のアタッチメントを介して網本体を屋内側枠体に取付けているので、網本体の上下左右がしっかりと保持され、網本体が長期間使用されても屈曲せず、皺も発生せず、その結果サッシ窓の美観を損ねる恐れが無い。
2)網本体の周囲が上記のようにしっかりと保持されているから屋外側又は屋内側から振動等の外部応力が作用しても網本体が外れるのを防止できる。
3)網本体の上下、左右の端部がアタッチメント介してスライド又は回転しながら上下、左右の取付け溝にそれぞれ嵌合しているので、網本体が緊張して歪みの発生が防止され、網本体の美観を向上できる。
4)網本体の上縁、下縁、左縁、右縁の各端部にはアタッチメントが一体結合され、これらのアタッチメントを介して屋内側枠体に取付けているので、網本体の取付け、取外し作業がワンタッチで行え、取付け、取外し作業が向上し、作業費用の節約を図れる。
5)同じく、上下、左右のアタッチメントが網本体と一体化されているので、網本体の保持に網本体と別の押え部材が不要であり、構造の簡素化、加工性、経済性の向上が図れ、また余分な押え部材の取付け、取外し作業も不要で作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明のサッシ窓の縦断側面図である。
図2】本発明のサッシ窓の縦断平面図である。
図3】本発明の網本体の斜視図である。
図4図1の上枠部の拡大断面図である。
図5図1の下枠部の拡大断面図である。
図6図1の右建枠部の拡大断面図である。
図7図6の一部拡大断面図である。
図8】網本体の取付け初期におけるサッシ窓の一部切欠き斜視図である。
図9】左右のアタッチメントを介して網本体を左右の縦枠に取付けた状態のサッシ窓の斜視図である。
図10】左右上下のアタッチメントを介して網本体を左右の縦枠に取付け、化粧カバーを覆い被せた状態のサッシ窓の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図示した本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
本発明は、一般住宅、マンション、ビルディング等の建築物の開口部に設けたサッシ窓に取付けられた網戸の取付け装置に関するものである。
【0020】
即ち、本発明のサッシ窓は、図1図2に示すように、建築物の屋外側壁4a、屋内側壁4b、取付け縁2等を備えた躯体4の開口部Aに取付けた窓枠1と、窓枠1にそれぞれ取付けた屋外側框材3及び屋内側枠体5と、屋外側框材3に取付けた障子6と、屋内側枠体5に着脱自在に取付けた網戸7とを備えている。
【0021】
屋外側框材3は上下の框と左右の縦框とから方形に形成され、この框材3の内側にペアガラスが保持されて障子6を構成している。
【0022】
窓枠1は躯体4の開口部Aに嵌合すると共にボルト、ビス等の取付部材を介して躯体4に取付けられている。
【0023】
窓枠1には図1図6に示すようにボルトB1〜B7や引っ掛け片を介して屋外側の框材3と屋内側枠体5とが取り付けられ、また屋内側枠体5はビス等を介して取付け縁2にも結合されている。
【0024】
屋内側枠体5は上枠5Aと下枠5Bと右側縦枠5Cと左建枠5Dとで方形に形成され、この屋内側枠体5に本発明の網戸7が着脱自在に取付けられている。
【0025】
網戸7は図3に示すように、網本体10と、網本体10の上縁10Aと下縁10Bとにそれぞれ取付けた上側及び下側アタッチメント8A、8Bと、網本体10の右縁10Dと左縁10Cとにそれぞれ取付けた右側及び左側アタッチメント9A、9Bとで構成されている。
【0026】
さらに、図1図4図5に示すように、上枠5Aの下部内周と下枠5Bの上部内周にそれぞれ相対向して形成してそれぞれ開口部Aの中央に向けて開口する上下一対の上側取付け溝5E及び下側取付け溝5Fが形成されている。
【0027】
同じく、右縦枠5Cの左部内周と上記左縦枠5Dの右部内周にそれぞれ相対向して形成して開口部Aの中央に向けて開口する左右一対の右側取付け溝5G及び左側取付け溝5Gとが形成されている。
【0028】
上側取付け溝5Eは図4に示すように、溝の入り口に一対の引っ掛け片a、bが形成され、上奥側の内周にフック15を下方に向けて起立している。
【0029】
同じく、下側取付け溝5Fは図5に示すように、溝の入り口に一対の引っ掛け片c、dが形成され、下奥側の内周にフック15を上方に向けて起立している。
【0030】
上側及び下側アタッチメント8A、8Bは図3図5に示すように、それぞれ屋外側、即ち、図4図5において左側に開口する溝13を形成した長尺フレーム11と、長尺フレーム11の屋内側外側面から水平に張り出した係止片12と、溝13に嵌合して当該溝13内に挿入した網本体10の上縁10Aと下縁10Bとをそれぞれ挟み込むストッパ14とで構成している。
【0031】
また、上記ストッパ14は、フランジ14aと、このフランジ14aから水平に伸びて上記溝13に嵌合する弾性な二股の脚14bとで構成され、脚14bの外周と上記溝13の内周とで上記網本体10の上縁10Aと下縁10Bとを挟み込んでいる。
【0032】
この為、上側及び下側アタッチメント8A、8Bは網本体10と一体化され、アタッチメント8A、8Bと一緒に網本体10の上下端部がスライドしながら上下の取付け溝5E、5Fに嵌合し、或いは外される。
【0033】
この場合、上側及び下側アタッチメント8A、8Bを上側取付け溝5Eと上記下側取付け溝5Fに嵌合すると共に各係止片12をフック15にそれぞれ係合させ、併せて、フランジ14aを引っ掛け片cに係合させてアタッチメント8A、8Bの脱落を防止している。
【0034】
上記アタッチメント8A、8Bは一つでも良いが、図3に示すように、網本体10の中心線を挟んで両側に左右一対設けられているのが好ましい。
【0035】
この場合は、網本体10はその中心線を中心して折り曲げでき、網本体10を折り曲げながら左右のアタッチメント9B、9Aを左右の取付け溝5G、5Gに嵌合操作できる。
【0036】
例えば、先に左側のアタッチメント9Bを左側の取付け溝5Gに嵌合しておき、次いで、網本体10を折り曲げながら右側のアタッチメント9Aを右側の取付け溝5Gに嵌合でき、これにより障子6が屋外側に存在していてもこの障子6に干渉することなく網本体10を取付けできる。
【0037】
更に、上側取付け溝5Eと上記下側取付け溝5Fの開口部にそれぞれ化粧用カバー15を嵌合させ、当該カバー16でそれぞれ各アタッチメント8A、8Bを覆い被せている。
【0038】
この為、アタッチメント8A、8Bが露出せず、アタッチメント8A、8Bを保護すると同時にサッシ窓の美観を向上させている。
【0039】
化粧カバー16はカバー本体と、カバー本体の両端に設けた係止片16a、16bを有し、これらの係止片16a、16bが引っ掛け片dと長尺フレーム11の端部とに係合して脱落が防止されている。
【0040】
次に、上記右側及び左側アタッチメント9A、9Bはそれぞれ屋外側、即ち、図6において上方側に開口する溝17を形成した長尺フレーム18と、長尺フレーム18の端部から屋外側に延びる係止片20と、溝17に嵌合して当該溝17内に挿入した網本体10の右縁10Dと左縁10Cとをそれぞれ挟み込むストッパ21とで構成されている。
【0041】
図6図7に示すように、上記右側及び左側取付け溝5Gは入り口に引っ掛け片eを形成し、さらに、奥側の湾曲した内周面23とこの奥側内周面23に連なる水平な内周面24とを備え、この内周面24に上記係止片20に対向する引っ掛け片22をそれぞれ下向きに起立させている。
【0042】
そして、右側及び左側アタッチメント9A、9Bの下部に操作摘み部材Pを備え、この操作摘み部材Pを介して図6図7に示すように、右側取付け溝5Gと左側取付け溝5Gとに回転しながら嵌合すると共に各係止片20を引っ掛け片22にそれぞれ係合させている。
【0043】
長尺フレーム18は奥側内周面23に対応する湾曲した外周面25を形成して断面扇状に形成されている。
【0044】
ストッパ21はフランジ21aと、このフランジ21aから水平に伸びて溝17に嵌合する弾性な二股状の脚21bとで構成され、脚21bの外周と溝17の内周とで網本体10の右縁10Dと左縁19Cをそれぞれ挟み込んでいる。
【0045】
上記上下のアタッチメント8A、8B、左右のアタッチメント9A,9Bは各取付け溝5E、5F、5Gに単純に押し込んで嵌合させることも可能であるが、スライド又は回転させながら嵌合させることにより、網本体10に張力を付与してその歪みの発生を防止できる。
【0046】
次に、網本体10の取付け工程を図8図10に基づいて説明する。
【0047】
図8に示すように、先ず左側のアタッチメント9Bを左縦枠5Dの左側取付け溝5Gに嵌合しておく。
【0048】
この状態から網本体10をその中心線を中心して折り曲げる。
【0049】
次いで、図9に示すように、上下のアタッチメント8A、8Bをそれぞれスライドさせながら上下の取付け溝5E、5Fに嵌合させる。
【0050】
次に、図10に示すように、摘み部材Pを介して右側アタッチメント9Aを回転しながら右側取付け溝5Gに嵌合させる。
【0051】
上下のアタッチメント8A、8B、左右のアタッチメント9A、9Bの嵌合作業が終了した時化粧用カバー16を嵌合して上下のアタッチメント8A、8Bを覆い被せる。
【0052】
網本体10を外す場合は、上記の操作を逆にして行うものである。
【0053】
本発明の網戸取付け装置では、上下、左右のアタッチメント8A、8B、9A、9Bを介して網本体10を屋内側枠体5に取付けているので、網本体10の上下左右がしっかりと保持され、網本体10が長期間使用されても屈曲せず、皺も発生せず、また、屋外側又は屋内側から振動等の外部応力が作用しても網本体10が外れるのを防止できる。
【0054】
網本体10の上下、左右の端部がアタッチメント8A、8B、9A、9B介してスライド又は回転しながら上下、左右の取付け溝5E、5F、5Gにそれぞれ嵌合しているので、網本体10が緊張して歪みの発生が防止され、網本体の美観を向上できる。
【0055】
網本体10の上縁、下縁、左縁、右縁の各端部にはアタッチメント8A、8B、9A、9Bが一体結合され、これらのアタッチメント8A、8B、9A、9B介して屋内側枠体5に取付けているので、網本体10の取付け、取外し作業がワンタッチで行え、取付け、取外し作業が向上し、作業費用の節約を図れる。
【0056】
上下、左右のアタッチメント8A、8B、9A、9Bが網本体10と一体化されているので、網本体10の保持に網本体10と別の押え部材が不要であり、構造の簡素化、加工性、経済性の向上が図れ、また余分な押え部材の取付け、取外し作業も不要で作業性が向上する。
【符号の説明】
【0057】
1 窓枠
3 屋外側框材
4 躯体
5 屋内側枠体
5A 上枠
5B 下枠
5E 上側取付け溝
5F 下側取付け溝
5G 左側、右側取付け溝
6 障子
8A、8B、9A、9B アタッチメント
10 網本体
11 長尺フレーム
12 係止片
13 溝
14 ストッパ
15 フック
16 化粧用カバー
17 溝
18 長尺フレーム
20 係止片
21 ストッパ
23、24 内周面
25 外周面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10