特許第6364060号(P6364060)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ローム・アンド・ハース・エレクトロニック・マテリアルズ,エル.エル.シー.の特許一覧 ▶ ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシーの特許一覧

<>
  • 特許6364060-パターン処理法 図000021
  • 特許6364060-パターン処理法 図000022
  • 特許6364060-パターン処理法 図000023
  • 特許6364060-パターン処理法 図000024
  • 特許6364060-パターン処理法 図000025
  • 特許6364060-パターン処理法 図000026
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6364060
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】パターン処理法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/40 20060101AFI20180712BHJP
   G03F 7/038 20060101ALI20180712BHJP
   G03F 7/039 20060101ALI20180712BHJP
   G03F 7/32 20060101ALI20180712BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20180712BHJP
【FI】
   G03F7/40 511
   G03F7/038 601
   G03F7/039 601
   G03F7/32 501
   H01L21/302 105A
【請求項の数】8
【外国語出願】
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2016-226361(P2016-226361)
(22)【出願日】2016年11月21日
(65)【公開番号】特開2017-107188(P2017-107188A)
(43)【公開日】2017年6月15日
【審査請求日】2016年12月5日
(31)【優先権主張番号】62/265,385
(32)【優先日】2015年12月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591016862
【氏名又は名称】ローム アンド ハース エレクトロニック マテリアルズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Rohm and Haas Electronic Materials LLC
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】特許業務法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・クン・パク
(72)【発明者】
【氏名】ミンキ・リー
(72)【発明者】
【氏名】エイミー・エム・クォック
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・ディー・フスタッド
【審査官】 高橋 純平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−316026(JP,A)
【文献】 特開2002−023389(JP,A)
【文献】 特開2004−031662(JP,A)
【文献】 特開2008−046408(JP,A)
【文献】 特開2004−037570(JP,A)
【文献】 特開2003−142381(JP,A)
【文献】 特開2015−087749(JP,A)
【文献】 特開2014−170190(JP,A)
【文献】 特開2008−275995(JP,A)
【文献】 特開平07−209879(JP,A)
【文献】 特開昭63−236033(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/00−7/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パターン処理法であって、
(a)表面上にパターン形成特徴部を備える半導体基板を提供することと、
(b)パターン処理組成物を前記パターン形成特徴部に塗布することであって、前記パターン処理組成物が、前記パターン形成特徴部の表面と結合を形成するための表面付着基を含むポリマーであって、ブロックコポリマーであるポリマーと、溶媒と、を含み、前記パターン処理組成物が架橋剤を含まない、塗布することと、
(c)第1のすすぎ剤で前記基板から残留パターン処理組成物を除去して、前記パターン形成特徴部の前記表面上に結合した前記ポリマーのコーティングを残すことと、
(d)前記第1のすすぎ剤とは異なる第2のすすぎ剤で、前記ポリマーでコーティングされたパターン形成特徴部をすすぐことであって、前記ポリマーが、前記第2のすすぎ剤よりも前記第1のすすぎ剤中でより高い溶解度を有する、すすぐことと、を含む、パターン処理法。
【請求項2】
パターン処理法であって、
(a)表面上にネガ型現像プロセスによって形成されるフォトレジストパターンであるパターン形成特徴部を備える半導体基板を提供することと、
(b)パターン処理組成物を前記パターン形成特徴部に塗布することであって、前記パターン処理組成物が、前記パターン形成特徴部の表面と結合を形成するための表面付着基を含むポリマーと、溶媒と、を含み、前記パターン処理組成物が架橋剤を含まない、塗布することと、
(c)第1のすすぎ剤で前記基板から残留パターン処理組成物を除去して、前記パターン形成特徴部の前記表面上に結合した前記ポリマーのコーティングを残すことと
(d)前記第1のすすぎ剤とは異なる第2のすすぎ剤で、前記ポリマーでコーティングされたパターン形成特徴部をすすぐことであって、前記ポリマーが、前記第2のすすぎ剤よりも前記第1のすすぎ剤中でより高い溶解度を有する、すすぐことと、を含む、パターン処理法。
【請求項3】
パターン処理法であって、
(a)表面上にパターン形成特徴部を備える半導体基板を提供することと、
(b)パターン処理組成物を前記パターン形成特徴部に塗布することであって、前記パターン処理組成物が、前記パターン形成特徴部の表面と結合を形成するための表面付着基を含むポリマーと、溶媒と、を含み、前記パターン処理組成物が架橋剤を含まない、塗布することと、
(c)第1のすすぎ剤で前記基板から残留パターン処理組成物を除去して、前記パターン形成特徴部の前記表面上に結合した前記ポリマーのコーティングを残すことと、
(d)前記第1のすすぎ剤とは異なる第2のすすぎ剤で、前記ポリマーでコーティングされたパターン形成特徴部をすすぐことであって、前記ポリマーが、前記第2のすすぎ剤よりも前記第1のすすぎ剤中でより高い溶解度を有する、すすぐことと、を含み、前記第2のすすぎ剤が有機溶媒を含む、ターン処理法。
【請求項4】
前記第1のすすぎ剤が有機溶媒を含む、請求項1〜3のいずれかに記載のパターン処理法。
【請求項5】
前記第1のすすぎ剤が水または水溶液である、請求項1〜3のいずれかに記載のパターン処理法。
【請求項6】
前記リマーが前記パターン形成特徴部にイオン結合または水素結合している、請求項1〜のいずれかに記載のパターン処理法。
【請求項7】
前記ポリマーでコーティングされたパターン形成特徴部のフッティングが、前記第2のすすぎ剤ですすぐ前の前記ポリマーでコーティングされたパターン形成特徴部のフッティングと比べて、前記第2のすすぎ剤ですすいだ後に低減される、請求項1〜のいずれかに記載のパターン処理法。
【請求項8】
前記パターン処理組成物ポリマーが前記第2のすすぎ剤中で不溶性である、請求項1〜のいずれかに記載のパターン処理法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、電子デバイスの製造に関する。より具体的には、本発明は、半導体デバイス基板上にパターンを処理するための方法に関する。本方法は、微細パターンを形成するための収縮プロセスにおける半導体デバイスの製造において特に用途を見出す。
【背景技術】
【0002】
半導体製造業界において、標準のレジストパターン形成技法を用いて得られる解像能を超える解像能を拡大するために、パターン収縮のための様々なプロセスが提案されている。これらのプロセスは、レジストパターン側壁の有効厚さを増加させて、例えば隣接線間または溝もしくはホールパターン内の間隔を低減(すなわち、「収縮」)することを含む。このようにして、そのパターンから形成された溝及びコンタクトホール等の特徴部は、より小さくされ得る。既知の収縮技術としては、例えば、化学蒸着(CVD)アシスト、酸拡散レジスト成長、熱流、及びポリマーブレンド自己組織化が挙げられる。
【0003】
CVDアシスト収縮プロセス(K.Oyama et al,“The enhanced photoresist shrink process technique toward 22nm node”,Proc.SPIE 7972,Advances in Resist Materials and Processing Technology XXVIII,79722Q(2011)を参照のこと)は、例えばコンタクトホールパターン、線/空間パターン、または溝パターンを含む、フォトレジストパターン上に形成されたCVD蒸着層を使用する。CVD材料がエッチバックされ、その材料をレジストパターンの側壁上に残す。これは、レジストパターンの有効横寸法を増加させ、それによりエッチングされる下位層を露出させる開放面積を低減する。CVDアシスト収縮技法は、高価でプロセスの複雑性を増大させるプロセススループットの点で不利なCVD及びエッチング工具の使用を必要とする。
【0004】
RELACSプロセス(L.Peters,“Resists Join the Sub−λ Revolution”,Semiconductor International,1999.9を参照のこと)とも称される酸拡散レジスト成長プロセスにおいて、酸触媒架橋性材料がポジ型現像(PTD)レジストパターン形成表面上にコーティングされる。この材料の架橋は、ベークステップ中に架橋性材料中に拡散するレジストパターン中に存在する酸成分によって触媒される。この架橋は、酸拡散領域内のレジストパターン付近の材料で生じて、パターンの側壁上にコーティングを形成し、それによりパターンの開放面積の横寸法を低減する。このプロセスは、典型的には、レジストパターン上での架橋層の成長が隣接するレジストパターンの密度(それらの間隔)に応じてダイ表面全域で不均一に生じる等密度バイアス(IDB)を被る。結果として、同一の特徴部の「収縮」の程度は、パターン密度に基づいてダイ全域で異なり得る。これは、同一であるよう意図されるデバイスのパターン形成欠陥及びダイ全域での電気的特性の変動につながり得る。
【0005】
ポリマーブレンド自己組織化(Y.Namie et al,“Polymer blends for directed self−assembly”,Proc.SPIE 8680,Alternative Lithographic Technologies V,86801M(2013)を参照のこと)は、親水性ポリマーと疎水性ポリマーの非混合性ブレンドを含有する組成物をフォトレジストパターン上にコーティングすることを含む。その後、この組成物がアニールされてポリマー分相を引き起こし、親水性ポリマーがレジストパターン側壁へと優先的に分離し、疎水性ポリマーがレジストパターン側壁間の体積の残りを充填する。次に、疎水性ポリマーが溶媒現像によって除去されて、親水性ポリマーをレジストパターン側壁上に残す。ポリマーブレンド自己組織化が近接効果及びサイズ効果を被ることが見出されている。収縮比がこれら2つのポリマーの体積比によって決定されるため、すべての特徴部は、同じ絶対量ではなく同じ相対割合だけ収縮する。これは、酸拡散レジスト成長技法に関して記載された問題と同じ問題につながり得る。
【0006】
ポリマーグラフト収縮技法も提案されている(例えば、米国特許出願公開第2015/0086929A1号を参照のこと)。図1A及び1Bに示されるように、このプロセスでは、フォトレジストパターン1及び基板2がレジストパターンの表面に結合する基を有するポリマーを含有する収縮組成物3でオーバーコーティングされる。溶媒で結合していない残留ポリマーをすすいだ後、収縮組成物由来の結合したポリマーの層3がフォトレジストパターン上に留まる。本発明者らは、レジストパターンへのポリマーの付着が基板表面上に形成されるフッティング層4をもたらし得ることを観察した。フッティングの発生は、基板表面へのポリマーの結合、及び基板に結合したポリマーへのレジスト側壁に結合したポリマーの湿潤に起因し得る。フッティングの発生は、デバイス収率に悪影響を及ぼし得るパターン形成欠陥、例えば、架橋欠陥、またはコンタクトホール不足をもたらし得るという点で望ましくない。
【0007】
最先端技術に関連した1つ以上の問題に対処し、かつ電子デバイス製作時の微細パターンの形成を可能にする改善されたパターン処理法が当技術分野において依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0008】
本発明の第1の態様に従って、パターン処理法が提供される。本方法は、(a)表面上にパターン形成特徴部を備える半導体基板を提供することと、(b)パターン処理組成物をパターン形成特徴部に塗布することであって、パターン処理組成物が、パターン形成特徴部の表面と結合を形成するための表面付着基を含むポリマーと、溶媒と、を含み、パターン処理組成物が架橋剤を含まない、塗布することと、(c)第1のすすぎ剤で基板から残留パターン処理組成物を除去して、パターン形成特徴部の表面上に結合したポリマーのコーティングを残すことと、(d)第1のすすぎ剤とは異なる第2のすすぎ剤で、ポリマーでコーティングされたパターン形成特徴部をすすぐことであって、ポリマーが、第2のすすぎ剤よりも第1のすすぎ剤中でより高い溶解度を有する、すすぐことと、を含む。本発明は、高解像度パターンを提供するための半導体デバイスの製造において特に適用性を見出す。
【0009】
本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、本発明を限定するようには意図されていない。本明細書で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈が別様に明確に示さない限り、単数形及び複数形の両方を包含するよう意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明は、以下の図面を参照して説明され、図面中の同様の参照番号は、同様の特徴部を表す。
【0011】
図1】様々なパターン形成段階における従来技術の基板を断面で示す。
図2】本発明に従う、様々なパターン形成段階における基板を断面で示す。
図3】本発明に従う、様々なパターン形成段階における基板を断面で示す。
図4】本発明に従う、様々な形成段階におけるパターンのSEM顕微鏡写真を示す。
図5】本発明に従う、様々な形成段階におけるパターンのSEM顕微鏡写真を示す。
図6】本発明に従う、様々な形成段階におけるパターンのSEM顕微鏡写真を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
パターン処理組成物
本発明の方法に有用なパターン処理組成物は、ポリマー及び溶媒を含み、1つ以上のさらなる任意の成分を含んでもよい。本組成物は、パターン形成特徴部、例えば、コンタクトホール、溝または線、及び空間パターン上にコーティングされたときに、特徴部のサイズまたは密度にかかわらず、一貫した収縮値を可能にする。すなわち、本組成物は、近接バイアスを最小限にしか呈しないか、または全く呈しないコーティングされたパターンを可能にし得る。加えて、本パターン処理組成物は、スピンコーティング工具を使用してコーティングされ、それにより加工を簡易化し、フォトレジストパターン形成プロセスとの統合を容易にし得る。
【0013】
好適なポリマーとしては、パターン形成特徴部上に層を形成するために反応性表面付着基を介してパターン形成特徴部の表面に結合した状態になり得るものが挙げられる。この層は、例えば、パターン形成特徴部の表面へのポリマーのイオン結合及び/または水素結合によって形成され得る。パターン処理組成物に好適なポリマーとしては、ホモポリマー及びコポリマーが挙げられる。コポリマーは、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー(BCP)、またはそれらの組み合わせであってもよい。ランダムコポリマーは、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の異なる単位を含んでもよい。ブロックコポリマーは、マルチブロックコポリマー、例えば、ジブロック、トリブロック、テトラブロック、またはより高次のブロックコポリマーであってもよく、1つ以上のブロックは、ランダムコポリマーまたは交互コポリマーを含んでもよい。これらのブロックは、線状コポリマー、分岐が骨格にグラフトされている分岐状コポリマー(これらのコポリマーは「櫛形コポリマー」と呼ばれることもある)、星形コポリマー等の一部であってもよい。
【0014】
本ポリマーは、パターン形成特徴部の表面と結合、例えば、水素結合及び/またはイオン結合を形成するための反応性表面付着基を含む。この反応性表面付着基は、例えば、本ポリマーの1つ以上の繰り返し単位等におけるポリマー骨格にペンダントしている基として、または本ポリマーの末端基の一部として存在してもよい。反応性表面付着基が結合を形成するパターン形成特徴部の表面上のこの特定の部位は、そのパターンの特定の材料に依存する。例えば、有機フォトレジストパターンの場合、表面付着基は、典型的には、酸基及び/またはアルコール基等の1つ以上の基がレジストパターン表面上に存在する部位で結合を形成する。そのような基は、レジストパターン形成プロセス中の脱保護反応の結果として、かつ/または最初のフォトレジストポリマーの一部として存在してもよい。好ましくは、このパターンは、有機溶媒現像剤を使用してネガ型現像(NTD)プロセスによって形成されるフォトレジストパターンである。表面付着基としては、好ましくは、レジストパターンの露出面で脱保護酸基及び/またはアルコール基と結合、好ましくはイオン結合または水素結合を形成するのに効果的な水素受容体を含有する基が挙げられる。
【0015】
好ましい表面付着基としては、例えば、アミン、例えば、第一級アミン、第二級アミン、及び第三級アミン;アミド;イミン、例えば、第一級及び第二級アルジミン及びケチミン;ジアジン、例えば、任意に置換されたピラジン、ピペラジン、フェナジン;ジアゾール、例えば、任意に置換されたピラゾール、チアジアゾール、及びイミダゾール;任意に置換されたピリジン、例えば、ピリジン、2−ビニルピリジン、及び4−ビニルピリジン;ならびにそれらの組み合わせから選択される1つ以上の基が挙げられる。表面付着基は、好ましくは、ポリマー骨格にペンダントしており、好ましくは、ポリマー骨格にペンダントしている環、例えば、任意に置換されたピリジン、インドール、イミダゾール、トリアジン、ピロリジン、アザシクロプロパン、アザシクロブタン、ピペリジン、ピロール、プリン、ジアゼチジン、ジチアジン、アゾカン、アゾナン、キノリン、カルバゾール、アクリジン、インダゾール、及びベンズイミダゾールの形態をとる。
【0016】
表面付着基を含有する好適なモノマー単位としては、例えば、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルアクリレート、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、2−(tert−ブチルアミノ)エチルメタクリレート、2−N−モルホリノエチルアクリレート、2−N−モルホリノエチルメタクリレート、3−ジメチルアミノネオペンチルアクリレート、N−(t−BOC−アミノプロピル)メタクリルアミド、N−[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]メタクリルアミド、N−[3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N−[3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−(3−アミノプロピル)メタクリルアミド、2−アミノエチルメタクリレート、4−N−tert−ブトキシカルボニルピペリジン−1−メタクリレート、2−(ジメチルアミノ)スチレン、4−(ジメチルアミノ)スチレン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、及びN−ビニルピロリドンが挙げられる。本パターン処理ポリマーがポリシロキサン化学物質系である場合、このモノマー単位は、典型的には、例えば、n−(アセチルグリシル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(n−アリルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、アリルアミノトリメチルシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、4−アミノ−3,3−ジメチルブチルメチルジメトキシシラン、4−アミノ−3,3−ジメチルブチルトリメトキシシラン、n−(2−アミノエチル)−3−アミノイソブチルジメチルメトキシシラン、n−(2−アミノエチル)−3−アミノイソブチルメチルジメトキシシラン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメトキシシラン、n−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、n−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、n−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、n−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、n−(2−アミノエチル)−2,2,4−トリメチル−1−アザ−2−シラシクロペンタン、n−(6−アミノヘキシル)アミノメチルトリエトキシシラン、n−(6−アミノヘキシル)アミノメチルトリメトキシシラン、n−(2−アミノエチル)−11−アミノウンデシルトリメトキシシラン、3−(m−アミノフェノキシ)プロピルトリメトキシシラン、m−アミノフェニルトリメトキシシラン、p−アミノフェニルトリメトキシシラン、n−3−[(アミノ(ポリプロピレノキシ)]アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、11−アミノウンデシルトリエトキシシラン、n−(2−n−ベンジルアミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、n−ブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、t−ブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、(n−シクロヘキシルアミノメチル)トリエトキシシラン、(n−シクロヘキシルアミノメチル)トリメトキシシラン、(n,n−ジエチル−3−アミノプロピル)トリメトキシシラン、n,n−ジメチル−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、(n,n−ジメチル−3−アミノプロピル)トリメトキシシラン、(3−(n−エチルアミノ)イソブチル)トリメトキシシラン、n−メチルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、n−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、(フェニルアミノメチル)メチルジメトキシシラン、及びn−フェニルアミノプロピルトリメトキシシランを含む、アミン官能性シロキサンモノマーである。好適なポリマーの選択により、パターン形成特徴部の露出面上の本ポリマーの厚さが正確に制御され得る。この厚さは、例えば、好適な分子量の選択により制御され得、より高い分子量が典型的にはより厚い厚さをもたらし、より低い分子量が典型的にはより薄い厚さをもたらす。本ポリマーの化学組成も成長量に影響を及ぼし得る。例えば、所与の分子量について、より長い非摂動末端間距離またはより剛性の骨格を有するポリマーが、より大きい収縮を提供する。
【0017】
表面付着基が本ポリマーの繰り返し単位の一部である場合、そのような単位は、典型的には、本ポリマーに基づいて、0.001〜100モル%、0.01〜50モル%、0.1〜20モル%、0.1〜10モル%の量でポリマー中に存在する。さらに、またはあるいは、表面付着基は、本ポリマーの1つ以上の末端基として存在し得る。
【0018】
本ポリマーは、好ましくは、表面付着基に加えて、パターン形成特徴部上のポリマー層が低線幅粗度(LWR)の滑らかな表面を有することができるようにする「平滑」成分を有する。表面付着基及び平滑成分は、典型的には、ブロックコポリマーの異なるブロック上に存在する。本ポリマーの平滑成分に好適な材料としては、ビニル芳香族モノマー、アクリレートモノマー、(アルキル)アクリレートモノマー、ポリシロキサン、ポリ(ジメチルシラブタン)、またはそれらの組み合わせが挙げられる。平滑成分に好適なビニル芳香族モノマーとしては、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、α−メチルスチレン、エチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロロスチレン、4−tert−ブチルスチレン等、または前述のアルキルスチレンモノマーのうちの少なくとも1つを含む組み合わせが挙げられる。ビニル芳香族モノマーは、式(1)で表されるペンダントシリコン原子も含んでもよく、
【0019】
【化1】
【0020】
式中、Rは、SiR(式中、RがC−C10アルキルである)、OSiMeSiMe、O(SiMeSiMe、SiMeSiMe、(SiMeSiMe等である。ペンダントシリコン原子を含む例示的なスチレンモノマーは、式(2)〜(4)に示される。
【0021】
【化2】
【0022】
平滑成分に好適な(アルキル)アクリレートモノマーは、式(5)で表されるモノマー由来の構造を有してもよく、
【0023】
【化3】
【0024】
式中、Rは、水素、または1〜10個の炭素原子を有するアルキル基もしくはフルオロアルキル基であり、Rは、C−C10アルキル、C−C10シクロアルキル、またはC−C10アラルキル基である。(アルキル)アクリレートの例は、メタクリレート、エタクリレート、プロピルアクリレート、メチルメタクリレート、メチルエチルアクリレート、メチルプロピルアクリレート、エチルエチルアクリレート、メチルアリールアクリレート等、または前述のアクリレートのうちの少なくとも1つを含む組み合わせである。「(アルキル)アクリレート」という用語は、別途指定されない限り、アクリレートまたはアルキルアクリレート(例えば、メタクリレート)のいずれかが企図されることを意味する。平滑成分のアクリレートモノマーの例示的な例は、ポリ(t−ブチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチルメタクリレート)、及びポリ(プロピルメタクリレート)である。
【0025】
アクリレートモノマーは、式(6)で表されるペンダントシリコン原子も含んでもよく、
【0026】
【化4】
【0027】
式中、Rは、シリコンを含み、例えば、R=SiR(式中、RがC−C10アルキルである)、OSiMeSiMe、O(SiMeSiMe、SiMeSiMe、(SiMeSiMe3、CHSiMe、CH(SiMe等である。ペンダントシリコン原子を含む例示的なアクリレートモノマーは、式(7)〜(14)に示される。
【0028】
【化5】
【0029】
平滑成分は、シロキサンモノマー由来であり、かつ式(15)の構造を有する繰り返し単位を有するポリシロキサンも含んでもよく、
【0030】
【化6】
【0031】
式中、各Rは、独立して、C−C10アルキル、C−C10シクロアルキル、C−C14アリール、C−C13アルキルアリール、またはC−C13アリールアルキルである。前述のR基の組み合わせが同じモノマー中に存在してもよい。例示的なシロキサンとしては、ジメチルシロキサン、ジエチルシロキサン、ジフェニルシロキサン、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0032】
本ポリマーの平滑成分及び他の任意の単位は、ポリマー中に存在する場合、典型的には、本ポリマーに基づいて、例えば、0.01〜100モル%、50〜99.99モル%、80〜99.9モル%、または90〜99.9モル%の量で存在する。
【0033】
好適なポリマーの選択により、パターン形成特徴部の露出面上の本ポリマーの厚さが正確に制御され得る。この厚さは、例えば、好適な分子量の選択により制御され得、より高い分子量が典型的にはより厚い厚さをもたらし、より低い分子量が典型的にはより薄い厚さをもたらす。本ポリマーの化学組成も成長量に影響を及ぼし得る。例えば、所与の分子量について、より長い非摂動末端間距離またはより剛性の骨格を有するポリマーが、より大きい収縮を提供することができる。
【0034】
本ポリマーは、本組成物中に使用される有機溶媒であって、過剰なポリマー(すなわち、レジストパターンに付着していないポリマー)を基板からすすいで完全に除去するために使用される有機溶媒中で良好な溶解度を有するべきである。本収縮組成物中の本ポリマーの含有量は、例えば、収縮組成物の所望のコーティング厚に依存する。本ポリマーは、典型的には、本収縮組成物の全固体に基づいて、80〜99重量%、より典型的には90〜98重量%の量で本組成物中に存在する。本ポリマーの重量平均分子量は、典型的には、400,000g/mol未満、好ましくは1000〜200,000g/mol、より好ましくは1000〜150,000g/molまたは2000〜125,000g/molである。
【0035】
本ポリマーは、好ましくは、1つ以上の下位層へのパターン転写を促進するために良好なエッチング耐性を有する。炭素系ポリマーの場合、「大西パラメータ」がポリマーのエッチング耐性の指標として一般に使用され得る(J.Electrochem Soc,143,130(1983),H.Gokan,S.Esho and Y.Ohnishi)。大西パラメータは、ポリマーの炭素密度を示すために一般に使用され、式(16)に記載の等式によって具体的に決定され、
N/(NC−NO)=大西パラメータ (16)
式中、Nは、炭素原子、水素原子、及び酸素原子の合計総数であり、NCは、炭素原子の数であり、NOは、酸素原子の数である。単位体積当たりのポリマーの炭素密度の増加(すなわち、大西パラメータの減少)は、そのエッチング耐性を改善する。本発明に有用な炭素系ポリマーの大西パラメータは、典型的には4.5未満、好ましくは4未満、より好ましくは3.5未満である。シリコン及び他のエッチング耐性原子を含有するポリマーの場合、大西パラメータは、エッチング特性を予測することができない。シリコンを含有するポリマーの場合、酸素プラズマに対するエッチング耐性は、シリコン含有量の増加とともに増加する。シリコンを多く含むポリマーは、一般に、酸素プラズマ反応性イオンエッチングに対して高い耐性を有する。したがって、シリコン含有量は、エッチング特性を予測するための手段として一般に使用される。高いエッチング耐性が所望される場合、本発明に有用なシリコン含有ポリマーのシリコン含有量は、典型的には、本ポリマーに基づいて、10重量%を超え、好ましくは15重量%を超え、より好ましくは20重量%を超えるか、25重量%を超えるか、または30重量%を超える。
【0036】
本パターン処理組成物に有用な好適なコポリマーとしては、例えば、ランダムポリマー及び/またはブロックコポリマー(ブロックコポリマーが好ましい)の形態をとり得る以下のものが挙げられ、
【0037】
【化7-1】
【0038】
【化7-2】
【0039】
【化7-3】
【0040】
【化7-4】
【0041】
【化7-5】
【0042】
【化7-6】
【0043】
【化7-7】
【0044】
式中、xは、本ポリマーに基づいて、0.01〜99.999モル%、50〜99.99モル%、80〜99.9モル%、または90〜99.9モル%であり、yは、本ポリマーに基づいて、0.001〜99.99モル%未満、0.01〜50モル%、0.1〜20モル%、または0.1〜10モル%であり、a及びbは、本ポリマーに基づいて、0.01〜99.9モル%、50〜99.99モル%、80〜99.9モル%、または90〜99.9モル%の合計量で存在し、cは、本ポリマーに基づいて、0.001〜99.99モル%未満、0.01〜50モル%、0.1〜20モル%、または0.1〜10モル%であり、nは、整数は、単位の数、例えば、5〜4000を表す。
【0045】
本パターン処理組成物は、典型的には、単一のポリマーを含むが、任意に、上述の1つ以上のさらなるポリマー及び/または他のポリマーを含んでもよい。本パターン処理組成物中での使用に好適なポリマーは市販のものであり、かつ/または当業者によって容易に作製され得る。本ポリマーは、金属及び/または非金属不純物を除去するために、本パターン処理組成物の他の成分と組み合わせられる前に精製に供され得る。精製は、例えば、洗浄、スラリー化、遠心分離、濾過、蒸留、デカンテーション、蒸発、及びイオン交換ビーズ処理のうちの1つ以上を含み得る。
【0046】
本パターン処理組成物は、溶媒をさらに含む。溶媒は、好ましくは、単一の有機溶媒または有機溶媒の混合物の形態の有機溶媒である。本パターン処理組成物の配合及び流延に好適な溶媒材料は、本組成物の非溶媒成分に関して優れた溶解度特性を呈するが、下位のフォトレジストパターンを感知できるほどには溶解しない。本パターン処理組成物に好適な有機溶媒としては、例えば、アルキルエステル、例えば、n−酢酸ブチル、n−プロピオン酸ブチル、n−プロピオン酸ペンチル、n−プロピオン酸ヘキシル、及びn−プロピオン酸ヘプチル、ならびに酪酸アルキル、例えば、n−酪酸ブチル、酪酸イソブチル、及びイソ酪酸イソブチル、ケトン、例えば、2−ヘプタノン、2,6−ジメチル−4−ヘプタノン、及び2,5−ジメチル−4−ヘキサノン、脂肪族炭化水素、例えば、n−ヘプタン、n−ノナン、n−オクタン、n−デカン、2−メチルヘプタン、3−メチルヘプタン、3,3−ジメチルヘキサン、及び2,3,4−トリメチルペンタン、ならびにフッ素化脂肪族炭化水素、例えば、ペルフルオロヘプタン、ならびにアルコール、例えば、直鎖状、分岐状、または環状C−C一価アルコール、例えば、1−ブタノール、2−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−ヘキサノール、2−ヘプタノール、2−オクタノール、3−ヘキサノール、3−ヘプタノール、3−オクタノール、及び4−オクタノール、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブタノール、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンタノール、及び2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロ−1−ヘキサノール、ならびにC−Cフッ素化ジオール、例えば、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロ−1,5−ペンタンジオール、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキサンジオール、及び2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロ−1,8−オクタンジオール、トルエン、アニソール、ならびにこれらの溶媒のうちの1つ以上を含有する混合物が挙げられる。これらの有機溶媒のうち、プロピオン酸アルキル、酪酸アルキル、及びケトン、好ましくは、分岐状ケトンが好ましく、C−Cプロピオン酸アルキル、C−Cプロピオン酸アルキル、C−Cケトン、及びこれらの溶媒のうちの1つ以上を含有する混合物がより好ましい。好適な混合溶媒としては、例えば、アルキルケトン及びプロピオン酸アルキル、例えば、上述のアルキルケトン及びプロピオン酸アルキルの混合物が挙げられる。本組成物の溶媒成分は、典型的には、全組成物に基づいて、90〜99重量%の量で存在する。
【0047】
本パターン処理組成物は、例えば界面活性剤及び抗酸化剤を含む1つ以上の任意の添加物を含み得る。使用される場合、そのような任意の添加物は各々、典型的には、本組成物の全固体に基づいて、0.01〜10重量%等の少量で本組成物中に存在する。
【0048】
典型的な界面活性剤は、両親媒性性質(すなわち、それらが同時に親水性及び疎水性の両方である)を呈するものを含む。両親媒性界面活性剤は、水に対して強い親和性を有する親水性頭部基(複数可)と、有機物親和性であり、水をはじく長い疎水性尾部とを有する。好適な界面活性剤は、イオン性(すなわち、アニオン性、カチオン性)または非イオン性であり得る。界面活性剤のさらなる例としては、シリコーン界面活性剤、ポリ(アルキレンオキシド)界面活性剤、及びフルオロケミカル界面活性剤が挙げられる。好適な非イオン性界面活性剤としては、オクチル及びノニルフェノールエトキシレート、例えば、TRITON(登録商標)X−114、X−100、X−45、X−15、及び分岐状第二級アルコールエトキシレート、例えば、TERGITOL(商標)TMN−6(The Dow Chemical Company(米国ミシガン州ミッドランド))が挙げられるが、これらに限定されない。なおさらなる例示的な界面活性剤としては、アルコール(第一級及び第二級)エトキシレート、アミンエトキシレート、グルコシド、グルカミン、ポリエチレングリコール、ポリ(エチレングリコール−コ−プロピレングリコール)、またはManufacturers Confectioners Publishing Co.(ニュージャージー州グレンロック)によって公開されたMcCutcheon’s Emulsifiers and Detergents,North American Edition for the Year 2000に開示される他の界面活性剤が挙げられる。アセチレンジオール誘導体である非イオン性界面活性剤も好適であり得る。そのような界面活性剤は、Air Products and Chemicals,Inc.(ペンシルベニア州アレンタウン)から市販されており、SURFYNOL及びDYNOLの商品名でも市販されている。さらなる好適な界面活性剤としては、他のポリマー化合物、例えば、トリ−ブロックEO−PO−EOコ−ポリマーPLURONIC 25R2、L121、L123、L31、L81、L101、及びP123(BASF,Inc.)が挙げられる。
【0049】
抗酸化剤を添加して、本パターン処理組成物中の有機物質の酸化を防ぐか、または最小限に抑えることができる。好適な抗酸化剤としては、例えば、フェノール系抗酸化剤、有機酸誘導体から成る抗酸化剤、硫黄含有抗酸化剤、リン系抗酸化剤、アミン系抗酸化剤、アミン−アルデヒド縮合物から成る抗酸化剤、及びアミン−ケトン縮合物から成る抗酸化剤が挙げられる。フェノール系抗酸化剤の例としては、置換フェノール、例えば、1−オキシ−3−メチル−4−イソプロピルベンゼン、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2−(1−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、2−メチル−4,6−ジノニルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチル・アニリノ)2,4−ビス・オクチル−チオ−1,3,5−トリアジン、n−オクタデシル−3−(4′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチル・フェニル)プロピオネート、オクチル化フェノール、アラルキル置換フェノール、アルキル化p−クレゾール、及びヒンダードフェノール、ビス、トリス、及びポリフェノール、例えば、4,4′−ジヒドロキシ・ジフェニル、メチレンビス(ジメチル−4,6−フェノール)、2,2′−メチレン−ビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチレン−ビス−(4−メチル−6−シクロヘキシル・フェノール)、2,2′−メチレン−ビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−メチレン−ビス−(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチレン−ビス−(6−α−メチル−ベンジル−p−クレゾール)、メチレン架橋多価アルキルフェノール、4,4′−ブチリデンビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン、2,2′−ジヒドロキシ−3,3′−ジ−(α−メチルシクロヘキシル)−5,5′−ジメチル・ジフェニルメタン、アルキル化ビスフェノール、ヒンダードビスフェノール、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、ならびにテトラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−tert−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンが挙げられる。好適な抗酸化剤は、例えば、Irganox(商標)抗酸化剤(Ciba Specialty Chemicals Corp.)から市販されている。
【0050】
本パターン処理組成物は、好ましくは、酸拡散レジスト成長プロセスにおいて典型的に使用される架橋剤等の架橋剤を含まない。これらのプロセスは、近接及びサイズバイアスを被ることで知られており、例えば、残りのフォトレジスト中の酸濃度に起因して、単離したホールが高密度ホールよりも収縮する。架橋剤を含まないことに加えて、本パターン処理組成物は、好ましくは、酸、酸発生剤化合物、例えば、熱酸発生剤化合物及び光酸発生剤化合物を含まず、したがって、化合物は、本組成物のアンカー機能を有するレジストの酸/アルコールと競合することによって、本組成物により達成可能な溝/ホール収縮量を制限し得る。
【0051】
本パターン処理組成物は、既知の手順に従って調製され得る。例えば、本組成物は、本ポリマー及び本組成物の他の任意の固体成分を溶媒成分中に溶解することによって調製され得る。本組成物の所望の全固体含有量は、組成物中のこの特定のポリマー(複数可)及び所望の最終層厚等の要因に依存する。好ましくは、本パターン処理組成物の固体含有量は、本組成物の全重量に基づいて、1〜10重量%、より好ましくは1〜5重量%である。
【0052】
パターン処理法
本発明に従うプロセスが、本発明に従うパターンを処理するための例示的なプロセスフローを例証する図2A〜Dを参照して、これから説明される。図2Aは、上にパターン形成特徴部102を有する基板100を例証する。この基板は、その表面上に形成された様々な層及び特徴部を含むことができる。この基板は、半導体、例えば、シリコンまたは化合物半導体(例えば、III−VまたはII−VI)、ガラス、石英、セラミック、銅等の材料を含み得る。典型的には、この基板は、その表面上に形成された1つ以上の層及び/または特徴部を有するシリコンウエハ等の半導体ウエハである。
【0053】
基板の層及び特徴部は、導電材料、例えば、アルミニウム、銅、モリブデン、タンタル、チタン、タングステン、合金、そのような金属の窒化物またはケイ化物、ドープ非晶質シリコンまたはドープポリシリコン、誘電材料、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、または金属酸化物、及び半導体材料のうちの1つ以上から形成され得る。これらの層は、様々な技法、例えば、CVD、例えば、プラズマ強化CVD(PECVD)、低圧CVD(LPCVD)、もしくはエピタキシャル成長、原子層堆積(ALD)、物理蒸着(PVD)、例えば、スパッタリングもしくは蒸発、電気めっき、スピンコーティング、または熱酸化のうちの1つ以上によって塗布され得る。フォトレジスト層がコーティング及びパターン形成されてパターン形成特徴部102を形成する場合、基板は、典型的には、フォトレジスト層がコーティングされるハードマスク層及び/または底部反射防止コーティング(BARC)層を含む。エッチングされる下位層が有意なエッチング幅を必要とし、かつ/または特定のエッチング液が不良なレジスト選択性を有する場合、例えば非常に薄いレジスト層とのハードマスク層の使用が所望され得る。ハードマスク層が使用される場合、パターン形成特徴部102は、ハードマスク層に転写され、次いで、それが下位層をエッチングするためのマスクとして使用され得る。好適なハードマスク材料及び形成法が当技術分野で既知である。典型的な材料としては、例えば、タングステン、チタン、窒化チタン、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸窒化アルミニウム、酸化ハフニウム、スピンオン炭素(SOC)、酸窒化シリコン、及び窒化シリコンが挙げられる。ハードマスク層は、単一の層または異なる材料の複数の層を含み得る。ハードマスク層は、例えば、CVD、PVD、またはスピンコーティングによって塗布され得る。
【0054】
BARC層は、形成されたパターンの質が悪影響を受けるように基板及び/または下位層が別の方法でフォトレジスト露光中に相当量の入射放射線を反射する場合に望ましくあり得る。そのようなコーティングは、焦点深度、露出寛容度、線幅均一性、及びCD制御を改善し得る。反射防止コーティングは、典型的には、フォトレジスト層が深紫外線光(300nm以下)、例えば、KrFエキシマレーザー光(248nm)またはArFエキシマレーザー光(193nm)に露光される場合に使用される。反射防止コーティングは、単一の層または複数の異なる層を備えてもよく、有機材料または無機材料のものであってもよい。好適な反射防止材料及び形成法が当技術分野で既知である。反射防止材料は市販のものであり、例えば、AR(商標)の商標名でRohm and Haas Electronic Materials LLC(米国マサチューセッツ州マールボロ)から販売されているもの、例えば、AR(商標)40A及びAR(商標)124反射防止材料である。
【0055】
パターン形成特徴部102の形状は限定されておらず、例えば、初期限界寸法(CD)を有するコンタクトホールパターンまたは線−空間パターンの形態をとってもよい。線−空間パターンの場合、30〜200nmの線幅及び75〜500nmのピッチが典型的である。コンタクトホールパターンの場合、30〜200nmのホール径及び75〜500nmのピッチが典型的である。パターン形成特徴部の厚さは、典型的には、60〜500nmである。
【0056】
パターン形成特徴部102の材料は、その外面、すなわち、側壁と、上面と、本パターン処理組成物の表面付着基との間の結合の形成を可能にすべきである。パターン形成特徴部は、そのような結合部位をその最初に形成された状態で提供することができるか、またはあるいは、さらに処理されて結合部位を生成することができる。表面付着基との結合部位は、パターン形成特徴部102の露出面に沿って、例えば、酸基(例えば、カルボキシル基)、ヒドロキシル基、シラノール基、シリルエーテル基、ジルコニウムエーテル基、またはハフニウムエーテル基のうちの1つ以上であってもよい。パターン形成特徴部102の形成における使用に好適な材料としては、例えば、フォトレジスト、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、SOC、窒化チタン、酸化ハフニウム、及び酸化ジルコニウム材料が挙げられる。これらのうち、フォトレジストパターンが典型的である。
【0057】
好適なフォトレジストパターンは、ネガ型現像(NTD)フォトレジスト組成物から形成され得る。本発明に有用なフォトレジスト組成物としては、例えば、酸感受性である、すなわち、フォトレジスト組成物の層の一部として、樹脂及び組成物層が、ソフトベーク、活性化放射線への露光、及び露光後ベーク後に光酸発生剤によって発生する酸との反応の結果として、有機現像剤中での溶解度の変化を受ける、マトリックス樹脂を含む化学増幅フォトレジスト組成物が挙げられる。溶解度の変化は、マトリックスポリマー中の光酸不安定エステルまたはアセタール基等の酸開裂性脱離基が活性化放射線への露光及び熱処理時に光酸促進脱保護反応を受けて酸またはアルコール基を生成するときにもたらされる。好適なフォトレジストは、例えば、米国特許公開第US2013/0115559A1号、同第US2011/0294069A1号、同第US2012/0064456A1号、同第US2012/0288794A1号、同第US2012/0171617A1号、同第US2012/0219902A1号、及び米国特許第US7,998,655B2号に記載されている。
【0058】
マトリックスポリマーは、典型的には、1つ以上の酸不安定基、極性基のうちの1つ以上(例えば、ラクトン、ヒドロキシアダマンチル、ヒドロキシビニルナフタレン)、及び1つ以上の非極性基(例えば、アダマンチル)を含む。好ましい酸不安定基としては、例えば、マトリックスポリマーのエステルのカルボキシル酸素に共有結合した第三級非環式アルキル炭素(例えば、t−ブチル)または第三級脂環式炭素(例えば、メチルアダマンチル)を含有するアセタール基またはエステル基が挙げられる。好適なマトリックスポリマーとしては、(アルキル)アクリレート単位、好ましくは、酸不安定(アルキル)アクリレート単位、例えば、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、メチルアダマンチルアクリレート、メチルアダマンチルメタクリレート、エチルフェンキルアクリレート、エチルフェンキルメタクリレート等、ならびに他の非環式アルキル及び脂環式(アルキル)アクリレート等を含有するポリマーがさらに挙げられる。他の好適なマトリックスポリマーとしては、例えば、任意に置換されたノルボルネン等の非芳香族環式オレフィン(環内二重結合)の重合単位を含有するものが挙げられる。上述のマトリックスポリマーのうちの2つ以上のブレンドは、本フォトレジスト組成物中で好適に使用され得る。193nm等のある特定の200nm未満の波長での画像化の場合、マトリックスポリマーは、典型的には、フェニル、ベンジル、もしくは他の芳香族基を実質的に含まない(例えば、15モル%未満)か、またはそれを全く含まず、そのような基は、高度に放射線吸収性である。
【0059】
本フォトレジスト組成物中での使用に好適なマトリックスポリマーは市販のものであり、当業者によって容易に作製され得る。マトリックスポリマーは、本レジストの露光されたコーティング層を好適な現像剤溶液中で現像可能にするのに十分な量で本レジスト組成物中に存在する。典型的には、マトリックスポリマーは、本レジスト組成物の全固体に基づいて、50〜95重量%の量で本組成物中に存在する。マトリックスポリマーの重量平均分子量Mは、典型的には、100,000未満、例えば、5000〜100,000、より典型的には5000〜15,000である。
【0060】
本フォトレジスト組成物は、活性化放射線への露光時に本組成物のコーティング層中に潜像を生成するのに十分な量で用いられる光酸発生剤(PAG)をさらに含む。例えば、光酸発生剤は、好適には、本フォトレジスト組成物の全固体に基づいて、約1〜20重量%の量で存在する。典型的には、非化学増幅材料と比較して、より少ない量のPAGが化学増幅レジストに好適である。
【0061】
好適なPAGが化学増幅フォトレジストの技術分野で既知であり、例えば、オニウム塩、例えば、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、ニトロベンジル誘導体、例えば、2−ニトロベンジル−p−トルエンスルホネート、2,6−ジニトロベンジル−p−トルエンスルホネート、及び2,4−ジニトロベンジル−p−トルエンスルホネート、スルホン酸エステル、例えば、1,2,3−トリス(メタンスルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ベンゼン、及び1,2,3−トリス(p−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼン、ジアゾメタン誘導体、例えば、ビス(ベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、グリオキシム誘導体、例えば、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、及びビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、N−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル誘導体、例えば、N−ヒドロキシスクシンイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル、ならびにハロゲン含有トリアジン化合物、例えば、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンが挙げられる。そのようなPAGのうちの1つ以上が使用され得る。
【0062】
本フォトレジスト組成物に好適な溶媒としては、例えば、グリコールエーテル、例えば、2−メトキシエチルエーテル(ジグリム)、エチレングリコールモノメチルエーテル、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸塩、例えば、乳酸メチル及び乳酸エチル、プロピオン酸塩、例えば、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、エトキシプロピオン酸エチル、及び2−ヒドロキシイソ酪酸メチル、セロソルブエステル、例えば、酢酸メチルセロソルブ、芳香族炭化水素、例えば、トルエン及びキシレン、ならびにケトン、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、及び2−ヘプタノンが挙げられる。上述の溶媒のうちの2つ、3つ、またはそれ以上のブレンド等の溶媒のブレンドも好適である。溶媒は、典型的には、本フォトレジスト組成物の全重量に基づいて、90〜99重量%、より典型的には95〜98重量%の量で本組成物中に存在する。
【0063】
本フォトレジスト組成物は、他の任意の材料をさらに含み得る。例えば、本組成物は、光線性造影剤、抗条線剤、可塑剤、速度強化剤、増感剤等のうちの1つ以上を含み得る。使用される場合、そのような任意の添加物は、典型的には、本フォトレジスト組成物の全固体に基づいて、0.1〜10重量%等の少量で本組成物中に存在する。
【0064】
本レジスト組成物の好ましい任意の添加物は、添加塩基である。好適な塩基としては、例えば、線形及び環状アミドならびにその誘導体、例えば、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)ピバルアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N1,N1,N3,N3−テトラブチルマロンアミド、1−メチルアゼパン−2−オン、1−アリルアゼパン−2−オン、及びtert−ブチル1,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−2−イルカルバメート、芳香族アミン、例えば、ピリジン及びジ−tert−ブチルピリジン、脂肪族アミン、例えば、トリイソプロパノールアミン、n−tert−ブチルジエタノールアミン、トリス(2−アセトキシ−エチル)アミン、2,2′,2′′,2′′′−(エタン−1,2−ジイルビス(アザントリイル))テトラエタノール、及び2−(ジブチルアミノ)エタノール、2,2′,2′′−ニトリロトリエタノール、環式脂肪族アミン、例えば、1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ヒドロキシピペリジン、tert−ブチル1−ピロリジンカルボキシレート、tert−ブチル2−エチル−1H−イミダゾール−1−カルボキシレート、ジ−tert−ブチルピペラジン−1,4−ジカルボキシレート、及びN(2−アセトキシ−エチル)モルホリンが挙げられる。添加塩基は、典型的には、比較的少量で、例えば、本フォトレジスト組成物の全固体に基づいて、0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜2重量%で使用される。
【0065】
本フォトレジストは、既知の手順に従って調製され得る。例えば、本レジストは、好適な溶媒、例えば、グリコールエーテル、例えば、2−メトキシエチルエーテル(ジグリム)、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸塩、例えば、乳酸エチルまたは乳酸メチル(乳酸エチルが好ましい)、プロピオン酸塩、具体的には、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、及びエトキシプロピオン酸エチル、セロソルブエステル、例えば、酢酸メチルセロソルブ、芳香族炭化水素、例えば、トルエンまたはキシレン、またはケトン、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、及び2−ヘプタノンのうちの1つ以上中で本フォトレジストの成分を溶解することによって、コーティング組成物として調製され得る。本フォトレジストの所望の全固体含有量は、本組成物中のこの特定のポリマー、最終層厚、及び露光波長等の要因に依存する。典型的には、本フォトレジストの固体含有量は、本フォトレジスト組成物の全重量に基づいて、1〜10重量%、より典型的には2〜5重量%と異なる。
【0066】
本フォトレジスト組成物は、典型的にはスピンコーティングによって基板表面上にコーティングされて、フォトレジスト層を形成する。このフォトレジスト層は、典型的には、ソフトベークされて層中の溶媒含有量を最小限に抑え、その後、パターン形成されたフォトマスクを通して活性化放射線に露光され、ベークされて、露光された領域と露光されていない領域との間に溶解度差を作り出す。その後、このフォトレジスト層が現像されて、層の露光されていない領域を除去する。NTD法は、典型的には、有機溶媒現像剤、例えば、ケトン、エステル、エーテル、炭化水素、及びそれらの混合物から選択される溶媒を使用する。カルボン酸基及び/またはアルコール基は、典型的には、パターン形成特徴部の外面上に存在し、表面付着基の結合部位としての機能を果たすことができる。
【0067】
図2Bを参照して、本明細書に記載のパターン処理組成物がパターン形成特徴部102上にコーティングされて、パターン処理組成物層104を形成する。本パターン処理組成物は、典型的には、スピンコーティング工具でコーティングされる。この特定のプロセスに応じて、本パターン処理組成物は、特定の用途に応じて、パターン形成特徴部102を完全に被覆するように塗布され得るか、またはレジストパターンの上面を被覆しないようにパターン形成特徴部の厚さ以下の高さまで塗布され得る。パターン形成特徴部の上面を被覆しないことは、ポリマーがパターン形成特徴部102の上面に結合していることが不利である用途において所望され得る。典型的には、本パターン処理組成物は、例証されるようにパターン形成特徴部を被覆する。本パターン処理組成物の厚さは、パターン形成特徴部102の厚さに依存するが、典型的には、30〜500nm、例えば、40〜200nmの厚さである。
【0068】
次に、本パターン処理組成物層104は、典型的には、ソフトベークされて組成物から溶媒を除去し、ポリマーを拡散させ、ポリマーの表面付着基とパターン形成特徴部の結合部位との間の結合を誘導する。典型的なソフトベークは、本パターン処理組成物の場合、約90〜150℃の温度で約30〜120秒間行われる。このソフトベークは、典型的には、本パターン処理組成物のコーティングに使用される同じコーティング工具の熱板上で行われる。
【0069】
次に、結合していないポリマーを含む残留パターン処理組成物は、第1のすすぎ剤ですすぐことによって基板から除去され、図2Cに示されるようにパターン形成特徴部102に結合したポリマーの層104aを残す。このすすぐプロセスは、典型的には、例えばスピンコータ工具で第1のすすぎ剤を基板上に分注することによって行われる。本パターン処理組成物のコーティングに使用される同じプロセス工具は、典型的には、第1のすすぎ剤で基板をすすぐために使用される。好適な第1のすすぎ剤は、残留(結合していない)パターン処理組成物ポリマーが良好な溶解度を呈する溶媒成分を含む。これは、基板表面からの残留ポリマーの実質的なまたは完全な除去を可能にし、この残留ポリマーの存在は、さもなければパターン形成欠陥等の欠陥をもたらし得る。パターン形成特徴部に結合したポリマーは、典型的には、第1のすすぎ剤によって除去されないが、第1のすすぎ中に膨張し得る。第1のすすぎ剤中での結合していないポリマーの溶解度は、典型的には、0.01g/gを超え、好ましくは0.05g/gを超え、より好ましくは0.1g/gを超える(結合していないポリマー(グラム)/第1のすすぎ剤(グラム))。本明細書で使用されるポリマーの溶解度は、室温で測定される。第1のすすぎ剤に好適なすすぎ材料は、本パターン処理組成物ポリマーに依存し、例えば、本パターン処理組成物における使用のための本明細書に記載の同じ溶媒、水、または水溶液が挙げられる。したがって、この特定のパターン処理組成物に用いられる同じ溶媒は、第1のすすぎ剤に有利に使用され得る。第1のすすぎ剤の溶媒成分は、典型的には、第1のすすぎ剤の全重量に基づいて、95〜100重量%の量で存在する。
【0070】
第1のすすぎ剤は、例えば、本パターン処理組成物について記載されるもの等の界面活性剤を含む、1つ以上の任意の添加物を含んでもよい。使用される場合、そのような任意の添加物は各々、典型的には、第1のすすぎ剤の全重量に基づいて、0.001〜5重量%等の少量で第1のすすぎ剤中に存在する。
【0071】
次に、基板は、任意にベークされて、第1のすすぎ剤から基板上に存在し得る残留溶媒を除去することができる。使用される場合、そのようなベークは、典型的には、約90〜150℃の温度で約30〜120秒間行われる。このベークは、本パターン処理組成物のコーティング及び第1のすすぎ剤の塗布に使用される同じ工具の熱板上で行われ得る。
【0072】
結果として生じるポリマー層104aは、基板表面上に形成されるフッティング層106を含んでもよい。いかなる特定の理論に束縛されることを望むものではないが、結合したポリマーのフッティングが、パターン形成特徴部102によって被覆されていない領域内の基板表面へのポリマーの結合、及び基板表面に結合したポリマーへのパターン形成特徴部の側壁に結合したポリマーの湿潤に起因し得ると考えられる。第1のすすぎ剤の比較的良好な溶媒が、グラフトされていないポリマーのみならず、グラフトされているポリマーとも接触するため、良好な溶媒の存在下での鎖拡張が重度のフッティングに関与すると考えられる。そのようなフッティング層の存在は、処理されないまま残された場合、架橋欠陥等のパターン形成欠陥またはコンタクトホール不足をもたらし得る。
【0073】
フッティング層の最小化または排除のために、基板は、次に、第1のすすぎ剤とは異なる第2のすすぎ剤ですすがれる。このすすぐプロセスは、典型的には、スピンコータ工具を使用して上述の第1のすすぎと同様の様式で行われる。本パターン処理組成物及び第1のすすぎ剤のコーティングに使用される同じプロセス工具は、典型的には、第2のすすぎ剤で基板をすすぐために使用される。第1のすすぎ剤及び第2のすすぎ剤の組成は、典型的には、同時に行われる。任意に、第1のすすぎ剤を、連続プロセスにおいて第2のすすぎ剤の組成に傾斜的に変化させてもよい。
【0074】
好適な第2のすすぎ剤は、結合していない形態及びパターン結合した形態での本パターン処理組成物ポリマーが第1のすすぎ剤と比べて不良な溶解度を呈する溶媒成分を含む。したがって、第1のすすぎ剤中でのポリマーの溶解度は、第2のすすぎ剤中でのポリマーの溶解度を超える。いかなる特定の理論に束縛されることを望むものではないが、第2のすすぎ剤中での結合したポリマーの比較的不良な溶解度が、ポリマー鎖の崩壊及び鉛直プロファイルの確立を引き起こすと考えられる。図2Dに示されるように、ポリマーでコーティングされたパターン形成特徴部のフッティングは、第2のすすぎ剤ですすぐ前のポリマーでコーティングされたパターン形成特徴部のフッティングと比べて、第2のすすぎ剤ですすいだ後に低減または排除され得る。第2のすすぎ剤中での結合していないパターン処理組成物ポリマーの溶解度は、典型的には、0.05g/g未満、好ましくは0.01g/g未満、より好ましくは0.001g/g未満である(結合していないポリマー(グラム)/第2のすすぎ剤(グラム))。結合していないパターン処理組成物ポリマーは、好ましくは、第2のすすぎ剤中で不溶性である。第1のすすぎ剤中でのポリマーの溶解度と第2のすすぎ剤中でのポリマーの溶解度の比率は、好ましくは5:1を超え、より好ましくは10:1を超え、典型的には5:0〜100:0であり、より好ましくは10:0〜100:0である。
【0075】
第2のすすぎ剤に好適な典型的な溶媒としては、例えば、アルコール、例えば、C−C10アルコール、例えば、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、1−ブチルアルコール、2−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、tert−アミルアルコール、ネオペンチルアルコール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、3−メチル−3−ペンタノール、シクロペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2,3−ジメチル−2−ブタノール、3,3−ジメチル−1−ブタノール、3,3−ジメチル−2−ブタノール、2−エチル−1−ブタノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、4−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、4−メチル−3−ペンタノール、シクロヘキサノール、及び1−オクタノール;エーテル化合物、例えば、C−C12エーテル、例えば、ジ−n−ブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジ−sec−ブチルエーテル、ジ−n−ペンチルエーテル、ジイソペンチルエーテル、ジ−sec−ペンチルエーテル、ジ−tert−アミルエーテル、及びジ−n−ヘキシルエーテル;アルカン、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、メチルシクロペンタン、ジメチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、及びシクロノナン;アルケン、例えば、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキセン、ジメチルシクロヘキセン、シクロヘプテン、及びシクロオクテン;ならびにアルキン、例えば、C−C12アルキン;ならびに芳香族溶媒、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、及びメシチレンのうちの1つ以上が挙げられる。これらのうち、ヘプタン、イソアミルエーテル、及びデカンが典型的である。これらの溶媒は、単独でまたはそれらの組み合わせで使用され得る。
【0076】
第2のすすぎ剤の溶媒成分は、典型的には、第2のすすぎ剤の全重量に基づいて、95〜100重量%の量で存在する。第2のすすぎ剤は、例えば、本パターン処理組成物について記載されるもの等の界面活性剤を含む、1つ以上の任意の添加物を含んでもよい。使用される場合、そのような任意の添加物は各々、典型的には、第2のすすぎ剤の全重量に基づいて、0.001〜5重量%等の少量で第2のすすぎ剤中に存在する。
【0077】
第1のすすぎ剤及び第2のすすぎ剤の好適な組み合わせとしては、例えば、n−酢酸ブチル及びヘプタン;n−酢酸ブチル及びイソアミルエーテル;n−酢酸ブチル及びメチルイソブチルカルビノール;n−酢酸ブチル及びイソアミルエーテル/メチルイソブチルカルビノール混合物(例えば、50/50体積比);n−酢酸ブチル及びイソプロパノール;2−ヘプタノン及びヘプタン;2−ヘプタノン及びイソアミルエーテル;2−ヘプタノン及びメチルイソブチルカルビノール;2−ヘプタノン及びイソアミルエーテル/メチルイソブチルカルビノール混合物(例えば、50/50体積比);2−ヘプタノン及びイソプロパノール;PGMEA及びヘプタン;PGMEA及びイソアミルエーテル;PGMEA及びメチルイソブチルカルビノール;PGMEA及びイソアミルエーテル/メチルイソブチルカルビノール混合物(例えば、50/50体積比);ならびにPGMEA及びイソプロパノールが挙げられる。
【0078】
第1のすすぎ剤及び第2のすすぎ剤で処理した後、パターン形成特徴部側壁の有効厚さが増加し、それにより隣接線間溝またはホールパターン内の間隔を低減する。結果として生じるポリマーコーティング104bは、パターン形成特徴部102上に実質的に均一にコーティングされ、初期限界寸法(CD)未満の最終限界寸法(CD)を有する。パターン形成特徴部102上のポリマーコーティング104bは、典型的には、パターン形成特徴部102の粗度と比較して、改善された(すなわち、低減された)表面粗度も有する。
【0079】
次に、基板は、任意にベークされて、第2のすすぎ剤から基板上に存在し得る残留溶媒を除去することができる。任意に、ベークは、結合したポリマーのTを超える温度で行われ得る。このベークは、例えば、熱力学的にポリマーを空気との界面積を最小限に抑えさせた結果としてもたらされる改善されたパターン粗度または真円度の形態で、有益な結果を提供することができる。使用される場合、そのようなベークは、典型的には、約90〜150℃の温度で約30〜120秒間行われる。そのようなベークは、本パターン処理組成物のコーティングならびに第1のすすぎ剤及び第2のすすぎ剤の塗布に使用される同じ工具の熱板上で行われ得る。
【0080】
基板100は、さらに加工されて、完成したデバイスを形成することができる。さらなるプロセスとしては、例えば、エッチング、コーティング、イオンインプランテーション、またはフォトリソグラフィプロセスのうちの1つ以上が挙げられ得る。例示的なさらなる基板加工が図3A〜Fに例証されており、図2A〜Dに関して上に記載されるプロセスは、別途示される場合を除き、図3A〜Dに適用可能である。これらの例証されるプロセスフローでは、ポリマーでコーティングされたパターン形成特徴部は、エッチングマスクとして使用されて、基板の1つ以上の層100aをパターン形成する。この態様では、パターン形成特徴部は、典型的には、フォトレジストパターン、例えば、PTDもしくはNTDプロセスによって形成されるもの、またはハードマスク材料、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、もしくはスピンオン炭素ハードマスクパターンである。次に、パターン形成される1つ以上の層100aは、104bをエッチングマスクとしてポリマーでコーティングされたパターン形成特徴部102を使用して選択的にエッチングされて、図3Eに示されるように下位基板100を露出させることができる。エッチング層100aに好適なエッチング技法及び化学反応が当技術分野で既知であり、反応性イオンエッチング等の乾式エッチングプロセスが典型的である。次に、結合したポリマー104b及びパターン形成特徴部102は、図3Fに示されるように、既知の乾式エッチングまたはストリッピング技法を使用して基板から除去されてもよい。
【0081】
以下の非限定的な実施例は、本発明を例証するものである。
【実施例】
【0082】
窒素非含有ブロックポリマーの数平均及び重量平均分子量(Mn及びMw)ならびに多分散度(PDI)値(Mw/Mn)を、屈折率検出器を装備したWaters社のallianceシステム上でゲル透過クロマトグラフィ(GPC)によって測定した。試料をHPCL等級のTHF中に約1mg/mLの濃度で溶解し、4つのShodexカラム(KF805、KF804、KF803、及びKF802)を通して注入した。1mL/分の流速及び35℃の温度を維持した。これらのカラムを狭分子量のPS標準物(EasiCal PS−2、Polymer Laboratories,Inc.)で較正した。最終ブロックコポリマー上の窒素含有ブロックについて、数平均分子量Mnを反応体供給装填物(reactant feed charge)に基づいて計算した。
【0083】
Hitachi S9380 SEMを使用してトップダウン走査型電子顕微鏡写真を250K倍率で生成した。ウエハを区分した後にAmray 1910走査型電子顕微鏡を使用して断面SEM画像を生成した。限界寸法(CD)、ピッチ、及びフッティングの存在をSEM画像に基づいて決定した。
【0084】
フォトレジスト組成物の調製
17.73gのマトリックスポリマーA(PGMEA中15重量%)、16.312gのPAG A溶液(2−ヒドロキシイソ酪酸メチル中1重量%)、3.463gのPAG B溶液(PGMEA中1重量%)、6.986gのPAG C溶液(2−ヒドロキシイソ酪酸メチル中2重量%)、4.185gのトリオクチルアミン(PGMEA中1重量%溶液)、0.248gのポリマー添加物A(PGMEA中25重量%溶液)、25.63gのPGMEA、9.69gのγ−ブチロラクトン、及び22.61gの2−ヒドロキシイソ酪酸メチルを混合し、0.2μmのナイロンフィルタを通して濾過して、フォトレジスト組成物PRC−1を得た。
【0085】
【化8】
【0086】
パターン処理ポリマーの調製
ポリマーP−1及びP−2の調製
表1に記載の材料及び量を使用して、ポリマーP−1及びP−2をアニオン重合により合成した。シクロヘキシルメタクリレート(CHMA)、ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)、及びテトラヒドロフラン(THF)を3回凍結ポンプ解凍して、酸素を除去した。これらのモノマーを活性化Alと共に使用する前にさらに精製し、シクロヘキサンで希釈して約50体積%の濃度にした。約7〜10重量%固体の反応濃度に必要な量のTHFを、予め乾燥させた塩化リチウム(LiCl)を含有する反応器に移した。これらの内容物をドライアイス/イソプロパノール浴中で−78℃に冷却した。THFをシクロヘキサン中0.7Mのsec−ブチルリチウム(SBL)開始剤で緑色が観察されるまで滴定した。緑色が完全に消えるまで反応浴を室温まで加温した。反応浴を−78℃に再度冷却し、その後、ジフェニルエチレン(DPE)及びSBL開始剤を添加して、鮮赤色を得た。CHMAを反応器に供給し、内容物を4時間撹拌した。ポリマー混合物を無酸素メタノール中にカニューレ挿入することによって、反応物一定分量を回収した。沈殿したポリマーをMnについてGPCで分析した。DMAEMAを反応器に添加し、この混合物を−78℃で2時間撹拌した。その後、無酸素メタノールを添加して反応物を反応停止処理した。反応生成物をメタノール中に沈殿させて粉末状の白色沈殿物を得て、これを50℃のオーブン内で8時間真空乾燥させて、以下に示される構造を有するポリマーP−1またはP−2として乾燥ポリマーを得た。
【0087】
【化9】
【0088】
ポリマーP−3の調製
表1に記載の材料及び量を使用して、ポリマーP−3をアニオン重合により合成した。使用前に4−ビニルピリジンをカルシウム水素化物から蒸留し、使用前にTHFをAlカラムに通過させた。使用前にスチレン及び4−ビニルピリジンモノマーを活性化Alで精製し、シクロヘキサンで希釈して約50体積%の濃度にした。このモノマー溶液を超高純度のアルゴンでさらに脱ガスして重合した。約7〜10重量%固体の反応濃度に必要なTHFの量を反応器に移した。これらの内容物をドライアイス/イソプロパノール浴中で−78℃に冷却した。THFを0.7Mシクロヘキサン中のsec−ブチルリチウム(SBL)開始剤で緑色が観察されるまで滴定した。緑色が完全に消えるまで反応浴を室温まで加温した。反応浴を−78℃に再度冷却し、その後、SBL開始剤を添加した。スチレン(224.40g)を反応器に緩徐に供給し、内容物をさらに1時間撹拌した。ポリマー混合物を無酸素メタノール中にカニューレ挿入することによって、反応物一定分量を回収した。沈殿したポリマーをMnについてGPCで分析した。4−ビニルピリジン(15.77g)を反応器に添加し、この混合物を−78℃で1時間撹拌した。反応生成物を10Lのメタノール/水混合物(60/40体積)中に沈殿させて、粉末状の白色沈殿物を得た。この沈殿物を濾過し、脱イオン水でさらに3時間スラリー化した。さらに濾過した後に、最終生成物を60℃のオーブン内で8時間真空乾燥させて、以下に示される構造を有するポリマーP−3として乾燥ポリマーを得た。
【0089】
【化10】
【0090】
【表1】
【0091】
パターン処理ポリマーの溶解度評価
様々なすすぎ剤中でのパターン処理ポリマーPTP−1及びPTP−3の溶解度を、ポリマーをそれぞれのすすぎ剤中に(すすぎ剤及びポリマーに基づいて)0.1〜10重量%の様々な量で添加して12gの試料を形成することにより試験した。12時間振盪した後に溶液の目視検査を行い、ポリマーの溶解が生じたかを決定した。ポリマーが完全に溶解したように見えた試料について、Orbeco−Hellige TB300−IR Lab Turbidimeterを使用して溶液濁度を測定した。特定の溶媒中で1NTU以下の濁度を有するポリマーを可溶性と見なした。結果を表2に示す。ポリマーP−2の溶解度を溶解度について評価しなかったが、ポリマーP−1と実質的に同じ溶解度特徴を有すると予想される。
【0092】
【表2】
【0093】
パターン処理組成物(PTC)の調製
パターン処理組成物1(PTC−1)
パターン処理ポリマーP−1(92.2g)を2−ヘプタノン(2981.1g)中に溶解して、3重量%溶液を得た。この溶液を0.2ミクロンの超高分子量ポリエチレン(UPE)フィルタで濾過して、パターン処理組成物PTC−1を得た。
【0094】
パターン処理組成物2(PTC−2)
パターン処理ポリマーP−2(0.33g)を2−ヘプタノン(10.68g)中に溶解して、3重量%溶液を得た。この溶液を0.2ミクロンの超高分子量ポリエチレン(UPE)フィルタで濾過して、パターン処理組成物PTC−2を得た。
【0095】
パターン処理組成物3(PTC−3)
パターン処理ポリマーP−3(0.241g)を2−ヘプタノン(15.826g)中中に溶解して、1.5重量%溶液を得た。この溶液を0.2ミクロンの超高分子量ポリエチレン(UPE)フィルタで濾過して、パターン処理組成物PTC−3を得た。
【0096】
リソグラフィ加工
1350Åの有機下層上に220Åのシリコン含有反射防止コーティング(SiARC)層を含む二層積層体を有する8インチのシリコンウエハを得た。TEL CLEAN TRACK(商標)LITHIUS(商標)i+コータ/デベロッパで、フォトレジスト組成物PRC−1をこの二層積層体上にコーティングし、90℃で60秒間ソフトベークして、1000Åの目標レジスト厚にした。0.75の開口数(NA)を有するASML 1100スキャナ及びDipole−35Y照射を使用して、各ウエハ全域に様々な線量で150nmのピッチを有する線/空間パターンを含むレチクルを通してこのフォトレジスト層を露光した。露光後ベークを90℃で60秒行い、n−酢酸ブチル(nBA)現像剤を使用して本フォトレジスト層を現像して、これらのウエハ全域に150nmのピッチ及び様々な限界寸法(CD)を有する線/空間パターンを形成した。レジストパターン形成ウエハをトップダウン断面SEMでさらなる加工なしの対照として観察し、線間の平均間隔(CD)を測定した。コータ/デベロッパで、1500rpmで30秒間スピンコーティングすることにより、他のウエハを表3に記載のそれぞれのパターン処理組成物でオーバーコーティングした。その後、これらのウエハを100℃で60秒間ソフトベークし、TEL ACT−8コータ上で39.5秒パドルを使用して第1のすすぎ剤としてn−酢酸ブチルですすいだ。パターン処理されたウエハをトップダウン断面SEMで観察し、線間の平均間隔(CD)をパターンの中間高さで測定した。次に、これらのウエハをTEL ACT−8コータ上で38秒パドルを使用して表3に記載のそれぞれの第2のすすぎ剤で処理した。パターンのトップダウン断面図をSEMで再度観察した。線間の平均間隔(CD)をパターンの中間高さで測定した。本パターン処理組成物の平均収縮量ΔCD(=CDi−CD)を計算し、結果を以下の表3に提供する。表3に参照されるトップダウン断面SEM顕微鏡写真を図4〜7に提供する。SEMから見られるように、本パターン処理組成物ポリマーのフッティングが、残留パターン処理ポリマーを除去するために使用した第1のすすぎステップ後に生じた。第2のすすぎ剤を使用した第2のすすぎステップは、フッティング層を効果的に低減または排除した。
【0097】
【表3】
図1
図2
図3
図4
図5
図6