特許第6364061号(P6364061)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6364061
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】フレキシブルディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20180712BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20180712BHJP
   G02F 1/1345 20060101ALI20180712BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20180712BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20180712BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20180712BHJP
【FI】
   G09F9/00 348Z
   G09F9/30 308Z
   G09F9/00 302
   G09F9/00 366A
   G02F1/1345
   G02F1/1333
   H05B33/14 A
   H05B33/02
【請求項の数】18
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-229054(P2016-229054)
(22)【出願日】2016年11月25日
(65)【公開番号】特開2017-111437(P2017-111437A)
(43)【公開日】2017年6月22日
【審査請求日】2016年11月25日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0180277
(32)【優先日】2015年12月16日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120363
【弁理士】
【氏名又は名称】久保田 智樹
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(72)【発明者】
【氏名】權 世 烈
(72)【発明者】
【氏名】金 ▲ド▼ 振
(72)【発明者】
【氏名】柳 允 烈
【審査官】 小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2015/0146386(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0217382(US,A1)
【文献】 特開2005−339863(JP,A)
【文献】 特開2004−103471(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0221840(US,A1)
【文献】 特開2003−233056(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0183473(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0036300(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0263300(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0169515(US,A1)
【文献】 特開2005−049686(JP,A)
【文献】 特開2015−226204(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00−46
G02F 1/13−1/1335
1/13363−1/141
H01L 27/32
51/50
H05B 33/00−33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面表示部、回路接続部、及び前記平面表示部と前記回路接続部との間のベンディング部を含むフレキシブル基板;
前記フレキシブル基板の平面表示部の第1側上に設けられた画素アレイ部と、前記平面表示部において、前記フレキシブル基板の第2側の第1部分に付着した第1バックプレート;
前記回路接続部において、前記フレキシブル基板の第2側の第2部分に付着された第2バックプレート;および、
前記ベンディング部と向かい合う前記第1バックプレートの側から前記ベンディング部に向かって延長され前記第1バックプレートと前記第2バックプレートとの間の前記ベンディング部において、前記フレキシブル基板の第2側上の開口部を定義する第1緩衝部材
を含み、前記第1緩衝部材は、前記第1のバックプレートの内側面を覆い、前記ベンディング部が湾曲されるときに、前記第1のバックプレートと前記第2のバックプレートが、互いに並び、前記第2バックプレートは、前記第1のバックプレート上に延在することを特徴とする、フレキシブルディスプレイ装置。
【請求項2】
前記回路接続部が、フレキシブル回路フィルムに接続されたパッド部を含み、
前記ベンディング部は、前記フレキシブル基板の第2側の第1部分が、前記フレキシブル基板の第2側の第2部分と向かい合うように湾曲される、請求項1に記載のフレキシブルディスプレイ装置。
【請求項3】
前記第2バックプレートの幅が、前記フレキシブル基板のベゼル幅よりも大きい、請求項に記載のフレキシブルディスプレイ装置。
【請求項4】
前記第2バックプレートの側面から前記ベンディング部に向かって延長されて前記第1緩衝部材とともに前記開口部を定義する第2緩衝部材をさらに含む、請求項2に記載のフレキシブルディスプレイ装置。
【請求項5】
前記第1緩衝部材と前記第2緩衝部材が、前記ベンディング部が湾曲されないとき、一定の距離で分離され、
前記第1緩衝部材と前記第2緩衝部材が、前記ベンディング部が湾曲されたときに互いに接触する、請求項に記載のフレキシブルディスプレイ装置。
【請求項6】
前記第1緩衝部材が、前記第1バックプレートの背面の一部を覆い、
前記第2緩衝部材は、前記第2バックプレートの背面の一部を覆う、
請求項に記載のフレキシブルディスプレイ装置。
【請求項7】
前記第1バックプレートの背面の一部を覆う前記第1バックプレートの一部分が、前記第1バックプレートの全体の厚さの1/10以内である、請求項に記載のフレキシブルディスプレイ装置。
【請求項8】
前記ベンディング部に設けられた信号伝送ラインと、
前記ベンディング部内の前記信号伝送ラインを覆うカバー層と、
をさらに含む、請求項1に記載のフレキシブルディスプレイ装置。
【請求項9】
前記カバー層が、前記ベンディング部が湾曲されるときに、前記回路接続部と前記画素アレイ部上に延在する、請求項に記載のフレキシブルディスプレイ装置。
【請求項10】
前記フレキシブル基板の前記平面表示部上に設けられた画素アレイ層;
前記画素アレイ層上に設けられた封止層;および、
前記封止層上に設けられたバリア層、
をさらに含み、
前記封止層は、前記カバー層に接触する、請求項に記載のフレキシブルディスプレイ装置。
【請求項11】
前記第1緩衝部材及び前記第2緩衝部材は、前記第1バックプレートの側面と前記第2バックプレートの側面にコーティングされ、一定の形態で硬化したポリマー物質からなる、請求項に記載のフレキシブルディスプレイ装置。
【請求項12】
前記第1緩衝部材及び前記第2緩衝部材が、前記フレキシブル基板に水分が浸透することを防止する水分浸透防止物質を含む、請求項11に記載のフレキシブルディスプレイ装置。
【請求項13】
前記フレキシブル回路フィルムを介して前記パッド部に接続されたプリント回路基板をさらに含み、
前記プリント回路基板は、前記第1バックプレートに固定されている、
請求項2に記載のフレキシブルディスプレイ装置。
【請求項14】
前記プリント回路基板が、フォームテープ、両面テープ、または片面テープのいずれかによって、前記第1バックプレートに固定されている、請求項13に記載のフレキシブルディスプレイ装置。
【請求項15】
前記プリント回路基板が、接着部材によって前記第1バックプレートに固定され、
前記接着部材は、前記プリント回路基板と前記第1バックプレートとの間に配置されている、請求項13に記載のフレキシブルディスプレイ装置。
【請求項16】
前記第1バックプレートと前記第2バックプレートとの間に配置された接着部材をさらに含む、請求項1に記載のフレキシブルディスプレイ装置。
【請求項17】
前面カバーと前記前面カバーの側面に設けられた側面カバーを有するカバーウィンドウをさらに含み、
画素アレイ部は、前記前面カバーの下面に付着され、前記ベンディング部は曲面形態で湾曲され、前記側面カバーによって包まれる、
請求項1に記載のフレキシブルディスプレイ装置。
【請求項18】
前記カバーウィンドウと前記画素アレイ部との間に配置されたタッチ電極部をさらに含む、請求項17に記載のフレキシブルディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ装置に関するもので、より詳細には、フレキシブルディスプレイ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ディスプレイ装置は、移動通信端末機、電子手帳、電子書籍、PMP(Portable Multimedia Player)、ナビゲーション、UMPC(Ultra Mobile PC)、携帯電話、スマートフォン、タブレットPC(Personal Computer)、およびウォッチフォン(watch phone)などの携帯用電子機器だけでなく、テレビ、ノートパソコン、及びモニタなどの様々な製品の表示画面として広く使用されている。
【0003】
ディスプレイ装置の中で有機発光表示装置および電気泳動表示装置は、薄型化が可能で、これらをフレキシブルディスプレイ装置として具現するための研究開発が進められている。フレキシブルディスプレイ装置は、柔軟性のあるフレキシブル基板に薄膜トランジスタを含む表示部と配線などを形成したもので、紙のように曲げても画像表示が可能なため、様々なディスプレイの分野で活用することができる。
【0004】
一般的なフレキシブルディスプレイ装置は、フレキシブル基板の非表示部に設けられたパッド部に接続されているパネル駆動回路部を隠蔽させるための機構物によってベゼル(bezel)幅を有するようになる。
【0005】
一方、韓国公開特許公報10-2014-0122597号に開示されたフレキシブルディスプレイ装置は、薄型ベゼル(narrow bezel)を具現するために、ベンディング部を有するフレキシブルディスプレイパネルの下面に支持部材を配置し、フレキシブルディスプレイパネルが支持部材の一部と接触しながら支持部材を包み込むようにベンディングすることを開示している。
【0006】
しかし、従来のフレキシブルディスプレイ装置には、次のような問題点がある。
【0007】
まず、支持部材により厚さとベゼル幅を減少させるのに限界がある。
【0008】
第二に、ベンディングされたフレキシブルディスプレイパネルのベンディング部と支持部材の接触により、ベンディング部に継続的な外部ストレスが加えられ、それにより、ベンディング部上に設けられた信号伝送ラインにベンディングストレスと外部応力ストレスが集中して信号伝送ラインにクラックが発生し得る。
【0009】
第三に、ベンディング時に支持部材とフレキシブルディスプレイパネルとの間に異物質が存在する場合、異物質による外部ストレスによってベンディング部上に設けられた信号伝送ラインにクラックが発生し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】韓国公開特許公報10-2014-0122597号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、前述した問題点を解決するためのもので、より狭いベゼル幅を有し、且つより薄型化したフレキシブルディスプレイ装置を提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述した技術的課題を達成するための本発明に係るフレキシブルディスプレイ装置は、ベンディング部を有するフレキシブルディスプレイパネルの背面に結合されてベンディング部と重畳するオープン部を有するバックプレート、およびオープン部によってバックプレートの内側面を覆う緩衝部材を含むことができる。
【0013】
前述した技術的課題を達成するための本発明に係るフレキシブルディスプレイ装置は、曲面形態に湾曲したベンディング部を有するフレキシブルディスプレイパネル、ベンディング部を間に置いてフレキシブルディスプレイパネルの背面に結合された第1及び第2バックプレート、およびベンディング部によって覆われる第1バックプレートと第2バックプレートのそれぞれの内側面を覆う緩衝部材を含むことができる。
【発明の効果】
【0014】
以上のような、本発明に係るフレキシブルディスプレイ装置は、移動通信端末機、電子手帳、電子書籍、PMP、ナビゲーション、UMPC、携帯電話、スマートフォン、タブレットPC、ウォッチフォン、またはウェアラブル(wearable)機器などなどのポータブル電子機器に適用することができる。本発明は、フレキシブルディスプレイパネルのベンディング部を湾曲させるための別個の支持部材を必要としないため、フレキシブルディスプレイ装置のベゼル幅と厚さを減少させることができる。
【0015】
また、本発明は、フレキシブルディスプレイパネルの湾曲時に、緩衝部材のベンディングガイドおよび緩衝によってフレキシブル基板が突かれることを防止することができ、フレキシブル基板のベンディング部に集中するベンディングストレスを緩和させて、フレキシブルディスプレイ装置の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一形態に係るフレキシブルディスプレイ装置を説明するための図である。
図2図1のA部分を拡大して示した図である。
図3】本発明に係る延長部を説明するための図である。
図4】本発明に係るフレキシブルディスプレイパネルの湾曲状態を示した図である。
図5】本発明に係るフレキシブルディスプレイパネルの湾曲状態での、延長部を示した図である。
図6】本発明の他の形態に係るフレキシブルディスプレイ装置を説明するための図である。
図7】本発明の別の形態に係るフレキシブルディスプレイ装置を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書で記述された用語の意味は、次のように理解されなければならない。
【0018】
単数の表現は、文脈上明らかに別の方法で定義しない限り、複数の表現を含むものと理解されなければならず、「第1」、「第2」などの用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別するためのもので、これらの用語によって権利範囲が限定されてはならない。「含む」または「有する」などの用語は、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、工程、動作、構成要素、部分品またはそれらを組み合わせたものの存在または付加の可能性を事前に排除しないものと理解されなければならない。「少なくとも一つ」の用語は、一つまたは複数の関連項目から提示可能なすべての組み合わせを含むものと理解されなければならない。例えば、「第1項目、第2項目及び第3項目の中から少なくとも一つ」の意味は、第1項目、第2項目または第3項目のそれぞれだけでなく、第1項目、第2項目及び第3項目の中の2以上から提示することができるすべての項目の組み合わせを意味する。「上に」という用語は、ある構成が他の構成のすぐ上面に形成される場合だけでなく、それらの構成の間に第3の構成が介在する場合まで含まれることを意味する。
【0019】
以下では、本発明に係るフレキシブルディスプレイ装置の好適な例を添付した図を参照して詳細に説明する。各図の構成要素に参照符号を付加する場合において、同一の構成要素に対しては、たとえ他の図上に表示されていても、可能な限り同一の符号を有することができる。また、本発明を説明するにあたり、関連した公知の構成または機能に対する具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にし得ると判断される場合には、その詳細な説明は省略することができる。
【0020】
図1は、本発明の一形態に係るフレキシブルディスプレイ装置を説明するための図であり、図2図1のA部分を拡大して示した図である。
【0021】
図1及び図2を参照すると、本発明の一形態に係る表示装置は、フレキシブルディスプレイパネル100、バックプレート300、および緩衝部材500を含んでいる。
【0022】
フレキシブルディスプレイパネル100は、フレキシブル平板パネルディスプレイ装置の表示パネルになり得る。以下の説明では、フレキシブルディスプレイパネル100がフレキシブル平板パネルディスプレイ装置のフレキシブル有機発光ディスプレイパネルであることを前提にして説明する。
【0023】
一例によるフレキシブルディスプレイパネル100は、フレキシブル基板110、画素アレイ部120、およびパッド部130を含んでいる。
【0024】
フレキシブル基板110は、表示部101、ベンディング部103、および回路接続部105を含んでいる。表示部101は、比較的多くの面積を有し、回路接続部105は、フレキシブル基板110の一側端部に設けられている。そして、ベンディング部103は、表示部101と回路接続部105との間に設けられるもので、平面表示部として定義することができる。
【0025】
フレキシブル基板110は、ベンディング部103が曲面形態に湾曲するように、柔軟なプラスチック材質を含むことができる。例えば、フレキシブル基板110は、ポリカーボネート(poly carbonate)、ポリメチルペンテン(poly methylpentene)、ポリメチルメタクリレート(poly methyl methacrylate)、シクロオレフィンコポリマー(cycloolefin copolymer)、およびポリイミド(Polyimide)のいずれかまたは複数の材質を含むことができ、より好ましくは、不透明または着色のポリイミド材質を含むことができる。これらのフレキシブル基板110は、比較的厚いキャリア基板に形成されているリリース層の上面に一定の厚さに塗布されたプラスチック物質を硬化させて形成することができる。ここで、キャリア基板は、レーザーリリース工程を用いたリリース層のリリースによりフレキシブル基板110から分離される。
【0026】
画素アレイ部120は、フレキシブル基板110上に設けられて映像を表示する。一例による画素アレイ部120は、画素アレイ層121、封止層(encapsulation layer;123、およびバリア層125を含んでいる。
【0027】
画素アレイ層121は、フレキシブル基板110の表示部101上に設けられた画素駆動ラインによって定義される画素領域に設けられ、画素駆動ラインに供給される信号によって映像を表示する複数の画素を含んでいる。一例による画素アレイ層121は、図示していない薄膜トランジスタ、アノード電極、有機発光素子、およびカソード電極を含んでいる。
【0028】
薄膜トランジスタは、フレキシブル基板110上に定義された各画素領域のトランジスタ領域に設けられるもので、ゲート電極、ゲート絶縁膜、半導体層、ソース電極およびドレイン電極を含んでなることができる。ここで、薄膜トランジスタは、a-Si TFT、poly-Si TFT、Oxide TFT、またはOrganic TFTなどであり得る。
【0029】
アノード電極は、各画素領域に定義された開口領域にパターン形態で設けられ、薄膜トランジスタに接続される
【0030】
有機発光素子は、開口領域に設けられたアノード電極上に形成される。有機発光素子は、図示していないが、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層、および電子注入層が順番に積層された構造で形成することができる。ここで、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、および電子注入層の一つまたは二つ以上の層は省略が可能である。有機発光層は、画素ごとに同じ色、例としてホワイト(white)の光を発光するように形成することができ、画素別に異なる色、例として、赤色、緑色、または青色の光を発光するように形成することもできる。
【0031】
カソード電極は、各画素領域に設けられた有機発光素子に共通的に接続される。
【0032】
封止層123は、各画素への水分の浸透を防止するためのもので、画素アレイ層121を覆うように形成される。ここで、封止層123は、有機物質層または無機物質層、有機物質層と無機物質層が交互に積層された複層構造に形成することができる。
【0033】
バリア層125は、封止層123の上面に設けられ、フレキシブルディスプレイパネル100への水分の浸透を防止する機能をする。バリア層125は、水分透湿度が低い材質、例えば、ポリマー材質からなることが好ましい。
【0034】
さらに、フレキシブルディスプレイパネル100は、バリア層125の代わりに、またはバリア層125の上面に配置される偏光フィルムをさらに含むことができる。
【0035】
偏光フィルムは、画素アレイ部120の各画素から放出される光を偏光させたり、外部光の反射を防止したりすることにより、フレキシブルディスプレイパネル100の光学的特性を向上させる。
【0036】
フレキシブル基板110のベンディング部103は、パッド部130と画素アレイ部120の間に定義される。このようなベンディング部103は、ディスプレイ装置の側面ベゼルの幅を減少させるため、回路接続部105がフレキシブルディスプレイパネル100の背面に配置されるよう曲面形態に湾曲される。
【0037】
パッド部130は、フレキシブル基板110の回路接続部105上に設けられた複数のパッド電極を含んでいる。複数のパッド電極のそれぞれは、信号伝送ライン140を介して画素アレイ部120の駆動信号ラインと接続される。そして、パッド部130は、パネル駆動回路部200と接続されてパネル駆動回路部200から供給される信号を、信号伝送ライン140を介して画素アレイ部120に供給する。
【0038】
パネル駆動回路部200は、フレキシブルディスプレイパネル100に設けられたパッド部130に接続され、各画素の駆動のための信号をパッド部130に提供する。一例によるパネル駆動回路部200は、フレキシブル回路フィルム210、駆動集積回路230、およびプリント回路基板250を含んでいる。
【0039】
フレキシブル回路フィルム210は、フィルム付着工程を経てフレキシブルディスプレイパネル100のパッド部130に付着される。
【0040】
駆動集積回路230は、チップボンディング工程または表面実装工程によってフレキシブル回路フィルム210に実装される。駆動集積回路230は、外部のディスプレイ駆動システムから供給される映像データおよびタイミング同期信号に基づいて、データ信号とゲート信号を生成して、各画素に映像を表示する。
【0041】
選択的に、駆動集積回路230は、フレキシブル回路フィルム210に実装しないで、プリント回路基板250に実装したり、フレキシブル基板110の回路接続部105に実装したりすることができる。ここで、フレキシブル回路フィルム210は、パッド部130とディスプレイ駆動システムとの間の信号伝送を中継する役割をする。
【0042】
プリント回路基板250は、フレキシブル回路フィルム210と接続される。このようなプリント回路基板250は、駆動回路部270を含んでいる。
【0043】
駆動回路部270は、画素アレイ部120に表示される画像に対応する画像データおよびタイミング同期信号を生成して駆動集積回路230に提供し、画素アレイ部120および/または駆動集積回路230の駆動に必要な電圧を生成する。
【0044】
選択的に、駆動回路部270は、駆動集積回路230を含む一つの駆動チップからなり得る。
【0045】
バックプレート300は、フレキシブル基板110に定義されたベンディング部103と、重畳するオープン部301を有するように形成され、フレキシブルディスプレイパネル100の背面に結合されることによりフレキシブルディスプレイパネル100を支持する。ここで、バックプレート300は、フレキシブル基板110からキャリア基板を分離するレーザーリリース工程以後に、ラミネート(lamination)工程によりフレキシブル基板110のベンディング部(BP)を除いた残りのフレキシブル基板110の背面に付着される。このようなバックプレート300は、フレキシブルディスプレイパネル100の画素アレイ部120を平面状態に維持させる。フレキシブル基板110のベンディング部103は、オープン部301に結合された物質がないため、所定の曲率で湾曲することができる。一例によるバックプレート300は、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PES(ポリエーテルスルホン)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、およびPNB(ポリノルボルネン)のいずれかの材質を含むことができる。
【0046】
オープン部301は、フレキシブル基板110のベンディング部103に重畳されるバックプレート300の一定領域が除去されて設けられるもので、ベンディング部103の背面を露出させることでベンディング部103が所定の曲率で湾曲されるようにする。
【0047】
一例によるバックプレート300は、第1バックプレート310と第2バックプレート330を含んでいる。
【0048】
第1バックプレート310は、フレキシブルディスプレイパネル100の表示部101と、重畳するフレキシブルディスプレイパネル100の背面に結合される。つまり、第1バックプレート310は、平板形態からなり、フレキシブル基板110の表示部101と重畳するようフレキシブル基板110の背面に付着される。このような第1バックプレート310は、フレキシブル基板110に設けられた画素アレイ部120を支持することにより、画素アレイ部120を平面状態に維持させる。
【0049】
第2バックプレート330は、フレキシブルディスプレイパネル100の回路接続部105と、重畳するフレキシブルディスプレイパネル100の背面に結合される。つまり、第2バックプレート330は、平板形態からなり、フレキシブル基板110の回路接続部105と重畳するようフレキシブル基板110の一側端背面に付着される。このような第2バックプレート330は、フレキシブル基板110の回路接続部105を支持することにより、回路接続部105を含むフレキシブル基板110の一側端を平面状態に維持させる。
【0050】
オープン部301は、第1および第2バックプレート310、330との間に設けられ、フレキシブル基板110のベンディング部103の背面を外部に露出させることによりベンディング部103が所定の曲率で湾曲され得るようにする。
【0051】
緩衝部材500は、ベンディング部103と対向するバックプレート300の第1および第2内側面311、331のそれぞれを覆う。バックプレート300の第1および第2内側面311、331は、互いに並ぶようにフレキシブル基板110のオープン部301に隣接して配置される。ここで、バックプレート300の第1内側面311は、オープン部301に隣接して設けられるもので、垂直軸方向(Z)を基準にフレキシブル基板110の表示部101とベンディング部103との間の境界面と重畳する。そして、オープン部301は、バックプレート300の第1内側面311とバックプレート300の第2内側面331とを分離して、垂直軸方向(Z)にフレキシブル基板110のベンディング部103と回路接続部105との間の境界面と重畳する。
【0052】
緩衝部材500は、バックプレート300の第1および第2内側面311、331のそれぞれに塗布され、所定の形状を有するように硬化させることにより、バックプレート300の第1および第2内側面311、331のそれぞれを覆う。これにより、緩衝部材500は、フレキシブル基板110の湾曲時に、バックプレート300の第1および第2内側面311、331のそれぞれの角の部分とフレキシブル基板110との間の接触を防止することにより、フレキシブル基板110が突かれることを防止しながら、フレキシブル基板110のベンディング部103に集中するベンディングストレスを緩和させる。また、緩衝部材500は、バックプレート300の第1および第2内側面311、331と、これに隣接するフレキシブル基板110の背面に結合することにより、フレキシブル基板110とバックプレート300との間の結合部(または付着部)を覆うか、または密封し、それにより、フレキシブル基板110とバックプレート300との間の剥離現象を防止しながら、フレキシブル基板110とバックプレート300との間の水分浸透を防止する。
【0053】
このような緩衝部材500は、緩衝のためにポリマー物質、例えば、ポリアクリル系の物質を含むことができる。そして、緩衝部材500は、フレキシブルディスプレイ装置の全体の厚さが増加しないようにバックプレート300の全体の厚さ(T1)以下の厚さを有する。
【0054】
付加的に、緩衝部材500は、水分の浸透を防ぐ物質をさらに含むことができ、その場合、緩衝部材500を通じてフレキシブル基板110に水分が浸透することを効果的に防止することができる。つまり、フレキシブル基板110とバックプレート300との間の結合部(または付着部)に水分が浸透する場合、フレキシブル基板110とバックプレート300の間に剥離現象が発生し得る。そのため、緩衝部材500は、水分浸透防止物質を含むことにより、フレキシブル基板110とバックプレート300の間に水分が浸透することを防止して、それにより、フレキシブル基板110とバックプレート300との間の剥離現象を防止する。例えば、水分の浸透を防ぐ物質は、熱的安定性、接着性、および水分の浸透防止機能に優れたシリコン素材を含むことができる。水分浸透防止物質は、フレキシブル基板110とバックプレート300とが結合されていない残りの部分の表面に一定の厚さでコーティングすることができる。
【0055】
一例による緩衝部材500は、第1緩衝部材510、及び第2緩衝部材530を含んでいる。
【0056】
第1緩衝部材510は、バックプレート300のオープン部301によって設けられたバックプレート300の第1内側面311、より具体的には、第1バックプレート310の第1内側面311を覆う。つまり、第1緩衝部材510は、オープン部301の一側部に設けられ、オープン部301において露出しているフレキシブル基板110の背面と第1バックプレート310の第1内側面311との間を覆う。これにより、第1緩衝部材510は、オープン部301の一側部に対応するフレキシブル基板110の背面と第1バックプレート310の第1内側面311を覆うことでフレキシブル基板110の湾曲時にフレキシブル基板110の背面と第1バックプレート310の第1内側面311の角の部分との間の接触によってフレキシブル基板110が突かれることを防止しながら、フレキシブル基板110に集中するベンディングストレスを緩和させる。
【0057】
第2緩衝部材530は、バックプレート300のオープン部301によって設けられたバックプレート300の第2内側面331、より具体的には、第2バックプレート330の第2内側面331を覆う。つまり、第2緩衝部材530は、オープン部301の他側部に設けられ、オープン部301に露出しているフレキシブル基板110の背面と第2バックプレート330の第2内側面331との間を覆う。これにより、第2緩衝部材530は、オープン部301の他側部に対応するフレキシブル基板110の背面と第2バックプレート330の第2内側面331を覆うことでフレキシブル基板110の湾曲時に、フレキシブル基板110の背面と第2バックプレート330の第2内側面331の角の部分との間の接触によってフレキシブル基板110が突かれることを防止しながら、フレキシブル基板110に集中するベンディングストレスを緩和させる。
【0058】
第1及び第2緩衝部材510、530のそれぞれは、フレキシブル基板110のベンディング部103が一定の曲率を有する曲面形態に湾曲されるように一定の距離(D)で離隔するように並んで設けられる。ここで、第1及び第2緩衝部材510、530との間の距離(D)は、ベンディング部103のベンディング曲率に応じて設定することができる。これにより、第1及び第2緩衝部材510、530のそれぞれは、ベンディング部301のベンディングをガイドしながら緩衝の役割をすることにより、本発明は、ベンディング部103が湾曲するための別の支持部材を必要としないので、より薄いベゼル幅(BW)を有し、且つより薄型化したフレキシブルディスプレイ装置を実現することができる。ここで、ベゼル幅(BW)は、図4に示すように、ベンディング部103が湾曲するとき、封止層123の端からベンディング部103の最外郭までの距離として定義することができる。
【0059】
さらに、図3に示すように、第1緩衝部材510は、第1延長部515を含み、第2緩衝部材530は、第2延長部535を含んでいる。
【0060】
第1延長部515は、第1バックプレート310の第1内側面311と接する第1バックプレート310の背面側の端部を追加で覆うように設けられている。つまり、第1延長部515は、バックプレート300のオープン部301の一側部に隣接する第1バックプレート310の背面側の端部を覆うことで、第1バックプレート310の第1内側面311を完全に包む。このような第1延長部515は、後述するように、ベンディング部103が湾曲することによって、第1バックプレート310の背面に配置される第2バックプレート330の背面と第1バックプレート310の背面との間の干渉を最小化し、第1及び第2バックプレート310、330相互間で伝達される外部からの衝撃を緩衝する。
【0061】
第1延長部515は、バックプレート300の全体の厚さ(T1)の1/10の厚さ(T2)を有することができ、それ以上の厚さ(T2)を有している場合に、フレキシブルディスプレイ装置の厚さが増加することになる。
【0062】
第2延長部535は、第2バックプレート330の第2内側面331と接する第2バックプレート330の背面側の端部を追加で覆うように設けられている。つまり、第2延長部535は、バックプレート300のオープン部301の他側部に隣接し、第2バックプレート330の背面側の端部を覆うことで、第2バックプレート330の第2内側面331を完全に包む。このような第2延長部535は、後述するように、ベンディング部103が湾曲することによって、第1バックプレート310の背面に配置される第2バックプレート330の背面と第1バックプレート310の背面との間の干渉を最小化し、第1及び第2バックプレート310、330相互間で伝達される外部からの衝撃を緩衝する。
【0063】
第2延長部535は、第1延長部515と同様に、バックプレート300の全体の厚さ(T1)の1/10の厚さ(T2)を有することができ、それ以上の厚さ(T2)を有している場合、フレキシブルディスプレイ装置の厚さが増加することになる。
【0064】
さらに、本発明の一形態に係るフレキシブルディスプレイ装置は、ディスプレイパネル100のベンディング部103を覆うようにフレキシブル基板110上に設けられたカバー層150をさらに含むことができる。
【0065】
カバー層150は、パッド部130を含む回路接続部105と表示部110との間を覆う。カバー層150は、封止層123の一側と接触することができる。
【0066】
カバー層150は、ポリマー材質を含むもので、画素アレイ部120とパッド部130との間の信号伝送ライン140を覆うように、フレキシブル基板121のベンディング部103上にコーティングされる。このようなカバー層150は、外部からの衝撃から信号伝送ライン140を保護しながら、信号伝送ライン140への透湿を防止する。特に、カバー層150は、フレキシブルディスプレイパネル100のベンディング部103が、一定の曲率を有する曲面形態に湾曲されるときに、信号伝送ライン140を中立面(Neutral Plane)に位置させる役割をする。つまり、フレキシブルディスプレイパネル100のベンディング部103が一定の曲率で湾曲されたときに、フレキシブル基板110とカバー層150との間には、引張力(Tensile)および圧縮力(Compressive)が0(zero)になる中立面が存在することになる。それにより、フレキシブルディスプレイパネル100のベンディング部103に設けられた信号伝送ライン140が中立面に位置するように、カバー層150は、フレキシブル基板110より高い弾性係数を有する材質を含むことができる。したがって、信号伝送ライン140は、カバー層150とフレキシブル基板110との間の中立面に位置することにより、フレキシブルディスプレイパネル100のベンディング部103が一定の曲率で湾曲するときに0(zero)のベンディングストレスを受けることになり、ベンディングストレスによって損傷されずに湾曲することができる。
【0067】
このような、本発明の一形態に係るフレキシブルディスプレイ装置は、図4に示すように、フレキシブルディスプレイパネル100のベンディング部103が曲面形態に湾曲され、第2バックプレート330の背面がオープン部301に隣接した第1バックプレート310の背面側の端部に配置されることにより、より狭いベゼル幅(BW)を有しながら、より薄型化できるようになる。
【0068】
発明の一形態に係るフレキシブルディスプレイ装置は、フレキシブルディスプレイパネル100のベンディング部103が曲面形態に湾曲されるに伴い、第1および第2緩衝部材510、530のそれぞれと曲面形態で湾曲されたベンディング部103との間に設けられるギャップ空間(GS)を含むことになるが、ギャップ空間(GS)は、曲面形態に湾曲したベンディング部103に加わる外部ストレスを遮断する役割をする。
【0069】
具体的には、ギャップ空間(GS)は、バックプレート300のオープン部301によって曲面形態に湾曲したベンディング部103と緩衝部材500との間に設けられている。このようなギャップ空間(GS)は、曲面形態に湾曲されたベンディング部103の内側曲率部と緩衝部材500との間にエアギャップを形成することにより曲面形態に湾曲されたベンディング部103に外部ストレスが伝達されないようにして、異物による外部ストレスが加わらないようにする。これにより、曲面形態に湾曲したベンディング部103に加わる外部ストレスはほぼ0(zero)になり得る。もし、曲面形態に湾曲されたベンディング部103が緩衝部材500と接触した場合、緩衝部材500の接触により、ベンディング部103に外部ストレスが加えられ得、ベンディング部103に形成される中立面がフレキシブル基板110側に降りてくるようになり、ベンディング部103のベンディングストレスによって信号伝送ライン140にクラックが発生し得る。したがって、ギャップ空間(GS)は、曲面形態に湾曲されたベンディング部103に加わる外部ストレスを遮断することにより、ベンディング部103に形成される中立面が常に信号伝送ライン140に位置するようにして、ベンディング部103に加わる外部ストレスおよび/またはベンディングストレスによって信号伝送ライン140にクラックが発生することを防止する。
【0070】
本発明に係るフレキシブルディスプレイ装置で、パネル駆動回路部200は、フレキシブルディスプレイパネル100のベンディング部103が曲面形態に湾曲されるに伴い、第1バックプレート310の背面に配置される。ここで、パネル駆動回路部200は、第1接着部材400によって第1バックプレート310の背面に付着することができる。ここで、第1接着部材400の一面は、プリント回路基板250の背面と重ね合わせられ、第1接着部材400の他面は、第1バックプレート310の背面と重ね合わせることができる。一例として、第1接着部材400は、衝撃吸収のために弾性力を有する両面テープまたはフォームテープであり得る。別の例として、第1接着部材400は、フレキシブルディスプレイパネルと、第1バックプレート310から離隔して対向するプリント回路基板250の一側に付着される片面テープであり得る。
【0071】
さらに、第2バックプレート330は、フレキシブルディスプレイパネル100のベンディング部103が曲面形態に湾曲されるに伴い、第1バックプレート310の背面に配置される。ここで、第2バックプレート330の背面は、第1バックプレート310の背面側の端部と接触することにより、フレキシブルディスプレイ装置の厚さを減少させる。ここで、第2バックプレート330は、第2接着部材450によって第1バックプレート310の背面側の端部と結合することができる。第2接着部材450の一面は、第2バックプレート330の背面と重ね合わせられ、第2接着部材450の他面は、第1バックプレート310の背面と重ね合わせることができる。たとえば、第2接着部材450は、接着剤や両面テープであり得る。
【0072】
ベンディング部が湾曲されると、第1バックプレート310と第2バックプレート330は、並んで配置される。さらに、第2バックプレート330は、自体の幅に対応する距離(OL)により、フレキシブル基板110と第1バックプレート310をすぎて延長される。ここで、距離(OL)または第2バックプレート330の幅は、フレキシブル基板110のベゼル幅(BW)よりも大きい。
【0073】
一方、第1及び第2緩衝部材510、530のそれぞれが延長部515、535を含む場合、図5に示したように、第2バックプレート330の背面は、延長部515、535の厚さ合計(T2+T2)だけ、第1バックプレート310の背面から離隔される。これにより、本発明は、第1及び第2緩衝部材510、530それぞれの延長部515、535を介して第2バックプレート330の背面と第1バックプレート310の背面との間の物理的な干渉を最小限に抑えることができ、第1および第2バックプレート310、330相互間で伝達される外部からの衝撃を緩衝することができる。ここで、第2バックプレート330の背面と第1バックプレート310の背面との間の離隔空間には、第2接着部材450を追加で配置することができる。
【0074】
このような、本発明の一形態に係るフレキシブルディスプレイ装置は、フレキシブルディスプレイパネル100のベンディング部103と、重畳するオープン部301によって設けられたバックプレート300の内側面311、331が緩衝部材500によって覆われることにより、緩衝部材500のベンディングガイドおよび緩衝によってより狭いベゼル幅(BW)有し、且つ更に薄型化することができる。更に、ベンディング部103の湾曲時に緩衝部材500を介してフレキシブル基板110が突かれることが防止され、フレキシブル基板110のベンディング部103に集中するベンディングストレスが緩和されることにより、信頼性が向上する。また、緩衝部材500によりフレキシブル基板110とバックプレート300との間の剥離現象を防止することができ、フレキシブル基板110とバックプレート300との間に浸透する水分が遮断されることにより、信頼性をさらに高めることができる。
【0075】
図6は、本発明の他の形態に係るフレキシブルディスプレイ装置を説明するための図である。
【0076】
図6を参照すると、本発明の他の形態に係るフレキシブルディスプレイ装置は、フレキシブルディスプレイパネル100、バックプレート300、緩衝部材500、およびカバーウィンドウ600を含んでいる。このような構成を有する本発明の他の形態に係るフレキシブルディスプレイ装置は、図1図5に示したフレキシブルディスプレイ装置にカバーウィンドウ600を追加で構成したものである。そのため、以下の説明では、カバーウィンドウ600及びこれに関連する構成についてのみ説明することにして、残りの同じ構成に対する重複説明は省略する。
【0077】
カバーウィンドウ600は、フレキシブルディスプレイパネル100の前面と側面を覆う。一例によるカバーウィンドウ600は、前面カバー部610、および側壁カバー部630を含むもので、例えば、帽子(cap)形態を含むことができる。前面カバー部610は、平面形態に形成されてフレキシブルディスプレイパネル100の前面を覆う。側面カバー部630は、前面カバー部610の両側端部の背面に設けられフレキシブルディスプレイパネル100の側面を覆う。
【0078】
カバーウィンドウ600は、外部の衝撃からフレキシブルディスプレイパネル100を保護する役割をする。そのため、一例によるカバーウィンドウ600は、サファイアガラス(Sapphire Glass)およびゴリラガラス(Gorilla Glass)のうち少なくとも一つを含むことができる。他の例に係るカバーウィンドウ600は、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PES(ポリエーテルスルホン)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、およびPNB(ポリノルボルネン)のいずれかの材料を含むことができる。カバーウィンドウ600は、傷や透明度を考慮して、強化ガラスからなることが好ましい。
【0079】
フレキシブルディスプレイパネル100、すなわち、フレキシブル基板110の表示部上に設けられた画素アレイ部120の前面は、透明接着部材650を用いたダイレクトボンディング工程を介してカバーウィンドウ600の前面カバー部610と611にボンディングすることができる。ここで、透明接着部材650は、PSA(pressure sensitive adhesive)、OCA(optical clear adhesive)またはOCR(optical clear resin)を含むことができる。
【0080】
図7は、本発明の別の形態に係るフレキシブルディスプレイ装置を説明するための断面図である。
【0081】
図7を参照すると、本発明の別の形態に係るフレキシブルディスプレイ装置は、フレキシブルディスプレイパネル100、バックプレート300、緩衝部材500、カバーウィンドウ600、タッチ電極部700、およびタッチ駆動回路部800を含んでいる。このような構成を有する本発明の別の形態に係るフレキシブルディスプレイ装置は、図6に示された本発明の他の形態に係るフレキシブルディスプレイ装置に、フレキシブルタッチ電極部700とタッチ駆動回路部800を追加で構成したものである。そのため以下の説明では、タッチ電極部700とタッチ駆動回路部800および、これらと関連する構成に対してのみ説明することにして、残りの同じ構成に対する重複説明は省略する。
【0082】
タッチ電極部700は、カバーウィンドウ600とフレキシブルディスプレイパネル100との間に配置され、カバーウィンドウ600に対するユーザーのタッチをセンシングするタッチセンサーの役割をする。
【0083】
一例によるタッチ電極部700は、カバーウィンドウ600の下面611に一定の間隔で設けられた複数のタッチ駆動電極710、複数のタッチ駆動電極と電気的に絶縁された複数のタッチセンシング電極、および複数のタッチ駆動電極710と、複数のタッチセンシング電極のそれぞれに接続されたタッチパッド部730を含む。さらに、一例によるタッチ電極部700は、タッチ駆動電極とタッチセンシング電極との間に静電容量を形成する誘電体層(または絶縁層)をさらに含む。
【0084】
他の例によるタッチ電極部700は、公知の静電容量方式のタッチパネルからなり、カバーウィンドウ600の下面、またはフレキシブルディスプレイパネル100の上面に付着することができる。
【0085】
タッチ駆動回路部800は、タッチパッド部730に接続され、複数のタッチ駆動電極710にタッチ駆動パルスを印加して、タッチセンシング電極を介しタッチ駆動電極とタッチセンシング電極との間に形成される静電容量の変化をセンシングすることにより、使用者のタッチに対するタッチセンシングデータを生成する。
【0086】
一例によるタッチ駆動回路部800は、タッチ用フレキシブル回路フィルム810、およびタッチ駆動集積回路830を含んでいる。
【0087】
タッチ用フレキシブル回路フィルム810は、フィルム付着工程を介してカバーウィンドウ600の前面カバー部610の下面611に設けられたタッチパッド部730に付着される。このようなタッチ用フレキシブル回路フィルム810は、タッチパッド部730から湾曲してカバーウィンドウ600の側面カバー部630とフレキシブルディスプレイパネル100の側面との間に配置される。
【0088】
タッチ駆動集積回路830は、チップボンディング工程または表面実装工程によってタッチ用フレキシブル回路フィルム810に実装される。タッチ駆動集積回路830は、外部のディスプレイ駆動システムから供給されるタッチイネーブル信号に基づいて、タッチ駆動パルスを生成して、複数のタッチ駆動電極710にタッチ駆動パルスを印加して、タッチセンシング電極を介しタッチ駆動電極とタッチセンシング電極との間に形成される静電容量の変化をセンシングして、センシングされた静電容量の変化に対応するタッチセンシングデータを生成して、ディスプレイ駆動システムに提供する。ディスプレイ駆動システムは、タッチセンシングデータに基づいて2次元のタッチ情報、または3次元タッチ情報を生成し、2次元のタッチ情報、または3次元タッチ情報に対応するプログラムを実行する。
【0089】
選択的に、タッチ駆動集積回路830は、タッチ用フレキシブル回路フィルム810に実装しないで、ディスプレイ駆動システムまたはパネル駆動回路部200のプリント回路基板に内蔵することができる。ここで、タッチ用フレキシブル回路フィルム810は、タッチパッド部730と、ディスプレイ駆動システムとの間の信号伝送を中継する役割をする。
【0090】
本形態に係るフレキシブルディスプレイ装置の製造方法を説明すると、次の通りである。
【0091】
まず、フレキシブル基板110の表示部101の第1側面上にピクセルアレイ部120を設ける。
【0092】
フレキシブル基板110の第2側面の第1部分上に第1バックプレート310を配置して、フレキシブル基板110の第2側面の第2部分上に第2バックプレート330を配置する。ここで、第1及び第2バックプレート310、330は、表示部101に接続されたベンディング部の上には配置しない。一例として、第1バックプレート310と第2バックプレート330は、フレキシブル基板110の第2側面上に形成され、ベンディング部103から除去されたラミネート物質によってフレキシブル基板110の第2側面の第1部分と第2部分に配置される。
【0093】
続いて、第1および第2バックプレート310、330の側面からベンディング部103に向かって延長される第1及び第2緩衝部材510、530をフレキシブル基板110の第2側面上に配置する。一例として、第1及び第2緩衝部材510、530は、第1および第2バックプレート310、330の側面にポリマー物質をコーティングする工程と、コーティングされたポリマー物質を一定の形態に硬化させる工程とによって形成される。
【0094】
続いて、ベンディング部103に接続されたフレキシブル基板110の回路接続部105に、フレキシブル回路フィルム210を付着する。
【0095】
続いて、フレキシブル基板110の第2側面の第1部分が回路接続部105のフレキシブル基板110の第2側面の第3部分と向き合って、フレキシブル基板110の第2側面の第1部分と第3部分との間の第1および第2緩衝部材510、530が互いに対向するようにベンディング部103を湾曲させる。
【0096】
以上で説明した本発明は、前述した実施例及び添付の図に限定されるものではなく、本発明の技術的事項を逸脱しない範囲内で様々な置換、変形及び変更が可能であることが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者にとって明らかであろう。したがって、本発明の範囲は、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味および範囲そしてその等価概念から導出されるすべての変更または変形された形態が、本発明の範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7