【実施例】
【0101】
<実施例1>イソフラボン誘導体含量の高い大豆葉部及び大豆茎部の作製
<1-1>イソフラボン誘導体含量の高い大豆葉部の作製
大豆種(グリシン・マックス(Glycine max))を農村振興庁から提供してもらい、栽培した。大豆植物を、播種の10日〜90日後に5ppm〜100ppmの2-クロロエチルホスホン酸(エテホン)(2-chloroethylphosphonic acid (ethephon))又は5ppm〜500ppmのエチレン(ethylene)で処理し、イソフラボン含量の高い大豆葉部を作製した。大豆葉部のイソフラボンの蓄積パターンは、処理したエテホン(ethephon)又はエチレン(ethylene)の濃度及び処理した植物の成長期間に応じて異なり得る。
【0102】
特に、播種の40日後に、大豆植物を50ppmの濃度に水で希釈したエテホン(ethephon)で定期的に処理した。その結果、標的となるイソフラボンは、処理の1日後に急速に蓄積された。処理の5日〜12日後に、最高濃度のイソフラボンを蓄積した大豆葉部が得られた。
【0103】
さらに、大豆葉部を、播種後(10日〜90日後)に大豆植物から収穫し、5ppm〜100ppmの濃度に希釈したエテホンで定期的に処理した。処理の3日〜10日後、最高濃度のイソフラボン誘導体を蓄積した大豆葉部を得た。
【0104】
その結果、
図1に示されるように、大豆葉部の標的イソフラボン誘導体の濃度は、処理後増加した。処理の5日〜12日後に最高濃度のイソフラボン誘導体を蓄積した大豆葉部を得た。また、大豆葉部は、植物の老化のホルモンであるエチレンの影響により徐々に黄色になることが認められた(
図1)。したがって、この結果からイソフラボンは、播種の10日〜90日後の大豆植物を5ppm〜100ppm程度に希釈されたエテホン又は5ppm〜500ppmのエチレンで処理した最初の日から大豆葉部に蓄積され、イソフラボン誘導体含量が最高濃度の大豆葉部は処理の5日〜12日後に得られた。
【0105】
<1-2>イソフラボン誘導体が最も高い大豆茎部の作製
大豆種(グリシン・マックス)を農村振興庁から提供してもらい、栽培した。大豆植物を、播種の10日〜90日後に5ppm〜100ppmの2-クロロエチルホスホン酸(エテホン)(2-chloroethylphosphonic acid (ethephon))又は100ppm〜1000ppmのエチレン(ethylene)で処理し、イソフラボン含量の高い大豆茎部を作製した。大豆茎部のイソフラボンの蓄積パターンは、処理したエテホン又はエチレンの濃度及び処理した植物の成長期間に応じて異なり得る。
【0106】
特に、播種の40日後に、大豆植物を200ppmのエチレンで定期的に処理した。
【0107】
その結果、
図9に示されるように大豆茎部の標的イソフラボン誘導体の濃度は処理後に増加した。また、大豆茎部は、植物の老化のホルモンであるエチレンの影響により徐々に黄色になったことが認められた(
図9)。したがって、この結果からイソフラボン誘導体含量が急速に蓄積された大豆茎部は5ppm〜100ppm程度に希釈されたエテホン又は100ppm〜1000ppmのエチレンで播種の10日〜90日後の大豆植物を処理した後に得られた。
【0108】
<実施例2>イソフラボン誘導体含量の高い大豆葉部及び大豆茎部の作製
<2-1>イソフラボン誘導体含量の高い大豆葉部の作製
実施例<1-1>の方法により得られた大豆葉部を乾燥させ、20℃〜100℃の条件下において3日〜10日間50%〜100%のアルコールを用いて抽出した。抽出した溶媒を減圧下において濃縮し、8%〜15%の収率の抽出物を得た。
【0109】
特に、実施例<1-1>に記載の方法により得られた大豆葉部を乾燥させた。次いで、乾燥させた大豆葉部1kgを室温にて7日間80%のエタノールを用いて抽出した。その後、抽出した溶媒を減圧下において濃縮し、86gの抽出物を得た。また、乾燥させた大豆葉部を40℃〜100℃の条件下において精製水を用いて抽出した。抽出した溶媒を減圧下において濃縮し、10%〜17%の収率にて抽出物を得た。
【0110】
その結果、
図2及び
図3に示されるように大豆葉部をエテホン処理(ethephon treatment)の前にエタノールを用いて抽出した抽出物と比べたとき、大豆葉部をエテホン処理の7日後にエタノールを用いて抽出した抽出物は有意により高いイソフラボン誘導体含量を示したことが認められた(
図2及び
図3)。
【0111】
<2-2>イソフラボン誘導体含量の高い大豆茎部の作製
実施例<1-2>の方法により得られた大豆茎部を乾燥させ、20℃〜100℃の条件下において3日〜10日間50%〜100%のアルコールを用いて抽出した。抽出した溶媒を減圧下において濃縮し、8%〜15%の収率にて抽出物を得た。
【0112】
特に、実施例<1-2>に記載の方法により得られた大豆茎部を乾燥させた。次いで、乾燥させた大豆茎部1kgを室温にて7日間80%のエタノールを用いて抽出した。その後、抽出した溶媒を減圧下において濃縮し、86gの抽出物を得た。また、乾燥させた大豆茎部を40℃〜100℃の条件下において精製水を用いて抽出した。抽出した溶媒を減圧下において濃縮し、10%〜17%の収率にて抽出物を得た。
【0113】
その結果、
図10及び
図11に示されるように大豆茎部をエチレン処理の前にエタノールを用いて抽出した抽出物に比べたとき、エチレンで処理した大豆茎部を、エタノールを用いて抽出した抽出物は有意により高いイソフラボン誘導体含量を示したことが認められた(
図10及び
図11)。
【0114】
<実施例3>大豆葉部及び大豆茎部からのイソフラボン誘導体の単離及び精製
<3-1>大豆葉部からのイソフラボン誘導体の単離及び精製
実施例<2-1>に記載の方法により得られたイソフラボン含量の高い大豆葉部のエタノール画分におけるイソフラボン誘導体の単離及び精製は、MPLC(Teledyne Isco CombiFlash Companion)を使用することによって行われた。カラムの材料として、C18シリカゲル(YMC、50μm)を使用した。溶出条件として、水/アセトニトリル混合溶液は、アセトニトリル溶媒が0%から90%へと増加する勾配溶出が適用されるように使用した。結果として、4種のイソフラボン誘導体をそれぞれ単離した。
【0115】
さらに、実施例<2-1>に記載の方法により得られたイソフラボン誘導体含量の高い大豆葉部のエタノール抽出物をβ-グルコシダーゼで処理した。得られた抽出物からイソフラボン誘導体を単離及び精製するために、C18シリカゲルクロマトグラフ分析を上記のように行った。その結果、β-グルコシダーゼにより4種のイソフラボングリコシドを形質転換することにより得られた2種のイソフラボン誘導体をそれぞれ単離した。したがって、合計6種のイソフラボン誘導体をそれぞれ単離した。
【0116】
<3-2>大豆茎部からのイソフラボン誘導体の単離及び精製
実施例<2-2>に記載の方法により得られたイソフラボン含量の高い大豆茎部のエタノール抽出物におけるイソフラボン誘導体の単離及び精製は、MPLC(Teledyne Isco CombiFlash Companion)を使用することによって行われた。カラムの材料として、C18シリカゲル(YMC、50μm)を使用した。溶出条件として、水/アセトニトリル混合溶液は、アセトニトリル溶媒が0%から90%へと増加する勾配溶出が適用されるように使用した。結果として、4種のイソフラボン誘導体をそれぞれ単離した。
【0117】
さらに、実施例<2-2>に記載の方法により得られたイソフラボン誘導体含量の高い大豆茎部のエタノール抽出物をβ-グルコシダーゼで処理した。得られた抽出物からイソフラボン誘導体を単離及び精製するために、C18シリカゲルクロマトグラフ分析を行った。その結果、β-グルコシダーゼにより4種のイソフラボングリコシドを形質転換することにより得られた2種のイソフラボン誘導体をそれぞれ単離した。したがって、合計6種のイソフラボン誘導体をそれぞれ単離した。
【0118】
<実施例4>単離されたイソフラボン誘導体の構造分析
<実施例3>に記載の方法により単離された6種のイソフラボン誘導体化合物を分析するために、HPLC、UPLC/Q-TOF MS及びNMR分光分析を行った。
【0119】
その結果、
図4及び
図12に示されるように6種のイソフラボン誘導体のうちピーク1を以下の[式2]([Formula 2])により表されるダイジン(daidzin)として同定した(
図4及び
図12)。
【化4】
ダイジン(ピーク1)(Daidzin (peak 1)):ESI-MS(Q-TOF) [M+H]+ 417.1186 (実測値calc. 417.1186, C21H21O9, 0.0 ppm); 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 3.30 (2H, m, H-4″,2″), 3.47 (3H, m, H-3″, H-5″,6″b), 3.73 (1H, dd, J = 14.2, 7.4 Hz, H-6″a), 5.12 (1H, m, H-1″), 6.82 (2H, d, J = 8.6 Hz, H-3´,5´), 7.15 (1H, dd, J = 8.6, 2.1 Hz, H-6), 7.24 (1H, d, J = 2.1 Hz, H-8), 7.41 (2H, d, J = 8.6 Hz, H-2´, 6´), 8.04 (1H, d, J = 8.9 Hz, H-5), 8.39 (1H, s, H-2), and 9.56 (1H, s, 4´-OH); 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6) δ 61.1 (C-6″), 70.1 (C-4″), 73.6 (C-2″), 76.9 (C-3″), 77.7 (C-5″), 100.5 (C-8), 104.5 (C-1″), 115.6 (C-3´,5´), 116.0 (C-6), 118.9 (C-4a), 122.8 (C-3), 124.2 (C-1´), 127.4 (C-5), 130.6 (C-2´,6´), 153.8 (C-2), 157.5 (C-4´), 157.7 (C-8a), 161.9 (C-7), 175.2 (C-4)
【0120】
また、
図5及び
図13に示されるようにピーク2を以下の[式3]([Formula 3])により表されるゲニスチン(genistin)として同定した(
図5及び
図13)。
【化5】
ゲニスチン(ピーク2)(Genistin (peak 2)):ESI-MS(Q-TOF) [M+H]+ 433.1139 (実測値calc. 433.1135, C21H21O10, 0.9 ppm); 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 3.19 (1H, dd J = 9.9, 4.8 Hz, H-4″), 3.29 (1H, dd, m, J = 13.4, 7.4 Hz, H-2″), 3.32 (1H, dd, J = 13.4, 4.8 Hz, H-3″), 3.45 (1H, m, H-5″), 3.48 (1H, dd, J = 11.4, 5.5 Hz, H-6″b), 3.73 (1H, dd, J = 11.4, 4.8 Hz, H-6″a), 5.06 (1H, d, J = 7.4 Hz, H-1″), 6.49 (1H, d, J = 2.1 Hz, H-6), 6.72 (1H, d, J = 2.1 Hz, H-8), 6.84 (2H, d, J = 6.6 Hz, H-3´,5´), 7.41 (2H, d, J = 6.6 Hz, H-2´,6´), 8.41 (1H, s, H-2), 9.53 (1H, s, 4´-OH), and 12.9 (1H, s, 5-OH). 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6) δ 61.1 (C-6″), 70.1 (C-4″), 73.6 (C-2″), 76.9 (C-3″), 77.6 (C-5″), 95.0 (C-8), 100.0 (C-6), 100.4 (C-1″), 106.5 (C-4a), 115.5 (C-3´,5´), 121.4 (C-3), 123.0 (C-1´), 130.5 (C-2´,6´), 154.9 (C-2), 157.6 (C-4´), 157.9 (C-8a), 162.0 (C-5), 163.4 (C-7), 180.9 (C-4).
【0121】
さらに、
図6及び
図14に示されるように6種のイソフラボン誘導体のうちピーク3を以下の[式4]([Formula 4])により表されるマロニルダイジン(malonyldaidzin)として同定した(
図6及び
図14)。
【化6】
マロニルダイジン(ピーク3)(Malonyldaidzin (peak 3)): ESI-MS(Q-TOF) [M+H]+ 503.1190 (実測値calc. 503.1190, C24H23O12, 0.0 ppm); 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 3.17 (2H, m, マロニル-CH2(malonyl-CH2)), 3.19 (1H, m, H-4″), 3.34 (1H, m, H-2″), 3.38 (1H, m, H-3″), 3.75 (H-5″), 4.14 (1H, m, H-6″b), 4.34 (1H, m, H-6″a), 5.14 (1H, d, J = 7.6 Hz, H-1″), 6.52 (2H, d, J = 8.2 Hz, H-3´,5´), 6.74 (1H, d, J = 8.9 Hz, H-6), 7.04 (1H, s, H-8), 7.38 (2H, d, J = 8.2 Hz, H-2´,6´), 7.95 (1H, d, J = 8.9 Hz, H-5), 8.42 (1H, s, H-2). 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6) δ 41.9 (マロニル-CH2(malonyl-CH2)), 64.2 (C-6″), 67.3 (C-4″), 71.4 (C-2″), 72.9 (C-5″), 75.6 (C-3″), 95.7 (C-8), 100.2 (C-1″), 102.2 (C-6), 106.5 (C-3´,5´), 113.1 (C-4a), 120.4 (C-3), 121.9 (C-1´), 130.2 (C-2´,6´), 157.6 (C-2), 154.8 (C-4´), 162.2 (C-8a), 161.9 (C-7), 166.8 (マロニル-COOR(malonyl-COOR)), 169.5 (マロニル-COOH(malonyl-COOH)), 179.9 (C-4).
【0122】
また、
図7及び
図15に示されるように6種のイソフラボン誘導体のうちピーク4を以下の[式5]([Formula 5])により表されるマロニルゲニスチン(malonylgenistin)として同定した(
図7及び
図15)。
【化7】
マロニルゲニスチン(ピーク4)(Malonylgenistin (peak 4)): ESI-MS(Q-TOF) [M+H]+ 519.1138 (実測値calc. 519.1139, C24H23O13, -0.2 ppm); 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 3.19 (2H, m, マロニル-CH2(malonyl-CH2)), 3.20 (1H, m, H-4″), 3.28 (1H, m, H-2″), 3.33 (1H, m, H-3″), 4.12 (1H, m, H-6″b), 4.35 (1H, m, H-6″a), 5.12 (1H, d, J = 7.7 Hz, H-1″), 6.46 (1H, s, H-6), 6.71 (1H, s, H-8), 6.83 (2H, d, J = 8.1 Hz, H-3´,5´), 7.39 (2H, d, J = 8.1 Hz, H-2´,6´), 8.40 (1H, s, H-2). 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6) δ 41.6 (マロニル-CH2(malonyl-CH2)), 63.9 (C-6″), 69.4 (C-4″), 72.7 (C-2″), 73.6 (C-5″), 76.1 (C-3″), 94.3 (C-8), 99.3 (C-1″), 99.4 (C-6), 106.0 (C-4a), 115.0 (C-3´,5´), 120.9 (C-1´), 122.5 (C-3), 130.2 (C-2´,6´),154.6 (C-2), 157.1 (C-8a), 157.4 (C-4´), 162.2 (C-5), 162.6 (C-7), 167.0 (マロニル-COOR(malonyl-COOR)), 167.5 (マロニル-COOH(malonyl-COOH)), 180.5 (C-4).
【0123】
さらに、
図8及び
図16に示されるように4種のイソフラボン誘導体から形質転換した6種のイソフラボン誘導体の1つを以下の[式6]([Formula 6])により表されるダイゼインとして同定した(
図8及び
図16)。
【化8】
ダイゼイン(Daidzein):ESI-MS(Q-TOF) [M+H]+ 255.0658 (実測値calc. 255.0657, C15H11O4, 0.4 ppm); 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 6.84 (2H, d J = 8.6 Hz, H-3´, 5´), 6.85 (1H, d, J = 2.0 Hz, H-8), 6.96 (1H, dd, J = 8.8, 2.2 Hz, H-6), 7.38 (2H, d, J = 8.6 Hz, H-2´,6´), 8.07 (1H, d, J = 8.8 Hz, H-5), 8.15 (1H, s, H-2). 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6) δ 102.5 (C-8), 115.4 (C-6), 115.6 (C-3´,5´), 117.0 (C-4a), 123.0 (C-1´), 123.9 (C-3), 127.7 (C-5), 130.5 (C-2´,6´), 153.2 (C-2), 157.6 (C-4´), 157.9 (C-8a), 163.1 (C-7), 175.1 (C-4).
【0124】
また、
図8及び
図16に示されるように4種のイソフラボン誘導体から形質転換した6種のイソフラボン誘導体の1つを以下の[式7]([Formula 7])により表されるゲニステインとして同定した(
図8及び
図16)。
【化9】
ゲニステイン(Genistein):ESI-MS(Q-TOF) [M+H]+ 271.0600 (実測値calc. 271.0606, C15H11O5, -2.2 ppm); 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 6.21 (1H, d J = 1.6 Hz, H-6), 6.33 (1H, d J = 1.6 Hz, H-8), 6.86 (1H, dd, J = 6.7, 1.8 Hz, H-3´,5´), 7.38 (1H, dd, J = 6.7, 1.8 Hz, H-2´,6´), 8.06 (1H, s, H-2). 13C NMR (125 MHz, DMSO-d6) δ 94.0 (C-8), 99.3 (C-6), 104.8 (C-4a), 115.4 (C-3´,5´), 121.6 (C-3), 122.7 (C-1´), 130.5 (C-2´,6´), 154.3 (C-2), 157.8 (C-4´), 158.0 (C-8a), 162.4 (C-5), 164.7 (C-7), 180.6 (C-4)
【0125】
<実施例5>UPLCを使用したイソフラボン誘導体の定量分析
<5-1>大豆葉部から単離した4種のイソフラボン誘導体の定量分析
実施例<3-1>に記載の方法により単離された4種のイソフラボン化合物及び収穫後エテホンで処理した大豆葉部から単離された4種のイソフラボン化合物を定量分析するため、UPLCを使用した。
【0126】
特に、UPLCにおいてACQUITY UPLCTMシステム(Waters Co.製、米国)を使用した。カラムとして、ODS系BEH C18(100×2.1mm)を使用した。移動相として、0.1%の酢酸を含有する水及び0.1%の酢酸を含有するアセトニトリルを使用した。アセトニトリル溶媒を15分間にて最初の3%から57%に増加させる勾配溶出を適用した。流量を0.4ml/分に調節した。抽出溶液の注入量は2ulであった。分析の検出波長は254nmであった。<実施例3>に記載の方法により単離された4種のイソフラボン化合物をメタノールに溶解させ、1μg/ml〜100μg/ml(ug/ml)の範囲の標準溶液を調製した。次いで、UPLC分析を行い、較正曲線をピーク面積から作製した。分析に使用されるイソフラボンの標準材料(stand materials)は4種、すなわち、ダイジン(daidzin)、ゲニスチン(genistin)、マロニルダイジン(malonyldaidzin)、マロニルゲニスチン(malonylgenistin)であり、これら全ては少なくとも98%の高い純度を有していた(表1)。
【0127】
さらに、実施例<1-1>の播種の10日〜90日後の大豆植物の大豆葉部を採取し、50ppmのエテホン(ethephon)で処理した。次いで、4種のイソフラボン誘導体を実施例<3-1>に記載の方法により単離し、その後、定量分析を上記のように行った(表2)。
【0128】
その結果、
図1に示されるようにエテホン処置(ethephon treatment)を行わなかった大豆葉部のエタノール画分では、イソフラボン誘導体は検出されなかったが、50ppmのエテホンで処理した大豆葉部のエタノール画分において、4種のイソフラボン誘導体含量が急速に増加したことが認められた。特に、エテホン処理の7日後に、イソフラボン含量は17073 μg/g(ug/g)の最高濃度に達した(表1)。
【0129】
さらに、表2に示されるように収穫後にエテホンで処理した大豆葉部はエテホン処理後に収穫された大豆葉部と比べてイソフラボン誘導体含量が急速に増加したことを示したことが認められた(表2)。したがって、この結果からイソフラボン誘導体含量が高い大豆葉部を収穫後にエテホンで大豆葉部を処理する方法により、及びエテホン処理後に大豆葉部を収穫する方法により作製することができることが認められた。
【0130】
【表1】
【0131】
【表2】
【0132】
<5-2>大豆茎部から単離した4種のイソフラボン化合物の定量分析
実施例<3-2>に記載の方法により単離された4種のイソフラボン化合物を定量分析するため、HPLCを使用した。
【0133】
特に、HPLCにおいてHPLCシリーズ200システム(Perkinelmer Co.製、米国)を使用した。カラムとして、ODS系Zolbox Bonus-RP(150×4.6mm)を使用した。移動相として、0.1%の酢酸を含有する水及び0.1%の酢酸を含有するアセトニトリルを使用した。アセトニトリル溶媒を85分間にて最初の5%から95%に増加させる勾配溶出を適用した。流量を1ml/分に調節した。抽出溶液の注入量は10μl(ul)であった。分析の検出波長は254nmであった。<実施例3-2>に記載の方法により単離された4種のイソフラボン化合物をメタノールに溶解させ、1μl/ml(ul/ml)〜100μl/ml(ul/ml)の範囲の標準溶液を調製した。次いで、HPLC分析を行い、較正曲線をピーク面積から作製した。分析に使用されるイソフラボンの標準材料は4種、すなわち、ダイジン(daidzin)、ゲニスチン(genistin)、マロニルダイジン(malonyldaidzin)、マロニルゲニスチン(malonylgenistin)であり、これら全ては少なくとも98%の高い純度を有していた(表3)。
【0134】
その結果、表3に示されるようにエチレン処置を行わなかった大豆茎部のエタノール画分では、イソフラボン誘導体は検出されなかったが、100ppm〜1000ppmのエチレンで処理した大豆茎部のエタノール画分において、4種のイソフラボン誘導体含量が急速に増加したことが認められた。特に、エチレン処理後に、イソフラボン含量の総量は11951(ug/g)の最高濃度に達した(表3)。
【0135】
【表3】
【0136】
以下に、本発明の組成物の調製例を説明する。
【0137】
<調製例1>医薬組成物の調製
<1-1>粉末の調製
本発明のイソフラボン誘導体含量の高い大豆葉部及び
大豆茎部、それらの抽出物、又はそれらの抽出物の画分 0.1g
ラクトース 1.5g
タルク 0.5g
【0138】
上記の成分を混合し、密封袋に充填し、粉末を調製した。
【0139】
<1-2>錠剤の調製
本発明のイソフラボン誘導体含量の高い大豆葉部及び
大豆茎部、それらの抽出物、又はそれらの抽出物の画分 0.1g
ラクトース 7.9g
結晶性セルロース 1.5g
ステアリン酸マグネシウム 0.5g
【0140】
上記の成分を混合した後、錠剤を直接打錠法により調製した。
【0141】
<1-3>カプセルの調製
本発明のイソフラボン誘導体含量の高い大豆葉部及び
大豆茎部、それらの抽出物、又はそれらの抽出物の画分 0.1g
コーンスターチ 5g
カルボキシセルロース 4.9g
【0142】
上記の成分を混合することにより粉末を調製した後、カプセルを調製する通例の方法に従って粉末を硬質カプセルに充填することによりカプセルを調製した。
【0143】
<1-4>注入配合物の調製
本発明のイソフラボン誘導体含量の高い大豆葉部及び
大豆茎部、それらの抽出物、又はそれらの抽出物の画分 0.1g
注入可能な滅菌水 適量
pH調整剤 適量
【0144】
注入配合物を調製する通例の方法に従って、調製は、1アンプル当たり上記の成分が2mlになるよう行われた。
【0145】
<1-5>液体配合物の調製
本発明のイソフラボン誘導体含量の高い大豆葉部及び
大豆茎部、それらの抽出物、又はそれらの抽出物の画分 0.1g
異性化糖 10g
マンニトール 5g
精製水 適量
【0146】
液体配合物を調製する通例の方法に従って、各成分を添加し、精製水に溶解させた。次いで、適量のレモン香味料を添加し、上記の成分を混合した。その後、精製水を添加し、総容量を100mlに調節した後、得られたものを褐色瓶に充填し、滅菌し、液体配合物を調製した。
【0147】
<調製例2>健康食品の調製
<2-1>混合茶の調製
本発明のイソフラボン誘導体含量の高い大豆葉部及び大豆茎部、それらの抽出物、又はそれらの抽出物の画分を、香気を含むハーブ植物と混合し、混合茶を調製した。
【0148】
<2-2>小麦食品の調製
0.5重量部〜5.0重量部の、本発明のイソフラボン誘導体含量の高い大豆葉部及び大豆茎部、それらの抽出物、又はそれらの抽出物の画分を小麦に添加し、混合した。この混合物を使用して、パン、ケーキ、クッキー、クラッカー、及び麺類を調製した。
【0149】
<2-3>スープ及びグレイビーソースの調製
0.1重量部〜5.0重量部の、本発明のイソフラボン誘導体含量の高い大豆葉部及び大豆茎部、その抽出物、又はそれらの抽出物の画分をスープ及びグレイビーソースに添加し、健康向上のための家畜加工製品のスープ及びグレイビーソース、及び麺類を調製した。
【0150】
<2-4>牛ひき肉の調製
10重量部の、本発明のイソフラボン誘導体含量の高い大豆葉部及び大豆茎部、その抽出物、又はそれらの抽出物の画分を牛ひき肉に添加し、健康向上のための牛ひき肉を調製した。
【0151】
<2-5>乳製品の調製
5重量部〜10重量部の、本発明のイソフラボン誘導体含量の高い大豆葉部及び大豆茎部、それらの抽出物、又はそれらの抽出物の画分を牛乳に添加し、バター及びアイスクリーム等の種々の乳製品をこの牛乳を使用して調製した。
【0152】
<2-6>禅食(穀物粉末)の調製
玄米、大麦、餅米、及びはと麦を既知の方法により予めアルファーデンプン化(gelatinization:糊化)し、乾燥させた。次いで、これを焙り、粉砕機を用いて60メッシュの粒子径の粉末に粉砕した。
【0153】
黒豆、黒ゴマ、及びエゴマも既知の方法により蒸し、乾燥させた。次いで、これを焙り、粉砕機を用いて60メッシュの粒子径の粉末に粉砕した。
【0154】
本発明のイソフラボン誘導体含量の高い大豆葉部及び大豆茎部、その抽出物、又はその抽出物の画分を減圧下において真空濃縮器にて濃縮させた。次いで、得られたものを、噴霧式温風乾燥機を用いて乾燥させ、得られた乾燥生成物を60メッシュの粒子径となるよう粉砕し、乾燥粉末を得た。
【0155】
本発明のイソフラボン誘導体含量の高い穀物、種子、並びに大豆葉部及び大豆茎部、その抽出物、又は上記で調製された抽出物の画分を以下の割合で混合し、調製した。
穀物(玄米30重量部、はと麦15重量部、大麦20重量部)、
種子(エゴマ7重量部、黒豆8重量部、黒ゴマ7重量部)、
本発明のイソフラボン誘導体含量の高い大豆葉部及び大豆茎部、それらの抽出物、又はそれらの抽出物の画分(3重量部)、
ガノデルマ・ルキドゥム(Ganoderma lucidm)(0.5重量部)、
ジオウ(Rhemannia)(0.5重量部)
【0156】
<調製例3>健康飲料の調製
本発明のイソフラボン誘導体含量の高い大豆葉部及び
大豆茎部、それらの抽出物、又はそれらの抽出物の画分 100mg
クエン酸 100mg
オリゴ糖 100mg
プラム濃縮物 2mg
タウリン 100mg
精製水を添加し、総容量を500mlに調節した。
【0157】
上記の成分を、健康飲料を調製する通例の方法に従って混合した。次いで、混合物を約1時間85℃にて加熱撹拌させた。その後、得られた溶液を濾過し、滅菌済みの1l容(1 l vessel)の容器に充填した。容器を密封し、滅菌し、低温保存し、本発明の健康飲料組成物を調製するために使用した。
【0158】
本組成比は、好ましい飲料に比較的適した成分を混合し、配合する好ましい例である。しかし、本組成比は、消費階級、消費国、及び使用目的を含む地域及び人種による好みに応じて変化し得る。
【0159】
<調製例4>化粧品組成物の調製
<4-1>クリームの調製
本発明のイソフラボン誘導体含量の高い大豆葉部及び
大豆茎部、それらの抽出物、又はそれらの抽出物の画分 4.6重量部
セトステアリルアルコール 2.8重量部
ワックス 2.6重量部
ステアリン酸 1.4重量部
親油性モノステアリン酸グリセリン 2重量部
PEG-100ステアレート 1重量部
セスキオレイン酸ソルビタン 1.4重量部
ホホバ油 4重量部
スクアラン 3.8重量部
ポリソルベート60 1.1重量部
マカダミアナッツオイル 2重量部
酢酸トロフェロール 0.2重量部
メチルポリシロキサン 0.4重量部
エチルパラベン 0.1重量部
プロピルパラベン 0.1重量部
Euxyl K-400 0.1重量部
1,3-ブチレングリコール 7重量部
メチルパラベン 0.05重量部
グリセリン 6重量部
d-パンテノール 0.2重量部
トリエタノールアミン 0.2重量部
Pt 41891 0.2重量部
p-H20 46.05重量部
【0160】
<4-2>ローションの調製
本発明のイソフラボン誘導体含量の高い大豆葉部及び
大豆茎部、それらの抽出物、又はそれらの抽出物の画分 3.5重量部
セトステアリルアルコール 1.6重量部
ステアリン酸 1.4重量部
親油性モノステアリン酸グリセリン 1.8重量部
PEG-100ステアレート 2.6重量部
セスキオレイン酸ソルビタン 0.6重量部
スクアレン 4.8重量部
マカダミアナッツオイル 2重量部
ホホバ油 2重量部
酢酸トコフェロール 0.4重量部
メチルポリシロキサン 0.2重量部
エチルパラベン 0.1重量部
プロピルパラベン 0.1重量部
1,3-ブチレングリコール 4重量部
メチルパラベン 0.1重量部
キサンタンガム 0.1重量部
グリセリン 4重量部
d-パンテノール 0.15重量部
アラントイン 0.1重量部
Carbona(2%水溶液) 4重量部
トリエタノールアミン 0.15重量部
エタノール 3重量部
pt 41891 0.1重量部
p-H20 48.3重量部