(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
撮像のための通常画素と、撮像以外の機能を有する機能性画素とを含む、2次元に配置されている複数の画素を有しており、前記機能性画素は、所定の第1の方向には不均等な間隔で配置されている撮像素子と、
前記撮像素子における前記機能性画素の配置が記録された記録部と、
前記記録部から取得した前記機能性画素の前記配置に基づいて、前記第1の方向となる方向情報を取得する補間方向判断部と、
前記記録部から取得した前記機能性画素の前記配置に基づいて、前記第1の方向での重みづけ量である第1の重みと、前記第1の方向とは異なる方向での重みづけ量であり、前記第1の重みよりも小さい、少なくとも1つの重みづけ量である第2の重みとをそれぞれ算出する重み算出部と、
前記撮像素子で得られた画像データについて、前記第1の方向に配置された前記通常画素により得られた画素値に対して前記第1の重みを適用し、前記第1の方向とは異なる方向に配置された前記通常画素により得られた画素値に対して前記第2の重みを適用し、前記機能性画素の画素値を当該機能性画素の周囲の前記通常画素により得られた前記画素値に基づいて補間する画素補間を行う補間処理部と
を備える撮像装置。
前記重み算出部は、前記撮像素子による画像取得時での撮像モードに応じた画素加算を行う際に、加算対象となる1組に含まれる画素数に応じて、前記第1の重みと前記第2の重みとを算出する、請求項3に記載の撮像装置。
前記重み算出部は、前記撮像素子による画像取得時での撮像モードに応じた画素加算を行う際に、加算対象となる1組に含まれる画素数に応じて、前記第1の重みと前記第2の重みとを算出する、請求項2に記載の撮像装置。
前記重み算出部は、前記撮像素子による画像取得時での撮像モードに応じた画素加算を行う際に、加算対象となる1組に含まれる画素についての前記第1の方向の画素数が、前記第1の方向における前記機能性画素の間隔よりも小さいときに、前記第1の重みと前記第2の重みとを算出する、請求項1に記載の撮像装置。
撮像のための通常画素と、撮像以外の機能を有する機能性画素とを含む、2次元に配置されている複数の画素を有しており、前記機能性画素は、所定の第1の方向には不均等な間隔で配置されている撮像素子を用いて得られた画像データに対して施す画像処理方法であって、
前記撮像素子における前記機能性画素の配置が記録された記録部から取得した前記機能性画素の前記配置に基づいて、前記第1の方向となる方向情報を取得する工程と、
前記記録部から取得した前記機能性画素の前記配置に基づいて、前記第1の方向での重みづけ量である第1の重みと、前記第1の方向とは異なる方向での重みづけ量であり、前記第1の重みよりも小さい、少なくとも1つの重みづけ量である第2の重みとをそれぞれ算出する工程と、
前記撮像素子で得られた画像データについて、前記第1の方向に配置された前記通常画素により得られた画素値に対して前記第1の重みを適用し、前記第1の方向とは異なる方向に配置された前記通常画素により得られた画素値に対して前記第2の重みを適用し、前記機能性画素の画素値を当該機能性画素の周囲の前記通常画素により得られた前記画素値に基づいて補間する画素補間を行う工程と
を含む画像処理方法。
撮像のための通常画素と、撮像以外の機能を有する機能性画素とを含む、2次元に配置されている複数の画素を有しており、前記機能性画素は、所定の第1の方向には不均等な間隔で配置されている撮像素子を用いて得られた画像データに対して施す画像処理をコンピュータに実行させるための画像処理プログラムであって、
前記撮像素子における前記機能性画素の配置が記録された記録部から取得した前記機能性画素の前記配置に基づいて、前記第1の方向となる方向情報を取得する工程と、
前記記録部から取得した前記機能性画素の前記配置に基づいて、前記第1の方向での重みづけ量である第1の重みと、前記第1の方向とは異なる方向での重みづけ量であり、前記第1の重みよりも小さい、少なくとも1つの重みづけ量である第2の重みとをそれぞれ算出する工程と、
前記撮像素子で得られた画像データについて、前記第1の方向に配置された前記通常画素により得られた画素値に対して前記第1の重みを適用し、前記第1の方向とは異なる方向に配置された前記通常画素により得られた画素値に対して前記第2の重みを適用し、前記機能性画素の画素値を当該機能性画素の周囲の前記通常画素により得られた前記画素値に基づいて補間する画素補間を行う工程と
をコンピュータに実行させるための画像処理プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る撮像装置の一例としてのデジタルカメラ1の構成を示すブロック図である。ここで、
図1において、矢印付き実線はデータの流れを示し、矢印付き破線は制御信号の流れを示す。
【0015】
図1に示すデジタルカメラ1は、撮影レンズ11と、絞り13と、メカシャッタ15と、駆動部17と、操作部19と、撮像素子23及び撮像制御回路25を含む撮像部21と、CPU(Central Processing Unit)29と、現像処理部31と、焦点検出回路33と、ビデオエンコーダ35と、表示部37と、バス39と、DRAM(Dynamic Random Access Memory)41と、ROM(Read Only Memory)43と、記録媒体45とを有する。
【0016】
撮影レンズ11は、被写体100の像を撮像素子23に形成するための単一又は複数のレンズから構成された光学系である。撮影レンズ11は、単焦点レンズでもズームレンズでもよい。絞り13は、撮影レンズ11の光軸上に配置され、その口径が変化し得るように構成されている。絞り13は、撮影レンズ11を通過した被写体100からの光束の量を制限する。メカシャッタ15は、絞り13の後方に配置され、開閉自在に構成されている。メカシャッタ15は、その開放時間が調節されることにより、被写体100から到来する被写体光束の撮像素子23への入射時間を調節する。すなわち、メカシャッタ15は、撮像素子23の露光時間を調整する。メカシャッタ15としては、公知のフォーカルプレーンシャッタ、レンズシャッタ等が採用され得る。駆動部17は、CPU29からの制御信号に基づいて、撮影レンズ11の焦点調節、絞り13の開口径制御、及びメカシャッタ15の開閉制御を行う。
【0017】
操作部19は、電源ボタン、レリーズボタン、再生ボタン、メニューボタンといった各種の操作ボタン及びタッチパネル等の各種の操作部材を含む。この操作部19への入力は、CPU29による処理によって認識され得る。
【0018】
撮像素子23は、撮影レンズ11の光軸上であって、メカシャッタ15の後方で、かつ撮影レンズ11によって被写体光束が結像される位置に配置されている。撮像素子23は、画素を構成するフォトダイオードが二次元的に配置されて構成されている。撮像素子23を構成するフォトダイオードは、受光量に応じた電荷を生成する。フォトダイオードで発生した電荷は、各フォトダイオードに接続されているキャパシタに蓄積される。このキャパシタに蓄積された電荷が画像信号として読み出される。ここで、本実施形態における撮像素子23は、複数の異なる電荷の読み出し方式を有している。撮像素子23に蓄積された電荷は、撮像制御回路25からの制御信号に従って読み出される。
【0019】
画素を構成するフォトダイオードの前面には、例えばベイヤ配列のカラーフィルタが配置されている。ベイヤ配列は、水平方向にR画素とG(Gr)画素が交互に配置されたラインと、G(Gb)画素とB画素が交互に配置されたラインとを有している。
【0020】
また、本実施形態における撮像素子23では、一部に位相差検出画素が配置されている。すなわち、撮像素子23には、記録や表示のための画像を取得するための撮像画素の他に、位相差検出画素が設けられている。位相差検出画素では、他の画素と異なり、一部の領域が遮光されている。この位相差検出画素は、焦点検出に用いられる焦点検出画素として機能する。
【0021】
図2を用いて、撮像素子23の構成例について説明する。
図2は、撮像素子23の画素配列例を示した模式図である。
図2において、「R」は、赤色のカラーフィルタが設けられたR画素を示し、「G」は、緑色のカラーフィルタが設けられたG画素を示し、「B」は、青色のカラーフィルタが設けられたB画素を示す。また、黒色に塗りつぶされた領域は、遮光されている領域を示す。
図2は、ベイヤ配列の例を示しているが、カラーフィルタの配列はベイヤ配列に限るものではなく、種々の配列が用いられ得る。
【0022】
前述したように、ベイヤ配列の撮像素子23は、水平方向にR画素とG(Gr)画素が交互に配置されたラインと、G(Gb)画素とB画素が交互に配置されたラインとを有している。言い換えれば、ベイヤ配列の撮像素子23は、Gr画素と、R画素、Gb画素、B画素の4画素の組が水平及び垂直方向に繰り返して配置されている。
【0023】
本実施形態においては、赤色フィルタ、緑色フィルタ又は青色フィルタが設けられた通常画素23aに混じって、遮光膜が設けられた位相差検出画素が配置されている。位相差検出画素は、例えば上下左右の何れかの領域が遮光膜によって遮光された画素である。
図2の例では、左半面を遮光した位相差検出画素である右開口位相差検出画素23Rと、右半面を遮光した位相差検出画素である左開口位相差検出画素23Lと、上半面を遮光した位相差検出画素である下開口位相差検出画素23Bと、下半面を遮光した位相差検出画素である上開口位相差検出画素23Tとが設けられている。
【0024】
高画素数の撮像素子の場合には個々の画素の面積が小さくなるので、近接して配置される画素にはほぼ同じ像が結像すると考えられる。したがって、
図2に示すように位相差検出画素が配置されることにより、近接する右開口位相差検出画素23Rと左開口位相差検出画素23Lとの対で位相差が検出され得る。右開口位相差検出画素23Rと左開口位相差検出画素23Lとの対によれば、水平方向の位相差が検出され得る。同様に、近接する下開口位相差検出画素23Bと上開口位相差検出画素23Tとの対で位相差が検出され得る。下開口位相差検出画素23Bと上開口位相差検出画素23Tとの対によれば、垂直方向の位相差が検出され得る。
【0025】
なお、ある程度の面積を有していれば遮光面積も画素領域の1/2でなくともよい。さらに、
図2に示した例では右開口位相差検出画素23R及び左開口位相差検出画素23Lは、Gr画素に配置されており、下開口位相差検出画素23B及び上開口位相差検出画素23Tは、B画素に配置されているが、これらの配置は適宜に変更され得る。
【0026】
また、
図2の例は、位相差検出画素の一部領域を遮光することによって瞳分割をする例を示しているが、位相差検出画素は、撮影レンズ11の異なる瞳領域を通過した対をなす被写体光束のうちの一方を選択的に受光できればよい。このため、一部領域を遮光する構成とせず、例えば瞳分割用のマイクロレンズによって瞳分割がされてもよい。
【0027】
図2に示したような撮像素子を用いた位相差法による焦点検出の原理について
図3A及び
図3Bを参照して説明する。ここで、
図3Aは、通常画素23aにおける結像状態を示す。
図3Bは、位相差検出画素23pにおける結像状態を示す。
【0028】
被写体が点光源であるとすると、撮影レンズ11が合焦状態であるとき、被写体から出射され、撮影レンズ11の光軸中心に対して対称な異なる瞳領域を通過した対をなす被写体光束は、撮像素子23上の同一の位置に結像する。
【0029】
一方、撮影レンズ11が非合焦状態であるとき、被写体から出射され、撮影レンズ11の異なる瞳領域を通過した対をなす被写体光束は、撮像素子23上の異なる位置に結像する。言い換えれば、これらの対をなす被写体光束によって形成される像の間には位相差が生じる。この位相差を、例えば右開口位相差検出画素23Rと左開口位相差検出画素23Lとでそれぞれ検出される像の相関関係から検出することにより、撮影レンズ11のデフォーカス量及びデフォーカス方向が検出され得る。
【0030】
なお、位相差検出画素23pは、一部の領域が遮光されているので、光量の低下が発生する。この光量の低下は、位相差検出画素23pに形成された遮光膜の面積の他、遮光膜の位置、位相差検出画素23pに入射する光の角度、像高によっても異なるものである。
【0031】
撮像制御回路25は、CPU29からの制御信号に従って、撮像素子23の読み出し方式を設定し、設定した読み出し方式に従って撮像素子23からの画像信号の読み出しを制御する。この際、撮像制御回路25は、位相差検出画素23pで取得された信号について補間する処理を行う。撮像素子23からの画素データの読み出し方式は、デジタルカメラ1の撮像モードに応じて設定されるものである。例えば、撮像素子23からの画素データの読み出しにリアルタイム性が求められる場合(例えばライブビュー表示時や動画記録時)には、画素データの読み出しを高速に行えるよう、複数の同色画素からの画素データを混合して読み出したり、特定の画素の画素データを間引いて読み出したりする。一方、リアルタイム性よりも画質が求められる場合(例えば静止画像の記録時)には、混合読み出しや間引き読み出しをせずに全画素の画素データを読み出すことで解像力を維持する。
【0032】
撮像制御回路25についてさらに説明する。撮像制御回路25の構成例の概略を
図4に示す。撮像制御回路25は、A−AMP102と、ADC104と、画素補間処理部110と、画素間引き処理部122と、画素混合処理部124とを有する。
【0033】
A−AMP102は、撮像素子23から出力された画像信号のアナログゲイン調整を行う。ADC104は、アナログデジタル変換器であり、A−AMP102によってアナログゲイン調整された画像信号を、デジタル形式の画像信号(画素データ)に変換する。以下、本明細書においては、複数の画素データの集まりを撮像データと記す。また、画素データによって示される各々の画素に係る値を画素値と記す。
【0034】
画素補間処理部110は、位相差検出画素23pにおいて取得される画像データの補間に係る処理を行う。すなわち、位相差検出画素23pは、その一部が遮光されている。このため、位相差検出画素23pにおいて取得される画像データは、通常画素23aにおいて取得される画像データと異なる。そこで、画像を取得する露光の際には、画素補間処理部110は、位相差検出画素23pにおいて取得される画像データを周辺の通常画素23aにおいて取得される画像データによって補間する。なお、焦点検出用露光の際には、位相差検出画素23pで取得された画像データは、そのままDRAM41に書き込まれる。
【0035】
画素補間処理部110は、補間方向判断部112と、重み算出部114と、補間処理部116とを有する。補間方向判断部112は、位相差検出画素23pの画像データの補間に用いる通常画素23aの方向を決定する。すなわち、補間の対象となる位相差検出画素23pに対してどちらの方向にある通常画素23aの画素値を用いて補間を行うかを決定する。重み算出部114は、補間に用いる画素の画素値を混合する際に、混合する画素のそれぞれの重みを決定する。補間処理部116は、重み算出部114で算出された重み値に基づいた加算平均を行い、画素値を算出する。補間処理部116は、算出した画素値で補間対象画素の画素値を置き換える。
【0036】
画素間引き処理部122は、画素データの間引き読み出しに係る処理を行う。画素混合処理部124は、画素データの混合読み出しに係る処理を行う。このようにして、撮像制御回路で作成された撮像データは、DRAM41に書き込まれる。
【0037】
CPU29は、後述するROM43に記憶されているプログラムに従って、デジタルカメラ1の全体制御を行う。
【0038】
現像処理部31は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)によって構成される。現像処理部31は、DRAM41から画像データを読み出して、現像処理を行い、表示用画像データとしてDRAMに書き戻す。例えば現像処理部31は、静止画像の記録の際には、静止画記録用の画像処理を施して静止画像データを生成する。同様に、現像処理部31は、動画像の記録の際には、動画記録用の画像処理を施して動画像データを生成する。さらに、現像処理部31は、ライブビュー表示時には、表示用の画像処理を施して表示用画像データを生成する。
【0039】
焦点検出回路33は、例えばASICによって構成される。焦点検出回路33は、DRAM41から位相差検出画素23pで取得されたデータを読み出す。焦点検出回路33は、位相差検出画素23pで取得されたデータに基づいて、焦点位置の検出に係る処理を行う。
【0040】
ビデオエンコーダ35は、現像処理部31によって生成されDRAM41に一時記憶された表示用画像データを読み出し、読み出した表示用画像データを表示部37に出力する。
【0041】
表示部37は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイといった表示部であって、例えばデジタルカメラ1の背面等に配置される。この表示部37は、ビデオエンコーダ35から入力されてきた表示用画像データに従って画像を表示する。表示部37は、ライブビュー表示や記録済み画像の表示等に使用される。
【0042】
バス39は、撮像制御回路25、CPU29、現像処理部31、焦点検出回路33、ビデオエンコーダ35、DRAM41、ROM43、及び記録媒体45に接続されている。これら各部で発生した各種のデータは、バス39を介して転送される。
【0043】
DRAM41は、電気的に書き換え可能なメモリであり、前述した撮像データ(画素データ)、記録用画像データ、表示用画像データ、CPU29における処理データといった各種データを一時的に記憶する。なお、一時記憶用としては、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)が用いられてもよい。
【0044】
記憶部の一例として機能するROM43は、マスクROMやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリである。ROM43は、CPU29で使用するプログラム、デジタルカメラ1の調整値等の各種データを記憶している。
【0045】
記録媒体45は、デジタルカメラ1に内蔵又は装填自在に構成されており、記録用画像データを所定の形式の画像ファイルとして記録する。
【0046】
本実施形態に係るデジタルカメラ1の動作を説明する。本実施形態に係るデジタルカメラ1による動画記録の処理の一例を
図5に示すフローチャートを参照して説明する。動画記録は、例えば動画撮影モード中にレリーズボタンが押圧されたときに開始する。また、ここでは、動画記録の処理について説明するが、静止画記録の動作においても同様の処理が行われ得る。なお、
図5を参照して説明する処理はROM43に記憶されているプログラムに従ってCPU29が実行したり、ASICが実行したりする。これら処理に係るプログラムは、光ディスクや磁気ディスクや半導体メモリ等、各種記録媒体にも記録され得る。
【0047】
ステップS101において、CPU29は、次に行う露光が焦点検出用露光か記録のための画像取得用の露光かを設定する。
【0048】
ステップS102において、CPU29は、ステップS101で設定された露光が焦点検出用露光であるか否かを判定する。焦点検出用露光であるとき、処理はステップS103に進む。
【0049】
ステップS103において、撮像部21は、撮像取り込みを行う。すなわち、撮像素子23は、光電変換を行い、撮像制御回路25は、デジタル化したデータをDRAM41に配置する。
【0050】
ステップS104において、焦点検出回路33は、位相差検出画素23pで取得されたデータに基づいて、位相差を利用した焦点検出を行う。CPU29は、焦点検出の結果に基づいて、合焦のために駆動部17に撮影レンズ11を駆動させる。その後、処理はステップS111に進む。
【0051】
ステップS102において、焦点検出用露光でないと判定されたとき、処理はステップS105に進む。
【0052】
ステップS105において、撮像部21は、撮像動作を行う。すなわち、撮像素子23は、光電変換を行い、A−AMP102がアナログゲイン調整をし、ADC104がアナログ信号をデジタル信号に変換する。
【0053】
ステップS106において、撮像部21の画素補間処理部110は、位相差検出画素23pについて画素補間処理を行う。この画素補間処理については、後述する。
【0054】
ステップS107において、撮像部21の画素間引き処理部122は、必要な画素の間引き処理を行い、撮像部21の画素混合処理部124は、必要な画素の混合処理を行う。撮像部21は、以上のようにして生成した画像データをDRAM41に書き込む。
【0055】
ステップS108において、現像処理部31は、DRAM41から画像データを読み出し、現像処理を行う。
【0056】
ステップS109において、現像処理部31は、現像処理後のデータに対して記録用の画像処理を行う。
【0057】
ステップS110において、CPU29は、ステップS109で作成された記録用の画像を記録媒体45に記録する。その後、処理はステップS111に進む。
【0058】
S111において、CPU29は、動画記録停止の指示が入力されたか否かを判定する。動画記録停止の指示は、例えば、動画記録動作中にレリーズボタンが押圧されることで入力される。動画記録停止の指示が入力されていないとき、処理はステップS101に戻る。一方、動画記録停止の指示が入力されたとき、本動画記録処理は終了する。
【0059】
次にステップS106で行われる位相差検出画素23pに係る画素補間について詳述する。まず、位相差検出画素23pの配置について
図6A及び
図6Bを参照してさらに説明する。
図6Aは、
図2に示した図において、位相差検出画素23pのうち、水平方向の位相差を検出するために設けられた右開口位相差検出画素23R及び左開口位相差検出画素23Lを表示した図である。
図6Aは、垂直方向の位相差を検出するために設けられた下開口位相差検出画素23B及び上開口位相差検出画素23Tを表示しない。一方、
図6Bは、下開口位相差検出画素23B及び上開口位相差検出画素23Tを表示し、右開口位相差検出画素23R及び左開口位相差検出画素23Lを表示しない。
【0060】
まず、右開口位相差検出画素23R及び左開口位相差検出画素23Lの配置について説明する。
図6Aから明らかなように、右開口位相差検出画素23Rは、水平方向にR画素とG(Gr)画素とが交互に配置された行に、等間隔に配置されている。右開口位相差検出画素23Rの間隔は4画素である。右開口位相差検出画素23Rが配置されている行には、左開口位相差検出画素23Lは配置されていない。同様に、左開口位相差検出画素23Lは、水平方向にR画素とG(Gr)画素とが交互に配置された行に、4画素毎に等間隔に配置されている。左開口位相差検出画素23Lが配置されている行には、右開口位相差検出画素23Rは配置されていない。
【0061】
一方、垂直方向に見ると、右開口位相差検出画素23R及び左開口位相差検出画素23Lのそれぞれの間隔は不均等である。すなわち、
図6Aにおいて、右開口位相差検出画素23R及び左開口位相差検出画素23Lが配置されている列を上から順に数えると、右開口位相差検出画素23Rから4画素目に左開口位相差検出画素23Lが配置されているが、左開口位相差検出画素23Lから8画素目に右開口位相差検出画素23Rが配置されている。
【0062】
以上のように、右開口位相差検出画素23R及び左開口位相差検出画素23Lは、水平方向(行方向)には均等に配置されているが、垂直方向(列方向)には不均等に配置されている。位相差検出画素23pの配置が不均等になっているのは、撮像素子23によって得られる画像データについて、位相差検出画素23pが存在することにより発生する画像劣化をできるだけ抑えるため、位相差検出画素23pの数を削減していることに起因する。
【0063】
次に、上開口位相差検出画素23T及び下開口位相差検出画素23Bの配置について説明する。
図6Bから明らかなように、上開口位相差検出画素23Tは、垂直方向にB画素とG(Gb)画素とが交互に配置された列に、4画素毎に等間隔に配置されている。上開口位相差検出画素23Tが配置されている列には、下開口位相差検出画素23Bは配置されていない。同様に、下開口位相差検出画素23Bは、垂直方向にB画素とG(Gb)画素とが交互に配置された列に、4画素毎に等間隔に配置されている。下開口位相差検出画素23Bが配置されている列には、上開口位相差検出画素23Tは配置されていない。
【0064】
一方、水平方向に見ると、上開口位相差検出画素23Tと下開口位相差検出画素23Bとの間隔は不均等である。すなわち、
図6Bにおいて、上開口位相差検出画素23T及び下開口位相差検出画素23Bが配置されている行を左から順に数えると、上開口位相差検出画素23Tから4画素目に下開口位相差検出画素23Bが配置されているが、下開口位相差検出画素23Bから8画素目に上開口位相差検出画素23Tが配置されている。
【0065】
以上のように、上開口位相差検出画素23T及び下開口位相差検出画素23Bは、垂直方向(列方向)には均等に配置されているが、水平方向(行方向)には不均等に配置されている。
【0066】
次に、以上のように配置された位相差検出画素23pで取得された輝度に係る値(画素値)を周辺の通常画素23aで得られた画素値を用いて補間することについて説明する。
【0067】
まず、
図6Aに示したような右開口位相差検出画素23R及び左開口位相差検出画素23Lの場合を考える。例えば
図7Aに模式的に示すように、撮像素子23を用いて縦縞の被写体像を撮像するものとする。ここで、
図7Aにおいて、斜線が付されている画素は被写体像において光量が低く暗い場所を示すものとし、斜線が付されていない画素は被写体像において光量が高く明るい場所を示すものとする。
【0068】
図7Aに示したような被写体像が入射したときに得られる補間後の画素毎の画素値について模式的に
図7Bに示す。
図7Bでは、間隔が狭い斜線が付されている画素は画素値が低いものとし、間隔が広い斜線が付されている画素はそれよりも画素値が高く、斜線が付されていない画素はさらに画素値が高いものとする。通常画素23aでは、被写体像に応じた画素値が得られる。一方で、位相差検出画素23pでは、画素の一部が遮蔽されているために正しい画素値が得られないので、位相差検出画素23pの画素値を周囲に存在する通常画素23aの画素値を用いて補間する。ここでは、位相差検出画素23pの画素値を左右に存在(水平方向・行方向に隣接)する通常画素23aの画素値を用いて補間したとする。すると、
図7Bに示すように、本来得られるべき画素値と異なる画素値によって補間がなされてしまう。
【0069】
その結果、得られる画像を模式的に
図7Cに示す。
図7Cは、Gr画素、R画素、B画素、Gb画素の4つの画素で得られた画素値に基づいて、1つの画素値が決定される場合を示している。ここで、
図7Cでは、間隔が狭い斜線が付されている画素は画素値が低いものとし、間隔が広い斜線が付されている画素はそれよりも画素値が高く、斜線が付されていない画素はさらに画素値が高いものとする。
図7Cに示すように、縦縞の被写体像を撮像したときに、縞模様に「ちぢれ」模様が入ることになってしまう。すなわち、縦縞が、
図7Cにおける上側の4段は左側にずれるようになり、下側の4段は右側にずれるようになり、ギザギザになる。このように、位相差検出画素23pの左右に存在する通常画素23aの画素値を用いて位相差検出画素23pの画素値を補間した場合、得られる画像は非常に画質が劣化したものとなる。
【0070】
図7B及び
図7Cに示す例では、位相差検出画素23pの左右に存在する通常画素23aの画素値を用いて位相差検出画素23pの画素値を補間した場合を示したが、位相差検出画素23pの上下に存在(垂直方向・列方向に隣接)する通常画素23aの画素値を用いて位相差検出画素23pの画素値を補間した場合を次に示す。位相差検出画素23pの上下に存在する通常画素23aの画素値を用いて位相差検出画素23pの画素値を補間した場合、
図7Bに相当する図は
図8Aのようになる。その結果、
図7Cに相当する図は、
図8Bのようになる。このとき、
図7Cで認められるような、縞模様に「ちぢれ」模様が入ることはなく、きれいな縦縞模様が得られる。すなわち、位相差検出画素23pの上下に存在する通常画素23aの画素値を用いて位相差検出画素23pの画素値を補間した場合、得られる画像に劣化は認められない。
【0071】
横縞の被写体像を撮像する場合も同様に考える。すなわち
図7Aに示す図に相当する被写体像を示す図を
図9Aに示す。このとき、位相差検出画素23pの上下に存在する通常画素23aの画素値を用いて位相差検出画素23pの画素値を補間すると次のようになる。すなわち、
図7B及び
図8Aに相当する図は、
図9Bのようになる。また、
図7C及び
図8Bに相当する図は、
図9Cのようになる。この場合、
図9Cに示すように、得られる画像は若干劣化するが、縞模様の境界がややにじむようにあいまいになるだけである。すなわち、
図9Cに示す図の場合、横縞の模様は維持され、上下にずれて「ちぢれ」模様が入るような大きな画質の劣化は認められない。
【0072】
以上のように、右開口位相差検出画素23R及び左開口位相差検出画素23Lは、水平方向(行方向)には均等に配置されているが、垂直方向(列方向)には不均等に配置されている。この場合、位相差検出画素23pの画素値を補間するには、当該位相差検出画素23pの垂直方向(列方向)に隣接する通常画素23aの画素値を用いて補間すると画質の劣化が防止される。すなわち、位相差検出画素23pの補間を行う際には、不均等に配置された方向の通常画素23aを用いて補間されると画質の劣化が防止される。
【0073】
同様に、
図6Bに示したような上開口位相差検出画素23T及び下開口位相差検出画素23Bの場合を考える。例えば
図10Aに模式的に示すように、撮像素子23を用いて横縞の被写体像を撮像するものとする。このとき、位相差検出画素23pの上下に存在(垂直方向・列方向に隣接)する通常画素23aの画素値を用いて位相差検出画素23pの画素値を補間すると、
図10Bに示すように補間がされ、
図10Cに示すような画像が得られる。すなわち、得られる画像において画質は、横縞模様に「ちぢれ」模様が入って、非常に劣化したものとなる。
【0074】
横縞の被写体像を撮像し、位相差検出画素23pの左右に存在(水平方向・行方向に隣接)する通常画素23aの画素値を用いて位相差検出画素23pの画素値を補間するものとする。このとき、
図11Aに示すように補間がされ、
図11Bに示すような画像が得られる。すなわち、得られる画像において画質の劣化は認められない。
【0075】
また、
図12Aに示すように、縦縞の被写体像を撮像し、位相差検出画素23pの左右に存在(水平方向・行方向に隣接)する通常画素23aの画素値を用いて位相差検出画素23pの画素値を補間するものとする。このとき、
図12Bに示すように補間がされ、
図12Cに示すような画像が得られる。すなわち、得られる画像において大きな画質の劣化は認められない。
【0076】
以上のように、上開口位相差検出画素23T及び下開口位相差検出画素23Bは、垂直方向(列方向)には均等に配置されているが、水平方向(行方向)には不均等に配置されている。この場合、位相差検出画素23pの画素値を補間するには、当該位相差検出画素23pの水平方向(行方向)に隣接する通常画素23aの画素値を用いて補間すると画質の劣化が防止される。すなわち、位相差検出画素23pの補間を行う際には、不均等に配置された方向の通常画素23aを用いて補間されると画質の劣化が防止される。
【0077】
以上のことから、本実施形態では、左開口位相差検出画素23L及び右開口位相差検出画素23Rの画素値が周辺の通常画素23aで得られた画素値を用いて補間されるとき、水平方向と垂直方向とのうち左開口位相差検出画素23L及び右開口位相差検出画素23Rが不均等に配置された方向に隣接する通常画素23aの画素値を用いて、位相差検出画素23pの画素値の補間が行われる。同様に、上開口位相差検出画素23T及び下開口位相差検出画素23Bの画素値が周辺の通常画素23aで得られた画素値を用いて補間されるとき、水平方向と垂直方向とのうち上開口位相差検出画素23T及び下開口位相差検出画素23Bが不均等に配置された方向に隣接する通常画素23aの画素値を用いて、位相差検出画素23pの画素値の補間が行われる。
【0078】
補間における画素値の算出方法はさまざま考えられる。上述の
図7A乃至
図12Cを用いた説明では、補間対象である位相差検出画素23pの上下の通常画素23aと左右の通常画素23aとのうち何れか一方が用いられる場合を例に挙げて説明したが、上下の通常画素23aと左右の通常画素23aとの両方を用いて、これらの重みづけが異なるようにしてもよい。
【0079】
例えば
図13Aに示すように、右開口位相差検出画素23Rの画素値を周辺のG画素の画素値に基づいて補間する場合を考える。当該右開口位相差検出画素23Rの上隣りのG画素の画素値をG1とし、下隣りのG画素の画素値をG2とし、左隣りのG画素の画素値をG3とし、右隣りのG画素の画素値をG4とする。位相差検出画素23pの配置が
図2に示した配置である場合、右開口位相差検出画素23Rの配置は列方向に不均等であるので、上下の通常画素23aの画素値が用いられる。したがって、補間後の画素値Iは、例えば、
I=(G1+G2)/2
で与えられる。
【0080】
また、補間後の画素値Iは、例えば、
I=(K1G1+K1G2+K2G3+K2G4)/(K1+K1+K2+K2)
で与えられてもよい。ここで、K1とK2とは重み係数であり、
K1>K2
とする。なお、I=(G1+G2)/2は、K1=1、K2=0の場合であるとも言える。
【0081】
同様に、例えば
図13Bに示すように、上開口位相差検出画素23Tの画素値を周辺のB画素の画素値に基づいて補間する場合を考える。当該上開口位相差検出画素23Tの左隣りのB画素の画素値をB1とし、右隣りのB画素の画素値をB2とし、上隣りのB画素の画素値をB3とし、下隣りのB画素の画素値をB4とする。位相差検出画素23pの配置が
図2に示した配置である場合、上開口位相差検出画素23Tの配置は行方向に不均等であるので、左右の通常画素23aの画素値が用いられる。したがって、補間後の画素値Iは、例えば、
I=(B1+B2)/2
で与えられる。
【0082】
また、補間後の画素値Iは、例えば、
I=(K3B1+K3B2+K4B3+K4B4)/(K3+K3+K4+K4)
で与えられてもよい。ここで、K3とK4とは重み係数であり、
K3>K4
とする。
【0083】
上述の重み係数K1、K2、K3及びK4は、予め決められており、例えばいつも同じ重み係数が用いられる。すなわち、撮像素子23における位相差検出画素23pの配列は固定されているので、その配列等に基づいて最適な重み係数が予め求められており、この重み係数を用いて補間がなされることで最適な補間が実現され得る。
【0084】
撮像素子23における位相差検出画素23pの配置や、画素補間を行う場合の補間される位相差検出画素23pと補間に用いられる通常画素23aとの位置関係や、重み係数等の情報は、例えばROM43に予め記録されている。このように、例えばROM43は、撮像素子における機能性画素の配置が記録された記録部として機能する。
【0085】
なお、画素値Iの算出方法は、加算平均に限らない。また、画素値Iの算出では、画像としてそのまま利用できない値ではあるものの位相差検出画素23pでも画素値が取得されているので、補間される位相差検出画素23pで取得された画素値が用いられてもよい。すなわち、上述の説明は、位相差検出画素23pの画素値が用いられない場合に限らず、位相差検出画素23pの画素値が用いられる場合にも適用される。このように、補間というとき、位相差検出画素23pの画素値が用いられずに他の画素の画素値によって画素値が決定される場合のみならず、当該位相差検出画素23pの画素値が用いられる場合も含まれる。
【0086】
位相差検出画素が不均等な間隔で配置されている方向を第1の方向とするとき、画素補間では、まず第1の方向が取得される。続いて、第1の方向の重みづけを第1の重みとし、第1の方向と異なる方向の重みづけを第2の重みとしたときに、第1の重みと第2の重みとが決定される。ここで、第1の重みは第2の重みよりも大きい。その後、第1の重みと第2の重みとを用いて補間処理が行われる。
【0087】
本実施形態によれば、撮像素子23の撮像面に位相差検出画素23pが設けられていることによって必要となる画素補間を含む画素補間においても、画質の劣化が防止される。また、例えば位相差検出画素23pの周辺の画素値に応じて適応的に補間に用いるパラメータを変更することによって画質劣化を抑制する場合等と比較して、本実施形態によれば、回路規模を小さくすることができ、また、消費電力も小さくすることができる。このことは、動画記録やライブビュー表示時に、特に効果を奏する。
【0088】
なお、上述の例では、
図6A及び
図6Bに示すように、位相差検出画素23pの均等に並んでいる方向の間隔は4画素である。間隔が4画素以上であるときにちぢれの影響は現れやすいので、間隔が4画素以上のときに本実施形態は特に効果を奏する。
【0089】
なお、上述の例では、位相差検出画素23pの上下左右の通常画素23aの画素値を用いて画素補間する例を示したが、これ以外の方向に配置された通常画素23aの画素値を用いて画素補間されてもよい。この場合も、位相差検出画素23pが不均等な間隔で配置されている方向についての重みが大きく設定され、それ以外の方向の重みは小さく設定されることで画質の劣化は防止される。
【0090】
[第1の変形例]
上述の実施形態の変形例について説明する。ここでは、上述の実施形態との相違点について説明し、同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。上述の実施形態では、位相差検出画素について画素値を補間する例を示した。しかしながら画素値を補間する対象は位相差検出画素に限らず、撮像素子内に撮像以外の機能を有した画素が配置され補間される必要があるときは上述の実施形態が適用され得る。撮像以外の機能を有した画素として、例えば測光用の画素が配置されることが考えられる。このように撮像以外の機能を有した画素を機能性画素と称することにする。
【0091】
図14に機能性画素の配置例を示す。
図14において黒塗りで示された画素には、撮像以外の機能を有する機能性画素23fが設けられている。機能性画素23fでは、画像データを取得することができないので、当該機能性画素23fの画素値は、周囲の通常画素23aにより得られた画素値を用いて補間される必要がある。そこで上述の実施形態が適用され得る。
【0092】
図14に示す画素配置の例では、機能性画素23fは、水平方向には均等に配置されており、垂直方向には不均等に配置されている。したがって、補間においては、水平方向に配置された画素の画素値よりも垂直方向に配置された画素の画素値に大きな重みをもたせて補間が行われるとよい。このような重みづけがなされると、補間による画質の劣化が抑制される。
【0093】
[第2の変形例]
上述の実施形態の変形例について説明する。ここでは、上述の実施形態との相違点について説明し、同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。本変形例では、画素加算が行われる場合を考える。右開口位相差検出画素23R及び左開口位相差検出画素23Lの配列として
図6Aに示したような配置で機能性画素23fが配置された撮像素子23を例に挙げて説明する。Gr・R・B・Gbの4画素が縦2つ及び横2つで1組として画素加算が行われる場合を考える。この場合の画素の位置関係の一例を
図15Aに示す。
図15Aにおいて、太線は画素加算する1組の画素を示し、太線で示した枠内の同色の画素値について加算がなされるものとする。同様に、Gr・R・B・Gbの4画素が縦3つ及び横3つで1組として画素加算が行われる場合の画素の位置関係の一例を
図15Bに示す。
図15Bにおいて、太線は画素加算される1組の画素を示し、太線で示した枠内の同色の画素の画素値について加算がなされるものとする。画素加算される1組に含まれる画素数は、撮像モードによって変更され得る。
【0094】
図15Aから明らかなように、2×2を1組として画素加算する場合、この1組の画素に含まれる機能性画素23fは、それぞれ1画素となる。これは、機能性画素23fの間隔が4画素であり、1組に含まれる画素が4画素×4画素となることに起因する。これに対して、
図15Bに示すように3×3を1組として画素加算する場合、この1組の画素に含まれる機能性画素23fは、1画素であったり2画素であったり4画素であったりする。画素加算する範囲の組み合わせによっては、1組に含まれる機能性画素23fは、3画素ともなりうる。このように、画素加算する画素数が異なると、1組の画素に含まれる機能性画素23fの数が異なり得る。
【0095】
画素加算する1組の画素に含まれる機能性画素23fの数が異なると、周囲の通常画素23aの画素値を用いた機能性画素23fの画素値の補間が1組の画素の画素加算の結果に与える影響が組毎に異なることになる。
【0096】
そこで、本変形例では、加算する画素数に応じて、例えば上述の重み係数K1、K2、K3及びK4が異なるものに設定される。すなわち、機能性画素23fの補間において、次の処理が行われる。まず、加算画素数が判定される。その判定結果に基づいて、重み係数など機能性画素23fの補間に係るパラメータが決定される。決定されたパラメータを用いて画素補間が行われる。
【0097】
本変形例によれば、画素加算において、加算される画素数に応じて最適な機能性画素23fの画素値の補間が行われる。その結果、当該補間による画質の劣化が抑制される。
【0098】
なお、補間されるべき機能性画素23fが不均等な間隔で配置されている方向を第1の方向とする。このとき、画素加算において加算対象となる1組の画素の第1の方向の画素数が、第1の方向における機能性画素23fの間隔よりも小さいとき、補間によって画像にちぢれが生じやすい。したがって、1組の画素の第1の方向の画素数が、第1の方向における機能性画素23fの間隔よりも小さいとき、重み係数K1と重み係数K2とが異なる値に設定されることは特に効果を奏する。
【0099】
上述のような補間処理では、機能性画素の密度が疎なときには、画素加算後に補間が行われてもよい。機能性画素が密に配置されているときは、画素加算をする1組の画素の中に必ず1つ以上の機能性画素が含まれることになる。したがって、機能性画素の密度が密なときには、機能性画素の画素値の補間は画素加算前に行われることが好ましい。
【0100】
なお、上述の実施形態及びその変形例ではベイヤ配列が用いられる場合を例に挙げて説明した。しかしながらベイヤ配列に限らず、機能性画素の配列が均等な方向と不均等な方向とがあるとき、上述の技術は適用され得る。したがって、水平方向又は垂直方向に限らず、斜めの方向など種々の方向に対して適用され得る。
【0101】
以上のように、本技術は、撮像のための通常画素と撮像以外の機能を有する機能性画素とを含む撮像素子であって、機能性画素がある第1の方向には不均等な間隔で配置されている場合を対象としている。この場合に、機能性画素の画素値を周辺の通常画素の画素値で補間するとき、第1の方向に配置された通常画素の画素値の重みづけを大きくし、第1の方向以外の方向に配置された通常画素の重みづけを小さくする。このようにすると画質の劣化が抑えられた画素補間が実現され得る。