(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
隔壁によってシャワー室と空気浄化室とが区画され、前記隔壁に前記シャワー室から前記空気浄化室に空気を取り入れる空気取入口と、前記空気浄化室から前記シャワー室に空気を噴射する空気噴射口とが設けられ、送風機の吸引作用によって前記シャワー室から前記空気取入口を通して前記空気浄化室に吸引した空気を、フィルタで濾過し、この濾過した空気を前記送風機の送風作用によって前記空気噴射口から前記シャワー室に噴射するエアーシャワー装置であって、
前記隔壁に前記空気取入口の少なくとも一部を遮蔽可能な遮蔽部材が設けられ、
前記送風機の吸引側において前記隔壁に接続口部材が前記隔壁を貫通して設けられ、この接続口部材に吸引ホースが接続され、
着衣の表面に付着している付着物や前記シャワー室の床に堆積している塵等の塵埃を前記吸引ホースによって吸引する場合、前記遮蔽部材によって前記空気取入口の一部を遮蔽することによって、前記空気取入口を遮蔽していない場合に比して、前記送風機の吸引力を接続口部材に大きく作用させて、この接続口部材に接続されている前記吸引ホースによって、着衣の表面に付着している付着物や前記シャワー室の床に堆積している塵等の塵埃を吸引して除去することを特徴とするエアーシャワー装置。
【背景技術】
【0002】
クリーンルーム、バイオクリーンルームといった常に清浄な環境に維持された作業室への入口には、入室者の着衣に付着した塵埃や菌を除去するためのエアーシャワー装置が設置されている。
【0003】
このようなエアーシャワー装置の一例として特許文献1に記載のものが知られている。このエアーシャワー装置は、本体内部に、空気流通路で連通するシャワー室と空気浄化室を区画形成し、ブロアーによってシャワー室から空気流通路を通して空気浄化室に吸引した空気をフィルタで濾過し、この濾過した空気を上記ブロアーの送風作用によってエアーノズルから上記のシャワー室内に循環送出することによって、入室者の着衣等に付着したダスト類を払い落すようにしている。
【0004】
また、前記フィルタとしてバグフィルタを使用し、このバグフィルタの下側部に集塵されたダストを回収するホッパを設けて、ホッパに回収したダストを掃除機または集塵機の吸引作用が及ぶ吸引管を通してホッパの外に抜き出すようにしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述した従来のエアーシャワー装置では、エアーシャワーにて捕集した塵埃(ダスト)をホッパに回収し、このダストを掃除機または集塵機の吸引作用が及ぶ吸引管を通してホッパの外に抜き出すことはできるが、作業者が着ている無塵衣の着衣の表面に付着している粒子やその他の付着物がエアーシャワーによって除去しきれず、回収できない場合がある。
また、シャワー室の床に塵等が堆積している場合、この堆積した塵を空気浄化室に吸引して回収できないことがある。
一方、着衣の表面に付着している付着物やシャワー室の床に堆積している塵等(以下、これらをまとめて塵埃という。)を吸引装置によって吸引することができるが、この場合、吸引装置を別途設ける必要があり、コスト高を招くとともにエアーシャワー装置が大型化するという問題がある。
【0007】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、着衣の表面に付着している付着物やシャワー室の床に堆積している塵等の塵埃を簡易的に吸引して除去できるエアーシャワー装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明に係るエアーシャワー装置は、隔壁によってシャワー室と空気浄化室とが区画され、前記隔壁に前記シャワー室から前記空気浄化室に空気を取り入れる空気取入口と、前記空気浄化室から前記シャワー室に空気を噴射する空気噴射口とが設けられ、送風機の吸引作用によって前記シャワー室から前記空気取入口を通して前記空気浄化室に吸引した空気を、フィルタで濾過し、この濾過した空気を前記送風機の送風作用によって前記空気噴射口から前記シャワー室に噴射するエアーシャワー装置であって、
前記隔壁に前記空気取入口の少なくとも一部を遮蔽可能な遮蔽部材が設けられ、
前記送風機の吸引側において前記隔壁に接続口部材が前記隔壁を貫通して設けられ、この接続口部材に吸引ホースが接続されていることを特徴とする。
【0009】
本発明においては、遮蔽部材によって空気取入口の少なくとも一部を遮蔽することによって、空気取入口を遮蔽していない場合に比して、送風機の吸引力が接続口部材に大きく作用するので、この接続口部材に接続されている吸引ホースによって、着衣の表面に付着している付着物やシャワー室の床に堆積している塵等の塵埃を簡易的に吸引して除去できる。
【0010】
また、本発明の前記構成において、空気取入口側にプレフィルタが設けられていることが好ましい。
【0011】
このような構成によれば、吸引ホースによって、着衣の表面に付着している付着物やシャワー室の床に堆積している塵等の塵埃を吸引すると、当該塵埃のうち予め大きい粒子の塵埃をプレフィルタによって除去でき、さらに、残りの小さい粒子の塵埃をフィルタで除去できるので、より清浄な空気を空気噴射口から効率的にシャワー室に噴射することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、接続口部材に接続されている吸引ホースによって、着衣の表面に付着している付着物やシャワー室の床に堆積している塵等の塵埃を簡易的に吸引して除去できる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本実施の形態に係るエアーシャワー装置の概略構成を示す側断面図である。
このエアーシャワー装置1は、箱形の本体ケース2を備えている。この本体ケース2はクリーンルーム、バイオクリーンルームといった常に清浄な環境に維持された作業室への入口に設けられており、
図1において紙面と直交する方向に対向して図示しないドアが本体ケース2に開閉可能に設けられている。
【0015】
本体ケース2の内部には門形状の隔壁3が設けられている。この隔壁3によって、本体ケース2内は、シャワー室4とこのシャワー室4の両側に位置する空気浄化室5とに区画されている。そして、シャワー室4に作業者が一方のドアから入り、他方のドアからシャワー室4を出て前記清浄な環境に維持された作業室に入るようになっている。
隔壁3は側壁3aと天井壁3bとを備えており、側壁3aは本体ケース2の側壁2aとの間に所定の間隔を隔てて配置され、天井壁3bは本体ケース2の上壁2bとの間に所定の間隔を隔てて配置されている。
また、側壁3aと側壁2aとの間の空間つまり空気浄化室5と、天井壁3bと上壁2bとの間の空間である天井室6とは連通している。
【0016】
隔壁3の対向する側壁3aの下端部には、それぞれシャワー室4から空気浄化室5に空気を取り入れる空気取入口10が設けられ、また、対向する側壁3aの上下方向略中央部には、それぞれ空気浄化室5からシャワー室4に空気を噴射する複数の空気噴射口11が設けられている。
空気取入口10は矩形状に形成されており、対向する側壁3a,3aにそれぞれ対向して設けられている。
空気噴射口11は、側壁3aのシャワー室4の高さ方向の略中央部を中心とする複数の仮想同心円上に周方向に所定間隔で複数設けられている。各空気噴射口11は、エアーシャワー吹き出し用のノズル11aと、このノズル11aを支持するホルダ11bを備えている。
【0017】
また、空気取入口10には、プレフィルタ12が空気取入口10を覆うようにして設けられている。このプレフィルタ12によってシャワー室4から空気浄化室5に取り込まれる空気中の塵等の塵埃のうち比較的大きな粒子の塵埃を除去するようになっている。
空気取入口10の背後には、送風機13が設けられている。送風機13は電動モータ13aと、この電動モータ13aの駆動軸に取り付けられた羽根車13bとを備えており、電動モータ13aはプレフィルタ12の背面側に設けられたケース14に装填され、羽根車13bはプレフィルタ12より背面側に配置されている。
また、羽根車13bは上下に延在する空気流路15の下端部に配置され、当該空気流路15とケース14の内部とは連通している。
なお、プレフィルタ12を空気取入口側にあるケース14の背面側に設けてもよい。このようにすれば、後述する吸引ホース22によって、着衣の表面に付着している付着物やシャワー室4の床に堆積している塵等の塵埃を吸引すると、当該塵埃のうち予め大きい粒子の塵埃をプレフィルタ12によって除去できる。
【0018】
また、空気流路15の上部には高性能フィルタ(フィルタ)16が空気流路15に面して設けられている。この高性能フィルタ16は、1μm以下の塵埃に対しても特に高い集塵効率を有し、一般にはガラス繊維の濾紙、ガラス繊維にセルローズなどを混合した濾紙などが用いられる。
高性能フィルタ16は99%以上の集塵効率があるが、高性能フィルタ16を使用する場合は前置フィルタを配置し、予め大きい粒子の塵埃を除去した後、この高性能フィルタ16を通過させる必要あるため、上述したプレフィルタ12を前置フィルタとして空気取入口10に設けている。
また、高性能フィルタ16は、複数の空気噴射口11の背後を覆うようにして配置されており、高性能フィルタ16によって小さな粒子の塵埃が除去された清浄な空気が空気噴射口11からシャワー室4に噴射されるようになっている。
【0019】
このように、本実施の形態のエアーシャワー装置1では、送風機13の羽根車13bの吸引作用によってシャワー室4から空気取入口10およびプレフィルタ12を通して空気浄化室5に吸引した空気を、空気流路15から高性能フィルタ16を通して、当該高性能フィルタ16で濾過し、この濾過した空気を送風機13の羽根車13bの送風作用によって空気噴射口11からシャワー室4に噴射するようになっている。
【0020】
また、前記隔壁3の一方の側壁3aには、空気取入口10の一部を遮蔽可能な遮蔽部材20が設けられている。なお、遮蔽部材20は他方の側壁3aにも設けてもよいが、本実施の形態では一方の側壁3aにのみ設けている。
図2に示すように、遮蔽部材20は矩形板状に形成されており、その縦辺の長さは空気取入口10の縦辺の長さより短く、横辺の長さは空気取入口10の横辺の長さとほぼ等しいか若干長くなっている。また、遮蔽部材20の表面には取手20aが設けられており、この取手20aを作業者が横方向に引っ張ることによって、遮蔽部材20が
図2において左右に移動可能となっている。
遮蔽部材20を左右に移動可能(スライド可能)に設けるには、例えば、隔壁3の側壁3aに空気取込口10の上縁部に沿って延在するレールを設け、このレールに遮蔽部材20の上縁部を左右に移動可能に吊り下げればよい。
【0021】
エアーシャワー装置1の通常の作動状態、つまり、シャワー室4から空気取入口10およびプレフィルタ12を通して空気浄化室5に吸引した空気を高性能フィルタ16で濾過し、この濾過した空気を空気噴射口11からシャワー室4に噴射する通常の作動状態では、
図2(a)に示すように、遮蔽部材20を空気取入口10から横方向に離して、空気取入口10を全開させる。
一方、着衣の表面に付着している付着物やシャワー室4の床に堆積している塵等の塵埃を後述する吸引ホース22によって吸引する場合は、
図2(b)に示すように、遮蔽部材20を横方向に移動させて空気取入口10の一部を遮蔽する。
【0022】
また、
図1に示すように、隔壁3の一方の側壁3aの下部には、送風機13の吸引側において接続口部材21が側壁3aを貫通して設けられている。
すなわち、接続口部材21は略L字形のパイプによって構成されており、当該接続口部材21の一端部がケース14に、その内部に開口するようにして接続されており、他端部が側壁3aを貫通してシャワー室4に開口している。
ケース14の内部は、羽根車13bの吸引作用によって負圧となるので、接続口部材21の内部には吸引力が作用する。
【0023】
また、接続口部材21の他端部には吸引ホース22が接続されている。この吸引ホース22は可撓性を有しており、当該吸引ホース22の先端部には作業者が把持可能なブラシ23が取り付けられている。ブラシ23は内部が空洞となっており、当該ブラシ23の先端部には吸込孔と毛が設けられている。
なお、側壁3aには図示しないブラシ掛けが設けられている。
【0024】
また、前記天井壁3bには、複数の吹出し孔が形成されており、これら吹出し孔からも清浄な空気がシャワー室4に吹き出されるようになっている。また側壁3aと、側壁2aとの間には、空気噴射口11より上方において、ダンパ24が設けられている。このダンパ24は側壁3aと高性能フィルタ16との間のチャンバに、送風機13の送風作用によって所定の圧力が生じた際に上方に押されて移動し、天井室6に清浄された空気を流入させるためのものである。また、ダンパ24は天井室6から空気が逆流して前記チャンバに流入するのを抑止する逆止弁としても機能する。
【0025】
このような構成のエアーシャワー装置1では、通常時は
図2(a)に示すように、空気取入口10を全開させたうえで、送風機13の羽根車13bを回転させて、その吸引作用によってシャワー室4から空気取入口10およびプレフィルタ12を通して空気浄化室5に吸引した空気を、空気流路15から高性能フィルタ16を通して、当該高性能フィルタ16で濾過し、この濾過した空気を送風機13の羽根車13b送風作用によって空気噴射口11からシャワー室4に噴射する。
また、上述したチャンバに、送風機13の送風作用によって所定の圧力が生じると、ダンパ24が上方に押されて移動し、天井室6に清浄された空気が流入し、天井壁3bの吹出し孔からも清浄な空気がシャワー室4に吹き出す。
空気噴射口11からの空気の噴射や天井壁3bからの空気の吹き出しは、常時行なっているようにしてもよいが、シャワー室4のドアを開けてシャワー室4内に作業者が入ったときに送風機13の羽根車13bを回転し、あるいは、常時は弱回転をさせている羽根車13bを、入室時のみ強回転するようにしてもよい。
【0026】
一方、着衣の表面に付着している付着物やシャワー室4の床に堆積している塵等の塵埃を吸引ホース22によって吸引する場合は、
図2(b)に示すように、遮蔽部材20を横方向に移動させて空気取入口10の一部を遮蔽する。
このように、遮蔽部材20によって空気取入口10の一部を遮蔽することによって、空気取入口10を遮蔽していない場合に比して、送風機13の吸引力が接続口部材21に大きく作用するので、この接続口部材21に接続されている吸引ホース22によって、着衣の表面に付着している付着物やシャワー室4の床に堆積している塵等の塵埃を簡易的に吸引して除去できる。この場合、吸引ホース22の先端部にはブラシ23が取り付けられているので、このブラシによって前記塵埃を着衣やシャワー室4の床から掻き出して効率的に塵埃を簡易的に吸引して除去できる。
特に、食品工場等で問題となる髪の毛を吸引ホース22によって吸引して除去できるため好適である。
【0027】
また、プレフィルタ12がケース14の背面側に設けられている場合、吸引ホース22によって、着衣の表面に付着している付着物やシャワー室4の床に堆積している塵等の塵埃を吸引すると、当該塵埃のうち予め大きい粒子の塵埃をプレフィルタ12によって除去でき、さらに、残りの小さい粒子の塵埃を高性能フィルタ16で除去できるので、より清浄な空気を空気噴射口11や天井壁3bから効率的にシャワー室4に噴射することができる。
【0028】
なお、本実施の形態では、
図2に示すように、空気取込口10の一部を遮蔽部材20によって遮蔽可能としたが、空気取込口10の全てを遮蔽部材20によって遮蔽可能としてもよい。但し、空気取込口10の全てを遮蔽すると、送風機13の電動モータ13a等が過負荷となるため、遮蔽部材20によって空気取込口10を遮蔽した場合でも、多少隙間があった方が好ましい。
また、本実施の形態では、遮蔽部材20を横方向にスライド(移動)可能としたが、上下方向にスライド(移動)可能としてもよい。