(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
近年、一般家庭におけるドラム式洗濯機や太陽光発電機、自然冷媒ヒートポンプ給湯機(いわゆるエコキュート
(登録商標))等の普及に伴い、これら機器の稼動による振動の発生といった問題が浮上している。これらの振動は、機器の内外のボルトとナットとの接合部に緩みを発生させ、その結果、ボルトやナットの脱落や、機器の落下事故を引き起こす原因となり得る。
【0003】
接合部の緩み対策としては、接合部のクリアランスに接着剤を塗布する方法(特許文献1)やボルトまたはナットと被締結物との接触面に接着剤を塗布する方法(特許文献2)等が提案されている。
【0004】
しかし、接合部のクリアランスに接着剤を塗布したとしても、人為的作業による接着剤の塗布量のバラツキ、接着剤の経年劣化という問題があった。
【0005】
接着剤の塗布量のバラツキ、接着剤の経年劣化という問題が発生しない接合方法として、特許文献3や非特許文献1で、ピンとカラーを含み、カラーがピンのロック用溝にスエージングされるスエージ型のツーピースファスナーを用いることが提案されている。
【0006】
特許文献3および非特許文献1に記載のピンは、工具を使用してピンとカラーとの間に軸方向の相対的な力を作用させることにより、カラーがピンの溝部分にスエージングされ、部材の接合を可能としている。これにより高い強度、高い耐振動性がもたらされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献3および非特許文献1に記載のピンでは、接合対象物に予めピンを挿通するための下孔を開ける必要がある(
図17(A)の下孔614aおよび614b参照)ため、接合対象物が限定されるといった問題がある。
図18〜
図20を参照して、以下において具体的に説明する。
【0009】
図18は、特許文献3または非特許文献1に記載のピンとカラーを用いて部材416aと部材416bとを締結するための方法を説明する説明図である。当該方法では、部材416aに下孔616aを開け、部材416bにも下孔616bを開け、2つの下孔616a,616bが重なるように配置した状態で、従来のピン部材2を下孔616aの上方から下孔616bへ挿通し、従来のピン部材2を下孔616a,616bに挿通した方向と反対側からカラー部材304を従来のピン部材2の軸部に外挿する、という手順を要する。その後、図示しない工具を用いて、カラー部材304を、従来のピン部材2の軸部にスエージングにより固着する。このとき、
図18では、従来のピン部材2を下孔616bの下方から挿通しようとすると、カラー部材304を固着するまでの間に部材416が脱落することがある。
【0010】
図19はH形鋼からなる部材400aとコの字型(断面C型)の形鋼または部品400bとを、それぞれの中心線を揃えて締結しようとする場合の説明図である。部品400bの中心線上に下孔600を開けることは可能であるが、H形鋼の場合は、中心線の位置はH形鋼のウェブと一致するので下孔を開けることができず、この締結構造は実現不可能である。
【0011】
図20は、金属管400aとコの字型(断面C型)の形鋼または部品400bとを、それぞれの中心線を揃えて締結しようとする場合の説明図である。金属管400aに下孔600aを開けることは可能であるが、2つの下孔600a,600bを重ねたあとに、従来のピン部材2を下孔600aの下方から下孔600bへ挿通しようとすると、金属管400aが長い場合は管端からの距離が長くなるため、従来のピン部材2を下孔600a,600bに挿通させることが困難な場合がある。
【0012】
上記のように接合対象物が限定されるという問題以外にも、接合対象物に予めピンを通すための下孔を開けることで、下孔からの漏水や音漏れの発生、下孔を開けた箇所による強度低下という不都合も起こり得る。さらに、長尺部材においては下孔を2ケ所ずつ、かつ多数開ける(
図21〜
図24参照)ことによる工数アップ、コストアップといった問題もある。なお、下孔を1箇所にした場合には、1点留めによる部材とピン部材との回転(回動)が発生してしまう問題もある。
【0013】
また、例えば自然冷媒ヒートポンプ給湯機やエアコン室外機等を設置する場合において、特許文献3および非特許文献1に記載のピンでは、ピンの頭部同士の干渉により、複数の締結品をピン頭部が相対するように配置するには不向きである(
図25参照)。
【0014】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、複数の部材を締結させるにあたり、締結場所や締結対象物の自由度が高く、下孔の数を減らし、かつ1点留めにおける部材と締結部材との回転(回動)を防止しつつ、締結後においても高い強度、耐振動性を保持した締結部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(1)本発明は、
板状のフランジ部の裏面にウェブが形成される第1の部材と、周方向に形成される非螺旋状の溝部を長手方向に沿って複数有するとともに、長手方向における一方の端部が
、前記ウェブが形成される部位に対応する前記第1の部材
のフランジ部の表面に固着されて該第1の部材
に立設して結合されるピン部材と、前記ピン部材を挿通可能な挿通孔
が形成された平面部を有し、該挿通孔に前記ピン部材
を挿通
して前記平面部が前記第1の部材のフランジ部の表面と当接するように重ね合わせられる第2の部材と、
前記第2の部材に当接するように前記ピン部材に外挿された後、縮径されて前記ピン部材に固着されるカラー部材と、を備え
、前記第1の部材に対して前記第2の部材が回転しないよう前記挿通孔に挿通される前記ピン部材の部位および前記挿通孔がともに非円形に形成されてなることを特徴とする前記第1の部材
に対して前記第2の部材
を締結する締結構造である。
【0016】
(2)本発明は、平面部を有する長手状の管材と、周方向に形成される非螺旋状の溝部を長手方向に沿って複数有するとともに、長手方向における一方の端部が、前記管材の平面部に固着されて該管材に立設して結合されるピン部材と、前記ピン部材を挿通可能な挿通孔が形成された平面部を有し、該挿通孔に前記ピン部材を挿通して前記平面部が前記管材の平面部と当接するように重ね合わせられる所定の部材と、前記所定の部材に当接するように前記ピン部材に外挿された後、縮径されて前記ピン部材に固着されるカラー部材と、を備え、前記管材に対して前記所定の部材が回転しないよう前記挿通孔に挿通される前記ピン部材の部位および前記挿通孔がともに非円形に形成されてなることを特徴とする前記管材に対して前記所定の部材を締結する締結構造である。
【0017】
(3)本発明は、表裏に平面部を有する第1の部材と、周方向に形成される非螺旋状の溝部を長手方向に沿って複数有するとともに、長手方向における一方の端部が、前記第1の部材の表側の平面部に固着されて該第1の部材に立設して結合されるピン部材と、前記ピン部材を挿通可能な挿通孔が形成された平面部を有し、該挿通孔に前記ピン部材を挿通して前記平面部が前記第1の部材の表側の平面部と当接するように重ね合わせられる第2の部材と、前記第2の部材に当接するように前記ピン部材に外挿された後、縮径されて前記ピン部材に固着されるカラー部材と、を備える2つ締結部材を、前記第1の部材の裏側の平面部どうしを当接させて重ね合わせた締結構造であって、前記2つの締結部材は、それぞれ、前記第1の部材に対して前記第2の部材が回転しないよう前記挿通孔に挿通される前記ピン部材の部位および前記挿通孔がともに非円形に形成されてなる締結構造である。
【発明の効果】
【0029】
第1の部材と第2の部材とを締結させるにあたり、締結場所や締結対象物の自由度が高く、下孔の数を減らし、かつ1点留めにおける部材と締結部材との回転(回動)を防止しつつ、締結後においても高い強度、耐振動性を保持した締結部材を提供する。
【0030】
特に、第1の部材と第2の部材とを締結させるにあたり、現在広く行われているボルトとナットを用いた2点留めによる締結方法は、第1と第2の両方の部材に計4つの下孔を開けなければならないところ、本発明の締結方法であれば、第2の部材に下孔を1つ開けるだけで足りる。本発明の締結部材と締結方法により、下孔の数を1/4に低減できる効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本願実施例における締結部材(ピン部材およびカラー部材)を示す図である。
【
図2】本願実施例における締結部材(ピン部材およびカラー部材)の斜視図である。
【
図3】本願実施例の締結部材を用いた被締結部材の締結手順を示す図である。
【
図4】本願実施例の締結部材を用いた被締結部材の締結手順を示す図である。
【
図5】本願実施例における締結構造を示す図である。
【
図6】本願実施例における締結構造を示す図である。
【
図7】本願実施例におけるピン部材および締結方法を用いた締結例を示す図である。
【
図8】
図7の一点鎖線で囲んだX部の拡大図である。
【
図9】第1の被締結部材に複数のピン部材を溶接等により固着させた図である。
【
図10】第1の被締結部材に複数のピン部材を溶接等により固着させた図である。
【
図11】本願実施例における締結構造を示す図である。
【
図12】本願実施例におけるピン部材の変形例を示す図である。
【
図13】本願実施例におけるピン部材の変形例を示す図である。
【
図14】本願実施例におけるピン部材の固着部の変形例を示す図である。
【
図15】本願実施例におけるピン部材の変形例を示す図である。
【
図16】本願実施例におけるカラー部材の変形例を示す図である。
【
図17】従来のピン部材を用いた被締結部材の締結手順を示す模式図である。
【
図18】従来のピン部材を用いて部材の締結を行なうことを示す模式図である。
【
図19】従来のピン部材を用いて部材の締結を行なう場合の問題点を示す模式図である。
【
図20】従来のピン部材を用いて部材の締結を行なう場合の問題点を示す模式図である。
【
図21】従来のピン部材を用いるために部材に下孔を開ける作業を行なったことを示す図である。
【
図22】従来のピン部材を用いるために部材に下孔を開ける作業を行なったことを示す図である。
【
図23】従来のピン部材を用いて2点留めを行なった場合を示す模式図である。
【
図25】従来のピン部材を用いて部材の締結を行なう場合の問題点を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態に係る締結部材1について
図1および
図2を用いて説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る締結部材1は、ピン部材10とカラー部材30とを備えている。ピン部材10は、固着部12とピン軸部14とを有している。固着部12は錘状になっており、先端に突起が設けられている。固着部12は溶接する際のチップにあたるため、形状は特に制限されない(詳細は後述する)。ピン軸部14は、溝部18、先端山部20を少なくとも有している。なお、先端山部20は、ピン部材10のうち、先端部分の溝部3山程度を示す。ピン部材10とカラー部材30とを用いて被締結部材4を締結する方法については後述する。
【0033】
図2は、本願実施例における締結部材1の斜視図である。さらに言うと
図2(A)はピン部材10の斜視図であり、
図2(B)はカラー部材30の斜視図である。
図2(A)に示すように、本発明の実施の形態に係るピン部材10は、ピン軸部14の軸断面が四角形に形成されている。
【0034】
なお、柱部16は後述するカラー部材30と係合する部位ではないため、溝部18のように溝が形成されている必要はないが、仮に柱部16の根元から溝が形成されていたとしても差し支えない(
図12参照)。
【0035】
本発明の実施形態における溝部18の溝形状は、一般的なネジのように螺旋状を構成していない。言い換えると、各溝は各レーンとして独立しており、隣り合う溝と連なった形状に構成されずに環状に構成されている。各溝はピン軸部14の軸長さに応じてピン軸部14の先端付近まで形成されている。
【0036】
溝部18の各溝が隣り合う溝と連なった形状ではなく各レーンが独立していることで、締結させたい2以上の部材(本実施形態では後述する被締結部材4)を、締結部材1(ピン部材10およびカラー部材30)を用いて締結させた後に、振動等の影響によりピン部材10がねじ込んだ方向とは逆方向に回転して緩むことを防止することが可能となる。
【0037】
図2(B)に示すカラー部材30は、ピン部材10の形状に合わせて内壁の形状を四角形に構成している。カラー部材30の形状についても、後述するスエージングにおいてピン部材10の溝部18とカラー部材30とを係合させることができる形状であれば差し支えない。カラー部材30のバリエーションについては後述する(
図16参照)。
【0038】
本発明の締結部材1を用いた被締結部材4の締結手順、すなわち、第1の被締結部材4aと第2の被締結部材4bとを、ピン部材10およびカラー部材30を用いて締結させる手順について、
図3および
図4を用いて説明する。説明上、被締結部材4の断面から見た図(断面表記は省略)としている。なお、本実施形態では、第1の被締結部材4aおよび第2の被締結部材4bの総称を、被締結部材4と称する。
【0039】
第1の被締結部材4aは、ピン部材10の固着部12を溶接可能な平板状の部材である。第2の被締結部材4bは、平板状の部材であって、ピン部材10を挿通可能な挿通孔6が形成されている。この挿通孔6は、ピン部材10(より詳しくは柱部16)の断面形状と対応する形状である。「対応する形状」とは、ピン部材10が挿通孔6に挿通されたときに、ピン部材10(より詳しくは柱部16)の外周面と挿通孔6の内周面とがほぼ当接する程度に合致する形状を意味する。
【0040】
なお、本実施形態では、第1の被締結部材4aおよび第2の被締結部材4bを平板状の部材としているが、これらに限られず、ピン部材10を溶接したり挿通したりすることが可能な平板部を有していればよい。また、平板部を有していなくとも、ピン部材10を溶接したり挿通したりすることが可能な形状であれば事足りる。
【0041】
先ず、
図3(A)に示すように、ピン部材10を第1の被締結部材4aの固定位置5に溶接する。本願実施例において、ピン部材10の固着部12を当該第1の被締結部材4aの固定位置5に向けた状態で、ピン軸部14が第1の被締結部材4aの面に略垂直に立設されるよう溶接する。なお、固定位置5は、第1の被締結部材4aと第2の被締結部材4bとを締結させる部位に応じて定められる位置である。溶接には、例えば溶接スタッド方式などの瞬間溶接機を用い(図示しない)、瞬間的に通電して溶接する。
【0042】
図3(B)に示すように、ピン部材10のピン軸部14が第1の被締結部材4aの面から略垂直に立設するようにピン部材10と第1の被締結部材とが溶接により一体化された状態で、第2の被締結部材4bに形成された挿通孔6に、ピン部材10のピン軸部14を挿通させる。
【0043】
ここで、ピン部材10と第2の被締結部材4bとが互いに回転(回動)しないように構成するためには、第2の被締結部材4bに形成された挿通孔6の形状が重要である。例えば、挿通孔6の中心から挿通孔6の内周面までの最小距離が、ピン部材10の軸部14の中心から外周までの最大距離よりも大きい場合、ピン部材10及びカラー部材30を用いて第1の被締結部材4aと第2の被締結部材4bとを締結させたとしても、これらを締結後に、第2の被締結部材4bがピン部材10(すなわち第1の被締結部材4a)に対して回転してしまうおそれがある。
【0044】
したがって、挿通孔6の形状は、上述したように柱部16に対応する形状であることが好ましいが、ピン部材10が挿通孔6に挿通されたときにピン部材10が回転しない範囲であれば、ピン部材10と挿通孔6との間にクリアランス(例えば0〜2.0mmのクリアランス)が設けられていてもよい。すなわち、ピン部材10を第2の被締結部材4bに挿通させたときに、第2の被締結部材4bがピン部材10に対して空回りすることを防止できれば良い。
【0045】
次に、
図3(C)および
図4(D)に示すように、第2の被締結部材4bの挿通孔6にピン部材10を挿通させたときに、第2の被締結部材4bを貫通して突き出た溝部18を覆うように、カラー部材30を外挿する。このときのカラー部材30の内壁には溝部18と係合する凸凹等は形成されていない。つまりカラー部材30を溝部18に外挿させただけでは、カラー部材30がピン部材10から抜ける状態である。
【0046】
図4(E)〜(G)は、カラー部材30のスエージングについて説明する図である。説明上、
図4(E)〜(G)に記載した挿通孔6およびカラー部材30は、一部断面図(断面表記は省略)としている。スエージングに用いる工具の詳細は省略する。
【0047】
スエージングに用いる取付け工具40として、例えばBobTail
(登録商標)(米国Alcoa Fastening Systems社製)を用いる。
図4(E)に示すように、取付け工具40のつかみ工具(図示しない)がピン部材10の先端山部20をつかみ、取付け工具40側に引き込む。取付け工具40のつかみ工具が、ピン部材10の先端山部20をつかみ、取付け工具40側に引き込むことにより、ピン部材10が引き伸ばされる。
【0048】
図4(F)に示すように、スエージング用アンビル(図示しない)がカラー部材30を包み込み、ピン部材10の溝部18の方向(内側)にかしめ込む。これにより、カラー部材30とピン部材10との間の隙間が埋まり、かつカラー部材30の内壁にピン部材10溝部18の溝形状が食い込むようにかしめられる(スエージング)。スエージングが行なわれることで、カラー部材30の径が縮径される。カラー部材30は縮径されて全長は伸び、上記の通りピン部材10が引き伸ばされることにより締結部材に軸力を発生させる。
【0049】
取付け工具40を用いたカラー部材30のピン部材10へのスエージング(
図4(G)の拡大図参照)が完了すると、
図4(G)に示すように、取付け工具40をピン部材10から離す。上記の工程を経て、ピン部材10およびカラー部材30を用いた第1被締結部材4aと第2の被締結部材4bとの締結が完了する。
【0050】
以上に説明したとおり、本実施形態に係るピン部材10を第1の被締結部材4aに溶接してピン部材10と第1の被締結部材4aとを一体化することにより、下孔(挿通孔6)を形成するのは、被締結部材4(第1の被締結部材4aおよび第2の被締結部材4b)のうち1つの被締結部材(本実施形態では第2の被締結部材4b)のみでよい。しかも、挿通孔6にピン部材10が挿通された状態で、第2の被締結部材4bに対するピン部材10(すなわち第1の被締結部材4a)の回転を防止することが可能となる。さらには、ピン部材10の溝部18の溝が非螺旋状であることからカラー部材30と係合した後に一般的なネジのように緩むことを防止することも可能であり、カラー部材30でピン部材10をかしめ込むことで振動の強い場所においても強固に固定を維持することが可能である。
【0051】
すなわち、本実施形態に係る締結構造は、第1の被締結部材4a(第1の部材)と、周方向に形成される非螺旋状の溝部を長手方向に沿って複数有するとともに、長手方向における一方の端部が前記第1の被締結部材4a(第1の部材)に固着されて該第1の被締結部材4a(第1の部材)と結合されるピン部材10と、前記ピン部材10を挿通可能な挿通孔6を有し、該挿通孔6に前記ピン部材10が挿通される第2の被締結部材4b(第2の部材)と、前記第1の被締結部材4a(第1の部材)との間に前記第2の被締結部材4b(第2の部材)が位置するように外挿されて前記ピン部材10に固着されるカラー部材30と、を備える前記第1の被締結部材4a(第1の部材)と前記第2の被締結部材4b(第2の部材)との締結構造であって、前記ピン部材10に対して前記第2の被締結部材4b(第2の部材)が回転しないよう構成されてなることを特徴とする前記第1の被締結部材4a(第1の部材)と前記第2の被締結部材4b(第2の部材)との締結構造である。
【0052】
また、本実施形態に係る前記ピン部材10は、少なくとも第2の被締結部材4b(第2の部材)の挿通孔6に挿通されている部分の一部または全部について、長手方向を横切る断面が非円形であることを特徴とする締結構造である。
【0053】
このような締結構造によれば、第1の被締結部材4aと第2の被締結部材4bとを締結後に、第1の被締結部材4a(ピン部材10)と第2の被締結部材4bとが互いに回転(回動)してしまうことを防止することができる。すなわち、2点留めをする必要がなくなるのである。
【0054】
そうすると、ピン部材10及びカラー部材30を用いて第1の被締結部材4aと第2の被締結部材4bとを1点留めで締結させた場合であっても、第1の被締結部材4aと第2の被締結部材4bとが互いに回転することを防止可能となる。しかも、被締結部材4に対してピン部材10が緩むことがないので、第1の被締結部材4aと第2の被締結部材4bとを締結した後においても、第1の被締結部材4aと第2の被締結部材4bとの間で高い締結強度を保持することが可能となる。
【0055】
なお、上記の締結構造は、2つの被締結部材(本実施形態で言えば第1の被締結部材4a及び第2の被締結部材4b)を締結するための構造に限られず、3つ以上の被締結部材を締結するための構造としても採用可能であることは言うまでもない。
【0056】
本実施形態に係る締結方法は、第1の被締結部材4a(第1の部材)と第2の被締結部材4b(第2の部材)とを締結する締結方法であって、周方向に形成される非螺旋状の溝部を長手方向に沿って複数有するとともに、長手方向を横切る断面が非円形の非円形長手部分を有するピン部材10と、前記ピン部材10に外挿されるカラー部材30と、を備え、前記ピン部材10を、長手方向における一方の端部において前記第1の被締結部材4a(第1の部材)に固着させて、前記ピン部材10と前記第1の被締結部材4a(第1の部材)とを一体化し、前記第2の被締結部材4b(第2の部材)には前記ピン部材10が挿通される挿通孔6が形成されているとともに、前記第1の被締結部材4a(第1の部材)と一体化されたピン部材の長手方向における他方の端部から、前記非円形長手部分(柱部16)を外挿する態様で前記第2の被締結部材4b(第2の部材)を挿通し、前記第2の被締結部材4b(第2の部材)が挿通されたピン部材10の長手方向における他方の端部からカラー部材30を外挿し、前記ピン部材10と前記カラー部材30とを固着させる
ことを特徴とするものである。
【0057】
このような締結方法によれば、第1の被締結部材4aとピン部材10とを一体化させているため、挿通孔6(下孔)を、第2の被締結部材4bにのみ形成すればよい。つまり、下孔を開ける工数を減らし、下孔を開けることによるコストアップや強度低下等を防止することが可能となる。そして、ピン部材10及びカラー部材30を用いて第1の被締結部材4aと第2の被締結部材4bとを1点留めで締結させた場合であっても、第1の被締結部材4aと第2の被締結部材4bとが互いに回転することを防止可能となる。
【0058】
本実施形態に係るピン部材10およびカラー部材30を用いて第1の被締結部材と第2の被締結部材とを締結する締結方法の例を
図5〜
図8に示す。
図5は、第1の被締結部材400aとしてH形鋼を用いるとともに、第2の被締結部材400bとしてコの字型(断面C型)の形鋼または部品を用いた場合における締結例である。
図5に示すとおり、本発明に係るピン部材10およびカラー部材30を用いて第1の被締結部材400aと第2の被締結部材と400bとを締結することで、H形鋼(第1の被締結部材400a)の中央に下孔(挿通孔)を設けることなく両者を締結させることが可能となる。
【0059】
図6は、第1の被締結部材402aとして金属管を用いるとともに、第2の被締結部材402bとしてコの字型(断面C型)の形鋼を用いた場合における締結例である。
図6に示すとおり、本発明に係るピン部材10およびカラー部材30を用いて第1の被締結部材402aと第2の被締結部材と402bとを締結することで、断面が閉鎖されている金属管(第1の被締結部材402a)とコの字型の形鋼(第2の被締結部材402b)とを締結させることが可能となる。
【0060】
図7は、部材の接合において1点留めを行なった締結例であり、
図8は、
図7の締結部位としてのX部(一点鎖線で囲んだ箇所)の拡大図である。
図7および
図8では、断面形状が非円形(
図7および
図8では正方形)のピン部材10を第1の被締結部材404aの面に対して略垂直となるように溶接して第1の被締結部材404aとピン部材10とを一体化し、第2の被締結部材404bに形成されたピン部材10の断面形状に対応する挿通孔60(図示しない)にピン部材10を挿通させた上で、カラー部材30でスエージングする。これにより、第1の被締結部材404aと第2の被締結部材404bとが1点留めであっても、ピン部材10(すなわち第1の被締結部材404a)と第2の被締結部材404bとが互いに回転(回動)することがないため、ファスナー点数、施工時間・施工コストを低減させることが可能となる。
【0061】
図9および
図10は、第1の被締結部材406a,408aに複数のピン部材10を溶接等により固着させた図である。本実施形態に係るピン部材10およびカラー部材30を用いた締結方法を採用することにより、締結現場でピン部材10の位置決めを行なうのではなく、事前に工場内において高精度で位置決めを行なうことが可能となる。なお、
図9および
図10に示されるピン部材10は、上述のピン部材10と同様のものであるから、ピン部材10の長手方向を横切る断面は四角形である。
【0062】
図11は、本実施形態に係るピン部材10を第1の被締結部材410aの面に対して略垂直となるように溶接して第1の被締結部材410aとピン部材10とを一体化し、第2の被締結部材410bに形成されたピン部材10の断面形状に対応する挿通孔602にピン部材10を挿通させた上で、カラー部材30によってスエージングした2体の締結品500が背中合わせとなるように配置されたものである。これによれば、一の締結品500において第1の被締結部材410aにおけるピン部材10が溶接される側とは反対側の面が平面に維持されるため、
図11に示すように2つの締結品を隣接して配置可能となる。
【0063】
<他の実施形態>
本実施形態に係るピン部材10には、
図1〜
図4に示すように、ピン軸部14に柱部16を設けているが、これに限られない。例えば、
図12に示すように、ピン軸部142の全体に溝部182が設けられている構造であって差し支えない。ピン軸部142の全体に溝部182が設けられていることにより、薄板(例えば、板厚0.1〜2.3mm未満)の被締結部材どうしであっても本実施形態の方法で締結させることが可能である。
【0064】
ピン部材10のピン軸部14の形状はさらに、ピン軸部14のうち、ピン部材10を挿通孔6(
図3参照)に挿通させたときに被締結部材4aから突き出た部分(
図13の溝部184、先端山部204)の軸断面は、必ずしも角状に形成されている必要はない。ピン部材104を被締結部材4b(第2の部材)の挿通孔6に挿通させた状態で、四角形に形成されている箇所(柱部164またはピン軸部144)が第2の部材に接している部位の形状が四角形であれば、被締結部材4bがピン部材104に対して回転することを防止可能であるからである。
【0065】
なお、被締結部材4aから突き出たピン部材104のうち特に溝部184は、後述するカラー部材30と係合しやすい形状、例えば軸断面が円形であっても差し支えない。これは、溝部184はカラー部材30と係合できる形状であればよく、被締結部材4bがピン部材104に対して回転を懸念する部位ではないからである。
【0066】
図14に示すように、ピン部材10の固着部12の形状は、
図1〜
図3に示す形状に限られない。固着部12の形状は、溶接スタッド方式などの瞬間溶接機等を用いてピン部材10を1の被締結部材に溶接させるに際して適切な形状(通電が容易な形状)が選択されればよく、例えば、
図14に示すように、(a)〜(f)の形状であっても差し支えない。
【0067】
ピン部材10と第1の被締結部材4aとの固着において、本実施形態においては溶接スタッド方式などの瞬間溶接機を用いたが、これに限られない。ピン部材10と第1の被締結部材4aとが固着される態様であればどのような方法を用いてもよい。
【0068】
ピン部材10の軸断面の形状について
図1〜
図4において角状、例えば四角形のものを記載しているが、これに限られない。スエージングによってカラー部材30と係合できる形状であればよく、例えば、
図15に示すように、(a)三角形、(c)五角形、(d)六角形、(e)八角形等であってもよい。また、ピン部材10の軸の角状の一部に円形を含むものであってもよい。言い換えれば、ピン部材10を挿通孔6に挿通させたときに(締結時も含む)、第2の被締結部材4b(第2の部材)がピン部材10に対して回転することができない形状であればよい。
【0069】
ピン部材10の軸断面の形状に応じて、カラー部材30の内周形状も
図16に示すように変更することができる。なお、カラー部材30の外周の形状は、スエージングに差し支えなければ、ピン軸部14と同様の形状、例えば、(a)三角形、(c)五角形、(d)六角形、(e)八角形等であってもよい。また
図16(f)に示すように、内周形状だけでなく外周形状もピン部材10の軸断面の形状に応じて変更することができる。
【0070】
スエージングの方法や装置は、本実施形態にて挙げたものに捉われない。すなわち、カラー部材30を縮径することができればよく、例えば角状のカラー部材を採用した場合には、対応する二面を先に縮径させた後に残りの対応する二面を縮径するというように、カラー部材の形状に応じて適宜変更することができる。なお、本実施形態においては、カラー部材の縮径加工について「スエージング」と表現しているが、この表現に限られず、これはスエージ加工、かしめ加工と称呼される工法と同意義である。
【0071】
本実施形態において第1の被締結部材4aおよび第2の被締結部材4bは平板状の部材としているが、これらに限られない。すなわち、第1の被締結部材4aにおける平板状の部材には、部材の平板部を含み、第2の被締結部材4bにおける平板状の部材には、部材または部品(小部品)の平板部を含む。さらにいえば、第1の被締結部材4aおよび第2の被締結部材4bのうちいずれか一方にピン部材10を固着(溶接)させることができ、他の一方には挿通孔6を開けることができる部材であればよい。
【0072】
本実施形態に係る締結方法、つまり第1の被締結部材4aおよび第2の被締結部材4bをピン部材10とカラー部材30とを用いて締結させる締結方法において、締結手順は本実施形態に記載の順に限られない。例えば、第1の被締結部材4aと第2の被締結部材4bとを隙間なく締結させる際には、カラー部材30のスエージングは締結手順の最後に行なわれる必要があるが、第1の被締結部材4aと第2の被締結部材4bとの間に隙間が生じていても良い場合には、ピン部材10をカラー部材30でスエージングした後に第2の被締結部材4bの挿通孔6に挿通させ、ピン部材の固着部12を第1の被締結部材4aに固着(溶接等)する手順でも差し支えない。
(1)本発明は、第1の部材と、周方向に形成される非螺旋状の溝部を長手方向に沿って複数有するとともに、長手方向における一方の端部が前記第1の部材に固着されて該第1の部材と結合されるピン部材と、前記ピン部材を挿通可能な挿通孔を有し、該挿通孔に前記ピン部材が挿通される第2の部材と、前記第1の部材との間に前記第2の部材が位置するように外挿されて前記ピン部材に固着されるカラー部材と、を備える前記第1の部材と前記第2の部材との締結構造であって、前記ピン部材に対して前記第2の部材が回転しないよう構成されてなることを特徴とする前記第1の部材と前記第2の部材との締結構造である。
本発明に係る締結構造は、第1の部材と第2の部材とを締結させるに際し、ピン部材と当該ピン部材を覆うカラー部材とを備えている。本発明のピン部材の軸部には周方向に溝が設けられているが、従来のネジやボルトのように、軸部の長手方向に連続して連なる溝(すなわち螺旋状の溝)が設けられているのではなく、ピン軸部において隣接する溝どうしが連ならない態様で(すなわち非螺旋状に)設けられている。螺旋状であれば、ピン部材の先端からピン頭部の方向へ溝を辿っていくと、一本の途の如く連なっているが、本発明に係るピン部材の溝は、一つひとつの溝が各レーンで独立しており、隣り合った溝どうしはつながっていない(連ならない)態様である。この溝の形状により、ピン部材と後述するカラー部材とを係合後、振動の大きい場所であっても、一般的なネジのようにねじ込んだ方向と逆方向に緩むリスクを防止することができる。
本発明のピン部材の長手方向における一方の端部には一般的なボルト等に設けられている頭部(ピン頭部)が設けられていない。しかしながらピン頭部の代わりに固着部(チップ)が設けられている。固着とは、例えば溶接等で接合させることが挙げられる。第1の部材と第2の部材とを締結させる際には、まず上記ピン部材の固着部を第1の部材の一部(第2の部材と締結させる箇所)に溶接等により固着させ、上記ピン部材の他方(第1の部材と溶接した側とは反対の端部)を第2の部材に予め開けておいた挿通孔に挿通させる。そして、第2の部材を挿通させた状態で突出したピン部材の溝部を覆う態様でカラー部材を外挿させる。その上でカラー部材を縮径させるとピン部材に設けられた溝とカラー部材の内壁とが係合する。これにより、上記ピン部材を用いて上記第1の部材と第2の部材とを締結させることができる。なお、この明細書において、固着の意味で溶接と記載することがある。
上記のように、上記第1の部材に溶接させた上記ピン部材を上記第2の部材に挿通させた状態では、上記ピン部材が上記第2の部材との中で回転(回動)することがないので、被締結部材(第1の部材および第2の部材)と締結部材(ピン部材およびカラー部材)とを締結させた後であっても、振動等の影響でそれらが回転したり、ピン部材が緩んだりすることを防止することができる。
ここで、「周方向に形成される非螺旋状の溝部を長手方向に沿って複数有する」とは、ピン部材の中心軸と略同心の非螺旋状の溝が、ピン部材の周方向に複数形成されていることを意味する。また、「回転(回動)しない」とは、上記第1の部材に溶接させた上記ピン部材を上記第2の部材に挿通させた状態でピン部材を回転させる等によりねじ込む(または緩む)などの動作ができないことをいう。これは、第1の部材とピン部材とは溶接で接合されていることで、そもそもピン部材を第1の部材にねじ込むことができないこと、そして第2の部材とピン部材においては、ピン部材の形状が一般的なネジのように軸断面において円形ではなく、多角形、例えば四角形に構成されており、かつ一方の被締結部材(第2の部材)に対応する孔が開けられていることで実現可能となる。なお、本明細書において軸断面とは、ピン部材の軸方向に対して垂直な断面、の意味である。
これにより、被締結部材を締結部材で締結した後に、振動等の影響で緩んだり被締結部材と締結部材とが回転したりするのを防止することができる。
本発明は、第1の部材とピン部材とを固着させているため、少なくとも第1の部材に下孔を開けておく必要がない。そのため、下孔を開けることが困難な箇所においても、本発明のピン部材を使用して被締結部材どうし(第1の部材および第2の部材)を締結させることが可能となる。
また、本発明のピン部材には従来のボルトに設けられているようなピン頭部を有していないが、第1の部材と固着させることで被締結部材(第1の部材)とピン部材とが一体化したピン部材として使用することができる。したがって、ピン部材と固着させることができる被締結部材であれば、第1の部材に挿通孔を設ける必要がなく、第2の部材にピン部材に対応する挿通孔が設けられていることで本発明を用いてこれら被締結部材(第1の部材および第2の部材)を締結させることが可能である。
(2)上記(1)の締結構造において、前記ピン部材は、少なくとも第2の部材の挿通孔に挿通されている部分の一部または全部について、長手方向を横切る断面が非円形であることを特徴とする締結構造である。
本発明のピン部材の軸断面の形状は、ピン部材が被締結部材の挿通孔に挿通されたときに、挿通孔内での回転が阻害される形状となっている。「挿通孔内での回転が阻害される形状」とは、挿通孔における最小径よりもピン部材の軸断面における最大径の方が大きいことを意味し、この場合に、挿通孔内でのピン部材の回転が阻害されることとなる。例えば、被締結部材の挿通孔の形状とピン部材の軸断面の形状とが、被締結部材の挿通孔にピン部材を挿通できる程度に、非円形の略合同の場合が相当する。「非円形」とは、例えば「角状」を指し、挿通孔の形状及びピン部材の軸断面の形状をみたときに、少なくとも1つの直線部分を含み、曲線部分を含んでもよい。具体的には、挿通孔の形状及びピン部材の軸断面の形状が、円形ではなく例えば略合同の四角形等が相当する。なお、「長手方向を横切る断面」とは、軸断面(すなわち、ピン部材の軸方向に対して垂直な断面)を意味する。
(3)本発明は、第1の部材と第2の部材と締結する締結方法であって、周方向に形成される非螺旋状の溝部を長手方向に沿って複数有するとともに、長手方向を横切る断面が非円形の非円形長手部分を有するピン部材と、前記ピン部材に外挿されるカラー部材と、を備え、前記ピン部材を、長手方向における一方の端部において前記第1の部材に固着させて、前記ピン部材と前記第1の部材とを一体化し、前記第2の部材には前記ピン部材が挿通される挿通孔が形成されているとともに、前記第1の部材と一体化されたピン部材の長手方向における他方の端部から、前記非円形長手部分を外挿する態様で前記第2の部材を挿通し、前記第2の部材が挿通されたピン部材の長手方向における他方の端部からカラー部材を外挿し、前記ピン部材と前記カラー部材とを固着させることを特徴とする前記第1の部材と前記第2の部材とを締結する方法である。
本発明の方法を用いることで、第1の部材と第2の部材とを締結させたい場合に、第1の部材または第2の部材のいずれか一方の部材に、本発明のピン部材を固着させることでピン部材と一体化させ、他の一方の部材に当該ピン部材が挿通される挿通孔が形成されていることで、ピン部材に他の一方の部材とを挿通させた状態で互いに回転することができない。さらに、他の一方の部材が挿通されたピン部材の長手方向における他方の端部(ピン部材を固着させた端部とは反対側)にカラー部材を外挿し、ピン部材とカラー部材とをスエージングすることで、ピン部材と被締結部材(第1の部材と第2の部材)との回転を防止しつつ、かつ高い強度、耐振動性を保持させることが可能である。
ここで、上記第1の部材および第2の部材のうち、ピン部材を固着させるためのいずれか一方の部材を選択するに際しては、例えば、第1の部材および第2の部材のうち一方の部材が環状である等の理由により、挿通孔を開けてピン部材を挿通させ、かつ当該挿通させた側の反対側にカラー部材でスエージングすることが困難であるほうを、ピン部材を固着させるための部材に選択することが好ましい。
なお、上記(1)同様、「周方向に形成される非螺旋状の溝部を長手方向に沿って複数有する」とは、ピン部材の中心軸と略同心の非螺旋状の溝が、ピン部材の周方向に複数形成されていることを意味する。また、上記(2)同様、「長手方向を横切る断面」とは、軸断面(すなわち、ピン部材の軸方向に対して垂直な断面)を意味する。
【課題】複数の部材を締結させるにあたり、締結場所や締結対象物の自由度が高く、下孔の数を減らし、かつ1点留めにおける部材と締結部材との回転(回動)を防止しつつ、締結後においても高い強度、耐振動性を保持した締結部材を提供する。
【解決手段】 本発明による締結構造は、第1の部材と、周方向に形成される非螺旋状の溝部を長手方向に沿って複数有するとともに、長手方向における一方の端部が第1の部材に固着されて該第1の部材と結合されるピン部材と、前記ピン部材を挿通可能な挿通孔を有し、該挿通孔に前記ピン部材が挿通される第2の部材と、第1の部材との間に第2の部材が位置するように外挿されてピン部材に固着されるカラー部材と、を備える第1の部材と第2の部材との締結構造であって、ピン部材に対して第2の部材が回転しないよう構成されてなることを特徴とする。