【実施例】
【0018】
本発明の容器傾斜装置1は、装置上に載せたドラム缶等の容器Dから内容液Lを徐々に抜き取って行くことに従い、全体の重量が減少して行く容器Dを、自然に傾倒させて行く装置である。ここで上記容器Dとしては、比較的大きく且つ重量もあるドラム缶が主に想定されるが、ペール缶や一斗缶等も適用することができる。ただし以下の説明では、本発明を分かり易くするために「容器」という文言ではなく、主に「ドラム缶」という文言を使用するものであり、ともに同じ符号「D」を付す。また、このようなことから本発明の名称中においても「容器」という文言を使用した。
【0019】
まず、容器Dの代表例となるドラム缶Dの概略から説明する。
ドラム缶Dは、例えば
図1・
図3・
図5に示すように、円筒状を成す胴体D1の上下の開口部が、天板D2と地板D3とにより強固に密閉されて成るものである(いわゆるカーリング加工)。このうち天板D2には内容液Lをドラム缶D内に注入するための注入口D21と、このような注入時にドラム缶D内のエアを外部に逃がし円滑に注入作業を行うための換気口D22とが形成され、注入後は各々が専用の蓋で閉栓される。
なお、換気口D22は、注入口D21の反対側(天板D2の直径線上における対向側)に位置するように設けられる。因みに、ドラム缶Dから内容液Lを抜き取る際には、注入口D21に、吸引ホースに接続された吸引管を差し込んで吸引するのが一般的であり、この際、吸引管を注入口D21で保持する吸引管ホルダ62に通気孔62hが形成されていれば、内容液Lの抜き取り作業はスムーズに行えるため、上記換気口D22は閉栓状態のままで構わない。
またドラム缶Dの胴体D1には補強のために外周側に突出する輪帯(チャイム)Cが形成される。この輪帯Cは、通常、胴体D1の両端部と、胴体D1をほぼ三等分した位置の計四箇所に形成され、ドラム缶Dを横にして転がす際の車輪作用(言わば転がり性を高める転動輪の作用)も担う。
【0020】
以下、容器傾斜装置1について詳細に説明する。
本発明の容器傾斜装置1は、一例として
図1〜
図4に示すように、自動車整備工場等のコンクリート床面に固定状態に設置される固定基枠2と、この固定基枠2に対して回動(傾倒)するように設けられる可動載置枠3と、固定基枠2に対し可動載置枠3を上方に付勢する付勢体4とを具えて成る。
ここで上記固定基枠2は、側面視L字状を成す一方、可動載置枠3は、平面視「コ」の字状を成すように形成され、固定基枠2は、平面視「コ」字状を成す可動載置枠3の間に形成される。
以下、各構成部材について更に説明する。
【0021】
まず固定基枠2は、一例として
図2に示すように、側面から視てL字状の水平部分を成すベース枠部2Bと、当該L字状の鉛直部分を成すポスト部2Pとを具えて成る。このうちベース枠部2Bは、例えば上記
図2に示すように、上方に向かって開口する断面「コ」の字状のチャンネル材から成る本体ベース部21に対し、その前方側(ポスト部2Pの対向側)に回動軸33の軸受部材たる軸受体22が接合され、また本体ベース部21の後方側(ポスト部側)に接続板23が接合されて成る。なお、本体ベース部21、軸受体22、接続板23の接合は主に溶接によって成される。
また、本体ベース部21には、例えば前後両端部にマウント用の孔(これをマウント用孔21hとする)が開口され、ここに予めコンクリート床面等に打ち込まれたアンカーボルトを受け入れ、ナットで締め込むことにより、固定基枠2を自動車整備工場等の床面に固定する。もちろん、本体ベース部21を固定するにあたっては、他の方法で床面や壁面(柱部材)等との固定を図ることもでき(床面に対して移動しなければよい)、このような場合には、必ずしもマウント用孔21hを利用して固定基枠2を固定する必要はない。
【0022】
次にポスト部2Pについて説明する。
ポスト部2Pは、後方側(ポスト部側)において本体ベース部21の端部から上方に立設される支柱状の枠体であり、本体ベース部21(接続板23)の左右に立ち上げられるポスト本体25と、この二本のポスト本体25を上下で連結する上連結体26及び下連結体27とを具え、これらが溶接等で接合される。なお、ここではポスト本体25、上連結体26、下連結体27が全て同じ断面サイズの角パイプ材で形成されている。また、下連結体27は本体ベース部21の幅寸法とほぼ同じ長さに形成されるが、上連結体26はこれよりも大きな長さ寸法に形成される。なお、この上連結体26の両端部にはアイボルト28が取り付けられ、ここには
図1に示すように、ドラム缶Dが傾倒(傾斜)しても倒れないようにするための固定バンド5が掛け止めされる(取り付けられる)。
【0023】
ここで上記二本のポスト本体25やアイボルト28を左右で区別する場合には、便宜上、ポスト部2Pから前方側を見て、右側に位置するものに末尾符号「R」を付し、左側に位置するものに末尾符号「L」を付す。なお、これは以下述べる部材についても同様とする。
そして、以上のように構成されたベース枠部2Bとポスト部2Pとを接合するものでああり、この接合にあたっては、例えば
図4に示すように、複数のボルト・ナットを用いて接合される。
また、上記のように本体ベース部21の左右両側に二本のポスト本体25L・25Rを立ち上げるが、これらは平面視「コ」字状を成す可動載置枠3の間(「コ」の字の間)に立設される(
図1・
図4参照)。
【0024】
次に可動載置枠3について説明する。
可動載置枠3は、一例として
図2に示すように、平面視「コ」の字状に形成され、上記固定基枠2を取り囲むように形成される。この可動載置枠3は、本体ベース部21(ポスト部2P)の両サイドに設けられる二本の載置受け部31と、これら二本の載置受け部31をポスト部側で連結する連結体32とを具えて成る。なお、連結体32は、ポスト本体25の外側で二本の載置受け部31を連結するように構成される。ここで「外側」とは、載置受け部31の回動中心、つまり回動軸33から視て外側(外周側)を意味する。すなわち、可動載置枠3は、固定基枠2に対し、この回動軸33によって回動自在に結合されて成り、可動載置枠3は、付勢体4の作用により上記回動軸33を中心として自由端側を上向きに回動させるような付勢を受ける。
【0025】
なお、実際にドラム缶Dを容器傾斜装置1に載せる際には、主に二本の載置受け部31によってドラム缶Dを支持するものであり、このため二本の載置受け部31がドラム缶Dの総重量(内容液Lを含めた総重量)をほぼ均等に受けることが望ましい。また、ドラム缶Dを受けるときの載置受け部31の姿勢は、回動していないフラット姿勢で受けることが好ましいが、これは必ずしも載置受け部31の角度が0度、つまり水平であることを意味するものではなく、ほぼフラットな姿勢であればよい。極端に言えば、内容液Lがいっぱいに充填された重いドラム缶Dを安定して載置できれば、載置受け部31は、わずかに傾いていてもよく、このような状態もフラット姿勢に含むものである。因みに、このような重いドラム缶Dを受ける際には、載置受け部31の間に本体ベース部21が存在するため、実際には重いドラム缶Dの加重が、本体ベース部21にも分散して支持されるものであり、このことからもドラム缶Dを受ける際、載置受け部31が必ずしも水平である必要はない。
【0026】
なお、ここでは二本の載置受け部31は、ともに同じサイズの角パイプ材で形成され、また連結体32は後方側に向かって開口する断面「コ」字状のチャンネル材で形成され、これらが溶接等で接合されて成る。そして、このような構成上、二本の載置受け部31は、ポスト部側から見ると連結体32からフォーク状に迫り出す状態となっている(
図2参照)。
また、載置受け部31の前方側には、回動軸33が設けられ、これは載置受け部31や連結体32に比べると、細いシャフト状であり、可動載置枠3を全体的に視た場合には、これら載置受け部31や連結体32の印象が強いため、可動載置枠3は、載置受け部31及び連結体32によって平面視「コ]の字状の形成された印象となる。
因みに、ここでも上記二本の載置受け部31を区別する場合には、ポスト部側から前方の回動軸33側を視て、右側に位置するものを載置受け部31Rとし、左側に位置するものを載置受け部31Lとする。
【0027】
そして、上述したように二本の載置受け部31を連結する連結体32を、ポスト本体25の外側に位置させるため(
図5参照)、載置受け部31をフラット姿勢にした際には、連結体32とポスト本体25との間に間隙が形成されるものであり、この間隙が可動載置枠3の傾倒(自由端側を上向きに上昇させる回動)に伴い徐々に狭まる構成となる。
また、連結体32をポスト本体25の外側に設けたことで、例えば
図3(b)に示すように、可動載置枠3が最大限上昇傾倒した場合には、連結体32がポスト本体25に接触し、それ以上の回動が阻まれる構成となっている。すなわち、ここでは、ポスト本体25が可動載置枠3の回動を阻止するストッパー機能を有すると言える。
【0028】
また、上記のような構造から、可動載置枠3の載置受け部31をフラット姿勢で維持したい場合には、一例として
図3(a)に示すように、連結体32とポスト本体25との間に形成された間隙に、ロッド状ないしは板状のフラット姿勢ロック15を差し込んで、載置受け部31の回動(上昇)を阻むものである。なお、フラット姿勢ロック15を上記間隙に差し込むには、例えば作業者が載置受け部31や連結体32の上に乗って、上方に付勢される載置受け部31を自身の体重でフラット姿勢に戻した状態で、連結体32とポスト本体25との間に形成される間隙にフラット姿勢ロック15を差し込むものである。
【0029】
次に付勢体4について説明する。付勢体4は、固定基枠2に対し可動載置枠3を上方に付勢するものであり、ここではスプリング41が適用され、ポスト部2Pの上連結体26から可動載置枠3の連結体32までの間に設けられる。
ここで付勢体4の具体的な取り付け状況について更に詳細に説明すると、上記
図1〜
図3に示すように、まず可動載置枠3の連結体32から前方側(回動軸33側)に向けて張り出すように取付体42を設け、この取付体42にアイボルト43を固定する。
一方、ポスト部2Pの上部を構成する上連結体26からほぼ真下方向にオネジロッド44を取り付け(上連結体26に螺合)、その下端にアイナット45を捻込み固定する。そして、これらアイボルト43とアイナット45との間に、スプリング41を取り付け、可動載置枠3を吊り上げるように付勢する。
【0030】
なお、上連結体26とオネジロッド44との接合には、ロックナット46等が用いられ一旦、上連結体26の下方に取り付けたオネジロッド44が不用意に回転しないように図られる。また、オネジロッド44の下端に取り付けられるアイナット45にもロックナット47等が用いられ、一旦、螺合させたオネジロッド44とアイナット45とが不用意に回転(相対的な回転)しないように図られる。そして、かかる構成により、一旦、設定したアイナット45の上下位置が変わることがなく、最初に設定したスプリング41の付勢力を維持することができる。
【0031】
またスプリング41の付勢力を調整するにあたっては、上連結体26に対するオネジロッド44の捻じ込み位置(上連結体26からの突出量)を調整して、アイナット45の上下位置を変更し、アイボルト43とアイナット45の間に設けるスプリング41の当初の伸び(すなわち上向きの付勢力)を調整する。もちろん、設定当初におけるアイボルト43とアイナット45との離反距離が大きいほどスプリング41には大きな付勢力が蓄えられ、載置受け部31に載せたドラム缶Dを大きな力で上向きに引っ張ることができる。
因みに付勢体4は、必ずしもポスト上部(上連結体26)と可動載置枠3(連結体32)との間に設ける必要はなく、例えば可動載置枠3(載置受け部31L・31R)と床面との間に設けることもできるし、あるいは固定基枠2の本体ベース部21を左右に張り出させ(別途、張出部材を本体ベース部21に接合しても可)、この張出部材(本体ベース部21)と可動載置枠3(載置受け部31)との間にスプリング41を設けることもできる。
また、付勢体4は、必ずしもスプリング41に限定されるものではなく、ゴム等の弾性体を適用することもできるし、更にはエアシリンダ等を付勢体4として適用することもできる。
【0032】
また、本実施例においては、載置受け部31とともにドラム缶Dが傾倒(傾斜)したときにも、ドラム缶Dを安定して容器傾斜装置1上に保持できるように固定バンド5を具えるものであり、以下これについて説明する。
固定バンド5は、一例として
図1に示すように、バンド本体51の両端にカラビナ52を設けて成り、使用にあたっては、一方のアイボルト28(ここでは28R)にカラビナ52を掛止した後、バンド本体51をドラム缶Dに沿って半周程度回すようにし、他端のカラビナ52をもう一方のアイボルト28(ここでは28L)に取り付けるものである。なおバンド本体51としては、ゴムなどの弾性体が適用されるが、バネベルト等の適用も可能である。
また、固定バンド5は、上記のように、可動載置枠3(載置受け部31)が傾斜しても、ここに載せたドラム缶Dを転倒させないためのものである。しかし、可動載置枠3(載置受け部31)を傾斜させるのは、残り少なくなった内容液Lを、傾倒させた容器Dの最底部に集めるためであるから、その傾倒角度も比較的小さいものであり(一例として10度程度)、上記固定バンド5を用いなくても通常は転倒することはない。このため、あくまでも固定バンド5は、作業者が内容液Lの抜き取り作業を安心感を持って確実に行えるようにするための対策と言える。
【0033】
また、本実施例においては、可動載置枠3(載置受け部31)の傾斜状況を検知するセンサ16をポスト部2P(ポスト本体25)に設けるものであり、以下、このセンサ16について説明する。
このセンサ16としては、例えば載置受け部31が傾斜限界に達したことを検知するリミットセンサが挙げられる。リミットセンサは、一例として
図4に示すように、レバー16Lを有した接触式センサであり、上向きに回動してくる可動載置枠3の連結体32がこのレバー16Lを押し上げることにより、載置受け部31ひいてはここに載置されるドラム缶Dが傾倒限界(傾斜限界)に至ったことを瞬時に検知する。
もちろん、このセンサ16(リミットセンサ)が検知した信号によって載置受け部31の回動を積極的に停止させるような制御や(連結体32がポスト本体25に接触する前に)、更にはドラム缶D内の内容液Lの残量が所定量以下になったことを周囲の作業者に音や光で告知するような制御等をとることもできる。
そして、かかる構成により、吸引管がエアだけを吸い込む事態(ポンプの空打ち)を回避でき、ポンプの損傷を確実に防ぐことができる。もちろん、上記のような構成を採用することで、ドラム缶D内の内容液Lもほぼ完全に有効利用することができる。
ここで図中符号Bは、リミットセンサ等のセンサ16をポスト本体25に取り付けるためのブラケットである。また、本
図4では左側のポスト本体25Lにリミットセンサ等のセンサ16を取り付けるように図示したが、リミットセンサは右側のポスト本体25Rに取り付けることも可能である。
【0034】
また、このようなセンサ16としては、可動載置枠3(連結体32)の回動角度を数値として検出・表示する角度センサや、可動載置枠3(連結体32)が特定の角度以上になった場合に光や音などを発して規定の角度に達したことを告知する角度センサを適用することもできる。もちろん、このようなセンサを種々組み合わせて用いれば、上述したポンプの空打ちは一層確実に回避することができる。
因みに、本発明者がドラム缶Dの角度ひいてはドラム缶D内の内容液Lの残量を重視するのは、内容液Lの残量が外部から目視できないためである。すなわち、ドラム缶Dは、内容液Lの残量低下によって傾斜度合いが増すため、この角度から残量を推測することは理論上できるが、実際の現場では、作業者の目視によって明確に分かる程、ドラム缶Dの傾斜角は大きくないため、ドラム缶Dや可動載置枠3の角度から内部の残量を把握することは難しい。従って、可動載置枠3の載置受け部31が所定の角度に達したことを正確に検知したり、徐々に傾斜して行く可動載置枠3の角度を数値で表示したりするような対策等を併せて採ることが好ましく、またこのような対策を併せて講じることによりポンプの空打ちをより一層確実に防ぐことができる。
【0035】
なお、ドラム缶D内の内容液Lを抜き取って行く際には、本発明の容器傾斜装置1以外にも各種の周辺機器(補器類)が必要であり、次にこのような補器類について説明する。因みにこれらの補器類を吸引装置6と総称する。
ドラム缶D内に収容された内容液Lを取り出すにあたっては、一例として
図6に示すように、まずドラム缶Dの注入口D21を開栓し、ここからドラム缶D内に吸引管61を挿入して行う。この際、吸引管61は、下窄まりのほぼ円錐状に形成された吸引管ホルダ62(例えばゴム製)の内側に嵌め込まれた状態で、ドラム缶Dの注入口D21に取り付けられる。これによりドラム缶Dが傾斜しても吸引管61は傾倒(移動)しないようにすることができる。すなわち、吸引管61をドラム缶D内に挿入する際には、上記
図6に併せ示すように、フラット姿勢を呈したドラム缶Dが、後に傾斜した際、最底部になる方に向けて吸引管61を傾けて挿入するものであり、この姿勢を注入口D21に嵌める吸引管ホルダ62によって維持するものである。ここで図中符号611は、吸引管61の先端部において内容液Lを吸い込む吸引口であり、図中符号611kは、吸引口611において形成された切欠きである。なお、本実施例では、上記吸引管ホルダ62に、通気孔62hが開口されているものとし、このため内容液Lの抜き取り時には、ドラム缶Dの換気口D22は開栓する必要がなく、閉栓状態のままで抜き取りが行えるものである。
そして、このようにしてドラム缶D内に挿入される吸引管61には、当然ながら吸引口611の対向側に吸引ホース63が接続され、更にその先には吸引用の圧送ポンプ64や、吸引した内容液Lを車輛等に供給するための給油ガン(供給ノズル)65が接続される。因みに、給油ガン65は複数設けることが可能であり、圧送配管66を介して自動車整備工場内の各所に設けることが可能である。
【0036】
また、ここでは上記吸引管61に対し検知管67を並列状に設けるものであり、この検知管67は、ドラム缶D内の液面レベル(つまり残量)を検知するためのものである。すなわち、上記
図6では、載置受け部31(ドラム缶D)の傾斜角度だけでなく、ドラム缶D内に残留する内容液Lの液面レベルを直接、計測するものである。
なお、検知管67としては、一例として微圧・微量のエアを利用したエア式の液面センサが適用でき、このものは内容液Lの液面レベルが充分高い(深い)場合には、上記
図6に示すように、所定圧で微量のエアを内容液L中に放出する一方、液面が低くなってエアが内容液L中に放出されなくなると、エアの吐出圧が変化するため、液面レベルから検知管67先端が露出したこと、つまり液面レベルが規定深さ(高さ)以下になったことを検知する構造である。
【0037】
更に、図中符号68は空電スイッチであり、これは外部からエアを取り込み、このエアを所定の微圧・微量エアに変換して検知管67に送るものである。
また、図中符号69は告知盤(制御盤)であり、これを本図のように上記空電スイッチ68と電気的に接続すれば、例えば検知管67で検出した液面レベルの検知信号から液面レベルを、告知盤69のレベルモニターに変換して表示することができる。また液面レベルの不足信号から「内容液Lの残量が僅か」であることや「吸引完了」等の告知を光や音等で周囲に知らせることもできる。また、この告知盤69を、圧送ポンプ64と電気的に接続すれば、例えば「内容液Lの残量僅か」の検知信号から、自動的に圧送ポンプ64を停止させるような制御等も可能となる。更にまた、告知盤69をリミットセンサや傾斜センサ等のセンサ16と電気的に接続すれば、載置受け部31つまりドラム缶Dが所定の角度に達したことを光や音で周囲に告知することもできるし、刻々と変化して行く角度を数値として告知盤69に表示することもできる。
また図中符号71は、圧送ポンプ64の吐出側に設けられる逆止弁であり、図中符号72は安全弁である。そして、これらは例えば圧送ポンプ64が余分に吸い込んだ内容液Lを、圧送ポンプ64を迂回させてドラム缶D内に戻す作用を担い、この経路を迂回路73とする。
なお、
図6中の供給ノズル65や告知盤69は、実質的な作業現場に配置されるものの、容器傾斜装置1・圧送ポンプ64・空電スイッチ68等は、このような作業現場とは離れた部位(例えばポンプ室)に配置することが好ましい。
【0038】
本発明の容器傾斜装置1は、以上のような基本構造を有するものであり、以下、この容器傾斜装置1によってドラム缶D内の内容液Lを徐々に抜き取って行く作動態様(一例)について説明する。
なお、以下の説明では、容器傾斜装置1の初期状態として、可動載置枠3(載置受け部31)にドラム缶Dが載置されておらず、載置受け部31が付勢体4の付勢により上方に回動した状態を初期状態として説明する。
(1)スプリングの付勢力の調整
まず可動載置枠3(載置受け部31)に載置するドラム缶Dの総重量(内容液Lを含めた総重量)に応じて付勢体4の初期付勢力を調整する。
これには、上述したように、ポスト部2Pの上連結体26に対するオネジロッド44の捻じ込み位置(上連結体26からの突出量)を調整して行う。具体的には、アイナット45の上下位置を変更し、アイボルト43とアイナット45の間に設けたスプリング41の伸び(すなわち上向きの付勢力)を調整する。
なお、載置対象の容器Dが、いつも同じ総重量のドラム缶Dであれば、当然このような調整作業は省略することができる。
【0039】
(2)フラット姿勢の設定
次に、ドラム缶Dを安定状態で載置するため、スプリング41の付勢により自由端側を上向きに回動させた載置受け部31をフラット姿勢に戻す。これには、例えば回動した載置受け部31や連結体32の上に作業者が乗り、載置受け部31をフラット姿勢に戻した状態で、ポスト本体25と連結体32との間に形成される間隙に、フラット姿勢ロック15を差し込み、載置受け部31の回動を阻止するものである。
【0040】
(3)ドラム缶の載置(移載)
その後、ドラム缶Dを可動載置枠3に載置するものであり、これには例えばフォークリフトが適用される。すなわち、内容液Lがほぼ満充填されたドラム缶Dは、極めて重いため、このようなドラム缶Dを一旦、フォークリフトで持ち上げて、フォークリフトのフォークFから可動載置枠3に移載する。
この際、フォークリフトのフォークFに載せてリフトアップしたドラム缶Dをそのまま容器傾斜装置1の可動載置枠3上に移載することができるように、すなわちフォークリフトのフォークFを下げたとき、そのままドラム缶Dが載置受け部31に載り移るようにすることが好ましい。そのため、本実施例では、一例として
図5に示すように、可動載置枠3の最も外側の外幅寸法(載置受け部31同士の外幅寸法)を、フォークリフトのフォークFの内幅寸法より小さく設定しておくものである。
以下、フォークリフトを使ったドラム缶Dの移載作業について具体的に説明する。
【0041】
まずフォークリフトのフォークFでドラム缶Dの両縁部を保持するようにドラム缶Dを支持した後、ややフォークFを上昇させ、フォークリフトの走行に支障のない状態とする。
その後、フォークリフトを容器傾斜装置1に接近させ、ドラム缶Dを載せたフォークFが載置受け部31よりも高い位置にあることを確認したら(もしくはこのように調整したら)、この状態でドラム缶Dが、載置受け部31の上方に位置するまでフォークリフトを前進させる。なお、ここでの前進は、フォークリフトが容器傾斜装置1の前方側から接近する状況を指す。
【0042】
このようにしてフォークFに載せたドラム缶Dが載置受け部31の上方(ほぼ中央)に到達したら、容器傾斜装置1に対するフォークリフトの位置を維持したまま(走行を停止したまま)、ドラム缶Dを載せたフォークFを載置受け部31よりも低い位置まで降ろす。この際、上記のように左右のフォークFは、各々左右の載置受け部31よりも外側に位置するため、フォークFは載置受け部31に干渉することなく下げることができ、これによりドラム缶Dは、フォークリフトのフォークFから載置受け部31にスムーズに移載される。
その後、フォークリフトは、このようなフォークFの低い状態(載置受け部31に干渉しない低い状態)を保ったまま、容器傾斜装置1から退避(離反)するものであり、これによりドラム缶Dの移載作業が完了する。
なお、載置受け部31上にドラム缶Dを移載する際には、ドラム缶Dの天板D2に形成される注入口D21が、傾斜時の最下方になるように設定する(
図5参照)。もちろん、このためにはドラム缶DをフォークリフトのフォークFに載せるときから、このような移載位置となるようにフォーク上にドラム缶Dを載せるものである。
【0043】
(4)フラット姿勢ロックの抜き取り
以上のようにしてドラム缶Dを容器傾斜装置1に移載した後、ポスト本体25と連結体32との間隙に差し込んでいたフラット姿勢ロック15を抜き取り、載置受け部31の回動(傾倒)が許容されるようにする。
【0044】
(5)吸引管の挿入
また、このようなフラット姿勢ロック15の抜き取り作業と前後して、ドラム缶Dの注入口D21を開栓し、注入口D21からドラム缶D内に吸引管61を挿入する。この際、吸引管61は、一例として
図6に示すように、吸引管ホルダ62を使って注入口D21に固定するものであり、以下その手順の一例について説明する。
まず吸引管61の先端をドラム缶Dの底隅に向けて注入口D21から斜めにラフに挿入し、その後、先窄まり状の吸引管ホルダ62を注入口D21(開口部)に手で嵌め込むものである。本実施例では、これだけの操作により吸引管ホルダ62が弾性変形して、注入口D21(開口部)を密閉し、埃などの侵入を防ぐと同時に吸引管61の固定を図ることができる。
また、このようにして固定された吸引管61は、その外側が、吸引管ホルダ62の内側とゴム等の素材の弾性力で密着しながらも、管の長手方向にはスライドできるため、上記ラフ設定後に再度、吸引管61の先端(吸引口611)をドラム缶Dの底隅に確実に位置させることができる。
なお、ここでは吸引管61とともに検知管67が並列状に設けられているため、当該作業により検知管67もドラム缶D内の内容液L中に挿入される。
【0045】
(6)内容液の抜き取りに伴うドラム缶の傾倒(傾斜)
その後、ドラム缶D内の内容液Lを吸引して行くと、ドラム缶D内の内容液Lの量が徐々に減って行くため、ドラム缶Dの総重量は次第に減少して行く。すると、スプリング41等の付勢体4の付勢力が、この総重量よりも次第に優るようになり、載置受け部31つまりドラム缶Dは徐々に上方に傾倒(回動)して行く。
【0046】
(7)センサによる角度検出
このような載置受け部31の上昇傾斜に伴い、ポスト本体25と連結体32との隙間は徐々に狭まり、やがては可動載置枠3の連結体32がセンサ16(リミットセンサ)のレバー16Lに触れ、これを押すものであり、これにより例えば載置受け部31がほぼ限界まで回動したことを光や音で周囲に告知するものである。もちろん、このような刻々と変化して行く角度や内容液Lの液面レベルについては、告知盤69等に常に表示することもできる。また、ドラム缶D(載置受け部31)が限界まで傾斜したことを示す検出信号や、ドラム缶D内の液面レベルが吸引管61による吸い込みが行えないまでに低下したことを示す信号等から、圧送ポンプ64を自動的に停止させることも好ましい制御である。
【0047】
(8)空になったドラム缶の回収
そして、このような一連の抜き取り作業が終了すると、空になったドラム缶Dは、再度、フォークリフトに移載され、適宜回収される。この際、載置受け部31に載置されたドラム缶Dは、付勢体4の付勢により上昇傾斜した状態であるため、これをほぼフラットな姿勢に戻してからフォークリフトに移載する場合には、例えば連結体32の上に作業者が乗る等して、載置受け部31つまりドラム缶Dをほぼフラットな姿勢に戻すものであり、この状態でポスト本体25と連結体32との間隙にフラット姿勢ロック15を押し込んで、当該状態を維持する。もちろん、載置受け部31に載置されたドラム缶Dが傾斜したままでも、例えば作業者がドラム缶Dを支えるように保持しながらフォークリフトへの移載を行うことができれば、このような傾斜状態のままでドラム缶Dをフォークリフトに移載しても構わない。
なお、空になったドラム缶Dは、比較的軽量であるため、作業者による人力でも移動させることは可能であり、この場合には必ずしもフォークリフトを使って容器傾斜装置1から降ろす必要はない。