特許第6364536号(P6364536)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6364536-レーザ切断加工方法及び装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6364536
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】レーザ切断加工方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/38 20140101AFI20180712BHJP
   B23K 26/00 20140101ALI20180712BHJP
   B23K 26/146 20140101ALI20180712BHJP
【FI】
   B23K26/38 A
   B23K26/00 M
   B23K26/146
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-155017(P2017-155017)
(22)【出願日】2017年8月10日
(62)【分割の表示】特願2013-231753(P2013-231753)の分割
【原出願日】2013年11月8日
(65)【公開番号】特開2017-217702(P2017-217702A)
(43)【公開日】2017年12月14日
【審査請求日】2017年8月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】390014672
【氏名又は名称】株式会社アマダホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】宮本 晴雄
【審査官】 奥隅 隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−019787(JP,A)
【文献】 特開平06−158528(JP,A)
【文献】 特開2007−075876(JP,A)
【文献】 特開2002−100590(JP,A)
【文献】 特開平04−185761(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/00−26/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状のワークのレーザ切断加工方法であって、ワーク全体に対して冷却水を掛けて予めワーク全体を冷却した後にワークのレーザ切断加工を行うに際し、レーザ加工ヘッドに備えた冷却水ノズルから冷却水を噴射する際のレーザ加工ヘッドの高さ位置は、レーザ切断加工時におけるレーザ加工ヘッドの高さ位置よりも高いことを特徴とするレーザ切断加工方法。
【請求項2】
板状のワークのレーザ切断加工方法であって、ワーク全体に対して冷却水を掛けて予めワーク全体を冷却した後にワークのレーザ切断加工を行うに際し、ワークの温度を検出する温度センサの検出温度と設定温度との比較の結果、検出温度≧設定温度の場合に、前記冷却水ノズルから冷却水を噴射する際のレーザ加工ヘッドの高さ位置は、レーザ切断加工時におけるレーザ加工ヘッドの高さ位置よりも高いことを特徴とするレーザ切断加工方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のレーザ切断加工方法であって、レーザ切断加工装置のレーザ切断加工位置へワークを相対的に搬入するとき、又は搬入した後に、ワーク上面へ冷却水を噴射してワークの冷却を行った後にレーザ切断加工を行うことを特徴とするレーザ切断加工方法。
【請求項4】
板状のワークのレーザ切断加工方法であって、ワーク全体に対して冷却水を掛けて予めワーク全体を冷却した後にワークのレーザ切断加工を行うに際し、レーザ切断加工装置のレーザ切断加工位置へワークを相対的に搬入するとき、又は搬入した後に、ワーク上面へ冷却水を噴射してワークの冷却を行った後にレーザ切断加工を行うために、レーザ加工ヘッドに備えた冷却水ノズルから冷却水を噴射する際のレーザ加工ヘッドの高さ位置は、レーザ切断加工時におけるレーザ加工ヘッドの高さ位置よりも高く保持し、ワークの温度を検出する温度センサの検出温度と設定温度との比較の結果、検出温度≧設定温度の場合に、前記冷却水ノズルから冷却水を噴射することを特徴とするレーザ切断加工方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のレーザ切断加工方法において、ワーク上面への冷却水の噴射はほぼ全面に行い、かつワーク上面が冷却水によって濡れた状態にあるときにワークのレーザ切断加工を開始することを特徴とするレーザ切断加工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属板などのワークのレーザ切断加工を行うレーザ切断加工方法及び装置に係り、さらに詳細には、ワークのレーザ切断加工時に、例えば穴などのレーザ切断加工時の形状、寸法の加工精度の低下を抑制することのできるレーザ切断加工方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
板状のワークにレーザ切断加工を行う場合、例えば夏季に屋外に保管されていた板状のワークは工場内の温度よりも高温であるので、そのままレーザ切断加工を行うと、例えば穴等の形状、寸法の加工精度が低下するという問題がある。また、適宜形状の穴を複数列、複数行に配置して順次レーザ切断加工を行う場合、初期のレーザ切断加工においては形状、寸法を精度良く切断加工を行うことができる。しかし、レーザ切断加工が進行すると、レーザ切断加工時の熱が周囲に伝導され、次第に蓄熱されるものである。したがって、蓄熱に起因する熱膨張により切断精度が低下することがある。また、場合によっては、蓄熱に起因してバーニングを生じることがある。そこで、レーザ切断加工位置へ冷却水を噴射してレーザ切断加工位置の冷却を行うことが行われている(例えば特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭58−23590号公報
【特許文献2】特開平5−154674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1に記載の構成においては、レーザ切断加工位置の周囲に冷却水を噴出して冷却を行うので、ワークの熱膨張等を抑制してレーザ切断加工を行うことができ、精度のよいレーザ切断加工を行うことができる。しかし、ワークの冷却が充分でない場合には、レーザ切断加工の進行方向の前側に熱伝導によって蓄熱されることがあり、この蓄熱に起因してレーザ切断加工精度が低下することがある。
【0005】
特許文献2の記載に係る構成においては、レーザ加工ヘッドに備えた温度センサによってレーザ切断加工位置付近のワークの温度を検出し、この検出温度が設定温度以上の場合に、ノズルからレーザ加工位置付近へ冷却水を噴射して、ワークを冷却しながらレーザ切断加工を行うものである。そして、温度センサによる検出温度が設定温度以下になると、冷却水の噴出を停止するものである。したがって、例えばバーニングを防止してレーザ切断加工を行うことができるものである。
【0006】
前記特許文献1,2に記載の構成は、レーザ切断加工位置近傍の周囲に冷却水を噴射して加工位置付近の冷却を行う構成である。したがって、レーザ切断加工時に、レーザ切断加工位置において溶損を生じ易い部分の溶損を防止してのレーザ切断加工を行うことができる。しかし、レーザ切断加工の進行方向の前側に、熱伝導によって蓄熱されることを防止し得るものではない。
【0007】
したがって、レーザ切断加工が進行し、レーザ切断加工の進行方向の前側であって蓄熱されている部分のレーザ切断加工を行う場合には、蓄熱に対してレーザ切断加工時の熱が追加されることとなり、冷却水を噴射して冷却しているにも拘わらず、冷却が不充分になり、レーザ切断加工の精度が低下する場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前述のごとき問題に鑑みてなされたもので、板状のワークのレーザ切断加工方法であって、ワーク全体に対して冷却水を掛けて予めワーク全体を冷却した後にワークのレーザ切断加工を行うに際し、レーザ加工ヘッドに備えた冷却水ノズルから冷却水を噴射する際のレーザ加工ヘッドの高さ位置は、レーザ切断加工時におけるレーザ加工ヘッドの高さ位置よりも高いことを特徴とするものである。
【0009】
また、板状のワークのレーザ切断加工方法であって、ワーク全体に対して冷却水を掛けて予めワーク全体を冷却した後にワークのレーザ切断加工を行うに際し、ワークの温度を検出する温度センサの検出温度と設定温度との比較の結果、検出温度≧設定温度の場合に、前記冷却水ノズルから冷却水を噴射する際のレーザ加工ヘッドの高さ位置は、レーザ切断加工時におけるレーザ加工ヘッドの高さ位置よりも高いことを特徴とするものである。
【0010】
また、前記レーザ切断加工方法であって、レーザ切断加工装置のレーザ切断加工位置へワークを相対的に搬入するとき、又は搬入した後に、ワーク上面へ冷却水を噴射してワークの冷却を行った後にレーザ切断加工を行うことを特徴とするものである。
【0011】
また、板状のワークのレーザ切断加工方法であって、ワーク全体に対して冷却水を掛けて予めワーク全体を冷却した後にワークのレーザ切断加工を行うに際し、レーザ切断加工装置のレーザ切断加工位置へワークを相対的に搬入するとき、又は搬入した後に、ワーク上面へ冷却水を噴射してワークの冷却を行った後にレーザ切断加工を行うために、レーザ加工ヘッドに備えた冷却水ノズルから冷却水を噴射する際のレーザ加工ヘッドの高さ位置は、レーザ切断加工時におけるレーザ加工ヘッドの高さ位置よりも高く保持し、ワークの温度を検出する温度センサの検出温度と設定温度との比較の結果、検出温度≧設定温度の場合に、前記冷却水ノズルから冷却水を噴射することを特徴とするものである。
【0012】
また、前記レーザ切断加工方法において、ワーク上面への冷却水の噴射はほぼ全面に行い、かつワーク上面が冷却水によって濡れた状態にあるときにワークのレーザ切断加工を開始する。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、ワークのレーザ切断加工を開始する前に、冷却水をワークに噴出して冷却した後にレーザ切断加工を行うものである。したがって、ワークの熱膨張等に起因する精度低下を抑制することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係るレーザ加工装置の構成を概念的、概略的に示した機能ブロック図である。
図2】レーザ切断加工の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を用いて本発明の実施形態に係るレーザ切断加工装置について説明するに、図1に概念的、概略的に示すように、レーザ切断加工装置1は、ワークWとしての金属板に対して相対的にX,Y,Z軸方向へ移動自在のレーザ加工ヘッド3を備えている。このレーザ加工ヘッド3には、レーザ発振器5が光学的に接続してある。また、レーザ加工ヘッド3には、ワークWに対してレーザ加工ヘッド3をX,Y,Z軸方向へ移動位置決めするためのサーボモータ7が備えられている。したがって、前記レーザ発振器5から発振されたレーザ光LBを、レーザ加工ヘッド3からワークWへ照射しつつ、前記サーボモータ7の駆動によってレーザ加工ヘッド3をX,Y,Z軸方向へ移動することにより、ワークWのレーザ切断加工が行われることになる。
【0017】
前記レーザ加工ヘッド3の適宜位置には、ワークWの温度を検出するための温度センサ9が備えられていると共に、レーザ切断加工位置付近の周囲に冷却水を噴出(噴射)するための冷却水ノズル11が備えられている。そして、この冷却水ノズル11には、例えばポンプなどのごとき冷却水噴出手段13が開閉弁15を介して接続してある。したがって、ワークWに対してレーザ加工ヘッド3を相対的に移動することにより、前記温度センサ9によってワークWの温度を測定することができる。そして、測定温度が設定温以上の箇所に対して、冷却水ノズル11から冷却水を噴出して冷却することができるものである。
【0018】
前記レーザ発振器5の出力、前記サーボモータ7の動作、前記冷却水噴出手段13の動作及び前記開閉弁15の開閉動作を制御するために、前記レーザ切断加工装置1には制御装置17が備えられている。この制御装置17は、コンピュータから構成されているものであって、CPU19、RAM21、ROM23、入力手段25及び表示手段27を備えている。
【0019】
前記制御装置17には、自動プログラミング装置29によって生成(作成)された各種のレーザ切断加工プログラムを格納した加工プログラム格納手段31が備えられている。さらに、前記制御装置17には、レーザ切断加工に先立ってレーザ切断加工位置又はレーザ切断加工領域全面に冷却水を噴出(噴射)する移動動作を行うための動作パターンを格納した噴射動作プログラム格納手段33が備えられている。
【0020】
すなわち、ワークWが全面的に高温の場合には、ワークWのレーザ加工領域(レーザ加工範囲)の全面に対して冷却水ノズル11から冷却水を噴出するために、レーザ切断加工時におけるレーザ加工ヘッド3の高さ位置よりもレーザ加工位置の高さ位置を高く位置決めすると共に、ワークWのレーザ加工領域全面に対してジグザグ状に、又は螺旋状などの適宜のパターンで移動する動作パターン(全面的噴射動作パターン)のプログラムが前記噴射動作プログラム格納手段33に格納されている。
【0021】
また、前記噴射動作プログラム格納手段33には、前記加工プログラム格納手段31に格納された各レーザ切断加工プログラムのNoに関連付けて、加工位置を予め冷却するための動作を行う予噴出プログラムが格納されている。この予噴出プログラムは、例えば適宜形状の穴をレーザ切断加工する際に、前記温度センサ9による当該レーザ切断加工位置の検出温度(測定温度)が予め設定した設定温度よりも高温の場合に、当該レーザ切断加工位置に前記冷却水ノズル11から冷却水を噴出する動作のプログラムであって、前記自動プログラミング装置29によるレーザ切断加工プログラムの生成時に、当該レーザ切断加工プログラムに関連付けて作成されるものである。
【0022】
すなわち、予噴出プログラムは、例えば穴等のレーザ切断加工を順次行う場合に、レーザ切断加工を開始する前に、当該レーザ切断加工位置のワークWの温度を前記温度センサ9によって予め測定した結果、測定温度が設定値以上のときに、レーザ加工ヘッド3を、レーザ切断加工時の高さ位置よりも高位置で穴等の切断加工位置付近へ移動して、冷却水ノズル11から冷却水をレーザ加工位置付近の周囲に予め噴出するためのものである。
【0023】
前記制御装置17には、前記温度センサ9が接続してあると共に、当該温度センサ9によって検出した検出温度(測定温度)と比較する設定温度を予め格納した設定値メモリ35を備えている。そして、前記検出温度と設定温度とを比較する比較手段37が前記制御装置17に備えられている。
【0024】
以上のごとき構成において、レーザ切断加工装置1におけるワークテーブル(図示省略)上にワークWを載置位置決めした後に、ワークWのレーザ切断加工を行うことになる。ここで、ワークWのレーザ切断加工を行う前に、レーザ加工ヘッド3に備えた温度センサ9によってワークWの温度を検出する。そして、検出温度と設定値メモリ35に予め格納された設定温度とを、比較手段37によって比較した結果、検出温度≧設定温度の関係にある場合には、ワークWのレーザ加工領域全面に対して冷却水を噴出して、ワークWをレーザ加工開始前に冷却するものである。
【0025】
すなわち、ワークWのレーザ切断開始前に、ワークの検出温度≧設定温度の場合には、これからレーザ切断加工を行うためのレーザ切断加工プログラムに従って、レーザ加工領域全面に冷却水を噴出するものである。この場合は、冷却水を噴出するための動作であるから、発振器動作制御手段39の制御の下にレーザ発振器5の出力は零に保持される。そして、加工ヘッド動作制御手段41の制御の下に、レーザ加工ヘッド3の高さ位置を、レーザ切断加工時の高さ位置よりも高位置に保持する。そして、レーザ加工ヘッド3はワークWに対してX,Y軸方向へ相対的に移動制御される。また、冷却水噴出制御手段43の制御の下に冷却水噴出手段13及び開閉弁15の動作が制御されて、レーザ加工領域全面に冷却水の噴出が行われることになる。
【0026】
なお、検出温度<設定温度の場合には、レーザ加工領域全面に冷却水の噴出を行うことなく、ワークWのレーザ切断加工が開始されることになる。ところで、図2に示すように、ワークWに対して穴H1〜H4を順次加工するとき、最初の穴H1の加工開始時には、ワークWの温度は常温度あるので、安定したレーザ切断加工が行われることになる。
【0027】
しかし、レーザ切断加工を順次行う場合、前工程におけるレーザ切断加工時の熱が伝導されて、次の加工位置に蓄熱されることになる。したがって、この蓄熱された部分は熱膨張等を生じ、レーザ切断加工の形状、寸法の精度が低下することになる。そこで、次の穴H2のレーザ切断加工を行う前に、温度センサ9によって穴H2のレーザ加工領域の温度を検出し、検出温度≧設定温度の場合には、レーザ加工ヘッド3を、レーザ切断加工位置の高さ位置よりも高く位置決めし、冷却水ノズル11から冷却水を噴出することにより、レーザ加工領域付近の冷却を行うことになる。
【0028】
すなわち、冷却水を噴出してワークのレーザ加工領域を予め冷却した後にレーザ切断加工を行うものである。したがって、熱伝導による蓄熱の悪影響を抑制してレーザ切断加工を行うこととなり、精度のよいレーザ切断加工を行い得るものである。なお、この冷却した後にレーザ切断加工を行う場合、前回のレーザ切断加工時におけるレーザ出力よりも低出力でもってレーザ切断加工を行うことが望ましいものである。この場合、ワークWに対して過剰な熱を付与することなくレーザ切断加工を行い得るものである。
【0029】
なお、ワークWのレーザ加工領域へ予め冷却水を噴出して予め冷却するには、前述したように、穴H2位置に冷却水を噴出する際に、穴H3,H4のレーザ加工領域へレーザ加工ヘッド3を予め移動して、レーザ切断加工の進行方向の前側のレーザ切断加工領域へ予め冷却水を噴出することも可能なものである。このように、レーザ切断加工の進行方向の前側のレーザ切断加工領域へ予め冷却水を噴出することにより、ワークWのレーザ切断加工方向の前側のレーザ切断加工領域の温度上昇を抑制することができ、ワークWに対する穴加工を能率よく行うことができるものである。
【0030】
以上のごとき説明から理解されるように、ワークWの検出温度≧設定温度の場合には、冷却水を噴出してワークWを冷却した後にレーザ切断加工を行うものであるから、精度のよいレーザ切断加工を行い得るものである。
【0031】
また、レーザ切断加工の進行方向の前側のレーザ切断加工領域に予め冷却水を噴出するものであるから、レーザ切断加工時の熱伝導による蓄熱を抑制することができ、レーザ切断加工領域を改めて冷却することを省略することも可能であり、レーザ切断加工の能率向上を図ることができるものである。なお、レーザ切断加工領域に予め冷却水を噴射し冷却した後に、冷却をしながらレーザ切断加工をする場合は、蓄熱の抑制効果は高まり温度上昇をさらに抑制することができる。また、冷却水を噴射する際はレーザ加工ヘッド3の高さ位置を、レーザ切断加工時の高さ位置よりも高位置に保持する旨説明したが、レーザ切断加工時の高さと同等の位置に保持して行っても良い。
【0032】
ところで、前記説明においては、温度センサ9によってワークWの温度を検出し、設定温度以上の場合に、ワークWの上面に全体的に冷却水を噴出して冷却する旨説明した。しかし、例えば夏季の炎天下にワークWを保管している場合、温度を測定するまでもなく、ワークWは高温度あることは既知である。したがって、このような場合には、レーザ切断加工装置のレーザ切断加工位置に搬入した後に、又は搬入するときに、ワークWの上面に全体的に冷却水を噴出して、ワークを予め冷却した後にレーザ切断加工を行うことが望ましいものである。
【0033】
前述のように、レーザ切断加工位置に搬入した後に冷却水をワークWに対して全面的に噴射するには、前述したように、ワークWに対してレーザ加工ヘッド3を相対的にX,Y,Z軸方向へ移動し、レーザ加工ヘッド3に備えた冷却水のズル11から冷却水を噴出すればよいものである。なお、レーザ切断加工位置へワークWを搬入するときに、ワークWに対して冷却水を全面的に噴射する構成としては、前記レーザ切断加工位置へのワークWの搬入経路の上方に適宜構成の冷却水ノズルを備えた構成とすればよいものである。この場合、ワーク検出センサを備えて、ワークWが所定位置に搬入されたときに冷却水ノズルから冷却水を噴射し、上記所定位置を経過したときに冷却水の噴射を停止する構成とすることが望ましいものである。
【0034】
前述のように、ワークWの上面のほぼ全面に冷却水の噴射を行ってワークWを全体的に予め冷却してレーザ切断加工を行う場合、ワーク上面が冷却水によって濡れた状態にあるときに、レーザ切断加工を開始することが望ましいものである。
【符号の説明】
【0035】
1 レーザ切断加工装置
3 レーザ加工ヘッド
9 温度センサ
11 冷却水ノズル
31 加工プログラム格納手段
33 噴射動作プログラム格納手段
35 設定値メモリ
37 比較手段
図1
図2