(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1乃至第3の粘着層が、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ウレタン系粘着剤、フッ素系粘着剤、エポキシ系粘着剤、ポリエーテル系粘着剤から選択される少なくとも1種以上の組み合わせからなる請求項1記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0027】
(装置構成)
図1は、第1の実施形態の電子デバイスの製造装置の断面図である。
装置ベース1上には、例えば複数の平行なレールにより構成される走行ガイド2が設置されている。さらに、走行ガイド2上には、第1の搬送テーブル3および第2の搬送テーブル4が搭載されており、それぞれ第1の走行装置5、第2の走行装置6によって、走行ガイド2に沿って移動することができる。
【0028】
第1の搬送テーブル3は、第1の走行装置5上にアライメント装置7を有し、さらにアライメント装置7上に、横行装置8を有しており、第1の搬送テーブルの移動とともに移動する。
【0029】
横行装置8は、第1の基板9を走行ガイド2の長手方向と垂直方向(
図2中H方向)に移動することができる。横行装置8は、第1の粘着層を有し、かつ前記第1の粘着層上に複数の電子デバイスチップ(以下、デバイスチップという)17を粘着している第1の基板9を、載置し把持することができる第1の基板支持台(図示しない)を有する。第1の基板支持台は、第1の搬送テーブルの走行ガイド2に沿った移動や、横行装置8による移動により、横行装置8上の第1の基板9の位置がずれることを防止する。第1の基板支持台は、機械的に第1の基板9の側面または上面を押圧し把持しても、裏面から吸引し第1の基板9を把持してもよく、またこれらに限定されることなく、第1の基板9の位置を固定することができる装置であれば良い。第1の基板9の形状、性状により把持方法を選択すれば良い。
【0030】
デバイスチップ17は、例えばLED等の発光素子、受光素子、圧電素子、加速度センサー、NEMSやMEMS等を用いたマイクロデバイスチップ、電荷蓄積方式またはMRAM、FeRaM、PCM等の他の方式による記憶素子、スイッチング素子、マイコン等の演算処理デバイスチップなどのデバイスチップが例示されるが、これらに限定されるものではない。また第1の基板9は、第1の粘着層を有し、例えばシリコンウェハ、化合物半導体ウェハ、ガラス基板、サファイア等の金属酸化物などの基板を利用して製造された複数のデバイスチップが粘着する平坦な基板からなり、4インチから8インチの円形の基板であることが多いが、これに限定されるものではない。また、第1の基板9自体が、粘着性を有する基板であり、第1の粘着層を兼ねても良い。これらのデバイスチップ17は、移載する対象物となる。
【0031】
アライメント装置7は、走行ガイド2の長手方向に平行な方向に移動する機構と、前記長手方向と垂直な鉛直方向の(P方向と平行な方向の)回転軸の周りに回転する回転機構を有し、第1の基板9の位置(第1の基板9の基準位置)を光学的手段等により把握し、所定の位置に、空間分解能0.1[μm]の精度で最大移動距離が数ミリ(例えば3〜5ミリ程度)の範囲で第1の基板9を載置(位置合わせ)することができる。
上記回転機構により、走行ガイド2の長手方向や、後述する第1のドラム11の第1の回転軸15の長手方向に対する角度調整も可能である。
【0032】
第2の搬送テーブル4は、第2の走行装置6上にアライメント装置20を備える。アライメント装置20は、デバイスチップ17の移載先である第2の基板10(ワーク)を載置することができるよう第2の基板支持台(図示しない)を有している。第2の基板支持台は、第2の搬送テーブル4の走行ガイド2の長手方向の移動により、第2の基板10の位置がずれることを防止する。第2の基板10にデバイスチップ17を移載する箇所には第2の粘着層が形成されている。
なお、第2の基板10は、ガラス等の硬質な基板だけでなく、可撓性のあるフレキシブルな基板や、デバイスチップの製造工程における熱処理、薬品処理、プラズマ処理などの工程に対する耐性に乏しい基板であっても良い。
【0033】
第2の搬送テーブル4に搭載されているアライメント装置20は、アライメント装置7と同様のアライメント精度を有する。
【0034】
第2の基板支持台は、機械的に第2の基板10の側面または上面を押圧し固定する装置であっても、裏面から吸引する装置であってもよく、またこれらに限定されることなく、第2の基板10の位置を固定することができる装置であれば良い。第2の基板10の形状、性状により把持方法を選択すれば良い。
【0035】
第2の基板10は、例えば、デバイスチップ17がLEDである場合、表示画面用の基板であり、表示装置の大画面化にともない、第1の基板9より大面積であることが多い。また、第2の基板10は、表示画面用の基板に限定されるものではなく、デバイスチップ17を載置する対象物であり、製造する電子デバイスの種類やデバイスチップ17の種類、に依存する。
【0036】
図1に示すように、第1の搬送テーブル3および第2の搬送テーブル4より上方に、円柱形状の第1のドラム11(取り出し胴ドラム)および第2のドラム12(反転胴ドラム)が設置されている。
【0037】
第1のドラム11は、円柱形状であり、
図2に示すように走行ガイド2の長手方向と垂直な回転軸15を有し、回転軸15の周りに回転するよう回転装置(図示せず)を有している。回転軸15の両端には、
図1のP方向に第1のドラム11を移動させるため、それぞれ昇降装置(図示せず)を有し、それぞれ鉛直方向に独立に駆動することで傾きを制御し、第1の基板9の表面と回転軸15とが平行になるように調整可能である。
【0038】
また、第1のドラム11の回転軸15の一端を基準とし、鉛直方向に延びる支持軸を備え、支持軸を回転中心として水平方向に回転軸15の他端を旋回可能とする機構を、第1のドラム11に備えることにより、走行ガイド2の長手方向と回転軸との交差角(傾き)を調整することができる。この調整は手動であっても直動軌道であってもよい。
【0039】
第2のドラム12は、円柱状であり、
図2に示すように走行ガイド2の長手方向と垂直な回転軸16(
図2参照)を有し、回転軸16の周りに回転するよう回転装置(図示せず)を有している。回転軸16の両端には、
図1のP方向に第2のドラム12を移動させるため、それぞれ昇降装置(図示せず)を有し、それぞれ独立に駆動することで、第2の基板10の表面と回転軸16とは平行になるように調整可能である。さらに走行ガイド2の長手方向と平行な方向に前後移動させるドラム移動装置(図示せず)も備えている。
【0040】
第1のドラム11および第2のドラム12の各回転軸15、16周りの回転は、各回転軸15、16に直結したダイレクトドライブモータ及び一定以上の高い分解精度を有する回転位置検出エンコーダの組み合わせにより駆動し、また回転角の検出を行う。
【0041】
図2に示すように、第2のドラム12の回転軸16は、第1のドラム11の回転軸15と平行になるよう設置されている。
【0042】
第1のドラム11、第2のドラム12の直径としては、例えば100〜500[mm]が、加工精度の観点で好適に使用し得るが、この範囲に限るものではない。
【0043】
第1のドラム11の回転軸15に垂直な平面における半径R
1と第2のドラム12の回転軸16に垂直な平面における半径R
2とは、異なっていても良い。両半径が同じである場合、第1のドラム11と第2のドラム12とを接触させた場合、接触面における圧力の均一性を確保し易くなる。
【0044】
図2、
図3に示すように、第1のドラム11の表面には、選択的粘着領域、具体的には凸形状部13を有する、例えばシリコーンゴム等の樹脂製の第3の粘着層14aが装着されており、第2のドラム12にもシリコーンゴム等の樹脂製の第4の粘着層14bが装着されている。なお、第1の粘着層、第2の粘着層についても同様の樹脂を使用することができる。
【0045】
また、半径R
1は回転軸15の中心から凸形状部13の表面までの距離であり、半径R
2は回転軸16の中心から第4の粘着層14bの表面までの距離である。デバイスチップ17が凸形状部13または粘着層14bに粘着している場合は、回転軸15または回転軸16の軸中心からデバイスチップ17の表面、すなわち粘着している面と対向する面までの距離である。さらに詳細には、これらのドラムを接触させる場合は、押し込み量を与えるため、半径の基本的な定義としては、
半径R
1=(第1のドラム中心から凸形状部またはデバイスチップ表面)−(押し込み量または、その1/2)
半径R
2=(第2のドラム中心から粘着面またはデバイスチップ表面)−(押し込み量または、その1/2)
となり、接触させる相手面が堅い(硬度が高い)場合は、「押し込み量」、弾性体の場合は「−押し込み量の1/2」を選択する。
【0046】
第1のドラムの凸形状部材料の硬度差がある場合には、弾性がある方の変形量が大きくなるため、デバイスチップを粘着し剥離する際、剥離の終了とともに弾性変形が戻る瞬間にドラムの回転速度(周速度、角速度)が速くなったと同様に位置ずれが発生する可能性がある。
これらの変動を抑制するために押し込み量(刷り効果)を制御する必要があり、
例えば、デバイスチップが形成されている基板内でのデバイスチップの配置に疎密が有った場合には、刷り効果が変動することから、移載の位置精度不良等の原因となるため、ドラムの回転速度(周速度、角速度)を制御する必要が有る。
【0047】
第3の粘着層14aの凸形状部13は、別途凸形状部13に対応する凹部のパターンを備えた、例えば金属製の凹版を準備し、凹版上に光硬化樹脂や熱硬化樹脂を流し込み硬化することで形成することができる。また、第3の粘着層14aとして光硬化樹脂を使用し、リソグラフィー法を用いても良い。粘着層14aの厚さは、例えば5〜500[μm]であり、凸形状部13における粘着層の厚さは、凸形状部13の大きさ/粘着層の強度に依存し、凸形状部13は、他の部分の第3の粘着層14aより、例えば5〜250[μm]突出した形状であるが、上記形状に限定されるものでは無い。
【0048】
なお、上記のように選択的粘着領域を、突出した凸形状部13により形成する代わりに、選択的粘着領域を他の領域と比較して、粘着力を高くすることにより形成しても良い。
すなわち、粘着粘着特性を有する樹脂等、例えば、紫外線硬化樹脂により第3の粘着層14aを平面的に形成し、第3の粘着層14aに対し、取り出す対象であるデバイスチップ17の配置位置に対応した選択的粘着領域以外の領域に、紫外線を照射することによりその部分の樹脂を重合して硬度を高めることで同時に、接着性を低下させてもよい。なお、この場合、半径R
1の算出式における「第1のドラム中心から凸形状部またはデバイスチップ表面」は、「第1のドラム中心から第3の粘着層14aまたはデバイスチップ表面」となる。
【0049】
紫外線を選択的に照射する方法としては、紫外線を透過、または、遮光する照射領域を選択するマスクを使って露光処理を行ってもよく、直接的に紫外線を使用して描画を行ってもよい。これにより、凹版の製作を必要とせず、選択的粘着領域を形成することができる。
【0050】
なお、粘着層の材料は、紫外線硬化型樹脂でも良いし、熱硬化型樹脂であってもよい。また、第3の粘着層14aに用いられる樹脂は、これらに限定されず、その樹脂に対しデバイスチップ17の配置に合わせて、選択的粘着領域以外の領域の粘着力を低下させることができれば、特に組成、方法には限定しない。ただし、選択的粘着領域以外の領域のデバイスチップ17との粘着力は、第1の粘着層のデバイスチップ17との粘着力より低くなるように設定する。
【0051】
第1のドラム11の第3の粘着層14aの凸形状部13が、第1の基板9上のデバイスチップ17に接する位置まで、昇降装置により、第1のドラム11を降下させることができ、第2のドラム12の第4の粘着層14bが、第2の基板10の粘着層に接する位置まで、昇降装置により、第2のドラム12を降下させることができる。より正確には第2のドラム12の第4の粘着層14b上に粘着されたデバイスチップ17が、第2の基板10の粘着層に接する位置まで降下させることができる。
なお、第4の粘着層14bは、第3の粘着層14aと同様に粘着特性を有する樹脂が使用でき、その厚さは、例えば5〜500[μm]である。
【0052】
第1及び第2のドラムの外周面は、第1及び第2の搬送テーブル表面に対し平行となる基準位置からの昇降動作を行い、ドラムの回転中心軸と搬送テーブルの走行軸は基準調整により直交精度を確保されているものとする。
【0053】
アライメント装置7は、第1のドラム11の基準位置を検知し、第1の基板9と第1のドラム11とのアライメントを実行し、アライメント装置20は、第2のドラム12の基準位置を検知し、第2の基板10と第2のドラム12とのアライメントを実行することができる。上述のとおり、アライメントの空間分解能は0.1[μm]であり、最大移動距離が数ミリ程度のアライメントが可能である。
【0054】
第1のドラム11上に形成された凸形状部13は、光学装置によりその位置が認識され、その位置情報を参照して、第1の搬送テーブル3のアライメント装置7により、第1の基板9上の各デバイスチップの位置と位置合わせされている。従来の板状の中継基板を用いた場合、平面での位置合わせが必要であったが、実質直線上の領域での位置合わせでよく、さらに印加する応力を低減できるため、応力によるひずみを軽減し、位置合わせ精度が向上する。
【0055】
第1の基板9上のデバイスチップの配置パターンに合わせて、凸形状部13が形成されている。例えば、デバイスチップが第1の基板9上に、一定のピッチで格子点上に配置されている場合、そのピッチと同じ、またはそのピッチの整数倍のピッチで、凸形状部13は第1のドラム11の表面に形成されている。また、
図4(a)に示すように、ピッチは、必ずしも一定である必要はなく、第2の基板10に移載する配置に合わせて、取り出す(ピックアップする)デバイスチップ17を選択できるように、凸形状部13のパターン配置を決定すれば良い。なお、
図4は、第1のドラム11の粘着層14aを平面に展開した図であり、
図4においてX方向は、第1のドラム11の回転軸15に平行な方向、Y軸は、回転軸15に平行な方向と垂直な方向を示し、第1のドラム11の円周に沿った方向である。
【0056】
第1の搬送テーブル3は、
図1中矢印のA方向に、第1の走行装置5によって、走行ガイド2上を、第1の基板支持台の表面の水平レベルを維持しながら移動する。第1の基板9は、第1の搬送テーブル3とともに同じ速度で移動する。第1の走行装置5と同期して、第1のドラム11は、その位置が固定されたまま、回転装置により
図1中矢印B方向に回転することができる。
【0057】
第1のドラム11の回転装置と第1の走行装置5とは、独立して動作し、互いに動作が干渉することがないため、第1の搬送テーブル3と第1のドラム11との鉛直方向の距離(回転軸15と第1の基板9の表面との最短距離)を精度良く一定に保つことが容易となる。
【0058】
(デバイスチップの移載プロセス)
以下では、上記電子デバイスの製造装置を用い、デバイスチップを第1の基板9から第2の基板10へ移載することにより電子デバイスを製造する方法について説明する。
【0059】
まず、複数のデバイスチップ17を第1の粘着層に粘着する第1の基板9を第1の搬送テーブル3の第1の基板支持台に載置し、アライメント装置7により第1の基板9と第1のドラム11とのアライメントを行った後に、第1のドラム11を第1の基板9上に位置せしめる。その後、第1のドラム11を降下し、第1の基板9上のデバイスチップ17と第3の粘着層14aの凸形状部13とを接触させる。
【0060】
なお、降下した時点で凸形状部13とデバイスチップ17とが必ずしも接触する必要はなく、降下時点では両者は接触せず、その後、後述のように第1のドラムを回転し、第1の基板を移動させることによって凸形状部13とデバイスチップ17とが接触しても良い。
【0061】
図3は、第1のドラム11と第1の基板9の接触部の拡大図である。凸形状部13は、第1の基板9の第1の粘着層(図示しない)上のデバイスチップ17と接触し、粘着する。
第1の搬送テーブル3がA方向に移動し、第1のドラム11がB方向に回転することにより、第1の基板9上からデバイスチップ17が剥離し、第1のドラム11に移載される。
【0062】
第1のドラム11の回転運動により、凸形状部13と第1の基板9のデバイスチップ17との接触と、デバイスチップ17の第1の基板9からの剥離とは連続過程で実行することができる。第1のドラム11が回転すると、デバイスチップ17は、凸形状部13の粘着力によって第1の基板9に対して斜め上方への力が加えられ、第1の基板9の表面から剥離され、そして第1の基板9の表面から剥離されたデバイスチップ17は、第1のドラム11表面の第3の粘着層14aに形成された凸形状部13上に移載されるからである。
【0063】
このように、剥離過程においては、デバイスチップ17は、それぞれ端面から引き揚げていくため、個々のデバイスチップ17に対して剥離に必要な力を小さくすることができ、安定したデバイスチップ17の第1のドラム11への移載が可能となる
【0064】
さらに凸形状部13とデバイスチップ17との接触領域は、従来技術の中継基板が平面であるのに対し、上記実施形態の装置においては、第1のドラム11の回転軸15と平行な直線で接触する。そのため、従来技術と比較し、接触領域が狭く、第1のドラム11の第1の基板9への圧力も軽減でき、接触領域での圧力の均一性を向上することができる。その結果圧力による凸形状部13を有する粘着層14aの変形が抑制され、デバイスチップ17の凸形状部13上でのずれを低減することができる。
この効果は、後述する第2のドラム12を第2の基板10の第2の粘着層に押圧する場合も同様であり、デバイスチップ17の第2の基板10上での配置ずれを抑制することができる。
【0065】
第1の基板9から第1のドラム11へのデバイスチップ17の移載を可能にするには、第1の基板9の第1の粘着層とデバイスチップ17との粘着力と比較し、第1のドラム11の凸形状部13とデバイスチップ17との粘着力を強くすれば良い。
【0066】
第1の基板9の第1の粘着層にデバイスチップ17を粘着力させる方法は、例えば、ウェハ上にLEDを製造した場合、既知の実装技術を利用することができる。すなわち、ダイシングフレームに貼付され、ダンシングされたウェハ(半導体基板)を用いれば良い(例えば特開2003−318205参照)。この場合、ダイシングフレームが第1の基板9に相当し、ダイシングフレームの樹脂製シートが第1の粘着層に相当し、ダイシングされたウェハの各チップが、デバイスチップ17に相当する。ダイシングフレームの樹脂製シートは、市販の粘着力が既知のシートを利用することも可能であるが、粘着力を調整した粘着層を樹脂製シート上に形成してもよい。これにより、第1の基板9の第1の粘着層とデバイスチップ17との粘着力を調整できる。
【0067】
なお、上記は一例に過ぎず、上記例に限定されず、デバイスチップ17はLED以外のデバイスチップであってもよく、デバイスチップの種類、製造方法に対応して粘着力が規定できる方法により第1の基板9の第1の粘着層とデバイスチップ17とが粘着すれば良い。
【0068】
図3に示すように、第1のドラム11の各凸形状部13は、第1の基板9の各デバイスチップ17と個々に接するように回転速度(角速度)が調整されている。例えば、凸形状部13のピッチをS、第1の基板9のデバイスチップ17のピッチをdとする。凸形状部13のピッチとデバイスチップ17が同じとき、第1の搬送テーブル3の矢印A方向の速度がV
Aであれば、第1のドラム11の角速度をωとすると、ω=ω
0=V
A/R
1となる角速度で、第1のドラム11を回転すれば良い。ここで、R
1は上述の通り第1のドラム11の半径である。なお、
図3において、ピッチSおよびdは、一定(等間隔)の例を示しているが、上記関係式については、Sおよびdに依存せず、等間隔でない場合にも成立し、必ずしも等間隔である必要はない。
【0069】
また、角速度ωを、上記ω
0から変更することで、凸形状部13のピッチSと第1の基板9のデバイスチップ17のピッチdとを相対的に変更することも可能である。
例えば、角速度ωをω
0と異なる値ω
1に変更すると、第1の基板9がピッチdだけ移動するのに要する時間はd/V
Aであるため、凸形状部13のピッチSはS=R
1ω
1(d/V
A)となる。これより、S/d=R
1(ω
1/V
A)となるため、ピッチSとdの比は第1のドラム11の角速度ω
1と第1の搬送テーブル3の移動速度V
Aに比例するため、角速度を変更することにより、凸形状部13のピッチSと第1の基板9上のデバイスチップ17のピッチdとを、異ならしめることが可能であり、例えば数十[μm]程度の変更が可能である。また、逆に移動速度V
Aを変更してもよい。
【0070】
この場合、第1のドラム11の角速度ω
1と第1の搬送テーブル3の移動速度V
Aの比を一定にすることにより、一律にピッチの比を変更することが可能である。さらに、ピッチSおよび/またはdが一定でない場合、その位置依存性の情報を記憶装置等に保管し、その情報に応じて角速度または移動速度を設定することにより、第1の基板9上のデバイスピッチdに対して任意に凸形状部13のピッチSを変更することも可能である。
【0071】
図4(b)は、
図4(a)の凸形状部13の配置のピッチを変更した1つの例を示したものである。角速度の調整により、第1の基板9のデバイスチップ17の配置を変えることなく、Y軸方向の配置を
図4(a)から
図4(b)に示すように配置の変更が可能である。
【0072】
また、第1のドラム11を回転させながら、第1の基板9をA方向およびA方向と垂直方向に移動させ、A方向のみならずA方向に垂直な方向についても、凸形状部13の配置を変更することができる。
【0073】
図4(c)は、上記状況を示す凸形状部13の配置を変更する1つの例を示し、X軸方向の配置をずらした(変更した)ものである。第1の基板9のデバイスチップ17の配置を変えることなく、第1の基板9のA方向に垂直な方向での移動により、配置を変更した凸形状部13にデバイスチップ17を移載することができる。なお、この場合は
図4(c)に示すように、凸形状部13のA方向に垂直な方向のピッチが変更するのではなく、各凸形状部13の位置が平行にシフトすることになる。
【0074】
また
図4(d)は、X軸方向、Y軸方向ともに凸形状部13の配置をずらしているが、第1の基板9のA方向に垂直な方向とA方向の移動と第1のドラム11の角速度の調整により、第1の基板9のデバイスチップ17の配置を変えることなく、凸形状部13上に移載することができる。
【0075】
上述のように第1の基板9のデバイスチップの配置を変更することなく、凸形状部13の配置を
図4(a)から
図4(b)、(c)、(d)へと変更し、それぞれの凸形状部13に、同一の第1の基板9から、デバイスチップ17を選択して、粘着できるため、後述のように第2の基板上において、デバイスチップ17の配置の変更を可能にする。これにより、多彩な電子デバイスの製造が可能になる。従来のような平らな中継基板を用いた方式では、第1の基板9のデバイスチップ17の配置を変更することなく、実現することは不可能である。
【0076】
デバイスチップ17を第1のドラム11の凸形状部13上に移載後、
図5に示すように、第1のドラム11を上昇させ、第2のドラム12を第1のドラム11と接触する位置まで、A方向と反対方向(C方向)に移動させる。そして、第1のドラム11と第2のドラム12とを互いに逆方向(B方向およびD方向)に回転させる。
図5は、第1の基板9は、第1のドラム11のデバイスチップ17を移載した直後の位置のまま移動していない状態を示すが、第1の基板9は、A方向と反対方向に移動し、元の位置(
図1参照)に戻しても良い。
【0077】
このとき、第1のドラム11と第2のドラム12の接触個所において、互いに半径の接線方向の速度は同じになるように、第1のドラム11と第2のドラム12の角速度を設定する。すなわち、第1のドラム11の回転軸15周りの角速度をω
B、第2のドラム12の回転軸16周りの角速度をω
Cとすると、それぞれの回転方向は互いに逆方向であるため、ω
B=−ω
C(R
2/R
1)となるように設定する。
【0078】
第1のドラム11と第2のドラム12とが接する箇所において、第1のドラム11と第2のドラム12に加わる力が均等になるため、好適には、第1のドラム11の上記半径R
1と第2のドラム12の上記半径R
2とを同じ値に設定し、ω
B=−ω
Cとする。
【0079】
第2のドラム12の第4の粘着層14bは、第1のドラム11の粘着層14aと比較し、強い粘着力を有する樹脂を使用する。その結果、第1のドラム11のデバイスチップ17は、第1のドラムの粘着層14aの凸形状部13から剥離され、第2のドラム12の粘着層14bに移載される。なお、第4の粘着層14bは第3の粘着層14aと異なり、凸形状部(選択的粘着領域)を有せず、第4の粘着層14b全面でデバイスチップを粘着する。
【0080】
その後
図6に示すように、第2のドラム12は、ドラム移動装置により、第2の基板10上に移動した後に、第2のドラム12に粘着したデバイスチップ17が第2の基板10の第2の粘着層表面に接するまで、昇降装置によって第2のドラム12が降下する。その後、第2の基板10は、走行装置6により、A方向と反対方向であるC方向に移動するとともに、第2のドラム12は、D方向に回転する。
なお、第2の走行装置6により第2の搬送テーブル4を移動し、第2の基板10上に第2のドラム12を位置せしめてもよい。相対的な位置関係が確定すればよく、いずれを移動させても良い。これは他の相対位置を確定する場合においても同様である。
【0081】
第2の基板10と接する第2のドラム12のデバイスチップ17の第2のドラム12の接線方向の速度が、第2の基板10のC方向に移動する速度と同じになるように、第2のドラム12の角速度を設定し、第2のドラム12をD方向に回転させる。例えば、第2の基板10のC方向の移動速度をV
Dとすると、第2のドラム12の上記半径がR
2であるため、第2のドラム12の角速度をV
D/R
2とすれば良い。
【0082】
なお、第1のドラム11の角速度と第1の基板9の移動速度との関係同様に、上記第2のドラム12の角速度と異なる角速度にすることも可能であるが、第2のドラム12に粘着したデバイスチップ17は、すでにその配置が調整されて整列しているため、通常第2のドラム12の角速度は、上記関係の角速度とすればよい。
【0083】
また、上記実施形態においては、第2の基板10の移動方向がC方向の例を示したが、A方向に移動させ、第2のドラム12を、D方向と反対方向に回転させても良い。それぞれ、相対的な関係で確定するため、第2の基板10の移動方向に合わせて、第2のドラム12の回転方向を決定すれば良い。このことは、第1のドラム11と第1の基板9との関係においても同じであり、それぞれ上記実施形態の移動方向に限定されるものでは無い。
【0084】
また、第2のドラム12を、例えばD方向に回転させながらA方向に平行移動することにより、第2の基板10へデバイスチップ17を移載することも可能である。しかし、第2のドラム12の回転装置と第2の基板10を水平方向に平行移動させる走行装置6とを独立で動作させることにより、互いの動作が干渉することが無く、第2のドラム12と第2の基板10との鉛直方向の距離を精度良く一定に保持することが容易になる。
【0085】
このようにして、第1の基板9から、第1のドラム11の凸形状部13、および第2のドラム12を介して、第2の基板10にデバイスチップ17が移載される。そのため、凸形状部13の配置が第2の基板10のデバイスチップ17の配置を決定する。凸形状部13の配置は、上述のように調整が可能であり、例えば第2の基板10の中心部分で、デバイスチップ17のチップを広げたり、狭くしたりすることも可能である。
【0086】
なお、第1のドラム11から第2のドラム12へデバイスチップ17を移載するため、第2のドラム12を平行移動し、第1のドラム11と接触させる例について説明したが、第1のドラム11にドラム移動装置を備えることにより、第1のドラム11を平行移動させ第2のドラム12に接触させても良い。
【0087】
このように、デバイスチップ17の第2のドラム12から第2の基板10への移載が、一括して行えるため、タクトタイムを大きく削減することができる。
【0088】
なお、第2の基板10上でのデバイスチップ17の表裏関係を、第1の基板9と同じにするため、第2のドラム12を使用せず、第1のドラム11の凸形状部13上に粘着したデバイスチップ17を、直接第2の基板10に移載することも可能である。この場合、第1のドラム11にドラム移動装置を備えても良い。
【0089】
第2のドラム12を使用しない場合、上記説明において、第2のドラム12を第1のドラム11とすれば、第2の基板10にデバイスチップ17を移載できることが理解できるため、詳細は割愛する。
【0090】
また、第1のドラム11と第2のドラム12を使い分け、第1のドラム11のみの移載と第1のドラム11および第2のドラム12とを用いた移載を組み合わせることでデバイスチップの表裏面を混在させた配置を選択的に一括形成することも可能である。
例えば、第1の基板9から第1のドラム11を介して表裏関係を反転させたデバイスチップ17を第2のドラム12上に粘着させ、その後第1のドラム11に異なる配置の凸形状部13を有する粘着層14aを装着し、第1の基板9から表裏関係を反転させていない第1のドラム11の凸形状部13上にデバイスチップ17を粘着させ、その後順次第1のドラム11から第2の基板10へのデバイスチップ17の移載と、第2のドラム12から第2の基板10へのデバイスチップ17の移載を行っても良いし、或いはその逆の順で順次移載を行って良い。また、まず第1の基板9から第1のドラム11を介して第2の基板10へデバイスチップ17の移載を行い、その後第1のドラム11に、異なる配置の凸形状部13を有する粘着層14aを装着し、第1の基板9から第1のドラム11および第2のドラム12を介して第2の基板10へのデバイスチップ17の移載を行ってもよく、或いはその逆の順で移載しても良い。
【0091】
第2のドラム12の使用の要否については、第2の基板10でのデバイスチップ17の設置状態と第1の基板9でのデバイスチップ17の設置状態を比較すれば判断できる。以下、第2のドラム12の使用の要否判断について、理解のために例示するが、これらの例に限るものでは無い。
【0092】
例えば、デバイスチップ17を第2の基板10に移載後、デバイスチップ17の電気的端子(例えば、電力用接続端子、電気信号用接続端子)と、第2の基板10上の他の回路の電気的接続端子との電気配線の形成方法に依存して選択すれば良い。一例であるが、デバイスチップ17がLEDであり、発光面が第1の基板9の上面(表面)にあり、LEDの電力供給端子がその対向する面にある場合、第2のドラムを用いて表裏関係を反転させ、第2の基板10上では、LEDの電力供給端子のある面を上面に配置し、その後導電性配線を形成し、第2の基板10上に配置されたスイッチング回路等と電気的に接続することができる。
【0093】
また、デバイスチップ17が記憶素子であり、第1の基板9の上面側に電気的接続端子(電力供給用および電気信号用端子)がある場合、第2のドラム12を使用せずに、記憶装置の表裏関係を反転せずに、第1のドラム11から第2の基板10へ移載させても良い。
【0094】
上記のように第1の基板9から順に、第1のドラム11、第2のドラム12、第2の基板10へと、デバイスチップ17が移載されるためには、既に述べたようなデバイスチップ17との粘着力の関係が必要である。即ち、(第1の基板9の第1の粘着層の粘着力)<(第1のドラム11の第3の粘着層14aの選択的粘着領域の粘着力)<(第2のドラム12の第4の粘着層14bの粘着力)<(第2の基板10の第2の粘着層の粘着力)の順に粘着力が大きくなる。なお、第2のドラム12は使用しない場合もある。なお、上記の通り選択的粘着領域は凸形状部13に相当する。
【0095】
粘着層の粘着力は、粘着層の材料の配合を変えることで、制御することが可能である。
粘着層の材料としては、特に限定されないが、例えば、公知の粘着剤として、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ウレタン系粘着剤、フッ素系粘着剤、エポキシ系粘着剤、ポリエーテル系粘着剤などから選択される少なくとも1種以上の組み合わせを選択することが可能である。
また、前記粘着層の材料には、必要に応じて、粘度、および、剥離度の調整剤、粘着付与剤、可塑剤、軟化剤や、ガラス繊維、ガラスビーズ、金属粉、その他無機粉末等からなる充填剤、顔料、染料などの着色剤、pH調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤などから選択される1以上の添加物を含有させることも適宜可能である。
【0096】
表1は、粘着層の材料の組成の配合を変更し、粘着力と硬度を調査した結果の例を示す。表1に示すように、配合を変更することにより、粘着力を変更することが可能である。また、配合を変更することにより、粘着層の硬度も変化する。
なお、硬度は、JIS K 6253に則り測定し、粘着力はJIS Z 0237に則り測定した。
【0098】
樹脂の硬度が低い場合、粘着層どうしを接触させると、変形により、デバイスチップ17の配置精度が劣化するため、ある程度の硬度が必要である。また、硬度の高い樹脂は、粘着力が弱くなる傾向があり、粘着力の観点からも考慮が必要である。例えば、表1のシリコーン系樹脂の場合、好適には硬度30〜60の範囲で、所望の硬度の樹脂を各粘着層として選択できる。
【0099】
表1に列挙した樹脂から上記粘着力の組合せとして、例えば第1の基板9の第1の粘着層に配合A、第1のドラム11の第3の粘着層に配合B、第2のドラム12の第4の粘着層に配合D、第2の基板10の第2の粘着層に配合Eを使用することができる。
【0100】
粘着層の膜厚については、上記範囲で任意に設定が可能ではあるが、例えば、5〜100μmであることが好ましく、10〜60μmであることがより好ましい。
【0101】
粘着層の厚さが5μm未満では、密着性の低下が現れ、環境温度の大きな変化における耐久性が低下する。また、例えば、厚さが5μm未満の場合は、粘着材料を凸形状部13を有する第1のドラム11に使用する場合には、(1)押し込み量に依存するが、凸形状部13に粘着させて取出したい部分以外のデバイスチップ17も粘着してしまう、(2)粘着層形成時に下地としてプライマ層等が必要な場合、プライマの浸透等により粘着層の組成/性能が影響を受ける、(3)粘着層を構成する弾性体層が薄すぎると押し込み時の厚み方向の逃げ(応力の分散)が取れなくなり、デバイスチップ17への押し込み応力が増大し、デバイスチップ17が破損する可能性や凸形状部13が変形する可能性がある、(4)装置の精度限界という問題が懸念される。また、第2のドラム12に使用する場合、上記(2)、(3)および(4)の問題が懸念される。
【0102】
その一方で粘着層の厚さが100μm以上の場合には、粘着材料の組成物の塗布、乾燥時に気泡の残存や、粘着層の厚みの面内均一性が不均一という問題により、粘着性能の低下の要因となり得る。例えば、厚さが100μm以上の場合、凸形状部13を有する第1のドラム11に使用する場合、(1)厚すぎると押し込みに対する反力が小さくなり取り出しに必要なデバイスチップ17への刷り込みが少なくなり、取り出せない場合が出てくるので押し込み量を大きくとる必要がある、(2)押し込み量が大きくなると変形量が大きくなり位置精度が低下するという問題がある。
【0103】
また、凸形状部13の高さについては、接地面積との関連性もあるため、アスペクト4以下が好ましい。デバイスチップ17の位置精度は、凸形状部13の変形等の影響を受ける。位置精度を考慮すると、凸形状部13の形状は、好適には、凸形状部13が無い部分の第3の粘着層14aより、高さは5〜60μm以下、アスペクト比4以下であり、断面形状の側面が垂直でなく20〜80度のテーパ角を有することが好ましく、特に高い位置精度(例えばシングルマイクロメートルオーダー)を実現するためには、その最適形状条件は、好適には、凸形状部13が無い部分の第3の粘着層14aより、高さ10〜40μm、アスペクト比2〜3であり、側面のテーパー角は30〜60度である。凸形状部13の形状は、位置精度の他に移載対象となるデバイスチップの形状や物性(硬度、表面状態等)等を考慮し、上記の範囲から適宜選択する。このように選択的粘着領域については、凸形状部13の配置によりデバイスチップの配置箇所を設定できるだけでなく、デバイスチップに適合するように、その形状を最適化することができる。
【0104】
さらに、粘着層を形成する工程において、一般的に粘着層が厚くなると樹脂の硬化時の収縮による引け(体積収縮)が発生するため、厚すぎると形状安定性が低下する、粘着層形成時に気泡の混入の危険性が増大するという問題が生じる。そのため、気泡等の混入については、材料の混合時に真空攪拌技術を採用し、母型(凹版)への材料の流入性を界面の接触角で制御を行う必要がある。また、粘着層が薄い場合は、表面張力によるハジキ/偏りの影響が有る。密着性のためプライマ層を用いると、プライマ層の溶解/浸透等により、粘着層の組成に対して影響が現れるという問題がある。
【0105】
なお、第2の基板10にデバイスチップ17を配置した後に、例えばUV硬化樹脂をデバイスチップ17および第2の基板10上に形成することにより、デバイスチップ17を固着しても良い。
【0106】
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について説明する。
【0107】
例えば、LEDを移載する場合、第1の基板9に粘着させるデバイスチップの製造には、半導体プロセスで使用される円形のウェハを用い、シリコン単結晶の場合4〜8インチのウェハを用いることが多く、最大でも12インチであり、III−V族化合物半導体の場合、3〜4インチのウェハを用いることが多く、第1の基板9のサイズはこれらのウェハサイズにより決定される。それに対して、第2の基板10は、例えば対角線長さが50インチ等の大画面の表示装置であることもある。このように、第1の基板9と第2の基板10との間で大きさが相違する場合、特に第1の基板9より第2の基板10のサイズ(幅)が大きい場合においても、本実施形態は有効に対応することができる。
【0108】
図7に示すように、第1のドラム11の凸形状部13が形成されている領域の回転軸15方向の長さLは、第2の基板10にデバイスチップ17を移載する領域(移載領域18)の幅(回転軸15と平行な方向の長さ)Wと同じかそれ以上に設定する。
【0109】
第1のドラム11の凸形状部13の一端、例えば図中右端(点線α)は、第1の基板9上に形成されているデバイスチップ17のうち、移載するため剥離するデバイスチップ17の剥離領域19の図中右端(点線β)と位置を合わせる。すなわち、A方向に第1の基板9を移動させ、第1のドラム11を回転した際に、凸形状部13の両端のうちの一端部が、第1の基板9上のデバイスチップ17を粘着できるように、第1の基板9の位置を調整する。横行装置8により、第1のドラム11の回転軸15の長手方向と平行な方向に第1の基板9を動かすことにより、第1の基板9の位置調整を行うことができる。
【0110】
なお、凸形状部13と第1の基板9の上記位置関係(点線αと点線βの関係)は一例であり、この位置関係は凸形状部13と第1の基板9のデバイスチップ17の配置ならびに凸形状部13の形状とデバイスチップ17の形状に応じて適宜設定することができる。凸形状部13により所定の領域のデバイスチップ17を取り出すことができれば良い。
【0111】
例えば、各凸形状部13の形状は各デバイスチップ17の形状に応じて変えることができ、同じ形状であってもよく、円形、楕円形、矩形等であってもよく、1つのデバイスチップ17に対応する凸形状部13は1つの凸形状部から構成されても、複数の凸形状部の集合であってもよい。また、凸形状部13の形状をデバイスチップ17の形状より広く、若しくは狭く設定しても良い。例えば凸形状部13の形状がデバイスチップ17より狭い場合、点線βは図面左側にシフトしてもよく、凸形状部13の形状がデバイスチップ17より広い場合、点線βは図面右側にシフトしてもよい。
【0112】
その後、第1のドラム11の凸形状部13を、第1の基板9のデバイスチップ17の表面に接することができる位置まで降下させる。そして、第1の基板9をA方向に移動させるとともに、第1のドラム11を回転させ、第1の基板9上のデバイスチップ17を選択的に凸形状部13に粘着させる。第1のドラム11の回転速度と第1の基板9の移動速度、移動方向の関係については、第1の実施形態に記載のとおりである。
【0113】
次に
図8に示すように、第1のドラム11を上昇させ、第1の基板9を、デバイスチップ17を粘着させる前の位置に戻し、第1の基板9からデバイスチップ17を剥離する領域(剥離領域19)の幅に相当する距離だけE方向に、すなわち第1のドラム11の回転軸15の長手方向と平行な方向で、かつ第1のドラム11の凸形状部13に、デバイスチップ17が粘着されていない領域に向かって、第1の基板9を移動させる。この時、後述するように、デバイスチップ17の移載が可能なように必要な距離(必要なピッチ分)第1の基板9をさらに移動させ、また第1のドラム11は、デバイスチップ17が粘着されていない凸形状部13が、次のデバイスチップ17の移載を行うことができる位置まで回転する。
【0114】
その後、上記工程、第1のドラム11によるデバイスチップ17の剥離および第1のドラム11の回転と第1の基板9の移動(
図8参照)を繰り返し、
図9に示すように、第1のドラム11の凸形状部13の全て、または第2の基板10に移載するために必要な箇所の凸形状部13に、デバイスチップ17を粘着させる。
【0115】
なお、複数のサイズの異なる製品に対応した異なる第2の基板10への移載を行うため、最も大きなサイズに対応した凸形状部13を有する第1のドラム11を準備し、より小さいサイズに対応した製品を製造する際、最も大きなサイズに対応した凸形状部13の一部を利用することも可能である。これにより、同じ第1のドラムの第3の粘着層14aを利用して、複数の電子デバイス製品を製造することができる。
【0116】
その後、第1の実施形態と同様に第1のドラム11の凸形状部13上に粘着しているデバイスチップ17を、第2のドラム12に移載し、第2のドラム11に粘着したデバイスチップ17を第2の基板10に移載する。
【0117】
なお、第2のドラム12を使用せずに、第1のドラム11から第2の基板10にデバイスチップ17を移載しても良いことは、第1に実施形態において説明した通りである。
さらに、第1のドラム11のみを使用して移載する工程と、第1のドラム11および第2のドラム12とを使用して移載する工程とを組合せ、適宜表裏関係の異なるデバイスチップの移載を行っても良い。
【0118】
上記実施形態においては、第1の基板9から第1のドラム11へ、デバイスチップ17を複数回移載する。1回の移載工程において、第1のドラム11に移載したデバイスチップ17は、第1の基板9上に存在しなくなる。従って、次の移載工程で第1の基板9からデバイスチップ17を第1のドラム11に移載するためには、例えば、第1の基板上のデバイスチップ17の1ピッチ分のシフト等、適宜第1の基板9の位置を調整する必要がある。
【0119】
以下では、
図10を用い複数回の移載のために必要な第1の基板9の位置の調整について説明する。簡単のために、第1の基板9上のデバイスチップ17が、等間隔の格子の各交点に位置する場合を想定する。
図10は、第1の基板9のデバイスチップ17の移載過程を示す平面図である。
図10において、A方向に平行な方向をX軸、A方向に垂直な方向をY軸とする。
【0120】
図10(a)に示すように、X方向にm個、Y方向にn個のデバイスチップ17を1つの単位(ユニット)とする。m、nは正の整数であり、いずれか一方は1より大きい整数とする。1つの単位にはmn個のデバイスチップ17を有する。なお第1の基板9から第1のドラム11へ、1回のデバイスチップ17の移載工程のみ行う場合は、m、nともに1であっても良い。
【0121】
図10(b)に示すように、1回目の移載により、各単位から1個のデバイスチップ17が、第1の基板9から第1のドラム11へ移載される。
【0122】
図10(c)に示すように、2回目の移載を行う場合、第1の基板9を剥離領域19の幅に相当する距離移動させたのち、さらにデバイスチップ17の配置の1ピッチ分だけ、X方向、又はY方向に移動し、第1の基板9から第1のドラム11へ、デバイスチップ17を移載する。
図10(c)は、X方向に1ピッチ分移動させて、デバイスチップ17を移載させた例を示す。
【0123】
以下同様に、第1の基板9のmn個のデバイスチップ17の各単位から、1個ずつデバイスチップ17を第1の基板9から第1のドラム11に移動させることができる。
【0124】
なお、
図10では、X方向に移動させたが、Y方向に移動させてもよく、またX方向およびY方向ともに1ピッチ分に移動させてもよい。また、mn個の単位内であれば、1ピッチ分より大きい距離だけ第1の基板9を移動させても良く、単位内の任意の位置のデバイスチップ17を適宜移載することができる。
【0125】
上記説明は、デバイスチップ17が、等間隔な格子点上に配置している例を示した。しかし、決められた規則に従ってデバイスチップが配置されていれば、複数のデバイスチップ17を1つの単位として構成することができる。それにより、1つの同一の第1の基板9から第1のドラム11への移載を複数回繰り返し、凸形状部13上に必要な数のデバイスチップ17を移載する(粘着させる)ことができる。なお、必要な数とは、第2の基板10に移載させるべきデバイスチップ17の数である。
【0126】
また、上記例はデバイスチップ17複数回移載するための系統的方法(手順)を例示するものであり、この方法に限定されることなく、複数回移載するため、適宜第1の基板9を移動しても良い。
【0127】
なお、さらに多くのデバイスチップ17を凸形状部13に移載するため、第1の基板9を複数用い、適宜基板を交換しても良い。また、異なる種類のデバイスチップ17を粘着している複数種類の第1の基板9を適宜交換することにより、同一の第1のドラム11に異なる複数種類のデバイスチップ17を移載しても良い。
【0128】
この場合においても、大面積の製品に対応した移載が可能であり、かつ第1のドラム11から第2のドラム12または第2のドラム12から第2の基板10への移載は一括して行うことができ、タクトタイムの縮減による製品の製造コストの低減が可能になる。