【実施例】
【0049】
合成例1
(1R)-1-[(3S,4S)-1-{[(4S)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル]カルボニル}-4-(3-{[1-(ジフェニルメチル)アゼチジン-3-イル]オキシ}-4-メトキシフェニル)-3-メチルピロリジン-3-イル]エタノ-ルの合成。
【化7】
【0050】
アセトニトリル(30mL)に懸濁させた(1R)-1-[(3S,4S)-1-{[(4S)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル]カルボニル}-4-(4-メトキシ-3-ヒドロキシフェニル)-3-メチルピロリジン-3-イル]エタノ-ル(2.0g)と炭酸カリウム(1.46g)の懸濁液に、メタンスルホン酸1-(ジフェニルメチル)アゼチジン-3-イル(2.51g)を加える。混合物を80℃で一晩加熱する。反応混合物を冷却し、酢酸エチル(100mL)に注ぎ入れ、水(40mL)及び塩水(40mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥して濾過し、濾液を蒸発乾固する。得られた残渣を精製(シリカゲル、60%酢酸エチル/ヘキサン〜酢酸エチル)して、標題化合物0.6gを得る。MS(ES+)=601(M+1)。
【0051】
合成例2
(1R)-1-[(3S,4S)-1-{[(4S)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル]カルボニル}-4-(4-メトキシ-3-{[1-(アゼチジン-3-イル]オキシ}フェニル)-3-メチルピロリジン-3-イル]エタノ-ルの合成。
【化8】
【0052】
メタノ-ル(20mL)に溶かした(1R)-1-[(3S,4S)-1-{[(4S)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル]カルボニル}-4-(3-{[1-(ジフェニルメチル)アゼチジン-3-イル]オキシ}-4-メトキシフェニル)-3-メチルピロリジン-3-イル]エタノ-ル(0.6g)の溶液を含むParr(商標)容器に、炭素担持水酸化パラジウム(60mg、乾燥基準で20重量%のPdをCが担持)を加える。懸濁液を、30psigの水素ガスで、水素ガスの吸収が止むまで水素化する。反応混合物をCelite(商標)で濾過し、濾液を蒸発させて標題化合物(0.4g)を得る。MS(ES+)=435(M+1)。
【0053】
合成例3
(3S,4S)-4-(3-(ベンジルオキシ)-4-メトキシフェニル)-3-((R)-1-ヒドロキシエチル)-3-メチルピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチルの合成。
【化9】
【0054】
酢酸エチル(200mL)に入れた(R)-1-((3S,4S)-4-(3-(ベンジルオキシ)-4-メトキシフェニル)-3-メチルピロリジン-3-イル)エタン-1-オ-ル(20.0g、58.57mmol)に、トリエチルアミン(0.6g、5.93mmol)を加える。反応物を0〜5℃に冷却する。反応温度を0〜5℃に保ちながら、メタノ-ル(60mL)に入れた二炭酸ジ-tert-ブチル(13.45g、61.63mmol)を反応物に加える。反応物を15〜20℃に温め、2時間撹拌する。水(200mL)を加え、層を分割する。水層を酢酸エチル(100mL)で逆抽出する。有機層を合わせ、水(100mL)で洗浄する。有機層を2容量まで濃縮する。n-ヘプタン(200mL)を加え、15〜20℃で16時間撹拌する。スラリ-を濾過し、濾紙上の固体をn-ヘプタンで洗浄する。濾紙上の固体を減圧下、50℃未満で乾燥して、標題化合物(22.0g、49.92mmol)を得る。
1H NMR(CDCl
3)δ0.58(d,J=8.8Hz,3H),1.02(m,3H),1.06(m,1H),1.48(s,9H),3.16(m,2H),3.58(m,4H),3.91(s,3H),5.24(m,2H),6.78(m,3H),7.36(m,5H);及び
13C-NMR(CDCl
3)δ(ppm)17.5,17.6,19.7,19.8,28.8,45.7,46.3,48.4,48.7,49.1,52.4,52.9,56.2,69.1,71.1,71.2,79.5,111.6,116.1,116.3,121.4,127.4,128.0,128.8,129.8,137.8,147.4,148.8,155.2,155.3。
1H及び
13Cスペクトルにおいて回転異性化が観測され、これにより関連するピ-クが2倍になっている。
【0055】
合成例4
(3S,4S)-3-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-4-(3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-3-メチルピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチルの合成。
【化10】
【0056】
メタノ-ル(50mL)に溶かした(3S,4S)-4-(3-(ベンジルオキシ)-4-メトキシフェニル)-3-((R)-1-ヒドロキシエチル)-3-メチルピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(5.0g、11.32)を含む反応溶液に、水酸化パラジウム(0.26g、1.85mmol)を加え、反応物を真空引きして、15〜20℃で138〜207kPaの水素雰囲気を得る。2時間後、反応物を珪藻土で濾過する。濾紙上の固体をメタノ-ル(10mL)で洗浄し、有機層を1〜2容量まで濃縮する。MTBE(25mL)を加え、有機物を1〜2容量まで濃縮する。さらなるMTBE(25mL)を加え、有機層を1〜2容量まで濃縮する。溶液にn-ヘプタン(50mL)を加え、5〜10℃で16時間撹拌する。スラリ-を濾過し、濾紙上の固体をn-ヘプタンで洗浄する。濾紙上の固体を減圧下、50℃未満で乾燥して、標題化合物(3.9g、11.10mmol)を得る。
1H NMR(CDCl
3)δ0.76(s,3H),1.11(d,J=6.4Hz,3H),1.48(s,9H),3.24(m,2H),3.60(m,5H),3.88(s,3H),5.62(brs,1H),6.78(m,2H),6.86(s,1H);及び
13C-NMR(CDCl
3)δ(ppm)17.6,17.7,19.6,19.7,28.8,45.9,46.1,46.5,48.5,49.1,49.2,49.6,52.7,53.2,56.2,69.3,79.5,110.6,110.7,115.5,115.7,120.6,120.8,130.7,145.5,145.8,155.3,155.4。
1H及び
13Cスペクトルにおいて回転異性化が観測され、これにより関連するピ-クが2倍になっている。
【0057】
合成例5
(3S,4S)-3-((R)-1-ヒドロキシエチル)-4-(4-メトキシ-3-((1-(5-メチルピリジン-2-イル)アゼチジン-3-イル)オキシ)フェニル)-3-メチルピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチルの合成。
【化11】
【0058】
ジメチルホルムアミド(700mL)に溶かした(3S,4S)-3-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-4-(3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-3-メチルピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(100g、274.3mmol)の溶液に、三塩基性リン酸カリウム・n水和物(238.1g、1.12mol)を加える。得られた混合物を90〜95℃に加熱する。ジメチルホルムアミド(30mL)に溶かしたメタンスルホン酸1-(5-メチルピリジン-2-イル)アゼチジン-3-イル(73.3g、289.81mmol)の溶液を、反応混合物に滴下する。滴下が完了したら、混合物を90〜100℃で撹拌する。16時間後、反応物を15〜25℃に冷却し、酢酸エチル(2500mL)及び水(2500mL)を加える。層を分割し、水層を酢酸エチル(2500mL)で逆抽出する。有機層を合わせ、12%塩水(2×2500mL)で洗浄して、有機層を減圧下、50℃で2〜3容量まで濃縮する。テトラヒドロフラン(300mL)を加え、減圧下、50℃で2〜3容量まで濃縮する。テトラヒドロフラン(300mL)を加え、減圧下、50℃で2容量まで濃縮する。テトラヒドロフラン(600mL)を加え、テトラヒドロフランに溶解した溶液として標題化合物(765.7g、264.65mmol)を得る。これをさらなる精製なしで次の反応で使用する。
【0059】
合成例6
(R)-1-((3S,4S)-4-(4-メトキシ-3-((1-(5-メチルピリジン-2-イル)アゼチジン-3-イル)オキシ)フェニル)-3-メチルピロリジン-3-イル)エタン-1-オ-ルの合成。
【化12】
【0060】
テトラヒドロフラン(88mL)に溶かした(3S,4S)-3-((R)-1-ヒドロキシエチル)-4-(4-メトキシ-3-((1-(5-メチルピリジン-2-イル)アゼチジン-3-イル)オキシ)フェニル)-3-メチルピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(22.0g、44.21mmol)の15〜20℃の溶液に、濃HCl(44mL、535.92mmol、12.18M)を加える。滴下が完了したら、溶液を30〜35℃に温める。4時間後、10%炭酸ナトリウム水溶液を加えてpHを8〜9に調整する。テトラヒドロフランが全て除去されるまで反応物を濃縮する。ジクロロメタン(440mL)を加え、層を分割する。有機層を水(220mL)で洗浄する。有機層を濃縮して、標題化合物(17.0g、42.77mmol)を得る。
1H NMR(CDCl
3)δ0.75(s,3H),1.17(d,J=6.4Hz,3H),2.15(s,3H),3.18(d,J=11.6Hz,1H),3.47(s,2H),3.65(m,2H),3.79(m,6H),4.07(m,2H),4.50(m,2H),5.10(t,J=5.2Hz,1H),6.27(d,J=8.4Hz,1H),6.65(s,1H),6.80(s,2H),7.29(m,1H),7.88(s,1H);及び
13C-NMR(CDCl
3)δ(ppm)17.3,17.8,19.3,46.8,48.0,49.6,50.3,51.1,55.7,58.0,67.5,68.8,106.3,111.5,114.3,121.5,122.0,128.0,138.5,145.9,146.8,148.5,158.6。
【0061】
合成例7
(1R)-1-[(3S,4S)-1-{[(4S)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル]カルボニル}-4-(4-メトキシ-3-{[1-ピリジン-2-イルアゼチジン-3-イル]オキシ}フェニル)-3-メチルピロリジン-3-イル]エタノ-ルの合成。
【化13】
【0062】
N-メチル-2-ピロリドン(3mL)に入れた(1R)-1-[(3S,4S)-1-{[(4S)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル]カルボニル}-4-(4-メトキシ-3-{[1-(アゼチジン-3-イル]オキシ}フェニル)-3-メチルピロリジン-3-イル]エタノ-ル(50mg)、2-フルオロピリジン(11.8mg)及び炭酸カリウム(31.8mg)の混合物を120℃で一晩加熱する。反応物を冷却し、塩化メチレン(40mL)に注ぎ入れ、水(10mL)で洗浄する。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、3mLになるまで蒸発させる。アセトニトリルを加え、粗生成物溶液を逆相クロマトグラフィ-(5%〜95%アセトニトリル/水)によって精製する。適切な分画を回収し、蒸発させて、標題化合物(22.1mg)を得る。MS(ES+)=512(M+1)。
【0063】
合成例8
(1R)-1-[(3S,4S)-1-{[(4S)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル]カルボニル}-4-(4-メトキシ-3-{[1-(5-メチルピリジン-2-イル)アゼチジン-3-イル]オキシ}フェニル)-3-メチルピロリジン-3-イル]エタノ-ルの合成。
【化14】
【0064】
標題化合物は、2-クロロ-5-メチルピリジンを使用して、本質的には合成例7の方法によって調製する。MS(ES+)=526(M+1)。
【0065】
(1R)-1-[(3S,4S)-1-{[(4S)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル]カルボニル}-4-(4-メトキシ-3-{[1-(5-メチルピリジン-2-イル)アゼチジン-3-イル]オキシ}フェニル)-3-メチルピロリジン-3-イル]エタノ-ルの代替合成。
【化15】
【0066】
(R)-1-((3S,4S)-4-(4-メトキシ-3-((1-(5-メチルピリジン-2-イル)アゼチジン-3-イル)オキシ)フェニル)-3-メチルピロリジン-3-イル)エタン-1-オ-ル(300g、754.68mmol)、ジメチルホルムアミド(3000mL)、酢酸エチル(1500mL)及びN-メチルモルホリン(375g、3.71mol)の溶液に、(S)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-カルボン酸カリウム(165g、891.13mmol)を加える。混合物を0〜10℃に冷却し、30分間撹拌する。1-プロパンホスホン酸環状無水物(675g、1.06モル、551.92mL)の50重量%酢酸エチル溶液を、内部温度を0〜10℃で維持する添加速度で加える。0〜10℃で30分間撹拌後、混合物を10〜20℃に温める。1時間後、水(6.0L)及び酢酸エチル(4.5L)を加える。層を分割し、水層を酢酸エチル(3.0L)で逆抽出する。合わせた有機層を水(3.0L)で洗浄し、3容量まで濃縮する。酢酸イソプロピル(1.5L)を加え、有機物を3容量まで濃縮する。酢酸イソプロピル(1.5L)を加え、15〜20℃で20時間撹拌する。スラリ-を濾過し、固体を減圧下で乾燥して、標題化合物(290.0g、551.7mmol)を得る。
1H NMR(CDCl
3)δ0.76(s,3H),1.20(d,J=6.4Hz,3H),1.45(m,6H),2.20(s,3H),3.75(m,3H),3.85(m,6H),4.20(m,4H),4.42(m,3H),4.68(m,1H),5.10(m,1H),6.30(d,J=8.4Hz,1H),6.65(d,J=12.8Hz,1H),6.85(d,J=2.4Hz,2H),7.30(d,J=8.4Hz,1H),7.98(s,1H);及び
13C-NMR(CDCl
3)δ(ppm)16.9,17.4,17.5,19.6,21.7,25.5,25.6,25.8,44.6,46.3,47.0,48.8,49.3,49.6,52.6,53.0,55.8,58.0,66.4,67.8,68.5,74.1,74.2,106.0,110.6,111.5,114.7,115.0,121.6,121.7,122.1,122.2,129.0,129.6,138.2,145.8,147.5,147.6,148.3,148.4,158.9,168.2,168.4。
1H及び
13Cスペクトルにおいて回転異性化が観測され、これにより関連するピ-クが2倍になっている。
【0067】
実施例1
(2S)-3-[(3S,4S)-3-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-4-{4-メトキシ-3-[(1-ピリジン-2-イルアゼチジン-3-イル)オキシ]フェニル}-3-メチルピロリジン-1-イル]-3-オキソプロパン-1,2-ジオ-ルの合成。
【化16】
【0068】
テトラヒドロフラン(2mL)に溶かした(1R)-1-[(3S,4S)-1-{[(4S)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル]カルボニル}-4-(4-メトキシ-3-{[1-ピリジン-2-イルアゼチジン-3-イル]オキシ}フェニル)-3-メチルピロリジン-3-イル]エタノ-ル(22.1mg)の溶液に、1.0M HCl水溶液(1mL)を加える。室温で一晩撹拌する。1.0M HCl水溶液(1mL)を加え、さらに8時間撹拌する。1.0M NaOH水溶液で中和し、酢酸エチルで抽出し、乾燥して蒸発させ、標題化合物(18.2mg)を得る。MS(ES+)=472(M+1)。
【0069】
実施例2
(2S)-3-[(3S,4S)-3-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-4-(4-メトキシ-3-{[1-(5-メチルピリジン-2-イル)アゼチジン-3-イル]オキシ}フェニル)-3-メチルピロリジン-1-イル]-3-オキソプロパン-1,2-ジオ-ルの合成。
【化17】
【0070】
標題化合物は、本質的には実施例1の方法によって調製する。MS(ES+)=486(M+1)。
【0071】
実施例3
結晶性(2S)-3-[(3S,4S)-3-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-4-(4-メトキシ-3-{[1-(5-メチルピリジン-2-イル)アゼチジン-3-イル]オキシ}フェニル)-3-メチルピロリジン-1-イル]-3-オキソプロパン-1,2-ジオ-ルの調製。
【0072】
(2S)-3-[(3S,4S)-3-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-4-(4-メトキシ-3-{[1-(5-メチルピリジン-2-イル)アゼチジン-3-イル]オキシ}フェニル)-3-メチルピロリジン-1-イル]-3-オキソプロパン-1,2-ジオ-ルの代替名は、(S)-2,3-ジヒドロキシ-1-((3S,4S)-3-((R)-1-ヒドロキシエチル)-4-(4-メトキシ-3-((1-(5-メチルピリジン-2-イル)アゼチジン-3-イル)オキシ)フェニル)-3-メチルピロリジン-1-イル)プロパン-1-オンである。
【化18】
【0073】
(1R)-1-[(3S,4S)-1-{[(4S)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル]カルボニル}-4-(4-メトキシ-3-{[1-(5-メチルピリジン-2-イル)アゼチジン-3-イル]オキシ}フェニル)-3-メチルピロリジン-3-イル]エタノ-ル(20g、38.05mmol)を、1N塩酸(120mL、120.0mmol)の5〜10℃の溶液に加える。溶液を20〜25℃に温め、3時間撹拌する。ジクロロメタン(400mL)を加え、得られた層を分割する。水層にジクロロメタン(400mL)を加え、7%炭酸水素ナトリウム水溶液でpHを7〜8に調整する。層を分割し、水層をジクロロメタン(200mL)で逆抽出する。合わせた有機層を水(100mL)で洗浄する。有機層を乾固するまで濃縮する。エタノ-ル(8mL)を標題化合物(4.0g)に加える。混合物を15〜20℃で20時間撹拌する。スラリ-を濾過し、湿った濾紙上の固体を減圧下で乾燥して、標題化合物を結晶性固体(3.5g)として得る。
【0074】
結晶性(2S)-3-[(3S,4S)-3-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-4-(4-メトキシ-3-{[1-(5-メチルピリジン-2-イル)アゼチジン-3-イル]オキシ}フェニル)-3-メチルピロリジン-1-イル]-3-オキソプロパン-1,2-ジオ-ルの代替調製。
【0075】
(1R)-1-[(3S,4S)-1-{[(4S)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル]カルボニル}-4-(4-メトキシ-3-{[1-(5-メチルピリジン-2-イル)アゼチジン-3-イル]オキシ}フェニル)-3-メチルピロリジン-3-イル]エタノ-ル(290g、551.7mmol)に、1N塩酸(1800mL、1.8mol)を20〜25℃で加える。3時間撹拌後、ジクロロメタン(5800mL)及び10%炭酸ナトリウム水溶液を加えてpHを7〜8に調整する。エタノ-ル(1450mL)を加え、混合物を30分間撹拌する。層を分割し、有機層を水(2900mL)で洗浄する。有機物を2〜3容量まで濃縮する。エタノ-ル(1450mL)を加え、有機物を2〜3容量まで濃縮する。エタノ-ル(580mL)を加え、反応物を15〜20℃に冷却する。標題化合物の種結晶(0.1g)を加え、混合物を24時間撹拌する。スラリ-を濾過し、濾紙上の固体をエタノ-ル(290mL)で洗浄する。濾紙上の固体を減圧下、55〜60℃で40時間乾燥して、標題化合物(240.0g、494.25mmol)を得る。
1H NMR(CDCl
3)δ0.73(m,3H),1.19(d,J=6.0Hz,3H),1.8(brs,3H),2.20(s,3H),3.31(m,1H),3.53(m,1H),3.85(m,9H),4.38(m,2H),4.42(m,3H),5.07(m,1H),6.32(d,J=8.4Hz,1H),6.68(d,J=6.0Hz,1H),6.84(m,2H),7.33(m,1H),8.02(m,1H);及び
13C-NMR(CDCl
3)δ(ppm)17.0,17.5,17.6,19.6,44.5,47.4,48.8,49.3,52.7,55.9,57.7,58.2,64.0,64.1,67.5,67.6,67.7,70.5,71.3,106.2,111.3,111.4,115.1,120.7,122.1,128.7,138.5,138.7,145.7,147.3,148.1,158.5,170.9。
1H及び
13Cスペクトルにおいて回転異性化が観測され、これにより関連するピ-クが2倍になっている。
【0076】
X線粉末回折
結晶性固体のXRDパタ-ンは、CuKa源(λ=1.54060Å)及びVantec検出器を備えたBruker D4 Endeavor X線粉末回折計にて、35kV及び50mAで作動させて取得する。試料は、2θで4〜40°の間で、ステップ幅が2θで0.009°、スキャン速度0.5秒/ステップで、発散スリット0.6mm、固定散乱線除去スリット5.28及び検出器スリット9.5mmを用いてスキャンする。乾燥粉末を石英試料ホルダに充填し、スライドガラスを使用して平滑面を得る。結晶形回折パタ-ンを、周囲温度及び周囲相対湿度にて取得する。任意の所定の結晶形で、回折ピ-クの相対強度は、結晶形態及び晶癖などの要因から生じる選択方位に起因して変化し得ることは結晶学分野において周知である。選択方位の影響が存在する場合、ピ-ク強度は変化するが、その多形の特性ピ-ク位置は変化しない。例えば米国薬局方23版、国民医薬品集18版、1843〜1844頁、1995年を参照のこと。さらに、任意の所定の結晶形で、角度ピ-ク位置はわずかに変化し得ることも結晶学分野において周知である。例えばピ-ク位置は、試料を分析する温度もしくは湿度における変動、試料変位、または内部標準の有無に起因して変化し得る。本件では、生じ得るこれらの変動は、2θで±0.2のピ-ク位置変動性によって考慮される。これは、示される結晶形の明確な同定を妨げない。結晶形の確認は、特徴的なピ-ク(°2θ単位)、典型的にはより突出したピ-クの任意の固有の組合せに基づいてなされ得る。周囲温度および周囲相対湿度にて取得した結晶形回折パタ-ンは、8.853及び26.774度2シ-タにおけるNIST675標準ピ-クに基づいて調整した。
【0077】
(2S)-3-[(3S,4S)-3-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-4-(4-メトキシ-3-{[1-(5-メチルピリジン-2-イル)アゼチジン-3-イル]オキシ}フェニル)-3-メチルピロリジン-1-イル]-3-オキソプロパン-1,2-ジオ-ルの試料は、以下の表3に記される回折ピ-ク(2シ-タ値)を有し、特に18.5°の回折ピ-クと、16.2°、20.2°及び14.4°からなる群より選択される1つ以上のピ-クとを組み合わせて有し、回折角の許容誤差が0.2度である、CuKa放射線を用いたX線粉末回折パタ-ンによって特徴づけられる。
【表3】