特許第6364554号(P6364554)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6364554釣り糸ガイド、釣り糸ガイドを備える釣り竿及び釣り糸ガイド用ブランク
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6364554
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】釣り糸ガイド、釣り糸ガイドを備える釣り竿及び釣り糸ガイド用ブランク
(51)【国際特許分類】
   A01K 87/04 20060101AFI20180712BHJP
【FI】
   A01K87/04 Z
【請求項の数】12
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2017-533044(P2017-533044)
(86)(22)【出願日】2017年1月5日
(86)【国際出願番号】JP2017000124
(87)【国際公開番号】WO2017168911
(87)【国際公開日】20171005
【審査請求日】2017年6月16日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0040414
(32)【優先日】2016年4月1日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2016-0101399
(32)【優先日】2016年8月9日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】000237385
【氏名又は名称】富士工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大村 一仁
【審査官】 田辺 義拓
(56)【参考文献】
【文献】 実表昭58−83265(JP,U)
【文献】 国際公開第2015/37469(WO,A1)
【文献】 特開平11−103728(JP,A)
【文献】 特開2007−215497(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 87/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣り糸が通過するガイドリングと、
上端で前記ガイドリングと連結される支脚と、
前記支脚の下端から延長して釣り竿に取り付けられて、前記支脚の下端に隣接する基端と前記基端と対向する先端を有する取付足と、
を含み、
前記取付足は、前記基端から前記先端に向かって前記取付足の中心軸に沿って前記取付足に開いているスリット部と、前記スリット部に位置して前記中心軸に向かってそれぞれ突出する一対の中間面を含む凸部とを含む、
釣り糸ガイド。
【請求項2】
前記一対の凸部のそれぞれの少なくとも一部は、前記取付足と前記支脚の下端との間の連結部の最外側の両端を結ぶ線分と前記先端との間に位置する、
請求項1に記載の釣り糸ガイド。
【請求項3】
前記スリット部は前記取付足の中心軸に沿って前記先端と前記一対の凸部との間に位置する第1スリットを有し、
前記取付足の最大幅は、前記第1スリットの最大幅を経て前記中心軸に垂直な線が前記第1スリットの縁と前記取付足の縁とそれぞれ会う二点間の距離の3倍以上4倍以下である、
請求項1に記載の釣り糸ガイド。
【請求項4】
前記スリット部は前記取付足の中心軸に沿って前記先端と前記基端との間に位置する第1スリットと第2スリットとを有し、
前記第2スリットは前記第1スリットの幅より小さい幅を有する、
請求項1に記載の釣り糸ガイド。
【請求項5】
前記スリット部は前記基端から前記先端まで延長して、前記スリット部によって前記取付足が分割される、
請求項1に記載の釣り糸ガイド。
【請求項6】
前記一対の凸部は前記取付足の中心軸に沿って少なくとも部分的に互いに接触する、
請求項1に記載の釣り糸ガイド。
【請求項7】
前記支脚は、前記ガイドリングからそれぞれ延長する一対の第1支脚と前記ガイドリングから延長する1つの第2支脚を含み、
前記取付足は前記一対の第1支脚の下端から延長し、
前記釣り糸ガイドは前記第2支脚の下端から延長して釣り竿に取り付けられるもう1つの取付足を含み、
前記もう1つの取付足は前記一対の凸部の輪郭形状の一部と合わせられる輪郭形状を有する一対の凹部を備える、
請求項1に記載の釣り糸ガイド。
【請求項8】
請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の釣り糸ガイドを備える釣り竿。
【請求項9】
リング部と、前記リング部から延長する一対の第1支脚部と、前記一対の第1支脚部のそれぞれの自由端から延長して前記一対の第1支脚部のそれぞれの自由端に隣接する基端と前記基端と対向する先端を有する第1取付足部と、を含む釣り糸ガイド用ブランクであって、
前記第1取付足部は、前記基端から前記先端に向かって前記第1取付足部の中心軸に沿って前記第1取付足部に開いているスリット部と、前記スリット部に位置して前記中心軸に向かってそれぞれ突出する一対の中間面を含む凸部とを含む、
釣り糸ガイド用ブランク。
【請求項10】
前記第1支脚部の間で前記リング部から延長する1つの第2支脚部と、前記第2支脚部の自由端から延長する第2取付足部とをさらに含み、
前記第2取付足部は、前記スリット部及び前記一対の凸部と形状が合わせられる形状を有する、
請求項9に記載の釣り糸ガイド用ブランク。
【請求項11】
前記スリット部は前記基端から前記先端まで延長して、前記第1取付足部が前記スリット部によって分割される、
請求項9に記載の釣り糸ガイド用ブランク。
【請求項12】
請求項9〜請求項11のいずれか1項に記載の釣り糸ガイド用ブランクから製造される釣り糸ガイド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣り竿に取り付けられて釣り糸を案内する釣り糸ガイド及びこれを備える釣り竿に関するものである。また、本発明は、釣り糸ガイドを製造するためのブランクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
仕掛けをキャストする時に仕掛けに連結される釣り糸がリールから繰出される。魚を釣り上げる時に釣り糸はリールに巻き取られる。仕掛けをキャストする時に、または魚を釣り上げる時に、釣り糸を案内するために、釣り糸ガイドが釣り竿に取り付けられる。
【0003】
仕掛けをキャストする一例として、使用者の肩の直上と直横の間の中間の角度で仕掛けをキャストする、いわゆる、スリークォーターキャスト(three quarter casting)がある。スリークォーターキャスト時には、釣り糸を通じて釣り糸ガイドに横方向に負荷が作用する。よって、釣り糸ガイドの釣り竿への取付のための取付足に捻じれが発生する。また、左右に早く動く魚を釣り上げる時、使用者は魚の早い移動に速やかに反応できず、釣糸ガイドに釣り糸によって前記横方向に負荷が作用する。よって、釣り糸ガイドの取付足に捻じれが発生する。
【0004】
よって、仕掛けをキャストしたり魚を釣り上げる時に、釣り糸を通じて過度な負荷が釣り糸ガイドに作用して、釣り糸ガイドの釣り竿に対する取付位置が移動(釣り糸ガイドが釣り竿に取り付けられた位置から意図せずに離脱すること)され得る。
【0005】
釣り糸ガイドの一例として、日本国意匠登録公報第1495270号(特許文献1)は、2つの取付足を有する釣り糸ガイドを開示する。特許文献1によれば、ガイドリングの側傍から一対の側支脚が延長する。前記一対の側支脚は下端で互いに近接し、第1取付足が側支脚の下端に形成されている。また、前記ガイドリングの下方から1つの中支脚が延長し、第2取付足が中支脚の下端に形成されている。
【0006】
特許文献1が開示する釣り糸ガイドにおいて、前記第1取付足が主に捻じれに耐え、前記第2取付足は前記第1取付足の強度を補助する役割をする。釣り糸によって釣り糸ガイドに作用する負荷は、前記ガイドリングの側傍に加えられて、前記側支脚を通じて捻じれとして前記第1取付足に伝達される。第1取付足が取り付けられる釣り竿の直径を考慮して、特許文献1は、前記側支脚の下端から第1取付足の先端付近まで分割されているが、分割された部分の全部が閉鎖される第1取付足を開示する。また、特許文献1が開示する第1取付足はそれ全部に加工硬化が行われる。
【0007】
2つの取付足を有する釣り糸ガイドの他の一例として、日本国意匠登録公報第1398325号(特許文献2)は、第1取付足が完全に分割されており分割された各部分が大きい幅を有する釣り糸ガイドを開示する。
【0008】
一方、リールを固定するリールシートも取付足によって釣り竿に取り付けられ、リールに横方向に作用する負荷によってリールシートの取付足に捻じれが発生する。リールシートの取付足の捻じれ及びそれによるリールシートのグラツキに対処するために、リールシートの取付足より広い幅を有して取付足とは別個となっているワイドベースをリールシートの取付足に取り付けることが当該技術分野に知られている。しかし、このようなワイドベースは、リールシートの重量を増加させて取付足と一体に作るための工程を必要とするため、釣り糸ガイドには採用されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】日本国意匠登録公報第1495270号
【特許文献2】日本国意匠登録公報第1398325号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1と特許文献2が開示する釣り糸ガイドを製造するためには、金属シートからプレス加工(パンチング、ブランキング)によって製造された平板のブランク(blank)が用いられ得る。このようなブランクは、釣り糸ガイドを平面に展開させた形状を有する。図1は、特許文献1が開示する釣り糸ガイドとして製造され得るブランクを示す。
【0011】
図1に示すブランク900において、リング部910の側傍で一対の第1支脚部920L、920Rが延長し、第1支脚部920L,920Rの自由端に上述した第1取付足となるU字型の第1取付足部930が形成されている。また、リング部910から1つの第2支脚部940が延長し、第2支脚部940の自由端に上述した第2取付足となる第2取付足部950が形成されている。第2取付足部950は、U字状の第1取付足部930に形成されたスリット部932と形状が合わせられている。スリット部932を有する第1取付足部930をプレス加工(ベンディング、ドローイング)して、上述した第1取付足を形成する。
【0012】
図2A及び図2Bは、図1に示すブランク900から特許文献1が開示する上述した第1取付足を形成する例を示す。図2Aに示すように、プレス加工によって第2取付足部950がU字状の第1取付足部930のスリット部932から分離される。次に、第1取付足部930の全部をプレス加工して、図2Bに示す第1取付足930’が形成される。第1取付足930’では、スリット部932が閉鎖されており、その全領域FAが加工硬化されている。図2Bに示す第1取付足930’を形成するためには、スリット部932を閉鎖するように第1取付足930’の全部に加工硬化を引き起こすプレス加工を行わなければならない。しかし、金属材料のスプリングバック(spring back)現象により、上述した第1取付足は、図2Bに示す、意図された形状に形成されず、様々な欠陥を有する。
【0013】
図3A及び図3Bは、図1に示すブランク900からスリット部932の全部を閉鎖して形成される取付足に発生する欠陥の例を示す。図3Aに示すように、金属材料のスプリングバック現象により、第1取付足930’の縁に不規則なカーブラインが生成され、これにより意図しなかった不規則な間隙Gが形成され得る。第1取付足が図3Aに示す欠陥を有すると、第1取付足930’は一定ではない幅を有するようになり、釣り糸ガイドの美観を害する。また、釣り糸ガイドを釣り竿に固着するために釣り竿と第1取付足930’に巻かられる巻き糸が稠密で且つ安定的に巻かれず、これにより釣り竿の装飾性を損傷させる。プレス加工時に圧力が不十分であれば、図3Bに示すように、スプリングバック現象により第1取付足部のスリット部932が意図した通りに閉鎖されず長手方向に長い間隙Gが第1取付足930’に生じる。また、プレス加工時の圧力の不十分により、第1取付足930’の全部が求められる水準に加工硬化されない。よって、第1取付足930’は、それに作用する捻じれによってひずみ得る。
【0014】
特許文献2は、完全に分割されており大きい幅を有する第1取付足を開示する。しかし、大きい幅の第1取付足は釣り竿の外面と容易に合わせられず、第1取付足と釣り竿との間に多分に隙間を生じさせ、このような隙間は、釣り竿の装飾性を損傷させる。また、様々な直径の釣り竿に適用されるためには、釣り竿の直径別に適した幅を有する第1取付足を備える多数の釣り糸ガイドが必要となり、これは製造費用を上昇させる。
【0015】
本発明は上述した従来技術の欠陥に着眼してこれを解決するために創案されたものである。本発明は、釣り糸が加える負荷によって取付足に生じる捻じれによって釣り竿に対する取付位置が移動されない釣り糸ガイドを提供する。また、本発明は、前記の捻じれに対して向上した耐捻じれ強度を有する釣り糸ガイドを提供する。また、本発明は、向上した耐捻じれ強度を有し、軽量の釣り糸ガイドを提供する。また、本発明は、上述した釣り糸ガイドを製造するためのブランクと、上述した釣り糸ガイドを備える釣り竿を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一側面によれば、釣り竿に取り付けられて釣り糸を案内する釣り糸ガイドが提供される。代表的な実施形態による釣り糸ガイドは、釣り糸が通過するガイドリングと、上端で前記ガイドリングと連結される支脚と、前記支脚の下端から延長して釣り竿に取り付けられる取付足とを含む。前記取付足は、前記支脚の下端に隣接する基端と前記基端と対向する先端を有する。前記取付足は、スリット部と一対の凸部を含む。前記スリット部は、前記基端から前記先端に向かって前記取付足の中心軸に沿って前記取付足に開いている。前記一対の凸部は、前記スリット部に位置し、前記中心軸に向かってそれぞれ突出する。
【0017】
一実施形態において、前記一対の凸部のそれぞれの少なくとも一部は、前記取付足と前記支脚の下端間の連結部の最外側の両端を結ぶ線分と前記先端との間に位置する。
【0018】
一実施形態において、前記スリット部は、前記取付足の中心軸に沿って前記先端と前記一対の凸部との間に位置する第1スリットを有する。前記取付足の最大幅は、前記第1スリットの最大幅を経て前記中心軸に垂直の線が前記第1スリットの縁と前記取付足の縁とそれぞれ会う二点間の距離の3倍以上4倍以下である。
【0019】
一実施形態において、前記スリット部は、前記取付足の中心軸に沿って前記先端と前記基端との間に位置する第1スリットと第2スリットとを有する。前記第2スリットは前記第1スリットの幅より小さい幅を有する。
【0020】
一実施形態において、前記スリット部は、前記基端から前記先端まで延長して、前記スリット部によって前記取付足が分割される。
【0021】
一実施形態において、前記一対の凸部は、前記取付足の中心軸に沿って少なくとも部分的に互いに接触する。
【0022】
一実施形態において、前記支脚は、前記ガイドリングからそれぞれ延長する一対の第1支脚と前記ガイドリングから延長する1つの第2支脚を含む。前記取付足は、前記一対の第1支脚の下端から延長する。前記釣り糸ガイドは、前記第2支脚の下端から延長して釣り竿に取り付けられるもう1つの取付足を含む。前記もう1つの取付足は、前記一対の凸部の輪郭形状の一部と合わせられる輪郭形状を有する一対の凹部を備える。
【0023】
一実施形態において、前記一対の凸部は塑性変形によって生成される加工硬化部を含む。しかし、前記一対の凸部を除いた前記スリット部に隣接する前記取付足の部分は加工硬化部を含まない。
【0024】
本発明の他の一側面は、上述した実施形態の釣り糸ガイドを製造するためのブランクを提供する。代表的な実施形態による釣り糸ガイド用ブランクは、リング部と、前記リング部から延長する一対の第1支脚部と、前記一対の第1支脚部のそれぞれの自由端から延長する第1取付足部を含む。前記第1取付足部は、前記一対の第1支脚部のそれぞれの自由端に隣接する基端と、前記基端と対向する先端を有する。前記第1取付足部は、スリット部と一対の凸部を含む。前記スリット部は、前記基端から前記先端に向かって前記第1取付足部の中心軸に沿って前記第1取付足部に開いている。前記一対の凸部は、前記スリット部に位置し、前記中心軸に向かってそれぞれ突出する。
【0025】
一実施形態において、前記ブランクは、前記第1支脚部の間で前記リング部から延長する1つの第2支脚部と、前記第2支脚部の自由端から延長する第2取付足部をさらに含む。前記第2取付足部は、前記スリット部及び前記一対の凸部と形状が合わせられる形状を有する。
【0026】
一実施形態において、前記スリット部は、前記基端から前記先端まで延長して、前記第1取付足部が前記スリット部によって分割される。
【0027】
本発明のさらに他の側面は、上述した実施形態の釣り糸ガイドまたは上述した実施形態のブランクから製造される釣り糸ガイドを備える釣り竿を提供する。
【発明の効果】
【0028】
実施形態の釣り糸ガイドは、中心軸に沿って開いたスリット部と、スリット部に位置して中心軸に垂直な方向に突出する一対の凸部を有する取付足を備える。一対の凸部とスリット部とを有する取付足は、これらを備えない取付足に比べて広い幅を有する。取付足のスリット部は、取付足を釣り竿に固着するための巻き糸に塗布される接着剤を収容する。
【0029】
スリット部に収容された接着剤は、硬化した後、アンカーとして作用して、外力によって釣り糸ガイドが取付位置から離脱することを防止する。よって、仕掛けをキャストする時に、または魚を釣り上げる時に、釣り糸が加える負荷によって取付足に発生する捻じれに対して、捻じれに耐える取付足の部分の耐捻じれ強度が向上することができる。
【0030】
また、実施形態の釣糸ガイドの取付足は、一対の凸部に塑性変形による加工硬化部を含む。一対の凸部が加工硬化部を含んでスリット部が取付足に形成されているため、実施形態の釣り糸ガイドの取付足は、スリット部の全部を閉鎖するように取付足の全部に加工硬化を引き起こす従来のプレス加工を排除させる。即ち、実施形態の釣り糸ガイドは、少ない圧力を用いて少ない変形を伴うプレス加工によって形成され得る。よって、プレス加工に用いられる金型の寿命が向上し得、釣り糸ガイドの生産性が向上し得、釣り糸ガイドは低減された製造原価で製造され得る。
【0031】
また、実施形態の釣糸ガイドは、上述した耐捻じれ強度の向上を重量の増加なしに達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】従来技術の釣り糸ガイドを製造するためのブランクを示す。
図2A図1に示すブランクの第1取付足部を示す。
図2B図1に示すブランクの第1取付足部から形成される第1取付足を示す。
図3A】従来技術の釣り糸ガイドの取付足で発生する欠陥の一例を示す。
図3B】従来技術の釣り糸ガイドの取付足で発生する欠陥の他の一例を示す。
図4】一実施形態による釣り糸ガイドを備える一実施形態による釣り竿を示す側面図である。
図5】第1実施形態による釣り糸ガイドが釣り竿に取り付けられていることを示す斜視図である。
図6】第1実施形態による釣り糸ガイドが釣り竿に取り付けられていることを示す平面図である。
図7図6のVII−VII線に沿って取った断面図である。
図8】第1実施形態による釣り糸ガイドを示す斜視図である。
図9図8に示す釣り糸ガイドの側面図である。
図10図8に示す釣り糸ガイドの正面図である。
図11図8に示す釣り糸ガイドの背面図である。
図12図8に示す釣り糸ガイドの平面図である。
図13】第1実施形態による釣り糸ガイドの取付足を示す平面図である。
図14図13に示す取付足のスリット部と凸部を示す平面図である。
図15図13と類似の図であって、取付足の幅とスリットの幅を例示する。
図16】凸部の他の例を示す平面図である。
図17】凸部のさらに他の例を示す平面図である。
図18】凸部のさらに他の例を示す平面図である。
図19】凸部のさらに他の例を示す平面図である。
図20】第2実施形態による釣り糸ガイドを示す斜視図である。
図21図20に示す釣り糸ガイドの平面図である。
図22A】1つの取付足を有する第3実施形態による釣り糸ガイドを示す斜視図である。
図22B】1つの取付足を有する第3実施形態による釣り糸ガイドを示す斜視図である。
図23A】1つの取付足を有する第4実施形態による釣糸ガイドを示す斜視図である。
図23B】1つの取付足を有する第4実施形態による釣り糸ガイドを示す斜視図である。
図24】第1実施形態による釣り糸ガイドを製造するためのブランクの一例を示す。
図25A図24に示すブランクの第1取付足部と第2取付足部を示す。
図25B】第2取付足部が第1取付足のスリット部から分離されていることを示す。
図25C】プレス加工によって第1取付足部のスリット部が狭められることを示す。
図25D図24に示すブランクから形成された実施形態の釣り糸ガイドの取付足を示す。
図26図25DのXXVI−XXVI線に沿って取った断面図である。
図27】第2実施形態による釣り糸ガイドを製造するためのブランクの一例を示す。
図28図27に示すブランクの第1取付足部を示す。
図29】第3実施形態による釣り糸ガイドを製造するためのブランクの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
添付の図面を参照して釣り糸ガイド、釣り糸ガイドを製造するためのブランク、及び釣り竿の実施形態を説明する。添付の図面で同一の参照符号は同じまたは対応する要素または部品を指す。本明細書で用いられる「上方」、「上」などの方向の指示語はガイドリングが取付足に対して位置する方向を基準とし、「下方」、「下」などの方向の指示語はその反対方向を意味する。
【0034】
図4は一実施形態による釣り竿10を示す。図4において、矢印(T)は釣り竿の先端に向かう方向を示し、矢印(B)は釣り竿の後端に向かう方向を示す。釣り竿10は1つの竿、または複数の部分竿からなり得る。釣り竿10は、その後端付近にリールを取り付けるためのリールシート14を有する。また、釣り竿10は、釣り竿一部11に取り付けられて釣り糸を案内する釣り糸ガイドを備える。釣り竿10は、その釣り糸ガイとして以下で記述する実施形態の釣り糸ガイドのうち少なくとも1つを備える。
【0035】
図5図23Bは、釣り糸ガイドの様々な実施形態を示す。釣り糸ガイドは、釣り竿への取付のための1つ以上の取付足を備える。
【0036】
図8及び図20に示す実施形態による釣り糸ガイド100,200は、2つの取付足第1取付足130,230と第2取付足150を備える。この実施形態の釣り糸ガイドは、当該技術分野において「ダブルフット(double−foot)釣り糸ガイド」として参照される。この実施形態の釣り糸ガイドは、第1取付足130,230と結合される一対の第1支脚120L、120Rと、第2取付足150と結合される1つの第2支脚140を備える。
【0037】
図22A図23Bに示す実施形態による釣り糸ガイド300A,300B,400A,400Bは、1つの取付足330A,330B,430A,430Bを備える。このような実施形態の釣り糸ガイドは、当該技術分野において「シングルフット(single−foot)釣り糸ガイド」として参照される。この実施形態の釣り糸ガイドは、前記1つの取付足と結合される一対の第1支脚120L,120R,420L,420Rを備える。
【0038】
図5図23Bに示す釣り糸ガイドの第1取付足130,230及び取付足330A,330B,430A,430Bは、以下に説明するスリット部132,232と一対の凸部135を備える。
【0039】
図5図7に示すように、釣り糸ガイドの取付足は、巻き糸12によって釣り竿に固着され得る。即ち、取付足を釣り竿一部11の外面に接触させて、巻き糸12が前記取付足と前記取付足が位置する釣り竿一部11とに稠密に巻かられて前記取付足を釣り竿一部11に固着する。巻き糸12が巻かれた後、巻かれた巻き糸12に接着剤が塗布される。接着剤が硬化すれば、巻かれた巻き糸12にわたって接着剤コーティング13が形成される。接着剤コーティング13は、巻き糸12の解けを防止し、隣接する巻き糸12間の隙間を埋めて、釣り竿に装飾性を付与する。
【0040】
<第1実施形態>
図5図19は、2つの取付足を有する第1実施形態による釣り糸ガイド100を示す。図8を参照すると、第1実施形態の釣り糸ガイド100は、釣り糸が通過するガイドリング110と、ガイドリング110から延長する一対の第1支脚120L、120R及び第2支脚140と、第1支脚120L、120R及び第2支脚140からそれぞれ延長する第1取付足130及び第2取付足150を備える。釣り糸ガイド100は、金属シートのプレス加工(パンチング、ブランキングなど)によって得られるブランクからプレス加工(ベンディング、ドローイングなど)を通じて製造され得る。
【0041】
図8図12を参照すると、ガイドリング110は、その中に釣り糸が通過する円形または楕円形の開口111を有する。この実施形態で、ガイドリング110は、硬質リング112を保持する保持リング113を有する。硬質リング112は釣り糸と接触し、その中に円形の開口111を有する。硬質リング112は、耐摩耗性が優れた硬質材料からなる。保持リング113は略円形であり、保持リング113の内周面に硬質リング112が嵌合されて、保持リング113が硬質リング112を保持する。他の例として、硬質リング112は楕円形になり得、硬質リング112の楕円形に合わせて保持リング113は楕円形になり得る。他の実施形態において、ガイドリング110は、所望する強度、硬度、耐摩耗性などが満たされるれば、1つのリング状の部品になり得る。
【0042】
一対の第1支脚120L,120Rは、上端でガイドリング110に連結されている。一対の第1支脚120L,120Rは、下端付近で互いに近接して第1取付足130と連結される。第1取付足130は、各支脚120L,120Rの下端121L,121Rから延長する。第1取付足130は、釣り竿一部11の外面と接触する下面131LSと、垂直方向VD(または、第1取付足130の厚さ方向)で下面131LSと対向する上面131USを有する。第1取付足130の下面131LSは、図11に示すように丸く凹んだ面を含む。
【0043】
第2支脚140は、上端でガイドリング110に連結されており、下端で第2取付足150に連結される。第2取付足150は、第2支脚140の下端から延長する。第2取付足150は、釣り竿一部11の外面と接触する下面151を有する。図10に示すように、第2取付足150の下面151は、丸く凹んだ面を含む。図9及び図12に示すように、第2取付足150は、第2支脚140の下端に隣接する一対の凹部152を備える。図12を参照すると、第2取付足150の一対の凹部152は、第1取付足130の一対の凸部135の輪郭形状の一部と合わせられる輪郭形状を有する。
【0044】
仕掛けをキャストする時に、または魚を釣り上げる時に、釣り糸がガイドリング110に加える負荷によって、第1取付足130に捻じれが発生し得る。
【0045】
図8及び図12図15を参照すると、第1取付足130は、第1支脚の下端121L、121Rに隣接する基端131Bと、第1取付足130の中心軸CA2に沿って基端131Bと対向する先端131Lを有する。また、第1取付足130は、基端131Bに接して第1支脚の下端121L、121Rと第1取付足130間の境界となる連結部131Jと、第1取付足130の側傍に位置する側端131Sを有する。図12に示すように、釣り糸ガイド100を上方からみた時、側端131Sは略U字状を有する。
【0046】
図8を参照すると、第1取付足130はスリット部132を備え、スリット部132によって第1取付足130の長手方向LDにおける一部が分割される。スリット部132は、第1取付足130の厚さ方向(即ち、第1取付足130の下面と上面を貫通する垂直方向VD)に中心軸CA2に沿って基端131Bから先端131Lに向かって第1取付足130に開いている。第1取付足130は、第1支脚120L、120Rの下端121L、121Rからそれぞれ延長する左側半部130Lと右側半部130Rを有し、釣り糸ガイド100を上方からみた時(図12参照)、左側半部130Lと右側半部130Rは中心軸CA2に対して対称である。
【0047】
図8及び図12図15を参照すると、第1取付足130は、スリット部132に位置して中心軸CA2に向かってそれぞれ突出する一対の凸部135を備える。各凸部135がスリット部132の各側傍に位置する。各凸部135は、基端131Bに隣接する基端面135Bと、中心軸CA2に沿って基端面135Bと対向する先端面135Lと、基端面135Bと先端面135Lとの間に位置する中間面135Mを有する。各凸部135の基端面135Bは、第1取付足130の基端131Bを形成する。即ち、一対の凸部135は、第1取付足130の基端131Bから先端131Lに向かって延長し、中心軸CA2に垂直に中心軸CA2に向かって突出する。基端面135Bと中間面135Mは直角をなす。中間面135Mは平面を含む。または、中間面135Mは曲面を含んでもよい。中間面135Mと先端面135Lは、丸く湾曲した面を通じて連結される。先端面135Lは、中心軸CA2に対して鋭角に傾いている。または、先端面135Lは、中心軸CA2に対して垂直に位置してもよい。先端面135L及び中間面135Mにおける各凸部135の輪郭形状が、第2取付足150の凹部152の輪郭形状と合わせられる。
【0048】
スリット部132は、一対の凸部135により、中心軸CA2に沿って先端131Lと基端131Bとの間に位置して互いに異なる幅を有する第1スリット133と第2スリット134を含む。第1スリット133は、スリット部132で中心軸CA2に沿って先端131Lと一対の凸部135との間に位置する空間である。また、第1スリット133は、スリット部132で第2スリット134を除いた空間になり得る。第2スリット134は、第1スリット133と連結されて、第1スリット133の幅より小さい幅を有する。
【0049】
第2スリット134は、スリット部132で各凸部135の中間面135Mの間に位置する空間である。第1スリット133と第2スリット134との間には、先端131L側に幅が大きくなる遷移部133Tが形成されている。各凸部135の先端面135Lが中心軸CA2に垂直であれば、スリット部132は遷移部133Tを有しなくてもよい。第2スリット134は、基端131Bから先端131Lに向かって延長し、第1スリット133は遷移部133Tから先端131Lに向かって延長する。図15を参照すると、第1スリット133は、第2スリット134の幅W5より大きい幅W4を有する。ここで、各スリットの幅は、中心軸CA2に垂直な方向における各スリットの縁の二点間の最短距離を意味する。一対の凸部135は、第2スリット134の幅W5だけ離隔されている。
【0050】
図13及び図14に示すように、釣り糸ガイド100を上方からみた時、スリット部132は遷移部133TでS字状の縁を有し、第2スリット134から遠くにある第1スリット133の端領域でU字状の縁を有する。また、それぞれの凸部135が基端131Bに隣接してスリット部132に位置するため、スリット部132の縁は各凸部135の縁の一部を含む。
【0051】
図13図15に示すように、釣り糸ガイド100を上方からみた時、各凸部135の一部は、線分L1と第1取付足130の先端131Lとの間に位置する(ここで、線分L1は、連結部131Jの最外側の両端P1を結ぶ線分である)。即ち、各凸部135の先端面135Lの一部または全部、または、先端面135Lの全部と中間面135Mの一部は、線分L1と先端131Lとの間に位置する。よって、巻き糸12を第1取付足130に巻くとき、巻き糸12は各凸部135の前記の一部上に巻かれ得る。第1取付足130の基端131Bは、連結部131Jの最内側の両端P2を経る線L2に位置する。
【0052】
図14及び図15に示すように、第1スリット133の幅W4は、第2スリット134の幅W5より大きい。第1スリット133の幅W4は、先端131Lに行くほど狭くなる。第1スリット133の最大幅W3は、凸部135の先端面135L(例えば、遷移部133T)に隣接している。第1スリット133の最大幅W3の位置は、第1取付足を形成するためのプレス加工における圧力により変更され得る。他の例として、第1スリット133の幅W4は、先端131Lに行くほど広くなり得、第1スリット133の最大幅W3は第1スリット133の先端に隣接し得る。
【0053】
第1取付足130と釣り竿一部11とに巻かれて釣り糸ガイド100を釣り竿に固着する巻き糸12に接着剤を塗布すれば、接着剤は第1スリット133に流れ込み、第1スリット133が接着剤を収容する。第1スリット133に収容された接着剤は第1スリット133内で硬化し、第1取付足130と巻き糸12を全て覆いながら硬化する接着剤とともに硬質の構造物を形成する。第1スリット133が第1取付足130に厚さ方向に開いているため、第1スリット133に収容されて硬化した接着剤は、第1取付足130を固定させるアンカーとして作用する。
【0054】
図12図13及び図15に示すように、第1取付足130の幅(釣り糸ガイド100を上方からみた時、中心軸CA2に垂直な方向における両側端131S間の長さ)は、先端131L側に次第に減少する。この実施形態において、第1取付足130の最大幅W1は、連結部131Jの最外側の両端P1を結ぶ線分L1上に位置する。第1取付足130の最大幅W1は、中心軸CA2に垂直であり第1スリット133の最大幅W3を経る線L3が第1スリット133の縁と会う点P3と第1取付足130の縁と会う点P4との間の距離W2(即ち、線L3における左側半部130Lまたは右側半部130Rの幅)の3倍以上4倍以下の範囲で定められ得る。第1取付足130の最大幅W1が距離W2の4倍を超える場合、第2取付足150が相対的に大きい幅を有することになって、釣り糸ガイド100の重量を増加させる。また、第1取付足130の最大幅W1が釣り竿の平均直径より大きくなり得、巻き糸12が第1取付足130に容易に巻かれず、釣り竿の美観を損傷させる。第1取付足130の最大幅W1が距離W2の3倍未満である場合、第1スリット133の幅が狭くなって巻き糸12に塗布される接着剤が第1スリット133に円滑に流れ込めず、上述したアンカー作用が十分に示されない。また、一対の凸部135の大きさが小さくなるため、プレス加工時の圧力の大きさによってプレス加工によって一対の凸部135が潰れ得、スリット部132が形成され得ない。また、第1スリット133の最大幅W3は、線L3上の点P3と点P4間の距離W2と同じであるか、または距離W2の2倍以下であり得る。他の実施形態として、第1取付足130は、線分L1と第1スリット133との間で最大幅を有してもよい。
【0055】
図16は一対の凸部の他の一例を示す。一対の凸部135は、第1取付足の基端131Bから離隔されている。よって、各凸部135の基端面135Bと第1取付足130の基端131Bとの間には段差部131Pが形成され、段差部131Pによってスリット部132は第2スリット134と基端131Bとの間に追加のスリット134Aを有する。また、スリット部132の縁は各凸部135の縁の全てを含む。
【0056】
図17は一対の凸部のさらに他の例を示す。各凸部135の基端面135Bと中間面135Mは、湾曲した面を通じて連結されている。
【0057】
図18は一対の凸部のさらに他の一例を示す。一対の凸部135の全部が連結部131Jの最外側の両端P1を結ぶ線分L1と先端131Lとの間に位置する。図18に示す例によれば、釣り糸ガイド100を釣り竿一部11に固着するために巻き糸12を第1取付足130に巻くとき、巻き糸12は一対の凸部135の全部に巻かれ得る。
【0058】
図19は一対の凸部のさらに他の例を示す。一対の凸部135は、中心軸CA2に沿って少なくとも部分的に互いに接触することができる。即ち、一対の凸部135は、それぞれの中間面135Mの一部または全部で互いに接触することができる。このような例において、スリット部132は、一対の凸部135の中間面135Mの間に形成される第2スリット134を有しなくてもよい。
【0059】
一実施形態の釣り糸ガイド100によれば、第1取付足130は、一対の凸部135とスリット部132が中心軸CA2に沿って位置するため、上述した凸部とスリット部を備えない取付足の幅より大きい幅を有する。よって、第1取付足130は向上した捻じれ耐力を有する。
【0060】
各凸部135の少なくとも一部は、連結部131Jの最外側の両端P1を結ぶ線分L1と先端131Lとの間に位置する。よって、釣り糸ガイド100を釣り竿10に固着するための巻き糸12が第1取付足130と釣り竿一部11に巻かれる時、図6に示すように、巻き糸12は各凸部135の少なくとも一部と釣り竿一部11とに巻かれ得る。巻き糸12は、連結部131Jの最外側両端と一対の凸部135を経ながら、即ち、第1取付足130の最大幅W1を経ながら、第1取付足130と釣り竿一部11とに巻かれ得る。よって、第1取付足130の最大幅を経る巻き糸12によって、釣り糸ガイド100に強い捻じれ耐力が提供される。また、巻き糸12が釣り竿一部11と第1取付足130に巻かれた後、巻かれた巻き糸12に接着剤が塗布されれば、接着剤は第1取付足130の第1スリット133に流れ込んで第1スリット133を埋めて、第1スリット133は接着剤を収容する。第1スリット133を埋めた接着剤が硬化すれば、図7に示すように、第1スリット133内の接着剤は接着剤コーティング13と一体になり得、釣り竿一部11に固着される接着剤アンカー13Aを形成する。よって、第1スリット133内の接着剤アンカー13Aが、釣り糸ガイド100に加えられる外力によって釣り糸ガイド100が図7に示す矢印の方向に取付位置から離脱することを防止する。
【0061】
<製造工程>
図24は、上述した第1実施形態の釣り糸ガイド100を製造するためのブランクの一例を示す。図25A図25Dは、図24に示すブランクから釣り糸ガイド100の第1取付足130を製造する一例を示す。
【0062】
図24に示すブランク500は、金属シートをプレス加工(例えば、パンチング、ブランキングなど)して得られる。ブランク500は、リング部510、一対の第1支脚部520L、520R、第1取付足部530、1つの第2支脚部540及び第2取付足部550を備える。一対の第1支脚部520L、520Rは、リング部510の側傍縁からそれぞれ延長する。第2支脚部540は、一対の第1支脚部520L、520Rの間でリング部510から延長する。第1取付足部530は一対の第1支脚部520L、520Rのそれぞれの自由端から延長し、第2取付足部550は第2支脚部540の自由端から延長する。リング部510、第1支脚部520L、520R、第1取付足部530、第2支脚部540及び第2取付足部550がプレス加工(ベンディング、ドローイングなど)を通じて、上述した保持リング113、第1支脚120L、120R、第1取付足130、第2支脚140及び第2取付足150にそれぞれ形成される。
【0063】
図24図25A及び図25Bを参照すると、第1取付足部530は略U字状を有する。第1取付足部530は、第1支脚部520L、520Rのそれぞれの自由端に隣接する基端531Bと、リング部510の中心CRを経る第1取付足部530の中心軸CA3に沿って基端531Bと対向する先端531Lを有する。第1取付足部530は、スリット部532とスリット部532に位置する一対の凸部535とを備える。
【0064】
スリット部532は中心軸CA3に沿って第1取付足部530に厚さ方向(第1取付足部530の前面と後面を貫通する方向)に基端531Bから先端531Lに向かって開いている。各凸部535は、基端531Bに隣接してスリット部532に位置する。各凸部535は、中心軸CA3に向かって突出し、スリット部532の一部によって中心軸CA3に垂直な方向で互いに離隔されている。各凸部535は、基端531Bに位置する基端面535Bと、基端面535Bと中心軸CA3に沿って対向する先端面535Lと、基端面535Bと先端面535Lとの間に位置する中間面535Mとを有する。
【0065】
この実施形態で、一対の凸部535がスリット部532に位置するため、スリット部532は、中心軸CA3に沿って先端531Lと基端531Bとの間に位置し、幅が異なる第1スリット533と第2スリット534を含む。第1スリット533は、スリット部532で中心軸CA3に沿って一対の凸部535と先端531Lとの間に位置する空間である。第2スリット234は、基端531Bに隣接し、第1スリット233の幅より小さい幅を有する。第2スリット234は、スリット部132で各凸部235の中間面235Mの間に位置する空間である。第1スリット533と第2スリット534の間には、先端531L側に幅が大きくなる遷移部533Tが形成されている。第2スリット534は基端531Bから先端531Lに向かって延長し、第1スリット533は遷移部533Tから先端531Lに向かって延長し、第2スリット534の幅より大きい幅を有する。第1スリット533が上述した第1スリット133に形成され、第2スリット534が上述した第2スリット134に形成される。他の実施形態として、一対の凸部535は、基端531Bから先端531L側に離隔され得る。このような例では、各凸部535の間には、第2スリット534と連結される追加のスリットが形成される。
【0066】
第2取付足部550は、第1取付足部530のスリット部532及び一対の凸部535と形状が合わせられる形状を有する。第2取付足部550は、その縁に一対の凹部552を有する。各凹部552は、中間面535M及び先端面535Lでの各凸部535の輪郭形状と合わせられる輪郭形状を有する。よって、図24及び図25Aに示すように、第2取付足550は、凹部552が凸部535と形状的に合わせられたままスリット部532に位置する。
【0067】
図24に示すブランク500は、ブランク500と同一のサイズの図1に示すブランク900と比較すると、同一の重量を有する。よって、ブランク500から製造される釣り糸ガイド100は、重量の増加なしに耐捻じれ強度が向上した第1取付足130を有する。
【0068】
図25A及び図25Bに示すように、ベンディングによって第2取付足部550を第1取付足部530のスリット部532から分離させる。次に、図25B及び図25Cに示すように、プレス加工によって図25Cに示す矢印の方向にスリット部532を狭める。そうすれば、一対の凸部535がそれぞれの中間面535Mで互いに接触する。前記プレス加工は、ブランク500を構成する金属材料が塑性変形して加工硬化を引き起こす時まで行われる。よって、図25Cで加工硬化領域WHで示すように、第1取付足130で捻じれの基点になる支脚の下端とこれに隣接した一対の凸部は、塑性変形によって生成される加工硬化部を含む。即ち、加工硬化領域WHに属する、一対の凸部535,これに隣接した第1取付足部530の部分、第1取付足部530と第1支脚部520L、520Rとの連結部531J及び連結部531Jに隣接する第1支脚部520L、520Rの部分は、前記プレス加工によって塑性変形し、加工硬化される。加工硬化領域WHに属する上述した部分は、加工硬化が起きなかったり加工硬化領域WHより相対的に加工硬化があまり生じない第1取付足部530の部分(例えば、スリット部532の第1スリット533に隣接する第1取付足部530の部分)より高い降伏応力(yield stress)または耐力(proof stress)を有する。ブランク500の第1取付足部530から形成される第1取付足130は、前記のプレス加工によって形成される加工硬化を通じて、捻じれが加えられる部分に向上した耐捻じれ強度を有する。前記のプレス加工時に、スリット部532の第1スリット533は若干のみ狭められて、第1取付足130の第1スリット133を形成する。また、加工硬化領域WH以外の第1取付足部530の残りの領域は、加工硬化されなかったり加工硬化領域WHより加工硬化があまり生じない。また、第1取付足部530の先端部領域LAにおける変形量は、図1に示すブランク900の先端部領域における変形量より少ない。
【0069】
図25Dは上述したプレス加工によって形成される第1取付足130を示し、図26は第1取付足に形成された加工硬化部を示す。プレス加工後に発生するスプリングバック現象により、一対の凸部135の間にはスリット部132の第2スリット134が形成され、一対の凸部135は第2スリット134を介して離隔される。図25Dに示す加工硬化領域WHと図26に示す加工硬化部を参照すれば、第1支脚120L,120Rと第1取付足130との間の連結部131J、これに隣接する部分及び一対の凸部135は、上述したプレス加工を通じて塑性変形によって生成される加工硬化部136を含む。しかし、第1支脚120L、120Rと第1取付足130との間の連結部131J、これに隣接する部分及び一対の凸部135を除いて、スリット部132に隣接する第1取付足130の部分は、加工硬化部136を含まないか、または加工硬化部136より少なく加工硬化された部分を含む。
【0070】
実施形態による釣り糸ガイドの取付足は、上述した製造工程で製造することができるが、これに限定はしない。上述した製造工程で製造する場合、第1取付足130は、スリット部132と一対の凸部135によって、上述したスリット部と凸部を備えない取付足に比べて広い幅を有する。よって、第1取付足130は、捻じれの基点になる支脚の下端で向上した耐捻じれ強度を有すると共に、スリット部と凸部を備えない取付足に比べて重量の増加もなくなる。また、第1取付足130は、支脚と取付足との間の連結部、連結部に隣接した部分及び一対の凸部に加工硬化部を含むため、釣り糸がガイドリング110に加える負荷によって発生する捻じれに抵抗する部分に強い耐捻じれ強度を有する。また、スリット部を形成することなく全体的に加工硬化される従来技術の取付足と比較して、取付足の先端部領域における変形量が減少する。よって、第1取付足130を形成するためのプレス加工は、スリット部の全部を閉鎖する従来のプレス加工の圧力より小さい圧力を用いて行われ得る。このように小さい圧力を用いるプレス加工によって、金型の寿命が増大でき、釣り糸ガイドの生産性が向上でき、低減された製造費用で釣り糸ガイドが製造されることができる。
【0071】
<第2実施形態>
図20及び図21は、2つの取付足を有する第2実施形態による釣り糸ガイド200を示す。釣り糸ガイド200の第1取付足230のスリット部232は、第1取付足230の全長にわたって形成されている。よって、スリット部232の第1スリット233は、第2スリット134から第1取付足230の先端231Lまで延長する。即ち、スリット部232は、基端131Bから先端231Lまで延長して、スリット部232によって第1取付足230は全長にわたって分割されている。よって、釣り糸ガイド200は、釣り糸ガイド100より軽量である。釣り糸ガイド200の第1取付足230は、第1スリット233が第1取付足230の先端231Lまで延長することを除いては、第1実施形態の釣り糸ガイド100の第1取付足130と同一または類似の構成を有する。
【0072】
図27及び図28は、釣り糸ガイド200を製造するためのブランクの一例を示す。図27に示すブランク600は、スリット部の第1スリットを除いては、図24に示すブランク500と同一の構成を有する。ブランク600の第1取付足部630は、第1支脚部520L、520Rの自由端に接する基端531Bと、リング部510の中心CRを経る中心軸CA3に沿って基端531Bと対向する一対の先端631Lを有する。第1取付足部630は、その中に上述したスリット部232に形成されるスリット部632と上述した一対の凸部135に形成される一対の凸部535とを備える。スリット部632は、第1取付足部630に厚さ方向に開いている。
【0073】
スリット部632は、基端531Bから先端631Lまで延長する。スリット部632は、先端631Lと一対の凸部535との間に位置する第1スリット633と、各凸部535の中間面535Mの間に位置して第1スリット633の幅より小さい幅を有する第2スリット534を含む。第1スリット633と第2スリット534は、遷移部533Tによって連結されている。第2スリット534は基端531Bに隣接し、第1スリット633は遷移部533Tから先端631Lまで延長して第2スリット534の幅より大きい幅を有する。よって、第1取付足部630はスリット部632により分割され、第1取付足部630は連結されない同形の2つの半部を有する。第1スリット633が上述した第1スリット233に形成される。
【0074】
第1取付足部630から第2取付足部550を分離させた後、図25C図25Dを参照して説明した前記のプレス加工を通じて、第1取付足部630と第1支脚部520L、520Rとの間の連結部、これに隣接した部分及び一対の凸部535に塑性変形によって加工硬化を発生させる。よって、第2実施形態の釣り糸ガイド200は捻じれの基点になる支脚の下端で向上した耐捻じれ強度を有する。
【0075】
<第3実施形態>
図22A及び図22Bは、1つの取付足を有する第3実施形態による釣り糸ガイド300A、300Bを示す。釣り糸ガイド300A、300Bは、1つの取付足と一対の支脚を備える。釣り糸ガイド300A、300Bは、第2支脚と第2取付足を備えないことを除いては、上述した実施形態の釣り糸ガイド100、200とそれぞれ同一の構成を有する。釣り糸ガイド300Aの取付足330Aは、上述した釣り糸ガイド100の第1取付足130である。釣り糸ガイド300Bの取付足330Bは、上述した釣り糸ガイド200の第1取付足230である。この実施形態の釣り糸ガイド300A、300Bは、上述した実施形態の釣り糸ガイド100を製造するための金型を用いて製造され得、製造費用を低減することができる。
【0076】
図29は釣り糸ガイド300Aを製造するためのブランクの一例を示す。図29に示すブランク700は、第2支脚部と第2取付足部を備えないことを除いては、図24に示すブランク500と同一の構成を有する。ブランク700から第1取付足130を形成する時、ブランク500から第1取付足130を形成するために用いられる金型が用いられ得る。よって、低減された製造費用で、釣り糸ガイド300Aが製造され得る。図25C図25Dを参照して説明した前記のプレス加工を通じて、第1取付足部530と第1支脚部520L、520Rとの間の連結部、これに隣接した部分及び一対の凸部535に加工硬化を発生させる。よって、釣り糸ガイド300Aは、支脚の下端で向上した耐捻じれ強度を有する。
【0077】
<第4実施形態>
図23A及び図23Bは、1つの取付足を有する第4実施形態による釣り糸ガイド400A,400Bを示す。図23A及び図23Bにそれぞれ示す釣り糸ガイド400A,400Bは、ガイドリング110の下側縁から延長する一対の支脚420L,420Rと、各支脚420L,420Rの下端から延長して各支脚420L,420Rから折り曲げられている1つの取付足を備える。図23Aに示す釣り糸ガイド400Aの取付足430Aは、上述した釣り糸ガイド100の第1取付足130である。図23Bに示す釣り糸ガイド400Bの取付足430Bは、上述した釣り糸ガイド200の第1取付足230である。一対の支脚420L,420Rはそれらの間に間隙421を有する。間隙421は取付足430A,430Bの第2スリット134に通じている。他の例として、図19に示すように一対の凸部が部分的に接触する場合、一対の支脚420L,420Rは、一部の区間で接触して間隙421の一部が存在しなくてもよい。一対の支脚420L,420Rが隣接しているため、釣り糸ガイド400A,400Bはさらに強い捻じれ耐力を有する。
【0078】
さらに他の実施形態の釣り糸ガイドは、一対の支脚(例えば、図23A及び図23Bに示す支脚420L,420R)が一体になった1つの支脚と、このような支脚の下端から延長する上述した第1取付足130または第1取付足230を備えてもよい。このような支脚は、その幅方向で折り曲げられ得、第1取付足の第2スリット134に通じる間隙を有してもよい。
【0079】
以上で説明した本発明は、上述した実施形態及び添付の図面に示す例によって限定されるものではない。本発明の技術思想を逸脱しない範囲内で様々な置換、変形及び変更が可能であるということが本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者にとって明白であろう。
【符号の説明】
【0080】
10 釣り竿、12 巻き糸、13 接着剤コーティング、13A 接着剤アンカー、100 釣り糸ガイド、110 ガイドリング、120L,120R 第1支脚、130 第1取付足、132 スリット部、133 第1スリット、134 第2スリット、135 凸部、136 加工硬化部、140 第2支脚、150 第2取付足、200 釣り糸ガイド、230 第1取付足、232 スリット部、233 第1スリット、300A 釣り糸ガイド、330A 取付足、300B 釣り糸ガイド、330B 取付足、400A 釣り糸ガイド、420L,420R 支脚、430A 取付足、400B 釣り糸ガイド、430B 取付足、500 ブランク、510 ガイドリング部、520L,520R 第1支脚部、530 第1取付足部、532 スリット部、533 第1スリット、534 第2スリット、535 凸部、540 第2支脚部、550 第2取付足部、552 凹部、600 ブランク、630 第1取付足部、632 スリット部、633 第1スリット、700 ブランク。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
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図18
図19
図20
図21
図22A
図22B
図23A
図23B
図24
図25A
図25B
図25C
図25D
図26
図27
図28
図29