特許第6364557号(P6364557)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アライドテレシスホールディングス株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6364557-IoTデータ仲介システム 図000002
  • 特許6364557-IoTデータ仲介システム 図000003
  • 特許6364557-IoTデータ仲介システム 図000004
  • 特許6364557-IoTデータ仲介システム 図000005
  • 特許6364557-IoTデータ仲介システム 図000006
  • 特許6364557-IoTデータ仲介システム 図000007
  • 特許6364557-IoTデータ仲介システム 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6364557
(24)【登録日】2018年7月6日
(45)【発行日】2018年7月25日
(54)【発明の名称】IoTデータ仲介システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20180712BHJP
【FI】
   G06Q50/10
【請求項の数】10
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-543842(P2017-543842)
(86)(22)【出願日】2016年11月9日
(86)【国際出願番号】JP2016083274
【審査請求日】2017年8月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】396008347
【氏名又は名称】アライドテレシスホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088214
【弁理士】
【氏名又は名称】生田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100205084
【弁理士】
【氏名又は名称】吉浦 洋一
(72)【発明者】
【氏名】川北 潤
【審査官】 大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−180946(JP,A)
【文献】 特開2008−204140(JP,A)
【文献】 特開2014−241098(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
IoTデータの流通の仲介を行うIoTデータ仲介システムであって,
前記IoTデータ仲介システムは,
データ値とその属性を示すメタデータとを含むIoTデータを実データとして記憶する実データ記憶部と,
前記実データのうち,前記データ値の一部または全部が変更されたダミー値と前記実データのメタデータとをダミーデータとして記憶するダミーデータ記憶部と,を備えており,
前記IoTデータの取得を行うデータ取得側システムから前記ダミーデータ記憶部に対する検索要求を受け付けてその検索条件を充足するダミーデータを前記データ取得側システムに送り,
前記送ったダミーデータのうち選択されたダミーデータに対応する実データ,または,前記データ取得側システムから前記実データ記憶部に対する検索要求を受け付けて前記検索条件を充足する実データを前記データ取得側システムに送る,
ことを特徴とするIoTデータ仲介システム。
【請求項2】
IoTデータの流通の仲介を行うIoTデータ仲介システムであって,
前記IoTデータ仲介システムは,
データ値とその属性を示すメタデータとを含むIoTデータを実データとして記憶する実データ記憶部と,
前記実データのうち,前記データ値の一部または全部が変更されたダミー値と前記実データのメタデータとをダミーデータとして作成するダミーデータ作成処理部と,を備えており,
前記作成したダミーデータのうち検索条件を充足するダミーデータを,前記IoTデータの取得を行うデータ取得側システムに送り,
前記送ったダミーデータのうち選択されたダミーデータに対応する実データ,または,前記データ取得側システムから前記実データ記憶部に対する検索要求を受け付けて前記検索条件を充足する実データを前記データ取得側システムに送る,
ことを特徴とするIoTデータ仲介システム。
【請求項3】
前記IoTデータ仲介システムは,
前記データ取得側システムの認証処理を実行する認証処理部,をさらに備えており,
前記IoTデータ仲介システムは,
前記データ取得側システムの認証処理が正常に終了した後,前記選択されたダミーデータに対応する実データ,または,前記データ取得側システムから前記実データ記憶部に対する検索要求を受け付けて前記検索条件を充足する実データを前記データ取得側システムに送る,
ことを特徴とする請求項1に記載のIoTデータ仲介システム。
【請求項4】
前記ダミーデータ記憶部は,
前記認証処理が終了する前でも,前記データ取得側システムからダミーデータを検索可能であり,
前記実データ記憶部は,
前記認証処理が正常に終了する前は,前記データ取得側システムからは実データが検索できない,
ことを特徴とする請求項3に記載のIoTデータ仲介システム。
【請求項5】
前記実データは,IoTデータ識別情報に対応付けて前記実データ記憶部に記憶されており,
前記ダミーデータは,対応する実データの前記IoTデータ識別情報に対応付けて前記ダミーデータ記憶部に記憶されており,
前記送ったダミーデータのうち,選択されたダミーデータに対応付けられたIoTデータ識別情報に基づいて,前記実データ記憶部に記憶する実データを前記データ取得側システムに送る,
ことを特徴とする請求項1,請求項3または請求項4のいずれかに記載のIoTデータ仲介システム。
【請求項6】
前記IoTデータ仲介システムは,
前記データ取得側システムの認証処理を実行する認証処理部,をさらに備えており,
前記IoTデータ仲介システムは,
前記データ取得側システムの認証処理が正常に終了した後,前記選択されたダミーデータに対応する実データ,または,前記データ取得側システムから前記実データ記憶部に対する検索要求を受け付けて前記検索条件を充足する実データを前記データ取得側システムに送る,
ことを特徴とする請求項2に記載のIoTデータ仲介システム。
【請求項7】
IoTデータの流通の仲介を行うIoTデータ仲介システムであって,
前記IoTデータ仲介システムは,
IoTデバイスまたはIoTデバイスからIoTデータを収集したIoTデータ収集サーバから,データ値とその属性を示すメタデータとを含む実データであるIoTデータを受け取る実データ取得処理部と,
前記受け取った実データを,IoTデータ識別情報に対応付けて記憶する記憶する実データ記憶部と,
前記実データにおけるデータ値の一部または全部について変更処理を行いダミー値を作成して,前記実データにおけるメタデータに,前記ダミー値を対応付けてダミーデータであるIoTデータを作成するダミーデータ作成処理部と,
前記ダミーデータを,対応する実データの前記IoTデータ識別情報に対応付けて記憶するダミーデータ記憶部と,
IoTデータの取得を行うデータ取得側システムに対して認証処理を実行する認証処理部と,
前記データ取得側システムに対して,前記実データ記憶部に記憶する実データの送信処理を行う実データ送信処理部と,を備えており,
前記IoTデータ仲介システムは,
前記データ取得側システムからIoTデータの検索要求を受け付けて,その検索条件を充足する前記ダミーデータを前記データ取得側システムに送り,
前記データ取得側システムに対して正常に認証処理が行えた場合には,前記送ったダミーデータに対応する実データのうち選択されたダミーデータに対応する実データ,または,前記データ取得側システムから前記実データ記憶部に対する検索要求を受け付けて前記検索条件を充足する実データを前記データ取得側システムに送る,
ことを特徴とするIoTデータ仲介システム。
【請求項8】
IoTデータの流通の仲介を行うコンピュータシステムを機能させるプログラムであって,
前記コンピュータシステムは,
データ値とその属性を示すメタデータとを含むIoTデータを実データとして記憶する実データ記憶部と,
前記実データのうち,前記データ値の一部または全部が変更されたダミー値と前記実データのメタデータとをダミーデータとして記憶するダミーデータ記憶部と,を備えており,
前記コンピュータシステムを,
IoTデータの取得を行うデータ取得側システムから前記ダミーデータ記憶部に対する検索要求を受け付けてその検索条件を充足するダミーデータを前記データ取得側システムに送る手段,
前記送ったダミーデータのうち選択されたダミーデータに対応する実データ,または,前記データ取得側システムから前記実データ記憶部に対する検索要求を受け付けて前記検索条件を充足する実データを前記データ取得側システムに送る手段,
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
IoTデータの流通の仲介を行うコンピュータシステムを機能させるプログラムであって,
前記コンピュータシステムは,
データ値とその属性を示すメタデータとを含むIoTデータを実データとして記憶する実データ記憶部,を備えており,
前記コンピュータシステムを,
前記実データのうち,前記データ値の一部または全部が変更されたダミー値と前記実データのメタデータとをダミーデータとして作成する手段,
前記作成したダミーデータのうち検索条件を充足するダミーデータを,前記IoTデータの取得を行うデータ取得側システムに送る手段,
前記送ったダミーデータのうち選択されたダミーデータに対応する実データ,または,前記データ取得側システムから前記実データ記憶部に対する検索要求を受け付けて前記検索条件を充足する実データを前記データ取得側システムに送る手段,
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
IoTデータの仲介の流通で用いるコンピュータシステムの処理方法であって,
前記処理方法は,前記コンピュータシステムにおいて,
IoTデバイスまたはIoTデバイスからIoTデータを収集したIoTデータ収集サーバから,実データであるIoTデータを受け取り,実データ記憶部に記憶させるステップと,
前記実データにおけるデータ値の一部または全部について変更処理を行いダミー値を作成し,前記作成したダミー値に,前記実データにおけるメタデータに対応付けてダミーデータであるIoTデータを作成するステップと,
IoTデータの取得を行うデータ取得側システムから,IoTデータの検索要求を受け付けてその検索条件を充足するダミーデータを検索結果として送るステップと,
前記検索結果として送ったダミーデータのうち選択されたダミーデータに対応する実データ,または,前記データ取得側システムから前記実データ記憶部に対する検索要求を受け付けて前記検索条件を充足する実データを前記データ取得側システムに送るステップと,
を有することを特徴とするIoTデータ仲介システムにおけるコンピュータシステムの処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,IoTデバイスで取得したIoTデータの流通の仲介をするIoTデータ仲介システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年,IoT(Internet of Things)の技術が注目を浴びており,さまざまな物にセンサーなどの機器(以下,「IoTデバイス」という)が取り付けられ始めている。そして取り付けられたIoTデバイスはあらかじめ定められた条件で計測したデータ(以下,「IoTデータ」という)を所定のコンピュータに送信する。
【0003】
IoTは,さまざまな物にIoTデバイスを取り付けて,そこで検知したIoTデータに基づいて,各種分析などの処理を行うことが目的である。そのため取得したIoTデータは貴重であり,そのデータが広く利用できると,さまざまな角度から分析が行えるため有益である。
【0004】
しかしながら,IoTデバイスは多種多様にわたり,またさまざまなメーカーがその目的に沿って製作していることから,IoTデバイスから取得するIoTデータのデータフォーマット(仕様)はそれぞれ異なっていることが通常である。そのため,IoTデバイスから取得したIoTデータは,そのIoTデバイスを取り付けた者のみが利用していることが通常であって,第三者に広く提供されているわけではない。
【0005】
一方で,上述のようにIoTデバイスにより取得したIoTデータが広く流通すれば,データ分析の精度が著しく向上するので,その流通が待ち望まれている。
【0006】
IoTデバイスから取得されたデータは,個々のIoTデバイスで定められたフォーマットにしたがって記述されている。そしてデータフォーマットの統一的な規格は存在していない。そのため,IoTデバイスにより取得したIoTデータを流通させる場合,どのIoTデバイスから取得したかによって,データフォーマットが異なるため,直ちにそのIoTデータを利用することができない。
【0007】
そこで,下記特許文献1,非特許文献1に記載のように,IoTデバイスで取得したIoTデータを取引するプラットフォームが考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第5951907号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】”IoTデータのマーケットプレイス EveySense,エブリセンスCEO真野氏インタビュー”,インターネット<URL:https://iotnews.jp/archives/11189>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1,非特許文献1に記載のIoTデータのマーケットプレイス(情報仲介システム)では,IoTデバイスごとのデータフォーマットの相違を,所定のサーバで,データの受け手が定めた方式に変換した上で提供する仕組みが提案されている。
【0011】
かかる方法によればデータの受け手の所望の形式に変換できるので有益ではあるが,IoTデバイスごとのデータフォーマットをあらかじめ登録しておき,それに基づく変換をしなければならない。しかし,IoTデバイスは今後,無数に増加することが想定されており,それに伴い,さまざまなデータフォーマットが用いられることになることが予想される。そのため,その全てについてデータフォーマットを登録するのは極めて負担かつ困難であり,また現実的でもない。
【0012】
また,特許文献1のIoTデータのマーケットプレイスでは,IoTデバイスから取得したIoTデータについて,プライバシー保護のため,一定の加工処理を施した上で,その加工処理後のデータをレシーバ(IoTデータの受け手側)に渡すシステム構成を採っている。これはセンダ(IoTデータの提供側)のプライバシーを保護するためであるが,レシーバとしては,生データを取得できないことから,IoTデータの価値が著しく下がってしまう。
【0013】
さらに,レシーバとしては,購入しようとするIoTデータに基づいて,自らが分析等を行おうとするためのプログラムが適切に稼働するかを事前に把握したい要望がある。しかし,レシーバは,データを取得しないとプログラムの稼働チェックを行えないが,他方,レシーバが実際のIoTデータの取引の前にそれを取得できてしまうと,一度データ値が見られてしまうため,その価値が著しく下がってしまう。そこで両者の要望を達成するIoTデバイスによるIoTデータの流通を仲介するシステムが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者は上記課題に鑑み,この課題を解決するIoTデータ仲介システムを発明した。
【0015】
第1の発明は,IoTデータの流通の仲介を行うIoTデータ仲介システムであって,前記IoTデータ仲介システムは,データ値とその属性を示すメタデータとを含むIoTデータを実データとして記憶する実データ記憶部と,前記実データのうち,前記データ値の一部または全部が変更されたダミー値と前記実データのメタデータとをダミーデータとして記憶するダミーデータ記憶部と,を備えており,前記IoTデータの取得を行うデータ取得側システムから前記ダミーデータ記憶部に対する検索要求を受け付けてその検索条件を充足するダミーデータを前記データ取得側システムに送り,前記送ったダミーデータのうち選択されたダミーデータに対応する実データ,または,前記データ取得側システムから前記実データ記憶部に対する検索要求を受け付けて前記検索条件を充足する実データを前記データ取得側システムに送る,IoTデータ仲介システムである。
【0016】
第2の発明は,IoTデータの流通の仲介を行うIoTデータ仲介システムであって,前記IoTデータ仲介システムは,データ値とその属性を示すメタデータとを含むIoTデータを実データとして記憶する実データ記憶部と,前記実データのうち,前記データ値の一部または全部が変更されたダミー値と前記実データのメタデータとをダミーデータとして作成するダミーデータ作成処理部と,を備えており,前記作成したダミーデータのうち検索条件を充足するダミーデータを,前記IoTデータの取得を行うデータ取得側システムに送り,前記送ったダミーデータのうち選択されたダミーデータに対応する実データ,または,前記データ取得側システムから前記実データ記憶部に対する検索要求を受け付けて前記検索条件を充足する実データを前記データ取得側システムに送る,IoTデータ仲介システムである。
【0017】
これらの発明のように,IoTデータの取得を所望するデータ取得側システムからはダミーデータの検索を受け付け,検索結果としてダミーデータをデータ取得側システムに送り,その後,データ取得側システムが必要な実データを送る,いわば二段階の構成とすることによって,IoTデータの取得側が,IoTデータがアプリケーションプログラムなどで正常に稼働するかなどについて事前の把握が可能になる。その一方,取引の前には実データであるIoTデータのデータ値は,IoTデータの取得側には開示されていない。そのため,実データであるIoTデータを取引前に開示することなく,かつ,データの取得側にとっては,自らにとって利用可能かを把握した上で,取引が可能なIoTデータ仲介システムが可能となる。
【0018】
上述の発明において,前記IoTデータ仲介システムは,前記データ取得側システムの認証処理を実行する認証処理部,をさらに備えており,前記IoTデータ仲介システムは,前記データ取得側システムの認証処理が正常に終了した後,前記選択されたダミーデータに対応する実データ,または,前記データ取得側システムから前記実データ記憶部に対する検索要求を受け付けて前記検索条件を充足する実データを前記データ取得側システムに送る,IoTデータ仲介システムのように構成することができる。
【0019】
本発明のように,実データをデータ取得側システムに送る前には認証処理を設けることが好ましい。
【0020】
上述の発明において,前記ダミーデータ記憶部は,前記認証処理が終了する前でも,前記データ取得側システムからダミーデータを検索可能であり,前記実データ記憶部は,前記認証処理が正常に終了する前は,前記データ取得側システムからは実データが検索できない,IoTデータ仲介システムのように構成することができる。
【0021】
本発明のように,ダミーデータは認証処理が終了する前でも検索可能となり,実データは認証処理が終了した後でなければ検索できない構成とすることで,ダミーデータと実データとを切り離し,データの取得側には認証処理前には実データを送らないように構成することができる。
【0022】
上述の発明において,前記実データは,IoTデータ識別情報に対応付けて前記実データ記憶部に記憶されており,前記ダミーデータは,対応する実データの前記IoTデータ識別情報に対応付けて前記ダミーデータ記憶部に記憶されており,前記送ったダミーデータのうち,選択されたダミーデータに対応付けられたIoTデータ識別情報に基づいて,前記実データ記憶部に記憶する実データを前記データ取得側システムに送る,IoTデータ仲介システムのように構成することができる。
【0023】
実データとダミーデータとの関連性は,本発明のように,IoTデータ識別情報に基づいて保持されているとよい。
【0024】
第1の発明は,本発明のように構成することでも実現できる。すなわち,IoTデータの流通の仲介を行うIoTデータ仲介システムであって,前記IoTデータ仲介システムは,IoTデバイスまたはIoTデバイスからIoTデータを収集したIoTデータ収集サーバから,データ値とその属性を示すメタデータとを含む実データであるIoTデータを受け取る実データ取得処理部と,前記受け取った実データを,IoTデータ識別情報に対応付けて記憶する記憶する実データ記憶部と,前記実データにおけるデータ値の一部または全部について変更処理を行いダミー値を作成して,前記実データにおけるメタデータに,前記ダミー値を対応付けてダミーデータであるIoTデータを作成するダミーデータ作成処理部と,前記ダミーデータを,対応する実データの前記IoTデータ識別情報に対応付けて記憶するダミーデータ記憶部と,IoTデータの取得を行うデータ取得側システムに対して認証処理を実行する認証処理部と,前記データ取得側システムに対して,前記実データ記憶部に記憶する実データの送信処理を行う実データ送信処理部と,を備えており,前記IoTデータ仲介システムは,前記データ取得側システムからIoTデータの検索要求を受け付けて,その検索条件を充足する前記ダミーデータを前記データ取得側システムに送り,前記データ取得側システムに対して正常に認証処理が行えた場合には,前記送ったダミーデータに対応する実データのうち選択されたダミーデータに対応する実データ,または,前記データ取得側システムから前記実データ記憶部に対する検索要求を受け付けて前記検索条件を充足する実データを前記データ取得側システムに送る,IoTデータ仲介システムである。
【0025】
第1の発明は,本発明のプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行することで実現することができる。すなわち,IoTデータの流通の仲介を行うコンピュータシステムを機能させるプログラムであって,前記コンピュータシステムは,データ値とその属性を示すメタデータとを含むIoTデータを実データとして記憶する実データ記憶部と,前記実データのうち,前記データ値の一部または全部が変更されたダミー値と前記実データのメタデータとをダミーデータとして記憶するダミーデータ記憶部と,を備えており,前記コンピュータシステムを,IoTデータの取得を行うデータ取得側システムから前記ダミーデータ記憶部に対する検索要求を受け付けてその検索条件を充足するダミーデータを前記データ取得側システムに送る手段,前記送ったダミーデータのうち選択されたダミーデータに対応する実データ,または,前記データ取得側システムから前記実データ記憶部に対する検索要求を受け付けて前記検索条件を充足する実データを前記データ取得側システムに送る手段,として機能させるプログラムである。
【0026】
第2の発明は,本発明のプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行することで実現することができる。すなわち,IoTデータの流通の仲介を行うコンピュータシステムを機能させるプログラムであって,前記コンピュータシステムは,データ値とその属性を示すメタデータとを含むIoTデータを実データとして記憶する実データ記憶部,を備えており,前記コンピュータシステムを,前記実データのうち,前記データ値の一部または全部が変更されたダミー値と前記実データのメタデータとをダミーデータとして作成する手段,前記作成したダミーデータのうち検索条件を充足するダミーデータを,前記IoTデータの取得を行うデータ取得側システムに送る手段,前記送ったダミーデータのうち選択されたダミーデータに対応する実データ,または,前記データ取得側システムから前記実データ記憶部に対する検索要求を受け付けて前記検索条件を充足する実データを前記データ取得側システムに送る手段,として機能させるプログラムである。
【0027】
第1および第2の発明は,本発明の処理方法でコンピュータを機能させることでも実現可能である。すなわち,IoTデータの仲介の流通で用いるコンピュータシステムの処理方法であって,前記処理方法は,前記コンピュータシステムにおいて,IoTデバイスまたはIoTデバイスからIoTデータを収集したIoTデータ収集サーバから,実データであるIoTデータを受け取り,実データ記憶部に記憶させるステップと,前記実データにおけるデータ値の一部または全部について変更処理を行いダミー値を作成し,前記作成したダミー値に,前記実データにおけるメタデータに対応付けてダミーデータであるIoTデータを作成するステップと,IoTデータの取得を行うデータ取得側システムから,IoTデータの検索要求を受け付けてその検索条件を充足するダミーデータを検索結果として送るステップと,前記検索結果として送ったダミーデータのうち選択されたダミーデータに対応する実データ,または,前記データ取得側システムから前記実データ記憶部に対する検索要求を受け付けて前記検索条件を充足する実データを前記データ取得側システムに送るステップと,を有するIoTデータ仲介システムにおけるコンピュータシステムの処理方法である。
【発明の効果】
【0028】
本発明のIoTデータ仲介システムを用いることで,メタデータは実データと同じで,データ値がダミー値に変更されたダミーデータを利用できるので,IoTデータの取得側が,IoTデータがアプリケーションプログラムなどで正常に稼働するかなどについて事前の把握が可能になるとともに,取引の前には実データであるIoTデータのデータ値は,IoTデータの取得側には開示されていない。そのため,実データであるIoTデータを取引前に開示することなく,かつ,データの取得側にとっては,自らにとって利用可能かを把握した上で,取引が可能なIoTデータ仲介システムが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明のIoTデータ仲介システムの全体の概念の一例を模式的に示す概念図である。
図2】本発明のIoTデータ仲介システムのシステム構成の一例を模式的に示す概念図である。
図3】本発明のIoTデータ仲介システムで用いるハードウェアの構成の一例を模式的に示す図である。
図4】本発明のIoTデータ仲介システムにおける全体の処理プロセスの一例を示すフローチャートである。
図5】IoTデータ(実データ)の一例を模式的に示す図である。
図6】IoTデータ(ダミー)の一例を模式的に示す図である。
図7】ダミーデータ作成処理部におけるダミー値を作成するプログラムの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明のIoTデータ仲介システム1の全体の概念の一例を図1に,さらに詳細にシステム構成の概念を模式的に示すのが図2である。IoTデータ仲介システム1では,仲介サーバ2とIoTデバイス3とIoTデータ収集サーバ4とデータ取得側システム5とを備える。
【0031】
仲介サーバ2,IoTデータ収集サーバ4,データ取得側システム5はコンピュータによって実現される。図3にコンピュータのハードウェア構成の一例を示す。コンピュータは,プログラムの演算処理を実行するCPUなどの演算装置70と,情報を記憶するRAMやハードディスクなどの記憶装置71と,ディスプレイなどの表示装置72と,情報の入力を行う入力装置73と,演算装置70の処理結果や記憶装置71に記憶する情報の通信をする通信装置74とを有している。
【0032】
各サーバやシステムは一台のコンピュータによって実現されていてもよいが,その機能が複数のコンピュータによって実現されていてもよい。この場合のコンピュータとして,たとえばクラウドサーバであってもよい。
【0033】
さらに,本発明のIoTデータ仲介システム1における各手段は,その機能が論理的に区別されているのみであって,物理上あるいは事実上は同一の領域を為していても良い。
【0034】
IoTデータ仲介システム1は,IoTデバイス3またはIoTデバイス3からIoTデータを収集しているIoTデータ収集サーバ4から,IoTデータを取得する。またデータ取得側システム5は,IoTデータ仲介システム1に記憶しているIoTデータの取得を所望する者が利用するシステムである。
【0035】
IoTデバイス3は,電子機器や自動車などさまざまな物に取り付けられたセンサなど,所定の計測したデータ(IoTデータ)を送信する装置である。IoTデータの一例としては,たとえば図5に記載のように多種多様なデータがあり,センサなどのデータを計測可能な装置が計測したデータであればいかなるものであってもよい。図5(a)〜(c)はIoTデバイス3から取得したIoTデータの一例である。図5(a)は数カ所に中規模の発電設備とセンサとを持つA社のIoTデバイス3から取得したIoTデータの一例である。図5(b)は小規模だが多地点に発電設備を持つB社のIoTデバイス3から取得したIoTデータの一例である。図5(c)は発電設備はないが,多地点に多種の環境情報センサーを持つC社のIoTデバイス3から取得したIoTデータの一例である。図5(a)〜(c)では,それぞれ各社が独自のデータフォーマット(仕様)に基づいてIoTデータを構成している。
【0036】
IoTデータでは,データ値と,データ値がどのような意味を持つのか(属性)を示すメタデータの少なくとも2つの要素から構成されている。加工がされていないデータ値とメタデータを含むIoTデータを実データとする。たとえば図5(a)では,メタデータとして,「エリア」,「timestamp」,「緯度」,「経度」,「温度」,「照度」,「発電量」,「UVインデックス」,「放射線強度」があり,それらに対応するデータ値として「01」,「20/Sep/2016:12:34:00JST」,「35.62deg」,「139.72deg」,「25.7℃」,「30000lux」,「740kW」,「4.3」,「0.043μSv/h」となっている。図5(b)では,メタデータとして「Plant-ID」,「Time」,「Place」,「Temperature」,「Illuminance」,「GeneratedPower」があり,それらに対応するデータ値として「A1」,「20/Sep/2016:12:34:00+09:00」,「Megurogawa Station」,「25.7」,「25000」,「10kW」となっている。図5(c)では,メタデータとして「時刻」,「住所」,「外気温」,「外気湿度」,「気圧」,「風速」,「風向」,「降水量」,「PM2.5」,「SO濃度」,「NO濃度」,「UV-Index」,「放射線強度」があり,それらに対応するデータ値として「2016−9−20:12:00:00」,「東京都品川区」,「25.7℃」,「43%」,「1012hPa」,「0.1m/s」,「SSE」,「0mm/h」,「15μg/m」,「0.001ppm」,「0.007ppm」,「4.3」,「0.0365μSv/h」となっている。
【0037】
このようにIoTでは各IoTデバイス3によって取得するIoTデータのデータフォーマットが異なっている。
【0038】
IoTデバイス3は仲介サーバ2またはIoTデータ収集サーバ4に対して,IoTデータを渡す。IoTデータ収集サーバ4は,自らが管理する一または二以上のIoTデバイス3からIoTデータを取得し,それを仲介サーバ2に渡す。IoTデータ収集サーバ4は,複数のIoTデータから取得したIoTデータを,一つのIoTデータにまとめて実データとして仲介サーバ2に渡すような処理を行ってもよい。すなわち,IoTデータ収集サーバ4が,温度を検知するIoTデバイス3,照度を検知するIoTデバイス3,発電量を検知するIoTデバイス3,UVインデックスを検知するIoTデバイス3,放射線強度を検知するIoTデバイス3のそれぞれを管理し,各IoTデバイス3からそれぞれのIoTデータを取得し,エリア,日付,緯度,経度と対応付けた一つのIoTデータ(たとえば図5(a))を生成し,それを実データとして仲介サーバ2に渡してもよい。
【0039】
データ取得側システム5は,仲介サーバ2を介してIoTデバイス3によるIoTデータを取得する。この際に,データ取得側システム5は,仲介サーバ2で記憶するダミーデータであるIoTデータに,所望するIoTデータが存在するかを,スキーマレスで検索するサーチエンジンで検索する。スキーマレスなサーチエンジンの一例としては,たとえば「ElasticSearch(登録商標)」などがあり,一例として用いることができる。この際に,検索するのは,IoTデータにおけるメタデータの部分を検索する。
【0040】
IoTが日常的に用いられる時代になると,個々のデータフォーマットを気にせずデータを探す仕組みとして,スキーマレスなサーチエンジンが重要となる。スキーマレスなサーチエンジンを用いることによって,後述のように,メタデータとデータ値とを含む実データを,メタデータとダミー値とを含むダミーデータのセットのまま作成することができ,また公開することができる一方で,従来のようなスキーマ型DBを用いた場合には,それを行うことができないからである。また,IoTデータの取得者であるデータ取得側システム5では,検索対象がサーチ型のデータ形式(メタデータとデータ値のセット)だからこそスムースに検索ができる。たとえば,「気温」を実在する数だけ検索している場合には,検索結果から即座に平均気温が算出できるが,単に,従来のスキーマ型のDBにデータ値が入っているだけの場合,「気温」が何件あります」と1行書かれている対象を検索しても,平均気温は即座に算出することができないからである。
【0041】
仲介サーバ2は,実データ取得処理部21と実データ記憶部22とダミーデータ作成処理部23とダミーデータ記憶部24と認証処理部25と実データ送信処理部26とを有する。
【0042】
実データ取得処理部21は,IoTデバイス3またはIoTデータ収集サーバ4から,IoTデータ(実データ)を取得し,後述する実データ記憶部22に記憶させる。実データとはIoTデバイス3から取得したデータそのもの,または複数のIoTデータから取得されたデータを,IoTデータ収集サーバ4などにおいて一つのデータに組み合わせたデータであって,データ値に対して加工処理がされていないデータである。実データ取得処理部21は,取得したIoTデータ(実データ)を識別する識別情報(以下,「IoTデータ識別情報」という)を付して,実データ記憶部22に記憶させる。
【0043】
実データ記憶部22は,実データ取得処理部21で取得したIoTデータ(実データ)を記憶する。たとえば図5(a)〜(c)のIoTデータを,それぞれを識別する識別情報(IoTデータ識別情報)に対応付けて記憶させる。実データ記憶部22に記憶するIoTデータ(実データ)は,データ取得側システム5からは認証処理を経なければアクセス可能ではなく,後述する認証処理部25における認証処理がなされた後,データ取得側システム5からアクセス可能となる。
【0044】
ダミーデータ作成処理部23は,実データ取得処理部21で取得したIoTデータ(実データ)のうち,メタデータに対応付けられるデータ値の一部または全部を所定の方法でダミー値に変更したダミーデータを作成する。すなわち,実データであるIoTデータは,メタデータとデータ値とを含むが,メタデータはそのデータ値の属性を示しているため,これが取得者によって参照されることは,取得者がIoTデータにどのようなデータが存在するかを確認するため重要である。一方,データ値が参照されることは好ましくはない。そこで,IoTデータにおけるデータ値について,データ値の一部または全部を所定の方法でダミー値に変更したダミーデータとする。なお,変更したダミー値とメタデータとIoTデータ識別情報は,ダミーデータであるIoTデータとして,後述するダミーデータ記憶部24に記憶される。
【0045】
ダミー値への変換方法はいかなる方法を用いてもよいが,たとえば所定の定数とする,乱数を発生させる,乱数を発生させ,それにデータ値を演算した値とする,などさまざまな方法がある。また作成したダミー値は不可逆としてもよい。ダミーデータ作成処理部23は,実データ取得処理部21で取得したIoTデータのすべてについてダミーデータを作成することが好ましい。すべてのダミーデータを作成することで,実データ記憶部22で記憶するIoTデータの数量が判定可能となるからである。
【0046】
図6にダミーデータ作成処理部23でデータ値がダミー値に変更されたダミーデータの一例を模式的に示す。図6(a)は図5(a)のIoTデータに基づいてダミーデータを作成した場合の一例であり,図6(b)は図5(b)のIoTデータに基づいてダミーデータを作成した場合の一例であり,図6(c)は図5(c)のIoTデータに基づいてダミーデータを作成した場合の一例である。
【0047】
ダミーデータ作成処理部23で作成したダミー値は,実データであるIoTデータのうちのデータ値の一部または全部に相当するデータである。そのため,ダミーデータであるIoTデータと実データであるIoTデータとでは,IoTデータ識別情報とメタデータとは共通であり,データ値の一部または全部が相違することとなる。
【0048】
図7にダミーデータ作成処理部23のプログラムの一例を示す。図7のダミーデータを作成するプログラムは,実データのメタデータに対応するデータ値について,文字列を「X」,数字を「9」に変更することでダミー値を作成するプログラムである。
【0049】
ダミーデータ記憶部24は,ダミーデータ作成処理部23が作成したダミー値とメタデータとIoTデータ識別情報とを対応付けて記憶する。ダミーデータ記憶部24に記憶したIoTデータ(ダミー)は,データ取得側システム5から検索可能になっている。
【0050】
認証処理部25は,データ取得側システム5との間でIoTデータの取引が成立した場合に,その取引が成立したIoTデータ(実データ)を取得可能にするための認証処理を実行する。たとえばデータ取得側システム5に対しては,ダミーデータ記憶部24に記憶するIoTデータ(ダミー)が検索可能となっているが,そのダミーデータであるIoTデータを利用した結果,実データであるIoTデータの取引を所望した場合,所定の制御処理がデータ取得側システム5において行われる。そして,データ取得側システム5から取引を行うIoTデータ(ダミー)に付されたIoTデータ識別情報を受け付けると,認証処理部25は,当該IoTデータ識別情報に対応付けられたIoTデータ(実データ)にアクセス可能な認証情報をデータ取得側システム5に発行する。そしてデータ取得側システム5から実データ記憶部22にアクセスした際に,当該認証情報を受け付けることで,認証処理を実行する。
【0051】
なお,ダミーデータ作成処理部23において,ダミー値が可逆的に作成されている場合,認証処理部25における認証処理が正常に完了した後,認証情報を用いてダミー値をデータ値に戻す処理を実行してもよいし,認証情報は実データ記憶部22に対するアクセス制御を行う情報であってもよい。
【0052】
実データ送信処理部26は,認証処理部25における認証処理が正常に完了した後,当該IoTデータ識別情報に対応したIoTデータ(実データ)をデータ取得側システム5に送る。
【0053】
つぎに本発明のIoTデータ仲介システム1の処理プロセスの一例を図4のフローチャートを用いて説明する。
【0054】
IoTデバイス3は,あらかじめ定められた条件に従って計測を行い,逐次,IoTデータ収集サーバ4または仲介サーバ2に,計測したIoTデータ(実データ)を送る。この際に,IoTデバイス3はそこに内蔵されている通信機能を用いて,有線または無線によりデータを送信している。IoTデバイス3からIoTデータ(実データ)を受け取ったIoTデータ収集サーバ4は,そのIoTデータ(実データ)をそのまま,または複数のIoTデバイス3からのIoTデータをまとめて一つのIoTデータ(実データ)として,仲介サーバ2に送る。
【0055】
仲介サーバ2の実データ取得処理部21は,IoTデバイス3またはIoTデータ収集サーバ4から送られたIoTデータ(実データ)を受け取り(S100),それにIoTデータ識別情報を付した上で,実データ記憶部22に記憶させる(S110)。実データ記憶部22に記憶したIoTデータ(実データ)の一例が図5である。
【0056】
ダミーデータ作成処理部23は,実データ取得処理部21で取得したIoTデータのうち,データ値の一部または全部について,所定の方法でダミー値に変更する変更処理を実行する(S120)。そして作成したダミー値とメタデータとIoTデータ識別情報とを対応付けてダミーデータ記憶部24に記憶させる(S130)。ダミーデータ記憶部24にIoTデータ(ダミー)が記憶された後,データ取得側システム5における検索エンジンによる当該IoTデータ(ダミー)の検索が可能となる。
【0057】
そしてデータ取得側システム5では,所望のIoTデータの検索条件の入力を受け付け,それに基づいて,データ取得側システム5は検索条件に基づいて,該当するIoTデータ(ダミー)が存在するかを,ダミーデータ記憶部24から検索をする。この際に,データ取得側システム5の検索条件としては,所望のIoTデータのメタデータにおける属性,たとえば「発電量」,「住所」,「日時」とし,ダミーデータ記憶部24に記憶するIoTデータ(ダミー)のメタデータから検索条件に充足する属性のIoTデータがあるかを判定する。検索エンジンとしてスキーマレスな検索エンジンを用いることによって,IoTデータ(ダミー)のメタデータが「発電量」として登録されているもののみならず,「GeneratedPower」など検索条件に類似する用語であってもヒットすることが可能である。
【0058】
以上のようにしてデータ取得側システム5で検索を行い,ダミーデータ記憶部24に記憶するIoTデータ(ダミー)のうち,検索条件に該当するIoTデータ(ダミー)とIoTデータ識別情報とを取得する。そして,データ取得側システム5は,取得したIoTデータ(ダミー)に基づいて,自らがデータ分析などに利用しようとするアプリケーションプログラムで,IoTデータ(ダミー)を読み込ませて,その処理を実行させる。
【0059】
データ取得側システム5では,実データではないダミーデータであるIoTデータに基づいてアプリケーションプログラムを実行することとなるが,アプリケーションプログラムそのものは,データ値が相違するのみで,属性は実データと同一なので,正確に稼働するかを確認することが可能となる。つまり,自らのアプリケーションプログラムに必要なIoTデータは,取得したIoTデータ(ダミー)のうちどれであるかが判定可能となる。
【0060】
以上のようにして取得したIoTデータ(ダミー)のうち,実データであるIoTデータを所望する場合には,データ取得側システム5において,ダミーであるIoTデータの選択をデータを受け付ける。もしくは,アプリケーションプログラムで正常に稼働したIoTデータ(ダミー)を取得対象のIoTデータとして,データ取得側システム5で自動的に選択をする。
【0061】
以上のようにして取得対象として選択されたIoTデータ(ダミー)について,そのIoTデータ(ダミー)に対応する実データであるIoTデータの取得要求と,選択されたIoTデータ(ダミー)のIoTデータ識別情報とがデータ取得側システム5から仲介サーバ2に送られると(S150),それを仲介サーバ2の認証処理部25で受け付ける。
【0062】
そして認証処理部25は,上記IoTデータの取得要求を受け付けると,受け付けたIoTデータ(ダミー)のIoTデータ識別情報に基づいて,対応する実データであるIoTデータを実データ記憶部22から検索するとともに,そのIoTデータを取得するための認証情報をデータ取得側システム5に発行する。認証情報は毎回異なる情報であってもよいし,IoTデータごとに割り当てられていてもよい。
【0063】
なお,取得要求と認証情報との発行の処理の間に,IoTデータ(実データ)の取引の処理を行わせてもよい。すなわち,実データであるIoTデータの取引のための決済処理(たとえばIoTデータ数が1つあたり0.1円の取引とした場合,選択された100万のIoTデータ(実データ)に対して10万円の決済処理)が実行された後,認証処理部25が認証情報をデータ取得側システム5に発行してもよい。
【0064】
データ取得側システム5は,仲介サーバ2の認証処理部25から受け取った認証情報に基づいて実データ記憶部22にアクセスすると,認証処理部25は,当該認証情報による認証処理を実行する(S160)。そして,正常に認証処理が完了すれば,実データ送信処理部26は,当該IoTデータ識別情報に対応したIoTデータ(実データ)をデータ取得側システム5に送り(S170),それをデータ取得側システム5で受け付ける。このようにしてデータ取得側システム5は実データであるIoTデータが取得できる。
【0065】
なお,本発明のIoTデータ仲介システム1において,上述の説明ではダミーデータ記憶部24を設け,ダミーデータ作成処理部23が作成したダミー値を用いてダミーデータをダミーデータ記憶部24に記憶させる構成としたが,データ取得側システム5が,検索をする際に,ダミーデータ作成処理部23がダミー値を作成して,実データをダミーデータとするように構成をすることもできる。この場合,ダミーデータ記憶部24はIoTデータ仲介システム1に設けなくてもよい。この場合にはIoTデータ識別情報を用いずともよい。
【0066】
さらに,認証処理部25における認証処理が正常に完了した場合,データ取得側システム5によるIoTデータの検索先(参照先)が,IoTデータ(ダミー)が記憶されているダミーデータ記憶部24から,IoTデータ(実データ)が記憶されている実データ記憶部22に切り替えられるように構成してもよい。すなわち,認証処理部25における認証処理が正常に完了した場合,データ取得側システム5の検索条件(好ましくは,IoTデータ(ダミー)を検索したときと同じ検索条件)に基づいて検索を行い,実データ記憶部22に記憶するIoTデータ(実データ)のうち,検索条件に合致するIoTデータ(実データ)を実データ送信処理部26が送信することで,データ取得側システム5が所望のIoTデータ(実データ)を取得するように構成してもよい。この場合,IoTデータ識別情報を用いずに処理を実行することもできる。なお,データ取得側システム5が検索条件に合致するかを検索するのは,ダミーデータ記憶部24に記憶するIoTデータ(ダミー),実データ記憶部22に記憶するIoTデータ(実データ)のうち,各IoTデータにおけるメタデータの属性を検索する。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明のIoTデータ仲介システム1を用いることで,メタデータは実データと同じで,データ値が異なるダミーデータを利用できるので,IoTデータの取得側が,IoTデータがアプリケーションプログラムなどで正常に稼働するかなどについて事前の把握が可能になるとともに,取引の前には実データであるIoTデータのデータ値は,IoTデータの取得側には開示されていない。そのため,実データであるIoTデータを取引前に開示することなく,かつ,データの取得側にとっては,自らにとって利用可能かを把握した上で,取引が可能なIoTデータ仲介システム1が可能となる。
【符号の説明】
【0068】
1:IoTデータ仲介システム
2:仲介サーバ
3:IoTデバイス
4:IoTデータ収集サーバ
5:データ取得側システム
21:実データ取得処理部
22:実データ記憶部
23:ダミーデータ作成処理部
24:ダミーデータ記憶部
25:認証処理部
26:実データ送信処理部
70:演算装置
71:記憶装置
72:表示装置
73:入力装置
74:通信装置
【要約】
IoTデバイスで取得したIoTデータの流通の仲介をするIoTデータ仲介システムを提供することを目的とする。
データ値とその属性を示すメタデータとを含むIoTデータを実データとして記憶する実データ記憶部と,実データのうち,データ値の一部または全部が変更されたダミー値と実データのメタデータとをダミーデータとして記憶するダミーデータ記憶部と,を備えており,IoTデータの取得を行うデータ取得側システムからダミーデータ記憶部に対する検索要求を受け付けて,その検索条件を充足するダミーデータをデータ取得側システムに送り,送ったダミーデータのうち,選択されたダミーデータに対応する実データをデータ取得側システムに送る,IoTデータ仲介システムである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7