(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記筒状サポーターの先端部に、足の甲から足裏の部分を1周以上巻いて固定可能な甲ホールドベルトが着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項1記載の踵足首サポーター。
前記後側踵ホールドベルトは、前記内くるぶし及び前記外くるぶしの下方で足裏に近い位置に設けられる第1後側踵ホールドベルトと、前記第1後側踵ホールドベルトよりも前記内くるぶし及び前記外くるぶしに近い位置に設けられる第2後側踵ホールドベルトとの2本により構成されていることを特徴とする請求項1記載の踵足首サポーター。
前記第1後側踵ホールドベルトは、その一端部が前記裏側踵ホールドベルトの内側カバー部に固定され、前記第2後側踵ホールドベルトは、その一端部が前記裏側踵ホールドベルトの外側カバー部に固定されていることを特徴とする請求項5記載の踵足首サポーター。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、踵足首サポーターの機能をさらに向上させ、足首周辺の骨及び関節、外傷を効果的に保護することができ、足首周辺の骨や関節の矯正や外傷症状の緩和を可能にするだけでなく、骨とともに骨の周辺の筋肉をも保護して、筋肉の過度の伸長を防止し、矯正中の肉離れやじん帯断裂等を防止することができる踵足首サポーターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、人体の足に装着可能な、伸縮性を有する踵足首サポーターであって、足の甲から足裏、踵及び足首までの領域の表面を覆うことが可能な筒状サポーターと、前記筒状サポーターに取り付けられ、前記筒状サポーターの上から足に装着可能なベルト型サポーターとを備え、前記ベルト型サポーターは、それぞれ帯状に形成された足首ベルトと、裏側踵ホールドベルトと、患部押圧ベルトと、後側踵ホールドベルトとを備え、前記足首ベルトは、前記足の内くるぶし及び外くるぶしの上方で足首に巻き回されることにより前記足首に固定可能に設けられ、前記裏側踵ホールドベルトは、長手方向の一端部が前記足首ベルトに固定され、該一端部から他端部にかけて前記足首ベルトの下方に向けて延びて設けられ、前記足首ベルトに連続して設けられて前記内くるぶし近傍を覆うことができる内側カバー部と、この内側カバー部に連続して設けられて踵骨前部の足裏を覆うことができる足裏カバー部と、この足裏カバー部に連続して設けられて前記外くるぶし近傍を覆うことができる外側カバー部とを備えており、前記裏側踵ホールドベルトの他端部が前記足首ベルトの外表面に固定されることにより伸張状態で前記足裏を通して前記足に固定可能であり、前記患部押圧ベルトは、長手方向の一端部が前記裏側踵ホールドベルトに固定され、該一端部から他端部にかけて前記裏側踵ホールドベルトから徐々に離れる方向の斜め前方に延びて設けられ、前記足の外側から前記足の甲側を通して前記足の内側に向かう方向に巻き回されて患部を覆うことができる押圧部を備えており、前記患部押圧ベルトの他端部が前記足首ベルト、前記裏側踵ホールドベルト又は、前記患部押圧ベルトの長手方向の途中位置のいずれかの外表面に固定されることにより伸張状態で前記患部を覆って前記足に固定可能であり、前記後側踵ホールドベルトは、長手方向の一端部が前記内くるぶし及び前記外くるぶしの下方において前記裏側踵ホールドベルトに固定され、前記裏側踵ホールドベルトから後方に向けて前記足首ベルトと平行に延びて設けられ、前記踵骨近傍の背部を覆うことができる後側カバー部を備えており、前記後側踵ホールドベルトの他端部が前記外側カバー部の外表面に固定されることにより伸張状態で前記背部を覆って前記足の踵に固定可能であり、前記筒状サポーターは、布製であり、用いられる糸の太さは30デニール以上70デニール以下、衣服圧が10mmHg以上20mmHg以下であ
り、前記ベルト型サポーターは前記筒状サポーターに着脱可能であり、前記筒状サポーターに、前記足首ベルトを挿通して保持するベルトループが設けられている。
【0010】
この踵足首サポーターによれば、足の甲から足裏、踵及び足首までの領域を筒状サポーターによって覆い、その筒状サポーターの上から、足首に巻き回して固定した足首ベルトと、内くるぶし側から踵骨前部の足裏を通して外くるぶし側に巻き返して固定した裏側踵ホールドベルトとを装着することにより、踵足首サポーターを足に固定できる。人によって足のサイズは異なるものであるが、筒状サポーターは伸縮性を有し、また足首ベルト及び裏側踵ホールドベルトは、それぞれ帯状のベルトを巻き回して足に装着されるようになっているので、個人の足のサイズに対応して足首ベルトと裏側踵ホールドベルトの配置を微調節することが可能である。したがって、踵足首サポーターを個人の足に対応させて安定して装着できる。
【0011】
また、この踵足首サポーターでは、後側踵ホールドベルトを、内くるぶし及び外くるぶしの下方において足の内側から踵骨近傍の背部を通して外側に巻き回して固定することで、踵骨の内転予防及び内転した踵骨の矯正を強固に行える。この際、足首ベルトと裏側踵ホールドベルトとは足に安定して固定された状態であるので、後側踵ホールドベルトも安定して固定され、後側踵ホールドベルトにより、踵骨を安定した配置に確実に保持できる。
【0012】
また、踵足首サポーターに設けられた患部押圧ベルトにより、種々の外傷症状の患部の保護や治療を目的として、患部を被覆したり、さらに押圧したりすることができる。この際、踵足首サポーターにおいては、患部の位置に合わせて、裏側踵ホールドベルトの配置を微調節することが可能であるので、患部押圧ベルトを安定して患部に当てることができる。さらに、裏側踵ホールドベルトから後方に延びて設けられる後側踵ホールドベルトに対して、患部押圧ベルトが裏側踵ホールドベルトから斜め前方に延びて設けられているので、後側踵ホールドベルトを踵に固定する際に、これら患部押圧ベルトと後側踵ホールドベルトとの間で裏側踵ホールドベルトに加えられる張力を均衡させることができる。したがって、後側踵ホールドベルトを安定した状態で踵に強固に固定できる。
【0013】
このように、踵足首サポーターは、個人差を生じることなく個人の足に安定して装着することが可能であり、これにより、踵骨を安定して保持できるので、確実に踵骨の左右変位を防止、矯正しながら、患部の保護や治療を行える。また、患部押圧ベルトにより各患部を確実に押圧して足首周辺の骨及び関節、外傷を効果的に保護することができるので、足首周辺の骨や関節の矯正や外傷症状を緩和して、自由度の高い治療を行うことができる。さらに、この踵足首サポーターは、足関節の軸を揃えて捻挫を予防すること、足裏のアーチ形状を改善すること、足関節の軸が正常になることで変形性膝及び股関節症やO脚等を予防すること、体幹を支えて腰痛を予防することなどの効果も期待できる。
【0014】
この場合、足の甲から足裏、踵及び足首までの領域の表面が筒状サポーターによって覆われ、その上からベルト型サポーターが巻き回されて固定されるので、ベルト型サポーターが直接皮膚に触れることがないとともに、ずれにくいので、かぶれや、ずれによる擦傷等が生じにくく、安定して使用することができる。
また、ベルト型サポーターは筒状サポーターに着脱可能であり、筒状サポーターに、足首ベルトを挿通して保持するベルトループが設けられているので、筒状サポーターとベルト型サポーターとをそれぞれ最も適切な位置に固定することができる。また、筒状サポーターのベルトループにベルト型サポーターの足首ベルトを挿通した状態とすることにより、筒状サポーターとベルト型サポーターとを一体的に取り扱うことができるとともに、装着状態でのずれを確実に防止することができる。
【0015】
また、筒状サポーターが所定の伸縮力を有しているので、足の甲から足裏、踵及び足首までの領域の表面全体を包み込むように適度に圧迫することができる。このため、その上から装着されるベルト型サポーターの締め付け力をベルトの直下だけでなく、筒状サポーターを経由してベルトの周辺の範囲にまで及ぼすことができ、骨だけでなく筋肉も広く押さえることができる。したがって、この踵足首サポーターを装着した人の歩行等の動作の際に、筋肉の過度の伸長を防止することができる。この筒状サポーターは、糸の太さは30デニール以上70デニール以下、衣服圧が10mmHg以上20mmHg以下であるので、足を押さえ過ぎることはなく、筋肉の適度な運動を妨げることはない。
【0016】
この筒状サポーターは、前記ベルト型サポーターの各ベルトよりも伸びが大きいのが好ましい。
【0018】
本発明の踵足首サポーターの別の実施態様として、前記後側踵ホールドベルトは前記ベルト型サポーターに着脱可能に設けられていてもよい。踵の固定やアキレス腱の固定を必要としない場合には後側踵ホールドベルトを外した状態で使用することができ、患者の症状に応じて適切に用いることができる。
【0019】
本発明の踵足首サポーターのさらに別の実施態様として、前記筒状サポーターの先端部に、足の甲から足裏の部分を1周以上巻いて固定可能な甲ホールドベルトが着脱可能に設けられていてもよい。甲の部分のけがの修復や甲の部分の衝撃緩和を必要とする場合に、甲ホールドベルトを取り付けて使用することができる。
【0020】
本発明の踵足首サポーターの別の実施態様として、前記後側踵ホールドベルトは、前記内くるぶし及び前記外くるぶしの下方で足裏に近い位置に設けられる第1後側踵ホールドベルトと、前記第1後側踵ホールドベルトよりも前記内くるぶし及び前記外くるぶしに近い位置に設けられる第2後側踵ホールドベルトとの2本により構成されていてもよい。第1後側踵ホールドベルトと第2後側踵ホールドベルトとの固定力を調整することにより、捻挫の症状等に合わせて適切な状態で足を固定することができる。
【0021】
本発明の踵足首サポーターの別の実施態様として、前記第1後側踵ホールドベルトは、その一端部が前記裏側踵ホールドベルトの内側カバー部に固定され、前記第2後側踵ホールドベルトは、その一端部が前記裏側踵ホールドベルトの外側カバー部に固定されていてもよい。第1後側踵ホールドベルトと第2後側踵ホールドベルトが逆方向に力を加えることができるので、これらの固定力を調整することにより、さらに最適な状態で足を固定することができる。
【0022】
また、本発明の踵足首サポーターの実施形態として、前記筒状サポーターは吸湿発熱生地により形成されているとよい。足の冷え、むくみ及び足の冷えから発生する自律神経不調や慢性血流不全を解消することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の踵足首サポーターによれば、帯状に形成された足首ベルトと、裏側踵ホールドベルトと、患部押圧ベルトと、後側踵ホールドベルトとを組み合わせることにより、足首周辺の骨及び関節、外傷を効果的に保護することができ、足首周辺の骨や関節の矯正や外傷症状の緩和を可能にできる。また、筒状サポーターにより、骨とともに骨の周辺の筋肉をも保護して、筋肉の過度の伸長を防止し、矯正中の肉離れやじん帯断裂等を防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係る踵足首サポーターの実施形態について説明する。
【0026】
<第1実施形態>
踵足首サポーター100は、人体の足200に装着可能な、伸縮性を有するものであって、
図1〜
図12に示すように、足200の甲221から足裏204、踵209及び足首203までの領域の表面を覆うことが可能な筒状サポーター110と、筒状サポーター110に着脱可能に取り付けられ、筒状サポーター110の上から足200に装着可能なベルト型サポーター120とを備えている。また、ベルト型サポーター120は、それぞれ幅4cm〜7cmの帯状に形成された4つのベルト、すなわち、足首ベルト10と、裏側踵ホールドベルト20と、患部押圧ベルト30と、後側踵ホールドベルト40とを備える。なお、図示例はいずれも右足用の踵足首サポーター100である。
【0027】
筒状サポーター110は、そのサポーター本体111が、
図3に示すように、靴下の先端部(つま先部)を除去した形状であり、伸縮性を有する布により形成される。具体的には、ポリウレタン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリカーボネートなどの合成樹脂から選択される一種、あるいはこれらの二種以上の混紡からなる糸を用いた編み物又は織物である。例えば、ポリエステル、ポリウレタン、ナイロンの混紡からなる糸が用いられる。また、糸の太さは30デニール以上70デニール以下が好ましく、50デニール以上70デニール以下がより好ましい。衣服圧としては、10mmHg以上20mmHg以下がよい。衣服圧は、株式会社エイエムアイ・テクノ製エアパック型衣服圧計測装置「AMI3037−10」により測定することができる。
【0028】
また、吸湿することにより発熱するアクリレート系樹脂からなる糸を用いることもできる。この吸湿発熱生地を用いることにより、足の冷え、むくみ及び足の冷えから発生する自律神経不調や慢性血流不全を解消することができる。したがって、この踵足首サポーター100を用いることで、足関節の軸を揃えて捻挫予防、足裏アーチの改善、軸が正常になることで変形性膝及び股関節症やO脚予防、体幹を支えて腰痛予防、冷え、むくみの改善及び冷えの解消による自律神経や各種器官へのダメージの抑制も期待できる。
【0029】
さらに、裏地と表地との二層構造としてもよく、その場合、足200に接触する裏地には、綿等のように肌荒れを生じにくい天然繊維を用いてもよい。
【0030】
この筒状サポーター110は、足200の内くるぶし201及び外くるぶし202よりも上方の足首203の部分、具体的には両くるぶし201,202より数cm上方までの領域を覆うことができる大きさに形成され、その足首203を覆う部分には、ベルト型サポーター120の足首ベルト10を挿通するための複数のベルトループ112が周方向に間隔をおいて設けられている。
図3等に示す例では、ベルトループ112は、筒状サポーター110の前側に2本並んで設けられ、後側に1本設けられている。
【0031】
ベルト型サポーター120の足首ベルト10は、
図4〜
図6に示すように、足200の内くるぶし201及び外くるぶし202の上方で足首203に巻き回されることにより足首203に固定可能に設けられている。
【0032】
裏側踵ホールドベルト20は、
図1、
図2、
図4〜
図6に示すように、長手方向の一端部が足首ベルト10に固定され、その一端部から他端部にかけて足首ベルト10の下方に向けて、足首ベルト10に対して直交する方向に延びて設けられおり、足首ベルト10に連続して設けられて内くるぶし201近傍を覆うことができる内側カバー部21と、この内側カバー部21に連続して設けられて踵骨210前部の足裏204を覆うことができる足裏カバー部22と、この足裏カバー部22に連続して設けられて外くるぶし202近傍を覆うことができる外側カバー部23とを備えている。また、裏側踵ホールドベルト20は、一端部に設けられた固定部24により、足首ベルト10の幅方向の下側の内表面に固定されている。そして、裏側踵ホールドベルト20は、他端部が足200の外側に配置された足首ベルト10の外表面に固定されることにより、伸張状態で足裏204を通して足200に固定可能に設けられている。
【0033】
患部押圧ベルト30は、
図1、
図2、
図4に示すように、長手方向の一端部が裏側踵ホールドベルト20に固定され、その一端部から他端部にかけて裏側踵ホールドベルト20から徐々に離れる方向の斜め前方に、例えば30°〜60°、好ましくは40°の交差角度αで延びて設けられ、足200の外側から足200の甲側を通して足200の内側に向かう方向に巻き回されて患部を覆うことができる押圧部31を備えている。そして、患部押圧ベルト30は、他端部が足首ベルト10、裏側踵ホールドベルト20、又は患部押圧ベルト30自体の長手方向の途中位置のいずれかの外表面に固定されることにより伸張状態で患部を覆って足200に固定可能に設けられている。
【0034】
また、患部押圧ベルト30の一端部は、
図1、
図2、
図4に示すように、裏側踵ホールドベルト20の足裏カバー部22に交差して設けられており、その交差部分の基端側、すなわち足裏カバー部22の幅方向の後半部側及び長手方向の上側にかかる位置において、足裏カバー部22の外表面に固定されている。これにより、患部押圧ベルト30の一端部には、足裏カバー部22に固定された固定部32と、その固定部32に連続して設けられて足裏カバー部22の幅方向の前半部側及び長手方向の下側にかかる位置において足裏カバー部22の外表面に重ねられる重ね合せ部33とが形成されている。この場合、固定部32は、
図1及び
図2に示すように、平面視が直角三角形状に形成され、その斜辺が裏側踵ホールドベルト20の側縁に沿って形成され、その端縁(短辺)は患部押圧ベルト30の長手方向と直交して設けられている。
【0035】
また、患部押圧ベルト30の内表面には、患部を押圧する押圧パッド50が配置されている。この押圧パッド50は、全体として厚み方向(押圧方向)に弾性を有する部材により設けられ、例えば、布製の袋体の内部にナイロン等の曲げに対する弾性を有する複数の弾性繊維が三次元に凝集(点接触)したクッション材を充填することにより形成することができる。この場合、クッション材が弾性を有するので、押圧力を分散して患部を均一に圧迫できる。また、クッション材は繊維構造からなるので、空気を通すことができ、患部に湿気がこもることを防止できる。また、この押圧パッド50は、患部押圧ベルト30を幅方向にまたぐ保持ベルト51を備え、患部押圧ベルト30の長手方向に沿って移動可能に設けられている。したがって、押圧パッド50は、患部押圧ベルト30の押圧部31の付け根(基端部)の重ね合せ部33までの広い範囲で移動させることができる。
【0036】
後側踵ホールドベルト40は、
図4〜
図6に示すように、長手方向の一端部が内くるぶし201及び外くるぶし202の下方において裏側踵ホールドベルト20に固定され、裏側踵ホールドベルト20から後方に向けて足首ベルト10と平行に(裏側踵ホールドベルト20の長さ方向と直角に)延びて設けられ、踵骨210近傍の背部を覆うことができる後側カバー部41を備えている。また、後側踵ホールドベルト40は、一端部に設けられた固定部42により、裏側踵ホールドベルト20の幅方向の前半部側の外表面に固定されており、後側踵ホールドベルト40の一端部には、裏側踵ホールドベルト20の外表面に固定された固定部42と、その固定部42に連続して設けられて裏側踵ホールドベルト20の幅方向の後半分側の外表面に重ねられる重ね合せ部43とが形成されている。
【0037】
この場合、固定部42は、裏側踵ホールドベルト20の幅の1/3〜1/4の幅で、後側踵ホールドベルト40の全幅にわたって形成されている。したがって、重ね合せ部43は、裏側踵ホールドベルト20の幅の2/3〜3/4の範囲に重ねられることになる。重ね合せ部43の幅は、少なくとも裏側踵ホールドベルト20の幅の半分(1/2)以上であることが好ましい。そして、後側踵ホールドベルト40は、他端部が足200の外側に配置された外側カバー部23の外表面に固定されることにより伸張状態で踵骨210の背部を覆って足200の踵209に固定可能に設けられている。
【0038】
また、踵足首サポーター100は、全体が樹脂等の伸縮性に富んだ素材からなり、肌に触れる内表面は吸水性・吸湿性に優れた不繊布等の素材で覆われている。そして、足首ベルト10、裏側踵ホールドベルト20、患部押圧ベルト30及び後側踵ホールドベルト40の他端部には、各内表面に面ファスナーのフック面部15A,25A,35A,45Aがそれぞれ設けられている。また、これらフック面部15A,25A,35A,45Aに対応するループ面部が、足首ベルト10、裏側踵ホールドベルト20、患部押圧ベルト30及び後側踵ホールドベルト40の外表面のいずれかの部分に設けられている。本実施形態の踵足首サポーター100にあっては、足首ベルト10、裏側踵ホールドベルト20、患部押圧ベルト30及び後側踵ホールドベルト40の外表面の全体に、ループ面部が設けられている。なお、踵足首サポーター100のループ面部は、外表面の全体に設けられることから、図示を省略している。
【0039】
これらベルト型サポーター120は、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂等により形成され、伸縮性を有している。この場合、このベルト型サポーター120と前述した筒状サポーター110とは、筒状サポーター110の方が伸縮性に富んでおり、筒状サポーター110はベルト型サポーター120の各ベルト10,20,30,40よりも大きい伸びを示す素材が用いられる。これら筒状サポーター110及びk120の各ベルト10,20,30,40を同じ力で引っ張ったときには、筒状サポーター110の方がベルト型サポーター120よりも伸びが大きい。筒状サポーター110の50%伸長力としては7N以上10N以下であるとよい。50%伸張力は、JIS L 1096に規定される伸張力の測定法に準拠し、伸びの50%となる長さまで引き伸ばしたときの荷重である。
【0040】
以上のように構成された踵足首サポーター100の装着方法を説明する。
【0041】
まず、
図4に示すように、筒状サポーター110のベルトループ112のうち、後側(踵側)に設けられている1本のベルトループ112にベルト型サポーター120の足首ベルト10を挿通させた状態としておき、筒状サポーター110を足200に装着し、足200の甲221から足裏204、踵209及び足首203までの領域の表面を筒状サポーター110によって覆う。ベルト型サポーター120の足首ベルト10は、筒状サポーター110のみを足200に装着した後に、後側のベルトループ112に挿通してもよい。
【0042】
そして、足首ベルト10を、内くるぶし201及び外くるぶし202のすぐ上方に巻回し、必要に応じて、筒状サポーター110の前側に配置されている2本のベルトループ112に足首ベルト10を挿通し、内表面のフック面部15Aを外表面のループ面部に貼り付け、
図5及び
図6に示すように足首203に装着する。これにより、足首ベルト10は、筒状サポーター110の上から足首203に装着される。また、このとき、裏側踵ホールドベルト20の内側カバー部21が内くるぶし201を覆って、足首ベルト10から下方に延びるように、足首ベルト10の位置を調節する。
【0043】
次に、裏側踵ホールドベルト20を、
図5及び
図6に示すように、足200の内くるぶし201側(母指側)から足裏204を通り外くるぶし202側(小指側)へと伸張させ、裏側踵ホールドベルト20の内表面のフック面部25Aを足首ベルト10の外表面(ループ面部)に貼り付けて、裏側踵ホールドベルト20を足200に装着し固定する。このとき、人によって足200のサイズは異なるものであるが、足首ベルト10及び裏側踵ホールドベルト20は、それぞれ帯状のベルトを巻き回して足200に装着されるようになっているので、個人の足200のサイズに対応して足首ベルト10と裏側踵ホールドベルト20の配置を微調節することが可能である。したがって、踵足首サポーター100を個人の足200に対応させて安定して装着できる。
【0044】
このようにして、足200に足首ベルト10と裏側踵ホールドベルト20とを固定した後、裏側踵ホールドベルト20から延びる患部押圧ベルト30と後側踵ホールドベルト40とを装着して固定する。これにより、筒状サポーター110の上からベルト型サポーター120が足200に装着され固定される。なお、これら患部押圧ベルト30と後側踵ホールドベルト40の装着は、踵足首サポーター100の使用目的により、順序が前後する。
【0045】
例えば、足首の内反捻挫の防止、及び内反捻挫に起因する足底筋膜炎や踵骨炎の症例緩和のために踵足首サポーター100を装着する場合は、患部押圧ベルト30の装着をした後に、後側踵ホールドベルト40の装着を行う。
【0046】
具体的には、
図7に示したように、裏側踵ホールドベルト20から延びる患部押圧ベルト30を伸張させながら、押圧パッド50を炎症(外傷)を発症している患部(靭帯)に当て、さらに距骨206の前方、からショパール関節205に沿うように、上内側(母指斜め上方)に向けて伸張させ、脛骨211の外面(内くるぶし201)、アキレス腱208(
図5等参照)、腓骨212の外面(外くるぶし202の上方)に伸ばして、足首203の周囲に巻き回す。そして、患部押圧ベルト30の他端部の内表面のフック面部35Aを踵足首サポーター100の外表面のいずれか、足首ベルト10又は裏側踵ホールドベルト20の外表面、あるいは、患部押圧ベルト30において既に巻き回した状態となっている部分の外表面のいずれかのループ面部に貼り付けて固定する。
【0047】
このとき、患部押圧ベルト30の一端部には、裏側踵ホールドベルト20に交差する部分において、固定部32に連続して重ね合せ部33が設けられているので(
図4等参照)、裏側踵ホールドベルト20に対する患部押圧ベルト30の伸張方向の角度を容易に微調節できる。また、重ね合せ部33により、裏側踵ホールドベルト20の足裏カバー部22を足裏204に圧迫でき、裏側踵ホールドベルト20を足200に安定して固定させた状態を保持できる。
【0048】
したがって、
図7に示すように、押圧パッド50で患部を押圧して覆いながら、患部押圧ベルト30で距骨206を後方に向けて押圧することができ、患部押圧ベルト30を正しい状態で装着することができる。
【0049】
そして、患部押圧ベルト30を固定した後、足首ベルト10と患部押圧ベルト30との間において裏側踵ホールドベルト20から延びる後側踵ホールドベルト40を伸張させながら、内くるぶし201及び外くるぶし202の下方において、足200の内側から踵骨210近傍の背部を通して足200の外側に巻き回して固定する。これにより、足200の内側に入った踵骨210を外側に引っ張ることができ、踵骨210を足の外側で固定することができる。したがって、後側踵ホールドベルト40を踵209に固定することにより、内転した踵骨210の矯正を行えるとともに、踵骨210が足200の内側に入ることを予防でき、内転した踵骨210の矯正及び踵骨210の内転予防を強固に行える。
【0050】
また、後側踵ホールドベルト40には、一端部に設けられた固定部42に連続して、裏側踵ホールドベルト20の幅方向の後半分側の外表面に重ねられる重ね合せ部43が設けられているので(
図5等参照)、裏側踵ホールドベルト20を重ね合せ部43により足200の内側に圧迫して、踵骨210を安定して足200の内側から外側にかけて強固に押圧できる。
【0051】
さらに、後側踵ホールドベルト40の装着の際には、足首ベルト10と裏側踵ホールドベルト20とは、足200に安定して固定された状態であるので、後側踵ホールドベルト40を安定して固定できる。また、裏側踵ホールドベルト20から足200の後方に延びて設けられる後側踵ホールドベルト40に対して、患部押圧ベルト30が裏側踵ホールドベルト20から斜め前方に延びて固定されているので、後側踵ホールドベルト40を踵209に固定する際に、これら患部押圧ベルト30と後側踵ホールドベルト40との間で裏側踵ホールドベルト20に加えられる張力を均衡させることができ、後側踵ホールドベルト40を安定した状態で踵209に強固に固定できる。したがって、後側踵ホールドベルト40により、踵骨210を安定した配置に確実に保持できる。
【0052】
一方、踵足首サポーター100は、二分靭帯損傷や第5中足骨捻挫の治療に用いることもできる。この場合も、
図8及び
図9に示すように、患部押圧ベルト30の装着をした後に、後側踵ホールドベルト40の装着を行う。
【0053】
具体的には、
図8及び
図9に示したように、裏側踵ホールドベルト20から延びる患部押圧ベルト30を伸張させながら、押圧パッド50を炎症(外傷)を発症している患部(靭帯や第5中足骨225)に当て、患部押圧ベルト30を足200の周囲に巻き回す。そして、患部押圧ベルト30の他端部の内表面のフック面部35Aを踵足首サポーター100の外表面のいずれかのループ面部に貼り付けて固定する。これにより、患部を安静に保持できる。なお、
図8と
図9とでは、患部押圧ベルト30の巻回位置を異ならせている。
特に
図8に示すように足200の甲221と足裏204を一周覆い、舟状骨207及び足200の横アーチ(小指の付け根側から親指の付け根側に至るアーチ)に張力を加えることにより、一番長いベルト(患部押圧ベルト30)の主な役割である距骨206を守るだけでなく、同時に足200の横アーチ形成不全改善及び、アーチを持ち上げる力を加えることによる、ジャンプや走る時に足関節及び足裏が受ける衝撃を緩和できる効果がある。
【0054】
さらに、踵足首サポーター100は、舟状骨炎の治療に用いることもできる。この場合には、
図10に示すように、舟状骨207近傍の足裏204に押圧パッド50を当て、患部押圧ベルト30を伸張させながら足200の周囲に巻き回す。そして、患部押圧ベルト30の他端部の内表面のフック面部35Aを患部押圧ベルト30の外表面のループ面部に貼り付けて固定する。このようにして、患部押圧ベルト30を足200に装着することで、舟状骨207を持ち上げることができる。
【0055】
また、踵足首サポーター100は、アキレス腱炎の治療に用いることもできる。例えば、アキレス腱付着部炎の治療においては、
図11に示すように、予め後側踵ホールドベルト40を装着して踵骨210を固定しておき、後側踵ホールドベルト40の上から、患部押圧ベルト30を装着する。この際、アキレス腱208の付着部に押圧パッド50を当て、患部押圧ベルト30を伸張させながら足200の周囲に巻き回す。そして、患部押圧ベルト30の他端部のフック面部35Aを踵足首サポーター100の外表面のループ面部に貼り付けて固定することで、アキレス腱208の付着部を押圧できる。
【0056】
また、アキレス腱実質炎の治療においては、
図12に示すように、アキレス腱208に押圧パッド50を当て、患部押圧ベルト30を伸張させながら足首203の周囲に巻き回す。そして、患部押圧ベルト30の他端部のフック面部35Aを踵足首サポーター100の外表面のループ面部に貼り付けて固定することで、アキレス腱208を押圧できる。
【0057】
図7〜
図12に示す上記のいずれの症例においても、後側踵ホールドベルト40により、内転した踵骨210の矯正を行えるとともに、踵骨210が足200の内側に入ることを予防でき、内転した踵骨210の矯正及び踵骨210の内転予防を強固に行えるので、他の組織が内側に引っ張られることがなく、患部の保護や治療を安定して行うことができる。
【0058】
以上説明したように、踵足首サポーター100は、個人差を生じることなく個人の足200に安定して装着することが可能であり、後側踵ホールドベルト40により、踵骨210を安定して保持できるので、確実に踵骨210の左右偏位を防止、矯正しながら、患部の保護や治療を行える。この場合、筒状サポーター110の上からベルト型サポーター120を足200に装着して固定するので、足関節を適切な位置にずれが起きないように固定することができ、しかも、操作が簡単で扱い易い。また、ベルト型サポーター120が直接皮膚に触れることがないとともに、ずれにくいので、かぶれや、ずれによる擦傷等が生じにくく、安定して使用することができる。
【0059】
さらに、筒状サポーター110も所定の伸縮性を有しているので、足200の甲221から足裏204、踵209及び足首203までの領域の表面全体を包み込むように適度に圧迫することができ、また、ベルト型サポーター120による圧迫力が、筒状サポーター110を経由してベルト型サポーター120の各ベルトが装着されている部分の周辺にも伝わり、骨だけでなく筋肉も広く押さえることができる。このため、この踵足首サポーター100を装着した人の歩行等の動作の際に、筋肉の過度の伸長を防止することができる。その反面、筒状サポーター110による圧迫力は小さいので、足200を押さえ過ぎることはなく、筋肉の適度な運動を妨げることはない。
【0060】
また、患部押圧ベルト30により、種々の外傷症状の患部の各患部を被覆したり押圧したりすることが可能であるので、足首203周辺の骨及び関節の矯正や、外傷症状を緩和して、自由度の高い治療を行うことができる。
【0061】
<第2実施形態>
第2実施形態の踵足首サポーター101は、
図13及び
図14に示すように、ベルト型サポーター121のうち、後側踵ホールドベルト400を着脱できるようにしたものである。
【0062】
すなわち、後側踵ホールドベルト400の両端部の内表面に、面ファスナーのフック面部45A,45Bが設けられており、裏側踵ホールドベルト20の外表面のループ面部に貼り付けることができるようになっている。この後側踵ホールドベルト400が着脱可能な構成である点以外は、第1実施形態の踵足首サポーター100と同様の構成であるので、共通要素に同一符号を付してその説明を簡略化する(以下の第3実施形態以降においても同様とする)。
【0063】
そして、この踵足首サポーター101は、筒状サポーター110を足200に装着した後、ベルト型サポーター121の足首ベルト10を足首203に固定し、裏側踵ホールドベルト20を伸長させながら足200の内くるぶし201から足裏204、外くるぶし202の上を通って、内表面のフック面部25Aを足首ベルト10の外表面(ループ面部)に貼り付ける。次いで、患部押圧ベルト30を伸長させながら、その先端部の内表面のフック面部35Aを足首ベルト10の外表面又は患部押圧ベルト30の既に巻き回した部分の外表面のいずれかのループ面部に貼り付けて固定する。
【0064】
そして、踵209の骨部(踵骨210)を固定する場合は、さらに、後側踵ホールドベルト400を取り付ける。この場合、後側踵ホールドベルト400の一端部を裏側踵ホールドベルト20又は患部押圧ベルト30のいずれか、あるいはこれらの両方にまたがった部分の外表面に貼り付け、踵209の後側を通して、後側踵ホールドベルト400の他端部を同様に裏側踵ホールドベルト20又は患部押圧ベルト30のいずれか、あるいはこれらの両方にまたがった部分の外表面に貼り付け固定する。
【0065】
また、踵骨210の上方のアキレス腱208を固定する場合は、後側踵ホールドベルト400の取り付け位置を踵骨210よりも上方に配置して、アキレス腱208の部分を巻き回すように固定する。
【0066】
なお、このような踵209の固定やアキレス腱208の固定を特に必要としない場合は、後側踵ホールドベルト400を取り付けなければよい。
【0067】
このように、後側踵ホールドベルト400を着脱できるようにしたことにより、患者の症状に応じて後側踵ホールドベルト400を使用することができ、その場合に、後側踵ホールドベルト400を適切な位置で固定することができる。
【0068】
<第3実施形態>
第3実施形態の踵足首サポーター102は、
図15に示すようにベルト型サポーター122に足200の甲221を押さえる甲ホールドベルト60が備えられており、筒状サポーター110の先端部に、甲ホールドベルト60が着脱可能に設けられる。
【0069】
この甲ホールドベルト60は、足200の甲221から足裏204の部分を1周以上巻いて固定するものであり、その外表面は、前述の実施形態における各ベルトと同様、全体にループ面部が設けられており、両端部の内表面にフック面部60A,60Bが設けられている。また、筒状サポーター110の先端部の外周面の一部に、ループ面部11Aが設けられており、甲ホールドベルト60は、この筒状サポーター110のループ面部11Aに一端部のフック面部60Aを貼り付け、足200の甲221の部分に1周以上巻き付けた後に、自身の外表面のループ面部に他端部のフック面部60Bを貼り付け固定する。一部のみにループ面部11Aを設けるのではなく、筒状サポーター110の外表面の全体又は甲221を覆う広い部分をループ面部に形成しておいてもよい。
【0070】
この甲ホールドベルト60は、甲221の部分のけがの修復や甲221の部分の衝撃緩和を必要とする場合に用いることができる。特に、5本の中足骨(足指の骨)それぞれと足200の甲221の骨の間にあるリスフラン関節213の痛みを抑える場合に好適である。
【0071】
<第4実施形態>
第4実施形態の踵足首サポーター103は、
図16及び
図17に示すように、ベルト型サポーター123における後側踵ホールドベルト401,402が2本設けられている点が第1実施形態等の踵足首サポーターと異なる点である。
【0072】
すなわち、この第4実施形態の踵足首サポーター103においては、後側踵ホールドベルト401,402は、内くるぶし201及び外くるぶし202の下方で足裏204に近い位置に配置される第1後側踵ホールドベルト401と、この第1後側踵ホールドベルト401よりも上方で内くるぶし201及び外くるぶし202に近い位置に配置される第2後側踵ホールドベルト402とにより構成されている。これら第1後側踵ホールドベルト401及び第2後側踵ホールドベルト402は平行に設けられ、いずれも裏側踵ホールドベルト20の内側カバー部21に固定されている。
【0073】
この第4実施形態の踵足首サポーター103では、後側踵ホールドベルト401,402が相互に平行な2本のベルトにより構成されているので、これら第1後側踵ホールドベルト401と第2後側踵ホールドベルト402の固定力を調整することにより、捻挫の症状等に合わせて適切な状態で足を定することができる。
【0074】
<第5実施形態>
第5実施形態の踵足首サポーター104は、第4実施形態の踵足首サポーター103と同様、後側踵ホールドベルトが2本のベルトにより構成されているが、裏側踵ホールドベルト20への固定位置が異なっている。すなわち、第1後側踵ホールドベルト401は、その一端部が裏側踵ホールドベルト20の内側カバー部21に固定され、第2後側踵ホールドベルト403は、その一端部が裏側踵ホールドベルト20の外側カバー部23上で患部押圧ベルト30に固定されている。
【0075】
これにより、この第5実施形態の踵足首サポーター104を足200に装着すると、第1後側踵ホールドベルト401と第2後側踵ホールドベルト402とが左右逆の位置に配置されることになる。つまり、第1後側踵ホールドベルト401は、内くるぶし201側で端部が裏側踵ホールドベルト20に固定され、外くるぶし202側の端部の内表面のフック面部45Aで固定されるのに対して、第2後側踵ホールドベルト403は、外くるぶし202側で端部が裏側踵ホールドベルト20上の患部押圧ベルト30に固定され、内くるぶし201側の端部の内表面にフック面部45Aで固定される。
【0076】
この第5実施形態の踵足首サポーター104では、2本の後側踵ホールドベルト401,403により、踵209に内側から外側へ、及び外側から内側への両方向に力を加えることができるので、これらの固定力をそれぞれ調整することにより、捻挫の症状等に合わせてさらに最適な状態で足200を固定することができる。
【0077】
以上説明したいずれの踵足首サポーター100,101,102,103,104においても、足200に正しく装着されることにより、足200の重要な筋肉、靭帯、腱、骨を同時にしっかりと押さえ、身体を支える上で最も重要な足200の関節を支えて、痛みを抑制することができる。また、関節の中心部にかかる圧力により、足200を本来の正しい形に矯正できる。矯正が完了すると、本来の人間の足の軸が揃うようになり、軸が揃うことで、さらに、次のような効果も奏することができる。
【0078】
すなわち、足200の軸を固定することにより、下半身の軸が支持され、足首203を始め、すね、ふくらはぎ、膝、膝裏、太もも、お尻、股関節、腰に至る部分の不安や痛みを緩和できる。また、下半身の軸を支持することにより、体幹、背骨も安定し、上半身の猫背や肩こり、ストレートネックといった現代病も改善することができる。さらに、足首203から足先周辺までを固定できるので、距骨、踵骨、ショパール関節、リスフラン関節、脛腓靱帯結合部分等も支持することができる。
【0079】
また、下半身の軸を支持することにより、高齢者の変形性膝関節症、変形性股関節症の予防、若年者のO脚、X脚の予防、下半身軸の正常化による骨盤の位置偏位を防ぐことが椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症の痛みの改善、発症の予防などが可能となる。
膝のサポーター、腰のコルセットなどが担当していた効果もこの踵足首サポーター100,101,102,103,104一つで賄える。
【0080】
さらに、この踵足首サポーター100,101,102,103,104を継続して装着することにより、足首103の関節の位置が正常化すると、次のような症状の予防、改善等の恩恵を享受できる。
1.外反母趾
2.内反小趾
3.足の親指の種子骨障害
4.偏平足、足の舟状骨周囲の痛み、載距突起の痛み
5.かかと全般の痛み(剥離骨折、アキレス腱炎やアキレス腱断裂も含む)、骨端炎、かかとの骨の変形、とげ状変形(骨棘)、シーバー病、後方インピンジメント症候群及び三角骨障害
6.足の裏全般の痛み(足底筋膜炎など)、第5中足骨(足の小指側)周辺の痛み、足の裏のつれ、足の指を曲げる力の低下(地面を蹴る力の低下)、下駄骨折
7.足の裏のたこ、うおのめ、巻き爪、足首から始まる末梢神経、血管障害
8.モートン病
9.ハンマートゥ
10.リスフラン関節症及び足の甲の痛み、足首のガングリオン
11.距骨不安定症及び脛腓靭帯結合部の痛み
12.ショパール関節症
13.足首周囲靭帯障害(前距腓、中距腓、後距腓、三角靭帯、二分靭帯など)
14.足根洞症候群
15.脛腓靭帯結合障害
16.後脛骨筋炎及び後脛骨筋付着部炎、第1、第2ケーラー病
17.足のむくみ、冷え、下肢静脈瘤
18.すねの痛み、すねに起こる神経痛、脛腓関節障害
19.シンスプリント
20.ふくらはぎの痛み全般、ふくらはぎに起こる神経痛、ふくらはぎのつれ
21.膝蓋靭帯炎
22.オスグッド病、ホッファ病、ジャンパーズニー、シンディングラルセンヨハンソン病
23.膝裏の痛み、膝窩筋炎、膝窩リンパ腫、ベイカー嚢腫
24.鶩足炎(膝の内側の痛み)
25.腸脛靭帯炎及び大腿筋膜張筋炎、それに伴う大転子痛
26.左右膝側副靭帯損傷、変形性膝関節症及びO脚、X脚
27.ふとももの表や内側のそれぞれ各筋肉の痛み、肉離れ(大腿四頭筋炎、恥骨筋炎、薄筋炎、内転筋炎など)
28.ふとももの裏のそれぞれの各筋肉の痛み、肉離れ(大腿二頭筋など)
29.股関節の痛み及び足の付け根の痛み、腸腰筋の痛み、グローインペイン
30.変形性股関節症
31.おしりの筋肉の痛み及びそれにともなう坐骨神経痛、小殿筋関連痛、上殿皮神経痛
32.仙腸関節性腰痛とそれに伴う坐骨神経痛
33.腸骨稜周囲の筋硬結及び痛み、骨盤のゆがみ(高さの違い、前傾、後傾)
34.腰の筋肉の痛み(腰方形筋、大腰筋、腸肋筋)及びそれに伴う大腿神経痛
35.脊柱管狭窄症、腰の椎間板ヘルニア、ぎっくり腰
36.腹筋の筋緊張
37.上記の症状をかばい影響の出る顔からつま先まで全身の筋及び関節の痛み、歪み、肩こりや首こり、体幹及び筋力の低下、片足立ちの時ふらつく、足のひきずり、まっすぐしゃがもうとすると後ろに倒れてしまう、など。
【0081】
この踵足首サポーター100,101,102,103,104を装着することで、子供から高齢者まで足首周辺の関節を守ることができる。
【0082】
なお、本発明の実施形態は、前記構成のものに限定されるものではなく、細部構成においては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0083】
例えば、踵足首サポーターを耐水性・撥水性を有する樹脂ゴム等により形成すれば、水中でも装着でき、水泳時のバタ足などで弛緩した人体の保護も可能である。また、高齢者、青壮年、若年層など、装着者によって下肢関節の基礎的状態が異なることを考慮して、伸縮性の異なる素材を用いたり、全体の寸法を変更したりすることにより、より適切な保護・矯正が可能である。
【0084】
また、踵足首サポーターを構成する各ベルト(足首ベルト、裏側踵ホールドベルト、患部押圧ベルト、後側踵ホールドベルト)の外表面に、目盛りを設けることで、各ベルトをどの程度伸張させて装着したかを確認することができる。
足の甲から足裏、踵及び足首までの領域の表面を覆うことが可能な筒状サポーターと、筒状サポーターに取り付けられ、筒状サポーターの上から足に装着可能なベルト型サポーターとを備え、ベルト型サポーターは、足首ベルト、裏側踵ホールドベルト、患部押圧ベルト、後側踵ホールドベルトを備え、筒状サポーターは、ベルト型サポーターよりも伸びが大きい布製であり、用いられる糸の太さは30デニール以上70デニール以下、衣服圧が10mmHg以上20mmHg以下である。