特許第6364583号(P6364583)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6364583
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】弾球遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20180723BHJP
【FI】
   A63F7/02 320
【請求項の数】4
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2014-35537(P2014-35537)
(22)【出願日】2014年2月26日
(65)【公開番号】特開2015-159882(P2015-159882A)
(43)【公開日】2015年9月7日
【審査請求日】2017年2月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】395018239
【氏名又は名称】株式会社高尾
(72)【発明者】
【氏名】安藤 繁光
【審査官】 澤田 真治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−215291(JP,A)
【文献】 特開2012−143401(JP,A)
【文献】 特開2004−305485(JP,A)
【文献】 特開2004−024566(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動口への入球に起因する普図当否判定に基づいて、始動口となる可変入賞装置が作動し、
該始動口への入球に起因して抽出した乱数に基づいて、大入賞口を開放する大当り遊技に移行するか否かの特図当否判定を行う特図当否判定手段と、
前記乱数を該特図当否判定を実施するまで保留記憶する保留記憶手段と、を備えた弾球遊技機であって、
前記普図当否判定の1回の当りに応じて実施する前記可変入賞装置の作動には、該作動を終了させる規定入球数と、該規定入球数よりも少ない保留記憶可能数とが設定され、
前記保留記憶手段は、保留記憶数が上限数に未到達であり、且つ、前記1回の当りに応じた前記可変入賞装置の作動中に入球した遊技球が前記保留記憶可能数に未到達であることを条件に保留記憶を行い、
該保留記憶可能数には前記上限数よりも少ない数を設定した
ことを特徴とした弾球遊技機。
【請求項2】
請求項1記載の弾球遊技機において、
前記大当り遊技終了からの所定期間において前記可変入賞装置の作動時間を通常の遊技状態よりも長くする開放延長手段を備え、
該開放延長手段の実施時のみ前記可変入賞装置作動時の前記保留記憶可能数の設定が有効となる
ことを特徴とした弾球遊技機。
【請求項3】
請求項1記載の弾球遊技機において、
前記大当り遊技終了からの所定期間において前記可変入賞装置の作動時間を通常の遊技状態よりも長くする開放延長手段を備え、
前記保留記憶可能数は、通常の遊技状態と前記開放延長手段実施時とでは異なる数を設定した
ことを特徴とした弾球遊技機。
【請求項4】
請求項1から請求項3記載のいずれかの弾球遊技機において、
前記可変入賞装置とは異なる常時入球率の変化しない通常始動口を備え、
前記保留記憶手段は、該通常始動口に遊技球が入球すると、保留記憶数が上限数に到達していないことのみを条件として保留記憶を行う
ことを特徴とした弾球遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入賞口となる可変入賞装置への遊技球の入賞に起因する抽選の結果に応じて大当り遊技を実施する弾球遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
現状のパチンコ機は、遊技領域に設けられた始動口に遊技球が入球すると、入球した際に抽出した乱数値を所定の上限数を限度に保留記憶し、記憶した乱数値が予め定められた大当り値であるか否かの抽選(当否判定)を記憶した順に行っている。また、始動口には、常時入球率が変化しないものと、可変入賞装置(所謂、普通電動役物)を用いて入球率が変化するものとがあり、可変入賞装置は、普通図柄作動口への遊技球の入球に起因した判定に基づいて作動を行う構成が多い<特許文献1>。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−143439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の発明によれば、始動口となる普通電動役物が作動した場合における規定入賞数(最大入賞可能数)と、保留記憶の上限数とを同一の数に設定にすることにより、その効果が、「電動役物作動時に始動口に入賞することにより発生した始動条件の全てを記憶することができると共に、無効となる始動条件を発生させることがない。即ち、電動役物が作動することにより、短時間に多くの始動条件を発生させるという電動役物本来の目的を達成することができる。」と記載されている。
【0005】
しかしながら、保留記憶の上限数を特許文献1にあるように10個(現行規則の4個よりも大い数)とした場合、一度の普通電動役物の作動によって保留記憶が上限数を満たしてしまうと、遊技者は無駄な遊技球の発射を防止するために、保留記憶がなくなるまでの長時間、発射操作を中断してしまう可能性が高く、結果的に稼働数が減少するという問題が発生してしまう。
【0006】
そこで本発明は、上記した問題を鑑み、始動口となる可変入賞装置の1回の作動中に該作動を終了させることとなる規定数の遊技球が入球したとしても発射操作中断の誘因とはならず、好適に遊技を進行することが可能な遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の弾球遊技機は、
作動口への入球に起因する普図当否判定に基づいて、始動口となる可変入賞装置が作動し、
該始動口への入球に起因して抽出した乱数に基づいて、大入賞口を開放する大当り遊技に移行するか否かの特図当否判定を行う特図当否判定手段と、
前記乱数を該特図当否判定を実施するまで保留記憶する保留記憶手段と、を備えた弾球遊技機であって、
前記普図当否判定の1回の当りに応じて実施する前記可変入賞装置の作動には、該作動を終了させる規定入球数と、該規定入球数よりも少ない保留記憶可能数とが設定され、
前記保留記憶手段は、保留記憶数が上限数に未到達であり、且つ、前記1回の当りに応じた前記可変入賞装置の作動中に入球した遊技球が前記保留記憶可能数に未到達であることを条件に保留記憶を行い、
該保留記憶可能数には前記上限数よりも少ない数を設定した
ことを特徴とした弾球遊技機である。
【0008】
「作動口への入球に起因する普図当否判定」は、作動口への遊技球の入球に起因して抽出した乱数値に基づいて、可変入賞装置を作動させるか否かの判定を行う作動判定手段としてもよく、作動判定の結果を普通図柄を用いて報知する構成が好適である。
【0009】
特図当否判定手段は、大当り遊技に移行する確率が高い高確率遊技状態か、又は移行する確率が該高確率遊技状態よりも低い低確率遊技状態かのいずれかの遊技状態にて行う構成としてもよく、特図当否判定の判定結果は特別図柄及び該特別図柄の擬似図柄において可変表示を経て確定表示を行うのが好適である。
【0010】
始動口への1個の遊技球の入球に起因して抽出する乱数は複数種類としてもよく、大当りを生起させるか否かの当否判定に用いる当否(大当り)判定用乱数の他に、少なくとも該当否判定用乱数の判定結果に応じて確定表示する図柄の種類と、図柄の変動内容(図柄の確定表示を行うまでの導出時間となる可変表示時間)とを決定するために用いる乱数とするのが好適であり、例えば大当り図柄決定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数としてもよい。また、当否判定結果を報知する確定図柄の種類及び図柄の可変表示時間(変動時間)を決定する乱数の抽出時期は、始動口への遊技球の入球時に限らず、当否判定の実施時としてもよい。
【0011】
「普図当否判定の1回の当りに応じて実施される前記可変入賞装置の作動」は、当り時に設定される開放パターンの開始から終了までを示し、該開放パターンには、可変入賞装置の1回の開放動作が設定されてもよいし、複数回の開閉動作が設定されてもよい。
【0012】
「該作動を終了させる規定入球数」とは、可変入賞装置が作動した場合に規定入賞数(最大入賞可能数)の遊技球が可変入賞装置に入球すると、可変入賞装置の作動を強制的に終了する遊技球数となる。また可変入賞装置には、最大作動時間が設定され、入球した遊技球が既定入球数に達していなくても作動時間が最大作動時間に達した場合は可変入賞装置の作動は強制的に終了する構成が好適である。
【0013】
「規定入球数よりも少ない保留記憶可能数」とは、可変入賞装置に規定入賞数の遊技球が入球した場合、規定入賞数分の保留記憶が発生するのではなく、規定入賞数よりも少ない保留記憶可能数分しか保留記憶を発生させない構成となる。これは、規定入賞数の遊技球が入球しても、その全ての遊技球が有効に保留記憶を発生させるのではないことを示している。
【0014】
「保留記憶可能数には前記上限数よりも少ない数を設定した」とは、保留記憶数が0の状態で可変入賞装置に保留記憶可能数分の遊技球が入球したとしても、保留記憶数は上限数に達しないことを示す。また、この構成は、保留記憶数が上限値に達していることを条件に始動口(可変入賞装置)に遊技球が入球しても保留記憶を行わないだけではなく、保留記憶数が上限数に達していなくても1回の可変入賞装置の作動において保留記憶可能数分の遊技球が既に入球した場合は、当該作動のそれ以降に入球があっても保留記憶可能数に達していることを条件に保留記憶を実施しない構成となる。従って、可変入賞装置(始動口)への遊技球の入球により保留記憶手段が保留記憶を行う条件は、保留記憶可能数と上限数との両方に到達していないこととなる。
【0015】
請求項2記載の弾球遊技機は、
請求項1記載の弾球遊技機において、
前記大当り遊技終了からの所定期間において前記可変入賞装置の作動時間を通常の遊技状態よりも長くする開放延長手段を備え、
該開放延長手段の実施時のみ前記可変入賞装置作動時の前記保留記憶可能数の設定が有効となる
ことを特徴とした弾球遊技機である。
【0016】
開放延長手段を実施すると、普図当否判定が当り時に行われる可変入賞装置の作動時間が、通常状態よりも延長される状態となり、開放延長手段の実施中(開放延長状態中)は、始動口(可変入賞装置)への遊技球の入球に起因して行われる特図(特別図柄)の可変表示時間と、普図(普通図柄)の可変表示時間とが共に短縮される時短状態にもなる。また、大当り遊技に移行するか否かの当否判定は、大当り遊技に移行する確率が高い高確率遊技状態か、大当り遊技に移行する確率が該高確率遊技状態よりも低い通常確率遊技状態かのいずれかの遊技状態で行われるのが好適であり、開放延長状態(時短状態)は、高確率遊技状態(確変状態)で実施される場合と、通常確率状態(低確率状態)で実施される場合とがある。また、時短状態では普図の変動時間が短縮されることによって単位時間当たりの普図当否判定の回数が増加するため、可変入賞装置も頻繁に作動することになる。
【0017】
開放延長手段によって、可変入賞装置の作動が頻繁に行われ、且つ、可変入賞装置の1回の作動時間が延長されることによって、普図当否判定の1回の当りに基づいて実施される可変入賞装置作動時の入球数が通常の遊技状態に比べて増加する場合のみ保留記憶可能数の設定が有効となる構成であり、規定入賞数は通常の遊技状態か開放延長手段を実施した遊技状態かに拘らずどちらの遊技状態でも有効とする構成が好適である。
【0018】
開放延長手段は大当り遊技終了からの所定の期間実施し、大当り遊技が終了すると開放延長状態に移行するか否かは、大当り図柄の種類に応じて決定してもよいし、全ての大当り図柄で開放延長状態に移行してもよい。また、大当り図柄の種類に応じて開放延長状態の期間を設定してもよく、該期間は特別図柄の変動回数で規制するのが好適である。
【0019】
請求項3記載の弾球遊技機は、
請求項1記載の弾球遊技機において、
前記大当り遊技終了からの所定期間において前記可変入賞装置の作動時間を通常の遊技状態よりも長くする開放延長手段を備え、
前記保留記憶可能数は、通常の遊技状態と前記開放延長手段実施時とでは異なる数を設定した
ことを特徴とした弾球遊技機である。
【0020】
通常の遊技状態では、開放延長手段実施時に比べ可変入賞装置への入球がさほど望めない。従って、通常の遊技状態で可変入賞装置が作動した場合の保留記憶可能数としては、開放延長手段実施時よりも多くの数を設定し、少ない作動機会をより無駄(保留記憶の無効)の発生しにくい構成としてもよいし、元々多くの入球が期待できないことから予め少ない数を設定しておいてもよい。但し、通常の遊技状態において、可変入賞装置が所定の確率に基づいて所謂ロング開放を実施する仕様を採用する場合は、開放延長手段実施時の保留記憶可能数よりも多くの数を設定する構成が好適である。この構成により、上記したように少ない作動機会において無駄(保留記憶の無効)を発生しにくくすることによってロング開放の効果が明瞭となる。
【0021】
請求項4記載の弾球遊技機は、
請求項1から請求項3記載のいずれかの弾球遊技機において、
前記可変入賞装置とは異なる常時入球率の変化しない通常始動口を備え、
前記保留記憶手段は、該通常始動口に遊技球が入球すると、保留記憶数が上限数に到達していないことのみを条件として保留記憶を行う
ことを特徴とした弾球遊技機である。
【0022】
保留記憶手段は、可変入賞装置からなる始動口と他の始動口とを区別して保留記憶を実施する構成であり、可変入賞装置作動時の保留記憶可能数の設定は他の始動口には適用されない。但し、可変入賞装置からなる始動口を複数設ける場合は、可変入賞口ごとに規定入賞数と保留記憶可能数を設定してもよいし、複数の可変入賞口への入球数をトータル(加算した数)で規制する規定入賞数と保留記憶可能数とを設定してもよい。
【0024】
保留記憶を行わないことを示す報知は、擬似図柄を表示する表示装置上で行ってもよいし、スピーカから出力する音、又は遊技機に配置されたランプLED等の発光手段の点灯点滅色変化で行ってもよいし、可動役物の作動で報知してもよい。
【0025】
また、保留記憶可能数に達してから報知するのではなく、可変入賞装置が作動を開始する以前において、次回の可変入賞装置が作動すると保留記憶数が最高何個まで増加するか(保留記憶可能数)を予め報知しておく構成も考えられる。予め報知しておくことにより、入球数分の保留記憶が発生しなくても、遊技者が不信感を抱くことを防止できる。
【発明の効果】
【0026】
請求項1に記載の弾球遊技機によれば、可変入賞装置の一回の作動で保留記憶が可能な数を保留記憶手段の上限数とは別に設定しているため、該上限数に大きい数を設定したとしても(例えば、通常の4個よりも大きい10個、20個30個等)、一回の作動で保留記憶数が一気に増えることがなく、遊技者が一気に増えた保留記憶の消化を見守るために発射操作を中断してしまうことを防ぐことができる。また、遊技機開発時においては、特別図柄の保留記憶の消化速度に関連する保留記憶の上限数と、始動口入賞に応じた賞球に基づく出球率に関連する可変入賞装置への入球数とを切り離して設計できるため、より自由なバランスで設計することが可能となる。
【0027】
請求項2に記載の弾球遊技機によれば、請求項1と同様の効果を奏しながら、開放延長機能を備えている遊技機では、開放延長機能が未作動な遊技状態だと可変入賞装置への入球機会が少ないため、開放延長機能未作動時には可変入賞装置に入球した遊技球はすべて保留記憶できる遊技状態とすることによって少ない機会を有効なものとすることができる。
【0028】
請求項3に記載の弾球遊技機によれば、請求項1と同様の効果を奏しながら、開放延長機能が未作動時の状態と作動時の状態とで、異なる遊技性を付与することができるようになる。例えば、開放延長機能の未作動時は保留記憶の上限数と同じ保留可能数を設定したり、開放延長機能の作動時よりも多い保留記憶可能数を設定することにより、可変入賞装置への入球が無駄なく保留記憶されるようにし、開放延長機能の作動時は未作動時よりも少ない保留記憶可能数とすることにより、変動スピード(保留記憶の消化速度)の制限を強くすることができる。
【0029】
請求項4に記載の弾球遊技機によれば、請求項1から請求項3記載のいずれかと同様の効果を奏しながら、保留記憶可能数の設定は可変入賞装置の作動時のみに設定することにより、飽くまでも可変入賞装置の作動により急激に保留記憶数が増えることを防止するための機能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】遊技盤1の正面図。
図2】遊技機の電気的構成を示すブロック図。
図3】主制御装置80が実行するメインルーチンの概要を示すフローチャート。
図4】実施例1において主制御装置80が実行する始動入賞確認処理1を示すフローチャート1。
図5】実施例1において主制御装置80が実行する始動入賞確認処理1を示すフローチャート2。
図6】実施例1において主制御装置80が実行する普図当否判定処理1を示すフローチャート1。
図7】実施例1において主制御装置80が実行する普図当否判定処理1を示すフローチャート2。
図8】実施例1において主制御装置80が実行する普図当否判定処理1を示すフローチャート3。
図9】実施例1において主制御装置80が実行する普電作動処理1を示すフローチャート。
図10】主制御装置80が実行する特図当否判定処理を示すフローチャート。
図11】主制御装置80が実行する特別図柄確定処理を示すフローチャート。
図12】主制御装置80が実行する特別遊技開始処理を示すフローチャート。
図13】主制御装置80が実行する特図遊技処理を示すフローチャート1。
図14】主制御装置80が実行する特図遊技処理を示すフローチャート2。
図15】主制御装置80が実行する特図遊技処理を示すフローチャート3。
図16】主制御装置80が実行する特図遊技処理を示すフローチャート4。
図17】演出図柄表示装置6上で実施す擬似演出の表示例1。
図18】演出図柄表示装置6上で実施す擬似演出の表示例2。
図19】実施例2において主制御装置80が実行する始動入賞確認処理2を示すフローチャート1。
図20】実施例2において主制御装置80が実行する普図当否判定処理2の一部を示すフローチャート。
図21】実施例2において主制御装置80が実行する普電作動処理2を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に本発明の好適な実施形態について説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施形態例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
【実施例1】
【0033】
図1は、本実施例のパチンコ機の遊技盤1の正面図である。なお、このパチンコ機の全体的な構成は公知技術を用いたものであるため図示及び説明は省略する。図1に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域が、第1遊技領域3aと第2遊技領域3bとに分けられており、ほぼ中央部に配置されたセンターケース5の右側が第1遊技領域3a、左側が第2遊技領域3bとなる。従って、図に示したA部まで到達した遊技球は、第1遊技領域誘導路101を転動し、第1遊技領域3a(センターケース5の右側)に至り、Aに到達しない遊技球が第2遊技領域3b(センターケース5の左側)を流下することになる。また、この第1遊技領域3a,第2遊技領域3bには多数の遊技釘4が植設されている。
【0034】
センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(液晶表示装置であり演出図柄を表示する)の画面を臨ませる窓等を備えている。センターケース5の下には、第1始動口11(本発明の常時入球率の変化しない通常始動口に相当)が配置されている。また、第1始動口11の下方にはアタッカー式の大入賞口14が配置され、第1始動口11の左方には、4個の一般入賞口31が設けられている。なお、この一般入賞口31は、入球率が変化しない普通入賞口である。
【0035】
センターケース5の右の第1遊技領域誘導路101の出口下にはゲート17(本発明の作動口に相当)が配置され、ゲート17の下には普通電動役物15(本発明の可変入賞装置に相当)からなる第2始動口12(本発明の始動口となる可変入賞装置に相当)が配置され、第1遊技領域誘導路101は、第1遊技領域3a(第1遊技領域)を流下する全ての遊技球が通過し、第1遊技領域3aにはゲート17、第2始動口12が配置された構成となっている。第2始動口12は開閉可能な翼片を供えた普通電動役物からなり、この翼片が開放しないと遊技球は第2始動口12に入球できない構成となっている。なお、大入賞口14は最下部に配置されているため、第1遊技領域3aを流下した遊技球も容易に入球する構成となっている。
【0036】
第1遊技領域3aの下部には、7セグメント表示装置からなる普通図柄表示装置7、第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10、普通図柄保留数表示装置8、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19とが配置されている。この位置に配置した各種表示装置の表示内容を遊技者が確実に認識することは困難となり、遊技中の遊技者は演出図柄表示装置6の表示内容に注目して遊技を行う。
【0037】
上記のように遊技盤1を構成することによって、第2遊技領域3bに遊技流を流下させた場合に限り第1始動口11に遊技球が入球(第1始動口スイッチ11a(図2参照)が遊技球を検出)し、第1特別図柄表示装置9において第1特別図柄が変動を開始し、所定時間後に停止する。
【0038】
第1遊技領域3aに遊技流を流下させると、ゲート17に遊技球が入球(普通図柄作動スイッチ17a(図2参照)が遊技球を検出)し、普通図柄表示装置7で普通図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普通図柄の態様に応じて、後述する普通電役ソレノイド12b(図2参照)を駆動させる。普通電役ソレノイド12bが駆動すると、ほぼ同期して普通電動役物15の羽根部材が開放して、第2始動口12への入球(第2始動口スイッチ12a(図2参照)の検出)が可能となるように構成されている。第2始動口12である普通電動役物15に遊技球が入球(第2特図始動スイッチ12a(図2参照)が遊技球を検出)すると、第2特別図柄表示装置10において第2特別図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。
【0039】
尚、本実施形態におけるパチンコ機では、普通電動役物の羽根部材が駆動する開放時間は、通常時は0.2秒(1回)、時短状態(開放延長状態)では6秒(1回)であり、本実施例では、第2始動口12は普通電動役物15の羽根部材が駆動しなければ遊技球が入球不可能な構成となっているが、入球が困難なだけで入球可能な構成としてもよい。また、普通電動役物15への1個の遊技球の入賞に応じた賞球数は1ことなっている。
【0040】
第1特別図柄(以降、第1特図ともいう)及び第2特別図柄(以降、第2特図ともいう)の変動中は、演出図柄表示装置6において各々の特別図柄の変動に連動した演出態様を表示する。また、第1特別図柄と第2特別図柄は、第1始動口11と第2始動口12への入球順に関係なく、第2特別図柄の変動を優先して実施する。具体的には、第1特別図柄の保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動が停止し、且つ、第2特別図柄保留記憶が無い状態となって、初めて第1特別図柄保留記憶分の変動を開始する。
【0041】
第1特別図柄及び第2特別図柄の確定表示した態様に応じて、後述する大入賞口ソレノイド14b(図2参照)が駆動する。大入賞口ソレノイド14bが駆動すると、ほぼ同期して大入賞口14の扉部材が開放し、大入賞口14への遊技球の入球(カウントスイッチ14a(図2参照)が遊技球を検出)が可能となるように構成されている。
【0042】
また、第1始動口11、第2始動口12に遊技球が入球したとき、又は普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過したときに取得する当否乱数等の種々の乱数を、保留記憶として主制御装置80に格納(記憶)するとともに、第1始動口11及び第2始動口12への入球に起因する各種コマンドをサブ統合制御装置83(図2参照)に送信する処理を行う。以後、第1始動口11に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第1保留記憶、第2始動口12に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第2保留記憶、普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過したときに格納される保留記憶を普図保留記憶として説明する。
【0043】
本実施形態においては、普通図柄保留数表示装置8、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19による各々の表示数の最大は30(最大保留記憶数が30個)となっている(本発明の上限数に相当)。また、それぞれの保留記憶数が0であっても、第1始動口11、第2始動口12に遊技球が入球したとき、又は普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過したときに取得される当否乱数等の種々の乱数は、記憶数が上限数未満の場合と同様に主制御装置80に格納される。
【0044】
第1特図始動スイッチ11a又は第2特図始動スイッチ12aが遊技球を検出し、その場合の第1保留記憶又は第2保留記憶の数が30個未満であれば、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、小当り図柄判定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第1又は第2保留記憶として記憶領域に格納する。
【0045】
保留記憶された各種乱数は、後述する当否判定処理によって予め設定されている値との比較判定が行われ、大当り判定用乱数の当否判定結果が大当りの場合、大当り図柄決定用乱数の値に基づいた大当り図柄が第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10、演出図柄表示装置6に表示される。
【0046】
尚、本実施形態におけるパチンコ機は確率変動機として構成されている。具体的に説明すると、本実施形態のパチンコ機による遊技は、大入賞口14を閉鎖した遊技と大入賞口14を開放する大当たり遊技とに大別され、大入賞口14を閉鎖した遊技には、大きく分類して、通常遊技状態と、該通常遊技状態に比べて遊技者にとって有利な状態となる高確率遊技状態(確変状態ともいう)、時短状態(開放延長状態)と、が存在する。
【0047】
第1特別図柄表示装置9及び第2特別図柄表示装置10に表示される特別図柄は、確率変動図柄及び非確率変動図柄とから構成される。但し、上述したように、第1特別図柄表示装置9及び第2特別図柄表示装置10は遊技領域の外に配置してあるため視認し辛く、更に確率変動図柄及び非確率変動図柄の態様は区別が容易ではないため、遊技者は第1特別図柄表示装置9,第2特別図柄表示装置10に表示される特別図柄の確定表示態様によって大当り遊技終了後の遊技状態を判別することが困難な構成となっている。
【0048】
確変状態は確率変動図柄での大当たり遊技終了後に移行可能に設定され、通常遊技状態、確変状態のうち、いずれの遊技状態でも確率変動図柄で大当りすれば、大当り遊技終了後、確変状態に移行する。同様に通常遊技状態は、非確率変動図柄での大当たり遊技終了後に移行可能に設定され、通常遊技状態、確変状態のうち、いずれの遊技状態でも非確率変動図柄で大当たりすれば、大当たり遊技終了後、通常遊技状態に移行する。
【0049】
通常遊技状態に移行後は、規定回数(例えば、100回)だけ特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮され、かつ普通電動役物の開放延長機能(本発明の開放延長手段に相当)が作動する時短状態となる。時短状態では、特別図柄及び普通図柄の変動時間(変動開始から判定結果となる確定図柄が表示されるまでの時間)が短縮され、一定時間内に変動表示を行う回数が増大される。
【0050】
具体的には、本実施形態の時短状態では、特別図柄の変動時間の短縮とともに、普通図柄表示装置に表示される普通図柄の時間短縮も行われるが、この普通図柄の変動表示を短縮させることで、一定時間内でより多くの普通図柄の確定表示が行われる。従って、一定時間内での普通図柄が当りとなる回数が増大し、これにより普通電動役物15の作動回数も増大する。また、時短状態では、普通電動役物15の開放時間が長くなるように設定されている開放延長状態(本発明の開放延長手段の実施時に相当)となるので、多数の遊技球が入賞し易くなる。このように多数の遊技球が入賞し易くなることにより、第2特別図柄の保留記憶数が容易に増加し変動表示回数が更に増大されるとともに、普通電動役物への入賞で得る賞球により、遊技者の持ち玉が増加又は減り難くなり、有利な遊技を行うことができる。
【0051】
また、本実施例では、開放延長状態における普通電動役物15の作動には、作動を終了させる規定入賞数(本実施例では10個)(本発明の規定入賞数に相当)とともに、入球した遊技球に対して保有記憶が有効に行われる保留記憶可能数(本発明の保留記憶可能数に相当)が設定されており、本実施例ではその数を4個としている。従って、開放延長状態で普通電動役物15が作動した場合、保留記憶数が上限数(30個)に達していなければ、4個目までの入球に対しては該入球に対する保留記憶は行われるが、5個目以降の入球に対しては賞球のみで保留記憶は行われない構成となっている。この構成は本発明の「規定入球数よりも少ない保留記憶可能数とが設定され」と「保留記憶可能数には前記上限数よりも少ない数を設定した」とに相当する。
【0052】
尚、確変状態では、時短状態と同様に特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮され、普通電動役物の開放延長機能が作動する。各種図柄の短縮と普通電動役物開放延長機能に関わる設定は時短状態と同一であるが、確変状態はそれに加えて特別図柄の大当り確率が高くなる(大当りし易い状態)ため、更に遊技者に有利な遊技状態となる。
【0053】
上述したように、本実施例におけるパチンコ機の遊技領域は、第1遊技領域3aと第2遊技領域3bに区別され、遊技者に有利な開放延長状態(時短状態)で作動する第2始動口12となる普通電動役物15と該普通電動役物15の作動契機となる作動ゲート17とは第1遊技領域3aに配置され、さらに第1遊技領域3aを流下した遊技球は容易に大入賞口14に入球する構成となっている。このため、遊技者は、大当り遊技状態と開放延長状態とでは、第1遊技領域3aに遊技球を進入させるように発射ハンドルを操作(発射強度を強くするように操作)することにより、無駄な遊技球の発射を減らすことができる。
【0054】
図2は、パチンコ機の電気的構成を示すブロック図となり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細な図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
【0055】
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄を作動させるゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、一般入賞口31に入球した遊技球を検出する左入賞口スイッチ31a等の検出信号が入力される。
【0056】
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作し、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。また主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9(図では第1特図表示装置)、第2特別図柄表示装置10(図では第2特図表示装置)及び普通図柄表示装置7の表示、第1特別図柄保留数表示装置18(図では第1特図保留数表示装置)、第2特別図柄保留数表示装置19(図では第2特図保留数表示装置)、普通図柄保留数表示装置8(図では普図保留数表示装置)を制御する。
【0057】
更に、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド(図では普電役物ソレノイドと表記)17bを制御することで第2始動口12となる普通電動役物15の開閉動作を制御する。主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールコンピュータ87に送られる。
【0058】
主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が行われ、払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を制御して賞球を払い出す。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出スイッチ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
【0059】
なお、払出制御装置81はガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
【0060】
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してプリペイドカードユニットと交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
【0061】
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。なお本実施例のパチンコ遊技機は、賞球となる遊技球を機外に排出するタイプとするが、機内に所定数の遊技球を封入し、該遊技球を機内で循環して遊技を進行する封入式の遊技機としても何ら差し支えない。
【0062】
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドルからの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドルを操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドルを触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射できないようになっている。
【0063】
サブ統合制御装置83の入力端には、遊技者により操作可能な演出ボタンスイッチ14a接続されている。また、サブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカからの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。
【0064】
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が主制御装置80からの入力及び演出ボタン67の操作に応じた信号入力に基づいて生成したものとがある)に基づく制御を行い、演出図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面6aに表示させる。尚、サブ統合制御装置83と主制御装置80とは間に演出中継端子板65を介した主制御装置80からサブ統合制御装置83への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とはサブ統合制御装置83から演出図柄制御装置82への一方向通信回路として構成されている。従って、サブ統合制御装置83,演出図柄制御装置82による演出制御が、主制御装置80が行う当否判定の結果に影響を与えることはない。
【0065】
次に、図3を用いて、主制御装置80が実行するメインルーチンを説明する。メインルーチンは、約2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。本実施形態では、S10〜S75までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS80の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。
【0066】
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、ほとんどが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
【0067】
S10が否定判定、即ち、正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(S80)に移行する。
【0068】
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理(S20)、大当り決定用乱数更新処理(S25)、大当り図柄決定用乱数1更新処理(S30)、大当り図柄決定用乱数2更新処理(S35)、小当り図柄判定用乱数更新処理(S40)、当り決定用乱数更新処理(S45)、リーチ判定用乱数更新処理(S50)、変動パターン決定用乱数更新処理(S55)、入賞確認処理(S60)、当否判定処理(S65)、画像出力処理等の各出力処理(S70)、不正監視処理(S75)を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内には初期乱数更新処理(S80)をループ処理する。
【0069】
次に図4に示したフローチャートを用いて、実施例1において主制御装置80が実行する(S60のサブルーチン)始動入賞確認処理1を説明する。本処理は、第1始動口11、第2始動口12に遊技球が入球したとき、又は普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過したときに取得する当否乱数等の種々の乱数を、保留記憶として主制御装置80に格納(記憶)する処理となり、本発明の保留記憶手段に相当する。また本処理では、記憶した乱数が予め設定された値か否かを後述する特図当否判定を実施する以前に確認する処理を行い、第1始動口11及び第2始動口12への入球に起因する各種コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理を行う。以後、第1始動口11に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第1保留記憶、第2始動口12に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第2保留記憶、普通図柄始動ゲート17を遊技球が通過したときに格納される保留記憶を普図保留記憶として説明する。
【0070】
本実施形態においては、普通図柄保留数表示装置8、第1特図保留数表示装置18、第2特図保留数表示装置19による各々の最大表示数は30(最大保留記憶数となる上限数が30)となっているが、これに限るわけではなく、多くても少なくてもよい。
【0071】
本処理を開始すると、第1始動口スイッチ11aが遊技球を検出したか否か判定する(S100)。否定判定なら(S100:no)、S130に進み、肯定判定なら(S100:yes)、主制御装置80に格納されている第1保留記憶の数が上限数(=30)未満か否か判定する(S105)。否定判定なら(S105:no)、S130に進み、肯定判定であれば(S105:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、小当り図柄判定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第1保留記憶として記憶し第1保留記憶の数を示す第1保留記憶カウンタに1を加算する(S110)。S100からS110までの構成は、本発明の「通常始動口に遊技球が入球すると、保留記憶数が上限数に到達していないことのみを条件として保留記憶を行う」に相当する。
【0072】
S110に続いては、記憶した第1保留記憶の先読判定を行う(S115)。具体的には、大当り判定用乱数の値が大当りを生起する値か否かを確認し、大当り値なら大当り図柄の種類を確認する。大当り判定がハズレなら、小当りを生起する値か否かを確認し、ハズレならリーチ決定用乱数がスーパーリーチとなる値か否かを確認する。スーパーリーチでなければ、リーチとなる値か否かを確認し、変動パターン決定用乱数の値から変動時間を確認する。上記判定を行うことによって、記憶した乱数値が、遊技者が大当りの期待が持てる特定の値か否か(はずれでも大当りを期待させる演出が可能な否か)を判定する。
【0073】
続いて、S115の判定結果から第1先読判定コマンドを生成してサブ統合制御装置83に送信し(S120)、S110で加算した第1保留記憶カウンタの値を示す第1保留数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信する(S125)。
【0074】
S125の処理、又はS100、S105の否定判定(S100:no、S105:no)に続いては、第2始動口スイッチ12aが遊技球を検出したか否か判定する(S130)。否定判定なら(S130:no)、図5のS200に進み、肯定判定なら(S130:yes)、時短フラグが1か否か判定する(S135)。なお、図示はしないが、肯定判断(S100:yes、S130:yes)の段階で始動口への入賞特典として賞球を払い出せばよい。賞球払出を決定するタイミングは特に限定するものでなく、始動入賞確認処理上であればどこでもよい。
【0075】
時短フラグは、主制御装置80が記憶する値であり、値が「0」のときは、特別図柄と普通図柄の変動時間を短くする時短機能と、第2始動口12となる普通電動役物15の作動時間を通常時よりも長くする開放延長機能とが未作動の非時短状態であることを、値が「1」のときは、時短機能と、開放延長機能とが作動中の時短状態であることを主制御装置80が判断するための値である。これにより本実施例では時短フラグが立つことで開放延長機能が作動し、時短フラグが落ちると開放延長機能が終了する構成となっている。従って、時短フラグが、本発明の開放延長手段に相当する。なお、時短フラグの成立時は、普通図柄の当選確率を向上させる普図確変機能を追加しても良い。普図確変機能を搭載すれば、普図が当りやすくなり、時短機能、開放延長機能と相俟って時間あたりの普通電動役物15の作動回数を向上させることができる。
【0076】
S135が肯定判定、即ち、開放延長(時短)状態なら(S135:yes)、保留可能カウンタの値が4よりも小さいか否か判定する(S140)。保留記憶カウンタは、開放延長状態中に作動した普通電動役物15への遊技球の入球に対して、保留記憶が可能な入球数を判定するために作動中の入球数を計数するカウンタであり、本実施例においては開放延長機能作動時、即ち、時短フラグが「1」の場合のみ保留記憶が有効となる入球数として4が設定されている。この構成は、本発明の「保留記憶可能数には前記上限数(30)よりも少ない数(4)を設定した」及び「開放延長手段の実施時のみ前記可変入賞装置作動時の前記保留記憶可能数の設定が有効となる」に相当する。なお、保留記憶可能数の設定は常に有効な構成でもよい。遊技状態の変化に関係なく、常に保留記憶可能数が設定されていれば、余分なプログラムを備える必要もないし、遊技状態の変化により処理を変更する必要もなくなる。
【0077】
S140が否定判定、即ち、既に4個以上の遊技球が1回の普通電動役物15の作動中に入球していたなら(S140:no)、当該検出に応じた保留記憶は行わずに図5のS200に進み、肯定判定なら(S140:yes)、保留可能カウンタにインクリメントする(S145)。S145に続いて、若しくはS135の否定判定(S135:no)、即ち、非開放延長状態(通常遊技状態)なら、主制御装置80に格納されている第2保留記憶の数が上限数(=30個)未満か否か判定する(S135)。否定判定なら(S150:no)、図5のS200に進み、肯定判定であれば(S150:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、小当り図柄判定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第2保留記憶として記憶し第2保留記憶数を示す第2保留記憶カウンタに1を加算し(S155)、S115と同様に記憶した第2保留記憶の先読判定を行う(S160)。
【0078】
続いて、S160の判定結果から第2先読判定コマンドを生成しサブ統合制御装置83に送信し(S165)、S155で加算した第2保留記憶カウンタの値を示す第2保留数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信して(S170)、図5のS200に進む。
【0079】
図5のS200では、普通図柄作動スイッチ17aが遊技球を検出したか否か判定する(S200)。否定判定なら(S200:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S200:yes)、主制御装置80に格納されている普図保留記憶数が上限数(=30個)未満か否か判定する(S205)。否定判定なら(S205:no)リターンに抜け、肯定判定であれば(S205:yes)、抽出した当り判定用乱数と当り図柄決定用乱数とを普図保留記憶として記憶し、普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウンタに1を加算し(S210)、加算した普図保留記憶カウンタの値を示す普図保留記憶数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S215)、リターンする。
【0080】
サブ統合制御装置83は第1及び第2保留記憶数指示コマンドを受信すると、受信したコマンドが示す保留記憶数に応じて演出図柄表示装置6上で表示する各保留記憶数を変化させる指示信号を演出図柄制御装置82に送信する。また、本実施例では、演出図柄表示装置6上では普通図柄の保留記憶数表示は行わないが、普図保留記憶数指示コマンドの受信に応じて表示する構成としてもよいし、普図保留記憶数指示コマンド自体を送信しない構成としてもよい。また、普図の先読判定を実施し判定結果をサブ統合制御装置に送信する構成も考えられる。これにより、普通電動役物(第2始動口12)の開放を期待させる先読予告の実施が可能となる。
【0081】
次に、図6から図8に示したフローチャートを用いて、実施例1において主制御装置80が実行する普図当否判定処理1を説明する。本処理は、本発明の普図当否判定に相当する。本処理を開始すると、普通電動役物15が非作動中か否か判定する(S250)。否定判定なら(S250:no)、リターンし、肯定判定なら(S250:yes)、普通図柄が非変動中か否か(S255)、普通図柄が非確定表示中か否か(S260)判定する。どちらも肯定判定なら(S255:yes、S260:yes)、普図保留記憶があるか否か判定し(S265)、否定判定なら(S265:no)リターンし、肯定判定なら(S265:yes)、時短フラグが0か否か判定する(S270)。
【0082】
S270が否定判定、即ち時短状態なら(S270:no)、時短状態中の処理を行うが、時短状態では普通図柄の変動パターンを選択する変動パターンテーブルの内容が異なるのみの内容となり、従来技術と何ら変わらないため、説明は割愛する。S270が肯定判定なら(S270:yes)普図保留記憶のシフト処理を行い、これにより最も古い普図保留記憶を当否判定の対象とするとともに、普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウンタから1を減算する(S275)。次に、減算した普図保留記憶カウンタの値を示す普図保留数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信する(S280)。
【0083】
続く、当り判定用乱数比較処理(S285)では、当否判定の対象とした普図保留記憶の当り判定用乱数と、予め設定された普図当否判定テーブルとを比較して、当り判定用乱数の値が普図当否判定テーブル内の判定値と一致するか比較する。当否判定は通常確率(低確率)と高確率の2種類あり、当該判定時の遊技状態が通常(低確率)遊技状態(確変フラグ=0)であれば通常確率(50/100)で比較し、高確率遊技状態(確変フラグ=1)であれば高確率(100/100)で比較する。
【0084】
続いて、S285の比較結果が当りであるか否か判定する(S290)。肯定判定なら(S290:yes)、当り図柄選択(S295)、変動パターン決定(S300)を行うが、当り図柄選択(S295)では、当り図柄決定用乱数を用いて1/50の確率で普通電動役物がロング開放をする当り図柄を選択する。従って、通常の遊技状態において普通図柄が普通電動役物のロング開放で当る確率は1/100((50/100)×(1/50))となる。本実施例ではロング開放とショート開放の2種類に振分けられるが、ミドル開放を加え振分け数を増やす構成も当然考えられる。その場合、ロング開放報知に加え、ミドル開放報知を実施する構成としてもよい。
【0085】
S290が否定判定なら(S290:no)、はずれ図柄の決定(S310)、変動パターンの決定(S300)が行われる。S300に続いては、判定を行った普図保留記憶の判定結果(ロング開放当り、ショート開放当り、はずれのいずれか)を、判定結果コマンドとしてサブ統合制御装置83に送信し(S305)(普図判定信号送信手段)、上記処理結果に応じた普通図柄の変動開始処理を行い(S310)リターンする。
【0086】
S255が否定判定、即ち普通図柄の変動中なら(S255:no)、図7のフローチャートに進み、普通図柄の変動時間(通常時6.0秒、時短(開放延長)時0.5秒)が経過したか否か判定する(S350)。否定判定なら(S350:no)、リターンに抜け、肯定判定なら(S350:yes)、変動中の普通図柄をS295又はS310で決定した図柄で停止表示する処理を行い(S355)、停止表示した図柄が普通電動役物を作動させる当り図柄か否か判定する(S360)。否定判定なら(S360:no)、はずれ図柄に応じた確定表示時間を設定し(S385)リターンに抜ける。
【0087】
S360が肯定判定なら(S360:yes)、当り図柄の種類に応じた確定表示時間を設定し(S365)、時短フラグが0か否か判定する(S370)。肯定判定、即ち通常状態なら(S370:yes)、表示設定した当り図柄の種類に応じて通常状態の普通電動役物15の作動設定を行い(S375)、否定判定、即ち開放延長状態なら(S365:no)、普通電動役物の当り動作として6.0秒×1回の開放動作を設定する(S390)。S375又はS390に続いては、普通電動役物の作動開始処理を行い(S380)、リターンする。
【0088】
図6に戻り、S260が否定判定なら(S260:no)、図8のフローチャートに進み、確定図柄の表示時間が終了したか否か判定する(S400)。否定判定なら(S400:no)リターンし、肯定判定なら(S400:yes)、確定図柄表示終了処理を行い(S405)、リターンする。
【0089】
次に、図9のフローチャートを用いて、実施例1において主制御装置80が実行する普電作動処理1を説明する。本処理を開始すると、普通電動役物が作動中か否か判定する(S450)。否定判定なら(S450:no)リターンし、肯定判定なら(S450:yes)、第2始動口スイッチ12aが普通電動役物15の作動開始後に規定入賞数(10個)の遊技球を検出したか否か判定し(S455)、否定判定なら(S455:no)、S375、又はS390で設定した普通電動役物15の作動時間が終了したか否か判定する(S465)。
【0090】
S465が否定判定なら(S465:no)リターンに抜け、S455又はS465が肯定判定なら(S455:yes、S465:yes)、普電作動終了処理を行い(S460)、普電作動終了情報をサブ統合制御装置83に送信し(S470)、保留可能カウンタをクリアし(S475)リターンする。
【0091】
次に、図10に示したフローチャートを用いて主制御装置80が行う特図当否判定処理を説明する。本処理は、第1始動口スイッチ11a又は第2始動口スイッチ12aでの遊技球の検出に起因して抽出された乱数値に基づいて大当り遊技(特別遊技)を実行するか否かを判定し、該判定の結果に基づいて特別図柄及び演出図柄の変動表示の開始を指示する処理となり、本発明の特図当否判定手段に相当する。
【0092】
本処理を開始すると、特図の始動条件が成立しているか否か判定する(S500)。この判定では、大当り遊技中でないこと、第1及び第2特図が変動中又は確定図柄を表示中でないことを確認する。否定判定なら(S500:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S500:yes)、第2保留記憶が有るか否か判定する(S505)。肯定判定なら(S505:yes)、S515に進み、否定判定なら(S505:no)第1保留記憶が有るか否か判定し(S510)、否定判定なら(S510:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S510:yes)、S515に進む。S505とS510の判定順により、第2保留記憶の当否判定を優先して実施する構成となっている。尚、本実施例では、特別図柄が複数(第1特別図柄と第2特別図柄)の構成となっているが、特別図柄を1つとした構成であっても本発明の効果に変りはない。
【0093】
S515では確変フラグの値が0か否か判定する(S515)。確変フラグは、主制御装置80が記憶する値であり、値が「0」のときは、大当り判定確率が通常(低)確率であることを、値が「1」のときは、確変遊技状態中(高確率遊技状態中)であることを主制御装置50が判断するための値である。肯定判定なら(S515:yes)S520に進み、否定判定なら(S515:no)高確率中の処理に進む。高確率中の処理は、大当り確率及び変動パターンの選択テーブルのみが異なる処理となるため説明は割愛する。
【0094】
S520では、保留記憶のシフト処理を行い(S520)、これにより最も古い保留記憶を当否判定の対象とするとともに、保留記憶数を示す保留記憶カウンタから1を減算する。
【0095】
続く、大当り判定用乱数比較処理(S525)では、当否判定の対象とした保留記憶の大当り判定用乱数値と予め設定された当否判定テーブルとを比較して、乱数値が当否判定テーブル内の判定値と一致するか比較する。当否判定テーブルは通常確率(低確率1/300)用と高確率(1/30)用の2種類のテーブルが設定してあり、当否判定時の遊技状態が通常遊技(確変フラグ「0」)であれば通常確率用の当否判定テーブルを用いて比較し、高確率の遊技状態(確変フラグ「1」)であれば高確率用の当否判定テーブルを用いて比較する。
【0096】
続くS530の処理では、大当り判定用乱数の比較処理(S525)の結果が大当りであるか否か判定する(本実施例では1/300)。肯定判定なら(S530:yes)、図柄モード設定処理を行う(S535)。図柄モード設定処理では、当否判定の対象とした保留記憶の種類(第1保留記憶又は第2保留記憶)と、判定対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数1に基づいて、大当り遊技の内容と大当り遊技終了後の遊技状態を決定する図柄モードを設定する。
【0097】
次に、設定した図柄モードの種類と判定対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数2に基づいて大当り図柄選択処理を行う(S540)。これは、図柄モードの設定によって決定した大当りの種類(大当り遊技の内容と大当り遊技終了後の遊技状態)を大当り図柄によって報知するために、図柄モードの種類毎に設定された図柄郡の中から表示する図柄を決定する処理となる。
【0098】
次にS535で設定した図柄モードに基づいてモードバッファ設定処理を行う(S545)。モードバッファは特図当否判定時に決定した大当り遊技終了後の遊技状態を、該遊技状態を設定する大当り遊技終了時まで記憶する装置である(大当り遊技中は遊技状態を設定する確変フラグ及び時短フラグをクリアする必要があるため)。モードバッファとしては、具体的な遊技内容(確変機能および開放延長機能(時短機能)の作動とその作動回数)は記憶せず、複数種類の具体的な遊技内容のそれぞれに対応した値を記憶する構成となっている。
【0099】
次に、S535で設定した図柄モードに基づいて大当り遊技の内容となる大入賞口の開放パターン設定処理を行い(S550)、当否判定の対象とした保留記憶のリーチ決定用乱数および変動パターン決定用乱数に基づいて、第1特別図柄表示装置29又は第2特別図柄表示装置30、及び演出図柄表示装置54bに表示する図柄の変動時間となる変動パターンを、変動パターン選択テーブルから選択する(S555)。
【0100】
次に、選択した大当り図柄および変動パターンの情報を、変動指示信号としてサブ統合制御装置83へ送信する(S560)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づいて、演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、大当り図柄および変動パターンの情報に対応する図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に、主制御装置80は、第1特別図柄表示装置9又は第2特別図柄表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
【0101】
S530が否定判定、即ちハズレなら(S530:no)、大当り判定用乱数の比較処理(S525)の結果が小当りであるか否か判定し(1/150)(S565)、肯定判定なら(S565:yes)、小当り図柄を選択し(S570)、続いて小当り遊技の開放パターン設定処理を行い(S550)、小当り図柄に対応する変動パターン選択処理を行い(S555)、小当り図柄および変動パターンの情報となる変動指示信号をサブ統合制御装置83へ送信する(S560)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づき演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、小当り図柄および変動パターンの情報に対応する図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に、主制御装置80は、第1特図表示装置9又は第2特図表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
【0102】
S565が否定判定なら(S565:no)、ハズレ図柄を選択し(S575)、続いてハズレ図柄に対応する変動パターン設定処理を行い(S555)、ハズレに関する図柄及び変動パターンの情報となる変動指示信号をサブ統合制御装置83へ送信する(S560)。この情報を受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づき演出図柄制御装置82は演出図柄表示装置6を制御し、ハズレ図柄および変動パターンの情報に対応する図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への送信とほぼ同時に主制御装置80は、第1特図表示装置9又は第2特図表示装置10を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
【0103】
次に、図11に示したフローチャートを用いて主制御装置80が実行する特別図柄確定処理を説明する。本処理を開始すると、S555で選択した第1又は第2特別図柄の変動パターンが示す変動時間が経過したか否か判定する(S600)。否定判定なら(S600:no)リターンし、肯定判定なら(S600:yes)、確定コマンドをサブ統合制御装置83へ送信するとともに図10のS540,S570,又はS575で選択された図柄を第1特図表示装置9又は第2特図表示装置10に確定表示し、サブ統合制御装置83からの指示に基づいて演出図柄表示装置6の図柄を確定表示する(S605)。
【0104】
続いて、第1特図表示装置9又は第2特図表示装置10に確定表示した図柄が大当り図柄か否か判定する(S610)。肯定判定なら(S610:yes)、大当りフラグに「1」をセットし(S615)リターンに抜ける。S610が否定判定なら(S610:no)、確定表示した図柄が小当り図柄か否か判定し(S620)、肯定判定なら(S620:yes)、小当りフラグに「1」をセットする(S625)。S620の否定判定(S620:no)、又はS625に続いては、リターンに抜ける。
【0105】
次に、図12に示すフローチャートを用いて主制御装置80が行う特別遊技開始処理を説明する。本処理を開始すると、大当りフラグが1か否か判定し(S650)、肯定判定なら(S650:yes)、図10のS550で設定された開放パターンに従って、条件装置および役物連続作動装置を作動して大当り遊技を開始する大当り遊技設定処理を行う(S655)。続くS660〜S675では、当否抽選時の遊技状態を示す時短フラグ、時短カウンタ、確変フラグ、確変カウンタをクリアする。S650が否定判定なら(S650:no)、小当りフラグが「1」か否か判定し(S685)、否定判定なら(S685:no)リターンし、肯定判定なら(S685:yes)、図10のS550で設定された開放パターンに従って、小当り遊技の遊技内容を設定し、小当り遊技を開始し(S690)、S675又はS690に続いては、当り開始演出指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理を行い(S680)リターンする。
【0106】
次に、図13から図16を用いて主制御装置80が実行する特別遊技処理を説明する。本処理は、大当り遊技終了後から実施する高確率遊技状態,開放延長(時短)状態の設定を行う特典遊技設定手段(本発明の開放延長手段に相当)を含む処理となる。本処理を開始すると、役物連続作動装置が作動中か否か判定する(S700)。否定判定なら(S700:no)リターンし、肯定判定なら(S700:yes)、大入賞口14が開放中か否か判定する(S705)。否定判定なら(S705:no)、インターバル中か否か判定し(S710)、インターバル中でなければ(S710:no)、大当り終了演出中か否か判定し(S715)、大当り終了演出中でなければ(S715:no)、大当り開始演出時間が終了したか否か判定し(S720)、大当り開始演出時間が終了していなければ(S720:no)リターンし、終了していれば(S720:yes)、大入賞口14を開放させる処理を行い(S725)、サブ統合制御装置83に開放開始情報を送信し(S730)リターンする。
【0107】
S705が肯定判定、即ち、大入賞口14が開放中なら(S705:yes)、図14のS750に進み、カウントスイッチ14aが遊技球を検出したか否か判定する(S750)。肯定判定なら(S750:yes)、大入賞口14に規定入賞数(9個)の入賞があったか否か判定し(S755)、S750又はS755が否定判定なら(S750:no:S755:no)、大入賞口14の開放時間が終了したか否か判定し(S760)、否定判定なら(S760:no)リターンする。S755、又はS760が肯定判定なら(S755:yes、S760:yes)、大入賞口14を閉鎖する処理を行い(S765)、サブ統合制御装置83へ大当りインターバル演出の開始を指示するコマンドを送信する大当りインターバル処理を行って(S770)リターンする。
【0108】
図13に戻り、S710が肯定判定、即ち、インターバル中なら(S710:yes)、図15のS800に進み、大当りインターバル時間が終了したか否か判定し(S800)、否定判定なら(S800:no)リターンする。肯定判定なら(S800:yes)、大当り遊技の最終ラウンドが終了したか否か判定し(S805)、肯定判定なら(S805:yes)、サブ統合制御装置83に大当り終了演出を指示するコマンドを送信して大当り遊技を終了し(S810)リターンする。否定判定なら(S805:no)、サブ統合制御装置83に開始するラウンドの演出開始指示コマンドを送信するとともに大入賞口14の開放処理を行って(815)リターンする。
【0109】
図13に戻り、S715が肯定判定、即ち、大当り終了演出中なら(S715:yes)、図16のS850に進み大当り終了演出の時間が終了したか否か判定する(S850)。否定判定なら(S850:no)リターンし、肯定判定なら(S850:yes)、役物連続作動装置の作動を停止する処理を行い(S855)、条件装置の作動を停止する処理を行う(S860)。
【0110】
続いては、当該処理中の大当りを生起させた当否判定処理のS545で設定したモードバッファを参照し(S875)、確変フラグ,確変カウンタ,時短ラグ,時短カウンタを設定し(S880,S885,S890,S895)、モードバッファのクリアを行う(S900)。続いて、サブ統合制御装置83へ大当り終了コマンドを送信し(S905)、大当りフラグをクリアして(S910)リターンする。なお、S890,S895の設定が、本発明の開放延長手段に相当する。
【0111】
次に、演出図柄表示装置6上で実施す擬似演出の表示内容について、図17に示した表示例を用いて説明する。図17(1)は、通常遊技状態における演出図柄表示装置6の表示内容を示している。この場合、画面中段から上段にかけての広い領域が擬似図柄表示部となり、その下部が保留記憶の数を報知する第1特図保留記憶数表示領域と第2特図保留記憶数表示領域とになる。
【0112】
擬似図柄表示部で第1又は第2特別図柄の変動表示に応じて演出変動を行う左右中の擬似図柄を表示する。第1特図保留記憶数表示領域では、第1特図の保留記憶数を上限数30個まで個々に認識可能に表示し、第2特図保留記憶数表示領域では、第2特図の保留記憶数を上限数30個まで個々に認識可能に表示する。図例では、黒丸の数が今現在の保留記憶数を示し、白丸の数が上限数に達するまでに保留記憶が可能な数を示している。
【0113】
図17(2)は、開放延長(時短)状態における演出図柄表示装置6の表示内容を示し、詳しくは、普電(普通電動役物15)未作動時の表示例となる。この場合、擬似図柄表示部が縮小することによって画面上部に遊技状態報知部が出現し、現在の遊技状況が表示される。
【0114】
具体的には、遊技状態報知部において、「高確率電サポ中」を表示することにより現状の遊技状態が高確率遊技状態で且つ開放延長(時短)状態であることを報知し、「あと7個記憶可能」「次の電チューであと最高4個記憶できるよ」の文字列とキャラクタ(熊の達吉)を表示することで、あと何個第2特図の保留記憶が可能か、次の普電の作動で最高何個の保留記憶が可能かをキャラクタ(熊の達吉)のコメントで報知する。「あと7個記憶可能」等の上限数に達するまでに記憶可能な数の報知は、保留記憶数が所定数(例えば20個)に達した時点で報知を開始する構成としてもよく、遊技者は、その報知を保留記憶の貯まった有利な状態の目安とすることができるとともに、上限数まで保留記憶を増やす目的を与えることができる。
【0115】
図18(3)は、(2)と同様に開放延長(時短)状態における演出図柄表示装置6の表示内容を示し、詳しくは、(2)の状態から普電(普通電動役物15)が作動し、且つ入球した遊技球数が保留記憶可能数(4個)に到達している場合の表示例となる。この場合、遊技状態報知部で表示されていた文字列が「電チュー作動中」「今回の記憶分は完了しました」に変化し、キャラクタの態様も渋い表情に変化する。
【0116】
(2)と(3)の第2特図保留記憶表示領域を比べると、保留記憶が4個増加しており、1回の普図当りに基づいた1回の普通電動役物15の作動では、作動中に普通電動役物15に5個以上の遊技球が入球したとしても4個までしか保留記憶されないことを示している。また、普通電動役物15作動時に保留記憶可能数まで遊技球が入球すると、遊技状態表示部には、「今回の記憶分は完了しました」の文字列が表示されるが、これは、本発明の「該可変入賞口への入球数が前記保留記憶可能数を上回ると、当該作動が終了するまで該可変入賞口への入球に応じた保留記憶を行わないことを報知する」に相当する構成となる。
【0117】
また、(2)の遊技状態報知部で表示した「次の電チューであと最高4個記憶できるよ」の表示は、可変入賞装置が作動を開始する以前において、次回の可変入賞装置が作動すると保留記憶数が最高何個まで増加可能か(保留記憶可能数)を予め報知しておく構成となる。なお、一度の可変入賞装置の作動での保留記憶数の増加可能数の報知は、他にも保留記憶表示領域の白丸のところを増加可能数まで青丸に変更したり、点滅させたりして報せることも考えられる。可変入賞装置の作動と同期して行えば、遊技者は直感的にどこまで保留記憶数を増やすことができるのか把握することが容易になる。
【0118】
また、増加可能数を報知しない構成も考えられる。特に普通電動役物15に設けられた第2特図などは、開放延長状態になると頻繁に普通電動役物15が作動し、時短機能も作動することになるから保留記憶の消化も高速になる。そのため、入賞数と保留記憶数の増加数が一致しなくても違和感をあまり感じることなく遊技を進行することができるためである。
【0119】
また、本実施例では第1特図、第2特図を共に保留記憶数の上限を30個にしたが、異なる上限数に設定してもよい。第1特図始動口は常時入球率が一定のため、例えば従来のように4個に設定し、開放延長が作動すると極端に入賞率が向上する第2特図の場合は、例えば30個にすることにより、お互いの入賞率に合わせた上限数とすることができる。
【実施例2】
【0120】
次に実施例2について説明する。本実施例に於いて遊技機の基本構成は実施例1と共通である。従って、重複する部分は実施例1を援用として説明を進める。
【0121】
実施例1と相違するのは、通常遊技状態においても普通電動役物15作動時の保留記憶可能数を設定する点となり、普図当否判定が当り時の遊技状態に応じて、普電作動フラグに異なる値を設定する構成となっている。以下に実施例1と相違する部分を説明する。
【0122】
図19に示す始動入賞確認処理2は、実施例1で図4を用いて説明した始動入賞処理1と基本構成を同じくし、第2始動口スイッチ12aの検出判定から第2保留記憶数が上限数未満か否かの判定を行うまでの間が異なる内容となる。具体的には、始動入賞処理1のS130に相当するS1030が肯定判定なら(S1030:yes)、普電作動フラグが1か否か判定する(S1035)。普電作動フラグは、主制御装置80が記憶する値であり、値が1なら通常遊技状態において普通電動役物15の作動中であることを、値が2なら開放延長状態において普通電動役物15の作動中であることを主制御装置80が判断する。
【0123】
S1035が肯定判定、即ち、通常遊技状態における普通電動役物15への入賞なら(S1305:yes)、第1カウンタの値が6未満か否か判定する(S1040)。第1カウンタは、通常遊技状態中に作動した普通電動役物15への遊技球の入球に対して、保留記憶が可能な入球数か否かを判定するために作動中の入球数を計数するカウンタであり、それに対して開放延長状態中に入球数を計数するカウンタを第2カウンタとしている。
【0124】
S1040が肯定判定、即ち、通常遊技状態中において保留記憶可能数に達していないなら(S1040:yes)、第1カウンタをインクリメントし(S1045)、第2保留記憶の数が上限数(=30)未満か否か判定する(S1060)。
【0125】
S1035が否定判定、即ち、開放延長状態における普通電動役物15への入賞なら(S1305:no)、上述した第2カウンタの値が4未満か否か判定し(S1050)、肯定判定なら(S1050:yes)、第2カウンタをインクリメントし(S1055)、第2保留記憶の数が上限数(=30)未満か否か判定する(S1060)。
【0126】
上記したように、本実施例では通常遊技状態と開放延長状態とで異なる保留記憶可能数が設定される構成となり、これは、本発明の「通常の遊技状態と前記開放延長手段実施時とでは異なる数を設定した」の構成に相当する。また、本実施例では、開放延長状態における保留記憶可能数は実施例1と同一数の4としたが、通常遊技状態における保留記憶可能数を4よりも多い6とした。これにより、普通電動役物15のロング開放時の入球を有効に保留記憶しながらも制限を持たせることで、通常遊技において保留記憶数が増加しすぎることによって発射操作を中断してしまうことを防止する。
【0127】
なお、本実施例では開放延長状態か否かで保留記憶可能数を変更したが、他にも普通電動役物15の動作開始時の保留記憶数によって変更することも考えられる。例えば、保留記憶数が3個のような状態(上限数30個)では保留記憶可能数を6とし、保留記憶数が25個のような状態では4とするなど、保留記憶数の状況に合わせて設定することにより、変動演出が途切れ難くしてストレスなく遊技を進行させることができるようにすることができる。
【0128】
また、開放延長が作動してから特図の変動回数が所定回数に達すると保留記憶可能数を異ならせる構成にすれば、同じ開放延長状態でも保留の増え方に変化を与えることができるようになる。また、変動回数ではなく、開放延長機能が作動してからの経過時間が所定時間に達することにより変更することも考えられる。例えば、所定時間経過すると保留記憶可能数が少なくなるようなら、遊技者は所定時間前に少しでも抽選を行えるように休みなく、高い緊張感を持って遊技を行なうことができる。
【0129】
図20に示すフローチャートは、実施例1における普図当否判定処理1の図7に相当する箇所となる。本実施例においても、普図当否判定の当りに応じて遊技状態ごとに普通電動役物15の作動が設定されるが、実施例1と異なるのは、その作動設定後に遊技状態に応じた普電作動フラグの設定(S1130、S1145)が追加されている。
【0130】
図21に示すフローチャートは、実施例1の普電作動処理1に相当する普電作動処理2を示している。普電作動処理1と異なるのは、普通電動役物15の作動終了時の処理となり、普電作動処理2では、作動終了時に、普電作動フラグに0をセットし(S1225)、第1カウンタと第2カウンタをクリアして(S1230,S1235)リターンしている。
【0131】
以上が実施例の説明となる。実施例における普通電動役物15入球時の賞球は、1個に設定されており、これにより、通常遊技状態においては賞球のベース値を気にすることなく保留記憶の有効数を増加させ、開放延長状態においては、ベース値を引き上げるために数多くの遊技球を入球させることになるが、一回の普通電動役物15の作動においては保留記憶が有効となる数が設定されているため、全ての入球に対して保留記憶が行われることはなく、ベース値の確保が効率的に行うことができる構成となっている
【0132】
また、実施例では、特別図柄の種類を第1特別図柄と第2特別図柄との2種類とし、どちらの特別図柄も保留記憶の上限数を30として揃えたが、開放延長状態時に普通電動役物15への入球に起因して当否判定を実施する第2特別図柄のみ保留記憶を増大させてもよい(例えば、第1保留記憶の上限数を4とし第2保留記憶の上限数を30とする)。これにより、通常遊技状態時は従来同様の設計としたいえで、開放延長状態のみの設計を新たに行えばよい。
【0133】
また、2種類の特別図柄を必要としない遊技性(例えば、大当り時に特別図柄の種類に応じて特典が付与される構成ではない場合)であれば、始動口は2個(入球率の変化しない始動口と、可変入賞装置からなる始動口)としながらも特別図柄の種類を1種類として保留記憶の上限数を増大(例えば30)する構成も考えられ、処理構成が簡略化できる。
【0134】
また、第1特図始動口11への入賞は保留記憶可能数に関しない構成で説明したが、第1特図始動口11への入賞もカウントして合算値で保留記憶可能数まで保留する構成も考えられる。このようにすれば、第1特図、第2特図両方の入賞状況を管理していくことができる。また、普通電動役物15に設けられた第2特図は、始動口として常時入球可能な入賞口にも備えられた構成の場合(つまり第2特図の始動口が2つある構成)、保留記憶可能数を普通電動役物15だけに設定する構成、両方の入賞を対象に設定する構成が考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0135】
以上のように、本発明の弾球遊技機によれば、保留記憶の上限数を従来機よりも多くした遊技機において、開放延長状態によって普通電動役物への入球数が増大する状況であっても、必要以上に保留記憶数が増加することを防ぎながらベースを確保することが可能となっている。従って、普通電動役物と開放延長機能を設けた弾球遊技機に適用することができる。
【符号の説明】
【0136】
1 遊技盤
6 演出図柄表示装置
11 第1始動口
11a 第1始動口スイッチ
12 第2始動口
12a 第2始動口スイッチ
18 第1特別図柄保留数表示装置
19 第2特別図柄保留数表示装置
80 主制御装置
82 演出図柄制御装置
83 サブ統合制御装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21