特許 6364588 遊技機

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】6364588

(24)【登録日】2018年7月13日

(45)【発行日】2018年8月1日

(54)【発明の名称】遊技機

(51)【国際特許分類】

   A63F 7/02 20060101AFI20180723BHJP

【ＦＩ】

   A63F7/02 320

【請求項の数】1

【全頁数】37

(21)【出願番号】特願2014-96239(P2014-96239)

(22)【出願日】2014年5月7日

(65)【公開番号】特開2015-213538(P2015-213538A)

(43)【公開日】2015年12月3日

【審査請求日】2017年4月28日

(73)【特許権者】

【識別番号】395018239

【氏名又は名称】株式会社高尾

(72)【発明者】

【氏名】水野 博康

【審査官】 堀 圭史

(56)【参考文献】

【文献】 特開２０１３−００９８５０（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２０１２−２０５８１５（ＪＰ，Ａ）

【文献】 特開２０１３−１７９９９１（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】（Int.Cl.，ＤＢ名）

Ａ６３Ｆ ７／０２

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

遊技盤上に設けられた始動口と、
該始動口への入球に起因して当否判定を行う当否判定手段と、
該当否判定の結果が当りであることに基づいて大当り遊技を実行する大当り遊技実行手段と、
前記当否判定手段の当否判定の結果に対応する演出が表示される演出表示手段と、
前記大当り遊技に応じて大当り遊技演出を実行する大当り遊技演出実行手段と、
所定の時間に達すると、特殊演出を実行する特殊演出実行手段とを備え、
該特殊演出実行手段は、該特殊演出を所定期間内で実行可能とした遊技機において、
前記特殊演出において遊技者に特典を付与させるために特定の条件を提示する特定条件提示手段と、
該特定条件提示手段によって提示された前記特定の条件を満たした場合に、前記特典を付与する特典付与手段と、
前記特殊演出中に前記大当り遊技が実行されると前記特殊演出を中断する特殊演出中断手段と、
該特殊演出中断手段により中断されると、前記特殊演出実行手段により実行される前記特殊演出の期間を延長する特殊演出延長手段と、
前記特殊演出の期間を延長するか否かの選択を可能とする特殊演出延長選択手段を備え、前記特殊演出の延長が選択された場合に延長することを特徴とする遊技機。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、遊技場に設置されるパチンコ機及びスロットマシンなど（以下、遊技機ともいう）に関するものである。

【背景技術】

【0002】

遊技機では遊技領域に設けられた始動口へ発射した遊技球が入賞することで当否判定を実行し、該当否判定に当選することで、遊技者に有利な大当り遊技が発生することが一般的である。また、当該大当り遊技終了後に当否判定の確率を高くする高確率遊技状態や、始動口への入賞を有利にし、当否判定の結果報知の時間効率を上げる時短状態などの遊技状態へと移行することで、大当り遊技を有利に得ることが可能となる。
この当否判定の結果を演出表示によって、遊技者に視認可能に報知することで、遊技者に遊技の面白みを与えるだけでなく、遊技者が該演出表示に飽きてしてしまうことを防止するために様々な演出方法を実施している。

【0003】

例えば、特許文献１には、通常の遊技状態では当否判定の結果を他の遊技機と同時に一斉演出を実行するが、大当り遊技中は契機となった大当り遊技終了後に高確率遊技状態に移行するか否かの結果に係る一斉演出を実行するという技術が開示されている。このような構成にすることで、周りの台と同時に一斉演出を行うといった従来と異なる演出方法により当否判定の結果について表示された演出表示に飽きてしてしまうことを防止することができる。

【0004】

このほかにも、一斉演出中にミニゲームを実行し、ミニゲーム上で獲得したポイントなどに応じて当否判定の結果とは関係しない演出的特典などを遊技者に付与する遊技機も存在する。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0005】

【特許文献1】特開２０１２−１５２４５６

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0006】

上述した構成とすると、所定期間中に、せっかく遊技者は大当り遊技を発生させて大当り遊技状態を満喫しているにも関わらず、ミニゲームが実行されてしまうと、ミニゲームが鬱陶しく感じてしまう可能性がある。
そのような状態でミニゲームの結果が悪いと、従来遊技者にとって最も気分が良い状態である大当り遊技状態であるにも関わらず、気分を害していまい逆効果となってしまう可能性がある。
しかし、大当り遊技状態にミニゲームを実行しないとすると、遊技者の演出的特典を得る機会が減ってしまい、損した気分となる可能性がある。

【0007】

そこで本発明は、遊技機及び該遊技機以外の他の遊技機と同時に行う一斉演出中に大当り遊技が発生しても、遊技者が気分を害することなく、演出的特典を得る機会が減ってしまい損した気分にならない遊技機を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0008】

上記課題を解決するためになされた本発明の請求項１の遊技機は、遊技盤上に設けられた始動口と、該始動口への入球に起因して当否判定を行う当否判定手段と、該当否判定の結果が当りであることに基づいて大当り遊技を実行する大当り遊技実行手段と、前記当否判定手段の当否判定の結果に対応する演出が表示される演出表示手段と、前記大当り遊技に応じて大当り遊技演出を実行する大当り遊技演出実行手段と、所定の時間に達すると、特殊演出を実行する特殊演出実行手段とを備え、該特殊演出実行手段は、該特殊演出を所定期間内で実行可能とした遊技機において、前記特殊演出において遊技者に特典を付与させるために特定の条件を提示する特定条件提示手段と、該特定条件提示手段によって提示された前記特定の条件を満たした場合に、前記特典を付与する特典付与手段と、前記特殊演出中に前記大当り遊技が実行されると前記特殊演出を中断する特殊演出中断手段と、該特殊演出中断手段により中断されると、前記特殊演出実行手段により実行される前記特殊演出の期間を延長する特殊演出延長手段と、前記特殊演出の期間を延長するか否かの選択を可能とする特殊演出延長選択手段を備え、前記特殊演出の延長が選択された場合に延長することを特徴とする。

【0009】

このような構成によれば、所定の時間に達すると、特殊演出実行手段により実行された特殊演出中において、大当り遊技実行手段による遊技者にとって有利な大当り遊技が実行されると、特殊演出中断手段により前記特殊演出が中断されるため、前記大当り遊技に応じた大当り遊技演出を満喫して楽しむことが可能となる。そして、特殊演出延長手段は前記特殊演出実行手段により実行される特殊演出の期間を延長するため、前記特殊演出中断手段により前記特殊演出が中断されて、前記特殊演出が短くなってしまうことを防止することができる。
また、特殊演出延長手段により特殊演出が実行される期間が延長されるか否かによって、該特殊演出が実行される期間が延長された遊技機と前記特殊演出が実行される期間が延長されなかった遊技機が存在することになり、前記期間が延長された遊技機は目立ってしまうことになるが、遊技者は特殊演出延長選択手段により前記特殊演出が実行される期間を延長するか否かの選択が可能となるため、遊技者の好みに合わせることができる。

【0010】

所定の時間に達したか否かを判定する構成としては、遊技機にリアルタイムクロックを備え、該リアルタイムクロックによって所定の時間に達したか否かを判定する構成にしてもよい。また、遊技機の電源投入時から経過した時間を計数する計数手段を備え、該計数手段によって所定の時間に達したか否かを判定する構成にしてもよい。さらに、遊技機の外部から該遊技機に所定の時間に達した旨の信号を送信する構成にしてもよい。前記遊技機は、前記信号を受信したことで所定の時間に達したことを判定する構成にしてもよい。

【0011】

特殊演出中断手段は、特定条件提示手段による提示を中断する処理であればよく、所定期間内で当否判定手段により当りであると判定された場合には、大当り遊技演出実行手段による大当り遊技演出が実行されず、特殊演出実行手段により特殊演出中の専用の大当り遊技演出を実行される構成にしてもよい。

【0012】

請求項１に記載の特典付与手段によって付与される特典は、演出上の特典である。例えば、特典により表示される特定の演出表示であってもよい。具体的には、始動口への遊技球の入球に起因して乱数を抽出する乱数抽出手段と、該乱数抽出によって抽出された乱数を記憶する乱数記憶手段とを遊技機に設け、該遊技機は該乱数記憶手段によって記憶された乱数について先読み判定を行い、前記特典により該先読み判定に基づいた先読み演出を実行する構成にしてもよい。また、前記特典により大当り遊技実行手段による大当り遊技が実行されるか否かの報知を可能とする構成にしてもよい。

【図面の簡単な説明】

【0017】

【図1】本発明のパチンコ機５０の正面図。

【図2】パチンコ機５０の遊技盤１の正面図。

【図3】パチンコ機５０の背面図。

【図4】パチンコ機５０の電気構成図。

【図5】パチンコ機５０の主制御装置８０で実行されるメインルーチンの概要を示すフローチャート。

【図6】主制御装置８０が実行する始動入賞確認処理のフローチャート。

【図7】主制御装置８０が実行する特別図柄当否判定処理のフローチャート１。

【図8】主制御装置８０が実行する特別図柄当否判定処理のフローチャート２。

【図9】主制御装置８０が実行する特別図柄当否判定処理のフローチャート３。

【図10】主制御装置８０が実行する特別図柄当否判定処理のフローチャート４。

【図11】主制御装置８０が実行する特別遊技処理のフローチャート１。

【図12】主制御装置８０が実行する特別遊技処理のフローチャート２。

【図13】主制御装置８０が実行する特別遊技処理のフローチャート３。

【図14】主制御装置８０が実行する小当り遊技処理のフローチャート１。

【図15】主制御装置８０が実行する小当り遊技処理のフローチャート２。

【図16】サブ統合制御装置８３が実行する変動開始処理のフローチャート。

【図17】サブ統合制御装置８３が実行する特殊演出開始処理のフローチャート。

【図18】サブ統合制御装置８３が実行する特殊演出終了処理のフローチャート。

【図19】サブ統合制御装置８３が実行する大当り遊技開始処理のフローチャート。

【図20】サブ統合制御装置８３が実行する大当り遊技終了処理のフローチャート。

【図21】サブ統合制御装置８３が実行する特殊演出延長終了処理のフローチャート。

【図22】(ａ)サブ統合制御装置８３が実行する先読み演出決定処理，(ｂ)サブ統合制御装置８３が実行する先読み演出実行処理のフローチャート。

【図23】サブ統合制御装置８３が実行する大当り告知実行処理のフローチャート。

【図24】サブ統合制御装置８３が実行する潜伏状態告知実行処理のフローチャー。

【図25】パチンコ機５０の基本的仕様を示すテーブル。

【図26】演出図柄表示装置６で表示する疑似演出の表示例１−１。

【図27】(ａ)演出図柄表示装置６で表示される疑似演出の表示例１−２，(ｂ)演出図柄表示装置６で表示される特殊演出の表示例１。

【図28】演出図柄表示装置６で表示される特殊演出の表示例２−１。

【図29】演出図柄表示装置６で表示される特殊演出の表示例２−２。

【図30】演出図柄表示装置６で表示される特殊演出の表示例３。

【図31】演出図柄表示装置６で表示される特殊演出の表示例４。

【図32】演出図柄表示装置６で表示される特殊演出の表示例５。

【図33】演出図柄表示装置６で表示される先読み演出の表示例。

【図34】演出図柄表示装置６で表示される大当り告知演出の表示例。

【図35】演出図柄表示装置６で表示される潜伏遊技状態報知演出の表示例。

【発明を実施するための形態】

【0018】

以下に本発明の好適な実施形態について説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
［実施例１］

【0019】

図１に示すように、遊技機の一種であるパチンコ機５０は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠５１にて構成の各部を保持する構造である。外枠５１の左側上下には、ヒンジ５３が設けられており、該ヒンジ５３の他方側には図３に記載する内枠７０が取り付けられており、内枠７０は外枠５１に対して開閉可能な構成になっている。前枠５２には、板ガラス６１が取り外し自在に設けられており、板ガラス６１の奥には図２に記載する遊技盤１が内枠７０に取り付けられている。

【0020】

前枠５２の上側左右には、スピーカ６６が設けられており、パチンコ機５０から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠５２に遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ６５も複数設けられている。前枠５２の下方には、上皿５５と下皿６３が一体に形成されている。下皿６３の右側には発射ハンドル６４が取り付けられており、該発射ハンドル６４を時計回りに回動操作することによって発射装置（図示省略）が可動して、上皿５５から供給された遊技球が遊技盤１に向けて発射される。

【0021】

上皿５５の上部ほぼ中央には、遊技者が操作可能な演出ボタン６７が備えられている。演出ボタン６７は、遊技者が有効期間中に操作することで、後述する演出図柄表示装置６に表示される演出内容を変化させ、スピーカにより出力される遊技音が変化させるものとなっている。また、演出ボタン６７は、その周囲にジョグダイヤル６８を備えたものとなっており、ジョグダイヤル６８を回転させることにより、演出用の画像に変化を与えることが可能に構成されている。技者が押し操作可能なボタンを備える構成にしてもよい。
また、このパチンコ機５０はいわゆるＣＲ機であって、プリペイドカードの読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット（ＣＲユニット）５６が付属しており、パチンコ機５０には、貸出ボタン５７、精算ボタン５８及び残高表示器５９を有するＣＲ精算表示装置が備わっている。

【0022】

本実施例では、上述した演出ボタン６７を用いて図２２のＳ１０７０、図２３のＳ１１１０及び図２４のＳ１２２０において、後述する特殊演出中に行われるミニゲームで獲得した特典を使用する構成となっている。演出ボタン６７のみ用いることに限定されることなく、パチンコ機５０に各々の特典を使用するための専用ボタンを搭載する構成にしてもよい。なお、本実施例の特典としてチケットを用いる構成としている。なお、チケットに限定されるものではない。

【0023】

図２は、本実施例のパチンコ機の遊技盤１の正面図である。なお、このパチンコ機の全体的な構成は公知技術に従っているので図示及び説明は省略する。図２に示すように遊技盤１には、公知のガイドレール２ａ、２ｂによって囲まれた略円形の遊技領域４が設けられている。この遊技領域４には多数の遊技釘３が打ち付けられている。

【0024】

遊技領域４のほぼ中央部には、センターケース５が配されている。センターケース５は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置６（液晶表示装置であり演出図柄を表示する。）の画面を臨ませる窓等を備えている。センターケース５の下には、第１始動口１１と第２始動口１２とが配置され、センターケース５の左方には、ゲート１７が配置されている。第２始動口１２は開閉可能な翼片を供えた普通電動役物を備えている。

【0025】

遊技領域４の右下部には、複数個のＬＥＤからなる普通図柄表示装置７と、普通図柄保留数表示装置８と、第１特別図柄保留数表示装置１８と、第２特別図柄保留数表示装置１９と、７セグメント表示装置からなる第１特別図柄表示装置９・第２特別図柄表示装置１０とが配置されている。

【0026】

第２始動口１２の下方にはアタッカー式の大入賞口１４が配置されている。また、第１始動口１１の左方には、第１左入賞口３１、第２左入賞口３２、第３左入賞口３３、第４左入賞口３４が設けられている。
なお、この第１左入賞口３１、第２左入賞口３２、第３左入賞口３３、第４左入賞口３４が、常時、入球率が変化しない普通入賞口である。

【0027】

パチンコ機の裏面は図３に示すとおり、前述した遊技盤１を脱着可能に取り付ける内枠７０が前述した外枠５１に収納されている。この内枠７０には、上方から、球タンク７１、タンクレール７２及び払出装置７３が設けられている。この構成により、遊技盤１上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク７１からタンクレール７２を介して所定個数の遊技球を払出装置７３により前述した上皿５５に排出することができる。また、パチンコ機５０の裏側には（図４も参照のこと）、主制御装置８０、払出制御装置８１、演出図柄制御装置８２、サブ統合制御装置８３、発射制御装置８４、電源基板８５が設けられている。なお、演出図柄制御装置８２、サブ統合制御装置８３がサブ制御装置に該当する。

【0028】

主制御装置８０、演出図柄制御装置８２、サブ統合制御装置８３は遊技盤１に設けられており、払出制御装置８１、発射制御装置８４、電源基板８５が内枠７０に設けられている。なお、図５では、発射制御装置８４が描かれていないが、発射制御装置８４は払出制御装置８１の下に設けられている。また、球タンク７１の右側には、外部接続端子７８が設けられており、この外部接続端子７８より、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータに送られる。なお、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子７８には、盤用（遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子）と枠用（枠側（前枠５２、内枠７０、外枠５１）から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子）の２種類を用いているが、本実施例では、一つの外部接続端子７８を介してホールコンピュータへ遊技状態や遊技結果を示す信号を送信している。

【0029】

このパチンコ機の電気的構成は、図４のブロック図に示すとおり、主制御装置８０を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置８０、払出制御装置８１、演出図柄制御装置８２、サブ統合制御装置８３のいずれもＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置８４にはＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置８４にＣＰＵ、ＲＯＭ、ＲＡＭ等を設けてもよい。

【0030】

主制御装置８０には、第１始動口１１に入球した遊技球を検出する第１始動口スイッチ１１ａ、第２始動口１２に入球した遊技球を検出する第２始動口スイッチ１２ａ、普通図柄を作動させるゲート１７に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ１７ａ、大入賞口１４に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ１４ａ、第１左入賞口３１、第２左入賞口３２、第３左入賞口３３、第４左入賞口３４に入球した遊技球を検出する左入賞口スイッチ３１ａ等の検出信号が入力される。

【0031】

主制御装置８０は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置８１及びサブ統合制御装置８３に出力する。
また、主制御装置８０は、図柄表示装置中継端子板９０を介して接続されている第１特別図柄表示装置９、第２特別図柄表示装置１０及び普通図柄表示装置７の表示、第１特別図柄保留数表示装置１８、第２特別図柄保留数表示装置１９、普通図柄保留数表示装置８の点灯を制御する。

【0032】

更に、主制御装置８０は、大入賞口ソレノイド１４ｂを制御することで大入賞口１４の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド（図４では普電役物ソレノイドと表記）１２ｂを制御することで第２始動口１２の開閉を制御する。
主制御装置８０からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り（特別遊技ともいう）等の管理用の信号が外部接続端子７８に出力されてホールメインコンピュータに送られる。主制御装置８０と払出制御装置８１とは双方向通信が可能である。

【0033】

払出制御装置８１は、主制御装置８０から送られてくるコマンドに応じて払出モータ２０を稼働させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ２１の検出信号は払出制御装置８１に入力され、払出制御装置８１で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置８０と払出制御装置８１に払出スイッチ２１の検出信号が入力され、主制御装置８０と払出制御装置８１の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。

【0034】

なお、払出制御装置８１はガラス枠開放スイッチ３５、内枠開放スイッチ３６、満杯スイッチ２２、球切れスイッチ２３からの信号が入力され、満杯スイッチ２２により下皿６３が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ２３により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ２０を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ２２、球切れスイッチ２３も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置８１は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ２０の駆動を再開させる。

【0035】

また、払出制御装置８１はＣＲユニット端子板２４を介してプリペイドカードユニットと交信することで払出モータ２０を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ２１に検出され、検出信号は払出制御装置８１に入力される。なお、ＣＲユニット端子板２４は精算表示基板２５とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板２５には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。

【0036】

また、払出制御装置８１は、外部接続端子７８を介して賞球に関する情報、枠（内枠、前枠）の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置８４に対して発射停止信号を送信する。
なお、本実施例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。

【0037】

発射制御装置８４は発射モータ３０を制御して、遊技球を遊技領域４に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置８４には払出制御装置８１以外に発射ハンドル６４からの回動量信号、タッチスイッチ２８からのタッチ信号、発射停止スイッチ２９から発射停止信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドル６４を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル６４を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ２９を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置８４に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル６４を触っていても遊技球は発射できないようになっている。

【0038】

サブ統合制御装置８３はサブ制御装置に該当し、主制御装置８０から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置８２に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位（音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部）に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音ＬＳＩを作動させることによってスピーカからの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種ＬＥＤ、ランプ２６を制御する。 また、サブ統合制御装置８３には、演出ボタン６７、ジョグダイヤル６８が接続されており、遊技者が演出ユニット６７、６８を操作した際には、その操作信号がサブ統合制御装置８３に入力される。なお、ジョグダイヤル６８を演出図柄制御装置８２に接続する構成にしてもよい。

【0039】

サブ統合制御装置８３と演出図柄制御装置８２とは双方向通信が可能である。
演出図柄制御装置８２は、サブ統合制御装置８３から受信したデータ及びコマンド（共に主制御装置８０から送信されてきたものとサブ統合制御装置８３が生成したものとがある）に基づいて演出図柄表示装置６を制御して、演出図柄等の演出画像を演出図柄表示装置６の画面に表示させる。
なお、本実施例では、サブ統合制御装置８３及び演出図柄制御装置８２は別々の装置に分かれているが、１つの装置にまとめる構成にしてもよい。

【0040】

サブ統合制御装置８３には、「年」、「月」、「日」、「時」、「分」、「秒」をそれぞれデータとして提供するリアルタイムクロック１１５が搭載されている。また、リアルタイムクロック１１５を演出図柄制御装置８２に搭載してもよい。なお、搭載されているリアルタイムクロック１１５は、「曜日」もカウントしてもよい。

【0041】

メインルーチンを図５に従って説明する。メインルーチンは、約２ｍｓ毎のハード割り込みにより定期的に実行される。本実施形態では、Ｓ１０〜Ｓ６５までの１回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるＳ７０の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。

【0042】

マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される（Ｓ１０）。この判断処理は、メモリとしてのＲＡＭの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、たいていが電源投入時である。電源投入時にはＲＡＭの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。

【0043】

正常割り込みでないと判断されると（Ｓ１０：ｎｏ）、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等）が為され（Ｓ１５）、残余処理（Ｓ７０）に移行する。

【0044】

正常割り込みとの肯定判断がなされると（Ｓ１０：ｙｅｓ）、初期値乱数更新処理が実行される（Ｓ２０）。この処理は、初期値乱数の値についてこの処理を実行する毎に＋１するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数の値に＋１するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「３９６６」のときには次回の処理で初めの値である「０」に戻り、「０」〜「３９６６」までの３９６７個の整数を繰り返し昇順に作成する。

【0045】

Ｓ２０に続く大当り決定用乱数更新処理（Ｓ２５）は、初期値乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に＋１するインクリメント処理であり、最大値である「３９６６」のときは次回の処理で初めの値である「０」に戻り、「０」〜「３９６６」までの３９６７個の整数を繰り返し昇順に作成する。なお、大当り決定用乱数の最初の値は、初期値乱数設定処理で設定された値となる。この値が２５０であったとすると、大当り決定用乱数は「２５０」「２５１」「２５２」・・・「３９６６」「０」「１」・・・と更新されていく。

【0046】

なお、大当り決定用乱数が１巡（３９６７回、更新されること）すると、そのときの前記初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にし、大当り決定用乱数は、その初期値から＋１するインクリメント処理を行う。そして、再び大当り決定用乱数が１巡すると、その時の初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする動作を行なう。つまり、この一連の動作を繰り返し続けることになる。前述の例では大当り決定用乱数が「２４９」になると１巡であるから、「２４９」の次は前記初期値乱数の値となる。仮に初期値乱数の値が「８７」だったとすると、「２４９」「８７」「８８」・・・「３９６６」「０」「１」・・・「８６」と変化していき、「８６」の次は新たな前記初期値乱数の値となる。なお、通常確率状態時で大当りと判定される値の数は１０で、値は「７７５」〜「７７７」「１７７５」〜「１７７７」「２７７４」〜「２７７７」であり、高確率状態時に大当りと判定される値の数は１００で、値は「７５８」〜「７７７」「１３１４」〜「１３３３」「１７５８」〜「１７７７」「２７５８」〜「２７７７」「３３１４」〜「３３３３」である。
大当り図柄決定用乱数更新処理（Ｓ３０）は「０」〜「９９」の１００個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に＋１され最大値を超えると初めの値である「０」に戻る。

【0047】

Ｓ３０に続く当り決定用乱数更新処理（Ｓ３５）は、「０」〜「９９６」の９９７個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で＋１され最大値を超えると初めの値である「０」に戻る。なお、当選することとなる値は通常確率状態では３１〜４０、高確率状態では３１〜９９６である。なお、この当り決定用乱数更新処理は普通図柄の抽選に使用し、その他の初期値乱数、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数は特別図柄の抽選に使用する。

【0048】

リーチ判定用乱数更新処理（Ｓ４０）は、「０」〜「２２８」の２２９個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で＋１され最大値を超えると初めの値である「０」に戻る。なお、通常確率状態時で変動時間短縮機能未作動時にリーチとなる値の数は２１で、値は「０」〜「２０」であり、通常確率状態時で変動時間短縮機能作動時にリーチとなる値の数は５で、値は「０」〜「４」であり、高確率状態時にリーチとなる値の数は６で、値は「０」〜「５」である。

【0049】

変動パターン決定用乱数更新処理（Ｓ４５）は、「０」〜「１０２０」の１０２１個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で＋１され最大値を超えると初めの値である「０」に戻る。

【0050】

続く入賞確認処理（Ｓ５０）では、第１始動口１１、第２始動口１２の入賞の確認及びパチンコ機５０に設けられ主制御装置８０に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。
本実施例では、遊技球が第１始動口１１、第２始動口１２に入賞すると大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ判定用乱数など複数の乱数を取得されるのだが、保留記憶できる数を第１始動口１１と第２始動口１２でそれぞれ４個までとしており、保留記憶が満タンである４個のときに遊技球が第１始動口１１又は第２始動口１２に入賞しても賞球が払出されるだけで、前記複数の乱数は保留記憶されない構成になっている。

【0051】

続く入賞確認処理（Ｓ５０）では、第１始動口、第２始動口の入賞の確認及びパチンコ機に設けられ主制御装置に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。
本実施例では、遊技球が第１始動口、第２始動口に入賞すると大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ判定用乱数など複数の乱数を取得されるのだが、保留記憶できる数を第１始動口と第２始動口でそれぞれ４個までとしており、保留記憶が満タンである４個のときに遊技球が第１始動口又は第２始動口に入賞しても賞球が払出されるだけで、前記複数の乱数は保留記憶されない構成になっている。

【0052】

続いて、大当りか否かを判定する条件成立判定手段としての特別図柄制御処理（Ｓ５５）を行う。この特別図柄制御処理（Ｓ５５）が終了すると、続いて画像出力処理等の各出力処理（Ｓ６０）が実行される。
各出力処理（Ｓ６０）では、遊技の進行に応じて主制御装置８０は演出図柄制御装置８２、払出制御装置８１、発射制御装置８４、サブ統合制御装置８３、大入賞口ソレノイド１４ｂ等に対して各々出力処理を実行する。即ち、入賞確認処理（Ｓ５０）により遊技盤１上の各入賞口に遊技球の入賞があることが検知されたときには賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御装置８１に賞球データを出力する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータをサブ統合制御装置８３に出力する処理を、パチンコ機５０に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置８２にエラー信号を出力する処理を各々実行する。

【0053】

続く不正監視処理（Ｓ６５）は、普通入賞口（第１左入賞口３１、第２左入賞口３２、第３右入賞口３３、第４左入賞口３４）に対する不正が行われていないか監視する処理であり、所定時間内における入賞口への遊技球の入球が予め決定された規定数よりも多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理である。つまり、不正判断手段は、主制御装置８０に設けている。

【0054】

本処理に続く前述の残余処理は、初期値乱数更新処理（Ｓ７０）から構成されるが、前述したＳ２０と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。前述したＳ１０〜Ｓ６５までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特別図柄の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、図７に示された割り込み処理が１回実行されることにより初期値乱数に更新される値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数が大当り決定用乱数と同期する可能性は極めて小さくなる。大当り決定用乱数が１巡したときの、初期値乱数の値（０〜３９６６の３９６７通り）が、同程度に発生するとすれば、同期する確率はわずか１／３９６７である。また、前述した当り決定用乱数更新処理（Ｓ３５）も残余処理内において実行するよう構成しても良い。

【0055】

Ｓ５０の入賞確認処理は図６に示すようなもので、主制御装置８０は、第１始動口スイッチ１１ａの検出信号に基づいて、第１始動口１１に遊技球が入球したか否かを判断する（Ｓ１００）。肯定判断なら（Ｓ１００：ｙｅｓ）、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第１保留記憶が満杯（本実施例では４個）か否かを判断する（Ｓ１０５）。

【0056】

第１保留記憶が満杯でなければ（Ｓ１０５：ｎｏ）、上記の各乱数を第１保留記憶として記憶し、第１特別図柄保留数表示装置１８の点灯数を１増加させる（Ｓ１１０）。なお、Ｓ１１０では、主制御装置８０からサブ統合制御装置８３へ、第１保留記憶に記憶された保留個数を示す保留個数コマンドが送信される。そして、サブ統合制御装置８３が該保留個数コマンドを受信し、演出図柄表示装置６で第１保留記憶に対応する保留図柄を表示する。その後、Ｓ１１５に移行する。なお、既に４個の第１保留記憶があれば（Ｓ１０５：ｙｅｓ）、保留記憶せず、第１特別図柄保留数表示装置１８の点灯数を増やすこともなくＳ１２０へ移行する。

【0057】

Ｓ１１５の第１先読み判定処理では、第１特別図柄の保留記憶に記憶された当否判定用乱数が大当りに対応するものか否かを判定する。大当りであると判定された場合には（Ｓ１1５：ｙｅｓ）、主制御装置８０からサブ統合制御装置８３へ、当り判定を示す先読み判定コマンドが送信される。ハズレであると判定された場合には（Ｓ１１５：ｎｏ）、主制御装置８０からサブ統合制御装置８３へ、ハズレ判定を示す先読み判定コマンドが送信される。Ｓ１１５の処理後にＳ１２０へと移行する。

【0058】

第１始動口１１に遊技球が入球していないと判定された場合（Ｓ１００：ｎｏ）もＳ１２０に進み、第２始動口スイッチ１２ａの検出信号に基づいて、第２始動口１２に遊技球が入球したか否かを判断する。肯定判断（Ｓ１２０：ｙｅｓ）なら、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第２保留記憶が満杯（本実施例では４個）か否かを判断する（Ｓ１２５）。

【0059】

第２保留記憶が満杯でなければ（Ｓ１２５：ｎｏ）、上記の各乱数を第２保留記憶として記憶し、第２特別図柄保留数表示装置１９の点灯数を１増加させ（Ｓ１３０）、第２先読み判定処理(Ｓ１３５)に移行する。なお、Ｓ１３０では、主制御装置８０からサブ統合制御装置８３へ、第２保留記憶に記憶された保留個数を示す保留個数コマンドが送信される。そして、サブ統合制御装置８３が該保留個数コマンドを受信し、演出図柄表示装置６で第２保留記憶に対応する保留図柄を表示する。
Ｓ１３５に移行後、第２先読み判定処理では、第２特別図柄の保留記憶に記憶された当否判定用乱数が大当りに対応するものか否かを判定する。肯定判定の場合には、主制御装置８０からサブ統合制御装置８３へ、当り判定を示す先読み判定コマンドが送信される。否定判定の場合には、主制御装置８０からサブ統合制御装置８３へ、ハズレ判定を示す先読み判定コマンドが送信される。その後、リターン(終了)となる。既に４個の第２保留記憶があれば（Ｓ１２５：ｙｅｓ）、第２保留を記憶せず、第２特別図柄保留数表示装置１９の点灯数も増やさずに本処理を終了（リターン）する。また、第２始動口１２に遊技球が入球していない場合（Ｓ１２０：ｎｏ）も、本処理を終了する。

【0060】

図７〜図１０に示す特別図柄当否判定処理では、主制御装置８０は、特別電動役物が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する（Ｓ１５０）。Ｓ１５０の判定が否定判断で、特別図柄が変動中でなく（Ｓ１５５：ｎｏ）、確定図柄の表示中でもなければ（Ｓ１６０：ｎｏ）、図８のＳ２００に移行し、第２保留記憶（上記、図６のＳ１３０による保留記憶）があるか否かを判断する（Ｓ２００）。

【0061】

この保留記憶があれば（Ｓ２００：ｙｅｓ）、第２保留記憶数をデクリメントし（Ｓ２０５）、Ｓ２２０に進む。第２保留記憶がなければ（Ｓ２００：ｎｏ）、第１保留記憶（上記、図６のＳ１１０による保留記憶）があるか否かを判断する（Ｓ２１０）。第１保留記憶があれば（Ｓ２１０：ｙｅｓ）、第１保留記憶数をデクリメントし（Ｓ２１５）、Ｓ２１６に進む。

【0062】

第２保留記憶（但し第２保留が存在する場合は、第１保留の方が古い場合でも第２保留を優先）を読み込んで（その保留記憶は消去する）、確変フラグがセットされている（すなわち１）か否かを判定する(Ｓ２１６)。ここで確変フラグが１とは、現在のパチンコ機５０が高確率遊技状態であることを意味する。肯定判断であれば（Ｓ２１６：ｙｅｓ）、読み込んだ大当り決定用乱数を確変テーブルに記録されている当り値と照合する（Ｓ２１７）。ここで当り値の数は１００で、７５８〜７７７、１３１４〜１３３３、１７５８〜１７７７、２７５８〜２７７７、３３１４〜３３３３である。つまり当たり確率は１／３９．６７となる。否定判断であれば（Ｓ２１６：ｎｏ）、読み込んだ大当り決定用乱数を通常テーブルに記録されている当り値と照合する（Ｓ２１８）。ここで当り値の数は１０で、７７５〜７７７、１７７５〜１７７７、２７７４〜２７７７である。つまり、当り確率は１／３９６．７となる。なお、本実施例においては、大当り確率はこれらの概数（通常時は１／４００、高確率状態（確変）は１／４０）にて表示している。そして大当り後に高確率状態になる割合は７０％と設定されている。

【0063】

図７に戻る。Ｓ２１７またはＳ２１８の判定に基づき、大当りか否かを判定し（Ｓ２２０）、肯定判定であれば（Ｓ２２０：ｙｅｓ）、大当り図柄決定用乱数によって当り図柄を決定する（Ｓ２２５）。その後、変動パターン決定処理（Ｓ２３０）に移行する。変動パターン決定処理では、変動パターン決定用乱数によって大当り変動パターンを決定する。変動パターン決定処理後、大当り設定処理を行う（Ｓ２３５）。大当り設定処理とは決定した大当り図柄によって、大当り後の遊技状態（確変や開放延長の有無等）や大当り遊技にかかる情報（大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等）を取得する処理である。

【0064】

Ｓ２２０において外れと判定された場合は（Ｓ２２０：ｎｏ）、Ｓ２４０に移行し小当りか否かを判定する（Ｓ２４０）。これは、抽出された大当り決定用乱数値と予め決定された小当り値が記憶されたテーブルを比較する。肯定判断であれば（Ｓ２４０：ｙｅｓ）、大当り図柄決定用乱数によって小当り図柄を決定する（Ｓ２４５）。
その後、変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定し（Ｓ２５０）、小当り設定処理（Ｓ２５５）を行い、Ｓ２７５に合流する。
Ｓ２５５の小当り設定処理とは、決定した小当り図柄によって、小当り遊技にかかる情報（小当りのオープニング時間、開放パターン、小当りのエンディング時間等）を取得し、時短回数を減算する処理である。否定判定であれば（Ｓ２４０：ｎｏ）、大当り図柄決定用乱数によってハズレ図柄を決定する（Ｓ２６０）。変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定し（Ｓ２６５）、ハズレ設定処理（Ｓ２７０）を行い、Ｓ２７５に合流する。Ｓ２７０のハズレ設定処理では、時短回数を減算する処理を行う。

【0065】

Ｓ２３５、Ｓ２５５又はＳ２７０に続いては、上述の抽選結果を示すデータ、具体的には大当り、リーチ外れ（外れであるがリーチ表示有り）、リーチ表示無しの外れのいずれかを示すデータと変動時間を指定する変動パターンのデータが含まれる変動開始コマンド（表示制御コマンド）をサブ統合制御装置８３に出力し（Ｓ２７５）、特別遊技処理を行なう。なお、Ｓ２７５の処理により演出図柄表示装置６では演出図柄の変動表示が開始されるが、ほぼ同時に特別図柄の変動も主制御装置８０によって開始される。

【0066】

図７のＳ１５５において特別図柄が変動中と判定された場合には（Ｓ１５５：ｙｅｓ）、図９のＳ３００に移行し、図柄変動時間（Ｓ２３０、Ｓ２５０又はＳ２６５の変動パターンに基づく）を経過したか否かを判定する。否定判定の場合には（Ｓ３００：ｎｏ）、そのまま特別遊技処理に移行する。肯定判定の場合には（Ｓ３００：ｙｅｓ）、確定図柄表示処理（Ｓ３０５）を行なってから特別遊技処理を行う。なお、確定図柄表示処理では、確定図柄を表示する旨のコマンド（図柄確定コマンド）をサブ統合制御装置８３に出力するとともに、特別図柄表示装置９，１０にコマンドを出力して確定図柄にて停止させる。

【0067】

図７のＳ１６０において確定図柄を表示中と判定された場合には（Ｓ１６０：ｙｅｓ）、図１０のＳ３５０に移行し、確定図柄の表示時間が終了したか否かを判定する。否定判定の場合（Ｓ３５０：ｎｏ）、そのまま特別遊技処理に移行する。肯定判定の場合は（Ｓ３５０：ｙｅｓ）、確定図柄の表示を終了し（Ｓ３５５）、確定表示された特別図柄が大当りになる図柄か否かを判定する（Ｓ３６０）。肯定判断された場合（Ｓ３６０：ｙｅｓ）は、確変フラグが１か否かを判定する（Ｓ３６５）。確変フラグが１であれば（Ｓ３６５：ｙｅｓ）、Ｓ３７０にて確変フラグを０にし、Ｓ３７５に移行する。確変フラグが１でなければ（Ｓ３６５：ｎｏ）、そのままＳ３７５に移行する。Ｓ３７５では、時短フラグが１か否かを判定する。時短フラグが１であれば（Ｓ３７５：ｙｅｓ）、Ｓ３８０にて時短フラグを０にし、Ｓ３８５に移行する。時短フラグが１でなければ（Ｓ３７５：ｎｏ）、そのままＳ３８５に移行する。

【0068】

Ｓ３８５では条件装置作動開始処理により、大当りフラグをセットする。続くＳ３９０にて役物連続作動装置を作動させ、Ｓ３９５にて大当り開始演出処理を行なう。大当り開始演出処理では、大当り遊技を開始するコマンド及び大当り遊技に係る情報（大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等）をサブ統合制御装置８３に送信する。大当り開始演出処理が終了すると、特別遊技処理を行なう。

【0069】

Ｓ３６０で、確定表示させた特別図柄が大当りになる表示でないと判定された場合は(Ｓ３６０：ｎｏ)、確変フラグが１か否かを判定し、１であれば（Ｓ４００：ｙｅｓ）、確変回数が０か否かを判定する（Ｓ４０５）。確変回数が０であれば（Ｓ４０５：ｙｅｓ）、Ｓ４１０にて確変フラグを０にしてＳ４１５に進む。確変フラグが１でないとき（Ｓ４００：ｎｏ）又は確変回数が０ではないとき（Ｓ４０５：ｎｏ）はそのままＳ４１５に移行する。
Ｓ４１５では、時短フラグが１か否かを判定し、１であれば（Ｓ４１５：ｙｅｓ）、時短回数が０か否かを判定する（Ｓ４２０）。時短回数が０であれば（Ｓ４２０：ｙｅｓ）、Ｓ４２５にて時短フラグを０にしてＳ４３０に進む。時短フラグが１でないとき（Ｓ４１５：ｎｏ）又は時短回数が０ではないとき（Ｓ４２０：ｎｏ）はそのままＳ４３０に移行する。

【0070】

Ｓ４３０では、主制御装置８０が現在の遊技状態が確変中であるか否か、時短中であるか否か等の状態を示す状態指定コマンドを特別図柄確定時間（６００ｍｓ）後にサブ統合制御装置８３に送信し、Ｓ４３５に移行する。
なお、本実施例の場合、特別図柄当否判定処理における主制御装置８０からサブ統合制御装置８３に状態指定コマンドを送信するタイミングは、特別図柄確定時間後となっているが、特別図柄変動開始時及び電源復旧時においても状態指定コマンドを送信する構成にしてもよい。

【0071】

Ｓ４３５では小当りになる図柄であるか否かを判定する。確定表示された特別図柄が小当りになる表示でないと判定された場合には（Ｓ４３５：ｎｏ）、そのまま特別遊技処理に移行する。また、確定表示された特別図柄が小当りになる図柄であると判定された場合には（Ｓ４３５：ｙｅｓ）、特別電動役物作動開始処理を行い（Ｓ４４０）、小当り開始演出処理を行う（Ｓ４４５）。小当り開始演出処理では、小当り遊技を開始するコマンド及び小当り遊技に係る情報（小当りのオープニング時間、開放パターン、小当りのエンディング時間）をサブ統合制御装置８３に送信する。小当り開始演出処理が終了すると、特別遊技処理へと移行する。

【0072】

次に、図１１から図１３に示す特別遊技処理では、先ず主制御装置８０が、役物連続作動装置が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する（Ｓ４５０）。役物連続作動装置が作動中でない場合（Ｓ４５０：ｎｏ）は、後述する図１４から図１５に示す小当り遊技処理へと移行する。役物連続作動装置が作動中なら（Ｓ４５０：ｙｅｓ）、大入賞口１４が開放中か否かを判断する（Ｓ４５５）。大入賞口１４の開放中ではない場合は（Ｓ４５５：ｎｏ）、ラウンド間のインターバル中により大入賞口１４が閉鎖しているのか判断する（Ｓ４６０）。インターバル中でもない場合は（Ｓ４６０：ｎｏ）、大当り終了演出中であるか判断する（Ｓ４６５）。これも否定判断の場合は（Ｓ４６５：ｎｏ）、今から大当り遊技を開始する演出に要する時間が経過したか否かを判定する（Ｓ４７０）。大当り開始演出時間が経過した場合には（Ｓ４７０：ｙｅｓ）、大入賞口開放処理（Ｓ４７５）を行なって本処理を終了する。なお、大当り遊技を開始する演出に要する時間が経過していない場合には（Ｓ４７０：ｎｏ）、そのまま特別遊技処理をと終了する。

【0073】

Ｓ４５５で大入賞口１４が開放中であると判定された場合は（Ｓ４５５：ｙｅｓ）、図１２のＳ５００に進み、大入賞口１４に１０個入賞したか否かを判定する(Ｓ５００)。なお、本実施例では１０個だが、９個、８個でもよく、特に限定するものではない。大入賞口１４に１０個入賞した場合には（Ｓ５００：ｙｅｓ）、大入賞口閉鎖処理(Ｓ５１０)を行う。そして大当りインターバル処理（Ｓ５１５）を行なって、特別遊技処理を終了する。大入賞口１４に１０個入賞していない場合には（Ｓ５００：ｎｏ）、大入賞口１４の開放時間が終了したか否かを判定する(Ｓ５０５)。本実施例では、１５ラウンドでの大当りの場合は各ラウンドの最大開放時間は２８秒に設定している。また、２ラウンドでの大当りの場合には、各ラウンドの最大開放時間は０．８秒に設定されている。無論、この秒数に限定するものではない。開放時間が終了した場合には（Ｓ５０５：ｙｅｓ）、Ｓ５１０に合流し、終了していない場合には（Ｓ５０５：ｎｏ）、特別遊技処理を終了する。

【0074】

図１１のＳ４６０でインターバル中であると判定された場合は（Ｓ４６０：ｙｅｓ）、図１２のＳ５２０に進み、大当りインターバル時間が経過したか否かを判定する。インターバル時間が経過している場合には（Ｓ５２０：ｙｅｓ）、直前に大入賞口１４が開いていたのが最終ラウンドか否かを判定する（Ｓ５２５）。最終ラウンドであれば（Ｓ５２５：ｙｅｓ）、大当り終了演出処理を行い（Ｓ５３０）、特別遊技処理を終了する。最終ラウンドでなければ（Ｓ５２５：ｎｏ）、再び大入賞口１４を開放する処理を行い（Ｓ５３５）、特別遊技処理を終了する。なお、大当りインターバル時間が経過していないと判定された場合には（Ｓ５２０：ｎｏ）、そのまま特別遊技処理を終了する。なお、大入賞口１４を開放・閉鎖する処理においては、サブ統合制御装置８３にも信号を送信する。サブ統合制御装置８３は、その信号に基づいて、現在のラウンドを把握し、該ラウンドに応じた演出を行なう。

【0075】

図１１のＳ４６５で大当りの終了演出中であると判定された場合は（Ｓ４６５：ｙｅｓ）、図１３のＳ５５０に進み、大当り終了演出時間が経過したか否かを判定する。大当り終了演出時間が経過した場合には（Ｓ５５０：ｙｅｓ）、役物連続作動装置の作動を停止し（Ｓ５５５）、条件装置の作動を停止する（Ｓ５６０）。そして、Ｓ２３５で取得した次回の遊技状態で確変に移行するか否かを判定する（Ｓ５６５）。確変に移行する場合（Ｓ５６５：ｙｅｓ）は、確変回数を設定し（Ｓ５７０）、確変フラグを１に設定し（Ｓ５７５）、Ｓ５８０に移行する。確変フラグを１にすると本実施例では特別図柄の当選確率が向上する。確変に移行しない場合は（Ｓ５６５：ｎｏ）、そのままＳ５８０に移行する。なお、確変回数は１００００回が設定され、実質的に次回の大当りまでの確変の継続を保証する。

【0076】

Ｓ５８０では、次回の遊技状態で時短に移行するか否かを判定する。時短に移行する場合は（Ｓ５８０：ｙｅｓ）、時短回数を設定し（Ｓ５８５）、時短フラグを１に設定し（Ｓ５９０）、大当り終了コマンドをサブ統合制御装置８３に送信する処理を行い（Ｓ５９５）、状態指定コマンドをサブ統合制御装置８３に送信して（Ｓ５９７）、特別遊技処理を終了する。
Ｓ５８５で設定する時短回数は、通常大当りでは１００回であるが、確変大当りにおいては１００００回が設定され、実質的に次回の大当りまでの時短の継続を保証する。時短フラグを１にすると本実施例では特別図柄の平均変動時間短縮、普通図柄の平均変動時間短縮、普通電動役物１２の開放延長機能をセットする。時短に移行しない場合は（Ｓ５８０：ｎｏ）、Ｓ５９５に直行する。

【0077】

図１１で役物連続作動装置が作動していないと判定された場合（Ｓ４５０：ｎｏ）には、図１４から図１５に示す小当り遊技処理へと移行する。本処理が起動すると、Ｓ６００にて特別電動役物が作動中であるか判断し、作動中であれば（Ｓ６００：ｙｅｓ）、大入賞口１４が開放中か判断する（Ｓ６０５）。否定判断の場合は（Ｓ６０５：ｎｏ）、小当り遊技間のインターバル中であるか判断する（Ｓ６１０）。小当り遊技間のインターバルではなく（Ｓ６１０：ｎｏ）、小当り遊技の終了演出中でもない場合は（Ｓ６１５：ｎｏ）、小当り遊技の開始演出に要する時間が経過するのを待ち（Ｓ６２０：ｙｅｓ）、大入賞口１４を開放させ（Ｓ６２５）、本処理を終了する。なお、特別電動役物が作動していない場合（Ｓ６００：ｎｏ）、又は小当り開始演出に要する時間が経過していないと判定された場合（Ｓ６２０：ｎｏ）には、そのまま本処理を終了する。

【0078】

図１４において、大入賞口１４が開放中であると判定された場合は（Ｓ６０５：ｙｅｓ）、図１５のＳ６５０に進み、大入賞口１４に１０個入賞したか否かを判定する。大入賞口１４に１０個入賞していないと判定された場合には（Ｓ６５０：ｎｏ）、大入賞口１４の開放時間が終了したか否かを判定する(Ｓ６５５)。本実施例では、小当りの場合は各開放の最長時間は０．８秒に設定している。無論、この秒数に限定するものではない。開放時間が終了した場合（Ｓ６５５：ｙｅｓ）には、Ｓ６６０にて大入賞口閉鎖処理を行う。そして小当りインターバル処理を行なって(Ｓ６６５)、小当り遊技処理を終了する。大入賞口１４に１０個入賞した場合（Ｓ６５０：ｙｅｓ）にはＳ６６０に直行し、また大入賞口１４の開放時間が終了していない場合（Ｓ６５５：ｎｏ）は小当り遊技処理を終了する。

【0079】

図１４のＳ６１０で小当りインターバル中であると判定された場合は（Ｓ６１０：ｙｅｓ）、図１５のＳ６７０に進み、小当りインターバル時間が経過したか否かを判定する。小当りインターバル時間が経過している場合には（Ｓ６７０：ｙｅｓ）、Ｓ６７５にて大入賞口１４が規定回数（ここでは２回）開放済みか又は１０個入賞済みか否かを判定する。肯定判定の場合には（Ｓ６７５：ｙｅｓ）、小当り終了演出処理を行なって(Ｓ６８０)、小当り遊技処理を終了する。否定判定の場合（Ｓ６７５：ｎｏ）は、大入賞口開放処理により（Ｓ６８５）、大入賞口１４を０．８秒間、１回開放し、小当り遊技処理を終了する。つまり小当りでは、大入賞口１４が基本的に０．８秒、２回開放されるが、１回の開放で１０個以上の入賞があった場合は１回の開放のみで小当りが終了する。なお、実際には１回の開放で１０個以上の入賞が発生することは殆どない。

【0080】

図１４のＳ６１５で小当り終了演出中であると判定された場合は（Ｓ６１５：ｙｅｓ）、図１５のＳ６９０に進み、小当り終了演出時間が経過したか否かを判定する。小当り終了演出時間が経過したと判定された場合（Ｓ６９０：ｙｅｓ）は、Ｓ６９５にて特別電動役物の作動を停止させ、小当り終了コマンドをサブ統合制御装置８３に送信して（Ｓ６９７）、小当り遊技終了となる。なお、小当り終了演出時間が経過していないと判定された場合には（Ｓ６９０：ｎｏ）、そのまま小当り遊技処理を終了する。

【0081】

図１６は、図８のＳ２７５で主制御装置８０から送信された特図変動開始コマンドを受信したサブ統合制御装置８３が演出図柄表示装置６で行う演出についての変動開始処理のフローチャートとなっている。
始めに、サブ統合制御装置８３は、主制御装置８０からの特図変動開始コマンドを受信したか否かを判定する（Ｓ７００）。特図変動開始コマンドを受信した場合には（Ｓ７００：ｙｅｓ）、受信した特図変動開始コマンドに含まれている抽選結果のデータによる今回の抽選結果から、特図変動は大当りであるか否かを判定する（Ｓ７０５）。大当りである場合には（Ｓ７０５：ｙｅｓ）、大当りリーチ演出パターン決定処理を行い（Ｓ７１０）、演出図柄決定処理を実行し（Ｓ７１５）、Ｓ７６５に移行する。Ｓ７６５の演出表示開始処理では、Ｓ７１０に基づいて大当りリーチ演出開始処理を行う。なお、サブ統合制御装置８３が特図変動開始コマンドを受信していない場合には（Ｓ７００：ｎｏ）、そのままリターン（終了）となる。

【0082】

サブ統合制御装置８３は、受信した特図変動開始コマンドに含まれている抽選結果のデータによる今回の抽選結果から、特図変動は大当りであるか否かの判定が、否定判定の場合には（Ｓ７０５：ｎｏ）、受信した特図変動開始コマンドから小当りとなるか否かを判定する（Ｓ７２０）。小当りとなる場合には（Ｓ７２０：ｙｅｓ）、小当り演出パターン決定処理を行い（Ｓ７２５）、演出図柄決定処理を実行し（Ｓ７３０）、Ｓ７６５に移行する。その後、Ｓ７６５の演出表示開始処理では、Ｓ７２５に基づいて小当り演出開始処理を行う。

【0083】

サブ統合制御装置８３は、受信した特図変動開始コマンドに含まれている抽選結果のデータによる今回の抽選結果から、特図変動は小当りであるか否かの判定が、否定判定の場合には（Ｓ７２０：ｎｏ）、受信した特図変動開始コマンドからハズレリーチとなるか否かを判定する（Ｓ７４０）。ハズレリーチとなる場合には（Ｓ７４０：ｙｅｓ）、ハズレリーチ演出パターン決定処理を行い（Ｓ７４５）、演出図柄決定処理を実行し（Ｓ７５０）、Ｓ７６５に移行する。その後、Ｓ７６５の演出表示開始処理では、Ｓ７４５に基づいてハズレリーチ演出開始処理を行う。
また、受信した特図変動開始コマンドからハズレリーチとはならない場合には（Ｓ７４０：ｎｏ）、ハズレ演出パターン決定処理を行い（Ｓ７５５）、演出図柄決定処理を実行し（Ｓ７６０）、Ｓ７６５に移行する。その後、Ｓ７６５の演出表示開始処理では、Ｓ７５５に基づいてハズレ演出開始処理を行う。

【0084】

本実施例のパチンコ機５０は、潜伏機能を備えた構成となっている。大当り後の遊技状態が高確率状態であるか低確率状態であるかを、演出図柄表示装置６にて遊技者に告知しない機能である。本実施例では、潜伏機能が作動している場合、普通電動役物が作動しない構成となっている。潜伏機能を備えることにより、遊技者は、「現在は高確率状態かもしれない」と考える可能性がある。本実施例のサブ統合制御装置８３が受信した特図変動開始コマンドにより、特図変動が図２５(ｂ)に示す２ラウンドの大当り、又は小当りとなると判定した場合には、潜伏状態へと移行する構成となっている。潜伏状態へと移行すると、図３５に示すように通常の遊技状態時の演出態様とは異なる演出態様となっている。

【0085】

図１７から図２１のフローチャートは、パチンコ機５０及び該パチンコ機５０以外の他のパチンコ機において実行される共通の特殊演出に関するものとなっている。

【0086】

本実施例では、サブ統合制御装置８３にリアルタイムクロック１１５を備えた構成となっており、所定の時間に所定期間の特殊演出を行う構成となっている。なお、本実施例の所定の時間は、１時間毎に設けられている。また、本実施例の所定期間とは、１０分間となっている。なお、本実施例の特殊演出とは、所定の時間毎に、所定期間内に実行される通常の遊技演出とは異なる演出となっている。
なお、本実施例の特殊演出中には、図２８から図３０で後述するような演出ボタン６７及びジョグダイヤル６８を用いたミニゲームを行う構成となっている。なお、本実施例のミニゲーム中に提示された条件を見事に成功させることができれば、特典としてチケットが付与される構成となっている。特典に関する詳細については、後述する。

【0087】

図１７は、リアルタイムクロック１１５によって判定された現在の時刻が、特殊演出の実行が可能となる所定期間内である場合に実行される特殊演出開始処理のフローチャートを示す。
先ず、現在の時刻が特殊演出を実行するための所定期間内であるか否かを判定する(Ｓ８００)。否定判定の場合には(Ｓ８００：ｎｏ)、そのままリターンとなる。肯定判定の場合には(Ｓ８００：ｙｅｓ)、大当り遊技中であるか否かを判定する(Ｓ８０５)。否定判定の場合には(Ｓ８０５：ｎｏ)、特殊演出開始処理を実行し(Ｓ８１０)、特殊演出フラグを１セットする。ここで、特殊演出フラグとは特殊演出が実行可能な所定期間内であることを示すものとなっている。なお、肯定判定の場合には(Ｓ８０５：ｙｅｓ)、特殊演出フラグをセットし(Ｓ８１０)、延長フラグをセットして(Ｓ８１５)、終了となる。ここで、延長フラグとは、所定期間終了後に所定期間を延長し、延長した所定期間中に特殊演出を実行可能とするフラグのことをいう。

【0088】

なお、本実施例の特殊演出開始処理(Ｓ８２０)は、演出図柄表示装置６で表示されている通常の遊技演出とは異なる上述した特殊演出を実行する。
また、本実施例では、特殊演出の実行を開始する場合、図２７の表示例９７が示すように演出図柄表示装置６上に特殊演出が開始されるまでのカウントダウンを行う演出が実行される。そして、０秒となると、直ぐに特殊演出を開始する構成となっている。これに限定されることなく、例えば、特殊演出を開始する際に、特別図柄が変動中であった場合には、当該変動が終了してから特殊演出を実行する構成にしてもよい。

【0089】

図１８は、リアルタイムクロック１１５によって判定された現在の時刻が特殊演出の実行が可能な所定期間の終了時刻に該当する場合に実行される特殊演出終了処理のフローチャートを示す。
先ず、現在の時刻が特殊演出の実行可能な所定期間の終了時刻であるか否かを判定する(Ｓ８５０)。なお、否定判定の場合には(Ｓ８５０：ｎｏ)、そのままリターンとなる。肯定判定の場合には(Ｓ８５０：ｙｅｓ)、大当り遊技中であるか否かを判定する(Ｓ８５５)。肯定判定の場合には(Ｓ８５５：ｙｅｓ)、特殊演出フラグを０にセットする(Ｓ８６０)。
否定判定の場合には(Ｓ８５５：ｎｏ)、特殊演出終了処理を実行し(Ｓ８６５)、特殊演出フラグを０にセットする。そして、延長フラグが１となっているか否かを判定する(Ｓ８７５)。否定判定の場合には(Ｓ８７５：ｎｏ)、そのまま終了となる。肯定判定の場合には(Ｓ８７５：ｙｅｓ)、遊技者が特殊演出を実行する期間を延長するか否かを選択させるために、演出図柄表示装置６に選択画面を表示する(Ｓ８７６、図３２(ｃ))。特殊演出を実行する期間の延長を選択するための有効期間を経過したか否かを判定する(Ｓ８７７)。なお、否定判定の場合には(Ｓ８７７：ｎｏ)、再度Ｓ８７７に移行する。
肯定判定の場合には(Ｓ８７７：ｙｅｓ)、特殊演出が実行される期間の延長が選択されたか否か否かを判定する(Ｓ８７８)。演出図柄表示装置６に表示された特殊演出が実行される期間を延長した場合に(Ｓ８７８：ｙｅｓ)、演出図柄表示装置６に表示されている選択画面の表示を終了させる(Ｓ８７９)。そして、特殊演出延長開始処理を実行し(Ｓ８８０)、終了となる。なお、特殊演出の期間の延長が選択されなかった場合には(Ｓ８８０：ｎｏ)、演出図柄表示装置６に表示されている選択画面の表示を終了させて(Ｓ８８５)、延長フラグを０にセットし(Ｓ８９０)、終了となる。

【0090】

図１９、サブ統合制御装置８３が大当り遊技開始コマンドを受信し、実行する大当り遊技演出開始処理のフローチャートである。
先ず、サブ統合制御装置８３が大当り遊技開始コマンドを受信したか否かを判定する(Ｓ９００)。肯定判定の場合には(Ｓ９００：ｙｅｓ)、特殊演出フラグが１にセットされているか判定する(Ｓ９０５)。なお、否定判定の場合には(Ｓ９００：ｎｏ)、そのまま終了となる。
肯定判定の場合には(Ｓ９０５：ｙｅｓ)、Ｓ９１０において特殊演出用大当り遊技演出開始処理を実行する(Ｓ９１０)。なお、Ｓ９１０の処理による演出は、通常の大当り遊技演出とは異なり特殊演出中に大当り遊技が発生する場合のみに実行される演出となっている。
その後、延長フラグがセットされているか否かを判定する(Ｓ９１５)。否定判定の場合には(Ｓ９１５：ｎｏ)、Ｓ９２０において延長フラグをセットし(延長フラグ＝１)、終了となる。なお、延長フラグがセットされている場合には(Ｓ９１５：ｙｅｓ)、そのまま終了となる。 なお、特殊演出中ではないと判定された場合には(Ｓ９０５：ｎｏ)、通常の大当り遊技演出開始処理を実行し(Ｓ９２５)、終了となる。

【0091】

図２０は、サブ統合制御装置８３が大当り終了コマンドを受信して実行する大当り遊技演出終了処理のフローチャートである。
先ず、サブ統合制御装置８３が大当り終了コマンドを受信したか否かを判定する(Ｓ９５０)。肯定判定の場合には(Ｓ９５０：ｙｅｓ)、特殊演出フラグが１にセットされているか否か判定する(Ｓ９５５)。肯定判定の場合には(Ｓ９５５：ｙｅｓ)、特殊演出中に特別図柄で大当りとなる図柄で確定表示された場合に発生する特殊演出用大当り遊技演出を終了させる(Ｓ９９０)。否定判定の場合には(Ｓ９５５：ｎｏ)、大当り遊技演出終了処理を実行し(Ｓ９６０)、延長フラグが１にセットされているか否かを判定する(Ｓ９６５)。肯定判定の場合には(Ｓ９６５：ｙｅｓ)、特殊演出延長開始処理(Ｓ８８５)により特殊演出が延長されているか否かを判定する(Ｓ９７０)。否定判定の場合には(Ｓ９７０：ｎｏ)、遊技者が特殊演出を実行する期間を延長するか否かを選択させるために、演出図柄表示装置６に選択画面を表示する(Ｓ９７１、図３２(ｃ))。
特殊演出を実行する期間の延長を選択するための有効期間を経過したか否かを判定する(Ｓ９７３)。なお、否定判定の場合には(Ｓ９７３：ｎｏ)、再度Ｓ９７３に移行する。
肯定判定の場合には(Ｓ９７３：ｙｅｓ)、特殊演出が実行される期間の延長が選択されたか否か否かを判定する(Ｓ９７５)。演出図柄表示装置６に表示された特殊演出が実行される期間を延長した場合に(Ｓ９７５：ｙｅｓ)、演出図柄表示装置６に表示されている選択画面の表示を終了させる(Ｓ９７７)。そして、特殊演出延長開始処理を実行し(Ｓ９７９)、終了となる。なお、特殊演出の期間の延長が選択されなかった場合には(Ｓ９７５：ｎｏ)、演出図柄表示装置６に表示されている選択画面の表示を終了させて(Ｓ９８０)、延長フラグを０にセットし(Ｓ９８５)、終了となる。なお、特殊演出延長開始処理は(Ｓ９７９)は、図１８の特殊演出延長開始処理（Ｓ８８０）と同様の処理である。

【0092】

図２１は、延長した特殊演出の終了処理についてのフローチャートである。
先ず、延長された特殊演出が終了する時間である否かを判定する(Ｓ１０００)。肯定判定の場合には、大当り遊技中であるか否かを判定する(Ｓ１００５)。肯定判定の場合には(Ｓ１００５：ｙｅｓ)、延長フラグを０にセットする(Ｓ１０１０)。なお、否定判定の場合には(Ｓ１００５：ｎｏ)、特殊演出延長終了処理を実行し(Ｓ１０１５)、延長フラグを０にセットし(Ｓ１０２０)、その後終了となる。

【0093】

本実施例では、前述した特殊演出中に行われるミニゲームで獲得したチケットにより遊技者に演出的価値を付与する構成となっている。例えば、遊技者に付与される演出的価値としては、先読み演出、リーチ中での大当り告知及び潜伏機能の作動中の遊技状態を遊技者に報知するといったことが考えられる。図２２から図２４を用いて、上記した演出を実行するためのフローチャートについて説明する。

【0094】

先ず、図２２(ａ)に示した先読み演出決定処理では、サブ統合制御装置８３が図６のＳ１１５、Ｓ１３５で主制御装置８０から送信された先読み判定コマンドを受信したか否か判定する（Ｓ１０５０）。先読み判定コマンドを受信した場合には（Ｓ１０５０：ｙｅｓ）、先読み演出決定処理を行う（Ｓ１０５５）。本実施例の先読み演出決定処理(Ｓ１０５５)では、チケットを使用することで変化させる保留図柄を決定する。そして、チケットが使用されることで、Ｓ１０８０により後述する先読み保留図柄演出が実行される構成となっている。なお、これに限定させることはなく、サブ統合制御装置８３は、第１始動口１１又は第２始動口１２への入賞時、主制御装置８０から受信した先読み判定コマンドによる情報だけ記憶しておき、チケットの使用時に先読み演出決定処理による決定を行い、先読み保留図柄演出を実行する構成にしてもよい。
なお、複数種類の先読み演出（連続先読み演出、先読み保留図柄演出など）の中より、何れの先読み演出を行うかを決定する構成にしてもよい。また、通常の遊技状態でも先読み演出を行うが、ミニゲームで獲得したチケットを使用することで、より信頼度高い先読み演出を行う構成にしてもよい。

【0095】

本実施例では、遊技者の保有しているチケットを使用することで先読み演出実行処理により先読み保留図柄の報知が可能となる有効期間が設けられている。なお、該有効期間は、演出図柄の変動中となっており、リーチ演出が開始されてから終了するまでの期間、大当り遊技演出中及び潜伏演出中も除かれた構成となっている。

【0096】

図２２(ｂ)を用いて、前述した有効期間中に実行可能となる先読み演出実行処理のフローチャートについて説明する。
先ず、Ｓ１０６０において、保留記憶があるか否かを判定する(Ｓ１０６０)。肯定判定の場合には（Ｓ１０６０：ｙｅｓ）、保有しているチケット数が０であるかを判定する(Ｓ１０６５)。否定判定の場合には(Ｓ１０６５：ｎｏ)、保有されているチケットにより先読み保留図柄の報知を実行することが可能な有効期間中に演出ボタン６７が操作されたか否かを判定する(Ｓ１０７０)。
なお、保留記憶がない場合(Ｓ１０６０：ｎｏ)、特典が０である場合には（Ｓ１０６５：ｙｅｓ）及び演出ボタンが操作されなかった場合(Ｓ１０７０：ｎｏ)、そのまま終了となる。

【0097】

本実施例の先読み演出実行処理における特典減算処理では、遊技者の現在の保有しているチケット数から１減算する構成となっている(Ｓ１０７５)。そして、演出図柄表示装置６に表示されている保留を図２２(ａ)のＳ１０５５による決定に従い、現在記憶されている保留記憶の信頼度を示す保留へと変化させる先読み保留図柄演出を行う(Ｓ１０８０)。

【0098】

次に、リーチ中での大当り告知演出について説明する。
先ず、図１６に示すようにサブ統合制御装置８３は主制御装置８０から送信された変動開始コマンドを受信すると、上述したように各々の演出パターンを決定している。Ｓ７１０で決定された演出パターンでは、リーチ中に遊技者の保有しているチケットを使用した場合に、演出図柄表示装置６に表示される大当り告知演出を実行可能としている。
また、本実施例ではリーチ演出が開始してから終了するまでの間、遊技者が保有しているチケットにより大当り告知演出を実行するか否の選択が可能となる有効期間が設けられている。なお、リーチ演出以外でも大当り告知演出を実行する構成にしてもよい。

【0099】

次に、図２３は、前述した有効期間中に実行可能となる大当り告知実行処理のフローチャートについて説明する。
先ず、サブ統合制御装置８３はリーチ演出を開始したか否か判定する（Ｓ１１００）。肯定判定の場合には（Ｓ１１００：ｙｅｓ）、Ｓ１１０５に移行する。
そして、保有しているチケット数が０であるかを判定する(Ｓ１１０５)。否定判定の場合には(Ｓ１１０５：ｎｏ)、リーチ演出中にチケットを使用することが有効な有効期間中に演出ボタン６７が操作されたか否かを判定する(Ｓ１１１０)。なお、リーチ演出が開始されていない場合(Ｓ１１００：ｎｏ)、特典が０である場合には（Ｓ１１０５：ｙｅｓ）及び演出ボタンが操作されなかった場合(Ｓ１１１０：ｎｏ)、そのまま終了となる。
そして、演出ボタン６７が操作された場合には（Ｓ１１１０：ｙｅｓ）、特典減算処理を行う(Ｓ１１１５)。本実施例の大当り告知実行処理における特典減算処理では、遊技者の現在の特典数から１減算する構成となっている。そして、主制御装置８０から送信された変動開始コマンドにより当該変動が大当りとなる否かを判定する(Ｓ１１２０)。当該変動が大当りとなる場合には（Ｓ１１２０：ｙｅｓ）、演出図柄表示装置６上に当該変動が大当りとなる旨を遊技者に告知する演出を実行する(Ｓ１１２５)。なお、当該変動がハズレの場合には(Ｓ１１２０：ｎｏ)、そのまま終了となる。

【0100】

次に、潜伏機能の作動中の遊技状態を報知演出について説明する。なお、潜伏状態へと移行後、サブ統合制御装置８３は、遊技者の保有しているチケットを使用することで潜伏状態中の遊技状態が高確率遊技状態であるか否かの報知演出を決定している。
そして、本実施例では潜伏状態の演出が開始してから終了するまでの間、遊技者が保有しているチケットにより現在のパチンコ機５０の遊技状態の告知を実行するか否か選択を可能とする有効期間が設けられている。該有効期間は、リーチ演出中を除き潜伏状態の告知を実行するか否かを選択することが可能な期間となっている。

【0101】

図２４を用いて、潜伏状態告知実行処理のフローチャートをについて説明する。
サブ統合制御装置８３は潜伏演出が実行されているか否かを判定する（Ｓ１１５０）。肯定判定の場合には（Ｓ１１５０：ｙｅｓ）、Ｓ１１５５に移行する。そして、保有しているチケット数が１０以上であるかを判定する(Ｓ１１５５)。なお、潜伏演出中ではない場合(Ｓ１１５０：ｎｏ)及び特典が１０未満である場合には（Ｓ１１５５：ｙｅｓ）、そのまま終了となる。
獲得したチケットが１０以上である場合には（Ｓ１１５５：ｙｅｓ）、潜伏演出中にチケットを使用することが可能となる有効期間中に演出ボタン６７が操作されたか否かを判定する(Ｓ１１６０)。なお、否定判定の場合には(Ｓ１１６０：ｎｏ)、そのまま終了となる。肯定判定の場合には（Ｓ１１６０：ｙｅｓ）、特典減算処理を行う(Ｓ１１６５)。本実施例の潜伏状態告知実行処理における特典減算処理では、遊技者の現在の保有しているチケット数から１０減算する構成となっている。そして、主制御装置８０から送信された状態指定コマンドから、パチンコ機５０の現在の遊技状態が高確率遊技状態か否かを判定する(Ｓ１１７０)。肯定判定の場合には（Ｓ１１７０：ｙｅｓ）、演出図柄表示装置６上に現在の遊技状態が高確率遊技状態であることを示す演出表示を表示する(Ｓ１１７５)。なお、否定判定の場合には(Ｓ１１７０：ｎｏ)、演出図柄表示装置６上に現在の遊技状態が通常の遊技状態であることを示す演出表示を表示する(Ｓ１１８０)。

【0102】

本実施例では、先読み保留図柄の報知演出、大当り告知演出又は潜伏状態報知演出が可能となる有効期間中に遊技者が演出ボタン６７の操作を行い、保有しているチケットを使用することで先読み演出、大当り告知演出又は潜伏状態報知演出が実行される構成となっている。一つの演出ボタン６７を操作する構成としているため、各々の有効期間が重なることが考えられる。そこで、各々の有効期間が重なった場合には、どちらか一方の演出を選択可能とする構成にしてもよい。また、上述したように、実行される各々の演出を選択可能とする専用ボタンを備えた構成とし、該専用ボタンを操作する構成にしてもよい。

【0103】

図２５は、本実施例のパチンコ機５０の基本的仕様を示すテーブルを示す。
図２５(ａ)に示すように、本実施例のパチンコ機５０は通常確率遊技状態では、大当り確率は１／４００、高確率遊技状態では、当り確率１／４０と設定されている。第１始動口１１、第２始動口１２への賞球数は３個となっている。また、その他入賞口への賞球数は１０個、大入賞口１４への賞球数は１３個となっている。普通図柄当り確率は、パチンコ機５０が通常遊技状態では１／６、時短状態では５／６となっている。普通電動役物開放時間は、パチンコ機５０が通常遊技状態では、０．２秒、時短状態では、１秒を３回となっている。
図２５(ｂ)は、本実施例の当り図柄の種類に関するテーブルを示す。当り図柄の種類として、１５ラウンドの確変時短有図柄、１５ラウンドの通常時短有図柄、２ラウンドの確変時短有図柄、小当り図柄となっている。１５ラウンドの確変時短有図柄で確定表示された場合には、大入賞口の連続作動回数は１５回、最長開放時間は２８秒、当り後の遊技状態は確変状態・時短状態が次回まで継続する構成となっている。
１５ラウンドの通常時短有図柄で確定表示された場合には、大入賞口の連続作動回数は１５回、最長開放時間は２８秒、当り後の遊技状態は通常の遊技状態で、時短が１００回付与される構成となっている。また、２ラウンドの確変時短無図柄で確定表示された場合には、１ラウンドの大入賞口１４の開放回数は１回、該大入賞口１４の最長開放時間は０．８秒である(つまり、２回開放する)。なお、当り後の遊技状態は確変状態が次回まで継続し、時短は付与されない構成となっている。
小当り図柄の場合には、１ラウンドの大入賞口１４の開放回数２回、大入賞口の最長開放時間は０．８秒、当り後の遊技状態は変化なしとなっている。なお、２ラウンドの確変時短無図柄及び小当り図柄で確定表示された場合の大入賞口１４の開放は見た目上同じ構成となっている。このような構成にすることで、２ラウンドの確変時短無図柄が表示された場合と区別することが困難となる。本実施例では、当り図柄を４種類設けた構成としているが、これに限定されることはない。

【0104】

図２６は、通常の遊技状態時の特別図柄（第１特別図柄、第２特別図柄）に対応する演出図柄の演出態様の一例を示す。
図２６（ａ）に示すように演出図柄表示装置６は、特別図柄（第１特別図柄、第２特別図柄）に対応する演出図柄が表示される。変動中の左演出図柄９１、中演出図柄９２、右演出図柄９３が表示されている。左演出図柄９１の下方には、演出キャラクタ９４「熊の達吉」が表示されている。なお、図２６から図３５の演出図柄表示装置６上には、現在の遊技者が保有しているチケット数を示す表示例１１８が表示されている。図２６(ａ)に示す本図例の場合、表示例１１８が示すように遊技者の保有しているチケット数は１０枚となっている。

【0105】

図２６（ｂ）に示すように、左演出図柄９１が「７」で停止し、右演出図柄９３が「７」で停止し、中演出図柄９２が変動中であるため、リーチ中であることを遊技者に報知している。

【0106】

図２６（ｃ）に示すように、左演出図柄９８が「７」、中演出図柄９９が「７」、右演出図柄１００が「７」で停止しており、遊技者に大当りであることを報知している。演出キャラクタ９４「熊の達吉」の右方にある表示例９５には、「おめでとう！大当り♪」と表示されている。本実施例では、図２６(ｃ)に示す演出後に大当り遊技が開始される。

【0107】

図２７(ａ)は、現在の時刻から特殊演出を実行する所定期間の時刻までのカウントダウン演出態様の一例を示す。
演出図柄表示装置６は、特別図柄（第１特別図柄、第２特別図柄）に対応する演出図柄が表示される。変動中の左演出図柄９１、中演出図柄９２、右演出図柄９３が表示されている。左演出図柄９１の下方には、演出キャラクタ９４「熊の達吉」が表示されている。演出キャラクタ９４の右方にある表示例９７は、「達吉チャンスタイムまであと６０秒」と表示されており、これは６０秒後に達吉チャンスタイムに移行することを示している。なお、達吉チャンスタイムとは、本実施例の所定期間(例えば、１０分間)に実行される特殊演出を示している。

【0108】

図２７(ｂ)は、図２７(ａ)に示すカウントダウン演出から６０秒に演出図柄表示装置６に表示される達吉チャンスタイムの開始を示す演出態様の一例となっている。
演出図柄表示装置６の中央には、演出キャラクタ９４が表示されており、演出キャラクタ９４の上方には、達吉チャンスタイムの開始を示す表示例９７となっている。また、演出キャラクタ９４の右には、特別図柄(特図１又は、特図２)に対応した演出図柄が表示されている。演出キャラクタ９４の左下方には、表示例９８が「１０：００」と示されている。この表示例９８は、達吉チャンスタイムが開始されてから終了までの所定期間を示している。

【0109】

図２８から図３０に示す演出態様の一例は、特殊演出中に実行されるミニゲームの演出態様の一例を示したものとなっている。

【0110】

図２８(ａ)は、図２７(ｂ)で示した特殊演出である達吉チャンスタイム中に実行されるミニゲームを選択する演出態様の一例を示している。
図２８（ａ）の右方には、演出キャラクタ９９が表示されている。演出図柄表示装置６の上方の表示例１００には、「ミニゲームを開始するよ♪」と表示されている。表示例１０１にはＡ、Ｂ及びＣのうち、いずれか文字を遊技者がジョグダイヤル６８及び演出ボタン６７で選択することを示唆する表示となっている。当該示唆表示に応じて、遊技者はＡ、Ｂ及びＣのうち、どれかを選択すると、遊技者の選択に応じたミニゲームが開始される構成となっている。演出キャラクタ９９の左方の表示例９８は「９：３０」となっており、達吉チャンスタイム終了までの残された時間を示している。

【0111】

図２８(ｂ)から図２９(ｃ)は、図２８(ａ)で示したＡ、Ｂ及びＣのうち、「Ａ」を遊技者が選択した場合に実行されるミニゲームの演出態様の一例を示す。
図２８(ｂ)は、演出キャラクタ９９が演出図柄表示装置６に表示されており、演出キャラクタ９９の上方の表示例１００には、「岩を壊して報酬ゲット！？」と表示されている。そして、図２８(ｃ)に示す演出態様へと移行すると、演出キャラクタ９９の上方の表示例１０１が表示される。この表示例１０１は、「左に回せ！」と遊技者にジョグダイヤル６８を左に回動させるように指示する表示となっている。

【0112】

次に、図２９(ａ)に示すように演出キャラクタ９９の上方の表示例１０１が表示されている。表示例１０１は、「右に回せ！」と遊技者にジョグダイヤル６８を右に回動させるように指示する表示となっている。そして、図２９(ｂ)に示す演出表示へと移行し、演出キャラクタ９９は、岩に対して蹴りを放ち、図２９(ｃ)に移行する。図２９(ｃ)では、演出キャラクタ９９が岩を壊すことに成功したため、報酬としてチケット３枚が獲得する演出態様となっている。なお、表示例１１８は、遊技者が今回のミニゲームで獲得したチケット３枚が、現在の保有しているチケット数に加算されたことを示している。
図２８から図２９におけるミニゲームとは、演出図柄表示装置６に表示される操作指示に従って、遊技者は操作することに成功すれば、岩を壊すことができ、報酬としてチケット３枚が獲得することができたことになる。
本図例で示したチケットは、後述する先読み演出、リーチ中での一発告知又は潜伏状態の遊技状態を遊技者に報知するために使用されるものとなっている。なお、上記に示した演出を実行させるために使用すると、チケットの枚数が減少する構成となっている。
なお、特殊演出中に獲得したチケット数は、所定の時間に達する毎に(例えば、１時間毎)全てクリアされる構成にしてもよいし、チケット数が引き継がれる構成にしてもよい。

【0113】

図３０は、図２８及び図２９に示したミニゲームとは別のミニゲームの演出態様の一例を示す。
図３０（ａ）の右方には、演出キャラクタ９９が表示されている。演出図柄表示装置６の上方の表示例１００には、「ミニゲームを開始するよ♪」と表示されている。表示例１０１はＡ、Ｂ及びＣのうち、いずれか文字を遊技者がジョグダイヤル６８及び演出ボタン６７で選択して決定することで、当該選択に応じたミニゲームが開始されることを示す。演出キャラクタ９９の左方の表示例９８は「９：３０」となっており、達吉チャンスタイム終了まで残された時間を示している。そして、遊技者はＡ、Ｂ及びＣのうち、「Ｂ」を選択すると、図３０(ｂ)の演出態様へと移行する。
図３０(ｂ)では表示例１００が示すように「敵を倒して、報酬ゲット！？」と表示されており、演出キャラクタ９９が演出キャラクタ１０３を倒すことができれば報酬をゲットすることが可能となる構成である。図３０(ｃ)に示すように、演出キャラクタ９９がオーラを出し、演出キャラクタ１０３が身構えると、次の図３０(ｄ)の演出へと移行する。図３０(ｄ)に示すように、演出図柄表示装置６の右上方にある表示例１０１は、「連打でオーラをでかくしろ！」と表示されている。そして、遊技者に演出ボタン６７の操作を示唆せるために、疑似演出ボタンが表示されている。そして、演出図柄表示装置６の左上方には、時間メータ１０４が表示されている。
この時間メータ１０４は、図３０（ｄ）に示すように演出図柄表示装置６で、演出ボタン６７の操作を示唆する演出表示が開始されてから、終了するまでの所定時間を示すものとなっている。なお、演出キャラクタ１０６のオーラをボタン連打でどこまで大きくなるかで、演出キャラクタ１０３を倒すことができる期待度を示す。図３０(ｄ)の演出が終了すると、図３０(ｅ)へと移行し、演出図柄表示装置６に表示されているように、演出キャラクタ９９が演出キャラクタ１０３に対して技をくりだすと、図３０(ｆ)に移行して演出キャラクタ９９は演出キャラクタ１０３に勝利する演出表示が演出図柄表示装置６に表示される。演出キャラクタ９９の上方の表示例１０２には、「報酬としてチケット６枚」となっている。なお、表示例１１８は、遊技者が今回のミニゲームで獲得したチケット６枚が現在の保有しているチケット数に加算されたことを示している。

【0114】

図２７から図３０を用いて特殊演出中に行われるミニゲームについて説明した。本実施例の特殊演出中のミニゲームにおいて、提示された条件に対して遊技者が成功することが出来た場合は、チケットを付与する構成となっている。なお、先読み演出、大当り告知及び潜伏中の遊技状態の報知に使用するために共用されたチケットを使用する構成となっている。しかし、これに限定されることはなく、先読み演出、大当り告知及び潜伏中の遊技状態の報知などの用途ごとに対応したチケットを付与する構成にしてもよい。この場合、ミニゲームの種類に応じて付与される特典の種類が異なる構成にしてもよい。例えば、Ａのミニゲームで提示された条件を成功させることで、先読み演出を行うためのチケットが貰えて、Ｂのミニゲームで提示された条件を成功させると、大当り告知を行うためのチケットが貰える構成が考えられる。
また、先読み演出用チケット、大当り告知用チケット又は潜伏中の遊技状態の報知用チケットが付与される付与率を異ならせる構成にしてもよい。例えば、Ａのミニゲームだと、先読み演出用チケットと大当り告知用チケットが多く付与されるなど考えられる。
また、上述したような用途に応じたチケットが付与されている場合、これらのチケットを使用するための十字型のボタンを設けた構成で、遊技者はボタンで使用したいチケットを選ぶ構成にしてもよい。又は、各々のチケットを選択するための専用ボタンをパチンコ機５０に搭載する構成にしてもよい。

【0115】

図３１は、特殊演出を実行している所定期間の内に特別図柄で大当りを示す図柄で確定表示され、特殊演出が中断された場合の演出態様の一例を示す。
図３１（ａ）に示すように、ミニゲーム中に演出図柄表示装置６の左下方に小さく表示されている左演出図柄９１が「２」、右演出図柄「２」で停止しており、中演出図柄が変動中であることからリーチ中であることを遊技者に報知している。そして、図３１(ｂ)に移行すると、演出図柄表示装置６の左下方に表示されている左演出図柄９１、中演出図柄９２及び右演出図柄９３が「２」で停止し大当りとなっている。特殊演出中に特別図柄で大当りを示す図柄で確定表示された場合には、図３１（ｃ)に示すように、演出図柄表示装置６の中央には演出図柄が「２」で停止し、表示例９５の「おめでとう！大当り」と表示されていることから、遊技者に大当りとなったことを報知している。
そして、図３１(ｄ)に示すように、特殊演出用の大当り遊技演出を実行する。演出図柄表示装置６の中央には演出キャラクタ９４の「熊の達吉」が表示されており、演出キャラクタ９４の左上方の表示例１０５が示すように遊技者に大当り遊技中であることを報知している。

【0116】

図３２は、所定期間終了時刻から５秒前から終了までの演出態様の一例を示す。
図３２(ａ)は、所定期間終了時刻から５秒前の演出態様の一例を示す。図３２(ａ)は、図２７及び図２８示した「Ａ」を選択した場合のミニゲーム中の演出態様となっている。表示例９８は、「達吉チャンスタイム終了まで残り５秒」であることを示す。そして、現在の時効が所定期間終了時刻となると、図３２(ｂ)に示す演出態様へと移行する。図３２(ｂ)では、演出キャラクタ９４が中央に表示されており、演出キャラクタ９４の上方の表示例９８には、「達吉チャンスタイム終了」と表示されている。

【0117】

図３２(ｃ)は、特殊演出を延長するか否かについて、遊技者に選択を促す表示態様の一例である。図１８のＳ８７８又は図２０のＳ９７５における判定で延長フラグが１セットされていた場合には、図３２(ｂ)に示すように特殊演出が終了すると、図３２(ｃ)に移行する。そして、表示例１０６は「達吉チャンスタイムを延長しますか？」と示されている。表示例１０６が表示されると、遊技者は演出ボタン６７及びジョグダイヤル６７を用いて特殊演出を延長するか否かを選択することとなる。
本図例では、延長する場合には「ＹＥＳ」、延長しない場合には「ＮＯ」を選択する構成となっている。なお、達吉チャンスタイムの延長時間は、表示例１０７が示すように３分間となっている。特にこれに限定されることはない。

【0118】

本実施例の延長時間は予め決定されている構成となっているが、これに限定されることなく、特殊演出の実行を可能となる所定期間中に大当り遊技により中断された時間を計数する計数装置をサブ統合制御装置８３に搭載する構成とし、該計数装置により計数された時間を合算して延長時間とする構成にしてもよい。
以上の構成によれば、特殊演出の実行が可能となる所定期間内に大当り遊技発生すると、特殊演出が中断されることになるが、中断された時間を前記計数装置により計数され、計数された時間に応じて特殊演出の実行が可能となる期間が延長されるため、特殊演出中に大当り遊技が発生しても、平等に特殊演出が延長されることが可能となる。

【0119】

図３３を用いて、本実施例の先読み演出の演出態様の一例について説明する。図３３（ａ）に示すように演出図柄表示装置６には、特別図柄（第１特別図柄、第２特別図柄）に対応する変動中の左演出図柄９１、中演出図柄９２、右演出図柄９３が表示されている。右演出図柄９３の右下方には、演出キャラクタ９４「熊の達吉」が表示されている。演出図柄表示装置６の左下方には、第１保留図柄１０８、第２保留図柄１０９、第３保留図柄１１０、第４保留図柄１１１が表示されている。
その後、図３３(ｂ)に示すように、演出図柄表示装置６の下方にある表示例１１２には、演出ボタン６７の操作を示唆する疑似ボタンとチケット１枚と表示される。本実施例では、表示例１１２が表示されている状態で、遊技者が演出ボタン６７を操作すると、表示例１１３で示すように、演出図柄表示装置６に表示されている保留図柄の表示態様を、信頼度を示す表示態様へと変化させる構成となっている。
そして、遊技者が演出ボタン６７を操作すると、図３３(ｃ)に示すように第１保留図柄１０８はＣという表示態様、第２保留図柄１０９はＡという表示態様、第３保留図柄１１０はＢという表示態様、第４保留図柄１１１はＣという表示態様へと変化している。ここで、Ａ、Ｂ及びＣという表示態様は、各々の保留図柄の信頼度を報知しており、Ａ、Ｂ及びＣのうち、Ａという表示態様が最も信頼度が高く、Ｂという表示態様が２番目に信頼度が高く、Ｃという表示態様が最も信頼度が低い構成となっている。なお、本実施例ではＡ、Ｂ及びＣのいう表示態様で信頼度を遊技者に報知しているが、特にこれに限定されることはなく、信頼度を数字及び％で示す構成や、色や形で示す構成にしてもよい。
なお、演出図柄表示装置６上の表示例１１８には、遊技者がチケットを１枚使用したため現在の保有しているチケット数に１枚減算されたことを示している。

【0120】

図３４を用いて、本実施例の大当り告知演出について説明する。図３４（ａ）に示すように演出図柄表示装置６は、特別図柄（第１特別図柄、第２特別図柄）に対応する演出図柄が表示される。変動中の左演出図柄９１、中演出図柄９２、右演出図柄９３が表示されている。右演出図柄９３の下方には、演出キャラクタ９４「熊の達吉」が表示されている。演出図柄表示装置６の左下方には、第１保留図柄１０８、第２保留図柄１０９、第３保留図柄１１０、第４保留図柄１１１が表示されている。
図３４（ｂ）に示すように、左演出図柄９１が「７」で停止し、右演出図柄９３が「７」で停止し、中演出図柄９２が変動中であるため、リーチ中であることを遊技者に報知している。演出図柄表示装置６の下方にある表示例１１２には、演出ボタン６７の操作を示唆する疑似ボタンとチケット１枚と表示されている。本実施例では、表示例１１２に従って、遊技者が演出ボタン６７を操作し、特別図柄の当該変動が大当りとなる場合には図３４(ｃ)に移行する構成となっている。

【0121】

図３４(ｃ)に示すように、左演出図柄９１、中演出図柄９２と右演出図柄９３が全て停止するまえに、遊技者に当該変動が大当りとなることを告知している。その後、図３４（ｄ）に示すように、左演出図柄９１が「７」、中演出図柄９２が「７」、右演出図柄９３が「７」で停止しており、遊技者に大当りであることを報知している。なお、演出図柄表示装置６上の表示例１１８には、遊技者がチケットを１枚使用したことを示すために、現在の保有しているチケット数に１枚減算されたことを示している。

【0122】

図３５を用いて、本実施例の潜伏状態中での演出態様の一例について説明する。図３５(ａ)に示すように演出図柄表示装置６には、表示例１１６が示すように潜伏突入となっており、潜伏状態における演出となっている。そして、図３５（ｂ）に示すように変動中の左演出図柄９１、中演出図柄９２、右演出図柄９３が表示されている。左演出図柄の上方には表示例１１６には、潜伏モードと表示されている。そして、図３５(ｃ)に移行すると、演出図柄の下方に表示例１１３には「ボタンを押すと現在の遊技状態が報知されるよ♪」と表示されている。そして、遊技者は演出ボタン６７を操作すると、図３５(ｄ)又は図３５(ｅ)に移行することになる。現在の遊技状態が高確率遊技状態である場合には、図３５(ｄ)に移行する。図３５(ｄ)に示すように演出キャラクタ９４「熊の達吉」が笑った表情となっており、表示例１１７には「おめでとう！現在の遊技状態は、確変だよ♪」と表示されている。また、現在の遊技状態が通常の遊技状態の場合には、図３５(ｅ)に移行することになる。図３５(ｅ)に示すように、演出キャラクタ９４「熊の達吉」が泣いた表情なっており、表示例１１７には「残念・・現在の遊技状態は通常・・」と表示されている。なお、図３５(ｄ)及び図３５(ｅ)に示す演出図柄表示装置６上の表示例１１８には、遊技者がチケットを１０枚使用したことを示すために、現在の保有しているチケット数に１０枚減算されたことを示している。

【0123】

以上の構成によれば、所定の時間ごとに(例えば、１時間ごと)、図１７の特殊演出実行開始処理(Ｓ８２０)による特殊演出が実行される所定期間(例えば、１０分間)に、特別図柄で大当りを示す図柄が確定表示され、大当り遊技が発生すると、延長フラグがセットされる。そして、大当り遊技演出中は特殊演出が表示されない構成となっているため、大当り遊技演出を遊技者は満喫して楽しむことが可能となる。そして、延長フラグがセットされているため、図２０の特殊演出延長開始処理(Ｓ９７９)により、延長して特殊演出が実行されるため、特殊演出中に大当り遊技が発生して中断されても特殊演出が短くなってしまうことを防止することができる。

【0124】

また、特殊演出が実行される期間が延長されるか否かによって、延長して特殊演出を実行している遊技機と延長して特殊演出の実行していない遊技機が存在することになり、延長して特殊演出を実行している遊技機は目立ってしまうが、遊技者は図３２(ｃ)に示すように延長して特殊演出を実行するか否かを選択することが可能となっているため遊技者の好みに合わせることができる。

【0125】

ここで本実施例の構成・状態と、本発明の構成要件との対応関係を示す。
本発明の「大当り遊技実行手段」が図１１から図１３の特別遊技処理に相当し、本発明の「大当り遊技演出実行手段」が図１９の大当り遊技演出開始処理及び図２０の大当り遊技演出終了処理に相当し、本発明の「特殊演出実行手段」が図１７の特殊演出開始処理及び図１８の特殊演出終了処理に相当し、本発明の「特殊演出延長手段」が図１８のＳ８８５及び図２０のＳ９８０に相当し、本発明の「特殊演出延長選択手段」が図１８のＳ８８０及び図２０のＳ９７５に相当する。
[その他の実施例]

【0126】

実施例１のパチンコ機５０は特殊演出を実行するために、該パチンコ機５０のサブ統合制御装置８３にリアルタイムクロック１１５を備える構成とすることで、所定の時間毎に特殊演出の実行を可能としていている。しかし、これに限定されることなく、他の構成を備えることで特殊演出の実行を可能とする構成にしてもよい。
例えば、主制御装置８０が特殊演出の開始信号を受信し、その信号が受信されたことによって、主制御装置８０からサブ統合制御装置８３が特殊演出を開始する構成としてもよい。その場合、特殊演出を実行する複数のパチンコ機５０に対して、ホールコンピュータ等の外部装置から所定時間ごとに特殊演出を開始する旨の信号を送信し、各々の主制御装置８０がその信号を受信することで、同時に特殊演出を開始する構成が考えられる。また、サブ統合制御装置８３が直接外部装置から特殊演出を開始する旨の信号を受信し、特殊演出を開始する構成としてもよい。
他の構成として、多数のパチンコ機５０が並列した一列の１グループごとである島ごとに特殊演出の実行を管理する遊技システムを用いる構成してもよい。上記したパチンコ機５０は、その１グループに対応して遊技システムを管理する島管理装置をパチンコ機５０の外部に設ける構成とする。そして、島管理装置は、島ごとに配設されたパチンコ機５０とケーブルを介して接続された構成とし、所定時間に達することで島管理装置からケーブルを介して主制御装置８０に特殊演出を実行する旨の信号を送信し、パチンコ機５０はその信号を受信したことに起因して特殊演出を開始する構成にしてもよい。

【0127】

また、遊技施設は遊技機単体で電源を切り入れする訳ではなく、島の電源を切り入れすることで遊技機の電源を一斉に切り入れするところも多いため、サブ統合制御装置８３は電源投入時から経過時間をカウントするカウント装置をサブ統合制御装置８３に設ける構成とし、電源投入時からの経過時間をカウントし、カウント数が所定のカウンタ値に達したことに起因して、特殊演出を開始する構成にしてもよい。

【0128】

なお、本実施例では、パチンコ機５０に適用した場合の実施例を記載しているが、回胴式遊技機に適用してもよい。

【符号の説明】

【0129】

６：演出図柄表示装置
９：第１特別図柄表示装置
１０：第２特別図柄表示装置
１１：第１始動口
１２：第２始動口
１４：大入賞口
１８：第１特別図柄保留数表示装置
１９：第２特別図柄保留数表示装置
５０：パチンコ機
６７：演出ボタン
６８：ジョグダイヤル
８０：主制御装置
８３：サブ統合制御装置
１０８：第１保留図柄
１０９：第２保留図柄
１１０：第３保留図柄
１１１：第４保留図柄
１１５：リアルタイムクロック

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】

【図21】

【図22】

【図23】

【図24】

【図25】

【図26】

【図27】

【図28】

【図29】

【図30】

【図31】

【図32】

【図33】

【図34】

【図35】