特許第6364598号(P6364598)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ユニパルス株式会社の特許一覧

特許6364598圧力エア測定装置とこれを用いた工作機械システム
<>
  • 特許6364598-圧力エア測定装置とこれを用いた工作機械システム 図000002
  • 特許6364598-圧力エア測定装置とこれを用いた工作機械システム 図000003
  • 特許6364598-圧力エア測定装置とこれを用いた工作機械システム 図000004
  • 特許6364598-圧力エア測定装置とこれを用いた工作機械システム 図000005
  • 特許6364598-圧力エア測定装置とこれを用いた工作機械システム 図000006
  • 特許6364598-圧力エア測定装置とこれを用いた工作機械システム 図000007
  • 特許6364598-圧力エア測定装置とこれを用いた工作機械システム 図000008
  • 特許6364598-圧力エア測定装置とこれを用いた工作機械システム 図000009
  • 特許6364598-圧力エア測定装置とこれを用いた工作機械システム 図000010
  • 特許6364598-圧力エア測定装置とこれを用いた工作機械システム 図000011
  • 特許6364598-圧力エア測定装置とこれを用いた工作機械システム 図000012
  • 特許6364598-圧力エア測定装置とこれを用いた工作機械システム 図000013
  • 特許6364598-圧力エア測定装置とこれを用いた工作機械システム 図000014
  • 特許6364598-圧力エア測定装置とこれを用いた工作機械システム 図000015
  • 特許6364598-圧力エア測定装置とこれを用いた工作機械システム 図000016
  • 特許6364598-圧力エア測定装置とこれを用いた工作機械システム 図000017
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6364598
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】圧力エア測定装置とこれを用いた工作機械システム
(51)【国際特許分類】
   B23Q 17/00 20060101AFI20180723BHJP
   B23B 31/00 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
   B23Q17/00 B
   B23B31/00 D
   B23Q17/00 F
   B23Q17/00 D
【請求項の数】14
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-174432(P2015-174432)
(22)【出願日】2015年9月4日
(65)【公開番号】特開2016-78231(P2016-78231A)
(43)【公開日】2016年5月16日
【審査請求日】2017年2月20日
(31)【優先権主張番号】特願2014-209606(P2014-209606)
(32)【優先日】2014年10月14日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】591156799
【氏名又は名称】ユニパルス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】嶋本 篤
(72)【発明者】
【氏名】亀崎 修康
(72)【発明者】
【氏名】杉山 康之
【審査官】 津田 健嗣
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−203431(JP,A)
【文献】 特開2007−54924(JP,A)
【文献】 特開平4−300146(JP,A)
【文献】 特開2005−103735(JP,A)
【文献】 実開昭64−34143(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 17/00 − 17/24
B23B 31/00
DWPI(Derwent Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工用工具が着脱可能な工作機械の主軸に設けられた主軸流路から吹き出される圧力エアの状態を測定する前記主軸に着脱可能な圧力エア測定装置であって、
前記主軸流路と繋がって前記圧力エアの状態を測定する測定空間を有して前記圧力エアの測定に係る測定用部材を収納する筐体と、
前記測定用部材の一部を構成して、前記測定空間に配置され、前記圧力エアの状態を電気信号に変換して出力するセンサと、
前記測定用部材の一部を構成して、前記センサから出力される前記電気信号を基に前記圧力エアの状態情報を生成して前記状態情報を無線にて送信する制御回路と、を備え、
前記筐体は、一端が前記主軸流路と繋がり他端が外部へ開口している流路を有し、
前記測定空間は、前記流路の途中から分岐された箇所に設けられることを特徴とする圧力エア測定装置。
【請求項2】
前記圧力エアの前記状態情報が、前記圧力エアの圧力及び流量の少なくとも1つの測定値を含むことを特徴とする請求項1に記載の圧力エア測定装置。
【請求項3】
前記センサ及び前記制御回路に電力を供給する電源が、1次電池、2次電池及び電気二重層キャパシタの少なくとも一つを含み、
前記制御回路が、前記電源の残量に係る残量情報を無線にて送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の圧力エア測定装置。
【請求項4】
固有の識別番号を記憶保存する記憶部を有し、
前記制御回路が、前記残量情報を前記識別番号と共に無線にて送信することを特徴とする請求項3に記載の圧力エア測定装置。
【請求項5】
固有の識別番号を記憶保存する記憶部を有し、
前記制御回路が、前記状態情報を前記識別番号と共に無線にて送信することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の圧力エア測定装置。
【請求項6】
前記記憶部に記憶される前記識別番号が書換え可能であることを特徴とする請求項4又は5に記載の圧力エア測定装置。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の圧力エア測定装置と、
前記圧力エア測定装置から無線送信される前記状態情報を受信し、受信した前記状態情報に基づき前記工作機械の動作を停止させるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段に基づいて前記工作機械に停止指令を行う指令手段と、を有することを特徴とする工作機械システム。
【請求項8】
請求項3に記載の圧力エア測定装置と、
前記圧力エア測定装置から無線送信される前記残量情報を受信し、受信した前記残量情報に基づき前記工作機械の動作を停止させるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段に基づいて前記工作機械に停止指令を行う指令手段と、を有することを特徴とする工作機械システム。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の前記圧力エア測定装置と、
前記圧力エア測定装置から無線送信される前記状態情報を受信し、受信した前記状態情報を変換して、画像、音声及び振動の少なくとも1つにて出力する情報出力手段と、を有することを特徴とする工作機械システム。
【請求項10】
請求項3に記載の前記圧力エア測定装置と、
前記圧力エア測定装置から無線送信される前記残量情報を受信し、受信した前記残量情報を変換して、画像、音声及び振動の少なくとも1つにて出力する情報出力手段と、を有することを特徴とする工作機械システム。
【請求項11】
請求項5又は6に記載の圧力エア測定装置と、
前記圧力エア測定装置から無線送信される前記状態情報を前記識別番号と共に受信し、受信した前記状態情報と前記識別番号とに基づき対象とする前記工作機械の動作を停止させるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段に基づいて対象とする前記工作機械に停止指令を行う指令手段と、を有することを特徴とする工作機械システム。
【請求項12】
請求項4に記載の圧力エア測定装置と、
前記圧力エア測定装置から無線送信される前記残量情報を前記識別番号と共に受信し、受信した前記残量情報と前記識別番号とに基づき対象とする前記工作機械の動作を停止させるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段に基づいて対象とする前記工作機械に停止指令を行う指令手段と、を有することを特徴とする工作機械システム。
【請求項13】
請求項5又は6に記載の前記圧力エア測定装置と、
前記圧力エア測定装置から無線送信される前記状態情報を前記識別番号と共に受信し、受信した前記状態情報と前記識別番号を変換して、画像、音声及び振動の少なくとも1つにて出力する情報出力手段と、を有することを特徴とする工作機械システム。
【請求項14】
請求項4に記載の前記圧力エア測定装置と、
前記圧力エア測定装置から無線送信される前記残量情報を前記識別番号と共に受信し、受信した前記残量情報と前記識別番号を変換して、画像、音声及び振動の少なくとも1つにて出力する情報出力手段と、を有することを特徴とする工作機械システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、平成26年10月14日付けの出願を基礎とする国内優先権主張の出願である。本発明は、一例としてドリルなどの加工用工具を工作機械の主軸に装着する際に、主軸と当接する加工用工具のホルダ部のフランジ端面の清掃を行うために、工作機械の主軸側に設けられて圧力エアを吹き出すエア経路の詰まりを検出する圧力エア測定装置とこれを用いた工作機械システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、マシニングセンタのような工作機械では、主軸の内周面に保持する部材を介して加工用工具を保持する機構を有すると共に、この加工用工具を着脱可能にする機構を設け、所望の加工をするための複数の工具が整列されたマガジンから必要な工具を自動搬送装置で選択して、主軸に装着して加工を行うことができるように構成されている。
【0003】
マシニングセンタではこのようなオートツールチェンジャ等の自動機器の導入が進み、機械加工の自動化が飛躍的に進展し、主軸部への加工用工具の交換頻度の増加が顕著となった。自動交換に際して主軸に当接するホルダのフランジ端面は、加工用工具の交換時には主軸側から吹き出す圧力エアで清掃されて、異物の付着が無く清浄化された状態にあることは非常に重要である。
【0004】
もしこのような工作機械の主軸内に設けられた圧力エアの流路中に詰まりが生じていたり、圧力エア供給源に障害が生じたりすると、清掃が充分に行われず主軸と加工用工具の間に異物が存在して、加工用工具の保持姿勢寸法に誤差が生じ、加工精度に影響を及ぼす恐れがある。
【0005】
従来、この圧力エアの主軸流路の詰まりを検出するものとして、特許文献1が開示されている。そこでは、圧力エア供給源からエア供給流路に供給されたエアの圧力又は流量を測定して加工用工具の装着有無を判定し、さらに工具ホルダのテーパシャンクがクランプされた状態において、圧力エアの圧力又は流量を測定し、予め測定した良好な装着状態との値を比較して装着不良の有無を判定している。
【0006】
一方でまた、主軸内の圧力エア供給源とエア供給流路には弁やシーリング部材があって、これらの劣化は徐々に進行するため点検、メンテナンスが必要である。
【0007】
さらに、主軸にはクーラントを工具に向けて噴出させる流路も設けてあり、流路の詰まりは切削加工工具及び被加工物の冷却不足及び潤滑不足による加工不良を招くと共に、この主軸のクーラント流路内にある可動するシール部の摩耗によりクーラントが漏出してしまい、主軸内の機構部品を劣化させる恐れもある。このためクーラントの流路の状態を確認することも望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第4896580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところが、特許文献1に開示された工作機械の主軸流路の詰まりを検出するものでは、エアの圧力や流量の測定を主軸側で行っているため常に状態を監視できるという利点はあるものの、構造が複雑になり、本来の加工の目的では無い付帯装置が付くため、複雑な機構によるコストアップやメンテナンス作業の煩雑化等の課題があった。また目詰まりの有無の判定のため、判定基準値の条件出しが必要であり、エアの圧力や流量の測定のディレイタイミングなど細かな調整を必要としていた。
【0010】
一方、図14から図16に示すような、加工用工具と同様に着脱部を有して、工作機械の主軸100に取り付けて、主軸流路の詰まりを目視で検出する圧力エア測定装置が使用されている。図14は従来の圧力エア測定装置と主軸の構成斜視図であって、図15は従来の圧力エア測定装置が圧力エアの測定を実施した後のものを模式的に表した構成斜視図である。また図16図14の圧力エア測定装置を中央で切断して表した模式的な断面斜視図である。従来の圧力エア測定装置は主軸100に8系統設けられた圧力エアを吹き出す主軸流路101に合わせた位置で、ホルダ部2に第2の流路202があって、これと繋がって筐体41にも第3の流路203があり、さらにこれと繋がって第7の流路207、及び第8の流路208がそれぞれ8系統設けられている。そしてシリンダ42とそのシリンダ内部45で摺動可能なピストン43が第7の流路207に接続されている。主軸側の圧力エア供給源からエア流路に供給された圧力エアは主軸100側の主軸流路101、圧力エア測定装置側の第2の流路202、第3の流路203、第7の流路207を経てシリンダ内部45へ到達し、シリンダ内部45において摺動可能なピストン43を押し出し、その際のピストン43の動きや移動した距離で流路の状態を検出することができる。ピストン43aはエアの流れが良好な流路の場合であり、シリンダ42の終端まで移動している。これに対して、ピストン43b、43cは途中で留まり、エアの流路に詰まりが生じている場合である。なおシリンダ内部45の容積を超えて注入された圧力エアは第8の流路208を通じて外部へ放出される。
【0011】
このような機構によって主軸流路の目詰まり等の流路の状態を検出する場合、摺動可能なピストンはメカニカル式でありそれも複数存在するため摺動抵抗によるばらつきがあること、シリンダはある程度の長さが必要であり曲がりやすいこと、一度エア噴射を受けたピストンは伸びたまま戻らないこと、流路、ピストン及びシリンダの頻繁な清掃が必要であること等、多くの難点があったため、オートツールチェンジャに組み込んで使うことができなかった。したがって測定の際には工作機械を停止させてピストンの動きと移動ストローク量の確認を人が目視で操作して確認する必要があった。
【0012】
本発明は、上記の欠点を補って、主軸から吹き出す圧力エアの主軸内の流路の詰まり及び主軸内の流路のエア漏れ等を検出することができる圧力エア測定装置及びこれを用いた工作機械システムを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1に係る圧力エア測定装置は、上記の目的を達成するために、
加工用工具が着脱可能な工作機械の主軸に設けられた主軸流路から吹き出される圧力エアの状態を測定する主軸に着脱可能な圧力エア測定装置であって、
主軸流路と繋がって圧力エアの状態を測定する測定空間を有して圧力エアの測定に係る測定用部材を収納する筐体と、
測定用部材の一部を構成して、測定空間に配置され、圧力エアの状態を電気信号に変換して出力するセンサと、
測定用部材の一部を構成して、センサから出力される電気信号を基に圧力エアの状態情報を生成して状態情報を無線にて送信する制御回路と、で構成され
筐体は、一端が主軸流路と繋がり他端が外部へ開口している流路を有し、
測定空間は、流路の途中から分岐された箇所に設けられる。
【0014】
請求項2に係る圧力エア測定装置は、上記の目的を達成するために、
圧力エアの状態情報が、圧力エアの圧力及び流量の少なくとも1つの測定値を含んで構成されている。
【0015】
請求項3に係る圧力エア測定装置は、上記の目的を達成するために、
センサ及び制御回路に電力を供給する電源が、1次電池、2次電池及び電気二重層キャパシタの少なくとも一つを含み、
制御回路が、電源の残量に係る残量情報を無線にて送信するように構成されている。
【0016】
請求項4に係る圧力エア測定装置は、上記の目的を達成するために、
固有の識別番号を記憶保存する記憶部を有し、
制御回路が、残量情報を識別番号と共に無線にて送信するように構成されている。
【0017】
請求項5に係る圧力エア測定装置は、上記の目的を達成するために、
固有の識別番号を記憶保存する記憶部を有し、
制御回路が、状態情報を識別番号と共に無線にて送信するように構成されている。
【0018】
請求項6に係る圧力エア測定装置は、上記の目的を達成するために、
記憶部に記憶される識別番号が書換え可能で構成されている。
【0019】
また請求項7に係る工作機械システムは、
請求項1又は2に記載の圧力エア測定装置と、
圧力エア測定装置から無線送信される状態情報を受信し、受信した状態情報に基づき工作機械の動作を停止させるか否かを判断する判断手段と、
判断手段に基づいて工作機械に停止指令を行う指令手段と、で構成されている。
【0020】
また請求項8に係る工作機械システムは、
請求項3に記載の圧力エア測定装置と、
圧力エア測定装置から無線送信される残量情報を受信し、受信した残量情報に基づき工作機械の動作を停止させるか否かを判断する判断手段と、
判断手段に基づいて工作機械に停止指令を行う指令手段と、で構成されている。
【0021】
また請求項9に係る工作機械システムは、
請求項1又は2に記載の圧力エア測定装置と、
圧力エア測定装置から無線送信される状態情報を受信し、受信した状態情報を変換して、画像、音声及び振動の少なくとも1つにて出力する情報出力手段と、で構成されている。
【0022】
また請求項10に係る工作機械システムは、
請求項3に記載の圧力エア測定装置と、
圧力エア測定装置から無線送信される残量情報を受信し、受信した残量情報を変換して、画像、音声及び振動の少なくとも1つにて出力する情報出力手段と、で構成されている。
【0023】
また請求項11に係る工作機械システムは、
請求項5又は6に記載の圧力エア測定装置と、
圧力エア測定装置から無線送信される状態情報を識別番号と共に受信し、受信した状態情報と識別番号とに基づき対象とする工作機械の動作を停止させるか否かを判断する判断手段と、
判断手段に基づいて対象とする工作機械に停止指令を行う指令手段と、で構成されている。
【0024】
また請求項12に係る工作機械システムは、
請求項4に記載の圧力エア測定装置と、
圧力エア測定装置から無線送信される残量情報を識別番号と共に受信し、受信した残量情報と識別番号とに基づき対象とする工作機械の動作を停止させるか否かを判断する判断手段と、
判断手段に基づいて対象とする工作機械に停止指令を行う指令手段と、で構成されている。
【0025】
また請求項13に係る工作機械システムは、
請求項5又は6に記載の圧力エア測定装置と、
圧力エア測定装置から無線送信される状態情報を識別番号と共に受信し、受信した状態情報と識別番号を変換して、画像、音声及び振動の少なくとも1つにて出力する情報出力手段と、で構成されている。
【0026】
また請求項14に係る工作機械システムは、
請求項4に記載の圧力エア測定装置と、
圧力エア測定装置から無線送信される残量情報を識別番号と共に受信し、受信した残量情報と識別番号を変換して、画像、音声及び振動の少なくとも1つにて出力する情報出力手段と、で構成されている。
【発明の効果】
【0027】
請求項1又は2に記載の発明の圧力エア測定装置によれば、工作機械の主軸に装着可能なホルダ部を有して、主軸から吹き出す圧力エアの状態を無線送信して測定することができるため、工作機械のオートツールチェンジャに組み込んで使うことが可能となり、メンテナンスの向上を図ることができる。
【0028】
請求項3に記載の発明の圧力エア測定装置によれば、圧力エア測定装置の電源の残量情報から電源の交換や充電のタイミングを知ることができる。
【0029】
請求項4又は5に記載の発明の圧力エア測定装置によれば、複数の圧力エア測定装置を使用した場合でもそれぞれが識別可能であるため、複数台設置された工作機械それぞれに対応でき、保守管理も容易となる。
【0030】
請求項6に記載の発明の圧力エア測定装置によれば、請求項4又は5に記載の発明の効果に加えて、各圧力エア測定装置の識別番号が書換え可能であるため、圧力エア測定装置の故障等の交換の際の受信側とのペアリング設定が容易となる。
【0031】
請求項7に記載の発明の工作機械システムによれば、圧力エア測定装置から圧力エアの状態情報を受信して工作機械の動作を停止させることが可能となるため主軸の圧力エア流路の詰まりに起因する加工不良を未然に防止できる。
【0032】
請求項8に記載の発明の工作機械システムによれば、圧力エア測定装置から圧力エア測定装置の電源の残量情報を受信して圧力エア測定装置の電源残量が規定値に近づいた際には、加工のタイミングから判断して工作機械の動作を停止させることが可能となるため、圧力エア測定装置の電源残量不足によって測定中に途中停止となった後の交換作業や再測定などのロスタイムを低減できる。
【0033】
請求項9又は10に記載の発明の工作機械システムによれば、受信した圧力エアの状態情報若しくは残量情報から画像、音声や振動に変換して管理者や作業者へ告知できるので、工作機械や圧力エア測定装置の状態を容易に知ることが可能となる。
【0034】
請求項11又は12に記載の発明の工作機械システムによれば、複数の圧力エア測定装置を使用した場合でもそれぞれが識別可能であるため、複数の工作機械に対応して個々に停止動作を行うことができる。
【0035】
請求項13又は14に記載の発明の工作機械システムによれば、複数の圧力エア測定装置を使用した場合でもそれぞれが識別可能であるため、例えば複数の工作機械の状態を1つの端末にて表示等して容易に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の第1の実施形態の圧力エア測定装置の構成を示す斜視図
図2】本発明の第1の実施形態の圧力エア測定装置を中央で切断した断面斜視図
図3】本発明の第2の実施形態の圧力エア測定装置の構成を示す斜視図
図4】本発明の第2の実施形態の圧力エア測定装置を中央で切断した断面斜視図
図5】本発明の第3の実施形態の圧力エア測定装置の構成を示す斜視図
図6】本発明の第3の実施形態の圧力エア測定装置をホルダ部側から見た斜視図
図7】本発明の第3の実施形態の圧力エア測定装置を中央で切断した断面図
図8】本発明の第4の実施形態の圧力エア測定装置の構成を示す斜視図
図9】本発明の第4の実施形態の圧力エア測定装置をホルダ部側から見た斜視図
図10】本発明の第4の実施形態の圧力エア測定装置を中央で切断した断面斜視図
図11】本発明の圧力エア測定装置を用いた第1の実施形態の工作機械システムの斜視構成図
図12】本発明の圧力エア測定装置を用いた第2の実施形態の工作機械システムの斜視構成図
図13】本発明の圧力エア測定装置を用いた第3の実施形態の工作機械システムの斜視構成図
図14】従来の圧力エア測定装置と主軸の構成斜視図
図15】従来の圧力エア測定装置と主軸の模式的な構成斜視図
図16】主軸に取り付けられて圧力エア測定が行われた時の従来の圧力エア測定装置を、中央で切断した模式的な断面斜視図
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明による実施形態について、図面を基に詳細な説明を行う。
【0038】
図1は本発明の第1の実施形態を示した圧力エア測定装置1の構成斜視図であり、筐体3を外した斜視図であって圧力エア測定装置1の内部を示したものである。
【0039】
ホルダ部2のテーパシャンク2aは、従来例の図14で示すように主軸100の内部に引き込まれ、主軸100にテーパシャンク2aのテーパ面とフランジ2bのフランジ端面2dの2面拘束で拘束されるためにある。本実施形態ではJIS B 6065−1,2規格による2面拘束形モジュラテーパホルダを用いているが、他のホルダでも実施は可能である。
【0040】
フランジ2bは、テーパシャンク2aと一体となっていて、マシニングセンタのオートツールチェンジャにて工具マガジンに保管されている複数の加工用工具を所望の加工内容に応じて選択、交換のために設けられているものであり、本発明の圧力エア測定装置1でもこれを有していて主軸100に対して着脱可能となっている。また主軸100の主軸流路101に対応して、独立した8系統の貫通したエア流路を有している。
【0041】
筐体4はフランジ2bと繋がって、8系統のエア流路を有すると共に、圧力エアの状態を測定する測定用部材、すなわち後述のセンサ5、配線部材6、制御回路基板9等が収納されている。筐体4は例えばカップ状の形状であって、材質はクーラント等による腐食を防止するためA6061なるアルミ合金を用いている。図2では8系統の流路のうち2つの流路断面のみが示されているが、8系統の流路は全て同一形状で、カップ状の筐体4の中心軸を中心として放射状に形成されている。
【0042】
センサ5は、筐体4に設けられた測定空間205内に挿入されて、流路内の圧力エアの状態、例えば圧力を測定しこれをアナログ電圧若しくは電流の電気信号に変換して出力する。本実施形態では、アナログ気圧センサを用いている。そして筐体4には8系統のエア流路があるため、それぞれの経路に対してセンサ5が計8個設けられている。勿論センサ5はデジタルで測定値を出力するものを用いても良い。
【0043】
配線部材6は8個のセンサ5の入出力配線を行う基板であって、円環状の形状で筐体4の内部にて固定されている。センサ5がこの基板上に実装されていて、センサ5の駆動用電源と圧力検出の出力電圧の電気配線がなされており、不図示のコネクタ及びケーブルによって後述の制御回路基板9と接続されている。したがって配線部材6は、センサ5の位置決めを確実にすると共に、配線をまとめて組立て性を向上させている。また配線部材6は、リジッドなベース材上に貼られたフレキシブル配線板であっても良く、制御回路基板9の延長部として構成されていても良い。
【0044】
電源7は、不図示の電線ケーブル若しくは導電性の金属板など電気的に接続する手段により、センサ5及び制御回路基板9へ電力を供給している。本実施形態では充電可能な2次電池であって、ニッケル水素電池を用いている。電源7の種類は、センサ5及び制御回路基板9の駆動電圧及び消費電力や圧力エア測定装置1に要求される連続使用時間を考慮して適宜選択されるものである。すなわち圧力エア測定装置1の使用頻度が低い場合はアルカリ電池などの1次電池でも充分であって、使用頻度が高く非常に短時間での充電が必要な場合はリチウムイオン電池、電気二重層キャパシタ等も使用することができる。また本実施形態では電源7は筐体4と筐体3に囲まれた内部にあるが、これを外装が別になった電池パックとして着脱可能なもので構成しても良い。
【0045】
制御回路基板9は、圧力エア測定装置1の制御回路を搭載した基板であって、センサ5から出力されたアナログ電圧や電流の電気信号を受けてこれを基に圧力エア状態情報を生成し、これを無線にて外部へ送信する。圧力エアの状態情報とは、圧力エアの圧力及び流量の少なくとも1つの測定値を基にしたものを含んで無線にて外部へ送信する形式に変換したものである。
【0046】
圧力エアの状態の測定における圧力の測定では、圧力エア発生源からの一連のエア流路の形状や、圧力エア発生源が発するエア圧力の大きさによっては良好な時と詰まり発生時の差が小さい場合があり、また圧力エア発生源が発するエア圧力の変動が大きい場合もあり、その際は圧力エアの流量を用いて検出することが好ましい。
【0047】
圧力エアの状態の測定において流量を用いる場合は、センサ5に流量センサを用いて圧力エアの状態情報としても良いが、センサ5に圧力センサを用いて、測定した圧力値と外気との差圧から流量を演算して圧力エアの状態情報とすることも可能である。また本実施形態においては、制御回路基板9では、センサ5から受けた電気信号から所定の時間内での平均値を演算加工して状態情報を生成しているが、これらの演算を圧力エア測定装置1から受信する側にて行っても良い。
【0048】
外部への情報送信は本実施形態では2.4GHz帯の無線を用いているが、5GHz帯、920MHz帯などの周波数帯の無線送信であっても良いし、赤外線などの光線によるものでも良い。また制御回路基板9は、電源7の電圧やインピーダンスを所定の時間間隔でサンプリングして電源7の残量を監視し、残量情報を無線にて送信する機能も有している。すなわちこの残量情報は、電源7の残量に係るものであれば良く、外部の受信側にてこの受信した残量情報を基にして、充電や交換のタイミングを予め設定したしきい値によって設定された情報であってもよい。残量情報に係る演算は、状態情報と同様に圧力エア測定装置1から受信する側にて行っても良い。
【0049】
また制御回路基板9は固有の識別番号を記憶保存する記憶部を有している。この固有の識別番号は圧力エア測定装置毎に異なった番号であって、記憶部に記憶保存されている。記憶部は制御回路基板9内にあっても良いが、別途設けられてもよい。この識別番号はそれぞれ圧力エアの状態情報及び残量情報のデータ列に付与されて送信され、対象とする圧力エア測定装置1とペアリングされた受信装置は対象とした圧力エア測定装置1のみの情報を受信することができる。したがって複数の圧力エア測定装置を使用している場合、この識別番号によってどの圧力エア測定装置からのデータであるかを容易に知ることができる。また勿論受信装置側でペアリングする圧力エア測定装置1を選択することも可能である。
【0050】
さらにこの識別番号は固定であっても良いが、書換え可能であっても良い。書換えは制御回路基板9にケーブルを繋いでパーソナルコンピュータなどから行っても良いし、制御回路基板9上に設けられたディップスイッチや押し釦スイッチ等によって変更することも可能である。圧力エア測定装置が故障若しくはメンテナンスで交換を行う際には、受信側とのペアリングが必要となるため、交換する圧力エア測定装置の識別番号を書換えすることで、前に使っていた識別番号をそのまま使うことを可能にできる。
【0051】
保持板10は、カップ状の筐体4の内側底部に固定されていて、カップ円筒軸方向に伸びた形状をしており、電源7及び制御回路基板9の間にあってこれらを保持している。
【0052】
筐体3はカップ状の形状を成してプラスティック材であって、筐体4に螺合されて圧力エア測定装置1の内部の部材を覆うように設けられ、Oリング8によってその気密が保たれている。圧力エア測定装置1はマシニングセンタなどの工作機械で使用されるため、クーラント及び切削粉などが降りかかる環境であって、これらから電気回路等を保護するための気密性が必要である。
【0053】
次いで図2を参照して、本発明の第1の実施形態のエア流路の詳細について説明する。図2は本発明の圧力エア測定装置1の中央で切断した断面斜視図であり、8系統の流路のうち2つの流路が示されている。なお、8系統の流路は全て同一形状で、カップ状の筐体4の中心軸を中心として放射状に形成されている。
【0054】
フランジ端面2dは主軸100と当接する面であり、前述のように加工用工具においてこの面と同等の部分には異物等が無いように保たれることが重要である。
【0055】
フランジ端面2dを起点として、8個の主軸流路101それぞれに繋がって、第2の流路202が軸方向へ設けられている。本実施形態では第2の流路202はその断面が直径2mmの円形であって、起点部はテーパがつけられている。
【0056】
第2の流路202、第3の流路203はそれぞれホルダ部2、筐体4に連続して繋がっており、Oリング11によってその境界部の気密がなされている。第3の流路203もその断面が直径2mmの円形である。
【0057】
第4の流路204は第3の流路203から垂直に曲がって筐体4の半径方向に設けられ、本実施形態ではその断面は直径が1.45mmの円形である。
【0058】
測定空間205は第4の流路204から垂直に分岐して筐体4の軸方向へ設けたものであり、センサ5が流路内に置かれていて、その断面は直径が3mmの円形としている。
【0059】
第6の流路206は第4の流路204と繋がって、半径方向にさらに伸びて設けられている。その断面は直径が2.5mmの円形としている。
【0060】
以上の各流路の直径寸法は本実施形態での値であって、これらの値はマシニングセンタの主軸流路101の形状や吹き出す圧力エアの設定圧力等によって最適なものが採用される。
【0061】
図3は本発明の第2の実施形態を示す圧力エア測定装置の外観斜視図である。図4は本発明の第2の実施形態を示す圧力エア測定装置1を中央で切断した断面図である。本発明の第2の実施形態の基本的な構成は第1の実施形態と同じであるため、相違点のみ記述する。
【0062】
第2の実施形態は第1の実施形態と比較して、円筒カップ状の筐体4の直径が大きいものであって、その反面軸方向長は短くなり、使用対象の工作機械の仕様によって適宜選択されるものである。
【0063】
図4に示すように、ホルダ部2の第2の流路202と、筐体4の第3の流路203は、接続部材13を介して繋がっていて、筐体4の第3の流路203から分岐して測定空間205がある。圧力エアは最終的に第6の流路206によって外部へ放出される。第3の流路203は直線状であって方向を変えて軸方向に対して斜め方向へ向かう流路形状となっている。接続部材13はゴムなどの弾性体からなる円盤状の板であって、ホルダ部2の第2の流路202と筐体4の第3の流路203を接続する穴が設けられている。したがって弾性体である接続部材13がパッキンの役割を成してホルダ部2と筐体4の各流路の気密が保たれている。なお第2の実施形態では、フランジ2b及び接続部材13を連通した一連の流路を第2の流路202としている。
【0064】
筐体3は、Oリング8を介して筐体4に締め付けられて固定され密閉空間を形成している。センサ5、配線部材6、電源7、制御回路基板9等がこの筐体3と筐体4で閉じられた空間内に収納されている。センサ5は配線部材6に実装されていて、配線部材6はコネクタ若しくは電線ケーブルにて制御回路基板9と接続されている。特に第2の実施形態の圧力エア測定装置1は軸方向長さを短くするため、電源7は軸方向に短くなるように配置され、制御回路基板9の電気電子部品を実装した基板面は筐体4の円筒軸に垂直な面と略平行になるように配置されている。
【0065】
図5は本発明の第3の実施形態の圧力エア測定装置の外観斜視図であって主軸100との関係を示している。図6は本発明の第3の実施形態の圧力エア測定装置1の外観斜視図である。図7は本発明の第3の実施形態の圧力エア測定装置1を中央で切断した断面図である。本発明の第3の実施形態の基本的な構成は第1〜2の実施形態と同じであるため、相違点のみ記述する。
【0066】
第3の実施形態では主軸流路101がテーパシャンク2aのテーパ部に対応して斜めに設けられていて、テーパシャンク2aとフランジ端面2d付近に対して圧力エアを吹き出すようになっている。これは工作機械の主軸100の仕様のバリエーションによるものである。フランジ端部材2cは、気密を保つシール等に使われる弾性体でできた部材であって、主軸100に取り付けられた時、主軸流路101と繋がる第2の流路202の起点部を形成して、テーパシャンク2aの一部を覆う形状を成している。フランジ端部材2cはネジ止めされているため、容易に交換が可能であって、このフランジ端部材のバリエーションによって様々な位置に主軸流路を持つ工作機械に即座に対応可能である。
【0067】
図8図10は本発明の第4の実施形態の圧力エア測定装置を示したものである。図8は圧力エア測定装置1の外観斜視図であって筐体4を透過させて内部を示している。図9は本発明の第4の実施形態の圧力エア測定装置1をホルダ部2の先端方向から見た図である。図10は本発明の第4の実施形態の圧力エア測定装置1を中央で切断した断面斜視図である。本発明の第4の実施形態の基本的な構成は第1〜3の実施形態と同じであるため、相違点のみ記述する。
【0068】
本発明の第4の実施形態では、主軸側の圧力エア吹き出し口はテーパシャンク2aの内側にあって、通常はこれがクーラントの吹き出し口となっている。この第4の実施形態の圧力エア測定装置1は、クーラントの流路のシール漏れチェックをできるように構成されていて、このチェックはこのクーラント流路にクーラントの代わりに圧力エアを入力して行われる。したがって第4の実施形態においてはフランジ端部材2cは流路を有しておらず、主軸100と圧力エア測定装置1を密着させて気密を保つシールの役割を成している。そして主軸側の圧力エア吹き出し口と繋がって第2の流路202がテーパシャンク2aの内部に設けられ、筐体4の第3の流路203を経て測定空間205に繋がって、測定空間205に挿入されているセンサ5によって圧力エアの状態を測定することができる。
【0069】
第4の実施形態は、主軸100内の圧力エアが通る流路に設けられた弁、シール部材などの漏れを検出するための構成であるため、第1〜第3の実施形態のように圧力エアの放出口となる第6の流路206が無い。したがって主軸100の圧力エア吹き出し口から圧力エアを吹き出すと、測定空間205の圧力は徐々に上昇して、圧力エア供給源で規定した圧力付近まで到達することになる。規定の圧力付近に到達後は、圧力エア供給を停止して弁を閉じて封じた状態にして、測定空間205に置かれたセンサ5にて圧力値を監視する。規定の圧力まで到達しなかったり、圧力低下が直ぐに起こるようであれば、シール部材の劣化、異常などが生じている可能性があり、これを即座に知ることができる。
【0070】
また第4の実施形態で示した主軸100側の弁やシール部材の漏れ検出の手法を使って、第1〜第3の実施形態においても容易にチェックが実現可能である。すなわち第6の流路206の開口部分にシール付きねじ込み型の留め栓等の部材を挿入して第6の流路206を閉塞することで、主軸100内の圧力エアの流路のエア漏れ確認が可能である。
【0071】
第1〜第4の実施形態は例示であって、主軸流路101を主軸100の内部に形成した工作機械においては、様々な主軸流路に対応する流路をホルダ部2に形成することで同様の圧力エア測定装置を構成することが容易であり、同等の効果を得ることができるのは明らかである。また圧力エア測定装置1のホルダ部2は、加工用工具を支持するホルダとは違って高い寸法精度や高い剛性を要求されるものでは無く、第2の流路202が主軸流路101と漏れ無く繋がるように主軸100に保持されれば良いため、形状の自由度も高くコスト的にも有利である。
【0072】
以上説明した本発明による圧力エア測定装置1を、マシニングセンタのオートツールチェンジャの工具マガジンに装着しておき、マシニングセンタのプログラミングによってこの圧力エア測定装置1を任意のタイミングで選択して主軸100に装着して圧力エアを吹き出させ、圧力エア測定装置1から圧力エアの状態を示す圧力エア状態情報を受信して得ることで、主軸側の流路の目詰まりや漏れのチェックを行うことができる。
【0073】
図11は、本発明の圧力エア測定装置を用いた工作機械システムの第1の実施形態の斜視構成図である。圧力エア測定装置1は工作機械500の加工エリア内にあって、上述のように主軸100から吹き出される圧力エア状態情報を無線送信している。パーソナルコンピュータ503は、圧力エア状態情報を受信する受信手段を有し、受信した圧力エア状態情報から、工作機械の動作を停止させるか否かを判断する判断手段と、この判断手段によって工作機械500の制御部502へ停止を指令する指令手段を有している。
【0074】
またパーソナルコンピュータ503は電源7の残量情報も同様に受信して、工作機械の動作を停止させるか否かを判断する判断手段と、この判断手段によって工作機械500の制御部502へ停止を指令する指令手段を有している。さらにパーソナルコンピュータ503は警告をその画面に画像として表示したり、警告音を発したりすることもできる情報出力手段でもある。工作機械500の制御部502は、パーソナルコンピュータ503から工作機械の停止指令を受け取って実行すると共に、圧力エアの状態情報及び残量情報の少なくとも1つを画像信号や音声信号に変換して、操作画面501に画像を表示したり、警告音を発したりして、警告を発することができる。警告音は警告の内容によって所定の音が適宜選択可能となっている。
【0075】
さらに複数の工作機械が並んで設置されている場合、圧力エア測定装置と受信手段とのペアリングが必要となる。この場合は圧力エア測定装置の固有の識別番号が圧力エアの状態情報若しくは残量情報に付与されて送信され、受信手段はこの識別番号からどの圧力エア測定装置から送信されたデータであるかを特定認識できる。
【0076】
図12は、本発明の圧力エア測定装置を用いた工作機械システムの第2の実施形態の斜視構成図である。第2の実施形態は第1の実施形態の変形であって、第1の実施形態のパーソナルコンピュータ503の役割を成すものが制御部502に組み込まれている。したがって工作機械500の制御部502は直接圧力エア測定装置1から共に主軸100の圧力エア状態情報や電源7の残量情報を受けて工作機械500の停止判断を行い、この判断によって停止指令を発して実行すると共に、圧力エアの状態情報や電源7の残量情報を画像信号や音声信号に変換して、操作画面501に画像を表示したり、警告音を発したりして、警告を発することができる。
【0077】
図13は、本発明の圧力エア測定装置を用いた工作機械システムの第3の実施形態の斜視構成図である。第3の実施形態は第2の実施形態の変形であって、携帯端末器504は制御部502と同時に圧力エア測定装置1から主軸100の圧力エアの状態情報や電源7の残量情報を受けて警告を出力することができる。携帯端末器504は持ち運びが可能であって、管理者及び作業者が常時携帯できるものである。圧力エア測定装置の固有の識別番号が圧力エアの状態情報若しくは残量情報に付与されて無線送信されるため、携帯端末器504は複数の圧力エア測定装置からの無線信号が受信できて、工作機械が複数台並んで設置されている場合でも各圧力エア測定装置の圧力エアの状態情報や電源7の残量情報を携帯端末器504の操作スイッチの切替えによってそれぞれ容易にモニタすることができる。勿論、画面に画像を表示するばかりでなく、警告音を発したり、携帯端末器504に内蔵するモータ等による振動発生手段により携帯端末器504を振動させたりして、管理者及び作業者へ注意を促すことが可能である。また各圧力エア測定装置の識別番号は固定であっても良いが、書換え可能であっても良く、圧力エア測定装置のメンテナンスや故障などで代替品が使われる際にも携帯端末器504の設定を変更することによって容易に圧力エア測定装置の交換が可能である。
【0078】
したがって、確認の際に工作機械を停止させて手動で圧力エア測定装置を装着して、目視で確認する必要が無く、人為的な確認作業よるロス時間を低減することができる。そして主軸100の主軸流路101の目詰まりに起因して十分な清掃が行われないことによる異物付着がもたらす加工用工具装着不良を、未然に防止できる。また主軸100の主軸流路101に係るシール部材等の不良等を検出して主軸100の異常を即座に知ることでこれに起因する加工のトラブルを防止することも可能となる。
【0079】
また本発明による圧力エア測定装置1は、同じ規格のホルダに対応した工作機械であれば使用が可能なため、汎用性が高く、他の同規格の工作機械への使い回しが可能という利点もある。また違う規格のホルダ対応の工作機械に関しても、筐体及び流路を合致させて対応したホルダ部に交換することで使用可能にできるため、汎用性に優れている。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明の活用例として、マシニングセンタなどの工作機械の保全ツールとしての適用が可能である。
【符号の説明】
【0081】
1 圧力エア測定装置
2 ホルダ部
2a テーパシャンク
2b フランジ
2c フランジ端部材
2d フランジ端面
3 筐体
4 筐体
5 センサ
6 配線部材
7 電源
8 Oリング
9 制御回路基板
10 保持板
11 Oリング
13 接続部材
41 筐体
42 シリンダ
43、43a、43b、43c ピストン
44 Oリング
45 シリンダ内部
100 主軸
101 主軸流路
202 第2の流路
203 第3の流路
204 第4の流路
205 測定空間
206 第6の流路
207 第7の流路
208 第8の流路
500 工作機械
501 操作画面
502 制御部
503 パーソナルコンピュータ
504 携帯端末器

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16