特許第6365004号(P6365004)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6365004
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】計器装置
(51)【国際特許分類】
   G01D 11/24 20060101AFI20180723BHJP
   G01P 1/04 20060101ALI20180723BHJP
   B60K 35/00 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
   G01D11/24 A
   G01P1/04 A
   B60K35/00 Z
【請求項の数】1
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-132211(P2014-132211)
(22)【出願日】2014年6月27日
(65)【公開番号】特開2016-11841(P2016-11841A)
(43)【公開日】2016年1月21日
【審査請求日】2017年4月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】高野 均
【審査官】 榮永 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−187848(JP,A)
【文献】 特開2010−127697(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 11/24
G01P 1/02 − 04
B60K 35/00 − 37/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字板と、
車両の走行状況を表示する表示器と、
前記表示器と電気的に接続する回路基板と、
前記表示器を支持する支持体と、
前記文字板を保持する保持部材と、
前記表示器と前記回路基板とを収納し、先端部と壁部とを有する複数の凹部を設けるケースと、
車両の速度の回転を伝達する回転ケーブルとともに回転し、着磁されている被検出体と、
前記被検出体の回転を磁界の変化により検出する検出部とを備え、
前記検出部を前記回路基板に設けるとともに、前記検出部を前記ケース内に収納した計器装置において、
前記先端部は各々挿入されるボス孔を有し、
前記回路基板は、前記複数のビスが各々貫通する貫通孔を有し、
前記保持部材は、前記複数のビスが各々挿入固定されるボス体を有し、
前記回路基板と前記ケースとが、前記ビスと前記ボス体とによって挟んで固定され、
前記回転ケーブルは、向かい合った前記ボス孔を直線で結んだ線上に位置するように設けられ、
前記支持体は当該向かい合った前記ボス孔の間で前記保持部材に収納されていることを特徴とする計器装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体の走行状況を表示する計器装置に関し、特に二輪車の走行状況を表示する計器装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車輪の回転を伝達する回転ケーブルと共に回転する磁石と、磁石の回転を検出する回転検出器を用いて、二輪車などの移動体の走行状況を表示する計器装置が知られていた。このような計器装置は、表示器や回路基板を収容するケースを備えており、防水や防塵の効果が期待できるものであった。
【特許文献1】特開2008−32615号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、回転検出器は、ホールICやMR素子などをセンサとして採用していたが、二輪車などに搭載した場合は、振動により、ホールICを実装した回路基板と磁石を収納するケースとが共振するため、ホールICと磁石との距離が変化し、ホールICの出力特性にバラツキが生じ、速度計としての表示品位を損なってしまうという虞があった。
【0004】
そこで、本発明は、このような課題に着目してなされたものであり、表示品位に優れ、安価に移動体の走行状況を表示する計器装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明における計器装置は、文字板と、車両の走行状況を表示する表示器と、前記表示器と電気的に接続する回路基板と、前記表示器を支持する支持体と、前記文字板を保持する保持部材と、前記表示器と前記回路基板とを収納し、先端部と壁部とを有する複数の凹部を設けるケースと、車両の速度の回転を伝達する回転ケーブルとともに回転し、着磁されている被検出体と、前記被検出体の回転を磁界の変化により検出する検出部とを備え、前記検出部を前記回路基板に設けるとともに、前記検出部を前記ケース内に収納した計器装置において、
前記先端部は各々挿入されるボス孔を有し、前記回路基板は、前記複数のビスが各々貫通する貫通孔を有し、前記保持部材は、前記複数のビスが各々挿入固定されるボス体を有し、前記回路基板と前記ケースとが、前記ビスと前記ボス体とによって挟んで固定され、前記支持体は少なくとも二つのボス孔との間で保持体に収容されているものである。
【0006】
また、前記回転ケーブルは、向かい合った前記ボス孔を直線で結んだ線上に位置するように設けられるものである。
【発明の効果】
【0007】
以上のように、本発明の計器装置によれば、表示品位に優れ、安価に移動体の走行状況を表示する計器装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態の計器装置を搭載した二輪車の説明図。
図2】同実施形態の計器装置の断面図。
図3】同実施形態の計器装置の背面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本発明の基本的構成を示すもので、移動体である二輪車の計器装置を例にとって説明する。
【0010】
二輪車1は、アルミなどの金属からなるフレーム2と、ガソリンを燃料とする内燃機関(エンジン)3と、ガソリンを蓄えておく燃料タンク4と、二輪車1の運転者が座るシート5と、前輪6と、この前輪6を回転自在に保持する2本のフロントフォーク7と、計器装置8と、前輪6の回転を計器装置8に伝達する回転ケーブル9とを少なくとも備えている。なお、エンジン3、燃料タンク4、シート5はフレーム2に取り付けられており、2本のフロントフォーク7は、左右へ操舵可能な状態となるようにフレーム2に取り付けられている。
【0011】
次に、図2を用いて計器装置8を説明する。計器装置8は、二輪車1の速度を表示する速度計(表示器)10と、二輪車1の走行距離などを表示する液晶表示器(表示器)11と、速度計10と液晶表示器11と電気的に接続する回路基板12と、文字板16を保持する保持部材80と、速度計10と液晶表示器11及び回路基板12とを収納するケース13と、車両の速度の回転である前輪6の回転を伝達する回転ケーブル9とともに回転する被検出体である磁石14と、この磁石14の回転を検出する検出部であるホールIC15とを備えている。なお、17は速度計10と液晶表示器11とを制御する制御部である。
【0012】
速度計10は、指針18を備えた指針式計器である。速度計10は、指針18の他に、指針18が指示する図示しない目盛や文字などを備えた文字板16と、指針18を回転駆動する計器本体19とを備えている。
【0013】
文字板16は、貫通孔20と窓部21とを備え、文字板16の窓部21から液晶表示器11が視認される。貫通孔20は、指針18と計器本体19とを連結する回転軸22が貫通する。文字板16は、保持部材80によって、背面側から保持される。
【0014】
計器本体19は、交差コイル式計器本体やステッピングモータなどからなり、制御部17の駆動処理によって駆動されるものである。
【0015】
液晶表示器11は、前述した走行距離の他に燃料残量やエンジン冷却水温及び時刻などを表示しても良い。液晶表示器11は、液晶表示素子23と、液晶表示素子23を保持する支持体(中ケース)24と、液晶表示素子23と回路基板12とを電気的に接続する配線部材(図示せず)とを備えている。なお、26は液晶表示素子23を背後から照明する光源であり、例えば、発光ダイオードなどが好適である。
【0016】
保持部材80は、例えば白色の合成樹脂などからなり、液晶表示器11が収納される空間を有している。また、保持部材80は、文字板用光源(図示せず)の光が文字板に到達するような反射部が形成されていてもよい。保持部材80は、ビス40が挿入されるボス体81を複数有している。
【0017】
回路基板12は、ボス体81に対応した箇所に、ビス40が貫通する貫通孔121を複数有している。なお、配線部材は、回路基板12からの電気信号が液晶表示素子23に供給されるのであれば、例えば、導電ゴムや導電端子などの導電方法を適宜用いることができる。
【0018】
支持体24は、白色の合成樹脂製で、液晶表示素子23を支持するとともに、発光ダイオード26の光を均一にするための空間を形成するために箱状となっている。
【0019】
ケース13は、背面ケース13aと前面ケース13bとからなり、背面ケース13aと前面ケース13bとは、二輪車用に防水、防塵の機能を果たすように組み付けられている。なお、完全な密封構造ではなく、水は透過しないが、気体は透過する図示しないフィルターを設けることで、ケース13の内外の空気を換気することが可能である。背面ケース13aは光が透過しない、例えば、黒色の合成樹脂製であり、計器装置8の背面側を形成するものである。前面ケース13bは、光を透過する合成樹脂製であり、本実施例においては無色である。前面ケース13bは、計器装置8の前面側を形成するものである。
【0020】
背面ケース13aは、図3に示すように、向かい合って形成された壁部132aと、壁部132aを連結する先端部132bによりなる凹部132を有し、その先端部132bに、ビス40が挿入されるス孔131が複数形成されている。背面ケース13aは、ビス40が背面ケース13aから挿入され、回路基板12の貫通孔121を通過し、保持部材80のボス体81に挿入された後、ビス締めされる。
【0021】
磁石14は円板形状であり、その中央に回転軸28が貫通している。磁石14は回転軸28とともに回転するものである。また、磁石14は着磁されており、N極とS極は、その回転中心を中心に放射方向に、複数設けられている。本実施例においては、N極とS極とを合わせて8つの磁極を備えている。
【0022】
回転軸28は金属製であり、軸受29で背面ケース13aに回転可能に保持されている。回転軸28の磁石14を設けた側とは反対側には、凹部28aが設けられている。この凹部28aには、回転ケーブル9の端部9aが挿入される。凹部28aは、その長手方向に対して垂直方向の断面形状が四角形状であり、この凹部28aに挿入する端部9aも凹部28aに合致する形状である。回転ケーブル9の回転が回転軸28に伝達され、回転軸28が回転する。軸受29も金属製であり、円筒形である。軸受29は、外周に溝30を備えており、この溝30に背面ケース13aが嵌合し、軸受29が背面ケース13aに固定されている。なお、31は抜け止めリングであり、金属製のドーナツ形状で、回転軸28が軸受29から抜けることを防止するものである。
【0023】
また、回転ケーブル9は、図3に示すように、背面ケース13aの向かい合った二つのス孔131を直線で結んだ線上に位置するように設けられる。
【0024】
検出部であるホールIC15は、回路基板12に実装されており、回路基板12に設けた図示しない配線パターンと電気的に接続されている。ホールIC15は、ホール素子15aと合成樹脂からなる保護部15bとで構成されている。保護部15bは、ホール素子15aを保護するためにホール素子15aを覆っている。ホール素子15aは、半導体を用いたセンサの一種であり、磁気を検出するものである。本実施例では、磁石14の回転にともなう磁界の変化を検出することで、磁石14の回転を検出するものである。
【0025】
制御部17は、ICなどの集積回路であり、回路基板12に実装されており、回路基板12に設けた図示しない配線パターンと電気的に接続されている。制御部17は、主要部である回路部17aと回路部17aを保護する保護部17bとで構成されている。保護部17bは、回路部17aを保護するために回路部17aを覆っている。
【0026】
回路基板12と背面ケース13aの組み付けを説明する。液晶表示器11の背面側にホールIC15が配置されるように、保持部材80のボス体81と、回路基板12の貫通孔121とを合わせる。背面ケース13aのボス孔131から、貫通孔121を通過させてボス体81にビス40を挿入する。回路基板12が挟まれた状態で、保持部材80と背面ケース13aが共締めされる。
【0027】
以上のように、文字板16と、車両の走行状況を表示する表示器10、11と、この表示器10、11と電気的に接続する回路基板12と、文字板16を保持する保持部材80と、表示器10、11と回路基板12とを収納するケース13と、車両の速度の回転を伝達する回転ケーブル9とともに回転する磁石14と、磁石14の回転を検出するホールIC15とを備え、ホールIC15を回路基板12に設けるとともに、ホールIC15をケース13内に収納した計器装置8において、ケース13は、複数のビス40が挿入されるボス孔131を有し、回路基板12は、ビス40が貫通する貫通孔121を有し、保持部材80は、ビス40が挿入されるボス体81を有し、回路基板12とケース13とがビス40によって共締めされることによって、ホールIC15を実装した回路基板12と磁石14を収納するケース13とが共振した場合であっても、回路基板12が挟まれた状態で、保持部材80と背面ケース13aが共締めされることによって、回路基板12を固定し、耐振動性が向上するため、ホールIC15と磁石14との距離が変化しにくくなり、ホールIC15の出力特性が一定に保たれ、表示器としての表示品位が優れた計器装置8を提供することができる。
【0028】
また、回転ケーブル9は、背面ケース13aの向かい合ったス孔131を直線で結んだ線上に位置するように設けられることによって、背面ケース13aの向かい合ったス孔131が回転ケーブル9を中間に位置するようにビス締めすることができるので、ビスを締める力による背面ケース13aや回路基板12の撓みを防ぐとともに、ホールIC15と磁石14との距離が変化しにくくなるため、ホールIC15の出力特性が一定に保たれるので、表示器としての表示品位が優れた計器装置8を提供することができる。また、熱などによる背面ケース13aや回路基板12の撓みも抑えることができるので、ホールIC15の出力特性が一定に保たれ、表示器としての表示品位が優れた計器装置8を提供することができる。
【0029】
なお、前記実施例においては、検出部にホール素子15aを用いたホールIC15を採用していたが、前記実施例に限定されるものではなく、半導体を用いたセンサであれば、MR素子(磁気抵抗効果素子)等を採用してもよい。
【0030】
また、前記実施例においては、ホールIC15と制御部17とをそれぞれ独立していたが、ホールIC15のホール素子15aと制御部17の回路部17aとを合成樹脂や金属からなる保護部にて一体に覆ってもよい。このように構成することによって、部品点数を削減することができ、さらにコストを削減することができ、さらに安価な計器装置8を提供することができる。
【0031】
なお、前記実施例においては、速度計10は指針18を備えた指針式計器であり、11は液晶表示器であったが、表示器は、前記実施例に限定されるものではなく、例えば、液晶表示素子や有機EL素子、或いは蛍光表示管などの表示素子を採用した表示器であってもよい。
【0032】
なお、前記実施例においては、車両の速度の回転は、二輪車の前輪ホイール(ハブ)から取り出していたが、前記実施例に限定されるものではなく、例えば、内燃機関3のトランスミッションなどから取り出すものであってもよい。
【符号の説明】
【0033】
8 計器装置
9 回転ケーブル
10 速度計(表示器)
12 回路基板
13 ケース
14 磁石(被検出体)
15 ホールIC(検出部)
15a ホール素子
17 制御部
40 ビス
80 保持部材
81 ボス体
121 貫通孔
131 ボス孔
141 ビス孔
図1
図2
図3