特許第6365104号(P6365104)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6365104
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】発光装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/01 20060101AFI20180723BHJP
   G03G 15/04 20060101ALI20180723BHJP
   G03G 21/14 20060101ALI20180723BHJP
   B41J 2/447 20060101ALI20180723BHJP
   B41J 2/45 20060101ALI20180723BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
   G03G15/01 112A
   G03G15/04 111
   G03G21/14
   B41J2/447 101Q
   B41J2/45
   B41J2/447 101P
   B41J2/447 101E
   G03G21/00 510
【請求項の数】5
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-165519(P2014-165519)
(22)【出願日】2014年8月15日
(65)【公開番号】特開2016-42128(P2016-42128A)
(43)【公開日】2016年3月31日
【審査請求日】2017年7月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【弁理士】
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】伊東 謙一
【審査官】 岡▲崎▼ 輝雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−108198(JP,A)
【文献】 特開平04−296579(JP,A)
【文献】 特開平09−277589(JP,A)
【文献】 特開2011−046066(JP,A)
【文献】 特開2001−260411(JP,A)
【文献】 特開2011−025459(JP,A)
【文献】 特開2005−271242(JP,A)
【文献】 特開2008−023732(JP,A)
【文献】 特開2006−218664(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0007064(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0113208(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/01
B41J 2/447
B41J 2/45
G03G 15/04
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主走査方向に沿って配列し、順次点灯する複数の発光素子と、
前記複数の発光素子の光出力を結像させるための光学素子と、
装置の状態を調整する画像を形成する箇所に対応する発光素子について他の発光素子より点灯時間を長くするため順次点灯させる速度を変更する制御部と、
を備え
前記発光素子は、予め定められた個数毎に発光素子アレイチップに搭載されるとともに、当該発光素子アレイチップは主走査方向に沿って複数配列され、
前記装置の状態を調整する画像は、複数の前記発光素子アレイチップのうち2個の当該発光素子アレイチップの境界の位置に対応する箇所をまたぎ形成され、
前記制御部は、前記装置の状態を調整する画像を形成する場合、1ラインの形成時間において、前記2個の発光素子アレイチップの一方に搭載される前記発光素子を前記境界側から主走査方向に、通常の画像を形成する場合よりも遅い速度で順次点灯させ、当該2個の発光素子アレイチップの他方に搭載される当該発光素子を当該境界側から主走査方向とは逆方向に当該通常の画像を形成する場合よりも遅い速度で順次点灯させることを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記装置の状態を調整する画像を形成する箇所に対応する発光素子については通常よりも遅い速度で順次点灯させ、他の発光素子については点灯させないようにすることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
主走査方向に沿って配列し、順次点灯する複数の発光素子と、
前記複数の発光素子の光出力を結像させるための光学素子と、
装置の状態を調整する画像を形成する箇所に対応する発光素子について順次点灯させる速度を変更する制御部と、
を備え、
前記制御部は、通常の画像を形成する場合、1ライン形成の時間内において、当該通常の画像を形成する期間と当該通常の画像を形成しない休止期間とを設けるとともに、前記装置の状態を調整する画像を形成する場合、1ライン形成の時間内において、当該通常の画像を形成する期間に相当する期間は当該通常の画像を形成する場合と同じ速度で前記発光素子を順次点灯させ、当該休止期間に相当する期間は、当該通常の画像を形成する場合より速い速度で当該発光素子を再度順次点灯させることを特徴とする発光装置。
【請求項4】
前記発光素子は、予め定められた個数毎に発光素子アレイチップに搭載されるとともに、当該発光素子アレイチップは主走査方向に沿って複数配列し、
前記装置の状態を調整する画像は、複数の前記発光素子アレイチップのうち2個の当該発光素子アレイチップの境界の位置に対応する箇所をまたぎ形成され
前記制御部は、前記2個の発光素子アレイチップの一方に搭載される前記発光素子を前記境界側から主走査方向に順次点灯させ、当該2個の発光素子アレイチップの他方に搭載される当該発光素子を当該境界側から主走査方向とは逆方向に順次点灯させることを特徴とする請求項に記載の発光装置。
【請求項5】
像を保持する像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、
前記像保持体を露光し、静電潜像を形成させる静電潜像形成手段と、
前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
を備え
前記静電潜像形成手段が、請求項1乃至4の何れか1項に記載の発光装置であることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を採用した、プリンタや複写機、ファクシミリ等の画像形成装置では、一様に帯電された感光体上に、画像情報を光記録手段によって照射することにより静電潜像を得た後、この静電潜像にトナーを付加して可視化し、記録紙上に転写して定着することによって画像形成が行なわれる。かかる光記録手段として、レーザを用いて主走査方向にレーザ光を走査させて露光する光走査方式の他、近年では、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)アレイ光源を主走査方向に多数、配列してなるLEDヘッドを用いた光記録手段が採用されている。
【0003】
特許文献1には、直線状に配列された複数のLED素子を画データの黒画素に対応して発光させることにより1ラインの印字を行なわせる電子写真装置のLED発光制御方法であって、黒画素の印字に際して、本来の画データに対応してLED素子を発光させる他に1ラインの印字を行なうべき期間内に補助的な発光を行なわせるLEDプリンタ装置の制御方法が開示されている。
また特許文献2には、像担持体を移動し順次画素に対して各列の1ラインの発光素子で多重露光を行うようにした画像形成装置であって、同一の画素を露光する各ラインの発光素子を同一光量で発光させる制御手段と、主走査方向のDOT毎に副走査方向のDOTが発光した回数をカウントするカウント手段と、カウント手段のカウント値に応じて副走査方向の発光DOTを決定する発光DOT決定手段と、を設けた画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭10−297022号公報
【特許文献2】特開2014−730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
LED等の発光素子を用いた光源を採用した場合、装置の状態を調整する画像を形成するときに光量が不足することがあった。
本発明の目的は、発光素子間で点灯時間を変更しない場合と比較して、装置の状態を調整する画像を形成する箇所における光量を増加させる発光装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、主走査方向に沿って配列し、順次点灯する複数の発光素子と、前記複数の発光素子の光出力を結像させるための光学素子と、装置の状態を調整する画像を形成する箇所に対応する発光素子について他の発光素子より点灯時間を長くするため順次点灯させる速度を変更する制御部と、を備え、前記発光素子は、予め定められた個数毎に発光素子アレイチップに搭載されるとともに、当該発光素子アレイチップは主走査方向に沿って複数配列され、前記装置の状態を調整する画像は、複数の前記発光素子アレイチップのうち2個の当該発光素子アレイチップの境界の位置に対応する箇所をまたぎ形成され、前記制御部は、前記装置の状態を調整する画像を形成する場合、1ラインの形成時間において、前記2個の発光素子アレイチップの一方に搭載される前記発光素子を前記境界側から主走査方向に、通常の画像を形成する場合よりも遅い速度で順次点灯させ、当該2個の発光素子アレイチップの他方に搭載される当該発光素子を当該境界側から主走査方向とは逆方向に当該通常の画像を形成する場合よりも遅い速度で順次点灯させることを特徴とする発光装置である。
請求項2に記載の発明は、前記制御部は、前記装置の状態を調整する画像を形成する箇所に対応する発光素子については通常よりも遅い速度で順次点灯させ、他の発光素子については点灯させないようにすることを特徴とする請求項1に記載の発光装置である。
請求項に記載の発明は、主走査方向に沿って配列し、順次点灯する複数の発光素子と、前記複数の発光素子の光出力を結像させるための光学素子と、装置の状態を調整する画像を形成する箇所に対応する発光素子について順次点灯させる速度を変更する制御部と、を備え、前記制御部は、通常の画像を形成する場合、1ライン形成の時間内において、当該通常の画像を形成する期間と当該通常の画像を形成しない休止期間とを設けるとともに、前記装置の状態を調整する画像を形成する場合、1ライン形成の時間内において、当該通常の画像を形成する期間に相当する期間は当該通常の画像を形成する場合と同じ速度で前記発光素子を順次点灯させ、当該休止期間に相当する期間は、当該通常の画像を形成する場合より速い速度で当該発光素子を再度順次点灯させることを特徴とする発光装置である。
請求項に記載の発明は、前記発光素子は、予め定められた個数毎に発光素子アレイチップに搭載されるとともに、当該発光素子アレイチップは主走査方向に沿って複数配列し、前記装置の状態を調整する画像は、複数の前記発光素子アレイチップのうち2個の当該発光素子アレイチップの境界の位置に対応する箇所をまたぎ形成され、前記制御部は、前記2個の発光素子アレイチップの一方に搭載される前記発光素子を前記境界側から主走査方向に順次点灯させ、当該2個の発光素子アレイチップの他方に搭載される当該発光素子を当該境界側から主走査方向とは逆方向に順次点灯させることを特徴とする請求項に記載の発光装置である。
請求項5に記載の発明は、像を保持する像保持体と、前記像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、前記像保持体を露光し、静電潜像を形成させる静電潜像形成手段と、前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、を備え、前記静電潜像形成手段が、請求項1乃至4の何れか1項に記載の発光装置であることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、発光素子間で点灯時間を変更しない場合と比較して、装置の状態を調整する画像を形成する箇所における光量を増加させる発光装置を提供できる。
請求項2の発明によれば、装置の状態を調整する画像を形成する箇所に対応する発光素子について通常よりも遅い速度で順次点灯させない場合に比較して、装置の状態を調整する画像を形成する箇所に対応する発光素子について光量を増大させることができる。
請求項の発明によれば、休止期間を利用して発光素子の光量を増大させることができる。
請求項の発明によれば、2個の発光素子アレイチップを利用して発光素子の光量を増大させることができる。
請求項5の発明によれば、発光素子間で点灯時間を変更しない場合と比較して、良好な画質を得ることができる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施の形態の画像形成装置の概要を示す図である。
図2】本実施の形態が適用される発光素子ヘッドの構成を示した図である。
図3】発光素子ヘッドにおける回路基板および発光部の上面図である。
図4】(a)〜(b)は、本実施の形態が適用される発光チップの構造を説明した図である。
図5】発光チップとして自己走査型発光素子アレイチップを採用した場合の信号発生回路の構成および回路基板の配線構成を示した図である。
図6】発光チップの回路構成を説明するための図である。
図7】タイミングチャートについて説明した図である。
図8】発光素子ヘッドによる露光量とこれにより帯電した感光体ドラムの電位との関係を示した図である。
図9】本実施形態における信号発生回路の機能構成例を表すブロック図である。
図10】(a)〜(b)は、第1の実施形態において駆動波形生成部が生成する駆動波形について説明した図である。(c)は、第1の実施形態で作成される基準パッチとこの基準パッチを作成する発光チップとの位置関係を示した図である。
図11】(a)〜(b)は、第2の実施形態において駆動波形生成部が生成する駆動波形について説明した図である。(c)は、第2の実施形態で作成される基準パッチとこの基準パッチを作成する発光チップとの位置関係を示した図である。
図12】(a)〜(b)は、第3の実施形態において駆動波形生成部が生成する駆動波形について説明した図である。(c)は、第3の実施形態で作成される基準パッチとこの基準パッチを作成する発光チップとの位置関係を示した図である。
図13】第4の実施形態で作成される基準パッチとこの基準パッチを作成する発光チップとの位置関係を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<画像形成装置の全体構成の説明>
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態の画像形成装置1の概要を示す図である。
この画像形成装置1は、一般にタンデム型と呼ばれる画像形成装置である。画像形成装置1は、各色の画像データに対応して画像形成を行なう画像形成部10を備える。また、この画像形成装置1は、各画像形成ユニット11で形成された各色成分トナー像を順次転写(一次転写)保持させる中間転写ベルト20を具備する。さらに、この画像形成装置1は、中間転写ベルト20に転写されたトナー像を用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写装置30を備える。さらにまた、この画像形成装置1は、二次転写されたトナー像を用紙P上に定着させる定着装置50を有している。さらに画像形成装置1は、画像形成装置1の各機構部を制御するとともに、画像データに対して予め定められた画像処理を施す画像出力制御部90を備える。
【0010】
画像形成部10は、例えば電子写真方式にて各色成分トナー像が形成される複数(本実施の形態では4つ)の画像形成ユニット11(具体的には11Y(イエロー)、11M(マゼンタ)、11C(シアン)、11K(黒))を備える。
【0011】
各画像形成ユニット11(11Y、11M、11C、11K)は、使用されるトナーの色を除き、同じ構成を有している。そこで、イエローの画像形成ユニット11Yを例に説明を行う。イエローの画像形成ユニット11Yは、図示しない感光層を有し、矢印A方向に回転可能に配設される感光体ドラム12を具備している。この感光体ドラム12の周囲には、帯電ロール13、発光素子ヘッド14、現像器15、一次転写ロール16、およびドラムクリーナ17が配設される。これらのうち、帯電ロール13は、回転可能に感光体ドラム12に接触配置され、感光体ドラム12を予め定められた電位に帯電する。発光素子ヘッド14は、帯電ロール13によって予め定められた電位に帯電された感光体ドラム12に、光を照射し、静電潜像を書き込む。現像器15は、対応する色成分トナー(イエローの画像形成ユニット11Yではイエローのトナー)を収容し、このトナーによって感光体ドラム12上の静電潜像を現像する。一次転写ロール16は、感光体ドラム12上に形成されたトナー像を中間転写ベルト20に一次転写する。ドラムクリーナ17は、一次転写後の感光体ドラム12上の残留物(トナー等)を除去する。
【0012】
感光体ドラム12は、像を保持する像保持体として機能する。また帯電ロール13は、感光体ドラム12の表面を帯電させる帯電手段として機能し、発光素子ヘッド14は、感光体ドラム12を露光し、静電潜像を形成させる静電潜像形成手段(発光装置)として機能する。さらに現像器15は、静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段として機能する。
【0013】
像転写体としての中間転写ベルト20は、複数(本実施の形態では5つ)の支持ロールに回転可能に張架支持される。これらの支持ロールのうち、駆動ロール21は、中間転写ベルト20を張架するとともに中間転写ベルト20を駆動して回転させる。また、張架ロール22および25は、中間転写ベルト20を張架するとともに駆動ロール21によって駆動される中間転写ベルト20に従って回転する。補正ロール23は、中間転写ベルト20を張架するとともに中間転写ベルト20の搬送方向に略直交する方向の蛇行を規制するステアリングロール(軸方向一端部を支点として傾動自在に配設される)として機能する。さらに、バックアップロール24は、中間転写ベルト20を張架するとともに後述する二次転写装置30の構成部材として機能する。
また、中間転写ベルト20を挟んで駆動ロール21と対向する部位には、二次転写後の中間転写ベルト20上の残留物(トナー等)を除去するベルトクリーナ26が配設されている。そして、中間転写ベルト20には、濃度検出センサ27が対向配置されている。濃度検出センサ27は、黒の画像形成ユニット11Kに隣接して配置されており、中間転写ベルト20上に一次転写された各色のトナー像を読み取って、その濃度を検知する。
【0014】
詳しくは後述するが、本実施の形態において、画像形成ユニット11は、画像の濃度を補正するための予め定められた濃度による濃度補正用画像(基準パッチ、濃度補正用トナー像)を形成する。この濃度補正用画像は、装置の状態を調整する画像の一例である。
【0015】
二次転写装置30は、中間転写ベルト20のトナー像保持面側に圧接配置される二次転写ロール31と、中間転写ベルト20の裏面側に配置されて二次転写ロール31の対向電極をなすバックアップロール24とを備えている。このバックアップロール24には、トナーの帯電極性と同極性の二次転写バイアスを印加する給電ロール32が接触して配置されている。一方、二次転写ロール31は接地されている。
【0016】
また、用紙搬送系は、用紙トレイ40、搬送ロール41、レジストレーションロール42、搬送ベルト43、および排出ロール44を備える。用紙搬送系では、用紙トレイ40に積載された用紙Pを搬送ロール41にて搬送した後、レジストレーションロール42で一旦停止させ、その後予め定められたタイミングで二次転写装置30の二次転写位置へと送り込む。また、二次転写後の用紙Pを、搬送ベルト43を介して定着装置50へと搬送し、定着装置50から排出された用紙Pを排出ロール44によって機外へと送り出す。
【0017】
次に、この画像形成装置1の基本的な作像プロセスについて説明する。今、図示外のスタートスイッチがオン操作されると、予め定められた作像プロセスが実行される。具体的に述べると、例えばこの画像形成装置1をプリンタとして構成する場合には、PC(パーソナルコンピュータ)等、外部から入力される画像データを画像出力制御部90がまず受信する。受信された画像データは、画像出力制御部90によって画像処理が施され、画像形成ユニット11に供給される。そして画像形成ユニット11は、各色のトナー像形成を行う。すなわち、各色のデジタル画像信号に応じて各画像形成ユニット11(具体的には11Y、11M、11C、11K)をそれぞれ駆動する。次に、各画像形成ユニット11では、帯電ロール13により帯電された感光体ドラム12に、発光素子ヘッド14によりデジタル画像信号に応じた光を照射することで、静電潜像を形成する。そして、感光体ドラム12に形成された静電潜像を現像器15により現像し、各色のトナー像を形成させる。なお、この画像形成装置1を複写機として構成する場合には、図示しない原稿台にセットされる原稿をスキャナで読み取り、得られた読み取り信号を処理回路によりデジタル画像信号に変換した後、上記と同様にして各色のトナー像の形成を行うようにすればよい。
【0018】
その後、各感光体ドラム12上に形成されたトナー像は、感光体ドラム12と中間転写ベルト20とが接する一次転写位置で、一次転写ロール16によって中間転写ベルト20の表面に順次一次転写される。一方、一次転写後に感光体ドラム12上に残存するトナーは、ドラムクリーナ17によってクリーニングされる。
【0019】
このようにして中間転写ベルト20に一次転写されたトナー像は中間転写ベルト20上で重ね合わされ、中間転写ベルト20の回転に伴って二次転写位置へと搬送される。一方、用紙Pは予め定められたタイミングで二次転写位置へと搬送され、バックアップロール24に対して二次転写ロール31が用紙Pを挟持する。
【0020】
そして、二次転写位置において、二次転写ロール31とバックアップロール24との間に形成される転写電界の作用で、中間転写ベルト20上に担持されたトナー像が用紙Pに二次転写される。トナー像が転写された用紙Pは、搬送ベルト43により定着装置50へと搬送される。定着装置50では、用紙P上のトナー像が加熱・加圧定着され、その後、機外に設けられた排紙トレイ(図示せず)に送り出される。一方、二次転写後に中間転写ベルト20に残存するトナーは、ベルトクリーナ26によってクリーニングされる。
【0021】
<発光素子ヘッドの説明>
図2は、本実施の形態が適用される発光素子ヘッド14の構成を示した図である。この発光素子ヘッド14は、ハウジング61と、発光素子として複数のLEDを備えた発光部63と、発光部63や信号発生回路100(後述の図3参照)等を搭載する回路基板62と、LEDから出射された光出力を結像させて感光体を露光し静電潜像を形成させるための光学素子の一例としてのロッドレンズ(径方向屈折率分布型レンズ)アレイ64とを備えている。
【0022】
ハウジング61は、例えば金属で形成され、回路基板62およびロッドレンズアレイ64を支持し、発光部63の発光点とロッドレンズアレイ64の焦点面とが一致するように設定されている。また、ロッドレンズアレイ64は、感光体ドラム12の軸方向(主走査方向)に沿って配置されている。
【0023】
<発光部の説明>
図3は、発光素子ヘッド14における回路基板62および発光部63の上面図である。
図3に示すように、発光部63は、回路基板62上に、60個の発光素子アレイチップの一例としての発光チップC(C1〜C60)を、主走査方向に二列に向かい合わせて千鳥状に配置して構成されている。つまりこの場合、LEDは、予め定められた個数毎に発光チップCに搭載されるとともに、発光チップCは主走査方向に沿って複数配列する。この場合LEDは、主走査方向に沿って配列し、発光チップC毎に主走査方向または主走査方向とは逆方向に向けて順次点灯する。さらに、回路基板62は、発光チップCの発光素子アレイ(後述の図4参照)の発光を制御する制御部の一例としての信号発生回路100を搭載している。
【0024】
<発光素子アレイチップの説明>
図4(a)〜(b)は、本実施の形態が適用される発光チップCの構造を説明した図である。
図4(a)は、発光チップCをLEDの光が出射する方向から見た図である。また図4(b)は、図4(a)のIVb−IVb断面図である。
発光チップCには、発光素子アレイの一例として主走査方向に列状に配される複数のLED71が直線状に等間隔で配されている。また基板70の両側に発光素子アレイを駆動する信号を入出力するための電極部の一例としてのボンディングパッド72が発光素子アレイを挟むようにして配されている。そしてそれぞれのLED71には光が出射する側にマイクロレンズ73が形成されている。このマイクロレンズ73により、LED71から出射した光は集光され、感光体ドラム12(図2参照)に対して、効率よく光を入射させることができる。
このマイクロレンズ73は、光硬化性樹脂等の透明樹脂からなり、より効率よく光を集光するためその表面は非球面形状をとることが好ましい。また、マイクロレンズ73の大きさ、厚さ、焦点距離等は、使用されるLED71の波長、使用される光硬化性樹脂の屈折率等により決定される。
【0025】
<自己走査型発光素子アレイチップの説明>
なお、本実施の形態では、発光チップCとして例示した発光素子アレイチップとして自己走査型発光素子アレイ(SLED:Self-Scanning Light Emitting Device)チップを使用するのが好ましい。自己走査型発光素子アレイチップは、発光素子アレイチップの構成要素としてpnpn構造を持つ発光サイリスタを用い、発光素子の自己走査が実現できるように構成したものである。
【0026】
図5は、発光チップCとして自己走査型発光素子アレイチップを採用した場合の信号発生回路100の構成および回路基板62の配線構成を示した図である。
信号発生回路100には、画像出力制御部90(図1参照)より、ライン同期信号Lsync、画像データVdata、クロック信号clk、およびリセット信号RST等の各種制御信号が入力されるようになっている。そして、信号発生回路100は、外部から入力されてくる各種制御信号に基づいて、例えば画像データVdataの並べ替えや出力値の補正等を行い、各発光チップC(C1〜C60)のそれぞれに対して発光信号φI(φI1〜φI60)を出力する。なお、本実施の形態では、各発光チップC(C1〜C60)のそれぞれに、1個ずつ発光信号φI(φI1〜φI60)が供給されるようになっている。
【0027】
また、信号発生回路100は、外部から入力されてくる各種制御信号に基づき、各発光チップC1〜C60に対してスタート転送信号φS、第1転送信号φ1および第2転送信号φ2を出力する。
【0028】
回路基板62には、各発光チップC1〜C60のVcc端子に接続される電力供給用のVcc=−5.0Vの電源ライン101およびGND端子に接続される接地用の電源ライン102が設けられている。また、回路基板62には、信号発生回路100のスタート転送信号φS、第1転送信号φ1、第2転送信号φ2を送信するスタート転送信号ライン103、第1転送信号ライン104、第2転送信号ライン105も設けられている。さらに、回路基板62には、信号発生回路100のから各発光チップC(C1〜C60)に対して発光信号φI(φI1〜φI60)を出力する60本の発光信号ライン106(106_1〜106_60)も設けられている。なお、回路基板62には、60本の発光信号ライン106(106_1〜106_60)に過剰な電流が流れるのを防止するための60個の発光電流制限抵抗RIDが設けられている。また、発光信号φI1〜φI60は、それぞれ、後述するようにハイレベル(H)およびローレベル(L)の2状態を取りうる。そして、ローレベルは−5.0Vの電位、ハイレベルは±0.0Vの電位となっている。
【0029】
図6は、発光チップC(C1〜C60)の回路構成を説明するための図である。
発光チップCは、60個の転送サイリスタS1〜S60、60個の発光サイリスタL1〜L60を備えている。なお、発光サイリスタL1〜L60は、転送サイリスタS1〜S60と同様のpnpn接続を有しており、その中のpn接続を利用することで発光ダイオード(LED)としても機能するようになっている。また、発光チップCは、59個のダイオードD1〜D59および60個の抵抗R1〜R60を備えている。さらに、発光チップCは、第1転送信号φ1、第2転送信号φ2、そしてスタート転送信号φSが供給される信号線に、過剰な電流が流れるのを防止するための転送電流制限抵抗R1A、R2A、R3Aを有している。なお、発光素子アレイ81を構成する発光サイリスタL1〜L60は、図中左側からL1、L2、…、L59、L60の順で配列され、発光素子列すなわち発光素子アレイ81を形成している。また、転送サイリスタS1〜S60も、図中左側からS1、S2、…、S59、S60の順で配列され、スイッチ素子列すなわちスイッチ素子アレイ82を形成している。さらに、ダイオードD1〜D59も、図中左からD1、D2、…、D58、D59の順で配列されている。さらにまた、抵抗R1〜R60も、図中左からR1、R2、…R59、R60の順で配列されている。
【0030】
では次に、発光チップCにおける各素子の電気的な接続について説明する。
各転送サイリスタS1〜S60のアノード端子は、GND端子に接続されている。このGND端子には、電源ライン102(図5参照)が接続され、接地される。
【0031】
また、奇数番目の転送サイリスタS1、S3、…、S59のカソード端子は、転送電流制限抵抗R1Aを介してφ1端子に接続されている。このφ1端子には、第1転送信号ライン104(図5参照)が接続され、第1転送信号φ1が供給される。
【0032】
一方、偶数番目の転送サイリスタS2、S4、…、S60のカソード端子は、転送電流制限抵抗R2Aを介してφ2端子に接続されている。このφ2端子には、第2転送信号ライン105(図5参照)が接続され、第2転送信号φ2が供給される。
【0033】
また、各転送サイリスタS1〜S60のゲート端子G1〜G60は、各転送サイリスタS1〜S60に対応して設けられた抵抗R1〜R60をそれぞれ介してVcc端子に接続されている。このVcc端子には、電源ライン101(図5参照)が接続され、電源電圧Vcc(−5.0V)が供給される。
【0034】
さらに、各転送サイリスタS1〜S60のゲート端子G1〜G60は、対応する同番号の発光サイリスタL1〜L60のゲート端子に、1対1でそれぞれ接続されている。
【0035】
また、各転送サイリスタS1〜S59のゲート端子G1〜G59には、ダイオードD1〜D59のアノード端子が接続されており、これらダイオードD1〜D59のカソード端子は、それぞれに隣接する次段の転送サイリスタS2〜S60のゲート端子G2〜G60に接続されている。すなわち、各ダイオードD1〜D59は、転送サイリスタS1〜S60のゲート端子G1〜G60を挟んで直列接続されている。
【0036】
そして、ダイオードD1のアノード端子すなわち転送サイリスタS1のゲート端子G1は、転送電流制限抵抗R3Aを介してφS端子に接続されている。このφS端子には、スタート転送信号ライン103(図5参照)を介してスタート転送信号φSが供給される。
【0037】
次に、各発光サイリスタL1〜L60のアノード端子は、各転送サイリスタS1〜S60のアノード端子と同様に、GND端子に接続されている。
【0038】
また、各発光サイリスタL1〜L60のカソード端子は、φI端子に接続されている。このφI端子には、発光信号ライン106(発光チップC1の場合は発光信号ライン106_1:図5参照)が接続され、発光信号φI(発光チップC1の場合は発光信号φI1)が供給される。なお、他の発光チップC2〜C60には、それぞれ、対応する発光信号φI2〜φI60が供給される。
【0039】
次に、図7に示すタイミングチャートを参照しながら、露光動作における発光チップCの動作を詳細に説明する。なお、図7では、説明の便宜上、それぞれの発光サイリスタLを主走査方向で順に点灯させる場合について説明を行なう。また図7のタイミングチャートは、通常の画像形成動作の際のものである。詳しくは後述するが、プロセスコントロールの際に基準パッチ(濃度補正用画像、濃度補正用トナー像)を形成する際には、図7のものに対し、タイミングチャートは変更される。
【0040】
ここで初期状態においては、スタート転送信号φSがローレベル(L)に、第1転送信号φ1がハイレベル(H)に、第2転送信号φ2がローレベルに、そして発光信号φIがハイレベルに、それぞれ設定されているものとする。
【0041】
動作の開始に伴い、信号発生回路100から入力されるスタート転送信号φSが、ローレベルからハイレベルに変更される。これにより、発光チップCの転送サイリスタS1のゲート端子G1にハイレベルのスタート転送信号φSが供給される。このとき、ダイオードD1〜D59を介して、他の転送サイリスタS2〜S60のゲート端子G2〜G60にもスタート転送信号φSが供給される。ただし、各ダイオードD1〜D59でそれぞれ電圧降下が生じるため、転送サイリスタS1のゲート端子G1にかかる電圧が最も高くなる。
【0042】
そして、スタート転送信号φSがハイレベルとなっている状態で、信号発生回路100から入力される第1転送信号φ1が、ハイレベルからローレベルに変更される。また、第1転送信号φ1がローレベルに変更されてから第1の期間taが経過した後、第2転送信号φ2が、ローレベルからハイレベルに変更される。
【0043】
このように、スタート転送信号φSがハイレベルとなっている状態において、ローレベルの第1転送信号φ1が供給されると、発光チップCでは、ローレベルの第1転送信号φ1が供給される奇数番目の転送サイリスタS1、S3、…、S59のうち、ゲート電圧が最も高く、閾値以上となる転送サイリスタS1がターンオンする。また、このとき、第2転送信号φ2はハイレベルとなっているので、偶数番目の転送サイリスタS2、S4、…、S60のカソード電圧は高いままとなり、ターンオフの状態が維持される。このとき、発光チップCでは、奇数番目の転送サイリスタS1のみがターンオンした状態になる。これに伴い、奇数番目の転送サイリスタS1とゲート同士が接続された発光サイリスタL1がターンオンし、発光可能な状態におかれる。
【0044】
転送サイリスタS1がターンオンしている状態において、第2転送信号φ2がハイレベルに変更されてから第2の期間tbが経過した後、第2転送信号φ2がハイレベルからローレベルに変更される。すると、ローレベルの第2転送信号φ2が供給される偶数番目の転送サイリスタS2、S4、…、S60のうち、ゲート電圧が最も高く、閾値以上となる転送サイリスタS2がターンオンする。このとき、発光チップCでは、奇数番目の転送サイリスタS1とこれに隣接する偶数番目の転送サイリスタS2とが、共にターンオンした状態になる。これに伴い、既にターンオンしている発光サイリスタL1に加えて、偶数番目の転送サイリスタS2とゲート同士が接続された発光サイリスタL2がターンオンし、共に発光可能な状態におかれる。
【0045】
転送サイリスタS1および転送サイリスタS2が共にターンオンしている状態において、第2転送信号φ2がローレベルに変更されてから第3の期間tcが経過した後、第1転送信号φ1がローレベルからハイレベルに変更される。これに伴い、奇数番目の転送サイリスタS1はターンオフし、偶数番目の転送サイリスタS2のみがターンオンした状態になる。これに伴い、奇数番目の発光サイリスタL1はターンオフして発光不能な状態におかれ、偶数番目の発光サイリスタL2のみがターンオンを維持して発光可能な状態におかれる。なお、この例では、第1転送信号φ1がハイレベルに変更されるのに合わせて、スタート転送信号φSがハイレベルからローレベルに変更されている。
【0046】
転送サイリスタS2がターンオンしている状態において、第1転送信号φ1がハイレベルに変更されてから第4の期間tdが経過した後、第1転送信号φ1がハイレベルからローレベルに変更される。これに伴い、ローレベルの第1転送信号φ1が供給される奇数番目の転送サイリスタS1、S3、…、S59のうち、ゲート電圧が最も高い転送サイリスタS3がターンオンする。このとき、発光チップCでは、偶数番目の転送サイリスタS2とこれに隣接する奇数番目の転送サイリスタS3とが、共にターンオンした状態になる。これに伴い、既にターンオンしている発光サイリスタL2に加えて、奇数番目の転送サイリスタS3とゲート同士が接続された発光サイリスタL3がターンオンし、共に発光可能な状態におかれる。
【0047】
転送サイリスタS2および転送サイリスタS3が共にターンオンしている状態において、第1転送信号φ1がローレベルに変更されてから第5の期間teが経過した後、第2転送信号φ2がローレベルからハイレベルに変更される。これに伴い、偶数番目の転送サイリスタS2はターンオフし、奇数番目の転送サイリスタS3のみがターンオンした状態になる。これに伴い、偶数番目の発光サイリスタL2はターンオフして発光不能な状態におかれ、奇数番目の発光サイリスタL3のみがターンオンを維持して発光可能な状態におかれる。
【0048】
このように、発光チップCでは、第1転送信号φ1および第2転送信号φ2が共にローレベルに設定される重なり期間を設けつつ、交互にハイレベル、ローレベルが切り換えられることにより、転送サイリスタS1〜S60が番号順に順次ターンオンする。また、これに伴い、発光サイリスタL1〜L60も番号順に順次ターンオンする。このとき、第2の期間tbでは、奇数番目の転送サイリスタ(例えば転送サイリスタS1)のみがターンオンし、第3の期間tcでは、奇数番目の転送サイリスタおよび次段に設けられた偶数番目の転送サイリスタ(例えば転送サイリスタS1および転送サイリスタS2)がターンオンし、第4の期間tdでは、偶数番目の転送サイリスタ(例えば転送サイリスタS2)のみがターンオンし、第5の期間teでは、偶数番目の転送サイリスタおよび次段に設けられた奇数番目の転送サイリスタ(例えば転送サイリスタS2および転送サイリスタS3)がターンオンし、その後、再び第2の期間tbにおいて奇数番目の転送サイリスタ(例えば転送サイリスタS3)のみがターンオンする、という過程を繰り返すことになる。
【0049】
一方、発光信号φIは、基本的に、奇数番目の転送サイリスタが単独でターンオンする第2の期間tbおよび偶数番目の転送サイリスタが単独でターンオンする第4の期間tdにおいて、ハイレベルからローレベルへの変更およびローレベルからハイレベルへの変更が行われる。
【0050】
これにより発光チップC毎に、発光サイリスタL1、L2、L3、L4、…、L59、L60が、1個ずつ順番に発光(順次点灯)する。
【0051】
なお図7では、感光体ドラム12上で1ラインを露光する時間を、1ライン周期として図示している。そして感光体ドラム12上で1ラインを露光した後は、再び同様の駆動信号が生成され、発光サイリスタL1、L2、L3、L4、…、L59、L60が、1個ずつ順番に発光して次のラインを露光し、以後これを繰り返す。なお1ラインを露光する際には、最後に休止期間があり、休止期間では、露光は行なわれない。つまり1ライン周期は、実際に露光を行なっている期間と休止期間の合計となる。
【0052】
<プロセスコントロールの説明>
上述したように、各画像形成ユニット11Y、11M、11C、11Kは、それぞれ電子写真方式によって対応する色成分トナー像を形成し、形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト20に一次転写している。タンデム型の画像形成装置1では、それぞれ別々の感光体ドラム12、帯電ロール13および一次転写ロール16を用いているため、色毎にその劣化の度合いが異なる。すなわち、感光体ドラム12に設けられた感光層の厚み、帯電ロール13や一次転写ロール16の抵抗値などが画像形成ユニット11毎に相違している。また、色毎のトナーの帯電特性なども異なる。このため、各色で同一濃度の画像を形成すべく各画像形成ユニット11Y、11M、11C、11Kで対応する色成分トナー像を形成し、それを中間転写ベルト20上に一次転写したとしても、中間転写ベルト20上に形成された各色成分トナーの画像の濃度は、実際には同一とはなりにくい。
【0053】
そこで、本実施の形態では、各画像形成ユニット11Y、11M、11C、11Kで濃度補正用の基準パッチ(濃度補正用画像、濃度補正用トナー像)を作成し、これを利用して各色成分トナー像の濃度補正(プロセスコントロール)を行っている。つまり濃度補正用の基準パッチをまず中間転写ベルト20上に転写する。次に中間転写ベルト20上に転写された各色の基準パッチの濃度を読み取り手段としての濃度検出センサ27で読み取り、得られた読み取り結果に基づいて各色成分トナー像の濃度補正を行なう。そしてこの濃度補正が行われた後に、実際に用紙Pに画像形成を行なうための画像用トナー像の形成が行われる。
【0054】
しかしながらLED71(図4参照)等の発光素子を用いた光源を採用した発光素子ヘッド14では、濃度補正用の基準パッチを作成したときに、光量の不足が生じることがある。
図8は、発光素子ヘッド14による露光量とこれにより帯電した感光体ドラム12の電位との関係を示した図である。
図示するように発光素子ヘッド14による露光量が大きくなるほど感光体ドラム12の電位は下降する。そして発光素子ヘッド14による通常の露光量は、図示したようにR1〜R2の範囲(通常使用範囲)であり、この範囲内で通常の静電潜像の形成が行なわれる。
【0055】
一方、プロセスコントロールを行なう際に、濃度補正用の基準パッチを作成するときは、通常よりも高い光量(図8では、例えば、露光量がR3)により感光体ドラム12を帯電させる。即ち、感光体ドラム12表面の感光体の感度は一定ではなく、ばらつきがあるのが一般的である。そのためこの影響を極力排除するため、通常よりも高い光量により感光体ドラム12を帯電させる。このとき図8に示すように、電位は飽和し比較的一定となりやすく、感光体ドラム12の感光体の感度のばらつきの影響を受けにくくなる。
【0056】
発光素子ヘッド14による露光量を大きくするためには、例えば、LED71が点灯するDUTY比を上げる方法がある。しかし発光素子ヘッド14の製造費用が増大しやすくなる問題がある。
【0057】
そこで本実施の形態では、発光素子ヘッド14の信号発生回路100を以下の構成とし、上記問題の抑制を図っている。
【0058】
<信号発生回路の機能構成の説明>
図9は、本実施形態における信号発生回路100の機能構成例を表すブロック図である。なお図9では、信号発生回路100が有する種々の機能のうち本実施形態に関係するものを選択して図示している。
図示するように本実施の形態の信号発生回路100は、画像情報取得部111と、段差補正部112と、点灯順序並び替え部113と、駆動波形生成部114と、取り付け誤差記憶部115とを備える。
【0059】
画像情報取得部111は、画像出力制御部90から画像データ(画像情報)を受け取る。この画像データは、上述の通り、PC等の外部から入力された画像データを、画像出力制御部90において画像処理等が施され、画像形成ユニット11で画像を形成するのに使用可能とされたものである。画像処理は、具体的には、例えば、ラスタライズ処理、色変換処理、パイルハイト処理、スクリーン処理等である。
【0060】
段差補正部112は、発光チップCの段差から生じる静電潜像のずれを補正する。つまり発光チップCは、上述したように千鳥状に配列するため、もしこのまま1ラインを出力した場合、静電潜像のラインは、千鳥状となる。よってこれを補正し、ラインが一直線状になるように補正する必要がある。段差補正部112は、それぞれの発光チップCの副走査方向のずれを考慮し、このずれに対応する時間差に対応して発光チップCのLED71が点灯するように補正する。
【0061】
点灯順序並び替え部113は、段差補正部112による補正の結果を踏まえ、発光チップCのLED71の点灯の順序を決定する。そして点灯順序並び替え部113は、LED71の点灯の順序を並び替える。
【0062】
駆動波形生成部114は、LED71を点灯させるための駆動波形を生成し、駆動信号として出力する。具体的には、例えば、上述した発光信号φI、スタート転送信号φS、第1転送信号φ1および第2転送信号φ2の駆動波形を生成し駆動信号として出力する。なお詳しくは後述するが、本実施の形態では、駆動波形は、基準パッチを形成する箇所に対応するLED71と他のLED71とでその形状が変更される場合がある。
【0063】
取り付け誤差記憶部115は、主走査方向における発光チップCの取り付け誤差を記憶する。つまり発光チップCは、実装される際に、取り付け誤差が生じることがある。この誤差はわずかなものであるが、基準パッチの位置とこれを読み取る位置濃度検出センサ27との位置にずれが生ずることになる。よってこのずれの補正をするため駆動波形生成部114は、取り付け誤差記憶部115の取り付け誤差の情報に基づき駆動波形の形状の変更を行なう。そして位置濃度検出センサ27の位置においてLED71が点灯するようにする。
【0064】
<発光素子ヘッドで露光量を大きくする方法の説明>
次に発光素子ヘッド14で露光量を大きくする方法について説明を行なう。
【0065】
[第1の実施形態]
ここでは発光素子ヘッド14で露光量を大きくする方法として、まず第1の実施形態について説明を行なう。
本実施の形態では、基準パッチを形成する箇所に対応するLED71について通常より、より長く点灯を行なうとともに、基準パッチが形成されないその他の箇所に対応するLED71について通常より、より短く点灯を行なう。そしてこれを実現するため駆動波形生成部114により生成される駆動波形の変更を行なう。
【0066】
図10(a)〜(b)は、第1の実施形態において駆動波形生成部114が生成する駆動波形について説明した図である。
なおここでは説明をわかりやすくするため第1転送信号φ1について代表して図示をしているが、他の駆動波形もこれに応じて変更される。
このうち図10(a)は、通常の画像形成動作において駆動波形生成部114が生成する駆動波形について示した図である。即ち、図7で示した第1転送信号φ1と同等のものである。また図10(b)は、基準パッチを作成する際に駆動波形生成部114が生成する駆動波形について示した図である。
【0067】
図10(a)に示すように、通常の画像形成動作における第1転送信号φ1は、ハイレベルおよびローレベルが切り換えられる周期(パルス波の周期)は変更がなく、最初から最後まで同じ周期となっている。図10(a)では、これを通常転送で図示している。これによりLED71が、順次点灯される速度は、最初から最後まで同じとなる。
【0068】
一方、図10(b)では、この周期が変更され、最初は図10(a)よりも周期が短く、途中から周期が図10(a)よりも周期が長くなる。さらに最後の方では、元の図10(a)よりも周期が短い状態に戻る。これによりLED71が、順次点灯される速度は、最初は、通常より速くなり、途中から通常より遅くなる。さらに最後の方では、また通常より速くなる。図10(b)では、これをそれぞれ早転送、遅転送、早転送で図示している。つまり順次点灯される速度が速い場合(転送速度が早く、転送周期が短い場合)は、このとき点灯するLED71の点灯可能時間は通常より短くなり、光量が減少する。対して、順次点灯される速度が遅い場合(転送速度が遅く、転送周期が長い場合)は、このとき点灯するLED71の点灯可能時間は通常より長くなり、光量が増大する。
【0069】
図10(c)は、第1の実施形態で作成される基準パッチとこの基準パッチを作成する発光チップCとの位置関係を示した図である。
図10(c)では、発光チップCは、図3に示したように主走査方向に沿って配列し、この場合は、千鳥状に配列する。また図10(c)では、基準パッチTを作成する発光チップCを発光チップCnで図示している。そして発光チップCnの端部を除く中央付近で基準パッチTを作成している。なお図中矢印は、それぞれの発光チップCのLED71を順次点灯させる方向を示しており、この場合、LED71が主走査方向に向けて順次点灯する発光チップCと、LED71が主走査方向とは逆方向に向けて順次点灯する発光チップCとが交互に配列する。そして発光チップCnは、主走査方向とは逆方向に向けて順次点灯する。
【0070】
そしてこの場合、基準パッチTを形成する箇所に対応するLED71(この場合発光チップCnの端部を除く箇所のLED71)については通常よりも遅い速度で順次点灯させ、他の箇所に対応する発光素子(この場合発光チップCnの端部の箇所のLED71)については通常よりも速い速度で順次点灯可能な状態にさせるようにしている。ただし、この場合、他の箇所に対応する発光素子については、点灯可能な状態にはなるが、実際には点灯はさせない。なおここで「通常の速度」とは、通常の画像形成動作においてLED71を点灯させる速度である。
【0071】
[第2の実施形態]
次に発光素子ヘッド14で露光量を大きくする方法として、第2の実施形態について説明を行なう。
本実施の形態では、基準パッチを形成する箇所に対応するLED71について通常より、より長く点灯を行なうとともに、基準パッチが形成されないその他の箇所に対応するLED71については点灯を行なわない。そしてこれを実現するため駆動波形生成部114により生成される駆動波形の変更を行なう。
【0072】
図11(a)〜(b)は、第2の実施形態において駆動波形生成部114が生成する駆動波形について説明した図である。
このうち図11(a)は、図10(a)と同様の図であり、通常の画像形成動作において駆動波形生成部114が生成する駆動波形について示した図である。また図11(b)は、基準パッチを作成する際に駆動波形生成部114が生成する駆動波形について示した図である。なおここでも説明をわかりやすくするため第1転送信号φ1について代表して図示をしている。
【0073】
本実施の形態では、図11(b)に示すように、第1転送信号φ1について、ハイレベルおよびローレベルが切り換えられる周期は、通常より周期が長く設定される。そしてこの周期は、最初から最後まで同じ周期となっている。これによりLED71が、順次点灯される速度は、通常より遅くなる(転送速度が遅くなり、転送周期は長くなる)とともに、最初から最後まで同じとなる。図11(b)では、これをそれぞれ遅転送で図示している。つまりこのとき点灯するLED71の点灯時間は通常より長くなり、光量が増大する。ただしこの場合、順次点灯される速度が遅くなるため、1ライン形成の時間内では、発光チップCのLED71は、全ては点灯できず、途中までしか点灯しない。つまりこの場合、基準パッチTを形成する箇所に対応するLED71については通常よりも遅い速度で順次点灯させ、他の箇所に対応するLED71については点灯させないようにする。
【0074】
図11(c)は、第2の実施形態で作成される基準パッチとこの基準パッチを作成する発光チップCとの位置関係を示した図である。
図11(c)では、基準パッチTを作成する発光チップCを発光チップCn1および発光チップCn2で図示している。そしてこの場合、基準パッチTは、2個の発光チップCの境界の位置に対応する箇所をまたぎ形成される。そして基準パッチTを作成するときには、発光チップCn1および発光チップCn2を使用し、それぞれの点灯開始位置を図示するように基準パッチTの内部の位置に対応する位置とする。このとき発光チップCn1は、主走査方向とは逆方向に向けて順次点灯し、発光チップCn2は、主走査方向に向けて順次点灯する。そしてこれにより基準パッチTを作成する。本実施の形態では、発光チップCn1、Cn2のLED71は、1ライン形成の時間内では、全ては点灯できず、途中までしか点灯しないが、図示するように点灯しないLED71は、基準パッチTの作成する箇所の範囲外に位置する。よってもともと点灯させないLED71であり、基準パッチTを作成するためには、問題は生じない。
【0075】
[第3の実施形態]
次に発光素子ヘッド14で露光量を大きくする方法として、第3の実施形態について説明を行なう。
本実施の形態では、発光チップCのLED71についてまず通常の点灯を行なうとともに、さらに休止期間を利用して基準パッチTを形成する箇所に対応するLED71について順次点灯させる速度を通常より速くして点灯を行なう。即ち、基準パッチTを形成する箇所に対応するLED71については、複数回(例えば、2回)点灯し、多重露光(点灯回数が2回の場合は、二重露光)が行なわれる。
【0076】
図12(a)〜(b)は、第3の実施形態において駆動波形生成部114が生成する駆動波形について説明した図である。
このうち図12(a)は、通常の画像形成動作において駆動波形生成部114が生成する駆動波形について示した図である。また図12(b)は、基準パッチを作成する際に駆動波形生成部114が生成する駆動波形について示した図である。なおここでも説明をわかりやすくするため第1転送信号φ1について代表して図示をしている。
【0077】
この場合、図12(a)に示すように1ライン形成の時間内に、第1転送信号φ1が、ハイレベルおよびローレベルが切り換えられる期間と、休止期間が存在する。
【0078】
本実施の形態では、図12(b)に示すように、通常は休止期間となる期間において再度第1転送信号φ1について、ハイレベルおよびローレベルが切り換えられる。即ち、1ライン形成の時間内で、LED71が2回点灯するものがある。図12(b)では、これを1周目および2周目として図示している。ただし休止期間は通常は短い期間であるため、2周目においては、LED71が、順次点灯される速度は、通常より速くなる(転送速度が早くなり、転送周期が短くなる)ようにする。即ち、早転送が行なわれる。またLED71は、全ては点灯せず、途中までしか点灯しないようにしてもよい。
【0079】
図12(c)は、第3の実施形態で作成される基準パッチとこの基準パッチを作成する発光チップCとの位置関係を示した図である。
図12(c)では、基準パッチTを作成する発光チップCを発光チップCn1および発光チップCn2で図示している。そしてこの場合、図11(c)と同様に、基準パッチTは、2個の発光チップCの境界の位置に対応する箇所をまたぎ形成される。そして基準パッチTを作成するときには、発光チップCn1および発光チップCn2を使用し、それぞれの点灯開始位置を図示するように基準パッチTの内部の位置に対応する位置とする。
【0080】
この場合、1周目では、発光チップCn1、Cn2は、通常の点灯速度で点灯を行なう。そして通常は休止期間のときに、2周目として、発光チップCn1、Cn2は、再度点灯を開始し、通常より速い点灯速度で点灯を行なう。そして2周目では、途中までしか点灯しない。つまりこの場合、基準パッチTを形成する箇所に対応するLED71について、通常の速度で順次点灯させるとともに通常よりも速い速度で再度順次点灯させる。
【0081】
[第4の実施形態]
次に発光素子ヘッド14で露光量を大きくする方法として、第4の実施形態について説明を行なう。
上述した第1の実施形態〜第3の実施の形態では、信号発生回路100は、基準パッチTを形成するときに、基準パッチTを形成する箇所に対応するLED71について他の箇所に対応するLED71より点灯時間を長くするためLED71を順次点灯させる速度を変更する制御を行なっていた。
一方、第4の実施形態では、基準パッチTを形成する箇所に対応する位置において発光チップCを副走査方向にさらに加えて配置する。そして基準パッチTを形成するときには、副走査方向に並べて配置された発光チップCのLED71がともに点灯する。
【0082】
図13は、第4の実施形態で作成される基準パッチとこの基準パッチを作成する発光チップCとの位置関係を示した図である。
図13では、基準パッチTを作成する発光チップCを発光チップCn1および発光チップCn2で図示している。このうち発光チップCn1は、図3で示した主走査方向に沿って配列する発光チップCの中の1つである。対して発光チップCn2は、これらとは別に設けられ、図13の例では、発光チップCn2は、発光チップCn1を副走査方向にずらした位置に設けられる。即ち、発光チップCn1の長辺方向と発光チップCn2の長辺方向は、ほぼ平行に並ぶとともに、発光チップCn1の短辺方向と発光チップCn2の短辺方向は、ほぼ平行に並ぶ。
【0083】
この場合、発光チップCを主走査方向に沿って複数配列するとともに、基準パッチTを形成する箇所に対応する位置において発光チップCn2を副走査方向にさらに加えて配置した発光素子アレイチップ群が構成されると言うこともできる。
【0084】
そして駆動波形生成部114は、発光チップCn1と発光チップCn2に同一の駆動信号を入力する。なお駆動信号は、通常の画像形成のときと同じでよく、順次点灯される速度は通常と同じとなる。これにより発光チップCn1のLED71と発光チップCn2のLED71は、同時に点灯する。
【0085】
上述した第1の実施形態〜第4の実施の形態によれば、基準パッチTを形成する箇所に対応するLED71は、光量が増大する。よって基準パッチTを作成するときでも、LED71から発する光の光量の不足は生じにくくなる。
さらに第1の実施形態〜第3の実施の形態によれば、駆動波形生成部114によりLED71を順次点灯させる速度を変更する制御を行えばよいため、発光素子ヘッド14を製造する際の費用はほとんど増大しない。また第4の実施の形態によれば、発光チップCが基準パッチTを作成する箇所のみ発光チップCを加えて配置すればよく、同様に発光素子ヘッド14を製造する際の費用の増大は少ない。
【実施例】
【0086】
以下、本発明を実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限りこれらの実施例により限定されるものではない。
【0087】
以下の実施例において、発光チップCとしてLED71が配列する主走査方向の長さがa[mm]、LED71の1dotサイズがb[mm]のものを使用した。また基準パッチTとして主走査方向の長さがc[mm](a>c)のものを形成した。
【0088】
(実施例1)
第1の実施形態により基準パッチTを形成した。
このとき1ライン周期をx[μs]、早転送のときの転送周期をy[μs]とした場合、通常の場合と比較して、
(x−((a−c)/b)×y)/(c/b)/(x×b/a)
=a(x−y(a−c)/b)/bx倍
の露光量となる。
【0089】
(実施例2)
第2の実施形態により基準パッチTを形成した。
2個の発光チップCで露光箇所を分け、均等にc/2[mm]ずつ露光を行なった。このとき1個の発光チップCについて通常はa[mm]分露光していたのに対し、c/2[mm]分の露光となるため、2a/c倍の露光量となる。
【0090】
(実施例3)
第3の実施形態により基準パッチTを形成した。
2個の発光チップCで露光箇所を分け、均等にc/2[mm]ずつ露光を行なった。1ライン周期をx[μs]、休止期間をz[μs]とすると、通常の場合と比較して、
{(x−z/(a/b)+z/(a/b×c/2a)}/{(x−z)/(a/b)}
=a(x−bz/a+cz/2b)/b(x−z)倍
の露光量となる。
【0091】
(実施例4)
第4の実施形態により基準パッチTを形成した。
この場合、通常の1個の発光チップCで露光をする場合に比較して、2個の発光チップCで露光を行なうため、2倍の露光量となる。
【0092】
なお上述した例では、発光チップCを使用し、さらに発光チップCとして自己走査型発光素子アレイチップを使用した場合を例にとり説明を行なったがこれに限られるものではなく、LED等の発光素子は、主走査方向に沿って配列し、順次点灯するものであれば適用できる。
また上述した例では、装置の状態を調整する画像として濃度補正用画像について説明したがこれに限られるものではない。例えば、各画像形成ユニット11(11Y、11M、11C、11K)(図1参照)にて形成される各色トナー像の位置ずれを補正する画像位置補正制御(所謂「レジストレーションコントロール」)を行なうときに用いられる画像位置補正用画像(レジコンパッチ)を形成する場合についても適用できる。
【符号の説明】
【0093】
1…画像形成装置、11…画像形成ユニット、12…感光体ドラム、13…帯電ロール、14…発光素子ヘッド、15…現像器、64…ロッドレンズアレイ、90…画像出力制御部、100…信号発生回路、114…駆動波形生成部、C1〜C60…発光チップ、S1,S2,S3,…,S60…転送サイリスタ、L1,L2,L3,…,L60…発光サイリスタ、T…基準パッチ
図1
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