(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態に係るトナーコンテナのシャッター開閉装置が適用された画像形成装置の外観を示す斜視図である。
図1において、画像形成装置1の装置本体2には、画像形成装置1の様々な機能を実現するための複数の構成機器が設けられている。例えば、装置本体2には、画像形成部、定着装置、データ通信部、操作部3、給紙部4、及び排出トレイ5等が設けられている。
【0016】
データ通信部は、パーソナルコンピューター等の外部端末からネットワークを通じて画像データを受信する。画像形成部は、データ通信部で受信された画像データによって示される画像を、給紙部4から供給される記録紙に形成(印刷)する。画像形成済みの記録紙は、定着装置による定着処理を受けた後、排出トレイ5に排出される。
【0017】
操作部3は、例えば、スタートキー、操作入力を確定させる決定キー(エンターキー)、数値入力を行うための数値入力キー等を備えており、各種動作及び処理等について、操作者からの指示を受け付ける。また、操作部3は、操作者への操作案内等を表示する表示部を備えている。
【0018】
図2は、画像形成装置1における画像形成部等を模式的に示す断面図である。画像形成部11は、電子写真方式により、給紙部4から供給される記録紙Pにトナー像を形成するためのものであり、矢印方向に回転する感光体ドラム12、感光体ドラム12の表面を除電する除電部13、感光体ドラム12の表面をクリーニングするクリーニング部14、感光体ドラム12の表面を均一に帯電させる帯電部15、露光部からの露光により感光体ドラムの表面に生成された静電潜像を、トナー像に現像する現像装置16、及びトナーを現像装置16に供給するトナーコンテナ21等を備えている。
【0019】
また、感光体ドラム12は、感光体ドラム12の下方に設けられた転写ローラー18に圧接されて、該感光体ドラム12と転写ローラー18の間にニップ域を形成している。
【0020】
給紙部4から記録紙Pが供給されると、この記録紙Pが搬送路17を通じて矢印方向Aに搬送される。この記録紙Pは、感光体ドラム12と転写ローラー18の間のニップ域に通されて、感光体ドラム12の表面のトナー像を転写される。引き続いて、記録紙Pは、定着装置19に搬送され、定着装置19により記録紙Pが加熱及び加圧され、これにより記録紙P上のトナー像が定着される。更に、記録紙Pは、定着装置19から上方に湾曲した搬送路17を通じて搬送され、画像形成装置1の上側に設けられた排出トレイ5に排出される。
【0021】
次に、トナーコンテナ21について説明する。
図3は、トナーコンテナ21を正面側から見て示す斜視図である。また、
図4は、トナーコンテナ21を背面側から見て示す斜視図である。更に、
図5は、トナーコンテナ21を下方から見て示す底面図であり、また
図6は、トナーコンテナ21の上蓋23を取外して、トナーコンテナ21の内部を上方から見て示す斜視図である。
【0022】
図3乃至
図6に示すようにトナーコンテナ21は、トナーが収容されるトナー収容筐体22、及びトナー収容筐体22の上側開口部を閉じる上蓋23を備えている。トナー収容筐体22の内側には、トナーコンテナ21の長手方向に平行な撹拌部材24が回転可能に支持されている。また、トナー収容筐体22の内側底には、トナーコンテナ21の長手方向に延びる溝22aが形成され、この溝22aに搬送スクリュー25が配置されて回転可能に支持されている。
この撹拌部材24には撹拌フィルム26が設けられ、この撹拌フィルム26は切り込みにより長手方向に複数の板片に分割されており、各板片には連通口26aが形成されている。トナーは撹拌フィルム26により掻き上げられて溝22aに落ち込む。
【0023】
撹拌部材24の軸の一端部は、トナー収容筐体22の一方の側壁22bから突出して撹拌ギア27に接続されている。また、搬送スクリュー25の軸の一端部は、該側壁22bから突出して搬送ギア28に接続されている。撹拌ギア27及び搬送ギア28は、互いに歯合している。
【0024】
また、トナー収容筐体22の底部22cには、開口部22dが形成されている。この開口部22dは、トナーコンテナ21の長手方向に延びる溝22aに通じている。
【0025】
トナー収容筐体22の他方の側壁22eには、2つの回転ギア31、32が設けられている。これらの回転ギア31、32は、トナー収容筐体22の底部22cの開口部22dを開閉する外側シャッター33及び内側シャッター34(
図10等に示す)と共に回転する。
【0026】
このようなトナーコンテナ21は、画像形成装置1に着脱自在に装着されるものである。
図7は、トナーコンテナ21が画像形成装置1に装着された状態を該トナーコンテナ21の背面側から見て示す斜視図である。
【0027】
図7に示すようにトナーコンテナ21が画像形成装置1に装着された状態では、トナーコンテナ21の搬送ギア28が画像形成装置1側に設けられた駆動ギア41に歯合する。この駆動ギア41は、画像形成装置1側に設けられたモーター74(
図21に示す)により回転駆動され、この駆動ギア41に歯合する搬送ギア28が回転して、この搬送ギア28に接続されている搬送スクリュー25が回転し、この搬送スクリュー25によりトナー収容筐体22の溝22aのトナーが該トナー収容筐体22の底部22cの開口部22dへと搬送される。同時に、搬送ギア28に歯合する撹拌ギア27が回転して、この撹拌ギア27に接続されている撹拌部材24が回転し、この撹拌部材24によりトナー収容筐体22の内側のトナーが撹拌され、溝22aに供給される。
【0028】
図8は、トナーコンテナ21及び現像装置16を部分的に破断して示す斜視図である。なお、
図8においては、トナー収容筐体22の底部22cの開口部22dを開閉する外側シャッター33及び内側シャッター34が省略されている。
【0029】
図8に示すようにトナーコンテナ21は、現像装置16上に配置されて装着される。そして、トナー収容筐体22の底部22cの開口部22dが現像装置16のトナー補給口16aに重ねられる。この状態で、画像形成装置1側の駆動ギア41が回転駆動されると、この駆動ギア41に歯合する搬送ギア28が回転して、この搬送スクリュー25により溝22aのトナーが開口部22dへと搬送され、トナーが開口部22d及びトナー補給口16aを通じて現像装置16に供給される。現像装置16では、トナーを互いに連通した2本のトナー搬送路16bの一方で受けて、2本のスクリュー16cによりトナーを各トナー搬送路16bを通じて循環搬送し、トナーを現像ローラ(図示せず)の表面に付着させて、トナーを現像ローラーから感光体ドラム12(
図2に示す)の表面に供給し、感光体ドラム12の表面の静電潜像をトナー像に現像する。
【0030】
また、現像装置16のトナー補給口16aの周縁には、発泡樹脂製のシール部材(図示せず)が貼り付けられており、トナー収容筐体22の底部22cの開口部22dの周縁をそのシール部材に密接させて、開口部22dと補給口16aの間の隙間をなくし、トナーの漏れや飛散を防止している。
【0031】
次に、本実施形態に係るトナーコンテナのシャッター開閉装置について詳しく説明する。まず、収容筐体22の底部22cの開口部22dを開閉する外側シャッター33及び内側シャッター34について説明する。
図9は、外側シャッター33及び回転ギア31を示す斜視図である。また、
図10は、内側シャッター34及び回転ギア32を示す斜視図である。
【0032】
図9に示すように外側シャッター33が半円筒状のものであって、回転ギア31が環状のものであり、外側シャッター33が回転ギア31の内周に接続されている。回転ギア31が矢印方向Bに回転されると、外側シャッター33が回転移動されて、外側シャッター33によりトナー収容筐体22の開口部22dが閉じられる。
【0033】
また、
図10に示すように内側シャッター34は、円筒部34a、円筒部34aの一部を延長してなる半円筒部34b、円筒部34aの周面に設けられた2つの凸部34c、及び半円筒部34bに形成された開口部34d等を有している。また、回転ギア32は、環状のものであって、その一端面に2つの凹部32aを有している。
【0034】
ここで、内側シャッター34の半円筒部34bを回転ギア31の内側に通して、回転ギア32を内側シャッター34の円筒部34aまで押し入れ、内側シャッター34の各凸部34cを回転ギア32の各凹部32aに嵌合させる。そして、内側シャッター34の半円筒部34bを回転ギア31の内側にも通して、回転ギア31を内側シャッター34の円筒部34aまで押し入れて回転ギア32に重ね合わせると、
図11に示すように各回転ギア31、32、外側シャッター33、及び内側シャッター34が一体的に組み立てられる。
【0035】
また、
図11に示すように内側シャッター34の円筒部34aの先端が回転ギア31よりも突出して、この円筒部34aの先端にカップリング部材35が固定される。このカップリング部材35には、嵌合凹部35aが形成されている。
【0036】
こうして組み立てられた状態では、回転ギア31及び外側シャッター33は、互いに接続されているために共に回転する。また、回転ギア32及び内側シャッター34は、互いの各凹部32aと各凸部34cが嵌合しているために共に回転する。更に、回転ギア31及び外側シャッター33と、回転ギア32及び内側シャッター34とは、互いに自在に回転する。また、外側シャッター33と内側シャッター34の半円筒部34bの間には隙間が形成されて、この隙間にトナー収容筐体22の底部22cが挟まれる。
【0037】
各回転ギア31、32は、トナーコンテナ21が画像形成装置1に装着された状態でそれぞれ回転され、これに伴い外側シャッター33及び内側シャッター34が回転移動して、トナー収容筐体22の開口部22dが開閉される。
【0038】
次に、外側シャッター33及び内側シャッター34の駆動機構について説明する。
図12は、トナーコンテナ21が画像形成装置1に装着された状態を該トナーコンテナ21の正面側から見て示す斜視図である。また、
図13は、その状態を部分的に拡大して示す斜視図である。
【0039】
図12及び
図13に示すように画像形成装置1側には、歯欠けギア51、歯欠けギア51に重ね合わされた偏芯カム52、及びカム軸53が設けられており、カム軸53が歯欠けギア51及び偏芯カム52に通されて、歯欠けギア51及び偏芯カム52がカム軸53に固定されている。
【0040】
また、
図7に示すように画像形成装置1側には、駆動ギア41の他に、駆動ギア41に歯合する大ギア42、大ギア42と同軸に固定された小ギア43、小ギア43に歯合するクラッチギア44、及びクラッチギア44とカム軸53の間に介在する電磁クラッチ45が設けられている。
【0041】
そして、
図14から明らかなようにカム軸53の一方の端部に歯欠けギア51と偏芯カム52が固定され、カム軸53の他方の端部に電磁クラッチ45が設けられ、電磁クラッチ45にクラッチギア44が取付けられている。
【0042】
ここで、駆動ギア41が回転駆動されると、この駆動ギア41に歯合する大ギア42が回転して、小ギア43も回転し、この小ギア43に歯合するクラッチギア44が回転する。そして、電磁クラッチ45がオンとなって、クラッチギア44が電磁クラッチ45を介してカム軸53に接続されると、カム軸53に固定された歯欠けギア51及び偏芯カム52が回転し、歯欠けギア51が各回転ギア31、32に歯合して、各回転ギア31、32が回転し、各シャッター33、34が回転移動して、トナー収容筐体22の底部22cの開口部22dが閉じられる。
【0043】
また、電磁クラッチ45がオフとなって、クラッチギア44が電磁クラッチ45を介してカム軸53に接続されていない状態では、歯欠けギア51及び偏芯カム52が回転することはない。
【0044】
なお、駆動ギア41は、一方向のみに回転する。従って、歯欠けギア51及び偏芯カム52も一方向のみに回転し、これに伴って各シャッター33、34が開口部22dを閉じる方向に回転する。
【0045】
次に、トナーコンテナ21を画像形成装置1に装着し、トナーコンテナ21の内側シャッター34を回転移動させて、トナー収容筐体22の開口部22dを開き、トナーコンテナ21から現像装置16へのトナーの供給を開始するまでの手順を説明する。
【0046】
図15(a)は、画像形成装置1に装着される前のトナーコンテナ21の初期状態における外側シャッター33及び内側シャッター34を破断して示す斜視図である。
図15(a)に示すように外側シャッター33は、トナー収容筐体22の開口部22dを開く位置にあり、また内側シャッター34の半円筒部34bは、開口部22dを閉じる位置にある。従って、トナーコンテナ21の初期状態では、内側シャッター34の半円筒部34bのみにより開口部22dが閉じられている。
【0047】
また、外側シャッター33が開かれているため、トナーコンテナ21が現像装置16上に配置されて装着されると同時に、トナー収容筐体22の底部22cの開口部22dの周縁が現像装置16のトナー補給口16aの周縁のシール部材に密接することとなる。
【0048】
なお、
図15(a)に示すように内側シャッター34の半円筒部34bと略同一形状のシール部材36が該半円筒部34bの外周面に貼り付けられて、このシール部材36の開口部が円筒部34a開口部34dに重ねられている。
【0049】
ここで、
図7、
図12、及び
図13に示すようにトナーコンテナ21が画像形成装置1に装着されたときには、歯欠けギア51が各回転ギア31、32に歯合しない回転位置にあって、各回転ギア31、32が回転自在であり、各シャッター33、34が回転移動自在な状態となっている。
【0050】
また、トナーコンテナ21が画像形成装置1に装着されると、トナーコンテナ21の内側シャッター34の円筒部34aの先端が、画像形成装置1側に設けられた次のような受け部材61で受けられて支持される。
【0051】
図16(a)は、内側シャッター34のカップリング部材35が画像形成装置1側の受け部材61で受けられて支持された状態を、トナーコンテナ21の外側から見て示す断面図である。また、
図17は、カップリング部材35を受けて支持する画像形成装置1側の受け部材61等を、
図16(a)とは裏表反対方向から見て示す側面図である。また、
図18は、画像形成装置1側の受け部材61のみを
図16(a)とは裏表反対方向から見て示す斜視図である。
【0052】
図16(a)、
図17、及び
図18に示すように受け部材61は、本体61a、本体61aの一方の片面に形成されたU字型凹部61b、及びU字型凹部61bの内側底に形成された凸部61cを有している。そして、受け部材61は、凸部61cの先端付近を回転中心として回転自在に支持されている。
【0053】
また、受け部材61の本体61aの他方の片面には、ギア(図示せず)が形成されており、このギアがレバー62の周縁下側に形成されたギア62aに歯合している。レバー62は、回転自在に支持されており、このレバー62が矢印方向Cに手動操作されると、受け部材61が、その凸部61cの先端付近を回転中心として矢印方向Dに回転する。
【0054】
ここで、トナーコンテナ21が画像形成装置1に装着された状態では、トナーコンテナ21の内側シャッター34の円筒部34aの先端が、画像形成装置1側の受け部材61のU字型凹部61bに嵌合して支持される。また、円筒部34aの先端に固定されたカップリング部材35の嵌合凹部35aが、受け部材61の凸部61cに嵌合する。
【0055】
この状態で、レバー62が矢印方向Cに手動操作されると、
図16(a)〜(c)に示すように受け部材61が矢印方向Dに回転し、内側シャッター34の円筒部34aも矢印方向Dに回転する。
【0056】
図15(a)〜(c)は、
図16(a)〜(c)に示す内側シャッター34の円筒部34aの回転位置に対応する該内側シャッター34の開口部34dの回転位置を示している。
図15(a)〜(c)及び
図16(a)〜(c)から明らかなように受け部材61が矢印方向Dに回転して、内側シャッター34の円筒部34aが矢印方向Dに回転すると、該内側シャッター34の半円筒部34bの開口部34dがトナー収容筐体22の開口部22dに重なり、トナー収容筐体22の開口部22dが開かれる。
【0057】
このように画像形成装置1に装着される前のトナーコンテナ21の初期状態では、外側シャッター33がトナー収容筐体22の開口部22dを開く位置にあり、また内側シャッター34が開口部22dを閉じる位置にある。そして、トナーコンテナ21を画像形成装置1に装着して、トナーコンテナ21の内側シャッター34の円筒部34aの先端を画像形成装置1側の受け部材61のU字型凹部61bに嵌合させ、レバー62を矢印方向Cに手動操作すると、内側シャッター34の開口部34dが移動してトナー収容筐体22の開口部22dに重なり、トナー収容筐体22の開口部22dが開かれる。これにより、トナーコンテナ21から現像装置16へのトナーの供給が開始される。
【0058】
ところで、トナーコンテナ21が空になると、外側シャッター33及び内側シャッター34を回転移動させて、トナー収容筐体22の開口部22dを閉じてから、その空となったトナーコンテナ21を取外して、新たなトナーコンテナ21を装着する。
【0059】
しかしながら、先に述べたように現像装置16のトナー補給口16aの周縁にはシール部材(図示せず)が貼り付けられており、仮に、外側シャッター33の回転移動のときに、外側シャッター33により、そのシール部材に付着しているトナーが突き飛ばされて飛散したならば、画像形成装置1の内部が汚れる。
【0060】
そこで、本実施形態では、トナー収容筐体22を現像装置16のトナー補給口16aから離間する方向に移動させた後に、外側シャッター33を回転移動させている。このため、外側シャッター33を移動させても、外側シャッター33により、そのシール部材に付着しているトナーが突き飛ばされることはない。
【0061】
次に、トナー収容筐体22を現像装置16のトナー補給口16aから離間する方向に移動させた後に、外側シャッター33を移動させるための構成及び動作手順について詳しく説明する。
【0062】
上記構成及び動作手順は、概ね、
図11乃至
図14に示すカム軸53を回転させて、カム52によりトナー収容筐体22の底部22cを押し上げて、外側シャッター33を現像装置16のトナー補給口16aから離間する方向に移動させ、更にカム軸53を回転させて、歯欠けギア51を各回転ギア31、32に歯合させて、各回転ギア31、32を回転させ、外側シャッター33及び内側シャッター34を共に回転移動させて、トナー収容筐体22の底部22cの開口部22dを閉じるというものである。
【0063】
図19は、歯欠けギア51を拡大して示す斜視図である。
図19に示すように歯欠けギア51は、D型断面のカム軸53が挿入されるD型孔51aと、カム軸53を中心とする円周に沿って形成されたギア歯51bとを有している。
【0064】
また、
図20は、偏芯カム52を拡大して示す斜視図である。
図20に示すように偏芯カム52は、カム軸53が挿入されるD型孔52aと、カム軸53の回転中心の周りに形成されたカム面52bとを有している。カム面52bの部位c1でカム軸53の回転中心に対するカム面52bの径(離間距離)が最も短くなり、カム面52bの部位c1から部位c2までカム面52bの径が増大して、カム面52bの部位c2でカム面52bの径が最大となり、カム面52bの部位c2から部位c3まで上記最大の径が維持されている。
【0065】
ここで、歯欠けギア51のギア歯51bの始端g1が、偏芯カム52のカム面52bの部位c2と部位c3の間に位置し、歯欠けギア51のギア歯51bの終端g2が、偏芯カム52のカム面52bの部位c3に位置するように、歯欠けギア51と偏芯カム52が互いに重ねられてカム軸53に固定されている。
【0066】
なお、偏芯カム52は特許請求の範囲における筐体移動部の一例であり、歯欠けギア51、カム軸53、及び各回転ギア31、32は特許請求の範囲における連動部の一例である。
【0067】
図21は、トナーコンテナ21の制御系を示す機能ブロック図である。
図21において、トナーセンサー71は、トナー収容筐体22のトナーが無くなって、トナー収容筐体22が空になったことを検出するセンサーである。例えば、トナー収容筐体22の底部22cに透明窓を設け、光学式のトナーセンサー71により、透明窓を通じてトナーの有無を検出する。また、ポテンショメーター72は、カム軸53の回転角度を検出する。
【0068】
制御部73は、画像形成装置1側のモーター74を回転させて、駆動ギア41を回転駆動し、撹拌ギア27及び搬送ギア28を回転させて、撹拌部材24によりトナー収容筐体22の内側のトナーを撹拌させたり、搬送スクリュー25によりトナー収容筐体22の内側底の溝22aのトナーを搬送させたりする。
【0069】
また、制御部73は、トナーセンサー71の検出出力及びポテンショメーター72の検出出力に基づき電磁クラッチ45をオンオフ制御して、カム軸53を回転及び停止させる。
【0070】
図22A(a)〜(c)及び
図22B(d)、(e)は、歯欠けギア51及び偏芯カム52の回転に伴う、トナー収容筐体22の移動、外側シャッター33及び内側シャッター34の回転移動の過程を示す図である。
【0071】
図22A(a)は、トナーコンテナ21を画像形成装置1に装着して、レバー62を手動操作し、内側シャッター34の開口部34dを移動させてトナー収容筐体22の開口部22dに重ね、トナー収容筐体22の開口部22dを開いたときの歯欠けギア51、偏芯カム52、及び各シャッター33、34を示している。
【0072】
また、
図23は、
図22A(a)と同様にトナー収容筐体22の開口部22dが開かれているときの各シャッター33、34等を示す斜視図である。
【0073】
図22A(a)及び
図23に示すように外側シャッター33がトナー収容筐体22の開口部22dを開く位置にあり、かつ内側シャッター34の半円筒部34bの開口部34dがトナー収容筐体22の開口部22dに重なるため、トナー収容筐体22の開口部22dが開かれている。この状態で、制御部73は、画像形成装置1側のモーター74を回転させて、駆動ギア41を回転駆動し、撹拌ギア27及び搬送ギア28を回転させる。これにより、トナーコンテナ21から現像装置16へのトナーの供給が行われる。
【0074】
また、トナーの供給が行われている間は、駆動ギア41が回転駆動されるものの、電磁クラッチ45のオフが維持される。このため、カム軸53が回転することはない。このとき、歯欠けギア51のギア歯51bが各回転ギア31、32とは反対方向に向き、かつカム軸53が各回転ギア31、32の軸に接近している。また、偏芯カム52の径が最少となるカム面52bの部位c1が、トナー収容筐体22の底部22cに向くため、カム面52bがトナー収容筐体22の底部22cの下方の離間した位置にある。
【0075】
更に、
図23に示すように外側シャッター33の内周面の突起33aが、トナー収容筐体22の底部22cの凸部22fに当接している。このため、外側シャッター33が自重で移動して、外側シャッター33によりトナー収容筐体22の開口部22dが閉じられることはない。
【0076】
こうしてトナーコンテナ21から現像装置16へのトナーの供給が行われて、トナーコンテナ21のトナーが無くなり、トナーコンテナ21が空になったときには、制御部73は、トナーセンサー71の検出出力に基づきトナーコンテナ21のトナーが無くなったことを判定して、電磁クラッチ45をオンにする。これにより、カム軸53の回転が開始される。
【0077】
このカム軸53の回転が開始されると、
図22A(b)、(c)、
図22B(d)に示すように偏芯カム52が矢印方向Eに回転してトナー収容筐体22の底部22cに接触し、引き続いて偏芯カム52の径が最大となるカム面52bの部位c2〜c3の範囲で、偏芯カム52によりトナー収容筐体22の底部22cが押し上げられて、この底部22cが現像装置16のトナー補給口16aの周縁のシール部材から離間する。この偏芯カム52による底部22cの押上げ量は、外側シャッター33の厚み以上とする。
【0078】
また、偏芯カム52によりトナー収容筐体22の底部22cが押し上げられた状態では、カム軸53が各回転ギア31、32の軸から離間して、カム軸53と各回転ギア31、32の軸の間のピッチが、歯欠けギア51のギア歯51bを各回転ギア31、32に歯合させるのに適した距離となる
【0079】
そして、トナー収容筐体22の底部22cが現像装置16のトナー補給口16aから離間した後、矢印方向Eに回転して来た歯欠けギア51のギア歯51bが各回転ギア31、32側に向いて、歯欠けギア51のギア歯51bが各回転ギア31、32に歯合し、各回転ギア31、32が共に回転して、外側シャッター33及び内側シャッター34の半円筒部34bが矢印方向Fに回転移動する。このとき、外側シャッター33の内周面の突起33aがトナー収容筐体22の底部22cの凸部22fを乗り越えて、外側シャッター33が回転移動する。これにより、トナー収容筐体22の開口部22dが閉じられて行く。
【0080】
また、このときには、トナー収容筐体22の底部22cが現像装置16のトナー補給口16aの周縁のシール部材から外側シャッター33の厚み以上離間しているため、外側シャッター33が回転移動してもトナー補給口16aの周縁のシール部材に接触することはない。
【0081】
更に、
図22B(d)に示すように偏芯カム52のカム面52bの部位c3がトナー収容筐体22の底部22cに接触したときに、制御部73は、ポテンショメーター72によって検出されたカム軸53の回転角度が
図22B(d)に示す偏芯カム52の回転位置に対応することを判定して、電磁クラッチ45をオフにし、カム軸53の回転を停止させる。
【0082】
このため、外側シャッター33及び内側シャッター34の半円筒部34bによりトナー収容筐体22の開口部22dが閉じられた状態で、各シャッター33、34が停止される。この後、空となったトナーコンテナ21が取外されて、新たなトナーコンテナ21が装着される。
【0083】
なお、新たなトナーコンテナ21の装着に際しては、画像形成装置1の装置本体2の開閉蓋の開閉やトナーコンテナ21の着脱等をセンサー(図示せず)により検出し、このセンサーの検出出力に応答して電磁クラッチ45をオンにすると共にモーター74を回転させて、カム軸53を回転させ、ポテンショメーター72によって検出されたカム軸53の回転角度が
図22A(a)に示す偏芯カム52の回転位置に対応することを判定したときに、電磁クラッチ45をオフにして、
図22A(a)の状態に戻す。
【0084】
このように本実施形態では、トナーセンサー71の検出出力に基づきトナーコンテナ21のトナーが無くなったことを判定すると、電磁クラッチ45をオンにして、カム軸53の回転を開始させ、偏芯カム52によりトナー収容筐体22の底部22cを押し上げて、トナー収容筐体22の底部22cを現像装置16のトナー補給口16aの周縁のシール部材から離間させた後に、歯欠けギア51を各回転ギア31、32に歯合させて、各回転ギア31、32を共に回転させ、外側シャッター33及び内側シャッター34を共に回転移動させて、トナー収容筐体22の開口部22dを閉じている。このため、外側シャッター33が現像装置16のトナー補給口16aの周縁のシール部材に接触することはなく、外側シャッター33によりそのシール部材に付着しているトナーが突き飛ばされることもない。
【0085】
なお、本発明に係る画像形成装置としてモノクロプリンターを用いて説明しているが、これは一例に過ぎず、カラープリンターや他の電子機器、例えば、複合機、コピー機、ファクシミリ装置等の他の画像形成装置でもよい。
【0086】
また、
図1乃至
図23を用いて説明した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。