特許第6365475号(P6365475)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6365475
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】電源制御回路及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/26 20060101AFI20180723BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20180723BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
   G06F1/26 334D
   G03G21/00 398
   B41J29/38 Z
   B41J29/38 D
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-181938(P2015-181938)
(22)【出願日】2015年9月15日
(65)【公開番号】特開2017-58847(P2017-58847A)
(43)【公開日】2017年3月23日
【審査請求日】2017年6月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 米藏
(72)【発明者】
【氏名】梅澤 秀夫
【審査官】 征矢 崇
(56)【参考文献】
【文献】 特表2015−503806(JP,A)
【文献】 特開2009−266013(JP,A)
【文献】 特開2010−207039(JP,A)
【文献】 特開2010−226863(JP,A)
【文献】 特開2005−227502(JP,A)
【文献】 特開2010−198202(JP,A)
【文献】 特開2002−251230(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F1/26−1/32
B41J29/00−29/70
G03G21/00
H04N1/00
H02M3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源からの電力を複数の負荷に供給する際の電力供給を制御する電源制御回路であって、
前記複数の負荷が接続されるそれぞれのポートと、当該各ポートに接続された負荷に対する前記電源からの電力供給及び供給停止を切り換える電力供給部とをそれぞれに備え、更に、
前記各ポートに接続されているそれぞれの負荷から、当該各負荷固有の識別情報を取得する識別情報取得部と、
前記複数の負荷について設定されているそれぞれの電源立ち上げシーケンス情報及び電源立ち下げシーケンス情報を記憶するシーケンス情報記憶部と、
前記識別情報取得部によって取得された識別情報が示す負荷についての前記電源立ち上げシーケンス情報及び電源立ち下げシーケンス情報を前記シーケンス情報記憶部から読み出し、当該読み出した電源立ち上げシーケンス情報及び電源立ち下げシーケンス情報に従って、当該識別情報が示す前記負荷への前記電力供給部による電力供給及び供給停止を切り換えさせる切換制御部と、を備え、
前記各ポートに接続されているそれぞれの負荷に対して前記電源から前記電力供給部を経て供給されている電圧を検出する電圧検出部と、
前記電圧検出部によって検出された前記負荷についての電源立ち上げ時における電圧変化と、当該負荷について設定されている前記電源立ち上げシーケンス情報に対応付けて記憶されている電圧変化とが異なっている場合には、前記電圧検出部によって検出される当該負荷の電圧変化が、当該電源立ち上げシーケンス情報に対応付けて記憶されている電圧変化に近付くように、当該電源立ち上げシーケンス情報を変更するシーケンス情報変更部と、を更に備えた電源制御回路。
【請求項2】
電源からの電力を複数の負荷に供給する際の電力供給を制御する電源制御回路であって、
前記複数の負荷が接続されるそれぞれのポートと、当該各ポートに接続された負荷に対する前記電源からの電力供給及び供給停止を切り換える電力供給部とをそれぞれに備え、更に、
前記各ポートに接続されているそれぞれの負荷から、当該各負荷固有の識別情報を取得する識別情報取得部と、
前記複数の負荷について設定されているそれぞれの電源立ち上げシーケンス情報及び電源立ち下げシーケンス情報を記憶するシーケンス情報記憶部と、
前記識別情報取得部によって取得された識別情報が示す負荷についての前記電源立ち上げシーケンス情報及び電源立ち下げシーケンス情報を前記シーケンス情報記憶部から読み出し、当該読み出した電源立ち上げシーケンス情報及び電源立ち下げシーケンス情報に従って、当該識別情報が示す前記負荷への前記電力供給部による電力供給及び供給停止を切り換えさせる切換制御部と、を備え、
前記各ポートに接続されているそれぞれの負荷に対して前記電源から前記電力供給部を経て供給されている電圧を検出する電圧検出部と、
前記電圧検出部によって検出された前記負荷についての電源立ち下げ時における電圧変化と、当該負荷について設定されている前記電源立ち下げシーケンス情報に対応付けて記憶されている電圧変化とが異なっている場合には、前記電圧検出部によって検出される当該負荷の電圧変化が、当該電源立ち下げシーケンス情報に対応付けて記憶されている電圧変化に近付くように、当該電源立ち下げシーケンス情報を変更するシーケンス情報変更部と、を更に備えた電源制御回路。
【請求項3】
電源からの電力を複数の負荷に供給する際の電力供給を制御する電源制御回路であって、
前記複数の負荷が接続されるそれぞれのポートと、当該各ポートに接続された負荷に対する前記電源からの電力供給及び供給停止を切り換える電力供給部とをそれぞれに備え、更に、
前記各ポートに接続されているそれぞれの負荷から、当該各負荷固有の識別情報を取得する識別情報取得部と、
前記複数の負荷について設定されているそれぞれの電源立ち上げシーケンス情報及び電源立ち下げシーケンス情報を記憶するシーケンス情報記憶部と、
前記識別情報取得部によって取得された識別情報が示す負荷についての前記電源立ち上げシーケンス情報及び電源立ち下げシーケンス情報を前記シーケンス情報記憶部から読み出し、当該読み出した電源立ち上げシーケンス情報及び電源立ち下げシーケンス情報に従って、当該識別情報が示す前記負荷への前記電力供給部による電力供給及び供給停止を切り換えさせる切換制御部と、
前記各ポートに対して接続又は非接続の切換が可能に設けられたプルダウン抵抗と、
前記各ポートに負荷が接続されているか否かを検出する接続有無検出部と、
前記接続有無検出部によって前記負荷が接続されていないと検出された前記ポートに対して、前記プルダウン抵抗を接続させる抵抗接続制御部と、を備えた電源制御回路。
【請求項4】
前記各ポートに対して接続又は非接続の切換が可能に設けられたプルダウン抵抗と、
前記各ポートに負荷が接続されているか否かを検出する接続有無検出部と、
前記接続有無検出部によって前記負荷が接続されていないと検出された前記ポートに対して、前記プルダウン抵抗を接続させる抵抗接続制御部と、を更に備えた請求項1又は請求項2に記載の電源制御回路。
【請求項5】
オプション機器が後付け可能とされた画像形成装置であって、
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の電源制御回路を備え、
前記後付けされるオプション機器に対する電源供給が前記電源制御回路により制御される画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源制御回路及び画像形成装置に関し、特に、負荷に対する電力供給を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
複合機等の多機能型の画像形成装置には、後処理装置や給紙カセット等をオプション機器として後付け可能とするために、オプション機器接続用のポート(コネクター)が複数設けられたものがある。このような画像形成装置において、各ポートに接続された異なるオプション機器はそれぞれ、電源に接続される負荷容量が異なる。このため、ポートに電源を供給する回路では、電源オン/オフ時の電源制御シーケンスにおいて、電源オン時は、突入電流を防いで過度な電流による異常を発生させないために最も負荷容量の大きいオプション機器に適応した電源立ち上げシーケンスが採用されている。また、電源オフ時は、接続されているオプション機器によっては、状態保存等の電源オフ処理に時間を必要とする場合があるため、電源オフ処理に最も時間を要するオプション機器に適応した電源立ち下げシーケンスが採用されている。なお、特許文献1には、接続される負荷の消費電力に応じて、負荷に対する電力供給を変更制御する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−171899号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように画像形成装置に設けられた複数のポートに異なるオプション機器が接続される場合、オプション機器について電源オン又は電源オフ時に必要となる電源制御シーケンスは、各オプション機器の負荷容量等に応じて異なる。このため、接続されている全てのオプション機器に同一の電源制御シーケンスを採用することは好ましくない。従って、各オプション機器に対して同一の電源制御シーケンスを採用する電源制御回路を設けた場合、全てのオプション機器に対して最適な回路構成とはならず、電源オン時においてオプション機器の初期化に本来よりも多くの時間を要したり、電源オフ時に電源が変動してしまうといった問題を生じる。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、複数のオプション機器に対する電力供給制御時に、各オプション機器のそれぞれに対して適切となる電源立ち上げ及び電源立ち下げを実行できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面に係る電源制御回路は、電源からの電力を複数の負荷に供給する際の電力供給を制御する電源制御回路であって、
前記複数の負荷が接続されるそれぞれのポートと、当該各ポートに接続された負荷に対する前記電源からの電力供給及び供給停止を切り換える電力供給部とをそれぞれに備え、更に、
前記各ポートに接続されているそれぞれの負荷から、当該各負荷固有の識別情報を取得する識別情報取得部と、
前記複数の負荷について設定されているそれぞれの電源立ち上げシーケンス情報及び電源立ち下げシーケンス情報を記憶するシーケンス情報記憶部と、
前記識別情報取得部によって取得された識別情報が示す負荷についての前記電源立ち上げシーケンス情報及び電源立ち下げシーケンス情報を前記シーケンス情報記憶部から読み出し、当該読み出した電源立ち上げシーケンス情報及び電源立ち下げシーケンス情報に従って、当該識別情報が示す前記負荷への前記電力供給部による電力供給及び供給停止を切り換えさせる切換制御部と、を備え、
前記各ポートに接続されているそれぞれの負荷に対して前記電源から前記電力供給部を経て供給されている電圧を検出する電圧検出部と、
前記電圧検出部によって検出された前記負荷についての電源立ち上げ時における電圧変化と、当該負荷について設定されている前記電源立ち上げシーケンス情報に対応付けて記憶されている電圧変化とが異なっている場合には、前記電圧検出部によって検出される当該負荷の電圧変化が、当該電源立ち上げシーケンス情報に対応付けて記憶されている電圧変化に近付くように、当該電源立ち上げシーケンス情報を変更するシーケンス情報変更部と、を更に備える
【0007】
また、本発明の一局面に係る画像形成装置は、オプション機器が後付け可能とされた画像形成装置であって、上記電源制御回路を備え、
前記後付けされるオプション機器に対する電源供給が前記電源制御回路により制御されるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数のオプション機器に対する電力供給制御時に、各オプション機器のそれぞれに対して適切となる電源立ち上げ及び電源立ち下げを実行することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構造を示す図である。
図2】画像形成装置における電源制御系を示す概略ブロック図である。
図3】電源制御回路の内部構成を示す図である。
図4】電源制御回路によるオプション機器への電力供給開始時の制御を示すフローチャートである。
図5】電源制御回路によるオプション機器への電力供給停止時の制御を示すフローチャートである。
図6】各オプション機器について設定されている電源シーケンス情報を変更する制御を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態に係る電源制御回路及び画像形成装置について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構造を示す図である。
【0011】
画像形成装置1は、例えば、コピー機能、プリンター機能、スキャナー機能、及びファクシミリ機能等の複数の機能を兼ね備えた複合機である。画像形成装置1は、装置本体11に、画像形成部12、定着部13、給紙部14、用紙排出部15、原稿搬送部6、及び原稿読取部5等を備えて構成されている。更に、画像形成装置1は、本発明の一実施形態に係る用紙排出装置(後処理装置)60を備えている。
【0012】
原稿読取部5は、装置本体11の上面に装着されたコンタクトガラス161と、このコンタクトガラス161に載置された原稿を押さえる開閉自在の原稿押さえカバー162と、コンタクトガラス161に載置された原稿の画像を読み取る読取機構163とを備えている。読取機構163は、CCD(Charge Coupled Device)等を用いて原稿の画像を光学的に読み取り、画像データを生成する。
【0013】
原稿搬送部6は、原稿が載置される原稿載置台61と、画像読み取り済みの原稿が排出される原稿排出部66と、原稿搬送機構65と、を備える。原稿搬送機構65は、図略の給紙ローラー、搬送ローラー、及び用紙反転機構を備えている。原稿搬送機構65は、給紙ローラー及び搬送ローラーの駆動により、原稿載置台61に載置された原稿を1枚ずつ繰り出して原稿読取スリット53に対向する位置へ搬送し、原稿読取スリット53を介して読取機構163による読取を可能とした後、原稿排出部66へと排出する。
【0014】
装置本体11には、画像形成部12、定着部13及び給紙部14が内装されている。給紙部14は、装置本体11に対して挿脱可能の給紙カセット142,143,144を有している。給紙カセット142,143,144にはシート状の記録媒体(以下、単に用紙と言う)が積層されてなる用紙束Pがそれぞれ収容されている。
【0015】
画像形成部12は、給紙部14から給紙された記録紙にトナー像を形成する画像形成動作を行う。画像形成部12は、中間転写ベルト125の走行方向において上流側から下流側へ向けて順次配設された、マゼンタ色のトナーを用いるマゼンタ用の画像形成ユニット12M、シアン色のトナーを用いるシアン用の画像形成ユニット12C、イエロー色のトナーを用いるイエロー用の画像形成ユニット12Y及びブラック色のトナーを用いるブラック用の画像形成ユニット12B(以下、各画像形成ユニットを区別することなく述べる場合には、それぞれを「画像形成ユニット120」と言う)と、駆動ローラー125a(二次転写対向ローラー)等の複数のローラー間に画像形成における副走査方向へ無端走行可能に張架された中間転写ベルト125と、中間転写ベルト125が駆動ローラー125aに張架される部分で中間転写ベルト125の外周面に当接する二次転写ローラー210とを備えている。
【0016】
各画像形成ユニット120は、感光体ドラム121と、感光体ドラム121へトナーを供給する現像装置122と、トナーを収容するトナーカートリッジ(不図示)と、帯電装置123と、露光装置124と、一次転写ローラー126と、ドラムクリーニング装置127とをそれぞれ備えている。
【0017】
中間転写ベルト125を挟んで各感光体ドラム121に対向する位置には、一次転写ローラー126が設けられている。この一次転写ローラー126には、図略の転写バイアス印加機構により転写バイアスが印加され、一次転写ローラー126は、各感光体ドラム121の外周面に形成された上記トナー像を中間転写ベルト125の表面に転写させる。
【0018】
二次転写ローラー210は、図略の転写バイアス印加機構により転写バイアスが印加されている。二次転写ローラー210は、中間転写ベルト125の表面に形成されたカラーの上記トナー像を、給紙部14から搬送されてきた記録紙に転写させる。二次転写ローラー210は、前記トナー像が記録紙に二次転写されるニップ部Nを、中間転写ベルト125を挟んで駆動ローラー125aとの間に形成する。用紙搬送路190を搬送される記録紙は、ニップ部Nにおいて中間転写ベルト125と二次転写ローラー210とに押圧挟持され、ここにおいて中間転写ベルト125上のトナー像が記録紙に二次転写される。
【0019】
定着部13は、画像形成部12で転写された記録紙上のトナー像に対し、記録紙が加熱ローラー132と加圧ローラー134との間の定着ニップ部を通過する間に、加熱ローラー132から熱を与えて定着処理を施す。定着処理の完了したカラー画像形成済みの記録紙は、定着部13の上部から延設された排紙搬送路194を通って、装置本体11に設けられた排出トレイ151へ向けて排出される。
【0020】
給紙部14は、装置本体11内における露光装置124より下方位置に挿脱可能に装着された給紙カセット142,143,144とを備えている。給紙カセット142,143,144は、複数枚の記録紙が積層されてなる用紙束を収容する。給紙カセット142の上方には、ピックアップローラー145が設けられ、ピックアップローラー145は、給紙カセット142,143,144に収容された用紙束の最上位の記録紙を用紙搬送路190へ向けて繰り出す。
【0021】
画像形成装置1は、更に、用紙排出装置として後処理装置60を備える。後処理装置60は、原稿台600、パンチ部601、搬送ローラー602、用紙受台603、搬送ローラー620、排出ローラー対607、及び用紙排出トレイ623、及び搬送分岐ガイド624を備えている。更に、後処理装置60は、ステイプル装置625、受止部材626、搬送ローラー627、ブック綴じ部628、及び排出トレイ629を備える。
【0022】
画像形成装置1において、原稿搬送部6、給紙カセット142,143,144、及び用紙排出装置(後処理装置)60は、画像形成装置1に対して後付け可能とされたオプション機器である。画像形成装置1には、各オプション機器を接続するためのポート(コネクター)が複数設けられており、当該ポートを介して複数のオプション機器が、画像形成装置1の装置本体11に対して電気的に接続される。接続された各オプション機器は、後述する制御部によって動作制御される。
【0023】
次に、画像形成装置1における上記各オプション機器に対する電力供給を説明する。図2は、画像形成装置1における電源制御系を示す概略ブロック図である。
【0024】
画像形成装置1は、電源回路80と、電源制御回路10とを備えている。電源回路80は、商用電源の交流電力から直流電力を生成して画像形成装置1の各動作機構に電力を供給する。
【0025】
画像形成装置1に接続された各オプション機器OP1〜OP3には、電源制御回路10を介して、電源回路80からの電力が供給される。電源制御回路10には、複数のオプション機器OP1〜OP3を電源制御回路10に電気的に接続するための複数のポート(コネクター)P1〜P3が設けられている。電源制御回路10は、電源回路80からの電力を、複数のオプション機器OP1〜OP3に供給する際の電力供給を制御する。なお、複数のオプション機器OP1〜OP3は、複数のポートP1〜P3のいずれに接続されてもよい。
【0026】
図3は、電源制御回路10の内部構成を示す図である。なお、図3では、電源制御回路10に接続されている複数のポートP1〜P3のうち、1つのポートP1についての接続構成を図示している。他のポートP2,P3も、ポートP1についての接続構成と同様の接続構成が設けられている。
【0027】
電源制御回路10は、制御部100と、FET回路101と、ポートP1と、プルダウン抵抗R1と、スイッチSw1とを備えている。なお、図3には図示していないが、電源制御回路10は、FET回路101と、プルダウン抵抗R1と、スイッチSw1とを、電源制御回路10に設けられるポート毎に備える。
【0028】
FET回路(電力供給部)101は、電源回路80とオプション機器OP1との間に接続されている。FET回路101は、電源回路80とオプション機器OP1との導通を制御するスイッチとして機能する。FET回路101は、制御部100から出力されてゲート電圧としてFET回路101に入力する駆動制御信号に従って、電源回路80及びオプション機器OP1間の電気的接続(スイッチオン)及び非接続(スイッチオフ)を切り換える。
【0029】
ポートP1は、ポートP1に接続されるオプション機器から出力されるディジタル信号を制御部100に入力するための信号線D1が接続されている。この信号線D1は、ポートP1から制御部100まで接続されている。
【0030】
さらに、ポートP1に接続されたオプション機器に対して電源回路80から供給される電圧を検出するための接続線L1が制御部100に接続されている。当該接続線L1は、更に、制御部100内に設けられているA/D変換部20まで接続されている。A/D変換部20は、接続線L1により入力されてくるアナログの電圧値をディジタル値に変換し、電圧検出部114に出力する。
【0031】
接続線L1には、スイッチSw1を介してプルダウン抵抗R1が接続されている。プルダウン抵抗R1は、スイッチSw1に接続している側と反対側が接地されている。スイッチSw1は、制御部100内の抵抗接続制御部117からの指示信号に応じて、接続線L1とプルダウン抵抗R1との電気的接続及び非接続を切り換える。
【0032】
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)、RAM、ROM及び専用のハードウェア回路等から構成される。
【0033】
制御部100は、切換制御部111、識別情報取得部112、シーケンス情報記憶部113、電圧検出部114、シーケンス情報変更部115、接続有無検出部116、及び抵抗接続制御部117を備えている。制御部100は、上述したA/D変換部20も備えている。
【0034】
例えば、制御部100が、図略のHDDに記憶されている電源制御プログラムに従って動作することにより、切換制御部111、識別情報取得部112、シーケンス情報記憶部113、電圧検出部114、シーケンス情報変更部115、接続有無検出部116、及び抵抗接続制御部117として機能する。
【0035】
或いは、制御部100は、切換制御部111、識別情報取得部112、シーケンス情報記憶部113、電圧検出部114、シーケンス情報変更部115、接続有無検出部116、及び抵抗接続制御部117をハード的な回路により備えていてもよい。
【0036】
以下に示す切換制御部111、識別情報取得部112、シーケンス情報記憶部113、電圧検出部114、シーケンス情報変更部115、接続有無検出部116、及び抵抗接続制御部117による処理は、ポートP1〜P3について行われる。以下には、ポートP1の場合を例にして説明する。
【0037】
切換制御部111は、ポートP1(ポートP2,P3についても同様)に接続されたオプション機器に対する電源回路80からの電力供給及び供給停止を切り換えるために、FET回路101に対して駆動制御信号を出力する。この駆動制御信号は、例えばハイレベル信号及びローレベル信号により構成される矩形波の信号とされる。FET回路101は、切換制御部111からハイレベル信号が送られてきたときに、電源回路80及びオプション機器OP1間を電気的に接続(スイッチオン)し、ローレベル信号が送られてきたときに、電源回路80及びオプション機器OP1間を電気的に非接続(スイッチオフ)とする。
【0038】
切換制御部111は、駆動制御信号の周波数(例えば1秒間におけるハイレベル信号の数)を変更することによって、FET回路101が上記スイッチオン状態になる時間を制御する。
【0039】
識別情報取得部112は、上記信号線D1により、ポートP1に接続されているオプション機器から、当該オプション機器固有の識別情報を取得する。各オプション機器OP1〜OP3は、それぞれ固有の識別情報を内蔵メモリー等に記憶している。
【0040】
シーケンス情報記憶部113は、複数のオプション機器OP1〜OP3について設定されているそれぞれの電源立ち上げシーケンス情報及び電源立ち下げシーケンス情報を記憶している。電源立ち上げシーケンス情報は、各オプション機器の負荷容量等に応じて、電源回路80からオプション機器への電力供給時における電圧を、オプション機器の駆動に適した駆動電圧に到達させるまでの立ち上げ方(駆動電圧に到達するまでの期間における電圧上昇率)を示す。電源立ち下げシーケンス情報は、電源回路80からオプション機器への電力供給を停止して電圧を0Vにするまでの立ち下げ方(0Vにするまでの期間における電圧下降率)を示す。
【0041】
当該電圧の立ち上がり方は、上記駆動制御信号の周波数によって変化する。すなわち、駆動制御信号の周波数が高いほど、単位時間あたりのFET回路101のスイッチオン状態が長くなるので、電力供給時における電圧の立ち上がりが早くなる。このため、例えば、電源立ち上げシーケンス情報は、電源回路80からポートP1に接続されているオプション機器への電源供給開始時から、電力供給時における電圧が駆動電圧に安定するまでの電圧立ち上げ時間と、当該電圧立ち上げ時間の示す期間を区切った各単位時間においての周波数とにより示される。
【0042】
当該電圧立ち下げは、駆動制御信号の周波数が低いほど、単位時間あたりのFET回路101のスイッチオフ状態が長くなるので、電力供給時における電圧の立ち下がりが早くなる。このため、電源立ち上げシーケンス情報は、電源回路80からオプション機器への電源供給を停止する制御の開始時から、電力供給時における電圧が0Vになるまでの電圧立ち下げ時間と、当該電圧立ち下げ時間の示す期間を区切った各単位時間においての周波数とにより示される。
【0043】
切換制御部111は、識別情報取得部112によって取得された識別情報が示すオプション機器についての電源立ち上げシーケンス情報及び電源立ち下げシーケンス情報をシーケンス情報記憶部113から読み出し、当該読み出した源立ち上げシーケンス情報及び電源立ち下げシーケンス情報に従って、FET回路101のスイッチオン及びスイッチオフを切り換えることで、当該識別情報が示すオプション機器への電源回路80による電力供給及び供給停止を制御する。なお、切換制御部111は、上記電圧立ち上げ時間内に電圧が駆動電圧に到らないときは、電圧立ち上げ時間を延長して(例えば、最後の単位時間の周波数を用いる)、当該電圧が駆動電圧に到るまで電力供給を行う。また、切換制御部111は、電圧立ち下げ時間内に電圧が0Vにならないときは、電圧立ち下げ時間を延長して(例えば、最後の単位時間の周波数を用いる)、当該電圧が0Vになるまで電力供給を行う。
【0044】
電圧検出部114は、接続線L1により入力されてA/D変換部20を経て取得する電圧値に基づいて、ポートP1に接続されているオプション機器に対して、電源回路80からFET回路101を経て供給されている電圧を検出する。
【0045】
シーケンス情報変更部115は、電圧検出部114によって検出されたオプション機器についての電源立ち上げ時における電圧の変化と、当該オプション機器についての電源立ち上げシーケンス情報に対応付けて記憶されている電圧変化とが異なっている場合に、電圧検出部114によって検出される当該オプション機器の電圧変化(立ち上がり具合)が、当該電源立ち上げシーケンス情報に対応付けて記憶されている電圧変化に近付くように、当該電源立ち上げシーケンス情報を変更する。
【0046】
また、シーケンス情報変更部115は、電圧検出部114によって検出されたオプション機器についての電源立ち下げ時における電圧の変化と、当該オプション機器についての電源立ち下げシーケンス情報に対応付けて記憶されている電圧変化とが異なっている場合に、電圧検出部114によって検出される当該オプション機器の電圧変化(立ち下がり具合)が、当該電源立ち下げシーケンス情報に対応付けて記憶されている電圧変化に近付くように、当該電源立ち下げシーケンス情報を変更する。
【0047】
接続有無検出部116は、ポートP1にオプション機器が接続されているか否かを検出する。例えば、接続有無検出部116は、電源回路80及びFET回路101によりポートP1に接続されているオプション機器に対して予め定められた周波数からなる駆動制御信号で電力を供給したときにA/D変換部20から入力されてくる電圧値に基づいて、当該電圧値が各オプション機器の駆動電圧に達していれば、ポートP1にオプション機器が接続されていると判別する。
【0048】
抵抗接続制御部117は、スイッチSw1のオン及びオフを切り換えて、ルダウン抵抗R1を接続線L1に接続するか否かを切り換える。抵抗接続制御部117は、接続有無検出部116によってオプション機器が接続されていないと検出されたポートに対して、プルダウン抵抗R1を接続させる。
【0049】
次に、電源制御回路10によるオプション機器への電力供給制御を説明する。図4は、電源制御回路10によるオプション機器への電力供給開始時の制御を示すフローチャートである。
【0050】
接続有無検出部116は、操作者から入力された電源オン指示に基づいてオプション機器を電源オン状態にするために、ポートP1〜P3に接続された各オプション機器に対して電源回路80からの電源供給を開始する際、まず、接続有無検出部116がポートP1〜P3にオプション機器が接続されているか否かを検出する(S1)。なお、抵抗接続制御部117は、各ポートについてスイッチSw1のオンオフ状態(プルダウン抵抗R1の接続非接続状態)を記憶しており、上記操作者から電源オン指示が入力された時点で、プルダウン抵抗R1が接続線L1に接続されていると判断したポートについては、当該ポートのスイッチSw1をオフに切り換え、プルダウン抵抗R1を接続線L1に非接続とする。
【0051】
ここで、接続有無検出部116がポートP1〜P3のいずれかにオプション機器が接続されていることを検出した場合(S1でYES)、識別情報取得部112が、当該接続されている各オプション機器からそれぞれの識別情報を取得する(S2)。また、接続有無検出部116がポートP1〜P3のいずれにもオプション機器が接続されていないことを検出した場合は(S1でNO)、S2以降の処理には進まない。
【0052】
続いて、切換制御部111は、識別情報取得部112によって取得された各識別情報が示すそれぞれのオプション機器についての電源立ち上げシーケンス情報をシーケンス情報記憶部113から読み出す(S3)。切換制御部111は、当該読み出した電源立ち上げシーケンス情報に従った周波数を示す駆動制御信号を各オプション機器のそれぞれについて生成し、当該生成した駆動制御信号を、対応するオプション機器に接続されているFET回路101に出力して、FET回路101のスイッチオン及びスイッチオフを切り換える(S4)。これにより、上記各識別情報が示すそれぞれのオプション機器への電源回路80による電力供給を、各オプション機器の負荷容量等に応じた電源立ち上げ具合として電圧を上昇させる。
【0053】
切換制御部111は、電圧検出部114によって検出される各オプション機器(ポートP1〜P3に接続されているオプション機器)の電圧に基づいて、当該電圧が駆動電圧に到達した時点で(S5でYES)、上記電源立ち上げシーケンス情報に従った駆動制御信号でのFET回路101の駆動を停止し(S6)、駆動電圧供給用に予め設定された周波数を有する駆動制御信号を、FET回路101に出力する(S7)。
【0054】
このように、本実施形態では、ポートP1〜P3に接続されている各オプション機器に対する電力供給開始時に、当該各オプション機器について設定されている個別の電源立ち上げシーケンスで、オプション機器毎に電圧を上昇させるので、ポートP1〜P3に接続されている各オプション機器それぞれの性能に応じて、オプション機器別に適切な電源立ち上げを実行できる。
【0055】
図5は、電源制御回路10によるオプション機器への電力供給停止時の制御を示すフローチャートである。
【0056】
ポートP1〜P3に接続された各オプション機器に対して電源回路80からの電源供給を停止する際、切換制御部111は、接続有無検出部116によってポートP1〜P3に接続が検出されているオプション機器の識別情報を用いて、当該各オプション機器についての電源立ち下げシーケンス情報をシーケンス情報記憶部113から読み出す(S11)。
【0057】
切換制御部111は、当該読み出した電源立ち下げシーケンス情報に従った周波数を示す駆動制御信号を各オプション機器のそれぞれについて生成し、当該生成した駆動制御信号を、対応するオプション機器に接続されているFET回路101に出力して、FET回路101のスイッチオン及びスイッチオフを切り換える(S12)。これにより、上記各オプション機器に対する電源回路80からの電力供給を停止させる際に、各オプション機器の負荷容量等に応じた適切な電源立ち下げ具合として、徐々に電圧を低下させる。
【0058】
切換制御部111は、電圧検出部114によって検出される各オプション機器の電圧値に基づいて、当該電圧値が0Vとなった時点で(S13でYES)、上記電源立ち下げシーケンス情報に従った駆動制御信号でのFET回路101の駆動を停止する(S14)。
【0059】
このように、各オプション機器について設定されている個別の電源立ち下げシーケンスで、各オプション機器に電力供給を停止する際の電圧立ち下げを制御することによって、ポートP1〜P3に接続されている各オプション機器それぞれの性能に応じた、各オプション機器に対して適切となる電源立ち下げを実行できる。
【0060】
なお、抵抗接続制御部117は、S14の後、すなわち、上記オプション機器が電源オフになったときに、接続有無検出部116によりオプション機器が接続されていないと検出されているポートのスイッチSw1をオンに切り換え、プルダウン抵抗R1を接続線L1に接続しておく(S15)。その後、処理が終了する。
【0061】
このように、ポートにオプション機器が装着されていない場合には、プルダウン抵抗R1が接続されることで、例えば、電源制御回路10が、各ポートに接続されるオプション機器の制御用に接続線L1に接続されているコンデンサーを有している場合等に、コンデンサーに蓄えられている残電荷の除去が行われる。これにより、サービスマンによる画像形成装置1及びオプション機器のメンテナンス時に、画像形成装置1及びオプション機器が故障を起こす事態の発生を低減することが可能になる。
【0062】
なお、上記実施形態では、抵抗接続制御部117は、上記のように操作者から電源オン指示が入力された時点で、プルダウン抵抗R1が接続線L1に接続されているポートのスイッチSw1をオフに切り換えてプルダウン抵抗R1を接続線L1に非接続とし、オプション機器への電力供給終了時に、抵抗接続制御部117が、オプション機器が接続されていないポートのスイッチSw1をオンに切り換えてプルダウン抵抗R1を接続線L1に接続する(S15)、という処理を行っているが、これに代えて、オプション機器への電力供給開始時に、接続有無検出部116は、オプション機器が接続されているポートについてのみS2以降の処理を行い、オプション機器が接続されていないポートについては、S2以降の処理を行わずに当該ポートのスイッチSw1をオンに切り換えてプルダウン抵抗R1を接続線L1に接続するという制御を行うようにしてもよい。この場合、オプション機器が接続されているポートについては、デフォルトではプルダウン抵抗R1が接続線L1に接続されていないものとする。また、プルダウン抵抗R1が接続線L1に接続されているポートについては、抵抗接続制御部117が、オプション機器が当該ポートに接続されたことを検出したときに、当該ポートのスイッチSw1をオフに切り換えてプルダウン抵抗R1を接続線L1に非接続とするようにする。
【0063】
次に、各オプション機器について設定されている電源シーケンス情報を変更する制御を説明する。図6は、各オプション機器について設定されている電源シーケンス情報を変更する制御を示すフローチャートである。
【0064】
電源制御回路10は、上記のオプション機器への電力供給制御に加えて、各オプション機器について設定されている電源シーケンス情報を変更する制御を行う。以下、図6を参照して説明する。
【0065】
上記オプション機器への電力供給開始時の制御中、シーケンス情報変更部115は、電圧検出部114によって検出される各オプション機器についての電圧の経時的変化を記録しておく(S21)。
【0066】
そして、上記オプション機器への電力供給開始時の制御が終了し、各オプション機器への電力供給についての電源立ち上げが終了した後(S22)、シーケンス情報変更部115は、上記記録しておいたオプション機器についての検出電圧の経時変化Aと、オプション機器についての電源立ち上げシーケンス情報に対応付けて予め定められた記憶されている電圧変化Bとが同一か否かを判定する(S23)。この判定は、各オプション機器について行われる。
【0067】
シーケンス情報変更部115は、上記経時変化Aと上記電圧変化Bとが同一ではないと判定した場合(S23でNO)、上記経時変化Aが上記電圧変化Bに近付くように、当該電源立ち上げシーケンス情報を変更する(S24)。
【0068】
例えば、シーケンス情報変更部115は、オプション機器についての上記経時変化Aが示す電圧上昇率が、上記電圧変化Bよりも低い電圧上昇率を示すとき、当該オプション機器についての電源立ち上げシーケンスが示す上記各単位時間の周波数を予め定められた値分だけ高くして、電源立ち上げシーケンスを変更する。
【0069】
なお、シーケンス情報変更部115は、上記経時変化Aと上記電圧変化Bとが同一であると判定した場合(S23でYES)、それまでの電源立ち上げシーケンス情報を変更しない。
【0070】
これにより、次回の電源立ち上げ時には、切換制御部111により、上記変更された新たな電源立ち上げシーケンスを用いて、当該オプション機器の電力供給制御が行われる。このため、次回の当該オプション機器の電力供給を開始する制御時には、当該オプション機器についての上記経時変化Aの示す電圧上昇率が前回よりも高くなる。
【0071】
一方、シーケンス情報変更部115は、オプション機器についての上記経時変化Aが示す電圧上昇率が、上記電圧変化Bよりも高い電圧上昇率を示すとき、当該オプション機器についての電源立ち上げシーケンスが示す上記各単位時間の周波数を予め定められた値分だけ低くして、電源立ち上げシーケンスを変更する。
【0072】
これにより、次回の電源立ち上げ時には、切換制御部111により、上記変更された新たな電源立ち上げシーケンスを用いて、当該オプション機器の電力供給制御が行われる。このため、次回の当該オプション機器の電力供給を開始する制御時には、当該オプション機器についての上記経時変化Aが示す電圧上昇率が前回よりも低くなる。
【0073】
これらのシーケンス変更制御により、次回に当該オプション機器の電力供給を開始する制御時には、オプション機器についての上記経時変化Aは、当該電源立ち上げシーケンス情報に対応付けて記憶されている電圧変化Bに近付く。
【0074】
また、上記オプション機器への電力供給を停止する制御中も、シーケンス情報変更部115は、電圧検出部114によって検出される電圧値の経時的変化Cを記録しておく。
【0075】
そして、上記オプション機器への電力供給停止時の制御が終了し、電圧が0Vとなって電源の立ち下げが終了した後、シーケンス情報変更部115は、上記記録しておいた検出電圧値の経時変化Cと、当該オプション機器についての電源立ち下げシーケンス情報に対応付けて予め記憶されている電圧変化Dとが同一か否かを判定する。この判定は、各オプション機器について行われる。
【0076】
シーケンス情報変更部115は、上記経時変化Cと上記電圧変化Dとが同一ではないと判定した場合、上記経時変化Cが上記電圧変化Dに近付くように、当該電源立ち下げシーケンス情報を変更する。
【0077】
例えば、シーケンス情報変更部115は、オプション機器についての上記経時変化Cの示す電圧下降率が、上記電圧変化Dよりも小さい電圧下降率を示すとき、当該オプション機器についての電源立ち下げシーケンスが示す上記各単位時間の周波数を予め定められた値分だけ低くして、電源立ち下げシーケンスを変更する。
【0078】
これにより、次回の電源立ち下げ時には、切換制御部111により、上記変更された新たな電源立ち下げシーケンスを用いて、当該オプション機器の電力供給停止制御が行われる。このため、次回の当該オプション機器の電力供給を停止する制御時には、当該オプション機器についての上記経時変化Cが示す電圧下降率が前回よりも大きくなる(電圧を前回よりも短時間で低下させる)。
【0079】
一方、シーケンス情報変更部115は、オプション機器についての上記経時変化Cの示す電圧下降率が、上記電圧変化Dよりも大きい電圧下降率を示すとき、当該オプション機器についての電源立ち下げシーケンスが示す上記各単位時間毎の周波数を予め定められた値分だけ高くして、電源立ち下げシーケンスを変更する。
【0080】
これにより、次回の電源立ち上げ時には、切換制御部111により、上記変更された新たな電源立ち下げシーケンスを用いて、当該オプション機器の電力供給停止制御が行われる。このため、次回の当該オプション機器の電力供給を停止する制御時には、当該オプション機器についての上記経時変化Cが示す電圧下降率が前回よりも小さくなる(電圧を前回よりも長時間で低下させる)。
【0081】
これらのシーケンス変更制御により、次回に当該オプション機器の電力供給を停止する制御時にも、当該オプション機器についての上記経時変化Cは、当該電源立ち下げシーケンス情報に対応付けて記憶されている電圧変化Dに近付く。
【0082】
このような電源立ち上げシーケンス及び電源立ち下げシーケンスの変更により、オプション機器や画像形成装置1の経年劣化及び環境状態によって、真に必要な電源制御シーケンスが以前とは異なるものとなった場合であっても、電力供給制御時点で最も適切な電源制御シーケンスにより、電源の立ち上げ又は立ち下げを行うことが可能になる。
【0083】
なお、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、本発明に係る画像形成装置の一実施形態としてカラー複合機を用いて説明しているが、これは一例に過ぎず、モノクロ複合機や他の電子機器、例えば、プリンター、コピー機、ファクシミリ装置等の他の画像形成装置でもよい。
【0084】
また、上記実施形態では、図1乃至図6を用いて上記実施形態により示した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0085】
1 画像形成装置
6 原稿搬送部
10 電源制御回路
100 制御部
101 FET回路
111 切換制御部
112 識別情報取得部
113 シーケンス情報記憶部
114 電圧検出部
115 シーケンス情報変更部
116 接続有無検出部
117 抵抗接続制御部
12 画像形成部
20 A/D変換部
60 後処理装置
80 電源回路
142,143,144 給紙カセット
図1
図2
図3
図4
図5
図6