【実施例】
【0030】
以下に実施例を示し、本発明の詳細をより具体的に説明する。なお、例中、部あるいは%はいずれも重量基準をあらわす。
【0031】
(実施例1)
パーム油中融点画分(上昇融点30℃/SFC:10℃で90%、20℃で80%/P2O型トリグリセリド含量65%)42部、タピオカ由来の酸処理度の低い(無水酸処理澱粉8重量%を水92重量%に溶解し、粘度計(Brabender Viscograph E)を用いてブレード型スティラーを用いて50℃、30rpmで測定した時の粘度が57cps)酸処理澱粉4部、トータルミルクプロテイン2部、食塩1部、水51部、乳酸を含むpH調整剤1.5部、香料0.3部、色素0.002部を、55℃で10分間調合し、さらに100Kg/cm
2の圧力下で均質化した。
均質化後、掻きとり式連続熱交換機に通し、80〜90℃で加熱殺菌、充填し、トンネルフリーザーにて急冷後、冷蔵庫でエージングを行った。
得られたチーズ様食品の油脂含量は42%、蛋白質含量は1.6%、pHは5.4であり、5℃におけるレオメーター測定値による硬さが500g/19.6mm
2(直径5mm円形プランジャー、テーブルスピード50mm/分、不動工業株式会社製)であり、成形加工適性を有した。
また、耐熱保形性60%と耐熱保形性を有し、良好なチーズ風味を呈した。
【0032】
(実施例2)
パーム油中融点画分を40部、タピオカ由来の酸処理度の低い酸処理澱粉を6部とした以外は、実施例1と同様にしてチーズ様食品を調製した。
得られたチーズ様食品の油脂含量は40%、蛋白質含量は1.6%、pHは5.4であり、5℃におけるレオメーター測定値による硬さが800g/19.6mm
2(直径5mm円形プランジャー、テーブルスピード50mm/分、不動工業株式会社製)であり、成形加工適性を有した。
また、耐熱保形性70%と耐熱保形性を有し、良好なチーズ風味を呈した。
【0033】
(実施例3)
パーム油中融点画分を34部、タピオカ由来の酸処理度の低い酸処理澱粉を12部とした以外は、実施例1と同様にしてチーズ様食品を調製した。
得られたチーズ様食品の油脂含量は34%、蛋白質含量は1.6%、pHは5.4であり、5℃におけるレオメーター測定値による硬さが1800g/19.6mm
2(直径5mm円形プランジャー、テーブルスピード50mm/分、不動工業株式会社製)であり、成形加工適性を有した。
また、耐熱保形性100%と耐熱保形性に優れており、良好なチーズ風味を呈した。
【0034】
(実施例4)
酸処理澱粉を、コーンスターチ由来の酸処理度の低い(無水酸処理澱粉8重量%を水92重量%に溶解し、粘度計(Brabender Viscograph E)を用いてブレード型スティラーを用いて50℃、30rpmで測定した時の粘度が39cps)酸処理澱粉とした以外は、実施例3と同様にしてチーズ様食品を調製した。
得られたチーズ様食品の油脂含量は34%、蛋白質含量は1.6%、pHは5.4であり、5℃におけるレオメーター測定値による硬さが2000g/19.6mm
2(直径5mm円形プランジャー、テーブルスピード50mm/分、不動工業株式会社製)であり、成形加工適性を有した。
また、耐熱保形性100%と耐熱保形性に優れており、良好なチーズ風味を呈した。
【0035】
(実施例5)
パーム油中融点画分を31部、タピオカ由来の酸処理度の低い酸処理澱粉を15部とした以外は、実施例1と同様にしてチーズ様食品を調製した。
得られたチーズ様食品の油脂含量は31%、蛋白質含量は1.6%、pHは5.4であり、5℃におけるレオメーター測定値による硬さが2000g/19.6mm
2(直径5mm円形プランジャー、テーブルスピード50mm/分、不動工業株式会社製)であり、成形加工適性を有した。
また、耐熱保形性100%と耐熱保形性に優れており、良好なチーズ風味を呈した。
【0036】
(実施例6)
パーム油中融点画分を27部、タピオカ由来の酸処理度の低い酸処理澱粉を19部とした以外は、実施例1と同様にしてチーズ様食品を調製した。
得られたチーズ様食品の油脂含量は27%、蛋白質含量は1.6%、pHは5.4であり、5℃におけるレオメーター測定値による硬さが2000g/19.6mm
2(直径5mm円形プランジャー、テーブルスピード50mm/分、不動工業株式会社製)であり、成形加工適性を有した。
また、耐熱保形性100%と耐熱保形性に優れており、良好なチーズ風味を呈した。
【0037】
(実施例7)
精製パーム油(上昇融点37℃/SFC:10℃で55%、20℃で27%/P2O型トリグリセリド含量30%)を34部、タピオカ由来の酸処理度の低い酸処理澱粉を12部とした以外は、実施例1と同様にしてチーズ様食品を調製した。
得られたチーズ様食品の油脂含量は34%、蛋白質含量は1.6%、pHは5.4であり、5℃におけるレオメーター測定値による硬さが500g/19.6mm
2(直径5mm円形プランジャー、テーブルスピード50mm/分、不動工業株式会社製)であり、成形加工適性を有した。
また、耐熱保形性100%と耐熱保形性に優れており、良好なチーズ風味を呈した。
【0038】
(実施例8)
パーム油とパーム核油のエステル交換油脂(上昇融点32℃/SFC:10℃で48%、20℃で22%/P2O型トリグリセリド含量8%)を34部、タピオカ由来の酸処理度の低い酸処理澱粉を12部とした以外は、実施例1と同様にしてチーズ様食品を調製した。
得られたチーズ様食品の油脂含量は34%、蛋白質含量は1.6%、pHは5.4であり、5℃におけるレオメーター測定値による硬さが500g/19.6mm
2(直径5mm円形プランジャー、テーブルスピード50mm/分、不動工業株式会社製)であり、成形加工適性を有した。
また、耐熱保形性100%と耐熱保形性に優れており、良好なチーズ風味を呈した。
【0039】
(実施例9)
乳脂(上昇融点31℃/SFC:10℃で47%、20℃で17%/P2O型トリグリセリド含量5%)を34部、タピオカ由来の酸処理度の低い酸処理澱粉を12部とした以外は、実施例1と同様にしてチーズ様食品を調製した。
得られたチーズ様食品の油脂含量は34%、蛋白質含量は1.6%、pHは5.4であり、5℃におけるレオメーター測定値による硬さが500g/19.6mm
2(直径5mm円形プランジャー、テーブルスピード50mm/分、不動工業株式会社製)であり、成形加工適性を有した。
また、耐熱保形性100%と耐熱保形性に優れており、良好なチーズ風味を呈した。
【0040】
(実施例10)
パーム油中融点画分を34部、タピオカ由来の酸処理度の低い酸処理澱粉を6部、ワキシ―コーン由来のヒドロキシプロピル化デンプンを6部とした以外は、実施例1と同様にしてチーズ様食品を調製した。
得られたチーズ様食品の油脂含量は34%、蛋白質含量は1.6%、pHは5.4であり、5℃におけるレオメーター測定値による硬さが1800g/19.6mm
2(直径5mm円形プランジャー、テーブルスピード50mm/分、不動工業株式会社製)であり、成形加工適性を有した。
また、耐熱保形性100%と耐熱保形性に優れており、良好なチーズ風味を呈した。
【0041】
実施例1〜10の結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
(比較例1)
実施例1で用いたパーム油中融点画分34部、酸処理されていないタピオカ澱粉(無水澱粉8重量%を水92重量%に溶解し、粘度計(Brabender Viscograph E)を用いてブレード型スティラーを用いて50℃、30rpmで測定した時の粘度が6100cps)12部、トータルミルクプロテイン2部、食塩1部、水51部、乳酸を含むpH調整剤1.5部、香料0.3部、色素0.002部を、55℃で10分間調合し、さらに100Kg/cm
2の圧力下で均質化した。
しかしながら、高粘度な物性となり、生産性は著しく劣った。
均質化後、掻きとり式連続熱交換機に通し、80〜90℃で加熱殺菌、充填し、トンネルフリーザーにて急冷後、冷蔵庫でエージングを行った。
得られたチーズ様食品の油脂含量は34%、蛋白質含量は1.6%、pHは5.4であり、5℃におけるレオメーター測定値による硬さが1400g/19.6mm
2(直径5mm円形プランジャー、テーブルスピード50mm/分、不動工業株式会社製)であり、成形加工適性を有した。
また、耐熱保形性100%と耐熱保形性に優れており、良好なチーズ風味を呈した。
【0044】
(比較例2)
実施例1で用いたパーム油中融点画分34部、酸処理されていないコーンスターチ澱粉(無水酸処理澱粉8重量%を水92重量%に溶解し、粘度計(Brabender Viscograph E)を用いてブレード型スティラーを用いて50℃、30rpmで測定した時の粘度が8000cps)12部、トータルミルクプロテイン2部、食塩1部、水51部、乳酸を含むpH調整剤1.5部、香料0.3部、色素0.002部を、55℃で10分間調合し、さらに100Kg/cm
2の圧力下で均質化した。
しかしながら、高粘度な物性となり、生産性は著しく劣った。
均質化後、掻きとり式連続熱交換機に通し、80〜90℃で加熱殺菌、充填し、トンネルフリーザーにて急冷後、冷蔵庫でエージングを行った。
得られたチーズ様食品の油脂含量は34%、蛋白質含量は1.6%、pHは5.4であり、5℃におけるレオメーター測定値による硬さが2000g/19.6mm
2(直径5mm円形プランジャー、テーブルスピード50mm/分、不動工業株式会社製)であり、成形加工適性を有した。
また、耐熱保形性100%と耐熱保形性に優れており、良好なチーズ風味を呈した。
【0045】
(比較例3)
実施例1で用いたパーム油中融点画分34部、タピオカ由来の酸処理度の高い(無水酸処理澱粉8重量%を水92重量%に溶解し、粘度計(Brabender Viscograph E)を用いてブレード型スティラーを用いて50℃、30rpmで測定した時の粘度が5cps)酸処理澱粉12部、トータルミルクプロテイン2部、食塩1部、水51部、乳酸を含むpH調整剤1.5部、香料0.3部、色素0.002部を、55℃で10分間調合し、さらに100Kg/cm
2の圧力下で均質化した。
均質化後、掻きとり式連続熱交換機に通し、80〜90℃で加熱殺菌、充填し、トンネルフリーザーにて急冷後、冷蔵庫でエージングを行った。
得られたチーズ様食品の油脂含量は34%、蛋白質含量は1.6%、pHは5.4であり、5℃におけるレオメーター測定値による硬さが1600g/19.6mm
2(直径5mm円形プランジャー、テーブルスピード50mm/分、不動工業株式会社製)であり、成形加工適性を有した。
しかしながら、耐熱保形性40%と耐熱保形性が劣るものであった。
【0046】
(比較例4)
実施例1で用いたパーム油中融点画分34部、コーンスターチ由来の酸処理度の高い(無水酸処理澱粉8重量%を水92重量%に溶解し、粘度計(Brabender Viscograph E)を用いてブレード型スティラーを用いて50℃、30rpmで測定した時の粘度が4cps)酸処理澱粉12部、トータルミルクプロテイン2部、食塩1部、水51部、乳酸を含むpH調整剤1.5部、香料0.3部、色素0.002部を、55℃で10分間調合し、さらに100Kg/cm
2の圧力下で均質化した。
均質化後、掻きとり式連続熱交換機に通し、80〜90℃で加熱殺菌、充填し、トンネルフリーザーにて急冷後、冷蔵庫でエージングを行った。
得られたチーズ様食品の油脂含量は34%、蛋白質含量は1.6%、pHは5.4であり、5℃におけるレオメーター測定値による硬さが1900g/19.6mm
2(直径5mm円形プランジャー、テーブルスピード50mm/分、不動工業株式会社製)であり、成形加工適性を有した。
しかしながら、耐熱保形性50%と耐熱保形性が劣るものであった。
【0047】
(比較例5)
サラダ油(SFC:10℃で0%、20℃で0%)34部、実施例4で用いたコーンスターチ由来の酸処理度の低い酸処理澱粉12部、トータルミルクプロテイン2部、食塩1部、水51部、乳酸を含むpH調整剤1.5部、香料0.3部、色素0.002部を、55℃で10分間調合し、さらに100Kg/cm
2の圧力下で均質化した。
均質化後、掻きとり式連続熱交換機に通し、80〜90℃で加熱殺菌、充填し、トンネルフリーザーにて急冷後、冷蔵庫でエージングを行った。
得られたチーズ様食品の油脂含量は34%、蛋白質含量は1.6%、pHは5.4であり、5℃におけるレオメーター測定値による硬さが100g/19.6mm
2(直径5mm円形プランジャー、テーブルスピード50mm/分、不動工業株式会社製)であり、成形加工適性が著しく劣るものであった。
さらに、耐熱保形性20%と耐熱保形性が著しく劣るものであった。
【0048】
(比較例6)
パーム油低融点画分(上昇融点9℃/SFC:10℃で0%、20℃で0%/P2O型トリグリセリド含量10%)34部、実施例4で用いたコーンスターチ由来の酸処理度の低い酸処理澱粉12部、トータルミルクプロテイン2部、食塩1部、水51部、乳酸を含むpH調整剤1.5部、香料0.3部、色素0.002部を、55℃で10分間調合し、さらに100Kg/cm
2の圧力下で均質化した。
均質化後、掻きとり式連続熱交換機に通し、80〜90℃で加熱殺菌、充填し、トンネルフリーザーにて急冷後、冷蔵庫でエージングを行った。
得られたチーズ様食品の油脂含量は34%、蛋白質含量は1.6%、pHは5.4であり、5℃におけるレオメーター測定値による硬さが100g/19.6mm
2(直径5mm円形プランジャー、テーブルスピード50mm/分、不動工業株式会社製)であり、成形加工適性が著しく劣るものであった。
さらに、耐熱保形性20%と耐熱保形性が著しく劣るものであった。
【0049】
(比較例7)
実施例1で用いたパーム油中融点画分25部、実施例4で用いたコーンスターチ由来の酸処理度の低い酸処理澱粉12部、トータルミルクプロテイン15部、食塩1部、水47部、乳酸を含むpH調整剤1.5部、香料0.3部、色素0.002部を、55℃で10分間調合し、さらに100Kg/cm
2の圧力下で均質化した。
しかしながら、高粘度な物性となり、生産性は著しく劣った。
均質化後、掻きとり式連続熱交換機に通し、80〜90℃で加熱殺菌、充填し、トンネルフリーザーにて急冷後、冷蔵庫でエージングを行った。
得られたチーズ様食品の油脂含量は25%、蛋白質含量は12.2%、pHは5.4であり、5℃におけるレオメーター測定値による硬さが2000g/19.6mm
2(直径5mm円形プランジャー、テーブルスピード50mm/分、不動工業株式会社製)であり、成形加工適性を有した。
また、耐熱保形性100%と耐熱保形性に優れていた。
【0050】
比較例1〜7の結果を表2に示す。
【0051】
【表2】