(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6365769
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】発光ダイオードパッケージの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 33/50 20100101AFI20180723BHJP
G02B 5/20 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
H01L33/50
G02B5/20
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-512615(P2017-512615)
(86)(22)【出願日】2015年3月25日
(65)【公表番号】特表2017-517902(P2017-517902A)
(43)【公表日】2017年6月29日
(86)【国際出願番号】KR2015002909
(87)【国際公開番号】WO2015174630
(87)【国際公開日】20151119
【審査請求日】2017年3月28日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0058984
(32)【優先日】2014年5月16日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】502411241
【氏名又は名称】コーニング精密素材株式会社
【氏名又は名称原語表記】Corning Precision Materials Co., Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100070024
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 宣行
(74)【代理人】
【識別番号】100159042
【弁理士】
【氏名又は名称】辻 徹二
(72)【発明者】
【氏名】オ、 ユン ソク
(72)【発明者】
【氏名】イ、 ギ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ムン、 ヒョン ス
(72)【発明者】
【氏名】キム、 ボ ミ
(72)【発明者】
【氏名】キム、 ジ マン
(72)【発明者】
【氏名】パク、 チョル ミン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、 チュン ボン
【審査官】
大和田 有軌
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2008/0042153(US,A1)
【文献】
特開2013−001792(JP,A)
【文献】
特開2014−090157(JP,A)
【文献】
国際公開第2014/002784(WO,A1)
【文献】
特開2013−214716(JP,A)
【文献】
特表2013−528957(JP,A)
【文献】
特開2013−001791(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/169289(WO,A1)
【文献】
特開2012−015175(JP,A)
【文献】
特開2012−015174(JP,A)
【文献】
特開2009−234056(JP,A)
【文献】
特表2008−525222(JP,A)
【文献】
特開平08−176479(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0001949(US,A1)
【文献】
中国特許出願公開第103427003(CN,A)
【文献】
国際公開第2013/148783(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0241797(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00 − 33/64
C09K 11/00 − 11/89
F21V 9/00 − 9/45
G02B 5/20 − 5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛍光体が含まれている色変換用フリットを基材上に形成する色変換用フリット形成段階;
前記基材上に形成された前記色変換用フリットを前記基材から転写フィルムに転写させる色変換用フリット転写段階;及び
前記転写フィルムに転写された前記色変換用フリットを発光ダイオードチップに貼り付ける色変換用フリット貼り付け段階;
を含み、
前記色変換用フリット形成段階は、
前記基材上に前記色変換用フリットをコートするコーティング過程、及び
コートされた前記色変換用フリットを焼成する焼成過程を含み、
前記コーティング過程では、前記発光ダイオードチップに対応する大きさで前記色変換用フリットをコートし、
前記コーティング過程では、複数個の前記発光ダイオードチップに対応する形態で前記色変換用フリットをパターニングすることを特徴とする発光ダイオードパッケージの製造方法。
【請求項2】
前記基材としてはBN(boron nitride)基板またはグラファイト基板を使用することを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオードパッケージの製造方法。
【請求項3】
前記色変換用フリット転写段階では、前記転写フィルムとしてPSA(pressure sensitive adhesive)フィルムを使用することを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオードパッケージの製造方法。
【請求項4】
前記色変換用フリット貼り付け段階では、接着剤を介して前記発光ダイオードチップと前記色変換用フリットとを貼り合わせることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオードパッケージの製造方法。
【請求項5】
前記発光ダイオードチップは青色発光ダイオードチップであり、前記蛍光体は前記青色発光ダイオードチップから発せられた光の一部を黄色に波長変換させる蛍光体であることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオードパッケージの製造方法。
【請求項6】
前記色変換用フリット貼り付け段階の後、前記色変換用フリットから前記転写フィルムを除去する段階をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオードパッケージの製造方法。
【請求項7】
前記転写フィルムの除去後、前記発光ダイオードチップをパッケージ基板に実装する段階をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の発光ダイオードパッケージの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオードパッケージの製造方法に係り、より詳しくは、色変換用フリットと発光ダイオードチップとの貼り合わせ後、色変換用フリットに対するさらなる熱処理工程及びカッティング工程が不要な発光ダイオードパッケージの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(light emitting diode;LED)は、ガリウムヒ素などの化合物に通電して光を発散する半導体素子であって、半導体のp−n接合構造を利用して電子や正孔のような少数キャリアを注入し、これらの再結合によって光を発光させる。
【0003】
この種の発光ダイオードは消費電力が少なくて寿命が長く、且つ狭い空間に設置可能であり、振動にも強いという特性を持つ。また、発光ダイオードは表示素子及びそのバックライトとして利用されており、近年は、これを一般照明にも適用するための研究が進行中にあり、赤色、青色、または緑色の単一色成分の発光ダイオードの他に白色発光ダイオードが発売されている。特に、白色発光ダイオードは、自動車及び照明用製品に応用されながら、その需要が急増することが予想される。
【0004】
発光ダイオード技術において、白色を実現する方式は大きく二つに分けられる。第一は、赤色、緑色、青色発光ダイオードチップを隣接して設置し、各発光ダイオードチップから発せられた光を混色させて白色を実現する方式である。しかし、各発光ダイオードチップは熱的または時間的特性が異なることから、使用環境によって色調が変わり、特に、色むらが発生するなど、色を均一に混合するには限界がある。第二は、蛍光体を発光ダイオードチップ上に配置させ、発光ダイオードチップの一次発光の一部と蛍光体によって波長変換された二次発光とが混色されて白色を実現する方式である。例えば、青色にて発光する発光ダイオードチップ上にその光の一部を励起源として黄緑色または黄色発光する蛍光体を分布させ、発光ダイオードチップの青色発光と蛍光体の黄緑色または黄色発光によって白色を得ることができる。現在は、このように青色発光ダイオードチップと蛍光体を利用して白色光を実現する方法が一般化している。
【0005】
一方、青色発光ダイオードチップとの作用にて白色光を実現する蛍光体は、フリットに混合して使用することができる。従来は、このように蛍光体が混合されたフリットを発光ダイオードチップに直接貼り付けるために、これを練り状に作製して発光ダイオードチップ上にコートした後に焼成していた。しかし、このときの焼成温度は500℃以上であって、200℃以下で熱的安定性を有する発光ダイオードチップは該焼成温度に耐えられない。すなわち、前記温度にて焼成するとき、発光ダイオードチップが劣化するという不具合があった。また、蛍光体が混合されたフリットを発光ダイオードチップ上にコートした後に焼成のような熱処理を施すと、例えば、多数の発光ダイオードが形成されている母基板であるGaN基板が反るという問題が生じる可能性があり、このように、GaN基板に反りが発生した場合、これに形成されている多数の発光ダイオードチップ全体が使用できなくなる問題が生じる可能性がある。そして、前記したような劣化問題を解決するために、低温焼成が可能な蛍光体混合物質を使用しても多数の発光ダイオードチップをカットする過程で剥離が起きたり、割れたりする問題が生じる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2013/0026461号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述したような従来技術の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、色変換用フリットと発光ダイオードチップとの貼り合わせ後、色変換用フリットに対するさらなる熱処理工程及びカッティング工程が不要な発光ダイオードパッケージの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このために、本発明は、蛍光体が含まれている色変換用フリットを基材上に形成する色変換用フリット形成段階;前記基材上に形成された前記色変換用フリットを前記基材から転写フィルムに転写させる色変換用フリット転写段階;及び前記転写フィルムに転写された前記色変換用フリットを発光ダイオードチップに貼り付ける色変換用フリット貼り付け段階を含むことを特徴とする発光ダイオードパッケージの製造方法を提供する。
【0009】
ここで、前記色変換用フリット形成段階は、前記基材上に前記色変換用フリットをコートするコーティング過程及びコートされた前記色変換用フリットを焼成する焼成過程を含んでもよい。
【0010】
このとき、前記コーティング過程では、前記発光ダイオードチップに対応する大きさで前記色変換用フリットをコートしてもよい。
【0011】
また、前記コーティング過程では、複数個の前記発光ダイオードチップに対応する形態で前記色変換用フリットをパターニングしてもよい。
【0012】
そして、前記基材としてはBN(boron nitride)基板またはグラファイト基板を使用してもよい。
【0013】
さらに、前記色変換用フリット転写段階では、前記転写フィルムとしてPSA(pressure sensitive adhesive)フィルムを使用してもよい。
【0014】
また、前記色変換用フリット貼り付け段階では、接着剤を介して前記発光ダイオードチップと前記色変換用フリットとを貼り合わせてもよい。
【0015】
そして、前記発光ダイオードチップは青色発光ダイオードチップであり、前記蛍光体は前記青色発光ダイオードチップから発せられた光の一部を黄色に波長変換させる蛍光体であってよい。
【0016】
さらに、前記色変換用フリット貼り付け段階の後、前記色変換用フリットから前記転写フィルムを除去する段階をさらに含んでもよい。
【0017】
また、前記転写フィルムの除去後、前記発光ダイオードチップをパッケージ基板に実装する段階をさらに含んでもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、発光ダイオードの白色光の実現のための色変換用フリットを基材上に所望のパターンでコーティング及び焼成し、これを転写フィルムに転写した後、転写フィルムに転写された色変換用フリットを発光ダイオードチップに貼り付けることで、色変換用フリットと発光ダイオードチップとの貼り合わせ後、色変換用フリットに対するさらなる熱処理工程及びカッティング工程が不要になる。
【0019】
すなわち、本発明によれば、貼り付け工程を最後に発光ダイオードチップ上に色変換用フリットを形成する工程が完了し、これにより、従来、熱処理によって発光ダイオードチップが形成されている母基板が反ったり、発光ダイオードチップ毎に分離するカッティング工程の際に色変換用フリットにクラックが発生したりするおそれを根本的に遮断させることができ、結局、発光ダイオードパッケージの製造工程を簡素化させることができ、且つ不良発生率を最小化させることができる。
【0020】
また、本発明によれば、色変換用フリットと発光ダイオードチップとの貼り合わせ前に、スクリーン印刷またはスプレー方式にて色変換用フリットを発光ダイオードの大きさに合わせてパターニングすることによって、発光ダイオードチップの大きさに制約を受けることなく所望の大きさで色変換用フリットを作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施例に係る発光ダイオードパッケージの製造方法を示したフローチャート。
【
図2】本発明の実施例に係る発光ダイオードパッケージの製造方法を工程順に示した工程模式図。
【
図3】本発明の実施例に係る発光ダイオードパッケージの製造方法を工程順に示した工程模式図。
【
図4】本発明の実施例に係る発光ダイオードパッケージの製造方法を工程順に示した工程模式図。
【
図5】本発明の実施例に係る発光ダイオードパッケージの製造方法を工程順に示した工程模式図。
【
図6】本発明の実施例に係る発光ダイオードパッケージの製造方法を工程順に示した工程模式図。
【
図7】本発明の実施例に係る発光ダイオードパッケージの製造方法を工程順に示した工程模式図。
【
図8】本発明の実施例に係る発光ダイオードパッケージの製造方法を工程順に示した工程模式図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施例に係る発光ダイオードパッケージの製造方法について詳細に説明する。
【0023】
なお、本発明を説明するにあたって、関連した公知機能あるいは構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曖昧にし得ると判断された場合、その詳細な説明は省略する。
【0024】
図1に示したように、本発明の実施例に係る発光ダイオードパッケージの製造方法は、白色発光ダイオードパッケージ(
図8の200)を製造する方法である。このような発光ダイオードパッケージの製造方法は、色変換用フリット形成段階(S1)、色変換用フリット転写段階(S2)及び色変換用フリット貼り付け段階(S3)を含む。
【0025】
先ず、
図2及び
図3に示したように、色変換用フリット形成段階(S1)は、蛍光体が含まれている色変換用フリット100を基材110上に形成する段階である。ここで、蛍光体は、発光ダイオードチップ(
図6の130)から放出される光の波長を変換して波長変換光、すなわち、蛍光を発する物質である。本発明の実施例において、発光ダイオードチップ(
図6の130)としては青色発光ダイオードチップが備えられるので、このような青色光との混色による白色光の実現のために、フリット粉末に混合されて色変換用フリット100をなす蛍光体としては、青色発光ダイオードチップから発せられた光の一部を黄色に波長変換させる蛍光体が使用されてもよい。また、蛍光体は、フリット粉末に混合されて溶剤に分散された後、ペースト状の色変換用フリット100で作製されるので、分散性に優れる物質からなる蛍光体が使用されるのが好ましく、また、長期信頼性に優れる物質からなる蛍光体が使用されるのがより好ましい。
【0026】
このような蛍光体が含まれている色変換用フリット100を基材110上に形成するために、色変換用フリット形成段階(S1)は、コーティング過程及び焼成過程を含んでもよい。
【0027】
先ず、コーティング過程では、基材110上にペースト(paste)または練り状の色変換用フリット100をコートする。このとき、コーティング過程では、発光ダイオードチップ130に対応する大きさで色変換用フリット100をコートする。すなわち、コーティング過程では、発光ダイオードチップ130の上面、すなわち、後続工程にて色変換用フリット100と貼り合わされる発光ダイオードチップ130の貼り合わせ面に対応する面積及び形態で色変換用フリット100をコートする。
【0028】
図6に示したように、本発明の実施例において、発光ダイオードチップ130は、母基板130aに複数個備えられる。これに伴い、コーティング過程では、複数個の発光ダイオードチップ130に対応する形態で色変換用フリット100を基材110上にパターニングする。例えば、コーティング過程では、複数個の発光ダイオードチップ130に対応する形態でパターンが形成されているマスクを製作し、該マスクをスクリーンとするスクリーン印刷、または基材110上にマスクを配置した後、色変換用フリット100を吹き付けるスプレー方式を用いたパターニングによって、基材110上に色変換用フリット100を所望のパターンでコートすることができる。このように、複数個の発光ダイオードチップ130に対応する形態で色変換用フリット100をパターニングすると、複数個の発光ダイオードチップ130を一つの発光ダイオードチップ130を基準とする単位セルにカットする工程の際に、色変換用フリット100は既に各々の発光ダイオードチップ130に合わせてパターニング、すなわち、分割されていることから、これに対するカッティング工程が不要になり、従来、色変換用フリットのカッティング時に発生していた剥離や割れなどの問題を未然に防止することができるようになる。また、発光ダイオードチップ130の大きさに制約を受けることなく発光ダイオードチップ130の大きさに合わせてマスクを容易に製作することができるので、所望の大きさで色変換用フリット100を作製することができる。
【0029】
一方、色変換用フリット100の形成に使用される基材110は、コートされた色変換用フリット100を焼成する後続工程の際にこれを支持する支持体である。本発明の実施例において、このような基材110としては、BN(boron nitride)基板またはグラファイト基板を使用してもよい。
【0030】
次いで、焼成過程では、基材110上にコートされた色変換用フリット100を焼成する。このように、後続工程として行なわれる色変換用フリット貼り付け段階(S3)の前に薄膜あるいは基板形態の色変換用フリット100の製造が完了すれば、色変換用フリット貼り付け段階(S3)後にさらなる如何なる熱処理工程も伴わないため、色変換用フリット100の焼成のための熱処理によって発光ダイオードチップ130が劣化したり、複数個の発光ダイオードチップ130が形成されている母基板130aが反ったりする問題は発生しなくなる。
【0031】
次いで、
図4及び
図5に示したように、色変換用フリット転写段階(S2)は、基材110上に形成された色変換用フリット100を基材110から転写フィルム120に転写させる段階である。すなわち、色変換用フリット転写段階(S2)では、基材110上に形成された色変換用フリット100の上部に転写フィルム120を配置した後、転写フィルム120を下降させて色変換用フリット100に接触させた後、転写フィルム120を上昇させる過程を行なう。このとき、転写フィルム120への転写率をより向上させるために、転写フィルム120を色変換用フリット100に接触させた状態で熱を加えたりローラで擦ったりすることもできる。
【0032】
これにより、基材110上に形成されている色変換用フリット100は、基材110の一方の面から分離され、基材110上に形成されていた形態がそのまま転写フィルム120の一方の面に転写される。本発明の実施例において、このように、色変換用フリット100を転写させる転写フィルム120では、PSA(pressure sensitive adhesive)フィルムを使用してもよい。
【0033】
次いで、色変換用フリット貼り付け段階(S3)は、転写フィルム120に転写された色変換用フリット100を発光ダイオードチップ130に貼り付ける段階である。色変換用フリット貼り付け段階(S3)では、接着剤を介して、すなわち、発光ダイオードチップ130の貼り合わせ面に接着剤を吹き付けた後、塗布された接着剤に色変換用フリット100を貼り付ける方式にて発光ダイオードチップ130と色変換用フリット100とを貼り合わせる。
【0034】
ここで、
図6に示したように、本発明の実施例において具備される発光ダイオードチップ130は、例えば、GaN基板からなる母基板130aに複数個形成されてもよい。このような発光ダイオードチップ130は、印加される電流によって光を放出する光源であって、電子(electron)を提供するn型半導体層と正孔(hole)を提供するp型半導体層の順方向接合で構成される。また、本発明の実施例において具備される発光ダイオードチップ130は青色発光ダイオードチップであって、青色光を発光するようになる。このように発光された青色光の一部は光が放出される経路に配置される色変換用フリット100に含まれている蛍光体によって黄色に波長変換される。すなわち、本発明の実施例に従って製造される発光ダイオードパッケージ(
図8の200)は、青色発光ダイオードチップ130から発せられた青色光と色変換用フリット100に含まれている蛍光体によって波長変換された黄色光との混色によって白色光を実現するようになる。そして、本発明の実施例において具備される発光ダイオードチップ130はフリップチップ(flip chip)であってよい。これに伴い、発光ダイオードチップ130の下面には、印刷回路基板(PCB)等からなるパッケージ基板(
図8の140)に融着されて発光ダイオードチップ130をパッケージ基板(
図8の140)に電気的に接続する電極(
図8の131)または電極パターンが形成されてもよい。
【0035】
一方、
図7に示したように、色変換用フリット貼り付け段階(S3)にて発光ダイオードチップ130に色変換用フリット100を貼り付けた後、色変換用フリット100から転写フィルム120を除去する工程を行なうことができる。
【0036】
最後に、
図8に示したように、色変換用フリット100から転写フィルム120を除去した後、複数個の発光ダイオードチップ130を一つの発光ダイオードチップ130を基準とする単位セルにカットした後、発光ダイオードチップ130の下面に形成されている電極131をパッケージ基板140の電極部に融着する方式にて発光ダイオードチップ130をパッケージ基板140に実装すれば、本発明の実施例に係る発光ダイオードパッケージ200の製造が完了する。
【0037】
上述したように、本発明の実施例に係る発光ダイオードパッケージの製造方法は、色変換用フリット100を基材110上に所望のパターンでコーティング及び焼成し、これを転写フィルム120に転写した後、転写フィルム120に転写された色変換用フリット100を発光ダイオードチップ130に貼り付ける工程の後、色変換用フリット100に対するさらなる熱処理工程及びカッティング工程を行なわない方法であるため、熱処理工程から誘発される発光ダイオードチップ130の劣化や、カッティング工程から誘発される色変換用フリット100のクラックの発生を防止することができる。すなわち、本発明の実施例に係る発光ダイオードパッケージの製造方法によれば、発光ダイオードパッケージ200の製造工程を簡素化させることができ、且つ不良発生率を最小化させることができる。
【0038】
以上、本発明を限定された実施例や図面に基づいて説明してきたが、本発明は前記した実施例に限定されるものではなく、本発明の属する分野における通常の知識を有する者であればこのような記載から種々の修正及び変形が可能である。
【0039】
したがって、本発明の範囲は説明された実施例に限定されて決められるものではなく、特許請求の範囲や特許請求の範囲と均等なものなどによって決められるべきである。
【符号の説明】
【0040】
100:色変換用フリット
110:基材
120:転写フィルム
130:発光ダイオードチップ
130a:母基板
131:電極
140:パッケージ基板
200:発光ダイオードパッケージ