(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
円柱部の周面に周回溝をそれぞれ持つ第1電極体及び第2電極体と、第1電極体と第2電極体を相隔てて保持する電極ホルダとを備え、この電極ホルダは、第1電極体及び第2電極体を差し込み保持可能な第1電極収納穴及び第2電極収納穴と、外部から第1電極収納穴に連通する上流側流路孔と、第1電極収納穴と第2電極収納穴とに連通する電極間流路孔と、第2電極収納穴から外部へ連通する下流側流路孔とを有し、被測定流体は前記上流側流路孔、第1電極体の周回溝、前記電極間流路孔、第2電極体の周回溝、前記下流側流路孔を介して流下することを特徴とする流体の導電率兼誘電率測定器。
円柱部の径方向に貫通孔を持つ第1電極体と、円柱部の周面に周回溝を持つ第2電極体と、第1電極体と第2電極体を相隔てて保持する電極ホルダとを備え、この電極ホルダは、第1電極体及び第2電極体を差し込み保持可能な第1電極収納穴及び第2電極収納穴と、外部から第1電極収納穴に連通する上流側流路孔と、第1電極収納穴と第2電極収納穴とに連通する電極間流路孔と、第2電極収納穴から外部へ連通する下流側流路孔とを有し、被測定流体は前記上流側流路孔、第1電極体の貫通孔、前記電極間流路孔、第2電極体の周回溝、前記下流側流路孔を介して流下することを特徴とする流体の導電率兼誘電率測定器。
請求項1又は請求項2に記載の流体の導電率兼誘電率測定器において、前記各電極体の端子ピン部に接続可能な回路基板を組み込んだ測定ケースを備え、この測定ケースは、前記電極ホルダを差し込み保持可能なホルダ収納穴と、このホルダ収納穴に連通して前記上流側流路孔の開口に一端側が連絡すると共に他端側に流入側接手部を備える流入孔と、前記ホルダ収納穴に連通して前記下流側流路孔の開口に一端側が連絡すると共に他端側に流出側接手部を備える流出孔とを有することを特徴とする流体の導電率兼誘電率測定器。
請求項3に記載の流体の導電率兼誘電率測定器において、前記流路孔の断面積は前記流入孔及び前記流出孔の断面積に比して狭くなっていることを特徴とする流体の導電率兼誘電率測定器。
請求項3又は請求項4に記載の流体の導電率兼誘電率測定器において、前記各電極体は、前記円柱部から前記端子ピン部側に位置して前記有柱部との間にOリング装着用縮径部を画成する鍔部とを一体的に有し、前記Oリング縮径部にOリングが装着されて成ることを特徴とする流体の導電率兼誘電率測定器。
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の流体の導電率兼誘電率測定器において、第1の周波数信号を発信する導電率用発信回路の出力端と前記第1電極体との間に介在する第1のスイッチと、前記第1の周波数信号よりも高い第2の周波数信号を発信する誘電率用発信回路の出力端と前記第1電極体との間に介在する第2のスイッチと、前記第2電極体と導電率測定回路との間に介在する第3のスイッチと、前記第2電極体と誘電率測定回路との間に介在する第4のスイッチと、前記第1の周波数信号よりも低いスイッチ切換用周波数信号で前記第1及び第3のスイッチと前記第2及び第3のスイッチとを排他的にオン/オフ制御することを特徴とする流体の導電率兼誘電率測定器。
請求項6に記載の流体の導電率兼誘電率測定器において、前記誘電率測定回路は、前記第4のスイッチから入来する信号電流を信号電圧に変換する電流/電圧変換手段と、定電圧に制限抵抗を介してプルアップされて成る充放電用コンデンサと、前記信号電圧を第1の閾値電圧と比較してこれを超えるときはオン状態となって前記充放電用コンデンサを瞬間放電せしめる放電制御手段と、前記第4のスイッチのオン期間での前記充放電用コンデンサの充電電圧を前記第4のスイッチのオフ期間終期での前記充放電用コンデンサの充電電圧値よりも高い第2の閾値電圧と比較してこれを超えるときは異常信号を出力する比較手段とを有することを特徴とする流体の導電率兼誘電率測定器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記文献中の水位計付き導電率計を水槽内ではなく例えば水平姿勢の管路を流れる純水の導電率測定と気泡(水枯れ)検出とに利用しようとする場合、送信電極と受信電極を管路の横断方向に挿入した状態においては、両電極が純水の流動を妨げて流速を落とす流動抵抗体となって観測対象を徒に乱してしまう。特に、気泡(水枯れ)検出の誘電率測定においては両電極間の対向面積を増やして電気容量を大きく確保する必要性のあることから、流動抵抗の過大化を招く。また、管路での水枯れの検出では、水槽内のように受信電極が水面上に露出するのではなく、気泡が管路を通過することにより水枯れが始まるため、通過気泡が付着又は停滞することなく検出できるものでなければならない。
【0006】
そこで、本発明の第1の課題は、上記問題点を解決するものであり、管路の流動抵抗の増大を招かずに済む流体の導電率兼誘電率測定器を提供することにある。また、本発明の第2の課題は、管路を流れる流体中の気泡を淀ますことなく検出可能な流体の導電率兼誘電率測定器を提供することにある。更に、本発明の第3の課題は、気泡の電極部への付着や滞留を抑制できる流体の導電率兼誘電率測定器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る流体の導電率兼誘電率測定器は、円柱部の周面に周回溝をそれぞれ持つ第1電極体及び第2電極体と、第1電極体と第2電極体を相隔てて保持する電極ホルダとを備え、この電極ホルダは、第1電極体及び第2電極体を差し込み保持可能な第1電極収納穴及び第2電極収納穴と、外部から第1電極収納穴に連通する上流側流路孔と、第1電極収納穴と第2電極収納穴とを連通する電極間流路孔と、第2電極収納穴から外部に連通する下流側流路孔とを有し、被測定流体は前記上流側流路孔
、第1電極体の周回溝
、前記電極間流路孔
、第2電極体の周回溝
、前記下流側流路孔を介して流下することを特徴とする。
【0008】
かかる構成においては、被測定流体は上流側流路孔,第1電極体の周回溝,電極間流路孔,第2電極体の周回溝,下流側流路孔を介して流下する。第1電極体の円柱部の母線と第2電極体の円柱部の母線とが電極間流路孔を隔てた最短距離の電極対となっており、この電極間流路孔内に電気力線が集中する。そして、被測定流体は流路孔から周回溝に沿って後方の流路孔へ案内されるので、流動抵抗の増大を招かずに済む。また円弧状の周回溝の逃げ道が確保されているため、流体内に含まれる気泡の分割が起り難く、電極間流路孔の内面に付着し難いので、誤検出を防げる。また、円柱部に周回溝を形成する作業は、円柱部に貫通孔を形成する場合に比べて製造容易であり、製造コストを抑制できる。
【0009】
また別の流体の導電率兼誘電率測定器としては、円柱部の径方向に貫通孔を持つ第1電極体と、円柱部の周面に周回溝を持つ第2電極体と、第1電極体と第2電極体を相隔てて保持する電極ホルダとを備え、この電極ホルダは、第1電極体及び第2電極体を差し込み保持可能な第1電極収納穴及び第2電極収納穴と、外部から第1電極収納穴に連通する上流側流路孔と、第1電極収納穴と第2電極収納穴とを連通する電極間流路孔と、第2電極収納穴から外部に連通する下流側流路孔とを有し、被測定流体は前記上流側流路孔
、第1電極体の貫通孔
、前記電極間流路孔
、第2電極体の周回溝
、前記下流側流路孔を介して流下することを特徴とする。
【0010】
被測定流体は上流側流路孔,第1電極体の貫通孔,電極間流路孔,第2電極体の周回
溝,下流側流路孔を介して流下する。第1電極体の貫通孔の孔縁と第2電極体の円柱部の母線とが電極間流路孔を隔てた最短距離の電極対となっており、この電極間流路孔内に電気力線が集中する。そして、電極間流路孔への被測定流体の流入は第1電極体の貫通孔を介して行われ、電極間流路孔からの被測定流体の流出は第2電極体の周回溝を介して行われる。第1電極体の円
柱部には周回溝ではなく貫通孔となっているため、気泡分割が起り難く、気泡付着を抑制できる。
【0011】
この流体の導電率兼誘電率測定器においては、各電極体の端子ピン部に接続可能な回路基板を組み込んだ測定ケースを備え、この測定ケースは、電極ホルダを差し込み保持可能なホルダ収納穴と、このホルダ収納穴に連通して上流側流路孔の開口に一端側が連絡すると共に他端側に流入側接手部を備える流入孔と、ホルダ収納穴に連通して下流側流路孔の開口に一端側が連絡すると共に他端側に流出側接手部を備える流出孔とを有する。かような測定ケースを用いれば、例えば燃料電池発電システムの管路において流入管を流入側接手部に接続すると共に流出管を流出側接手部に接続する簡単な作業だけで、純水の汚れと気泡(水枯れ)の検出を行うことができる。
【0012】
ここで、流路孔の断面積は流入孔及び流出孔の断面積に比して狭くなっていることが望ましい。流入孔及び流出孔内の流体の流速が低速であっても、流路孔内の流速を高めることができるので、気泡や異物が電極孔内や流路孔内面に付着し難く、誤検出を防げる。
【0013】
更に、各電極体は、円柱部から端子ピン部側に位置して円柱部との間にOリング装着用縮径部を画成する鍔部とを一体的に有し、Oリング縮径部にOリングが装着されて成る場合、被測定流体の電極収納穴内での漏洩を防止できる。
【0014】
そして、この流体の導電率兼誘電率測定器において、第1の周波数信号を発信する導電率用発信回路の出力端と第1電極体との間に介在する第1のスイッチと、第1の周波数信号によりも高い第2の周波数信号を発信する誘電率用発信回路の出力端と第1電極体との間に介在する第2のスイッチと、第2電極体と導電率測定回路の入力端との間に介在する第3のスイッチと、第2電極体と誘電率測定回路の入力端との間に介在する第4のスイッチとを有し、第1の周波数信号よりも低いスイッチ切換用周波数信号で第1及び第3のスイッチと第2及び第4のスイッチとを排他的にオン/オフ制御することを特徴とする。第1及び第3のスイッチのオン期間においては、第2及び第4のスイッチのオフ期間であり、第1の周波数信号の発信による導電率測定だけが可能となり、他方、第2及び第4のスイッチのオン期間においては、第1及び第3のスイッチのオフ期間であり、第2の周波数信号の発信による誘電率測定が可能となり、クロストークが起らず、リアルタイムで時間分割の交互測定を実現できる。
【0015】
そして、この流体の導電率兼誘電率測定器において、第1の周波数信号を発信する導電率用発信回路の出力端と第1電極体との間に介在する第1のスイッチと、第1の周波数信号
よりも高い第2の周波数信号を発信する誘電率用発信回路の出力端と第1電極体との間に介在する第2のスイッチと、第2電極体と導電率測定回路の入力端との間に介在する第3のスイッチと、第2電極体と誘電率測定回路の入力端との間に介在する第4のスイッチとを有し、第1の周波数信号よりも低いスイッチ切換用周波数信号で第1及び第3のスイッチと第2及び第4のスイッチとを排他的にオン/オフ制御することを特徴とする。第1及び第3のスイッチのオン期間においては、第2及び第4のスイッチのオフ期間であり、第1の周波数信号の発信による導電率測定だけが可能となり、他方、第2及び第4のスイッチのオン期間においては、第1及び第3のスイッチのオフ期間であり、第2の周波数信号の発信による誘電率測定が可能となり、クロストークが起らず、リアルタイムで時間分割の交互測定を実現できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、管路の流動抵抗の増大を招かずに済み、また管路を流れる流体中の気泡を検出可能な流体の導電率兼誘電率測定器を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の第1実施例を添付図面に基づいて説明する。先ず、本例の流体の導電率兼誘電率測定器の機械的構成は、測定ケース10と、電極ホルダ20と、同一構成の第1電極体E1及び第2電極体E2と、ホルダカバー30と、回路基板45とから成る。
【0019】
測定ケース10は樹脂成型品で、底板中央部分において電極ホルダ20を差し込み保持可能な丸竪穴のホルダ収納穴11と、底板の一方側においてホルダ収納穴11に連通して流入側接手部(雌コネクタ)12aを備える流入孔12と、底板の他方側においてホルダ収納穴11に連通して流出側接手部(雄コネクタ)13aを備える流出孔13とを有する。
【0020】
電極ホルダ20は略円柱状の絶縁樹脂成形品で、直径方向に貫通する円形の流路孔21と、この流路孔21に直交して第1電極体E1が差し込み保持可能な丸竪穴の第1電極収納穴22と、流路孔21に直交して第2電極体E2が差し込み保持可能な丸竪穴の第2電極収納穴23とを備えている。流路孔21の流入側及び流出側の開口縁はテーパー面Tとなっている。電極ホルダ20の拡径部24の段差にはOリングNが装着されている。なお、eは肉抜き穴である。
【0021】
電極体E1(E2)は真直状導電性金属製で、直径方向に貫通した円形電極孔hを持つ円柱部Uと、この円柱部Uの上側に位置して円柱部Uとの間にOリング装着用縮径部Vを画成する鍔部Fと、この鍔部Fの上側で肉盗みの縮径部Sだけ離して位置する両Dカットの回し位置決め用見当部(マーカー)Wと、この回し位置決め用見当部Wの上側でカバー差し込み部Mだけ離して位置する端子ピン部Pとを一体的に備えている。Oリング装着用縮径部VにはOリングQが装着されている。電極ホルダ20の第1電極収納穴22及び第2電極収納穴23に第1電極体E1及び第2電極体E2を差し込んで、
図3に示す電極体アセンブリ70が構成される。
【0022】
ホルダカバー30は、電極体E1(E2)のカバー差し込み部Mが嵌るカバー孔31を有する。回路基板45は、測定ケース10の蓋板としても機能し、電極体E1(E2)の端子ピン部Pが嵌るスル―ホール46を有する。
【0023】
第1電極体E1の円形電極孔hと第2電極体E2の円形電極孔hとが向い合った状態となっており、これらに合致する流路孔21が貫通形成されている。そして、流路孔21及び円形電極孔hの断面積は流入孔12及び流出孔13の断面積に比して狭くなっている。
【0024】
流路孔21は、第1電極体E1の円形電極孔hと第2電極体E2の円形電極孔hとを連絡する電極間流路孔21aと、第1電極体E1の円形電極孔hの上流側でこれと連絡する上流側流路孔21bと、第2電極体E2の円形電極孔hの下流側でこれと連絡する下流側流路孔21cとから成る。
【0025】
かような測定器の機械的構成においては、被測定流体は流入孔12から上流側流路孔21b,第1電極体E1の円形電極孔h,電極間流路孔21a,第2電極体E2の円形電極孔h,下流側流路孔21cを介して流出孔13へ流下して行き、
図3(D)に示す如く、第1電極体E1の円形電極孔hの孔縁と第2電極体E2の円形電極孔hの孔縁とが電極間流路孔21aを隔てた最短距離の電極対となっており、この電極間流路孔21a内に電気力線が集中する。そして、被測定流体は円形電極孔h内と流路孔21内をスムーズに流れるので、流動抵抗の増大を招かずに済む。また流体内に含まれる気泡の分割が起り難く、円形電極孔hや流路孔21の内面に付着し難いので、誤検出を防げる。
【0026】
本例の電極ホルダ20は、第1電極体E1及び第2電極体E2をインサートとする樹脂成形品ではなく、流路孔21に直交して第1電極体E1を差し込み保持可能な第1電極収納穴22と、流路孔21に直交して第2電極体E2を差し込み保持可能な第2電極収納穴23とを備えているため、電極体E1,E2の交換や清掃が可能となっている。
【0027】
測定ケース10は、流入管を接続する流入側接手部12aと流出管を接続する流出側接手部13aを有しているため、簡単な管接続作業だけで、燃料電池発電システムにおける純水の汚れと気泡(水枯れ)の検出を行うことができる。
【0028】
また、流路孔21の断面積は流入孔12及び流出孔13の断面積に比して狭くなっているため、流入孔12及び流出孔13内の流体の流速が低速であっても、流路孔21内の流速を高めることがきるので、気泡や異物が円形電極孔hや流路孔21の内面に付着し難くなり、誤検出を防げる。更に、円形電極孔hが円柱部Uの直径方向に形成されているため、円柱部Uを軸回転させて円形電極孔hの向きを変えることで、円形電極孔hと流路孔21との整合を図ることができる。
【0029】
電極体E1,E2にはOリングQが装着されているため、流体の電極収納穴22,23内での漏洩を防止できる。更に、電極体E1,E2を電極収納穴22,23に差し込んだ際、円形電極孔hと流路孔21との合致が視認できないときでも、各電極体E1,E2には回し位置決め用見当部(マーカー)Wが形成されているため、回し位置決め用見当部Wの位置合わせで合致を図ることができる。そして、電極体E1,E2は鍔部Fと回し位置決め用見当部Wと間に肉盗みの縮径部Sを一体的に有しているため、肉盗みの縮径部Sのない場合に比して肉盗みの縮径部S同士により対向面積と対向距離が減少する分、寄生容量を抑制でき、誘電率測定の分解能を高めることができる。
【0030】
図
6は上記の流体の導電率兼誘電率測定器を用いた検出回路を示す回路ブロック図である。この検出回路は、第1電極体E1を送信電極とし、第2電極体E2を受信電極とし、連動スイッチ群と送信側回路と受信側回路とから成る。
【0031】
先ず、送信側回路は、1msの切換周期(パルス幅)の±5V矩形波で極性反転を繰り返す500Hzの導電率用周波数信号S
1を発信する導電率用発信回路40Aと、0.005msの切換周期(パルス幅)の±5V矩形波で極性反転を繰り返す100KHzの誘電率用周波数信号S
2を発信する誘電率用発信回路40Bと、5msの切換周期(パルス幅)の±5V矩形波で極性反転を繰り返す100Hzのスイッチ切換用周波数信号S
3を発信するスイッチ切換用発信回路40Cを備えている。導電率用発信回路40Aの出力端子は第1アナログスイッチSW
1を介して送信電極としての第1電極体E1の端子ピンPに接続されており、また誘電率用発信回路40Bの出力端子は第2アナログスイッチSW
2を介して第1電極体E1の端子ピン部Pに接続されている。
【0032】
他方、受信側回路は、導電率測定回路50と誘電率測定回路60とから成り、導電率測定回路50は、入力端子が第3アナログスイッチSW
3を介して受信電極としての第2電極体E2の端子ピンPに接続された導電率用受信回路50Aと、ピークホールド回路51Aと、コンパレータ52Aとから成り、誘電率測定回路60は、入力端子が第4アナログスイッチSW
4を介して第2電極体E2の端子ピン部Pに接続された誘電率用受信回路60Bと、充放電回路61Bと、コンパレータ62Bとから成る。
【0033】
そして、スイッチ切換用発信回路40Cからのスイッチ切換用周波数信号S
3は4つのアナログスイッチSW
1〜SW
4の制御端子に供給されており、アナログスイッチSW
1〜SW
4を5msの切換周期でオン/オフ制御する。導電率用の第1アナログスイッチSW
1及第3アナログスイッチSW
3と誘電率用の第2アナログスイッチSW
2及び第4アナログスイッチSW
4のオン/オフ制御は5msの切換周期毎で排他的に行われる。即ち、第1アナログスイッチSW
1及第3アナログスイッチSW
3のオン制御は第2アナログスイッチSW
2及び第4アナログスイッチSW
4のオフ制御であり、逆に、第1アナログスイッチSW
1及第3アナログスイッチSW
3のオフ制御は第2アナログスイッチSW
2及び第4アナログスイッチSW
4のオン制御である。なお、本例においては回路構成の簡略化の観点から、電源付勢により導電率用発信回路40Aと誘電率用発信回路40Bとスイッチ切換用発信回路40Cの夫々が相互独立に発信するようになっており、そのため、導電率用周波数信号S
1と誘電率用周波数信号S
2とスイッチ切換用周波数信号S
3の三者間では非同期となっているが、高周波発信回路としての誘電率用発信回路40Bの誘電率用周波数信号S
2を分周して導電率用周波数信号S
1とスイッチ切換用周波数信号S
3とを生成し、三者間で同期をとっても構わない。
【0034】
導電率用受信回路50Aは、第2電極体E2から第3アナログスイッチSW
3を介して受ける信号電流を電導率用入力電圧に変換するための受端抵抗(図示せず)と、その電導率用入力電圧から500Hzの信号電圧を取り出すためのバンドパスフィルタ(図示せず)と、ノイズ除去フィルタ(図示せず)とを有している。また同様に、誘電率用受信回路60Bは、第2電極体E2から第4アナログスイッチSW
4を介して受ける信号電流を誘電率用入力電圧に変換するための受端抵抗(図示せず)と、その誘電率用入力電圧から100KHzの信号電圧を取り出すためのバンドパスフィルタ(図示せず)と、ノイズ除去フィルタ(図示せず)とを有している。
【0035】
ピークホールド回路51Aは、耐ノイズ性の点からリセット回路を具備しておらず、また5ms毎に間欠する5msのスイッチオフ期間を無視できるようにするため、比較的長い放電時定数470msの充電回路を備えており、スイッチオン期間の終期電圧を自己保持できるようになっている。コンパレータ52Aは、5msのスイッチオフ期間によるリップ電圧の影響を抑えるためにヒステリシス機能を備えている。
【0036】
充放電回路61Bは、
図6(A)に示す如く、誘電率用受信回路60Bからの信号電圧を増幅する増幅器AMPと、電源電圧V
CCに電流制限抵抗Rを介してプルアップされて成る充放電用コンデンサCと、増幅器AMPのアンプ出力V
AMPを第1の閾値電圧V
1と比較し、アンプ出力V
AMPが第1の閾値電圧V
1を超えるときは比較出力V
CMPを接地電位に短絡して充放電用コンデンサCの電荷を瞬間放電する放電スイッチ用コンパレータCMPとを有している。そして、コンパレータ62Bは比較出力V
CMPを第2の閾値電圧V
2と比較し、比較出力V
CMPが第2の閾値電圧V
2を超えるときは異常信号としてハイレベル信の水枯れ検出信号V
Oを出力する。
【0037】
次に、上記検出回路の動作を説明する。第1アナログスイッチSW
1と第2アナログスイッチSW
2とは、100Hzのスイッチ切換用周波数信号S
3によって、5msのスイッチオン切換周期で排他的にオン/オフ動作を繰り返すため、第1電極体E1の円形電極孔hの孔縁から被測定流体に放射する送信信号は、5msのスイッチ切換周期に亘って発信する1msのパルス幅で連続約5パルスの導電率用周波数信号S
1と、5msのスイッチ切換周期に亘って発信する0.005msのパルス幅で連続約1000パルスの誘電率用周波数信号S
2とが交互に切り換わるものとなっている。受信側の第3アナログスイッチSW
3は第1アナログスイッチSW
1と同期してオン/オフ動作を繰り返すため、そのスイッチオン期間の5msにおいては第3アナログスイッチSW
3から導電率用受信回路50Aを介してピークホールド回路51Aの入力にはパルス幅約1msの連続約5パルスが到来し、そのスイッチオフ期間においてはパルスゼロとなる。他方、第4アナログスイッチSW
4は第2アナログスイッチSW
2と同期してオン/オフ動作を繰り返すため、そのスイッチオン期間の5msにおいては第4アナログスイッチSW
4から誘電率用受信回路60Bを介して充放電回路61Bの入力にはパルス幅約0.005msの連続約1000パルスが到来し、そのオフ期間においてはゼロとなる。
【0038】
500Hzの導電率用周波数信号S
1は低周波数信号であるため、抵抗性の方が容量性よりも遥かに大きく、ピークホールド回路51Aの入力パルス波高値(電圧値)の如何は被測定流体(例えば純水)の汚れ(導電率,電気伝導度)に専ら依存し、汚れが増すにつれ導電率が高まり、入力パルス波高値が次第に高くなる。即ち、ピークホールド回路51Aのアナログ出力は汚れに依存する導電率を反映している。ピークホールド回路51Aはスイッチオフ期間でも直前のスイッチオン期間の終期電圧を保持できるように充電回路を具備しているため、被測定流体の汚れが進むと、徐々にピーク値が上昇し、所定の閾値電圧を超えると、コンパレータ52Aの出力電圧がローレベルからハイレベルへ反転し、これにより「汚れ異常」が報知される。
【0039】
他方、100KHzの誘電率用周波数信号S
2は高周波数信号であるため、容量性の方が抵抗性よりも遥かに大きく、充放電回路61Bの入力パルス波高値(電圧値)の如何は被測定流体(例えば純水)の誘電率に専ら依存し、第1電極体E1の円形電極孔hと第2電極体E1の円形電極孔hとに挟まれた電極間流路孔
21aに気泡が入来するときは、誘電率が急激に減少するため静電容量が急減し、入力パルス波高値が激減する。
図6(B)に示す如く、第4アナログスイッチSW
4のスイッチオン期間においては、増幅器AMPのアンプ出力V
AMPには100KHzの誘電率用周波数信号S
2に基づきパルス幅約0.005msの正負都合連続約1000パルスが現れるが、信号電圧がその各正パルスの立ち上がり毎(約0.01ms毎)で第1の閾値電圧V
1を超えると、放電スイッチ用コンパレータCMPの比較出力V
CMPが接地し、充放電用コンデンサCを瞬間放電せしめる。逆に、信号電圧が各正パルスの立ち下がり毎(約0.01ms毎)で第1の閾値電圧V
1から落ちると、放電スイッチ用コンパレータCMPの比較出力V
CMPが非接地状態となり、充放電用コンデンサCが電源電圧V
CCから電流制限抵抗Rを介して緩慢充電される。この緩慢充電の時定数は本例では第4アナログスイッチSW
4のスイッチオン期間の5msよりも大きな30msとしてある。つまり、第4アナログスイッチSW
4のスイッチオン期間においては信号電圧の増減に基づき瞬間放電と緩慢充電の充放電が約500回繰り繰り返されるが、放電時定数(殆どゼロ)が充電時定数(30ms)よりも極めて小さいため、比較出力V
CMP、即ち充電電圧は殆ど常にゼロ近傍にある。
【0040】
一方、スイッチSW
4のスイッチオフ期間においては増幅器AMPのアンプ出力V
AMPがゼロとなっているため、放電スイッチ用コンパレータCMPの比較出力V
CMPが常に非接地状態であり、電源電圧V
CCから充放電用コンデンサCに対し5msに亘り電流制限抵抗Rを介して充電されるので、スイッチSW
4のスイッチオフ期間の終期では充電電圧(比較出力V
CMP)が所定の電圧V
3に達する。そして、次のスイッチSW
4のスイッチオン期間において受信信号が到来していると、前述のように、充放電を繰り返し、充電電圧(比較出力V
CMP)がゼロ近傍となるが、図
7(B)に示す如く、このスイッチSW
4のスイッチオン期間のうち例えば時刻t
1において第1電極体E1の円形電極孔hと第2電極体E1の円形電極孔hとの間の被測定流体中に気泡が入来すると、空気の誘電率は水のそれの約1/80であるので、電極間の誘電率が急激に低下し、誘電率用周波数信号S
2が発信しているにも拘わらずアンプ出力V
AMPの方が殆どゼロとなり、コンパレータCMPの比較出力V
CMPが非接地となるので、充放電用コンデンサCへの充電が早めに開始され、次のスイッチオフ期間の終期では比較出力V
CMPが所定の電圧V
3を超えて設定した第2の閾値電圧V
2を超えるときは、コンパレータ62Bの水枯れ検出信号V
Oがローレベルからハイレベルへ反転し、「水枯れ検出」を報知する。
【0041】
アンプ出力V
AMPがゼロ近傍となるときに充放電用コンデンサCへの充電が開始されるが、このアンプ出力V
AMPがゼロ近傍となる場合は、スイッチSW
4のスイッチオフ期間の開始時点か、或いはスイッチSW
4のスイッチオン期間において気泡が存在する時点のいずれかである。なお、スイッチSW
4のスイッチオフ期間から気泡が存在し続けるときは次のスイッチオン期間の開始時点からアンプ出力V
AMPがゼロ近傍となる。水枯れが発生する場合にはスイッチSW
4のスイッチオン期間においても充放電用コンデンサCの充電時間が余分に追加されて第4アナログスイッチSW
4のスイッチオフ期間(5ms)よりも長なり、これにより充電電圧が5msに亘る充電電圧である所定電圧V
3よりも高くなる。この誘電率測定用回路では、信号電圧を充電するピークホールド回路を用いることなく、電源電圧V
ccにプルアップされて成る充放電コンデンサに対して信号電圧の増減に基づいて放電制御するようにしており、事実上、充放電コンデンサに対する充電時間の長短比較により水枯れを高精度に検出できる。
【0042】
図8は本例の導電率兼誘電率測定器に組み込む電極体アセンブリの第2実施形態を示す。この第2実施形態の電極体アセンブリ71において、
図3に示す第1実施形態の電極体アセンブリ70と異なる点は第1電極体E1′及び第2電極体E2′の構造にある。即ち、電極体アセンブリ70の第1電極体E1及び第2電極体E2の円柱部Uはその直径方向に貫通した円形電極孔(貫通孔)hを有しているのに対し、電極体アセンブリ71の第1電極体E1′及び第2電極体E2′の円柱部Uはその周面に周回溝Zを有しているところにある。
【0043】
図8(D)に示す如く、被測定流体は上流側流路孔21b,第1電極体E1′の周回溝Z,電極間流路孔21a,第2電極体E2′の周回溝Z,下流側流路孔21cを介して流下する。第1電極体E1′の円柱部Uの母線と第2電極体E2′の円柱部Uの母線とが電極間流路孔21aを隔てた最短距離の電極対となっており、この電極間流路孔21a内に電気力線が集中する。そして、被測定流体は流路孔21bから円弧状の周回溝Zに沿って後方の流路孔21aへ案内されるので、流動抵抗の増大を招かずに済む。また円弧状の周回溝Zの逃げ道が確保されているため、流体内に含まれる気泡の分割が起り難く、円形電極孔hや流路孔21の内面に付着し難いので、誤検出を防げる。特に、本例における円柱部Uに周回溝Zを形成する作業は、
図3に示すような円柱部Uに円形電極孔hを形成する場合に比べて製造容易であり、また、両Dカットの回し位置決め用見当部(マーカー)Wの形成も不要で、せいぜい第2鍔部W′の形成で足りる。このため、電極体E1′,E2′の製造コストを抑制できる。
【0044】
図9は本例の導電率兼誘電率測定器に組み込む電極体アセンブリの第3実施形態を示す。この第3実施形態の電極体アセンブリ72において、
図3に示す第1実施形態の電極体アセンブリ70と異なる点は第2電極体E2′の構造にある。即ち、電極体アセンブリ70の第2電極体E2の円柱部Uはその直径方向に貫通した円形電極孔hを有しているのに対し、電極体アセンブリ72の第2電極体E2′の円柱部Uはその周面に周回溝Zを有しているところにある。
【0045】
図9(D)に示す如く、被測定流体は上流側流路孔21b,第1電極体E1の円形電極孔h,電極間流路孔21a,第2電極体E2′の周回溝Z,下流側流路孔21cを介して流下する。第1電極体E1の円形電極孔(貫通孔)hの孔縁と第2電極体E2′の円柱部Uの母線とが電極間流路孔21aを隔てた最短距離の電極対となっており、この電極間流路孔21a内に電気力線が集中する。そして、電極間流路孔21aへの被測定流体の流入は第1電極体E1の円形電極孔hを介して行われ、電極間流路孔21aからの被測定流体の流出は第2電極体E2′の周回溝Zを介して行われる。
図8に示す第1電極体E1′の周回溝Zでは大きな気泡が分割されて付着するおそれがあるものの、本例の第1電極体E1の円形電極孔hではそのおそれがない分、気泡付着を抑制できる。