【課題を解決するための手段】
【0007】
これらの課題は、本願独立請求項に記載の物および方法によって解決され、従属請求項は本発明による有利な実施形態を提示する。本願明細書または図に示す特徴は、個々にまたは組合せて協働することができ、特定の要求を満足するデバイスを得ることができる。
【0008】
本発明によるデバイスは、1つの上面を有する1つの第1のチップと、1つの下面を有する1つの第2のチップとを備える。本発明によるデバイスは、さらに1つの第1の結合パターンと、1つの第2の結合パターンとを備え、これらはそれぞれ上記の第1のチップの上面上に配設されている。本発明によるデバイスの1つの第1のコンタクトパターンおよび1つの第2のコンタクトパターンは、上記の第2のチップの下面に配設されている。さらに、1つのマッチングパターンが存在し、このマッチングパターンは、高さΔhを有し、上記の第1のチップと上記の第1の結合パターンとの間に配設されている。この第1の結合パターンは、上記の第1のコンタクトパターンと結合されている。上記の第2の結合パターンは、上記の第2のコンタクトパターンと結合されている。上記の第2のコンタクトパターンは、上記の第1のコンタクトパターンよりΔhの大きさだけ高くなっている。
【0009】
上記の結合パターンは、上記の第1のチップの上面上に配設されているパターニングされた素子(複数)であり、これらは上記の2つのチップの機械的および/または電気的結合を生成するために用いられ、これらのパターンに含まれる全ての層の全厚の和に対応する高さを有している。
【0010】
上記のコンタクトパターン(複数)は、上記の第2のチップの下面上に配設されているパターニングされた素子(複数)であり、上記の結合パターンと共に、上記のチップ間の機械的および/または電気的結合を生成するために用いられ、これらのパターンに含まれる全ての層の全厚の和に対応する高さを有している。
【0011】
したがって、「高さ」という概念と「厚さ」という概念は実質的に一致している。
【0012】
上記の第2のチップがその下面上に機能的パターンを備えることが可能であるが、これは上記の2つのチップの結合を困難にする。これはこの第2のチップの下面が、これらの機能的パターンによって全く平坦でない表面を呈するからである。したがって、上記の第1のコンタクトパターンおよび上記の第2のコンタクトパターンは、異なる高さを備えてよく、これよりすなわちこの第2のチップから離間したこれらのパターンの端部は、この第2のチップからの異なる距離を有してよい。このため上記の2つのチップを同じ高さで結合することは困難となる。この問題の解決策として、上記の第1のチップの上面上にマッチングパターンが設けられ、このマッチングパターンは、上記の第2のチップの下面にある機能的パターンにも拘わらず、上記の2つのチップを均等な距離に配設し、かつ結合する。すなわち上記の第2のチップの下面における素子のコンタクトパターンの高さの差Δhはこの下側のチップの上面上における、同様に設定されたマッチングパターンによって相殺される。
【0013】
上記の結合パターン,コンタクトパターン,およびマッチングパターンは、ウェーハ上でのリソグラフィー処理を用いてパターニングすることができ、これらのパターンから後に上記の第1および第2のチップが個々に分離される。
したがって本発明によるデバイス全体は、ウェーハレベルで同時に複数が生成され、これによって製造の手間が減少され、製造における不具合原因が防止され、製造コストを低減することができる。
【0014】
1つの実施形態においては、上記の第1の結合パターンおよび上記の第2の結合パターンは、同じ高さであり、すなわちこれらの層構造は同じ厚さである。
【0015】
こうしてこれらの2つの結合パターンは同じ処理ステップにおいて生成することができる。これらのパターンの上記の第2のチップの表面レベルへの結合点の異なる距離は、この第2のチップの下面での機能的パターンによって決定されるが、他のチップすなわち上記の第1のチップの上面上のマッチングパターンによって相殺される。
【0016】
1つの実施形態においては、上記の第1のチップの回路素子は、上記の結合パターンおよびコンタクトパターンを介してこの第2のチップの回路素子と回路接続されている。
【0017】
上記の第1のチップはASICチップであってよく、これに対し上記の第2のチップはMEMSパターンを有するMEMSチップであってよい。このASICチップは、このMEMSパターンの駆動あるいはこのMEMSチップで受信された信号の処理を行うためのアナログ回路および/またはデジタル回路を備えてよい。
【0018】
このようにしてたとえば本発明によるデバイスは1つのMEMSマイクロフォンとすることが可能であり、上記のMEMSパターンは、導電性の、振動が励起され得るメンブレンあるいはほぼ剛体であり固定されている多孔のバックプレート、および上記の第2のチップの内部に構造化されている音響バックキャビティとしての空洞を備える。このメンブレン,バックプレート,および上記の音響バックキャビティのパターニングを行うために、通常は複数のパターニングステップが必要であり、ここで複数の異なる結合パターンおよびコンタクトパターンが上記の第2のチップの下面に用いられる。これらのパターンは、この第2のチップが複雑な表面形状を有することを必然とし、この表面形状は上記の第1のチップとの容易かつ直接的な結合を妨げるものである。
【0019】
上記のデバイスがマイクロフォンとして機能し、かつ良好な電気的および音響的特性を備えなければならない場合、上記の2つのチップの間に配設されるキャビティは、1つの封止された、すなわち音響入口開口部まで封止された音響的に密封されたフレームによって封止され、また上記のチップ間の追加的な電気的および機械的結合を提供することが必要となり得る。この音響的に密閉されたフレームは、音響的な短絡、すなわち音響波が、音響的に活性なパターンの表側および裏側に印加されることを防ぐために必要である。
【0020】
1つの実施形態においては、本発明によるデバイスは、完全に封止された1つのフレームパターンまたは側部開口部、たとえば1つの音響入口開口部を有する1つのフレームパターンを備え、たとえばこのフレームパターンは、上記の結合パターン(複数)の1つ,上記のコンタクトパターン(複数)の1つ,または1つの別のフレーム形状のパターンによって形成されている。
【0021】
上記の第1および第2の結合パターンは、上記の2つのチップを電気的および/または機械的に互いに結合するため、またはこれら2つのチップでの形状嵌め(formschluessige)による結合によって、開放されたあるいは封止されたフレームパターンとして、このチップの下面上に配設された機能的パターンにも拘わらず、上記のチップの間の空洞を包囲するために用いられる。
【0022】
1つの実施形態においては、上記の結合パターン(複数)の1つ,上記のコンタクトパターン(複数)の1つ,または1つの別のパターンは、1つの支持パターンとなっている。
【0023】
上記の2つのチップおよびこれらのチップの間のキャビティを備えるデバイスは、外部の周辺回路の中に取り付けられてよく、またさらなる回路部品またはハウジング部品、たとえば成形材によって包囲されていてよい。いずれの場合においても、本発明によるデバイスは機械的に堅牢であり、かつさらなる処理ステップまたは組み立てステップで、場合により発生し得る圧力に耐えることができれば、有利である。特に、これらのチップ間の空洞が、機械的堅牢性に影響しないことがよいであろう。この空洞に配設され、かつこれら2つのチップを互いに支持する、さらなる支持パターンを設けること、すなわち垂直方向の力を伝達することは、このデバイスの堅牢性を高め、これによって適宜設けられるフレームパターンの負荷が除去され、音響的密封性を損なうことが減少する。
【0024】
1つの実施形態においては、本発明によるデバイスは、さらに上記の第1のチップ,上記の第2のチップおよび/またはこのデバイス全体の電磁シールドを備える。
【0025】
本発明による電磁シールドを有するデバイスの1つの実施形態においては、上記の第1のチップの基体および上記の第2のチップの基体は、この電磁シールドを介して直接互いに回路接続されていない。
【0026】
上記の第2のチップの上面または上記の第2のチップの側面に電磁シールドのための1つの金属材料が配設されていてよい。同様に、上記の第1のチップの下面または上記の第1のチップの側面に電磁シールドのための1つの導電性材料が配設されていてよい。このようなシールド(複数)は、これらがチップ材料を大面積で覆っている場合、それぞれのチップ材料への良好な電気的カップリングを有する。上記の第1および第2のチップの基体がどのような電位にあるかによって、これら2つのチップを上記の大面積の電磁シールドを介して互いに低抵抗で回路接続すること、あるいはこれら2つの基体を異なる電位に保持することが有利となり得る。この場合、絶縁材料の1つの追加的な膜層が、上記の電磁シールドとこれら2つのチップ基体の少なくとも1つとの間に設けられてよく、これによって電磁シールドがこれらの基体を短絡することがない。
【0027】
1つの実施形態においては、上記の第1のチップは、1つのASICチップであり、上記の第2のチップは1つのMEMSチップである。
【0028】
1つの実施形態においては、上記の第2のチップは1つの導電性メンブレン,1つの対向電極,および1つのバックキャビティを有する1つのMEMSチップである。これに対応し、本発明によるデバイスは、1つのマイクロフォンである。
【0029】
上記の導電性メンブレンの数、あるいは上記の対向電極の数は1つに限定されない。2つ以上のメンブレンまたは2つ以上の対向電極が設けられていてよく、これによって改善された音響的あるいは電気的特性を有する1つのMEMSマイクロフォンが得られる。具体的には、差動で動作するマイクロフォンを得るために、2つの対向電極の間に1つのメンブレンを配設することが可能であり、または2つの可動なメンブレンの間に1つの対向電極を配設することが可能である。
【0030】
本発明によるデバイスは、さらに、たとえばSMD取り付け(SMD=Surface Mounted Device)のためのはんだパッドを備えてよい。ASICパターンは、たとえば上記の第1のチップの下面、この第1のチップの内部、またはこの第1のチップの上面に配設されていてよい。
【0031】
同様下面でのMEMSパターンは、上記の第2のチップの内部または上面に配設されていてよい。
【0032】
上記の第1のチップを貫通する貫通接続部または上記の第2のチップを貫通する貫通接続部は、デバイスの外部の周辺回路との回路接続あるいは結合のために、それぞれのチップまたは結合パターンの回路素子を回路接続してよい。
【0033】
これらのチップ間の電気的回路接続部を生成する上記の結合パターンあるいはコンタクトパターンは、好ましくは導電性であり、金属を含んでよい。他の結合パターンまたはコンタクトパターンは、導電性の材料または非導電性の材料を含んでよい。上記のマッチングパターンも同様に導電性の材料または非導電性の材料を含んでよい。このマッチングパターンが導電性の材料を含む場合、このマッチングパターンは上記のチップ(複数)の間または1つのチップの素子(複数)の間の電気的回路接続部の一部であってよい。
【0034】
結合パターンおよび/またはコンタクトパターンは、1つの電気的回路接続部を生成し、またたとえば機械的な観点からほぼ非導電性の材料を含まなければならない場合には、上記の結合パターンの上面あるいは上記のコンタクトパターンの下面に結合メタライジング部(複数)を設け、これらが互いに適宜接触し、かつ1つの電気的な回路接続部を生成してよい。
【0035】
上記の結合パターン,コンタクトパターン,またはマッチングパターンの材料として、金属、たとえばアルミニウム,銅,ニッケル,金,または銀,またはこれらの金属を含む合金や、ガラス,ポリマー,または非有機的に化学修飾されたハイブリッドポリマーが適している。上記のマッチングパターンは、ASICパターンの生成で用いられた材料から構成されていてもよい。上記のチップ間のボンディングフレームの領域または結合ピン間の領域におけるマッチングパターンの層厚のマッチングにより、またはこのマッチングパターンの局所的な除去により、その対向部品(Gegenstueck)が上記の第2のチップの下面の表面形状となるように、この支持部材または結合部材の異なる高さをこれに合わせて調整することができる。
【0036】
ボンディングフレームまたは結合ピンは、たとえば上記の2つの結合パターンまたは上記の2つのコンタクトパターンまたは別の結合パターンおよびコンタクトパターンから成っており、たとえばSU8(Microchem社)のようなレジスト、またはPerMX(Dupont社)のようなドライフィルムを含んでよい。
【0037】
この高さΔhは数マイクロメーターの範囲であってよく、たとえば10μmであってよい。
【0038】
ボンディングフレームまたは結合ピンの高さ、すなわち結合パターン(複数)およびコンタクトパターン(複数)から構成されるパターンの総高は、数マイクロメーターの範囲であってよく、たとえば5〜200μmであってよい。
【0039】
上記の2つのチップの接合の際に圧縮によってさらなる高さ調整を行うため、ボンディングフレームの材料として同等な弾性材料,塑性材料,または一般的に圧縮可能な材料を選択してよい。こうしてこのボンディングフレームは、たとえばポリマーを含んでよい。
【0040】
上記の結合パターン(複数)およびコンタクトパターン(複数)の間の堅牢な結合を得るために、これらのパターンのそれぞれの結合部位に結合手段を設けてよい。このような結合手段は、たとえばはんだまたは導電性接着剤であってよい。
【0041】
電気絶縁膜層は、上記の2つのチップの基体(複数)を互いに絶縁するために用いられ、たとえばガラス,ポリマー,たとえばオルモセル(Ormocer)またはパリレンのような非有機的に化学修飾されたハイブリッドポリマーを含んでよい。
【0042】
電磁シールドの材料は金属であってよく、たとえばアルミニウム,銅,ニッケル,錫,またはチタンまたはこれらの金属を含む合金であってよい。これらのそれぞれの材料はPVD(Physical Vapour Deposition),CVD(Chemical Vapour Deposition),電解めっき処理または無電解めっきによって、またそれぞれの前駆物質のプラズマジェットコーティングによって、またはフレーム溶射によって取り付けることができる。
【0043】
上記のデバイスがMEMSマイクロフォンである場合、上記の第1のチップにおける開口部を通る音響入口開口部、またはフレームパターンを貫通する開口部を通る側部の音響入口開口部によって実現することができる。音響的な理由から、すなわちより良好な対称性のために、上記の第1のチップを貫通する下側の音響入口開口部が望ましいであろう。いずれにせよ最近のMEMSマイクロフォン、すなわち小さなMEMSマイクロフォンは、その小さな下面上に所定の数の電気的コンタクト部を備え、こうしてこれらのコンタクト部の密度はこれに応じて高くなっている。上記の音響入口開口部が、上記の第1のチップの下面上に存在する場合、このデバイスの製造の際またはこのデバイスを外部の周辺回路と結合する際に、この音響入口開口部がプロセス材料、たとえばはんだによって封止されるという危険がある。
【0044】
このため上記の音響入口開口部を上記のデバイスの側部に設けることが有利であり得る。
【0045】
デバイスを製造するための1つの方法は以下のステップを備える。
−MEMSパターン(複数)およびコンタクトパターン(複数)を1つの第2のチップの下面上に生成するステップ。
−1つのマッチングパターンおよびコンタクトパターン(複数)を1つの第1のチップの上面上に生成するステップ。
−これらの2つのチップを接合するステップであって、ここで上記のコンタクトパターンが上記の結合パターンと結合され、かつ高さの異なるコンタクトパターンにも拘わらず、この結合が空隙無しとなるように、上記のマッチングパターンの高さが設定されるステップ。
【0046】
こうして上記の第2のチップの下面に、これらのチップの結合を困難とするMEMSパターンが配設されているにもかかわらず、空隙が無く、かつ(たとえばはんだ結合によって)材質接合が可能な、上記の2つのチップの結合を得ることができる。
【0047】
本発明による方法の1つの実施形態においては、上記の第1のチップ(複数)は、一緒に1つの第1のウェーハに形成され、上記の第2のチップ(複数)は、一緒に1つの第2のウェーハに形成される。
【0048】
それぞれのウェーハの接合によって、多数のデバイスを同時に製造することができ、これらのデバイスは、ウェーハの接合後に漸く個々に分離されることになる。
【0049】
本発明による方法の1つの実施形態においては、上記の2つのウェーハの結合の後に、上記の第2のチップ(複数)を個々に分離するステップの第1の部分ステップによって互いに分離することが可能である。この個々に分離するステップは、上記の第2のチップ(複数)の材料を完全に貫通するが、この第2のチップの材料を貫通するものであり、上記の結合パターンの材料を貫通するものではない。上記の第1のチップ(複数)は、個々に分離するステップの第2の部分ステップによって互いに分離される。この個々に分離するステップの第2の部分ステップは、上記の第1のチップ(複数)の材料を完全に切断し、かつ上記の結合パターンの材料を切断する。
【0050】
以上によりチップ体を電気的に互いに絶縁するための基本部分が作られる。
これに対応して本発明による方法の1つの実施形態では、上記の個々に分離するステップの第1の部分ステップの後に、まず1つの絶縁膜層とこれに続いて1つの導電性のシールド膜層とが上記の第2のチップ(複数)上に取り付けられる。上記の個々に分離するステップの第2の部分ステップの後に、1つの導電性のシールド膜層が、少なくとも上記の第1のチップ(複数)を個々に分離するエッジ(複数)上に取り付けられる。
【0051】
以下に本発明によるデバイスおよびデバイスの製造方法を、概略の実施形態例(複数)およびこれに付随する図(複数)を参照して詳細に説明する。