(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
電動モータと、この電動モータを駆動するための駆動スイッチと、前記電動モータの駆動出力軸に減速機構およびトルクリミッタを介して結合されるドライバービットとを備え、前記駆動スイッチを操作するスイッチ操作部材と、前記トルクリミッタのトルクアップ動作を検出するトルクリミッタ動作検出センサと、前記電動モータの駆動および停止制御を行う電動モータ制御回路と、前記ドライバービットまたは電動モータの回転量を検出する回転量検出手段とを、それぞれ設けた電動ドライバーを使用し、
所定のねじの取付け対象物に対するドライバービットの当接時に作動する操作スイッチまたはエンコーダを設けて、前記操作スイッチまたはエンコーダの動作信号により、ねじ締め作業を行う際のねじ締め開始時点として設定すると共に、前記トルクリミッタ動作検出センサにより検出される前記トルクリミッタの動作時点をねじ締め完了のトルクアップ動作時点として設定し、
予め所定のねじ締め作業において、ねじ締めの開始時点からねじ締めの完了に伴う前記トルクリミッタによるトルクアップ動作時点までに、検出される前記ドライバービットまたは電動モータの回転量を、前記回転量検出手段により逐次検出記録し、この検出記録された回転量を目標回転量(許容範囲を含む)として設定し、
その後の所定のねじ締め作業において、ねじ締めの開始時点からねじ締めの完了に伴う前記トルクリミッタによるトルクアップ動作時点までに、検出される前記ドライバービットまたは電動モータの回転量を、前記回転量検出手段により逐次検出記録し、前記トルクアップ動作時点に検出される回転量を、前記目標回転量(許容範囲を含む)と比較することにより、ねじ締め状態の良否を判定するように設定することを特徴とする自動ねじ締め制御方法。
電動モータと、この電動モータを駆動するための駆動スイッチと、前記電動モータの駆動出力軸に減速機構およびトルクリミッタを介して結合されるドライバービットとを備え、前記駆動スイッチを操作するスイッチ操作部材と、前記トルクリミッタのトルクアップ動作を検出するトルクリミッタ動作検出センサと、前記電動モータの駆動および停止制御を行う電動モータ制御回路と、前記ドライバービットまたは電動モータの回転量を検出する回転量検出手段と、前記電動モータ制御回路において前記ドライバービットに付与される負荷トルク(反力)に基づく電動モータにおいて得られる負荷電流を検出する負荷電流検出手段とを、それぞれ設けた電動ドライバーを使用し、
所定のねじ締め作業において、ねじ締めの開始時点からねじ締めの完了に伴う前記トルクリミッタによるトルクアップ動作時点までに、検出される前記ドライバービットまたは電動モータの回転量を、前記回転量検出手段により逐次検出記録し、前記トルクアップ動作時点に検出される回転量を、目標回転量(許容範囲を含む)と比較すると共に、ねじ締めの開始時点からねじ締めの完了に伴う前記トルクリミッタによるトルクアップ動作時点までに、検出される前記電動モータの負荷電流値を、前記負荷電流検出手段により逐次検出記録し、前記トルクアップ動作時点に検出される負荷電流値を、目標負荷電流値(許容範囲を含む)と比較することにより、ねじ締め状態の良否を判定するように設定することを特徴とする自動ねじ締め制御方法。
電動モータと、この電動モータを駆動するための駆動スイッチと、前記電動モータの駆動出力軸に減速機構およびトルクリミッタを介して結合されるドライバービットとを備え、前記駆動スイッチを操作するスイッチ操作部材と、前記トルクリミッタのトルクアップ動作を検出するトルクリミッタ動作検出センサと、前記電動モータの駆動および停止制御を行う電動モータ制御回路と、前記電動モータ制御回路において前記ドライバービットに付与される負荷トルク(反力)に基づく電動モータにおいて得られる負荷電流を検出する負荷電流検出手段とを、それぞれ設けた電動ドライバーを使用し、
所定のねじ締め作業において、ねじ締めの開始時点からねじ締めの完了に伴う前記トルクリミッタによるトルクアップ動作時点までの前記電動モータの負荷電流値を、前記負荷電流検出手段により逐次検出記録し、前記トルクアップ動作時点に検出される負荷電流値を、目標負荷電流値(許容範囲を含む)と比較することにより、ねじ締め状態の良否を判定するように設定することを特徴とする自動ねじ締め制御方法。
所定のねじ締め作業において、ねじ締め開始時点からトルクリミッタのトルクアップ動作時点までに逐次検出される前記ドライバービットまたは電動モータの回転量を第1の目標回転量(許容範囲を含む)と比較する場合において、前記第1の目標回転量の設定値から所定のねじ締め作業においてトルクリミッタのトルクアップ動作時点までに検出される前記ドライバービットまたは電動モータの回転量を逐次減算するように演算し、最終的に第2の目標回転量を0(許容範囲を含む)となるように設定して、最終的な回転量の検出値を前記第2の目標回転量(許容範囲を含む)の設定値と比較するように設定することを特徴とする請求項1、2または4記載の自動ねじ締め制御方法。
電動モータと、この電動モータを駆動するための駆動スイッチと、前記電動モータの駆動出力軸に減速機構およびトルクリミッタを介して結合されるドライバービットとを備え、前記駆動スイッチを操作するスイッチ操作部材と、前記トルクリミッタのトルクアップ動作を検出するトルクリミッタ動作検出センサと、前記電動モータの駆動および停止制御を行う電動モータ制御回路と、前記ドライバービットまたは電動モータの回転量を検出する回転量検出手段とを、それぞれ設けた電動ドライバーからなり、
所定のねじの取付け対象物に対するドライバービットの当接時に作動する操作スイッチまたはエンコーダを設け、前記操作スイッチまたはエンコーダの動作信号により、ねじ締め作業を行う際のねじ締め開始時点として設定するねじ締め開始時点設定手段、および前記トルクリミッタ動作検出センサにより検出される前記トルクリミッタの動作時点をねじ締め完了のトルクアップ動作時点として設定するトルクアップ動作時点設定手段と、
予め所定のねじ締め作業に際し、ねじ締め開始時点からねじ締め完了に伴う前記トルクリミッタによるトルクアップ動作時点までに、検出される前記ドライバービットまたは電動モータの回転量を、前記回転量検出手段により逐次検出記録し、この検出記録された回転量を目標回転量(許容範囲を含む)として設定する目標回転量設定手段と、
その後の所定のねじ締め作業において、ねじ締めの開始時点からねじ締めの完了に伴う前記トルクリミッタによるトルクアップ動作時点までの前記ドライバービットまたは電動モータの回転量を、前記回転量検出手段により逐次検出記録し、前記トルクアップ動作時点に検出される回転量を、前記目標回転量(許容範囲を含む)と比較することにより、ねじ締め状態の良否を判定するように設定した判定手段と、を備えた制御部を設けたことを特徴とする自動ねじ締め制御装置。
電動モータと、この電動モータを駆動するための駆動スイッチと、前記電動モータの駆動出力軸に減速機構およびトルクリミッタを介して結合されるドライバービットとを備え、前記駆動スイッチを操作するスイッチ操作部材と、前記トルクリミッタのトルクアップ動作を検出するトルクリミッタ動作検出センサと、前記電動モータの駆動および停止制御を行う電動モータ制御回路と、前記ドライバービットまたは電動モータの回転量を検出する回転量検出手段と、前記電動モータ制御回路において前記ドライバービットに付与される負荷トルク(反力)に基づく電動モータにおいて得られる負荷電流を検出する負荷電流検出手段とを、それぞれ設けた電動ドライバーからなり、
所定のねじ締め作業において、ねじ締めの開始時点からねじ締めの完了に伴う前記トルクリミッタによるトルクアップ動作時点までの前記ドライバービットまたは電動モータの回転量を、回転量検出手段により逐次検出記録し、前記トルクアップ動作時点に検出される回転量を、目標回転量(許容範囲を含む)と比較すると共に、ねじ締めの開始時点からねじ締めの完了に伴う前記トルクリミッタによるトルクアップ動作時点までの前記電動モータの負荷電流値を、前記負荷電流検出手段により逐次検出記録し、前記トルクアップ動作時点に検出される負荷電流値を、目標負荷電流値(許容範囲を含む)と比較することにより、ねじ締め状態の良否を判定するように設定した判定手段を備えた制御部を設けたことを特徴とする自動ねじ締め制御装置。
電動モータと、この電動モータを駆動するための駆動スイッチと、前記電動モータの駆動出力軸に減速機構およびトルクリミッタを介して結合されるドライバービットとを備え、前記駆動スイッチを操作するスイッチ操作部材と、前記トルクリミッタのトルクアップ動作を検出するトルクリミッタ動作検出センサと、前記電動モータの駆動および停止制御を行う電動モータ制御回路と、前記電動モータ制御回路において前記ドライバービットに付与される負荷トルク(反力)に基づく電動モータにおいて得られる負荷電流を検出する負荷電流検出手段とを、それぞれ設けた電動ドライバーからなり、
所定のねじ締め作業において、ねじ締めの開始時点からねじ締めの完了に伴う前記トルクリミッタによるトルクアップ動作時点までの前記電動モータの負荷電流値を、前記負荷電流検出手段により逐次検出記録し、前記トルクアップ動作時点に検出される負荷電流値を、目標負荷電流値(許容範囲を含む)と比較することにより、ねじ締め状態の良否を判定するように設定した判定手段を備えた制御部を設けたことを特徴とする自動ねじ締め制御装置。
【背景技術】
【0002】
従来において、電動モータ等の駆動手段によりドライバービットを回転駆動してねじ締め作業をするねじ締め装置として、ねじ締め作業を適正にかつ円滑にして迅速に達成することができる種々の機能を備えたねじ締め装置が提案され、実用化されている。
【0003】
本出願人は、先に、ばね弾力により支持される鋼球とクラッチカムとを組合せた構成からなる機械的なクラッチ機構に代えて、ねじ具の締付け操作を行う動力を遮断する手段として、電磁クラッチ機構(トルクリミッタ)を採用し、この電磁クラッチ機構を電動ドライバーの把持部ケーシングに内蔵させると共に、トルク値の設定ないし検出手段としてストレンゲージを適用し、ねじ具の締付け操作を行う場合、ストレンゲージにおいて予め設定したトルク値に到達した際に、ストレンゲージの出力信号に基づいて電磁クラッチ機構を動作させて、ねじ具の締付け操作を遮断させるように構成した電動回転工具を開発し、特許出願を行い、特許を得た(特許文献1参照)。
【0004】
また、本出願人は、従来の機械的なクラッチ機構に代えて、ねじ具の締付け操作を行う動力を遮断する手段として、コイルばねの摩擦接触抵抗を利用した摩擦方式のトルクリミッタの構成を採用し、このトルクリミッタを電動ドライバーの把持部ケーシングに内蔵させることにより、従来の機械的なクラッチ機構によるクラッチ動作時の難点(トルクアップ時のショック)を解消することができる電動モータ駆動式のトルク固定形ドライバーを開発し、特許出願を行い、特許を得た(特許文献2および特許文献3参照)。
【0005】
さらに、前記と同様にして、前記コイルばねを使用した摩擦方式のトルクリミッタに代えて、永久磁石を利用した磁気方式によるトルクリミッタの構成を採用し、このトルクリミッタを電動ドライバーの把持部ケーシングに内蔵させることにより、非接触形のトルクリミッタとして利用することができる電動モータ駆動式のトルク固定形ドライバーを開発し、特許出願を行い、特許を得た(特許文献2および特許文献4参照)。
【0006】
すなわち、前記特許文献3に記載の電動モータ駆動式のトルク固定形ドライバーは、(1)外ケースの内周面に円筒状の永久磁石を固定配置し、この永久磁石の中心部に駆動軸を回転自在に挿通配置すると共に、この駆動軸の外周部において前記永久磁石の内周面に対向しこれと非接触に円筒状の磁性部材を支持固定し、前記外ケースの後端部を蓋体で閉塞固定してなるトルクリミッタを備え、(2)前記トルクリミッタの駆動軸をスリーブで囲繞保持し、このスリーブをワンウェイクラッチを介して前記外ケースに支持させると共に、前記スリーブの先端部にドライバービットを着脱交換自在に挿着し、(3)前記トルクリミッタを把持部ケーシングにより回転自在に囲繞保持すると共に、前記トルクリミッタの後端部において、前記ケースを閉塞固定する蓋体に対し前記駆動軸と同軸になるように電動モータの出力軸を着脱可能に結合し、(4)前記電動モータの外周部を外部ケーシングで囲繞し、この外部ケーシングを前記トルクリミッタを囲繞保持する前記把持部ケーシングに対して着脱交換可能に結合し、(5)さらに前記電動モータの後端部を、これと同軸に延在する扁平状の板体を介して前記外部ケーシング内に固定し、前記板体の一側面にストレンゲージを取付けてトルク値を測定し得るようにした構成からなる。
【0007】
また、前記特許文献4に記載の電動モータ駆動式のトルク固定形ドライバーは、(1)外ケースの内側に駆動軸を回転自在に収納し、この駆動軸の外周部にコイルばねを締まり嵌めすると共に、前記コイルばねの量端部に設けたフックをそれぞれ外ケースおよびその後端部を閉塞固定する蓋体に係合してなるトルクリミッタを備え、(2)前記トルクリミッタの駆動軸をスリーブで囲繞保持し、このスリーブをワンウェイクラッチを介して前記外ケースに保持すると共に、前記スリーブの先端部にドライバービットを着脱交換自在に挿着し、(3)前記トルクリミッタを把持部ケーシングにより回転自在に囲繞保持すると共に、前記トルクリミッタの後端部において、前記外ケースを閉塞固定する蓋体に対し前記駆動軸と同軸になるように電動モータの出力軸を着脱可能に結合し、(4)前記電動モータの外周部を外部ケーシングで囲繞し、この外部ケーシングを前記トルクリミッタを囲繞保持する前記把持部ケーシングに対して着脱交換可能に結合し、(5)さらに前記電動モータの後端部を、該電動モータの回転軸と同軸になるように延在するトーションバーを介して前記外部ケーシング内に固定し、前記トーションバーの一側面にストレンゲージを取付けてトルク値を測定し得るようにした構成からなる。
【0008】
そして、本出願人は、前述したように、それぞれトルクリミッタを使用する定トルク電動ドライバーにおいて、トルクリミッタの作動に伴う伝動回転部の回転停止状態(駆動軸部の空転に伴う)を適正に検知することができるように構成し、これにより電動モータの駆動を迅速に停止させて、電動モータの駆動による電力消費の節減と共に、継続するねじ締め作業の移行を迅速かつ円滑に行い、ねじ締め作業の効率化を達成することができる定トルク電動ドライバーを開発し、特許出願を行い、特許を得た(特許文献5参照)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、前述した従来のトルクリミッタを利用した電動ドライバーにおいて、所要のねじ取付け対象物に設けられたねじ孔に対し、前記電動ドライバーによりねじの締付け操作を行う場合に、ねじが完全にねじ込まれない状態のままで、所定のねじ締めトルク値に到達して、前記トルクリミッタが作動してねじ締め作業を完了してしまうことがある。
【0011】
そこで、本発明者は、前述した従来において種々提案されているトルクリミッタを採用した電動ドライバーにおいて、ドライバービットを回転駆動する電動モータの制御回路に対して電動モータの回転量を検出する回転量検出手段を設けて、ねじ締め作業において、前記電動モータの回転量を検出記録するように設定し、ねじ締めの完了する状態を前記トルクリミッタのトルクアップ動作により検出して、このトルクアップ動作時点でのドライバービットまたは電動モータのねじ締め開始時点からの回転量を逐次検出ないし記録する制御部を設けた電動ドライバーを構成することに着目した。
【0012】
すなわち、本発明においては、前記構成からなる電動ドライバーを使用して、所定のねじ締め作業を行う開始時点において、予め適正なねじ締め作業(第1回目)を行うことにより、前記回転量検出手段による電動モータの回転量の検出を行い、次いでねじ締めの完了する状態を前記トルクリミッタのトルクアップ動作により検出して、このトルクアップ動作時点でのドライバービットまたは電動モータのねじ締め開始時点からの回転量を検出記録して、この検出記録した前記回転量を目標回転量として設定する。そして、その後の所定のねじ締め作業(第2回目以降)においては、それぞれねじ締め作業の開始時点からねじ締めを完了して前記トルクリミッタのトルクアップ動作時点に至るまでのドライバービットまたは電動モータの回転量を逐次検出し、前記トルクアップ動作時点に検出された回転量を前記目標回転量と比較して、前記回転量が前記目標回転量(許容範囲を含む)に適合すれば適正なねじ締め状態と判定し、また前記回転量が前記目標回転量(許容範囲を含む)に適合しなければねじ締め状態の不良ないし異常であることを容易かつ確実に判定することができることを突き止めた。
【0013】
なお、前記のように予め設定される目標回転量に対し、それぞれ所定のねじ締め作業において、トルクアップ動作時点までに逐次検出されるドライバービットまたは電動モータの回転量を比較する場合に、前記目標回転量の設定値から所定のねじ締め作業においてトルクアップ動作時点までに検出されるドライバービットまたは電動モータの回転量を逐次加算するように演算し、最終的な回転量の検出値を前記目標回転量(許容範囲を含む)の設定値と比較するように構成することができる。
【0014】
また、代案として、前述した予め設定される第1の目標回転量に対し、それぞれ所定のねじ締め作業においてトルクアップ動作時点までに逐次検出されるドライバービットまたは電動モータの回転量を比較する場合において、前記第1の目標回転量の設定値から所定のねじ締め作業においてトルクアップ動作時点までに検出されるドライバービットまたは電動モータの回転量を逐次減算するように演算し、最終的に第2の目標回転量を0(許容範囲を含む)となるように設定して、最終的な回転量の検出値を前記第2の目標回転量(許容範囲を含む)の設定値と比較するように構成することができる。
【0015】
本発明においては、前記構成からなる電動ドライバーにおいて、負荷電流検出手段を設けてねじ締めトルク値に比例する負荷電流値を検出記録するように設定し、前記ドライバービットまたは電動モータの回転量を検出記録する回転量検出手段と共に、前記トルクリミッタのトルクアップ動作において、前記ドライバービットまたは電動モータの回転量と電動モータの負荷電流値を検出して、予め設定した目標回転量(許容範囲を含む)と比較すると共に予め設定した目標負荷電流値(許容範囲を含む)とも比較することにより、ねじ締め状態の良否を判定し、さらにトルクアップ動作時の負荷電流値を検出して、前記判定結果を表示するように設定することができることを突き止めた。
【0016】
また、本発明においては、前記ドライバービットまたは電動モータの回転量を検出記録する回転量検出手段を設けることなく、電動モータの負荷電流検出手段を設けてねじ締めトルク値に比例する負荷電流値を検出記録するように設定し、前記トルクリミッタのトルクアップ動作において、予め設定した目標負荷電流値(許容範囲を含む)と比較することにより、ねじ締め状態の良否を判定し、さらにトルクアップ動作時の負荷電流値を検出して、前記判定結果を表示するように設定することができることを突き止めた。
【0017】
さらに、本発明においては、前記電動ドライバーによる所定のねじ締め作業において、予め使用するねじの規格に基づいて事前の試行等により予定されるねじ締めの開始時点からねじ締めの完了に伴う前記トルクリミッタによるトルクアップ動作時点のドライバービットまたは電動モータの回転量を目標回転量(許容範囲を含む)として設定することによっても、所定のねじ締め作業において、ねじ締めの開始時点からねじ締めの完了に伴う前記トルクリミッタによるトルクアップ動作時点までのドライバービットまたは電動モータの回転量を前記回転量検出手段により逐次検出し、前記トルクアップ動作時点に検出された回転量を前記目標回転量(許容範囲を含む)と比較することにより、ねじ締め状態の良否判定を適正に達成することができることを突き止めた。
【0018】
前記本発明においては、前記電動ドライバーにおいて、ねじの取付け対象物に対するドライバービットの当接時における軸方向の変位によって作動するプッシュ操作スイッチを設けて、このプッシュ操作スイッチの動作信号を検出することにより、ねじ締め作業を行う際のねじ締め開始時点として設定することができる。
【0019】
このようにして、ねじ締め作業を行う際のねじ締め開始時点を設定することは、電動ドライバーによるねじ締め作業において、回転量検出手段により検出されるドライバービットまたは電動モータの回転量を検出記録する際に、電動モータを駆動するための駆動スイッチをスイッチ操作部材で操作すると同時に、前記回転量検出手段によりドライバービットまたは電動モータの回転量が検出されることになる。これにより、例えば、ドライバービットをねじ取付け対象物に当接するまで空転させている場合には、この空転しているタイミングにおいて検出される回転量が、実際にねじ締め作業を行っている間のドライバービットまたは電動モータの回転量を不正確とすることから、前記のようにねじ締め開始時点を設定することにより、実際にねじ締め作業を行っている間のドライバービットまたは電動モータの回転量を正確に検出することが可能となる。
【0020】
また、前記のように、プッシュ操作スイッチの動作信号を検出することにより、最初に、ドライバービットをねじの取付け対象物に当接して、この際にプッシュ操作スイッチの動作信号を検出することにより、ねじ締め作業を行う際のねじ締め開始時点を設定し、次いで電動モータを駆動するための駆動スイッチをスイッチ操作部材で操作することにより、ねじの着座に至るまでの実際にねじ締め作業を行っている間のドライバービットまたは電動モータの回転量を正確に検出することが可能にとなる。
【0021】
従って、本発明によれば、マイクロメータに見られるように、精密ねじにおいては、ねじのピッチ寸法に関する加工精度の向上に伴い、前述したねじの回転量の検出精度の向上と相まって、ねじ締めに際してのねじの回転量とねじ軸の移動距離との関係が高精度に対応する位置決め設定が可能となり、これによりねじ締めの際にねじがその取付け対象物に対して適正に着座状態となる位置と回転量の関係を、正確に設定および確認することができ、ねじ締め作業における良否判定の信頼性を十分に高めることができることが確認された。
【0022】
従って、本発明の目的は、電動モータの駆動出力軸にトルクリミッタを介してドライバービットを結合し、ねじ締め作業を行うように構成した電動ドライバーにおいて、ねじ締め作業における適正なねじ締め状態および種々の不適正となるねじ締め状態について、簡便にして確実に確認および判定することができるように設定した自動ねじ締め制御方法および装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
前記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載の自動ねじ締め制御方法は、電動モータと、この電動モータを駆動するための駆動スイッチと、前記電動モータの駆動出力軸に減速機構およびトルクリミッタを介して結合されるドライバービットとを備え、前記駆動スイッチを操作するスイッチ操作部材と、前記トルクリミッタのトルクアップ動作を検出するトルクリミッタ動作検出センサと、前記電動モータの駆動および停止制御を行う電動モータ制御回路と、前記ドライバービットまたは電動モータの回転量を検出する回転量検出手段とを、それぞれ設けた電動ドライバーを使用し、
所定のねじの取付け対象物に対するドライバービットの当接時に作動する操作スイッチまたはエンコーダを設けて、前記操作スイッチまたはエンコーダの動作信号により、ねじ締め作業を行う際のねじ締め開始時点として設定すると共に、前記トルクリミッタ動作検出センサにより検出される前記トルクリミッタの動作時点をねじ締め完了のトルクアップ動作時点として設定し、予め所定のねじ締め作業において、ねじ締めの開始時点からねじ締めの完了に伴う前記トルクリミッタによるトルクアップ動作時点までに、検出される前記ドライバービットまたは電動モータの回転量を、前記回転量検出手段により逐次検出記録し、この検出記録された回転量を目標回転量(許容範囲を含む)として設定し、その後の所定のねじ締め作業において、ねじ締めの開始時点からねじ締めの完了に伴う前記トルクリミッタによるトルクアップ動作時点まで
に、検出される前記ドライバービットまたは電動モータの回転量を、前記回転量検出手段により逐次検出
記録し、前記トルクアップ動作時点に検出される回転量を、
前記目標回転量(許容範囲を含む)と比較することにより、ねじ締め状態の良否を判定するように設定することを特徴とする。
【0024】
本発明の請求項2に記載の自動ねじ締め制御方法は、電動モータと、この電動モータを駆動するための駆動スイッチと、前記電動モータの駆動出力軸に減速機構およびトルクリミッタを介して結合されるドライバービットとを備え、前記駆動スイッチを操作するスイッチ操作部材と、前記トルクリミッタのトルクアップ動作を検出するトルクリミッタ動作検出センサと、前記電動モータの駆動および停止制御を行う電動モータ制御回路と、前記ドライバービットまたは電動モータの回転量を検出する回転量検出手段と、前記電動モータ制御回路において前記ドライバービットに付与される負荷トルク(反力)に基づく電動モータにおいて得られる負荷電流を検出する負荷電流検出手段とを、それぞれ設けた電動ドライバーを使用し、
所定のねじ締め作業において、ねじ締めの開始時点からねじ締めの完了に伴う前記トルクリミッタによるトルクアップ動作時点まで
に、検出される前記ドライバービットまたは電動モータの回転量を、前記回転量検出手段により逐次検出
記録し、前記トルクアップ動作時点に検出される回転量を、目標回転量(許容範囲を含む)と比較すると共に、ねじ締めの開始時点からねじ締めの完了に伴う前記トルクリミッタによるトルクアップ動作時点まで
に、検出される前記動電モータの負荷電流値を、前記負荷電流検出手段により逐次検出
記録し、前記トルクアップ動作時点に検出される負荷電流値を、目標負荷電流値(許容範囲を含む)と比較することにより、ねじ締め状態の良否を判定するように設定することを特徴とする。
【0025】
本発明の請求項3に記載の自動ねじ締め制御方法は、 電動モータと、この電動モータを駆動するための駆動スイッチと、前記電動モータの駆動出力軸に減速機構およびトルクリミッタを介して結合されるドライバービットとを備え、前記駆動スイッチを操作するスイッチ操作部材と、前記トルクリミッタのトルクアップ動作を検出するトルクリミッタ動作検出センサと、前記電動モータの駆動および停止制御を行う電動モータ制御回路と、前記電動モータ制御回路において前記ドライバービットに付与される負荷トルク(反力)に基づく電動モータにおいて得られる負荷電流を検出する負荷電流検出手段とを、それぞれ設けた電動ドライバーを使用し、
所定のねじ締め作業において、ねじ締めの開始時点からねじ締めの完了に伴う前記トルクリミッタによるトルクアップ動作時点までの
前記電動モータの負荷電流値を、前記負荷電流検出手段により逐次検出
記録し、前記トルクアップ動作時点に検出される負荷電流値を、目標負荷電流値(許容範囲を含む)と比較することにより、ねじ締め状態の良否を判定するように設定することを特徴とする。
【0026】
本発明の請求項4に記載の自動ねじ締め制御方法は、
前記ねじ締め状態の良否を判定するに際し、前記目標回転量を、予め所定のねじ締め作業において、ねじ締めの開始時点からねじ締めの完了に伴う前記トルクリミッタによるトルクアップ動作時点
までに、検出される前記ドライバービットまたは電動モータの回転量を、前記回転量検出手段により逐次検出
記録し、この検出記録された回転量を目標回転量(許容範囲を含む)として設定し、
その後の所定のねじ締め作業において、ねじ締めの開始時点からねじ締めの完了に伴う前記トルクリミッタによるトルクアップ動作時点まで
に、検出される前記ドライバービットまたは電動モータの回転量を、前記回転量検出手段により逐次検出
記録し、前記トルクアップ動作時点に検出される回転量を、前記目標回転量(許容範囲を含む)と
比較するように設定することを特徴とする。
【0027】
本発明の請求項5に記載の自動ねじ締め制御方法は、
前記ねじ締め状態の良否を判定するに際し、前記目標負荷電流値は、予めねじ締め作業においてねじ締めの開始時点からねじ締めの完了に伴う前記トルクリミッタによるトルクアップ動作時点
までに、検出される前記電動モータのねじ締めトルク値に比例する負荷電流値を、前記負荷電流検出手段により
逐次検出記録し、この検出記録された負荷電流値を目標負荷電流値(許容範囲を含む)として設定し、
その後の所定のねじ締め作業において、ねじ締めの開始時点からねじ締めの完了に伴う前記トルクリミッタによるトルクアップ動作時点まで
に、検出される前記電動モータのねじ締めトルク値に比例する負荷電流値を、前記負荷電流検出手段により逐次検出
記録し、前記トルクアップ動作時点に検出される負荷電流値を、前記目標負荷電流値(許容範囲を含む)と
比較するように設定することを特徴とする。
【0029】
本発明の請求項
6に記載の自動ねじ締め制御方法は、
前記ねじ締め状態の良否を判定するに際し、前記目標負荷電流値は、予め使用するねじの規格に基づいて予定されるねじ締めの開始時点からねじ締めの完了に伴う前記トルクリミッタによるトルクアップ動作時点の電動モータの負荷電流値を目標負荷電流値(許容範囲を含む)として設定し、
その後の所定のねじ締め作業において、ねじ締めの開始時点からねじ締めの完了に伴う前記トルクリミッタによるトルクアップ動作時点までの
前記電動モータの
ねじ締めトルク値に比例する負荷電流値を、前記負荷電流検出手段により逐次検出
記録し、前記トルクアップ動作時点に検出される負荷電流値を、前記目標負荷電流値(許容範囲を含む)と
比較するように設定することを特徴とする。
【0031】
本発明の請求項
7に記載の自動ねじ締め制御方法は、所定のねじ締め作業において、ねじ締め開始時点からトルクリミッタのトルクアップ動作時点までに逐次検出される前記ドライバービットまたは電動モータの回転量を第1の目標回転量(許容範囲を含む)と比較する場合において、前記第1の目標回転量の設定値から所定のねじ締め作業においてトルクリミッタのトルクアップ動作時点までに検出される前記ドライバービットまたは電動モータの回転量を逐次減算するように演算し、最終的に第2の目標回転量を0(許容範囲を含む)となるように設定して、最終的な回転量の検出値を前記第2の目標回転量(許容範囲を含む)の設定値と比較するように
設定することを特徴とする。
【0037】
本発明の請求項
8に記載の自動ねじ締め制御装置は、電動モータと、この電動モータを駆動するための駆動スイッチと、前記電動モータの駆動出力軸に減速機構およびトルクリミッタを介して結合されるドライバービットとを備え、前記駆動スイッチを操作するスイッチ操作部材と、前記トルクリミッタのトルクアップ動作を検出するトルクリミッタ動作検出センサと、前記電動モータの駆動および停止制御を行う電動モータ制御回路と、前記ドライバービットまたは電動モータの回転量を検出する回転量検出手段とを、それぞれ設けた電動ドライバーからなり、
所定のねじの取付け対象物に対するドライバービットの当接時に作動する操作スイッチまたはエンコーダを設け、前記操作スイッチまたはエンコーダの動作信号により、ねじ締め作業を行う際のねじ締め開始時点として設定するねじ締め開始時点設定手段、および前記トルクリミッタ動作検出センサにより検出される前記トルクリミッタの動作時点をねじ締め完了のトルクアップ動作時点として設定するトルクアップ動作時点設定手段と、予め所定のねじ締め作業に際し、ねじ締め開始時点からねじ締め完了に伴う前記トルクリミッタによるトルクアップ動作時点までに、検出される前記ドライバービットまたは電動モータの回転量を、前記回転量検出手段により逐次検出記録し、この検出記録された回転量を目標回転量(許容範囲を含む)として設定する目標回転量設定手段と、その後の所定のねじ締め作業において、ねじ締めの開始時点からねじ締めの完了に伴う前記トルクリミッタによるトルクアップ動作時点までの前記ドライバービットまたは電動モータの回転量を、前記回転量検出手段により逐次検出
記録し、前記トルクアップ動作時点に検出される回転量を、
前記目標回転量(許容範囲を含む)と比較することにより、ねじ締め状態の良否を判定するように設定
した判定手段と、を備えた制御部を
設けたことを特徴とする。
【0038】
本発明の請求項
9に記載の自動ねじ締め制御装置は、電動モータと、この電動モータを駆動するための駆動スイッチと、前記電動モータの駆動出力軸に減速機構およびトルクリミッタを介して結合されるドライバービットとを備え、前記駆動スイッチを操作するスイッチ操作部材と、前記トルクリミッタのトルクアップ動作を検出するトルクリミッタ動作検出センサと、前記電動モータの駆動および停止制御を行う電動モータ制御回路と、前記ドライバービットまたは電動モータの回転量を検出する回転量検出手段と、前記電動モータ制御回路において前記ドライバービットに付与される負荷トルク(反力)に基づく電動モータにおいて得られる負荷電流を検出する負荷電流検出手段とを、それぞれ設けた電動ドライバーからなり、
所定のねじ締め作業において、ねじ締めの開始時点からねじ締めの完了に伴う前記トルクリミッタによるトルクアップ動作時点までの前記ドライバービットまたは電動モータの回転量を、前記回転量検出手段により逐次検出
記録し、前記トルクアップ動作時点に検出される回転量を、目標回転量(許容範囲を含む)と比較すると共に、ねじ締めの開始時点からねじ締めの完了に伴う前記トルクリミッタによるトルクアップ動作時点までの
前記電動モータの負荷電流値を、前記負荷電流検出手段により逐次検出
記録し、前記トルクアップ動作時点に検出される負荷電流値を、目標負荷電流値(許容範囲を含む)と比較することにより、ねじ締め状態の良否を判定するように設定
した判定手段と、を備えた制御部を
設けたことを特徴とする。
【0039】
本発明の請求項
10に記載の自動ねじ締め制御装置は、電動モータと、この電動モータを駆動するための駆動スイッチと、前記電動モータの駆動出力軸に減速機構およびトルクリミッタを介して結合されるドライバービットとを備え、前記駆動スイッチを操作するスイッチ操作部材と、前記トルクリミッタのトルクアップ動作を検出するトルクリミッタ動作検出センサと、前記電動モータの駆動および停止制御を行う電動モータ制御回路と、前記電動モータ制御回路において前記ドライバービットに付与される負荷トルク(反力)に基づく電動モータにおいて得られる負荷電流を検出する負荷電流検出手段とを、それぞれ設けた電動ドライバーからなり、
所定のねじ締め作業において、ねじ締めの開始時点からねじ締めの完了に伴う前記トルクリミッタによるトルクアップ動作時点までの
前記電動モータの負荷電流値を、前記負荷電流検出手段により逐次検出
記録し、前記トルクアップ動作時点に検出される負荷電流値を、目標負荷電流値(許容範囲を含む)と比較することにより、ねじ締め状態の良否を判定するように設定
した判定手段を備えた制御部を
設けたことを特徴とする。
【0040】
本発明の請求項
11に記載の自動ねじ締め制御装置は、
前記制御部において、前記目標回転量は、予め所定のねじ締め作業において、ねじ締めの開始時点からねじ締めの完了に伴う前記トルクリミッタによるトルクアップ動作時点
までに、検出される前記ドライバービットまたは電動モータの回転量を、前記回転量検出手段により逐次検出記録し、この検出記録された回転量を目標回転量(許容範囲を含む)として設定すると共に、その後の所定のねじ締め作業において、ねじ締めの開始時点からねじ締めの完了に伴う前記トルクリミッタによるトルクアップ動作時点までに、
検出される前記ドライバービットまたは電動モータの回転量を、前記回転量検出手段により逐次検出
記録し、前記トルクアップ動作時点に検出される回転量を、
前記目標回転量(許容範囲を含む)と比較することにより、ねじ締め状態の良否を
前記判定手段により判定するように
構成したことを特徴とする。
【0041】
本発明の請求項
12に記載の自動ねじ締め制御装置は、
前記制御部において、前記目標負荷電流値は、予めねじ締め作業においてねじ締めの開始時点からねじ締めの完了に伴う前記トルクリミッタによるトルクアップ動作時点
までに、検出される前記電動モータのねじ締めトルク値に比例する負荷電流値を、前記負荷電流検出手段により
逐次検出
記録し、この検出記録された負荷電流値を目標負荷電流値(許容範囲を含む)として設定すると共に、
その後の所定のねじ締め作業において、ねじ締めの開始時点からねじ締めの完了に伴う前記トルクリミッタによるトルクアップ動作時点まで
に、検出される前記電動モータのねじ締めトルク値に比例する負荷電流値を、前記負荷電流検出手段により逐次検出
記録し、前記トルクアップ動作時点に検出される負荷電流値を、
前記目標負荷電流値(許容範囲を含む)と比較することにより、ねじ締め状態の良否を
前記判定手段により判定するように
構成したことを特徴とする。
【0043】
本発明の請求項
13に記載の自動ねじ締め制御装置は、
前記制御部において、前記目標負荷電流値は、予め使用するねじの規格に基づいて予定されるねじ締めの開始時点からねじ締めの完了に伴う前記トルクリミッタによるトルクアップ動作時点の電動モータの負荷電流値を目標負荷電流値(許容範囲を含む)として設定すると共に、
その後の所定のねじ締め作業において、ねじ締めの開始時点からねじ締めの完了に伴う前記トルクリミッタによるトルクアップ動作時点までの前記電動モータの
ねじ締めトルク値に比例する負荷電流値を、前記負荷電流検出手段により逐次検出
記録し、前記トルクアップ動作時点に検出される負荷電流値を、
前記目標負荷電流値(許容範囲を含む)と比較することにより、ねじ締め状態の良否を
前記判定手段により判定するように
構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0047】
本発明の請求項1および
8に記載の自動ねじ締め制御方法および装置によれば、電動モータの駆動出力軸にトルクリミッタを介してドライバービットを結合し、ねじ締め作業を行うように構成した電動ドライバーを使用して、前記トルクリミッタによるトルクアップ動作をトルクリミッタ動作検出センサにより検出した際に、前記ドライバービットまたは電動モータの回転量検出手段により得られる回転量検出信号に基づく回転量を検出するように構成することによって、目標回転量(許容範囲を含む)の設定を行うと共に、その後のねじ締め作業において設定された目標回転量(許容範囲を含む)との比較を行うことによって、ねじ締め状態の良否を容易かつ簡便に判定することができ、ねじ締め作業における適正なねじ締め状態について確実に確認および判定することができる。従って、本発明によれば、ねじ締め作業の未熟練者においても、容易かつ正確なねじ締め作業を達成することができる。
【0048】
本発明の請求項2および
9に記載の自動ねじ締め制御方法および装置によれば、前述した電動ドライバーの構成において、トルクリミッタによるトルクアップ動作をトルクリミッタ動作検出センサにより検出した際に、電動モータ制御回路における負荷電流検出手段により得られる負荷電流検出信号に基づく
電動モータの負荷電流値を検出するように構成することによって、それぞれ予め設定した目標回転量(許容範囲を含む)に加えて目標負荷電流値(許容範囲を含む)を設定し、前記目標回転量(許容範囲を含む)および目標負荷電流値(許容範囲を含む)とそれぞれ比較することにより、前記と同様にねじ締め状態の良否を容易かつ簡便に判定することができ、ねじ締め作業における適正なねじ締め状態について確実に確認および判定することができる。
ることができる。
【0049】
本発明の請求項3および
10に記載の自動ねじ締め制御方法および装置によれば、前述した電動ドライバーの構成において、前記ドライバービットまたは電動モータの回転量を検出する回転量検出手段に代えて、トルクリミッタによるトルクアップ動作をトルクリミッタ動作検出センサにより検出した際に、電動モータ制御回路における負荷電流検出手段により得られる負荷電流検出信号に基づく負荷電流値を検出するように構成することによって、目標負荷電流値(許容範囲を含む)の設定を行うと共に、その後のねじ締め作業において設定された目標負荷電流値(許容範囲を含む)との比較を行うことによって、前記と同様にねじ締め状態の良否を容易かつ簡便に判定することができ、ねじ締め作業における適正なねじ締め状態について確実に確認および判定することができる。
ることができる。
【0050】
本発明の請求項4〜7および
11〜13に記載の自動ねじ締め制御方法および装置によれば、前述した請求項1〜3および
8〜10に記載の自動ねじ締め制御方法および装置と同様に、電動モータの駆動出力軸にトルクリミッタを介してドライバービットを結合し、ねじ締め作業を行うように構成した電動ドライバーを使用して、前記トルクリミッタによるトルクアップ動作をトルクリミッタ動作検出センサにより検出した際に、前記ドライバービットまたは電動モータの回転量検出手段により得られる回転量検出信号に基づく回転量および/または電動モータの負荷電流検出手段により得られる負荷電流検出信号に基づく負荷電流値を検出するように構成し、目標回転量(許容範囲を含む)および/または目標負荷電流値(許容範囲を含む)の設定を行うと共に、その後のねじ締め作業において設定された目標回転量(許容範囲を含む)および/または目標負荷電流値(許容範囲を含む)との比較を行うことによって、ねじ締め状態の良否を容易かつ簡便に判定することができ、ねじ締め作業における適正なねじ締め状態について確実に確認および判定することができる。従って、本発明によれば、ねじ締め作業の未熟練者においても、容易かつ正確なねじ締め作業を達成することができる。
ることができる。
【0051】
本発明
の請求項
1、2および
8、9に記載の自動ねじ締め制御方法および装置によれば、実際にねじ締め作業を行っている間のドライバービットまたは電動モータの回転量を正確に検出することが可能となり、これに基づいて種々のねじ締めの異常状態の検出を容易化し、ねじ締め作業における適正なねじ締め状態について確実に確認および判定することができる。
従って、本発明によれば、使用するトルクリミッタ方式の電動ドライバーにおいて検出される制御に関するデータの集積ないし画像処理を円滑かつ容易に達成し、電動ドライバーとしての制御データ処理機能を高めることができる。
ることができる。
【0052】
本発明の
2および3に記載の自動ねじ締め制御方法によれば、予め設定した目標負荷電流値(許容範囲を含む)との適合状態について判定することにより、例えば、トルクリミッタのトルク設定がオペレータにより誤操作(トルクリミッタの選択ないし交換のミス等)した場合には、目標負荷電流値が誤設定されることになり、これによりトルクアップ動作時点の電動モータにおける負荷電流値の検出値が初期設定の目標負荷電流値(許容範囲を含む)に適合しないため、ねじ締め不良として容易に判定を行うことができる。従って、この場合には、誤操作されたトルクリミッタのトルク設定を再確認および再設定して、次回からの適正なねじ締め作業に容易に対応することができ、ねじ締め作業における不良率の発生を低減することができる。
ることができる。
【0053】
特に、本発明の請求項
1、2および8、9に記載の自動ねじ締め制御方法
および装置によれば、それぞれ前述したねじ締め状態の良否判定と共に、例えば、ドライバービットまたは電動モータの回転量が目標回転量(許容範囲を含む)よりも少ない場合は、ねじのカジリ、ねじ浮き、選択ねじ寸法の不適合等の異常状態とし、またドライバービットまたは電動モータの回転量が目標回転量(許容範囲を含む)よりも多い場合は、ねじバカ、下穴の摩損、ねじのカムアウト、ビットの破損、選択ねじ寸法の不適合等の異常状態として、それぞれねじ締め不良の判定を容易に行うことができる。従って、本発明によれば、前述したねじ締め作業における不良率の低減と共に、人的および物的な作業ミスの検出および確認についても、容易に行うことができる。
ることができる。
【0054】
また、本発明の自動ねじ締め制御方法および装置によれば、前述したように、ねじ締め状態の良否判定を極めて容易かつ正確に行うことができることから、特にねじ締め状態が適正と判定されたねじの本数を、異常ないし不良と判定されたねじの本数と区別して、制御部において確実に記録することができると共に、これらの記録されたねじの本数を確認ないし表示することにより、ねじ締め作業の効率化と共にその信頼性を高めることができる。また、前記と同様に、ねじ締め状態が適正と判定された場合に、トルクアップ動作時に検出された回転量に基づいて、ねじ締めを行ったねじの長さ寸法を、制御部において正確に記録し、さらに記録されたその記録内容を表示することができる。
ることができる。
【0055】
さらに、本発明の自動ねじ締め制御方法および装置によれば、前述したねじ締め状態の良否判定を表示器に表示して、ねじ締め作業の適正化とその効率化並びに電動ドライバーとしての機能の拡大化を達成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0057】
次に、本発明に係る自動ねじ締め制御方法の実施例につき、この方法を実施する装置との関係において、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0058】
[
自動ねじ締め制御装置(1)の構成]
図1は、本発明に係る自動ねじ締め制御方法を実施する装置の実施例を示す概略構成説明図である。すなわち、
図1において、参照符号10Aは電動ドライバーを示し、この電動ドライバー10Aの把持部内に、電動モータ12と、この電動モータ12を駆動するための駆動スイッチ13と、前記電動モータ12の駆動出力軸(図示せず)に結合される減速機構16およびトルクリミッタ18とを、それぞれ内蔵し、前記トルクリミッタ18を介してドライバービット20を結合した構成からなる。
【0059】
前記電動ドライバー10Aにおいては、前記電動モータ12の駆動スイッチ13を操作するスイッチ操作部材14と、電動モータ12の駆動制御および停止制御を行う電動モータ制御回路22と、前記トルクリミッタ18のトルクアップ動作を検出するトルクリミッタ動作検出センサ28とがそれぞれ設けられる。そして、前記電動モータ制御回路22には、前駆電動モータ12の回転量を検出する回転量検出手段24が設けられる。さらに、前記ドライバービット20に付与される負荷トルク(反力)に基づいて電動モータ12において得られる負荷電流を検出する負荷電流検出手段26が適宜設けられる。
【0060】
本実施例の電動ドライバー10Aにおいて、電動モータ12としてはブラシレスモータを好適に使用することができる。また、前記電動モータ12を駆動するために、前記駆動スイッチ13を操作するスイッチ操作部材14としては、例えば電動ドライバー10Aの把持部外周に設ける公知のレバー部材として構成することができる。
【0061】
本実施例において、トルクリミッタ18としては、例えば前記特許文献1〜3に開示されているように、磁気方式による公知のトルクリミッタを使用したり、あるいは前記特許文献2、4に開示されているように、コイルばね方式による公知のトルクリミッタを使用したりすることができる。
【0062】
前記トルクリミッタ18のトルクアップ動作を検出するトルクリミッタ動作検出センサ28としては、例えば前記特許文献5(JP2008−183643A)に開示されているように、トルクリミッタ18の伝動回転部の外周面においてその円周方向に等間隔で複数のマグネットからなるセンサ感知部材を配設し、これらのセンサ感知部材に対応させて電動ドライバーの把持部ケーシング内に設けるホール素子からなるセンサをトルクリミッタ動作検出センサ28として構成することができる。
【0063】
すなわち、トルクリミッタ動作検出センサ28としては、例えば
図3に示すように、電動ドライバーの把持部ケーシング50内に、回転自在に支持されたトルクリミッタ18において、電動モータ12により駆動される駆動軸42が内部結合されて伝動回転する伝動回転部44の一端側外周部に、その円周方向に等間隔で複数のマグネットからなるセンサ感知部材46、46を配設し、これらのセンサ感知部材46、46に対応させて電動ドライバーの把持部ケーシング50内に設けたホール素子からなるセンサ48、48により、前記トルクリミッタ動作検出センサ28として構成することができる。
【0064】
従って、このように設けられるセンサ48、48からなるトルクリミッタ動作検出センサ28は、前記トルクリミッタ18の伝動回転部側に結合されるドライバービット20に所要の負荷トルクが作用した際に、トルクリミッタ18の駆動軸が空転してその伝動回転部44が回転停止状態となる、トルクアップ動作時点を検出することができる。
【0065】
なお、前記トルクリミッタ動作検出センサ28は、前記電動モータ12の駆動開始時点から、前記トルクアップ動作時点を検出するまでの間において、ドライバービット20と結合するトルクリミッタ18の伝動回転部側の回転に伴う動作信号(パルス信号)を検出するエンコーダ機能を有しており、これにより前記ドライバービット20の回転量を検出することができる回転量検出手段として利用することができる。
【0066】
さらに、本実施例において、前記電動モータ12の回転量を検出するための回転量検出手段24は、ブラシレスモータにおけるロータの磁極を検出するホール素子に対して、磁極検出時に発生するパルスをカウントするように設けられる。この場合、前記回転量検出手段24により検出される前記パルスのカウント数は、ドライバービット20の回転に伴うねじ締め作業に際してのねじ締め回転量と相関する回転量として、検出記録することができる。
【0067】
また、前記電動モータ12の負荷電流を検出するための負荷電流検出手段26は、電動モータ12の電源回路において負荷電流を検出するように設けられる。この場合に検出される前記電動モータ12の負荷電流値は、ドライバービット20の回転に伴うねじ締め作業に際してのねじ締めトルク値と相関する負荷電流値として、検出記録することができる。
【0068】
そこで、本実施例においては、制御部30を設け、CPU32において、前記電動ドライバー10Aにおける電動モータ12に設けた電動モータ制御回路22に対して、ねじ締め作業を開始する際に、前記スイッチ操作部材14によって操作される駆動スイッチ13の動作によって得られる駆動スイッチ操作信号S13を入力し、この駆動スイッチ操作信号S13に基づいて、モータ駆動制御信号S22a を出力すると共に前記電動モータ制御回路22に入力して、電動モータ12の駆動制御を行うように構成される。
【0069】
前記電動モータ12の駆動により、所要のねじ締め作業を行う場合、前記CPU32において、ねじ締め作業の開始に伴う電動モータ12の駆動開始時点t0 において、前記回転量検出手段24により検出される回転量検出信号S24に基づいて、電動モータ12の回転量Rt を検出記録するように設定する。
【0070】
また、前記と同様に、ねじ締め作業の開始に伴う電動モータ12の駆動開始時点t0 において、前記負荷電流検出手段26により検出される負荷電流検出信号S26に基づいて、ねじ締めトルク値に比例する負荷電流値It を検出記録するように設定する。
【0071】
そして、前記CPU32においては、前記トルクリミッタ18のトルクアップ動作時点に検出されるトルクアップ動作検出信号S28に基づいて得られるトルクアップ動作時点t1 において、電動モータ12の回転量を検出して、後述する目標回転量Rm±α(±αは許容範囲)の設定と、この目標回転量Rm±αと比較するための回転量Rt1 とをそれぞれ検出記録するように設定する。
【0072】
また、前記と同様に、前記トルクリミッタ18のトルクアップ動作時点に検出されるトルクアップ動作検出信号S28に基づいて得られるトルクアップ動作時点t1 において、ねじ締めトルク値に比例する負荷電流値を検出して、後述する目標負荷電流値Im±β(±βは許容範囲)の設定と、この目標負荷電流値Im±βと比較するための負荷電流値It1 とをそれぞれ検出記録するように設定する。
【0073】
なお、前述したように、トルクリミッタ動作検出センサ28によりトルクアップ動作が検出された際に、CPU32を介して、モータ停止制御信号S22b が出力されると共に前記電動モータ制御回路22に入力されて、電動モータ12の停止制御が行われるように構成される。
【0074】
本実施例においては、前述したように、制御部30のCPU32において、予め設定された目標回転量Rm±αに対してトルクアップ動作時点t1 に検出される回転量Rt1 を比較することにより、ねじ締め状態の良否が判定された場合、および/または、予め設定された目標負荷電流値Im±βに対してトルクアップ動作時点t1 に検出される負荷電流値It1 を比較することにより、ねじ締め状態の良否が判定された場合、CPU32から出力される前記いずれかのねじ締め判定信号S40により、それぞれの判定内容を適宜表示器40において表示するように構成する。
【0075】
また、本実施例においては、前記電動モータ12の駆動により、所要のねじ締め作業を行う場合、前記CPU32において、ねじ締め作業の開始に伴う電動モータ12の駆動開始時点t0 において、前記トルクリミッタ動作検出センサ28により検出されるエンコーダ出力信号に基づいて、ドライバービット20の回転量を検出記録するように設定することができる。この場合に検出される前記エンコーダ出力信号は、ドライバービット20の回転に伴うねじ締め作業に際してのねじ締め回転量と相関する回転量として、検出記録することができると共に、前記制御部30のCPU32において、前述した場合と同様にして、目標回転量を設定し、この目標回転量に対してトルクアップ動作時点t1 に検出される回転量を比較するように設定することができる。
【0076】
[
自動ねじ締め制御装置(2)の構成]
図2は、本発明に係る自動ねじ締め制御方法を実施する装置の別の実施例を示す概略構成説明図である。なお、説明の便宜上、前述した
図1に示す実施例の装置と、同一の構成要素については、それぞれ同一の機能を有することから、同一の参照符号を付し、それらの詳細な説明は省略する。
【0077】
すなわち、本実施例の電動ドライバー10Bにおいて、電動モータ12としてブラシレスモータ以外の電動モータの適用を可能とするため、電動モータ12の回転量検出手段としては、前記電動モータ12の駆動軸に対し第1のエンコーダ25を付設した構成からなるものである。従って、本実施例において、前記電動モータ12の回転量は、制御部30のCPU32に対して、前記第1のエンコーダ25により検出されるエンコーダ検出信号S25を入力することにより、回転量検出手段として設定することができる。この場合、前記第1のエンコーダ25により検出されるエンコーダ検出信号S25は、電動モータ12により回転するドライバービット20のねじ締め作業に際してのねじ締め回転量と相関する回転量として、検出記録することができる。
【0078】
また、本実施例の電動ドライバー10Bにおいて、前記実施例におけるトルクリミッタ動作検出センサ28によるエンコーダ機能に代えて、ドライバービット20の回転量検出手段としては、ドライバービット20と結合するトルクリミッタ18に対し公知の第2のエンコーダ29を付設した構成からなるものである。従って、本実施例において、前記ドライバービット20の回転量は、制御部30のCPU32に対して、前記第2のエンコーダ29により検出されるエンコーダ検出信号S29を入力することにより、回転量検出手段として設定することができる。この場合、前記第2のエンコーダ29により検出されるエンコーダ検出信号S29は、ドライバービット20の回転によるねじ締め作業に際してのねじ締め回転量と相関する回転量として、検出記録することができる。
【0079】
本実施例の電動ドライバー10Bにおいて、その他の構成については、前記実施例と同一であり、従って、制御部30のCPU32においては、前記と同様に、予め設定された目標回転量Rm±αに対してトルクアップ動作時点t1 に検出される回転量Rt1 を比較することにより、ねじ締め状態の良否が判定された場合、および/または、予め設定された目標負荷電流値Im±βに対してトルクアップ動作時点t1 に検出される負荷電流値It1 を比較することにより、ねじ締め状態の良否が判定された場合、CPU32から出力される前記いずれかのねじ締め判定信号S40により、それぞれの判定内容を適宜表示器40において表示するように構成される。
【0080】
次に、前記構成からなる自動ねじ締め制御装置(1)および(2)による自動ねじ締め制御方法(1)〜(3)として、それぞれねじ締め状態の良否判定について、その制御フローチャート(
図4〜
図6参照)およびトルクアップ動作時点における電動モータ12の回転量の特性および負荷電流値の特性(
図7〜
図12参照)を併せ参照しながら説明する。
【0081】
[
自動ねじ締め制御方法(1)]
本制御方法(1)において、所要のねじ締め作業を開始するに際しては、スイッチ操作部材14を操作することにより駆動スイッチ13を作動し、前記電動モータ制御回路22にモータ駆動制御信号S22a が入力されて、電動モータ12の駆動制御が行われ、電動ドライバー10の駆動が開始される(
図1、
図2および
図4参照)。
【0082】
このような電動ドライバー10の駆動に伴うねじ締め作業の開始に際しては、予め前記回転量検出手段24により検出される回転量検出信号S24に基づいて電動モータ12の回転量Rt を、CPU32において電動モータ駆動開始時点t0 と共に検出記録する(STEP−1、STEP−2)ように設定する。
【0083】
そこで、本制御方法(1)においては、前記電動ドライバー10により所要のねじ締め作業を行うに際し、予め所定のねじ締め作業を行うことによって、ねじ締めの開始時点t0 (STEP−1)からねじ締めの完了に伴う前記トルクリミッタ18によるトルクアップ動作時点t1 までの電動モータ12の回転量Rmを前記回転量検出手段24により検出して(STEP−2)、制御器30のCPU32に記録し、目標回転量Rm±α(±αは許容範囲)として前記CPU32に設定する(STEP−3)。
【0084】
そして、その後における所定のねじ締め作業(第2回目以降)においては、ねじ締めの開始時点t0 (STEP−4)からねじ締めの完了に伴う前記トルクリミッタ18によるトルクアップ動作時点t1 までの電動モータ12の回転量Rt を前記回転量検出手段24により逐次検出し(STEP−5)、前記トルクアップ動作時点t1 に検出された回転量Rt1 を前記目標回転量Rm±α(許容範囲を含む)と比較することにより(STEP−6)、ねじ締め状態の良否を判定するように設定する。
【0085】
なお、電動ドライバー10の駆動に伴うねじ締め作業の開始(STEP−1およびSTEP−4)に際し、前記回転量検出手段24により検出される回転量検出信号S25に基づいて電動モータ12の回転量Rt を、CPU32において検出記録する場合において、ドライバービット20がねじの取付け対象物に当接してから、実際にねじ締め作業を行っている間の電動モータ12の回転量Rt を検出すれば、正確な回転量を検出することができる。
【0086】
そこで、本制御方法(1)においては、本出願人がJP4721535B2(WO02/068156A1:FIG.2)において提案したように、前記電動ドライバー10において、ねじの取付け対象物に対するドライバービット20の当接時における軸方向の変位によって作動するプッシュ操作スイッチを設けて、このプッシュ操作スイッチの動作信号により、ねじ締め作業を行う際のねじ締め開始時点t0´を設定することができる。
【0087】
すなわち、プッシュ操作スイッチとしては、例えば
図3に示すように、電動ドライバーの把持部ケーシング50内に、回転自在に支持されたトルクリミッタ18において、その一端側に電動モータ12により駆動される駆動軸42が内部結合されて伝動回転する伝動回転部44に対し、その他端側にライバービット20またはドライバービット20を支持する支持軸52を結合する結合部54を設けた構成からなり、前記結合部54の内部にばね部材56を設けて前記支持軸52を軸方向に弾力的に変位可能に結合し、この支持軸52の所要位置にマグネットからなるセンサ感知部材58を配設し、前記センサ感知部材58に対応させて電動ドライバーの把持部ケーシング50内に設けたホール素子からなるセンサ60により、前記プッシュ操作スイッチとして構成することができる。
【0088】
本制御方法(1)において、所定のねじ締め作業により、ねじ締め開始時点t0 からクラッチ動作時点t1 までに逐次検出される電動モータ12の回転量Rt1 を前記目標回転量Rm±α(許容範囲を含む)と比較する場合(STEP−6)、前記目標回転量Rm±αの設定値から所定のねじ締め作業においてトルクアップ動作時点t1 までに検出される電動モータの回転量Rt1 を、逐次加算するように演算して、最終的な回転量Rt1 の検出値を前記目標回転量Rm±α(許容範囲を含む)の設定値と比較するように構成することができる。
【0089】
また、所定のねじ締め作業により、ねじ締め開始時点t0 からトルクアップ動作時点t1 までに逐次検出される電動モータ12の回転量Rt1 を前記第1の目標回転量Rm±α(許容範囲を含む)と比較する場合(STEP−6)、前記第1の目標回転量Rm±αの設定値から所定のねじ締め作業においてトルクアップ動作時点t1 までに検出される電動モータ12の回転量を逐次減算するように演算し、最終的に第2の目標回転量0±α(許容範囲を含む)となるように設定して、最終的な回転量Rt1 の検出値を前記第2の目標回転量0±α(許容範囲を含む)の設定値と比較するように構成することもできる。
【0090】
前述したように、目標回転量Rm±αまたは0±α(許容範囲を含む)が設定されて、所定のねじ締め作業を行う場合において、トルクリミッタ18においてトルクアップ動作が検出されると、CPU32においてトルクアップ動作時点t1 が検出記録され、このトルクアップ動作時点t1 における前記電動モータ12の回転量Rt1 が検出記録される(STEP−5)。そこで、前記トルクアップ動作時点t1 において検出された電動モータ12の回転量Rt1 を、予め設定された目標回転量Rm±αまたは0±αと比較して、前記目標回転量Rm±αまたは0±αに適合しているか否か(Rm+α≧Rt1 ≧Rm−αまたは0+α≧Rt1 ≧0−α)を判定する(STEP−6)。
【0091】
また、前述したように、ドライバービット20がねじの取付け対象物に当接してから、実際にねじ締め作業を行っている間の電動モータ12の回転量Rt を検出するためのねじ締め開始時点t0´を設定することにより、前記CPU32において検出記録された電動モータ12の回転量Rt1 が、予め設定された目標回転量Rm±αまたは0±αと比較して、それぞれ目標回転量Rm±αまたは0±α(許容範囲を含む)に適合していれば(
図7、
図8参照)、適正なねじ締め状態と判定することができる(STEP−7)。また、前記CPU32において検出記録された電動モータ12の回転量Rt1 が、前記目標回転量Rm±αまたは0±α(許容範囲を含む)に適合していなければ、ねじ締め状態が不良であると判定することができる(STEP−8)。
【0092】
従って、この場合、前記制御部30において、ねじ締め状態が適正と判定されたねじの本数を、正確に記録することができると共に、表示器40においてその記録内容を表示するように設定することができる。また、前記トルクアップ動作時点t1 において検出された電動モータ12の回転量Rt1 に基づいて、ねじ締めを行ったねじの長さ寸法についても、制御部30において正確に記録し、さらに記録されたその記録内容を表示器40に表示するように設定することができる。
【0093】
また、前記CPU32において検出記録された電動モータ12の回転量Rt1 が、目標回転量Rm±αより少ない場合(Rt1 <Rm−α)または目標回転量0±αより多い場合(Rt1 >0+α)、ねじ締め状態において生じるねじのカジリ、ねじ浮き、選択ねじ寸法の不適合等の異常状態として検出することができる〔
図9の(a)、
図10の(a)参照〕。さらに、前記回転量Rt1 が、目標回転量Rm±αより多い場合(Rt1 >Rm+α)または少ない(Rt1 <0−α)は、ねじ締め状態において生じるねじバカ、下穴の摩損、ねじのカムアウト、ビットの破損、選択ねじ寸法の不適合等の異常状態として検出することができる〔
図9の(b)、
図10の(b)参照〕。
【0094】
このようにして、ねじ締め状態の良否が判定された場合、適正判定と不良判定とを明確に区別し得る判定表示を行うことができる。そこで、本制御方法においては、CPU32から出力される前記いずれかのねじ締め判定信号S40により、それぞれの判定内容を適宜表示器40において表示するように構成することができる(
図1、
図2参照)。
【0095】
本制御方法(1)においては、前述した電動モータ12の回転量の検出を、
図1に示す回転量検出手段24による場合について説明したが、
図2に示すように、電動モータ12の回転量検出手段として、第1のエンコーダ25により検出するように設定することもできる。また、電動モータ12の回転量の検出に代えて、
図1に示すように、トルクリミッタ動作検出センサ28によるエンコーダ機能により、ドライバービット20の回転量を検出する回転量検出手段として設定することもできる。さらに、
図2に示すように、トルクリミッタ18に付設した第2のエンコーダ29により、ドライバービット20の回転量を検出する回転量検出手段として設定することもできる。
【0096】
[
自動ねじ締め制御方法(2)]
本制御方法(2)においては、前記制御方法(1)と同様にして、電動ドライバー10の駆動に伴うねじ締め作業の開始に際して、予め前記回転量検出手段24により検出される回転量検出信号S25に基づいて電動モータ12の回転量Rt を、CPU32において電動モータ駆動開始時点t0 と共に検出記録する(STEP−11、STEP−12a)と共に、さらに負荷電流検出手段26により検出されるねじ締めトルク値に比例する負荷電流値It を、CPU32においてねじ締め開始時点t0 と共に検出記録する(STEP−11、STEP−12b)ように設定する(
図1、
図2および
図5参照)。
【0097】
そこで、本制御方法(2)においては、前記制御方法(1)と同様に、前記電動ドライバー10により所要のねじ締め作業を行うに際し、予め所定のねじ締め作業を行うことによって、ねじ締めの開始時点t0 (STEP−11)からねじ締めの完了に伴う前記トルクリミッタ18によるトルクアップ動作時点t1 までの電動モータ12の回転量Rmを前記回転量検出手段24により検出して(STEP−12a)、制御器30のCPU32に記録し、目標回転量Rm±α(±αは許容範囲)として前記CPU32に設定する(STEP−13a)。また、前記ねじ締めの開始時点t0 からねじ締めの完了に伴う前記トルクリミッタ18によるトルクアップ動作時点t1 までの電動モータ12の負荷電流値Imを前記負荷電流検出手段26により検出して(STEP−12b)、制御器30のCPU32に記録し、目標負荷電流値Im±β(±βは許容範囲)として前記CPU32に設定する(STEP−13b)。
【0098】
そして、その後における所定のねじ締め作業(第2回目以降)においては、前記制御方法と同様に、ねじ締めの開始時点t0 (STEP−14)からねじ締めの完了に伴う前記トルクリミッタ18によるトルクアップ動作時点t1 までの電動モータ12の回転量Rt を前記回転量検出手段24により逐次検出し(STEP−15a)、前記トルクアップ動作時点t1 に検出された回転量Rt1 を前記目標回転量Rm±α(許容範囲を含む)と比較することにより(STEP−16a)、ねじ締め状態の良否を判定するように設定する。また、ねじ締めの開始時点t0 からねじ締めの完了に伴う前記トルクリミッタ18によるトルクアップ動作時点t1 までの負荷電流値It を前記負荷電流検出手段26により逐次検出し(STEP−15b)、前記トルクアップ動作時点t1 に検出された負荷電流値It1 を前記目標負荷電流値Im±β(許容範囲を含む)と比較することにより(STEP−16b)、ねじ締め状態の良否を判定するように設定する。
【0099】
そこで、前記トルクアップ動作時点t1 において検出された電動モータ12の回転量Rt1 を、予め設定された目標回転量Rm±αと比較して、前記目標回転量Rm±αに適合しているか否か(Rm+α≧Rt1 ≧Rm−α)を判定する(STEP−16a)。また、前記トルクアップ動作時点t1 において検出された負荷電流値It1 を、予め設定された目標負荷電流値Im±βと比較して、前記目標負荷電流値Im±βに適合しているか否か(Im+β≧It1 ≧Im−β)を判定する(STEP−16b)。なお、この場合、電動モータ12の回転量Rt1 を目標回転量Rm±αと比較して、前記目標回転量Rm±αに適合しているか否か(Rm+α≧Rt1 ≧Rm−α)を判定する手段としては、前述した制御方法(1)を全て適用することができる。
【0100】
前述したトルクアップ動作時点t1 において、それぞれ検出記録された電動モータ12の回転量Rt1 および負荷電流値It1 が、それぞれ前記条件を満足した場合(
図7または
図8、
図11参照)、ねじ締め状態が適正であると判定することができる(STEP−17)。従って、この場合、前記制御部30において、ねじ締め状態が適正と判定されたねじの本数を、正確に記録することができると共に、表示器40においてその記録内容を表示するように設定することができる。また、前記トルクアップ動作時点t1 において検出された電動モータ12の回転量Rt1 に基づいて、ねじ締めを行ったねじの長さ寸法についても、制御部30において正確に記録し、さらに記録されたその記録内容を表示器40に表示するように設定することができる。
【0101】
これに対し、例えば、トルクリミッタ18のトルク設定が誤操作(トルクリミッタ18の選択ないし交換のミス等)されて目標負荷電流値Imが低下または増大した様な場合には、トルクアップ動作時点t1 において、検出記録された負荷電流値It1 が、許容範囲を含む目標負荷電流値Im±βに適合していない状態(It1 <Im±β<It1´)となり(
図12参照)、このような場合には、検出記録された電動モータ12の回転量Rt1 が、目標回転量Rm±αに適合している(Rm+α≧Rt1 ≧Rm−α)としても(
図7参照)、ねじ締め状態が不良であると判定することができる(STEP−19)。
【0102】
また、トルクアップ動作時点t1 において、検出記録された負荷電流値It1 が、目標負荷電流値Im±βに適合して場合(Im±β≧It1 ≧Im−β)であっても(
図11参照)、検出記録された電動モータ12の回転量Rt1 が、目標回転量Rm±αより少ない場合(Rt1 <Rm−α)は〔
図9の(a)、
図10の(a)参照〕、ねじ締め状態が不良であると判定することができる(STEP−20)。
【0103】
さらに、トルクアップ動作時点t1 (なお、トルクアップ動作が確認されない場合も含まれる)において、検出記録された電動モータ12の回転量Rt1 が、目標回転量Rm±αより多い場合(Rt1 >Rm+α)においても〔
図9の(b)、
図10の(b)参照〕、前記と同様にねじ締め状態が不良であると判定することができる(STEP−20)。
【0104】
なお、前述したトルクアップ動作時点t1 において、検出記録された負荷電流値It1 が、目標負荷電流値Im±βに適合していない場合(It1 <Im±β<It1 )であって、しかも、検出記録された電動モータ12の回転量Rt1 が、目標回転量Rm±αに適合しない場合(Rt1 <Rm±α<Rt1 )には、当然にねじ締め状態が不良であると判定することができる(STEP−18)。
【0105】
本制御方法(2)においても、前述したように、ねじ締め状態の良否が判定された場合、適正判定と不良判定とを明確に区別し得る判定表示を行うことができる。そこで、本制御方法においては、CPU32から出力される前記いずれかのねじ締め判定信号S40により、それぞれの判定内容を適宜表示器40において表示するように構成することができる(
図1、
図2参照)。
【0106】
なお、本制御方法(2)においても、前述した制御方法(1)と同様に、電動モータ12の回転量検出手段として、
図2に示すように、第1のエンコーダ25により検出するように設定することもできる。また、電動モータ12の回転量の検出に代えて、
図1に示すように、トルクリミッタ動作検出センサ28によるエンコーダ機能により、ドライバービット20の回転量を検出する回転量検出手段として設定することもできる。さらに、
図2に示すように、トルクリミッタ18に付設した第2のエンコーダ29により、ドライバービット20の回転量を検出する回転量検出手段として設定することもできる。
【0107】
[
自動ねじ締め制御方法(3)]
本制御方法(3)においては、電動ドライバー10の駆動に伴うねじ締め作業の開始に際して、予め負荷電流検出手段26により検出されるねじ締めトルク値に比例する負荷電流値It を、CPU32においてねじ締め開始タイミングt0 と共に検出記録する(STEP−21、STEP−22)ように設定する(
図1、
図2および
図6参照)。
【0108】
そこで、本制御方法(3)においては、前記電動ドライバー10により所要のねじ締め作業を行うに際し、予め所定のねじ締め作業を行うことによって、ねじ締めの開始時点t0 (STEP−21)からねじ締めの完了に伴う前記トルクリミッタ18によるトルクアップ動作時点t1 までの電動モータ12の負荷電流値Imを前記負荷電流検出手段26により検出して(STEP−22)、制御器30のCPU32に記録し、目標負荷電流値Im±β(±βは許容範囲)として前記CPU32に設定する(STEP−23)。
【0109】
そして、その後における所定のねじ締め作業(第2回目以降)においては、前記制御方法(1)と同様に、ねじ締めの開始時点t0 (STEP−24)からねじ締めの完了に伴う前記トルクリミッタ18によるトルクアップ動作時点t1 までの電動モータ12の負荷電流値It を前記負荷電流検出手段26により逐次検出し(STEP−25)、前記クラッチ動作時点t1 に検出された負荷電流値It1 を前記目標負荷電流値Im±β(許容範囲を含む)と比較することにより(STEP−26)、ねじ締め状態の良否を判定するように設定する。
【0110】
そこで、前記トルクアップ動作時点t1 において検出された電動モータ12の負荷電流値It1 を、予め設定された目標負荷電流値Im±βと比較して、前記目標負荷電流値Im±βに適合しているか否か(Im+β≧It1 ≧Im−β)を判定する(STEP−26)。
【0111】
前述したトルクアップ動作時点t1 において、それぞれ検出記録された負荷電流値It1 および電動モータ12の回転量Rt1 が、それぞれ前記条件を満足した場合(
図11および
図7または
図8参照)、ねじ締め状態が適正であると判定することができる(STEP−27)。従って、この場合、前記制御部30において、ねじ締め状態が適正と判定されたねじの本数を、正確に記録することができると共に、表示器40においてその記録内容を表示するように設定することができる。また、前記トルクアップ動作時点t1 において検出された電動モータ12の回転量Rt1 に基づいて、ねじ締めを行ったねじの長さ寸法についても、制御部30において正確に記録し、さらに記録されたその記録内容を表示器40に表示するように設定することができる。
【0112】
これに対し、例えば、トルクリミッタ18のトルク設定が誤操作(トルクリミッタ18の選択ないし交換のミス等)されて目標負荷電流値Imが低下または増大した様な場合には、トルクアップ動作時点t1 において、検出記録された負荷電流値It1 が、許容範囲を含む目標負荷電流値Im±βに適合していない状態(It1 <Im±β<It1´)となり(
図12参照)、ねじ締め状態が不良であると判定することができる(STEP−28)。
【0113】
従って、本制御方法(3)においても、前述したように、ねじ締め状態の良否が判定された場合、適正判定と不良判定とを明確に区別し得る判定表示を行うことができる。そこで、本制御方法においては、CPU32から出力される前記いずれかのねじ締め判定信号S40により、それぞれの判定内容を適宜表示器40において表示するように構成することができる(
図1、
図2参照)。
【0114】
[
自動ねじ締め制御方法(4)]
本制御方法(4)は、前述した自動ねじ締め制御方法(1)および(2)において行っている、回転量検出手段24による目標回転量の設定方法に代えて、簡便に目標回転量の設定を行うようにした自動ねじ締め制御方法である。すなわち、前述した自動ねじ締め制御方法(1)および(2)においては、
図4に示すように、回転量検出手段24による目標回転量の設定に際して、予め電動ドライバー10の駆動による所定のねじ締め作業において、ねじ締めの開始時点t0 (STEP−1)からねじ締めの完了に伴う前記トルクリミッタ18によるトルクアップ動作時点t1 までの電動モータ12の回転量Rmを前記回転量検出手段24により検出して(STEP−2)、制御器30のCPU32に記録し、目標回転量Rm±α(±αは許容範囲)として前記CPU32に設定するものである(STEP−3)。
【0115】
そこで、本制御方法(4)においては、予め使用するねじの規格に基づいて事前の試行等により予定されるねじ締めの開始時点からねじ締めの完了に伴う前記トルクリミッタ18によるトルクアップ動作時点t1 の電動モータ12の回転量Rm´を目標回転量Rm´±α(±αは許容範囲)として設定するように構成したものである。
【0116】
従って、この場合、所要のねじ締め作業(
図4のSTEP−6〜STEP−8参照)に際して、ねじ締めの開始時点t0 (t0´)からねじ締めの完了に伴う前記トルクリミッタ18によるトルクアップ動作時点t1 までの電動モータ12の回転量を回転量検出手段24により逐次検出し、前記トルクアップ動作時点t1 に検出された回転量Rt1 を前記目標回転量Rm´±α(許容範囲を含む)と比較することにより、前述した自動ねじ締め制御方法(1)および(2)と全く同様に、ねじ締め状態の良否判定を適正に達成することができる。
【0117】
なお、本制御方法(4)においては、前述した負荷電流検出手段26によりトルクアップ動作時点t1 における負荷電流値It1 を検出して、目標負荷電流値Im±βと比較するようにした構成を、併用するように設定した構成とすることもできる。
【0118】
また、本制御方法(4)においては、前記目標負荷電流値Im±βの設定に際して、前記目標回転量Rm´±α(±αは許容範囲)の設定と同様に、予め使用するねじの規格に基づいて事前の試行等により予定されるねじ締めの開始時点からねじ締めの完了に伴う前記トルクリミッタ18によるトルクアップ動作時点t1 の電動モータ12の負荷電流値I´t1 を目標負荷電流値Im´±β(±βは許容範囲)として設定することもできる。
【0119】
さらに、本制御方法(4)においても、前述した制御方法(1)、(2)と同様に、電動モータ12の回転量検出手段として、
図2に示すように、第1のエンコーダ25により検出するように設定することもできる。また、電動モータ12の回転量の検出に代えて、
図1に示すように、トルクリミッタ動作検出センサ28によるエンコーダ機能により、ドライバービット20の回転量を検出する回転量検出手段として設定することもできる。さらに、
図2に示すように、トルクリミッタ18に付設した第2のエンコーダ29により、ドライバービット20の回転量を検出する回転量検出手段として設定することもできる。
【0120】
前述した種々の実施態様から明らかなように、本発明に係る自動ねじ締め制御方法および装置によれば、各種のねじ等を使用する所定のねじ締め作業において、所要のねじ孔に対するねじ締めの開始からねじが着座するまでの電動モータの回転量の検出に際して、ほぼ50%程度まで確認することができれば、ねじ締め作業において生じるねじ締め不良となるトラブルの半分を確認し解決することができる。すなわち、ねじ締め作業の四大トラブルと称される、(1) ねじの下穴への斜め締めによりその入り口で生じるねじのカジリ、(2) タッピンねじ等の締め付けに際して発生するワークと下穴の不具合により着座前にトルクアップしてしまうねじ浮きを、それぞれ確認することができる。これらのトラブルは、ねじ締めの開始より、ねじの長さ寸法の半分くらいの間に起生するものである。そして、これらの状況をクリアして、ねじ着座後の規定のねじ締めトルクに達するまでに、(3) ビットの摩耗等によりカムアウトが発生して規定のねじ締めトルクに達成することができない場合、(4) 下穴の摩損によるねじの締結不良等、ドライバービットまたは電動モータの回転量とトルクリミッタによるトルクアップ動作信号の検出および確認により、前記のようなねじ締め作業の四大トラブルを、それぞれ熟練を必要とすることなく、容易かつ確実に検出することができるという、優れた作用効果が得られるものである。
【0121】
特に、本発明に係る自動ねじ締め制御方法および装置によれば、所要のねじ締め作業において、電動ドライバーによるドライバービットまたは電動モータの回転量をトルクリミッタの機能を利用して適正に検出することにより、適正なねじ締め完了(ねじの着座)状態を容易かつ確実に判定して、多数の連続するねじ締めを行うねじの本数との関係において、それぞれのねじ締め状態を記録ないし表示することができる。また、それぞれのねじ締め作業におけるトルクアップ時点において、電動モータの負荷電流を検出記録することにより、前記トルクアップ時点の負荷電流値は、それぞれねじ締めを完了(着座)したねじのねじ締めトルク値と極めて正確な相関関係を以って確認することができるため、前記電動モータの回転量の検出と共に電動モータの負荷電流値をそれぞれ組合せて検出記録ないし表示するように設定ことにより、各種のねじ締め作業を行う生産ラインおよびそれらのネットワークにおける生産管理システムの構築を容易に実現することが可能となる。
【0122】
以上、本発明の好適な実施例として、通常のねじ穴を設けた対象物に通常のねじを使用してねじ締め制御を行う場合について説明したが、このような実施例に限定されることなく、例えばタッピンねじやドリルねじを使用するねじ締め制御あるいはタップによるねじ加工においても、同様に適用することができる。また、前述した本発明の好適な実施例として、ねじ締め作業においてねじが着座する時点(タイミング)を、トルクリミッタにより検出するように設定ないし構成する場合について説明したが、本発明においては、前記実施例に限定されることなく、例えば電動モータの回転量の検出や負荷電流値を検出するタイミングとして、それぞれ検出する前記回転量や負荷電流値が予め設定した目標回転量および目標負荷電流値と一致する際に、所要の出力信号を発生するように構成して、前記タイミングの設定を行うように構成することができる。その他本発明の精神を逸脱しない範囲内において多くの設計変更を行うことができる。