(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付の図面に基づき本発明の実施例を説明する。
図1に示す遊技機1は、遊技媒体として遊技球を用いるパチンコ遊技機であって、遊技盤2の縁に外側誘導レール3及び内側誘導レール4が略円形に配置され、前記外側誘導レール3及び内側誘導レール4によって区画された遊技領域6が前記遊技盤2上に設けられている。前記遊技領域6には遊技球を誘導する誘導釘Rが遊技盤2の表面に設けられている。また、遊技機1の前面側には、ランプ装置35、発射装置へ供給する遊技球と払い出された遊技球を受けるための上側球受け皿36、該上側球受け皿36の満杯時に遊技球を受けるための下側球受け皿37、効果音等を発するスピーカ38、遊技者の発射操作に応じて遊技球を前記遊技領域6へ向けて弾発発射するための発射装置64、遊技者による操作可能な遊技操作ボタン67が設けられている。前記ランプ装置35は、本実施例では、遊技状態に応じて発光する発光手段に相当し、白色LEDランプ、赤色LEDランプが発光可能に組み込まれている。前記スピーカ38は、音手段に相当する。前記遊技操作ボタン67は、遊技者が任意に操作可能な操作部に相当する。前記遊技操作ボタン67は、押下可能な押しボタンスイッチからなり、正しく操作されたことを検知する接点型のリミットセンサーが内蔵され、押下操作に対応した出力信号を出力可能にされている。前記遊技操作ボタン67の操作には、押下によって操作状態とする入操作(ONにする操作)と、押下を解除して前記操作状態を解除する解除操作(OFFにする操作)とがある。
図1における符号W1は遊技機の外枠、W2は外枠W1に取り付けられた前枠、Gは前記前枠W2に開閉可能にヒンジで取り付けられたガラス枠である。以下、遊技機1の主要な部分について説明する。
【0021】
前記遊技領域6には、中心線上の上部から下部に向かって順に表示装置10、上側始動入賞口41、下側始動入賞口42、大入賞口45、アウト口48が配置されている。前記上側始動入賞口41及び下側始動入賞口42の左には左袖第一入賞口51と左袖第二入賞口52が配置され、また、大入賞口45の左右には左落とし入賞口53と右落とし入賞口54が配置されている。また、前記表示装置10の左には普通図柄変動開始用ゲート55、その下方には風車76が設けられている。一方、前記表示装置10の右下方には普通図柄表示装置50が組み込まれている。
【0022】
前記上側始動入賞口41、下側始動入賞口42、大入賞口45、左袖第一入賞口51、左袖第二入賞口52、左落とし入賞口53、右落とし入賞口54は、前記遊技領域6に発射された遊技球が入賞可能な複数の入賞口に相当する。また、前記上側始動入賞口41及び下側始動入賞口42は、始動入賞口に相当する。前記遊技領域6へ発射されて遊技領域6内を流下する遊技球が前記の各入賞口に入賞(入球)すると1入賞球の入賞に対して所定個数の賞品球(遊技球)が遊技者に払い出される。前記1入賞球の入賞に対する賞品球の払出個数は、前記入賞口毎に設定されている。
【0023】
前記表示装置10は、表示手段に相当し、当否判定手段による当否判定結果に基づいて演出を表示すると共に前記当否判定結果を図柄で表示する。前記表示装置10は、図柄等の画像が表示可能なものであって、液晶,ドットマトリックス若しくはLED表示装置等の画像表示装置からなり、本実施例では、液晶表示器(TFT−LCDモジュール)で構成されている。前記表示装置10は、複数の特別図柄を変動パターンに従って所定時間変動表示した後に停止表示可能に構成され、停止表示された特別図柄によって判定結果を表示する。特別図柄は当否判定結果を表示するための判定図柄であり、当否判定結果を識別可能な識別情報である。
【0024】
前記表示装置10では、左右に並ぶ左特別図柄(左判定図柄)と中特別図柄(中判定図柄)と右特別図柄(右判定図柄)がそれぞれ変動パターンに従って変動表示し、変動パターンに設定されている変動時間変動表示した後、当否判定結果に基づき左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄が確定停止特別図柄(確定停止判定図柄)として停止表示される。前記変動パターンは、後述するように複数設けられ、複数の変動パターンから選択される。
【0025】
本実施例において変動および停止表示される左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄は、それぞれ『0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11』の12通りの図柄とされている。本実施例では、遊技の当否判定結果が大当たりの場合には、前記表示装置10に大当たりの特別図柄組合せ、この例では『0,0,0』(いわゆる‘0’のぞろ目)や『1,1,1』(いわゆる‘1’のぞろ目)等、同一数字の組合せで特別図柄が停止表示される。大当たりの場合には、外れの場合よりも遊技者にとって有利な(遊技球を獲得し易い)特別遊技(大当たり遊技)が実行される。なお、遊技の当否判定結果が外れの場合には、特別図柄がぞろ目以外の組合せで表示装置10に停止表示される。
【0026】
また本実施例では、当否判定結果の大当たりには、通常16ラウンド大当たり、確変16ラウンド大当たり、通常4ラウンド大当たり、確変4ラウンド大当たりがある。当否判定結果が通常16ラウンド大当たりの場合には、前記表示装置10に通常16ラウンド大当たり図柄組合せ、この例では、『0,0,0』(いわゆる‘0’のぞろ目)や『2,2,2』(いわゆる‘2’のぞろ目)等からなる‘0’〜‘8’までの同一の偶数の図柄(偶数のぞろ目)が停止表示され、一方、確変16ラウンド大当たりの場合には、確変16ラウンド大当たり図柄組合せ、この例では『1,1,1』(いわゆる‘1’のぞろ目)や『3,3,3』(いわゆる‘3’のぞろ目)等からなる‘1’〜‘9’までの同一の奇数の図柄(奇数のぞろ目)が停止表示される。また、通常4ラウンド大当たりの場合には『10,10,10』、確変4ラウンド大当たりの場合には『11,11,11』で停止表示される。
【0027】
前記普通図柄表示装置50は、液晶、ドットマトリックス若しくはLED表示装置等の表示装置からなる。本実施例の普通図柄表示装置50は、LED表示装置からなる。本実施例における普通図柄表示装置50に変動及び停止表示される普通図柄は『○』,『×』の2種類からなる。普通図柄当たりの場合には、前記普通図柄表示装置50に『○』の普通図柄が停止表示され、外れの場合には『×』が表示される。
【0028】
前記上側始動入賞口41は、上方が開口した形状からなって遊技球が上方から入球(入賞)可能となっている。
一方、前記下側始動入賞口42は、2つの可動片42a,42bが背面の始動入賞口用ソレノイドによって略垂直で遊技球の入賞(入球)困難な閉状態(通常状態)と略V字形(逆ハの字形)の入賞可能な開状態間を変化可能に制御されている。前記下側始動入賞口42の可動片42a,42b間は入賞(入球)領域に相当する。前記下側始動入賞口42の開状態への移行は、前記普通図柄表示装置50で普通図柄が変動した後、普通図柄当たりを示す当たり普通図柄(本実施例では『○』)で確定停止表示された時に行われる。
【0029】
また、前記遊技盤2の背面には、前記上側始動入賞口41に入賞(入球)した遊技球を検出する上側始動入賞口検出スイッチ(上側始動入賞口センサ)と、前記下側始動入賞口42へ入賞(入球)した遊技球を検出する下側始動入賞口検出スイッチ(下側始動入賞口センサ)がそれぞれの入賞球用通路に設けられている。本実施例において前記上側始動入賞口41あるいは下側始動入賞口42への遊技球の入賞(入球)検出は、乱数値の取得の起因および前記特別図柄の変動表示開始の起因とされ、さらには、判定条件の成立に設定されており、また、前記判定条件の成立に起因して当否判定手段により大当たりか否かが判定される。
【0030】
前記上側始動入賞口41あるいは下側始動入賞口42に入賞して前記上側始動入賞口検出スイッチ(上側始動入賞口センサ)、前記下側始動入賞口検出スイッチで検出された遊技球検出数(始動入賞口入賞球数)及び取得した乱数値を予め設定されている設定数まで特別図柄保留球数として入賞順に記憶し、特別図柄の変動表示を一旦保留して順次特別図柄の変動表示が開始されることにより、記憶されている特別図柄保留球数の数を減らし、乱数値のデータを消去している。前記上側始動入賞口41及び下側始動入賞口42への入賞に対する記憶は、前記表示装置10で現在変動中の記憶を含まず、最大4個に設定されている。
【0031】
なお、前記始動入賞口検出スイッチ(上側始動入賞口検出スイッチ、下側始動入賞口検出スイッチ)による遊技球検出数が最大個数まで記憶されている時には、前記始動入賞口検出スイッチがそれ以上入賞遊技球を検出しても、保留球数としては記憶されない無効球(オーバーフロー入賞球)とされ、その無効球については乱数値の記憶、当否判定及び特別図柄の変動を行うことなく、入賞に対する賞球遊技球が所定数払い出される。
【0032】
前記普通図柄変動開始用ゲート55は、前記遊技盤2の背面に設けられた普通図柄変動開始スイッチで普通図柄変動開始用ゲート55を通過する遊技球が検出されることに基づいて前記普通図柄表示装置50で普通図柄の変動を開始させるようになっている。また、前記普通図柄の変動表示中に、前記普通図柄変動開始用ゲート55を遊技球が通過することによって発生する普通図柄の変動を、前記普通図柄変動装置50における現在変動中の記憶を含めず最大4個普通図柄保留球数として記憶し、普通図柄の変動開始により普通図柄保留球数を減らすようになっている。
【0033】
また、前記遊技盤2の背面には、前記左袖第一入賞口51の入賞球を検出する左袖第一入賞口用検出スイッチ、前記左袖第二入賞口52の入賞球を検出する左袖第二入賞口用検出スイッチ、前記左落とし入賞口53及び右落とし入賞口54の入賞球を検出する左落とし入賞口用検出スイッチ及び右落とし入賞口用検出スイッチが設けられている。
【0034】
前記大入賞口45は、前記遊技盤2の背面に設けられた大入賞口開放用ソレノイドによって開閉する開閉板46を備えている。この大入賞口45は、通常は開閉板46が閉じた状態とされ、当否判定結果が大当たりの場合に実行される特別遊技(大当たり遊技)時に所定ラウンドとして本実施例では16ラウンド(16回)開放される。また、前記大入賞口45内には、大入賞口45に入賞した入賞球を検出する入賞球数カウントスイッチ(カウントセンサ)が設けられている。
【0035】
前記上側始動入賞口検出スイッチ、下側始動入賞口検出スイッチ、左袖第一入賞口用検出スイッチ、左袖第二入賞口用検出スイッチ、左落とし入賞口用検出スイッチ、右落とし入賞口用検出スイッチ、入賞球数カウントスイッチ(カウントセンサ)は、入賞装置に入賞した遊技球を検出する入賞検出手段に相当する。
【0036】
前記発射装置64は、操作レバー65の操作により駆動する発射モータを裏側に有し、該発射モータの駆動により遊技球を弾発発射するようになっている。前記発射装置64により発射された発射球は、前記遊技盤2の表面に立設された内側誘導レール4と外側誘導レール3間で構成される発射球誘導路を介して遊技領域6に誘導される。前記遊技領域6に誘導された遊技球は、転動しつつ下方へ落下し、前記各装置及び各入賞口に入賞するか、或いは何処にも入賞しなければ前記アウト口48から遊技盤2の裏側へ排出される。
【0037】
前記遊技機1の裏側には、
図2に示すように、複数の制御基板や装置等が設けられている。制御基板の主なものとして、主制御基板200、サブ制御基板205、表示制御基板210、音声制御基板220、払出制御基板240、電源基板250、発射制御基板260等がある。符号265は外部端子、281は払出装置、283は球無し検出スイッチ、289は球貯留タンク、291は球誘導樋である。271はRAMクリアスイッチ、272は電源スイッチである。なお各制御基板には制御回路が設けられている。また、各制御基板は、単独でまたは複数まとめてケースに収納された状態で遊技機1の裏側に配置されている。主な制御基板を、
図3のブロック図を用いて簡略に示す。
【0038】
主制御基板200は、遊技情報に従って遊技の進行を制御する制御装置に相当する。前記主制御基板200には、CPU、RAM、ROMおよび複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータを少なくとも備え、サブ制御基板205及び払出制御基板240と接続され、また中継回路を介して上側始動入賞口41、下側始動入賞口42及び大入賞口45等と接続されている。前記主制御基板200は電源基板250から電源供給を受けて作動する。
【0039】
前記主制御基板200におけるCPUは、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ,各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、乱数値も生成し、また指令信号(制御信号あるいはコマンドとも称される)を接続されているサブ制御基板205や装置等へ出力(送信)可能に構成されている。また、前記主制御基板200のCPUは制御プログラムを実行して遊技情報に従って遊技に関わる主制御を行う。遊技情報は、当否判定に関する確率情報や、前記入賞装置への入賞情報や、払出情報、ラウンド状態、演出に関する情報等、遊技の進行に必要な情報である。
【0040】
前記主制御基板200から出力される指令信号(コマンド)には、入賞コマンド、始動入賞口入賞コマンド、大当たりオープニングコマンド、変動コマンド、変動停止コマンド、大当たりラウンドコマンド、大当たりエンディングコマンド等がある。大当たりオープニングコマンドは大当たり遊技開始時の表示用コマンドであり、変動停止コマンドは特別図柄の変動停止用コマンドである。また、大当たりラウンドコマンドは、特別遊技中の各ラウンドの表示用コマンドであり、大当たりエンディングコマンドは、特別遊技終了時の表示用コマンドである。また、前記始動入賞口入賞コマンドには、前記表示装置10で特別図柄を停止表示させる大当たり判定結果データが少なくとも含まれる。前記変動コマンドには、前記表示装置10で特別図柄を変動表示させる変動パターンのコマンドや図柄に関するコマンドが含まれる。前記主制御基板200から出力される指令信号には、その他、普通図柄当たりに関するデータ、電源投入時、異常時、大当たりラウンド時等のデータを挙げることができる。なお、主制御基板200が前記表示装置10の制御に関して出力する指令信号に基づいて、サブ制御基板205が前記表示装置10に表示する内容を設定する。
【0041】
前記RAMは、保留記憶手段にも相当し、前記上側始動入賞口検出スイッチ及び下側始動入賞口検出スイッチで検出された遊技球の特別図柄保留球数、取得された乱数値の記憶領域、普通図柄変動開始スイッチで検出された遊技球の普通図柄保留球数の記憶領域、CPUで生成される各種乱数値用の記憶領域、遊技に必要な遊技データ等の各種データを一時的に記憶する記憶領域や、遊技情報を記憶する記憶領域やフラグ、CPUの作業領域を備える。
【0042】
前記ROMは、前記CPUのための制御プログラムや制御データ、前記表示装置での変動表示に関する変動パターンや図柄データ、演出時間等のデータが書き込まれている他、大当たり、普通図柄当たりの判定値等が書き込まれている。
【0043】
サブ制御基板205は、前記主制御基板200と接続されて主制御基板200から指令信号を受信可能に構成されると共に、前記表示制御基板210と接続されて表示装置10を制御可能に構成されている。前記サブ制御基板205にはCPU、ROM、RAM、複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータと、前記主制御基板200とを結ぶ入出力回路と、前記表示制御基板210、ランプ中継基板、前記音声制御基板220、及び前記遊技操作ボタン67とを結ぶ入出力回路を備えている。前記サブ制御基板205は、前記主制御基板200と共に遊技の制御を行う制御手段に相当し、前記主制御基板200から出力された指令信号に従って遊技の制御を行う。本実施例ではサブ制御基板205はランプ制御基板を兼ねており、前記主制御基板200から出力された指令信号を受信し、受信した指令信号に基づいて、ランプ中継基板や表示制御基板210、ランプ装置35へ指令信号を出力している。前記主制御基板200からの指令信号には、前記表示装置10をサブ制御基板205が制御するための指令信号及び、入賞コマンド、始動入賞口入賞コマンド、変動コマンド等が含まれ、それらの信号の内容に合わせて遊技の制御を行っている。また、前記サブ制御基板205のROMは制御用のプログラムやデータ定数、前記表示装置10で実行される変動パターンによる演出等や背景演出情報が記憶され、また前記RAMは、主制御基板200のRAMと共に保留記憶手段にも相当し、各種データの記憶領域とCPUによる作業領域を有している。前記ランプ中継基板には装飾ランプ等のランプ装置35が接続され、前記サブ制御基板205からランプ中継基板に送信された指令信号によって、ランプ装置35の作動を制御する。前記サブ制御基板205は電源基板250から電源供給を受けて作動する。
【0044】
表示制御基板210は、CPU、ROM、RAMを備えたマイクロコンピュータと、前記サブ制御基板205を結ぶ入力回路と前記表示装置10を結ぶ出力回路等で構成され、前記サブ制御基板205から送信された制御信号に基づいて、前記表示装置10における表示の制御を行う。前記表示制御基板210のROMには制御用のプログラムが記憶されている。前記表示制御基板210は、前記サブ制御基板205からの指令信号に基づき、表示制御御基板210のCPUがROMから所定の表示制御データを読み出し、RAMの記憶領域で制御用データを生成してVDP(図示せず)に出力する。VDPは、CPUからの指令に基づいてROMから必要なデータを読み出し、表示画像のマップデータを作成し、VRAMに格納する。VRAMに格納記憶された画像データは、出力回路に備えるD/A変換回路にてRGB信号に変換されて表示装置10に出力される。
【0045】
音声制御基板220は、前記サブ制御基板205から出力される信号により音声信号を合成し、アンプに出力する。アンプは音声信号を増幅してスピーカ38に出力する。
【0046】
払出制御基板240は、遊技球の払出を制御する払出制御手段に相当し、CPU、ROM、RAMを備えたマイクロコンピュータを有する。前記払出制御基板240は前記主制御基板200と電気的接続手段で接続され、前記主制御基板200から出力される指令信号を受信して払出装置281を制御する。前記払出制御基板240は電源基板250から供給される電源によって作動する。前記払出制御基板240のROMには制御用のプログラムが記憶されている。前記払出制御基板240のRAMは、種々の入賞口(入賞装置)への入賞検出に基づき前記払出装置281により払い出される賞品球(遊技球)の払出個数を、1入賞球の検出に対する払出個数毎に記憶可能となっている。
【0047】
前記払出装置281は、払出モータの駆動によって回転する払出スクリューを備え、前記球誘導樋291から誘導されてきて払出装置281に至った遊技球を払出スクリューの羽根部分に乗せて払出スクリューが回転することにより徐々に下方へ移動させて遊技球の払い出し行うように構成されている。前記球誘導樋291と払出装置281の間における遊技球の流路に遊技球の存否を検出する前記球無しセンサ283が設けられている。前記払出装置281の球出口には、前記払出装置281から払い出された遊技球を検出する払出センサが設けられている。
【0048】
電源基板250は、遊技機1の外部より供給される主電源から遊技機1に適する所定電圧の遊技機用電源を生成して主制御基板(遊技制御装置)200やサブ制御基板205、払出制御基板240等に供給するものであり、電源装置に相当する。前記主電源は、遊技店側で所要の電圧、本実施例では直流(AC)24Vに変換されて供給される。
発射制御基板260は、前記発射装置64における発射モータの制御を行う。
【0049】
前記主制御基板200に設けられる乱数用カウンタとして、大当たり判定乱数用カウンタ、当たり種別決定乱数用カウンタ、大当たり図柄乱数用カウンタ、リーチ乱数用カウンタ、特別図柄データ乱数用カウンタ、変動パターン乱数用カウンタ、普通図柄乱数用カウンタ等がある。
【0050】
大当たり判定乱数用カウンタは、当否判定手段による大当たりの判定に用いられ、‘0’〜‘629’の乱数からなる。前記大当たり判定乱数用カウンタにおける大当たり判定乱数値は、遊技機の電源投入時‘0’から始まって後述の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理ごとに1加算され、‘629’に至ると次には‘0’にされて再び前記加算を繰り返すようになっている。大当たり判定乱数値は、前記上側始動入賞口41又は下側始動入賞口42への入賞を前記上側始動入賞口検出スイッチ又は下側始動入賞口検出スイッチで検出したこと(判定条件の成立)に基づいて取得され、その取得乱数値(当否判定用データの乱数値)が通常遊技(低確率状態、確率:1/315)時には大当たり成立数値(当たり乱数値に相当)として設定されている‘3’,‘397’の何れかと一致すれば大当たりとなり、一方、確変遊技(高確率状態、確率:5/315)時には、大当たり成立数値(当たり乱数値に相当)として設定されている‘3’,‘53’,‘100’,‘173’,‘227’,‘281’,‘337’,‘397’,‘449’,‘503’の何れかと一致すれば大当たりとなる。
【0051】
本実施例では、確変遊技(高確率状態、確率:5/315)時の大当たり成立数値は、通常遊技(低確率状態、確率:1/315)時の大当たり成立数値を全て含むように設定されている。大当たりの場合、前記表示装置10で特別図柄(識別情報)が変動して大当たりを示す図柄(識別別情報)の組み合わせ、本実施例では通常16R大当たりの場合には、‘0’〜‘8’までの同一の偶数の図柄(偶数のぞろ目)が停止表示され、一方、確変16R大当たりの場合には、‘1’〜‘9’までの同一の奇数の図柄(奇数のぞろ目)が停止表示され、また通常4R大当たりの場合には『10,10,10』で停止表示され、確変4R大当たりの場合には『11,11,11』で停止表示され、大当たり遊技(特別遊技)に移行する。大当たり遊技になると、前記大入賞口45が開状態(開放)にされ、入賞を可能にする。大入賞口45の開閉は、通常16R大当たり及び確変16R大当たりの場合には、16ラウンド(16回)繰り返され、一方、通常4R大当たり及び確変4R大当たりの場合には、4ラウンド(4回)繰り返される。通常16R、通常4R、確変16R、確変4R大当たりか否かは、後述の当たり種別決定乱数用カウンタから取得した乱数値によって決められる。
【0052】
当たり種別決定乱数用カウンタは、大当たりの種別が通常16R大当たりか、確変16R大当たりか、通常4R大当たりか、確変4R大当たりを決定するのに用いられ、‘0’〜‘9’の乱数値からなる。当たり種別決定乱数値は、遊技機の電源投入時‘0’から始まって後述の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理ごとに1加算され、‘9’に至ると次には‘0’にされて再び前記加算を繰り返すようになっている。当たり種別決定乱数値は前記始動入賞口42への入賞を前記始動入賞口検出スイッチで検出したこと(当否判定条件の成立)に起因して取得される。
【0053】
当たり種別決定乱数値は、偶数の乱数値、‘0’,‘2’,‘4’,‘6’,‘8’の場合には、‘2’、‘4’、‘6’が通常16R大当たりに設定され、残りの‘0’、‘8’が通常4R大当たりに設定されている。一方、当たり種別決定乱数値が奇数の乱数値‘1’,‘3’,‘5’,‘7’,‘9’の場合には、‘3’,‘5’,‘7’が確変16R大当たりに設定され、残りの‘1’,‘9’が確変4R大当たりに設定されている。通常16R大当たり及び通常4R大当たりの場合には、大当たり遊技(特別遊技)後の遊技状態が通常遊技(低確率状態)になり、確変16R大当たり及び確変4R大当たりの場合には、大当たり遊技(特別遊技)後、遊技状態が確変遊技(高確率状態)になる。なお、確変16R大当たり及び確変4R大当たりの場合には、大当たり遊技の後、少なくとも次に大当たりとなるまで高確率の状態が維持される。
【0054】
大当たり図柄乱数用カウンタは、大当たりの当否判定結果が大当たりの場合で、かつ当たり種別が通常16R大当たりの場合又は確変16R大当たりの場合に、前記表示装置10に確定停止する大当たり図柄組合せを決定するものであり、‘0’〜‘4’の乱数からなる。この大当たり図柄乱数は、電源投入時に‘0’から始まって後述の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理ごとに1加算され、‘4’に至ると次には‘0’に戻って再び前記加算を繰り返すようになっている。大当たり図柄乱数は前記上側始動入賞口41又は下側始動入賞口42への入賞に起因して取得される。
【0055】
前記大当たり図柄乱数には、当否判定結果が大当たりの場合に、前記表示装置10で停止表示される大当たり図柄組合せとして、当たり種別が通常16R大当たりの場合と確変16R大当たりの場合とで異ならせて割り当てられている。本実施例では、大当たり図柄乱数‘0’には、当たり種別が通常16R大当たりの場合に『0,0,0』となる0のぞろ目(全図柄同一)が割り当てられ、一方、当たり種別が確変16R大当たりの場合に『1,1,1』となる1のぞろ目(全図柄同一)が割り当てられている。また、大当たり図柄乱数‘1’には、当たり種別が通常16R大当たりの場合に『2,2,2』となる2のぞろ目(全図柄同一)が割り当てられ、一方、当たり種別が確変16R大当たりの場合に『3,3,3』となる3のぞろ目(全図柄同一)が割り当てられている。また大当たり図柄乱数‘2’には、当たり種別が通常16R大当たりの場合に『4,4,4』となる4のぞろ目(全図柄同一)が割り当てられ、一方、当たり種別が確変16R大当たりの場合に『5,5,5』となる5のぞろ目(全図柄同一)が割り当てられている。また、大当たり図柄乱数‘3’には、当たり種別が通常16R大当たりの場合に『6,6,6』となる6のぞろ目(全図柄同一)が割り当てられ、一方、当たり種別が確変16R大当たりの場合に『7,7,7』となる7のぞろ目(全図柄同一)が割り当てられている。大当たり図柄乱数‘4’には、当たり種別が通常16R大当たりの場合に『8,8,8』となる8のぞろ目(全図柄同一)が割り当てられ、一方、当たり種別が確変16R大当たりの場合に『9,9,9』となる9のぞろ目(全図柄同一)が割り当てられている。
【0056】
なお、前記のように当たり種別が通常4R大当たりの場合には『10,10,10』の大当たり図柄組合せが設定され、また当たり種別が確変4R大当たりの場合には『11,11,11』の大当たり図柄組合せが設定されているため、通常4R大当たり及び確変4R大当たりの場合には、前記大当たり図柄乱数が用いられない。
【0057】
リーチ乱数用カウンタは、前記大当たり判定乱数値による当否判定結果が外れとなる場合において、リーチ状態を経るか否かを決めるリーチ有無決定用のものであり、‘0’〜‘126’の乱数からなる。本実施例におけるリーチ状態は、前記表示装置10で変動後停止表示される左特別図柄、中特別図柄及び右特別図柄のうち、最後に停止表示される特別図柄(例えば中特別図柄)を除いて他の特別図柄(例えば左特別図柄と右特別図柄)が同一となる状態(最終停止図柄を除いて大当たりの特別図柄組み合わせと等しくなる状態であり、最終的に大当たりとなる場合と外れとなる場合が含まれる状態)をいう。このリーチ乱数は、遊技機1の電源投入時、‘0’から始まり、後述の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理ごとに1ずつ加算され、数値が‘126’に至ると、次に‘0’にされて再び前記加算を繰り返すようになっている。リーチ乱数は、前記始動入賞口42への入賞を前記始動入賞口検出スイッチで検出したこと(当否判定条件の成立)に起因して取得され、当否判定結果が外れの場合に、その数値が予め決定されているリーチ成立数値と対比されてリーチ有無が判断される。本実施例ではリーチ成立数値は、‘5’,‘17’,‘28’,‘40’,‘51’,‘63’,‘74’,‘86’,‘97’,‘109’,‘120’に設定されている。なお、本実施例では、前記大当たり判定乱数値による当否判定結果が当たりとなる場合には、必ずリーチになるため、リーチの有無に関してこのリーチ乱数は使用されない。
【0058】
特別図柄データ乱数用カウンタは、前記大当たり判定乱数値による大当たり判定結果が外れとなる場合において、前記表示装置10に停止表示する外れの特別図柄組合せの決定に用いられるものであり、前記表示装置10に停止表示する左特別図柄を決定する特別図柄データ1の乱数用カウンタと、中特別図柄を決定する特別図柄データ2の乱数用カウンタと、右特別図柄を決定する特別図柄データ3の乱数用カウンタとより構成され、各特別図柄データ乱数用カウンタは、‘0’〜‘11’の乱数からなる。
【0059】
前記特別図柄データ1の乱数は、電源投入時に、‘0’から始まって後述の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理ごとに ‘1’ずつ加算され、‘11’に至ると、次に‘0’に書き換えられて再び前記加算が繰り返される。また、前記特別図柄データ2の乱数は、電源投入時に‘0’から始まって、前記特別図柄データ1の乱数が‘0’に書き換えられる際に‘1’ずつ加算され、‘11’に至ると、次に‘0’に書き換えられて再び前記加算が繰り返される。さらに、前記特別図柄データ3の乱数は、電源投入時に‘0’から始まって、前記特別図柄データ2の乱数が‘0’に書き換えられる際に‘1’ずつ加算され、‘11’に至ると、次に‘0’に書き換えられて再び前記加算が繰り返される。これによって、特別図柄データ1〜3の乱数範囲が同一であっても、当該特別図柄データ1〜3の乱数が同期(同一の組合せで加算)するのを避けることができる。
【0060】
前記特別図柄データ1〜3の各乱数は‘0’の場合には『0』、‘1’の場合には『1』、‘2’の場合には『2』というように、当否判定結果の外れ時に前記表示装置10に停止表示される左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄が割り当てられている。前記特別図柄データ1〜3の乱数は、前記上側始動入賞口41又は下側始動入賞口42への入賞に起因して取得され、取得した特別図柄データ1〜3の乱数の組合せによって、外れ時に前記表示装置10に表示される左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄が定まる。
【0061】
変動パターン乱数用カウンタは、前記表示装置10における特別図柄(識別図柄)の変動パターンを変動パターンテーブルから選択する際に用いられるものであり、‘0’〜‘198’の変動パターン乱数を備える。この変動パターン乱数値は、遊技機1の電源投入時に、‘0’から始まり、後述の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理ごとに1ずつ加算され、数値が‘198’に至ると、次に‘0’にされて再び前記加算を繰り返すようになっている。前記変動パターン乱数値は、前記上側始動入賞口41あるいは下側側始動入賞口42への入賞に起因して取得される。
【0062】
前記変動パターンテーブルは複数設けられている。本実施例では、通常4R大当たり変動パターンテーブル、通常16R大当たり変動パターンテーブル、通常リーチハズレ変動パターンテーブル、通常ハズレ変動パターンテーブル、確変4R大当たり変動パターンテーブル、確変16R大当たり変動パターンテーブル、確変リーチハズレ変動パターンテーブル、確変ハズレ変動パターンテーブルからなる8種類の変動パターンテーブルが設けられている。各変動パターンテーブルは、前記表示装置10に表示する特別図柄の変動パターンの複数で構成されており、前記主制御基板200のROMに記憶されている。各変動パターンには、変動時間が設定されており、設定された変動時間に合わせて前記表示装置10に表示する特別図柄の変動・停止が行われるように構成されている。なお、同一の変動パターンテーブルに含まれる複数の変動パターン同士は、変動時間や演出等が互いに異なっている。
【0063】
本実施例では、前記変動パターンに割り当てられる演出の種類として、ステップアップ演出と通常演出(ステップアップしない演出)とがある。ステップアップ演出は、左、中、右特別図柄が変動中に、一時的な停止や仮停止と変動を繰り返しながら、演出内容がステップアップしていく演出である。
前記ステップアップ演出は、通常リーチハズレ変動パターンテーブル、通常当たり変動パターンテーブル、確変リーチハズレ変動パターンテーブル及び確変当たり変動パターンに含まれる複数の変動パターンのうち所定の変動パターンに割り当てられている。例えば、各変動パターンテーブルから変動パターンを選択するための乱数値を設け、特定の乱数値で選択される変動パターンにステップアップ演出を設定しておく。
【0064】
変動パターンの選択は、当否判定結果が当たりか外れか、遊技状態が確変状態か通常状態か、当たり種別が4R大当たりか16R大当たりかに応じて変動パターンテーブルを選択し、次に変動パターン乱数用カウンタから取得した変動パターン乱数値と、選択した変動パターンテーブルの各変動パターンに割り当てられている変動パターン乱数値と対比し、一致する変動パターンを選択することにより行われる。
【0065】
なお、取得された大当たり判定乱数値、当たり種別決定乱数値、大当たり図柄乱数値、リーチ乱数値、特別図柄データ乱数値、変動パターン乱数値については、それぞれ前記始動入賞口42への入賞に対してそれぞれ最大4個、前記主制御基板200のRAMにおける該当領域に前記保留球数と対応させて格納され、順次使用される。
【0066】
普通図柄乱数用カウンタは、普通図柄当たりの判定に用いられるものであり、‘0’〜‘299’の普通図柄乱数を有し、遊技機1の電源投入時に、‘0’から始まって後述の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理ごとに ‘1’ずつ加算され、‘299’に至ると、次に‘0’に書き換えられて再び前記加算が繰り返される。この普通図柄乱数は、前記普通図柄変動開始用ゲート55を通過した遊技球を前記普通図柄変動開始スイッチで検出するごとに取得され、最大4個まで前記主制御基板200のRAMの普通図柄乱数値記憶領域に格納される。前記普通図柄変動開始用ゲート55を遊技球が通過することに起因して取得された普通図柄乱数の値が、低確率状態時には普通図柄当たり成立数値として設定されている‘5’(1/300の確率)と一致すれば普通図柄当たりとなり、一方、確変(高確率)状態時には普通図柄当たり成立数値として設定されている‘0’〜‘59’(1/5)の確率)と一致すれば普通図柄当たりとなる。普通図柄当たりの場合には『○』を普通図柄表示装置50に表示し、前記下側始動入賞口42を前記確変状態中か否かに対応した開放回数及び開放時間開放し、一方、取得した普通図柄乱数値が普通図柄当たり成立数値と一致しない場合には、普通図柄外れとなって『×』を普通図柄表示装置50に表示し、前記下側始動入賞口42を入賞の困難な状態のままとする。
【0067】
前記遊技機1の遊技を簡略に説明する。前記遊技機1では、遊技領域6へ向けて発射装置64により発射された遊技球が、前記種々の入賞口に入賞すると入賞口に応じた所定数の遊技球が賞球として前記払出装置281から上側球受け皿36に払い出される。また、前記普通図柄変動開始用ゲート55を遊技球が通過すると、普通図柄乱数が取得され、その取得乱数値に基づいて普通図柄当たりの判定が行われると共に、前記普通図柄表示装置50で普通図柄が変動を開始し、所定時間変動後に停止する。その際、普通図柄当たりの判定結果が当たりの場合には、当たり普通図柄、この例では『○』で停止し、前記下側始動入賞口42の2つの可動片42a,42bが背面の始動入賞口用ソレノイドによって略垂直で入賞困難な閉状態(通常状態)から略V字形(逆ハの字形)の入賞可能な開状態に変化する。なお、前記確変状態の場合に普通図柄当たりになると、前記下側始動入賞口42について2秒の開放が3回行われ、一方、低確率状態の場合に普通図柄当たりになると、1秒の開放が1回行われる。前記下側始動入賞口42に遊技球が入賞すると、所定数の遊技球が賞球として払い出される。
【0068】
また、前記上側始動入賞口41あるいは下側始動入賞口42に遊技球が入賞すると、特別図柄保留球数が4未満であれば、特別図柄保留球数を1加算して、大当たり判定乱数値、当たり種別決定乱数値、大当たり図柄乱数値、リーチ乱数値、変動パターン乱数値等の乱数値等が取得され、取得された大当たり判定乱数値に基づいて大当たりの当否判定が行われると共に、当否判定結果、当たり種別決定乱数値、リーチ乱数値、及び変動パターン乱数値に基づいて変動パターンテーブルから1つの変動パターンが選択される。そして選択された変動パターンに基づいて前記表示装置10で特別図柄の変動表示が開始されると共に、変動パターンに基づいて選択された演出の種類に基づく演出表示が開始される。
【0069】
また、特別図柄の変動表示中に、前記上側始動入賞口41あるいは下側始動入賞口42に遊技球が入賞(入球)すると、大当たり判定乱数値、当たり種別決定乱数値、大当たり図柄乱数値、リーチ乱数値、特別図柄データ乱数値、変動パターン乱数値等を取得し、特別図柄変動保留球数が4未満であれば、特別図柄変動保留球数を1加算して、取得した乱数値が前記主制御基板200のRAMに、最大4となるまで(保留4まで)記憶される。前記特別図柄保留球数は、本実施例では前記特別図柄の変動開始により前記主制御基板200のRAMから1減算され、変動開始と対応する乱数値が前記主制御基板200のRAMから削除(消去)される。
【0070】
前記特別図柄の変動表示が、前記変動パターンに設定されている変動時間の間、前記表示装置10で行われた後、特別図柄の停止表示が行われる。停止表示された左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄が通常4ラウンド大当たり、通常16ラウンド大当たり、確変4ラウンド大当たり、確変16ラウンド大当たりの図柄組み合わせの場合、当たり種別に応じた大当たり遊技(特別遊技)に移行する。すなわち、通常4ラウンド大当たりまたは確変4ラウンド大当たりの場合には、4ラウンド大当たり遊技(特別遊技)が行われ、通常16ラウンド大当たりまたは確変16ラウンド大当たりの場合には16ラウンド大当たり遊技(特別遊技)が行われる。
【0071】
また、本実施例では、前記ランプ装置35が、特別図柄の変動表示中と特別遊技(大当たり遊技)中の一方又は両方の演出において、予め設定されている遊技者の期待度(期待の程度、期待感の程度)に応じた発光態様で発光する。遊技者の期待度は、大当たりに対する期待と、特別遊技(大当たり遊技)中に遊技者が獲得可能な特典の大きさ(賞品球の量)に対する期待であり、少なくとも低期待と、該低期待よりも期待度の高い高期待とがある。なお、特別遊技(大当たり遊技)中に遊技者が獲得可能な特典の大きさ(賞品球の量)は、4ラウンド特別遊技(大当たり遊技)と16ラウンド特別遊技(大当たり遊技)との比較では、4ラウンド特別遊技(大当たり遊技)<16ラウンド特別遊技(大当たり遊技)となる。
【0072】
低期待の演出か高期待の演出かは、遊技機メーカーによって遊技者の期待を予想して予め設定されている。例えば、低期待の演出として、特別図柄の変動時においてキャラクタの対決を行う通常演出における対決時、または3段階のステップアップ演出におけるステップアップ1段目と2段目、あるいは大当たりの種類として特別遊技(大当たり遊技)を4ラウンド実行する4ラウンド大当たりと、16ラウンド実行する16ラウンド大当たり遊技の2種類設け、4ラウンド大当たりの可能性あるいは16ラウンド大当たりの可能性がある場合、あるいは4ラウンド特別遊技(4ラウンド大当たり遊技)実行中等を挙げる。一方、高期待の演出として、例えば、特別図柄の変動中に再抽選で特別図柄が「777」で停止する場面、あるいは、4ラウンド大当たりと16ラウンド大当たり遊技の2種類設けた場合に16ラウンド大当たりが確定した場面、あるいは特別遊技(大当たり遊技)において、最初は4ラウンド大当たりの演出を行い、途中で16ラウンド大当たりの演出に変化する際等を挙げる。
【0073】
発光態様には、発光色、点滅発光、常時発光、発光間隔、それらの組合せ等がある。また、演出に応じた発光態様として、本実施例では低期待演出には第1発光態様または第2発光態様が設定され、高期待演出には第3発光態様が設定されている。第3発光態様は第1発光態様の少なくとも一部と第2発光態様の少なくとも一部を含む発光態様で構成されている。本実施例における第1発光態様は、前記ランプ装置35が白色LEDのみ点灯する、白色発光態様であり、第2発光態様は、前記ランプ装置35が赤色LEDのみ点灯する、赤色発光態様であり、第3発光態様は、白色LEDと赤色LEDが点滅する、赤色・白色点滅発光態様である。
【0074】
低期待及び高期待に対する発光態様の具体的な例を以下に示す。
第1例(野球対決演出):特別図柄の変動中の演出における対決時に前記ランプ装置35が第1発光態様(白色)で発光し、ボール判定時に前記ランプ装置35が第2発光態様(赤色)で発光し、「777」の大当たり時に第3発光態様(赤色と白色の点滅)で発光する。遊技者の大当たりに対する期待度は、「白色発光(第1発光態様)又は赤色発光(第2発光態様)」<「赤色・白色点滅(第3発光態様)」となる。
【0075】
第2例(ステップアップ演出):特別遊技の変動中の演出においてステップ1では第1発光態様(白色)で発光し、ステップ2では第2発光態様(赤色)で発光し、ステップ3では第3発光態様(赤入りと白色の点滅)で発光する。遊技者の大当たりに対する期待度は、「白色発光(第1発光態様)又は赤色発光(第2発光態様」<「赤色・白色点滅(第3発光態様)」となる。
【0076】
第3例(変動パターンの演出1):4ラウンド大当たりと16ラウンド大当たりを設け、複数の変動パターンから当否判定結果及び当たり種別に基づいて選択する変動パタ−ンには、当否判定結果及び当たり種別によって異なる選択率を設定し、4ラウンド大当たりのときに他の16ラウンド大当たりやハズレのときよりも選択率が高く設定されている変動パターンが選択された場合、あるいは、16ラウンド大当たりのときに他の4ラウンド大当たりやハズレのときよりも選択率が高く設定されている変動パターンが選択された場合、変動開始時(4R大当たり又は16R大当たりの可能性がある際)に第1発光態様(白色)で発光し、4ラウンド大当たりが確定する際には第1発光態様(白色)または第2発光態様(赤色)で発光し、一方、16ラウンド大当たりが確定する際には第3発光態様(赤色と白色で点滅)で発光する。遊技者の大当たりに対する期待度と獲得する賞品球の量に対する期待度は、「白色発光(第1発光態様)又は赤色発光(第2発光態様)」<「赤色・白色点滅(第3発光態様)」となる。
【0077】
第4例(変動パターンの演出2):大当たりとして16ラウンド通常大当たりと16ラウンド確変大当たりを設け、16ラウンド通常大当たりあるいは16ラウンド確変大当たりのときに他の場合よりも選択率が高く設定されている変動パターンが選択された場合、変動開始時(16ラウンド通常大当たり又は16ラウンド確変大当たりの可能性がある際)に第1発光態様(白色)または第2発光態様(赤色)で発光し、16ラウンド確変大当たりが確定する際には第3発光態様(赤色と白色の点滅)で発光する。遊技者の大当たりに対する期待度と獲得する賞品球の量に対する期待度は、「白色発光(第1発光態様)又は赤色発光(第2発光態様)」<「赤色・白色点滅(第3発光態様)」となる。
【0078】
なお、第3例及び第4例において、第1発光態様または第2発光態様の発光は、変動開始時以外に行ってもよい。また、第1発光態様または第2発光態様の何れかが大当たり確定時のみに発光し、ハズレでは発光しないようにしてもよい。また、大当たりや獲得する賞品球に対する期待度が高い時に赤色発光(第2発光態様)とし、この赤色発光と期待度の低い白色発光を組み合わせた赤色・白色点滅(第3発光態様)で大当たり確定時に発光させることで、効果的に遊技者の大当たりや獲得する賞品球に対する期待度を高めることができる。また、4ラウンドまたは16ラウンド確定時に白色発光(第1発光態様)とし、16ラウンド確定時には期待度の低い白色発光と期待度の高い赤色発光を組み合わせた赤色・白色点滅(第3発光態様)で発光させることで、効果的に遊技者の獲得する賞品球に対する期待度を高めることができる。
【0079】
第5例(大当たり中の演出):大当たり遊技(特別遊技)として4ラウンド大当たり遊技(4ラウンド特別遊技)と16ラウンド大当たり遊技(16ラウンド特別遊技)とを設け、実際には16ラウンド大当たり遊技であるが最初は4ラウンド大当たりの演出を行い、その際に第1発光態様(白色)または第2発光態様(赤色)で発光し、途中で16ラウンド大当たりの演出に変化する際に第3発光態様(赤色と白色の点滅)で発光する。遊技者の獲得する賞品球に対する期待度は、「白色発光(第1発光態様)又は赤色発光(第2発光態様)」<「赤色・白色点滅(第3発光態様)」となる。
また、前記の各例において、遊技機の複数箇所にランプ装置を設け、そのうちの一箇所のランプ装置(例えば本実施例における天位置のランプ装置35)のみについて、前記期待度に応じた発光態様で発光させるように構成してもよい。そのように構成すれば、遊技者は期待度に応じた発光態様で発光するランプ装置を注目するようになり、遊技に対する期待感をより高めることが可能になる。
【0080】
また、低期待と高期待の間の期待度として中期待を設定し、低期待の遊技状態には第1発光態様を設定し、中期待の遊技状態には第2発光態様を設定し、高期待の遊技状態には第3発光態様を設定してもよい。例えば、ステップアップ演出におけるステップ1では第1発光態様(白色)で発光し、ステップ2では第2発光態様(赤色)で発光し、ステップ3では第3発光態様(赤入りと白色の点滅)で発光する。遊技者の期待度は、「白色発光(第1発光態様)」<「赤色発光(第2発光態様)」<「赤色・白色点滅(第3発光態様)]となる。
【0081】
また、各発光態様に前記スピーカ38による音の発生を組み合わせてもよい。前記スピーカ38が発する互いに異なる複数の音態様として、少なくとも第1音態様、第2音態様、第3音態様を設け、前記第1発光態様には第1音態様を設定し、前記第2発光態様には第2音態様を設定し、前記第3発光態様には第3音態様を設定し、前記ランプ装置35による発光と共に発光態様に設定されている音態様で前記スピーカ38が音を発するようにしてもよい。前記音態様の具体例としては、楽器の違い、音の高低、断続音、連続音、旋律、音の種類(動物、風の音、波の音、自然界の音)等がある。また、第3音態様は第1音態様の少なくとも一部と第2音態様の少なくとも一部を含む音態様としてもよい。例えば、第1音態様は笛の音、第2音態様は太鼓の音、第3態様は笛の音と太鼓の音の交互発生とする等である。
【0082】
前記遊技状態に設定されている期待度に応じた発光と音の発生を行う具体例について示す。
例えば、前記野球対決演出において、対決時に前記ランプ装置35が第1発光態様で発光すると共に前記スピーカ38が第1音態様で音を発し、また、ボール判定時に前記ランプ装置35が第2発光態様で発光すると共に前記スピーカ38が第2音態様で音を発し、さらに、「777」の大当たり時に第3発光態様で発光すると共に前記スピーカ38が第3発光態様で音を発する。
また、前記ステップアップ演出において、ステップ1では第1発光態様で発光すると共に第1音態様で音を発し、ステップ2では第2発光態様で発光すると共に第2音態様で音を発し、ステップ3では第3発光態様で発光すると共に前記スピーカ38が第3発光態様で音を発する。
また、大当たり中の演出において、低期待演出時に第1発光態様で発光すると共に第1音態様で音を発し、別の低期待演出時に第2発光態様で発光すると共に第2音態様で音を発し、高期待演出時に第3発光態様で発光すると共に第3音態様で音を発する。
【0083】
前記特別図柄の変動において当否判定結果が外れの場合には、前記表示装置10に左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄が外れ図柄組合せ(ぞろ目以外の状態)で停止し、特別遊技(大当たり遊技)に移行することがない。そして、前記主制御基板200のRAMに記憶されている特別図柄保留球数が1以上であれば、再び前記と同様に大当たり判定乱数値等が取得され、取得された大当たり判定乱数値に基づいて大当たりの当否判定が行われると共に、選択された変動パターンに基づいて前記表示装置10で特別図柄の変動表示が行われ、それと共に演出パターンに基づく演出が表示される。
【0084】
一方、当否判定結果が大当たりの場合には、停止表示された左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄が通常4ラウンド大当たり、通常16ラウンド大当たり、確変4ラウンド大当たり、確変16ラウンド大当たりの図柄組み合わせの場合、当たり種別に応じた大当たり遊技(特別遊技)に移行する。すなわち、通常4ラウンド大当たりまたは確変4ラウンド大当たりの場合には、4ラウンド大当たり遊技(特別遊技)が行われ、通常16ラウンド大当たりまたは確変16ラウンド大当たりの場合には16ラウンド)大当たり遊技(特別遊技)が行われる。
【0085】
前記大当たり遊技(特別遊技)状態になると、前記大入賞口45の開閉板46が開いて遊技領域6の表面を落下してくる遊技球を受け止め易くして、大入賞口45へ入賞可能にする。前記大入賞口45への入賞が検出されると、1入賞球の検出に対して設定されている払出個数(遊技球数)の賞球が払い出される。前記開閉板46は、入賞数(入賞球数)が、ラウンド毎に設定されている大入賞口45に対する設定数となった時点で、あるいは入賞数が設定数に至る前でも所定時間経過後に閉じるようにされている。また、前記大入賞口45は、前記開閉板46の開放を当たり種別に応じたラウンド数(回数)繰り返すようになっている。具体的には、通常4ラウンド大当たりまたは確変4ラウンド大当たりの場合には4ラウンド繰り返し、また通常16ラウンド大当たりまたは確変16ラウンド大当たりの場合には16ラウンド繰り返すようになっている。
【0086】
前記大当たり遊技中においては、大当たり中演出(ラウンド中演出)が実行され、大当たり中演出に設定されている期待度に応じて、第1発光態様、第2発光態様、第3発光態様で前記ランプ装置35が発光する。
【0087】
また、本実施例では、通常4ラウンド大当たりまたは通常16ラウンド大当たりの場合、大当たり遊技(特別遊技)の終了後、次に大当たりになるまで、大当たりの確率が低確率(本実施例では(2/630(1/315))とされる。一方、確変4ラウンド大当たりまたは確変16ラウンド大当たりの場合、大当たり遊技(特別遊技)の終了後、次に大当たりになるまで、大当たりの確率が高確率(本実施例では(12/630(6/315))に設定され、さらに、普通図柄当たりの場合における前記下側始動入賞口42の開放(拡開)時間が、低確率(通常)状態の1秒から2秒に長くなり、かつ前記下側始動入賞口42の開放(拡開)回数が低確率(通常)状態の1回から3回に増え、さらに、普通図柄当たりの確率が低確率(通常)状態の1/300から1/5に増加する。
大当たり遊技終了後、特別図柄変動保留球数が1以上の場合には、次の保留について特別図柄の変動表示が開始される。
【0088】
以下に遊技機1における制御処理を説明する。前記主制御基板200の制御回路に設けられる主なフラグとして、本実施例では大当たりフラグ、大当たり終了フラグ、確変フラグ等が挙げられる。これらのフラグは、初期設定時には全てOFF(=0)にされる。
まず、前記主制御基板200による制御処理について説明する。なお、以下の制御例では、特別図柄の変動表示中のステップアップ演出に前記第1〜第3発光態様が設定され、また、大当たりの種類として4ラウンド大当たりと16ラウンドの2種類設け、大当たり中の演出における期待度に応じた発光態様が設定されている例について示す。
前記主制御基板200の制御により、
図4のフローチャートに示すメイン処理Mが行われる。メイン処理Mでは、CPU等の初期設定処理(S10)、割り込み禁止処理(S20)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S30)、割り込み許可処理(S40)が行われ、最終処理においてループ処理が行われている間に4ms毎に割り込み処理(S100)が実行される。
【0089】
CPU等の初期設定処理(S10)では、スタックの設定、割り込み時間の設定、CPUの設定、SIO、PIO、CTCの設定等が行われる。メイン処理Mは繰り返し行われるが、CPU等の初期設定処理(S10)については、電源投入時のみに必要な初期制御手順であり、最初の1巡目のみに実行され、その後は実行されないが、周知であるので詳細は省略する。
【0090】
割り込み禁止処理(S20)では、4msecごとに割り込み処理(S100)が入ってきても、割り込み許可となるまで、割り込みを禁止する。普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S30)では、種々の乱数が普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S30)ごとに加算され、前記のように各乱数の更新範囲上限値に至ると次に最低値に戻って再び加算が行われる。更新された乱数は前記主制御基板200のRAMに記憶される。割り込み許可処理(S40)では、4msecごとに入ってくる割り込み処理(S100)に対して許可をする。
【0091】
割り込み処理(S100)では、
図5に示すように、出力処理(S101)、入力処理(S102)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)、始動入賞口検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、特別動作処理(S106)、保留球数処理(S107)、電源断監視処理(S108)、その他の処理(S109)が順に行われる。
【0092】
出力処理(S101)では、各処理で設定された出力用のコマンド(指令信号)が各制御基板に送信される。
入力処理(S102)では、遊技機1に取り付けられている各種センサ(スイッチ)が検知した場合の信号入力が行われる。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)では、前記メイン処理Mにおけるループ処理内で行われている普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S30)と同様の処理が行われる。
【0093】
始動入賞口検出処理(S104)では、
図6に示すように、前記上側始動入賞口41あるいは下側始動入賞口42への入賞が検出されたか判断され(S104−1)、入賞が検出されていない場合には前記普通図柄変動開始用ゲート55への遊技球通過が検出されたか判断される(S104−2)。前記普通図柄変動開始用ゲート55への遊技球通過が検出されていない場合には、この始動入賞口検出処理(S104)が終了する。一方、前記普通図柄変動開始用ゲート55への遊技球通過が検出された場合には、前記普通図柄保留球数が4以上か判断され(S104−3)、4以上の場合にはこの始動入賞口検出処理(S104)が終了する。一方、前記普通図柄保留球数が4未満であれば普通図柄保留球数に1加算され(S104−4)、普通図柄乱数値が取得され、取得した普通図柄乱数値が主制御基板200のRAMにおける対応する領域に記憶する普通図柄乱数取得処理が行われ(S104−5)、この始動入賞口検出処理(S104)が終了する。
【0094】
前記S104−1で前記上側始動入賞口41あるいは下側始動入賞口42への入賞が検出されたと判断されると、前記特別図柄保留球数が4以上か判断され(S104−6)、4以上の場合にはこの始動入賞口検出処理(S104)が終了する。一方、前記特別図柄保留球数が4未満であれば、特別図柄保留球数に1加算され(S104−7)、大当たり判定乱数値、当たり種別決定乱数値、大当たり図柄乱数値、リーチ乱数値、特別図柄データ乱数値、変動パターン乱数値等の特別図柄関係乱数を取得して主制御基板200のRAMの対応する領域に記憶する特別図柄関係乱数取得処理が行われ(S104−8)、この始動入賞口検出処理(S104)が終了する。
【0095】
普通動作処理(S105)では、
図7に示すように、まず前記下側始動入賞口42が開放中か確認される(S105−1)。前記下側始動入賞口42が閉鎖中であれば、普通図柄保留球数が0か確認され(S105−2)、0であればこの普通動作処理(S105)が終了する。一方、普通図柄保留球数が0では無い場合には、前記始動入賞口検出処理(S104)の普通図柄乱数取得処理(S104−5)で取得されて主制御基板200のRAMに記憶されている取得普通図柄乱数値が読み出され(S105−3)、現在確変中(確変フラグがON)か確認される(S105−4)。確変中ではない場合、前記取得普通図柄乱数値が低確率状態の普通図柄当たり成立数値と対比されて両者が一致するか確認され、一致する場合には低確率状態での普通図柄当たりとなり、一致しない場合には外れと判断される(S105−5)。外れの場合には、この普通動作処理(S105)が終了し、一方、普通図柄当たりの場合には、下側始動入賞口42を開放時間1秒、開放回数1回で開放する始動入賞口開放処理1が行われ(S105−6)、その後にこの普通動作処理(S105)が終了する。それに対して、S105−4で確変中と判断されると、前記取得普通図柄乱数値が高確率状態の普通図柄たり成立数値と対比されて両者が一致するか確認され、一致する場合には高確率状態での普通図柄当たりとなり、一致しない場合には外れと判断される(S105−7)。外れの場合には、この普通動作処理(S105)が終了し、一方、普通図柄当たりの場合には、下側始動入賞口42を開放時間2秒、開放回数3回で開放する始動入賞口開放処理2が行われ(S105−8)、その後にこの普通動作処理(S105)が終了する。
【0096】
また、S105−1で下側始動入賞口42が開放中と判断されると、下側始動入賞口42の開放時間が経過(終了)したか確認され(S105−9)、始動入賞口開放時間が経過していない場合には、この普通動作処理(S105)が終了し、一方、始動入賞口開放時間が経過した場合には、下側始動入賞口42を閉鎖する処理が行われ(S105−10)、その後にこの普通動作処理(S105)が終了する。
【0097】
特別動作処理(S106)では、
図8に示すように、特別動作ステータスが1〜4の何れであるか判断される(S106−1〜S106−3)。前記特別動作ステータスが1の場合には特別図柄待機処理(S106−4)が行われ、前記特別動作ステータスが2の場合には変動中処理(S106−5)が行われ、前記特別動作ステータスが3の場合には特別図柄確定処理(S106−6)が行われ、前記特別動作ステータスが4の場合には特別電動役物処理(S106−7)が行われる。
【0098】
特別動作ステータスが1の場合に行われる特別図柄待機処理(S106−4)では、
図9に示すように、特別図柄保留球数が0か否か判断され(S106−4−1)、特別図柄保留球数が0の場合には前記表示装置10が特別図柄の変動中ではない待機画面(待ち受け画面)中か否か判断され(S106−4−9)、待機画面(待ち受け画面)中であれば、この特別図柄待機処理(S106−4)が終了する。一方、待機画面(待ち受け画面)中ではない場合には前記表示装置10を待機画面(待ち受け画面)にするための待機画面設定処理が行われ(S106−4−10)、次に待機中にセットされ(S106−4−11)、その後にこの特別図柄待機処理(S106−4)が終了する。なお、待機画面にする設定処理は、この設定処理がなされてから所定時間の間、前記上側始動入賞口41あるいは下側始動入賞口42に遊技球が入賞しない場合に、待ち受け画面をセットするコマンドが出力されるようにする処理である。
それに対して前記S106−4−1で特別図柄保留球数が0ではないと判断された場合には、特別図柄大当たり判定処理(S106−4−2)が行われる。
【0099】
特別図柄大当たり判定処理(S106−4−2)では、
図10に示すように、まず、前記始動入賞口検出処理(S104)の特別図柄関係乱数取得処理(S104−8)で取得されて主制御基板200のRAMに記憶されている大当たり判定乱数値が読み出され(S106−4−2−1)、次に現在確変中(高確率状態)か確認される(S106−4−2−2)。確変中か否かは、確変フラグがONの場合に確変中と判断され、一方確変フラグがOFFの場合に確変中ではない低確率状態と判断される。確変中ではない低確率状態の場合、前記取得大当たり判定乱数値が低確率状態時の大当たり成立数値と対比されて両者が一致するか確認され、一致する場合には低確率状態での大当たりとなり、一致しない場合には外れと判断される(S106−4−2−3)。外れの場合には、この特別図柄大当たり判定処理(S106−4−2)が終了し、一方、大当たりの場合には、大当たりフラグがONにセットされ(S106−4−2−5)、その後にこの特別図柄大当たり判定処理(S106−4−2)が終了する。それに対して、S106−4−2−2で確変中(高確率状態)と判断されると、前記取得大当たり判定乱数値が高確率状態時の大当たり成立数値と対比されて両者が一致するか確認され、一致する場合には高確率状態での大当たりとなり、一致しない場合には外れと判断される(S106−4−2−4)。外れの場合には、この特別図柄大当たり判定処理(S106−4−2)が終了し、一方、大当たりの場合には、大当たりフラグがONにセットされ(S106−4−2−5)、その後にこの特別図柄大当たり判定処理(S106−4−2)が終了する。この特別図柄大当たり判定処理(S106−4−2)は、当否判定手段に相当する。
【0100】
前記特別図柄大当たり判定処理(S106−4−2)の次に特別図柄選択処理(S106−4−3)が行われる。
【0101】
特別図柄選択処理(S106−4−3)では、前記表示装置10で停止表示する特別図柄が選択される。特別図柄選択処理(S106−4−3)においては、
図11及び
図12に示すように、まず、大当たりフラグがONか判断され(S106−4−3−1)、大当たりフラグがON、すなわち大当たりであれば、次に前記当たり種別が確変か判断される(S106−4−3−2)。確変の場合には、確変4R大当たりか確変16R大当たりか判断され(S106−4−3−3)、確変4R大当たりの場合には確変4R大当たり図柄がセットされ(S106−4−3−4、確変16R大当たりの場合には確変16R大当たり図柄がセットされる(S106−4−3−5)。一方、S106−4−3−2で前記当たり種別が確変ではないと判断されると、通常4R大当たりか通常16R大当たりか判断され(S106−4−3−6)、通常4R大当たりの場合には通常4R大当たり図柄がセットされ(S106−4−3−7、通常16R大当たりの場合には通常16R大当たり図柄がセットされる(S106−4−3−8)。
【0102】
一方、大当たりフラグがONではない、すなわち外れの場合には、特別図柄データ乱数値が取得され(S106−4−3−9)、前記特別図柄データ1と特別図柄データ2と特別図柄データ3の乱数値が全て一致しているか判断され(S106−4−3−10)、一致している場合にはリーチ乱数値がリーチ成立数値と一致しているか判断される(S106−4−3−11)。リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致している場合にはリーチ有りとなり、前記特別図柄データ1の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止左特別図柄、特別図柄データ2の乱数値に1加算した乱数値に割り当てられている特別図柄が停止中特別図柄、特別図柄データ3の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止右特別図柄にセットされる(S106−4−3−12)。一方、リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致していない場合にはリーチ無しとなり、前記特別図柄データ1の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止左特別図柄、特別図柄データ2の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止中特別図柄、特別図柄データ3の乱数値に1加算した乱数値に割り当てられている特別図柄が停止右特別図柄にセットされる(S106−4−3−13)。
【0103】
前記S106−4−3−10で特別図柄データ1と2と3の乱数値が一致していないと判断された場合には、特別図柄データ1と3の乱数値が一致しているか判断される(S106−4−3−14)。特別図柄データ1と3の乱数値が一致している場合には、リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致しているか判断される(S106−4−3−15)。リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致している場合にはリーチ有りとなり、前記特別図柄データ1の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止左特別図柄、特別図柄データ2の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止中特別図柄、特別図柄データ3の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止右特別図柄にセットされる(S106−4−3−16)。一方、リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致していない場合にはリーチ無しとなり、前記特別図柄データ1の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止左特別図柄、特別図柄データ2の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止中特別図柄、特別図柄データ3の乱数値に1加算した乱数値に割り当てられている特別図柄が停止右特別図柄にセットされる(S106−4−3−13)。
【0104】
前記S106−4−3−14で特別図柄データ1と3の乱数値が一致していない、すなわち特別図柄データ1,2,3が全て異なると判断された場合には、リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致しているか判断される(S106−4−3−17)。リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致している場合にはリーチ有りとなり、前記特別図柄データ3の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止左特別図柄と停止右特別図柄にセットされると共に、特別図柄データ3の乱数値に1加算した乱数値に割り当てられている特別図柄が停止中特別図柄にセットされる(S106−4−3−18)。一方、リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致していない場合にはリーチ無しとなり、前記特別図柄データ1の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止左特別図柄、特別図柄データ2の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止中特別図柄、特別図柄データ3の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止右特別図柄にセットされる(S106−4−3−16)。
【0105】
前記特別図柄選択処理(S106−4−3)の次に特別図柄変動パターン選択処理(S106−4−4)が行われる。
特別図柄変動パターン選択処理(S106−4−4)では、
図13及び
図14に示すように、まず大当たりフラグがON(大当たり)か否か判断される(S106−4−4−1)。大当たりフラグがONの場合には、確変か否かが判断され(S106−4−4−2)、確変の場合には確変4R大当たりか否か判断される(S106−4−4−3)。確変か確変4R大当たりかの判断は、前記当たり種別決定乱数値によって判断される。確変4R大当たりの場合には、確変4R大当たり変動パターンテーブルから、前記変動パターン乱数値に基づいて変動パターンが選択される(S106−4−4−4)。一方、S106−4−4−3で確変4R大当たりではないと判断されると、確変16R大当たり変動パターンテーブルから、前記変動パターン乱数値に基づいて変動パターンが選択される(S106−4−4−5)。また、S106−4−4−2において確変ではないと判断されると、通常4R大当たりか否か判断される(S106−4−4−6)。通常4R大当たりか否かの判断は、前記当たり種別決定乱数値によって判断される。通常4R大当たりの場合には、通常4R大当たり変動パターンテーブルから、前記変動パターン乱数値に基づいて変動パターンが選択される(S106−4−4−7)。一方、S106−4−4−6で通常4R大当たりではないと判断されると、通常16R大当たり変動パターンテーブルから、前記変動パターン乱数値に基づいて変動パターンが選択される(S106−4−4−8)。
【0106】
また、S106−4−4−1において、大当たりフラグがOFF(大当たりではない)と判断された場合には、確変フラグによって確変か否か判断され(S106−4−4−9)、確変の場合にはリーチ乱数値がリーチ成立数値と一致する(リーチ)か否か判断される(S106−4−4−10)。リーチの場合には、確変リーチハズレ変動パターンテーブルから前記変動パターン乱数値に基づいて変動パターンが選択される(S106−4−4−11)。一方、S106−4−4−10でリーチではないと判断されると、確変ハズレ変動パターンテーブルから前記変動パターン乱数値に基づいて変動パターンが選択される(S106−4−4−12)。また、S106−4−4−9で確変ではないと判断されると、リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致する(リーチ)か否か判断される(S106−4−4−13)。リーチの場合には、通常リーチハズレ変動パターンテーブルから前記変動パターン乱数値に基づいて変動パターンが選択される(S106−4−4−14)。一方、S106−4−4−13でリーチではないと判断されると、通常ハズレ変動パターンテーブルから前記変動パターン乱数値に基づいて変動パターンが選択される(S106−4−4−15)。
【0107】
選択された変動パターンは、前記サブ制御基板205へ出力される変動コマンド(変動態様選択信号)としてセットされ(S106−4−4−16)、その他の必要な処理(S106−4−4−17)が行われ、その後にこの特別図柄変動パターン選択処理(S106−4−4)が終了する。前記特別図柄変動パターン選択処理(S106−4−4)の次に特別図柄乱数シフト処理(S106−4−5)が行われる。
【0108】
前記特別図柄変動パターン選択処理(S106−4−4)の次に特別図柄乱数シフト処理(S106−4−5)が行われる。
特別図柄乱数シフト処理(S106−4−5)では、前記RAMの特別図柄保留球数のデータ記憶領域において、ロード(読み出し)順位一位のアドレスの記憶領域に記憶されていた特別図柄保留球数のデータが、先の処理によりロードされて空席となることに起因して、ロード順位が二位以降のアドレスに記憶されている特別図柄保留球数のデータについて、ロード順位を一つずつ繰り上げるアドレスのシフトが行われる。具体的には、
図15に示すように、まず、前記主制御基板200のRAMに記憶されている前記特別図柄保留球数から1減算(例えば保留球数2のものは1にされ、3のものは2にされる等)され(S106−4−5−1)、次に各保留球数に対応するデータが各保留球数から1減算した保留球数のRAMアドレスにシフトされ(S106−4−5−2)、続いて最上位(ロード順位が最後、本実施例では4個目)の特別図柄保留球数に対応するRAMアドレスに0がセットされる(S106−4−5−3)。
【0109】
前記特別図柄乱数シフト処理(S106−4−5)に次いで、特別図柄変動開始処理(S106−4−6)が行われる。特別図柄変動開始処理(S106−4−6)では、特別図柄の変動開始に必要な処理が行われる。
前記特別図柄変動開始処理(S106−4−6)の次に、特別動作ステータスが2に設定され(S106−4−7)、待機中が解除され(S106−4−8)、前記特別図柄待機処理(S106−4)が終了する。
【0110】
前記特別動作ステータスが2の場合に行われる変動中処理(S106−5)では
図16に示すように、まず特別図柄の変動時間(変動パターンの変動時間)が終了したか否か判断され(S106−5−1)、変動時間が終了していなければこの変動中処理(S106−5)が終了する。一方、変動時間が終了していれば変動停止コマンドがセットされる(S106−5−2)。続いて特別動作ステータスが3にセットされ(S106−5−3)、その他必要な処理(S106−5−4)が行われた後に、この変動中処理(S106−5)が終了する。
【0111】
前記特別動作ステータスが3の場合に行われる特別図柄確定処理(S106−6)では
図17に示すように、まず大当たりフラグがONか否か、すなわち大当たりか否か判断される(S106−6−1)。大当たりフラグがON、すなわち大当たりの場合には、当たり種別が4R(通常4R大当たりまたは確変4R大当たり)か否か判断される(S106−6−2)。当たり種別が4Rの場合には4R大当たりラウンドカウンタがセットされ(S106−6−3)、一方、当たり種別が4Rではない場合(16Rの場合)には、16R大当たりラウンドカウンタがセットされ(S106−6−4)、特別動作ステータスが4にセットされた(S106−6−5)後、この特別図柄確定処理(S106−6)が終了する。一方、大当たりフラグがOFF、すなわち外れの場合には、特別動作ステータスが1にセットされた(S106−6−6)後、この特別図柄確定処理(S106−6)が終了する。
【0112】
前記特別動作ステータスが3の場合に行われる特別図柄確定処理(S106−6)では
図17に示すように、まず大当たりフラグがONか否か、すなわち大当たりか否か判断される(S106−6−1)。大当たりフラグがON、すなわち大当たりの場合には、大当たりコマンドが出力バッファに格納され(S106−6−2)、特別動作ステータスが4にセットされた(S106−6−3)後、この特別図柄確定処理(S106−6)が終了する。一方、大当たりフラグがOFF、すなわち外れの場合には、特別動作ステータスが1にセットされ(S106−6−4)、この特別図柄確定処理(S106−6)が終了する。
【0113】
前記特別動作ステータスが4の場合に行われる特別電動役物処理(S106−7)は、特別遊技実行手段(大当たり遊技実行手段)に相当する。特別電動役物処理(S106−7)では、
図18及び
図19に示すように、確変フラグがOFFにされ(S106−7−1)、前記表示装置10で大当たりオープニングが実施されたか確認される(S106−7−2)。大当たりオープニングが実施されていない場合には、大当たりオープニングを実施させるための大当たりオープニングコマンドがセットされ(S106−7−3)、その後に大当たり終了フラグがON(大当たり遊技終了)か否か判断される(S106−7−4)。一方、大当たりオープニングが実施済みの場合には、次に大当たり終了フラグがON(大当たり遊技終了)か否か判断される(S106−7−4)。
【0114】
大当たり終了フラグがONではない、すなわち大当たり遊技終了ではない場合には現在大入賞口45が開放中か否か判断され(S106−7−5)、開放中ではなく閉鎖中の場合には大入賞口45の開放時間か否か判断される(S106−7−6)。大入賞口45の開放時間の場合には大入賞口の開放処理(ラウンド中の表示のための大当たりラウンドコマンドの設定等)が行われ(S106−7−7)、その後にこの特別電動役物処理(S106−7)が終了する。それに対して大入賞口45の開放時間となっていないときには、この特別電動役物処理(S106−7)が終了する。
【0115】
一方、前記S106−7−5で大入賞口45が開放中と判断されると、大入賞口45に設定数の10個遊技球が入賞(S106−7−8)、若しくはラウンド終了時間(本実施例では30秒)経過(S106−7−9)の何れかであるか否か判断され、何れでもない場合にはそのままこの特別電動役物処理(S106−7)が終了し、それに対して大入賞口45に10個遊技球が入賞、若しくはラウンド終了時間経過の何れかである場合には、大入賞口閉鎖処理(S106−7−10)とラウンドカウンタの値から1減算する処理(S106−7−11)が行われる。なお、前記大入賞口閉鎖処理(S106−7−10)では、大入賞口閉鎖のコマンドが出力バッファにセットされる。続いて、ラウンドカウンタが0か否か判断され(S106−7−12)、ラウンドカウンタが0ではない場合には、そのままこの特別電動役物処理(S106−7)が終了し、それに対してラウンドカウンタが0の場合には、大当たり終了処理(S106−7−13)が行われる。大当たり終了処理では、エンディングの準備が行われ、大当たりエンディングコマンドがセットされる。その後、大当たり終了フラグがONにされ(S106−7−14)、この特別電動役物処理(S106−7)が終了する。
【0116】
それに対し、前記S106−7−4で大当たり終了フラグがON、すなわち大当たり終了と判断されると、大当たり終了フラグをOFFにセットする処理(S106−7−15)と、大当たりフラグをOFFにする処理(S106−7−16)が行われ、次に当たり種別が確変であるか確認され(S106−7−17)、確変である場合には確変フラグがONにされ(S106−7−18)、一方、確変ではない場合には確変フラグがOFFにされ(S106−7−19)、その後に特別動作ステータスが1にセットされ(S106−7−20)、この特別電動役物処理(S106−7)が終了する。
【0117】
前記特別動作処理(S106)の次に保留球数処理(S107)が行われる。保留球数処理(S107)では、
図20に示すように現在の保留球数がロードされ(S107−1)、保留球数が出力バッファにセットされる(S107−2)
【0118】
前記保留球数処理(S107)の次に電源断監視処理(S108)が行われる。電源断監視処理(S108)では、
図21に示すように、電源断信号が入力したか判断され(S108−1)、電源断信号が入力していない場合にはこの電源断監視処理(S108)が終了する。一方、電源断信号が入力している場合には、現在のデータ(遊技状態)が前記主制御基板200のRAMに記憶され(S108−2)、その後電源断フラグがONに設定され(S108−3)、この電源断監視処理(S108)が終了する。なお、前記主制御基板200のRAMに記憶されるデータ(遊技状態)としては、大きく分けて、表示待機中、図柄変動中、図柄確定表示中、大当たり遊技中のデータがあり、さらにそれぞれ確変状態(高確率状態)と通常状態(低確率状態)のデータがある。
【0119】
前記電源断監視処理(S108)の次にその他の処理(S109)が行われる。その他の処理(S109)では、遊技制御に必要なその他の処理が行われる。
【0120】
前記サブ制御基板(サブ制御装置)205が行う処理について説明する。
前記サブ制御基板205が行うサブ制御メイン処理Jでは、
図22に示すように、遊技機1の電源投入時にサブ制御基板205においてCPU初期化処理が行われる(S201)。CPU初期化処理では、外部INT割り込み(受信割り込み)処理(S300)、2msタイマ割り込み処理(S400)、10msタイマ割り込み処理(S500)に対する設定等が行われる。次に、電源断信号がONでRAMの内容が正常か判断される(S202)。電源断信号がONでなかったり、電源断信号がONでRAMの内容が正常でない場合など電源断信号の状態とRAMの内容正常の両方を満たさない場合は、RAMの初期化が行われ(S203)、その後にウオッチドッグタイマカウンタ1、2の初期化が行われる(S204)。一方、電源断信号ONとRAMの内容正常の両方を満たす場合には、RAMの初期化を行うことなくウオッチドッグタイマカウンタ1、2の初期化が行われる(S204)。S201〜S204の処理は、電源投入時の1順目にのみ実行され、その後は実行されることがない。
【0121】
ウオッチドッグタイマカウンタ1、2の初期化(S204)の後、ループ処理で割り込み禁止(S205)、乱数シード更新(S206)、コマンド送信処理(S207)、ウオッチドッグタイマカウンタ1初期化(S208)、割り込み許可(S209)が行われる。また、ループ処理の間に、外部INT割り込み処理(S300)、2msタイマ割り込み処理(S400)、10msタイマ割り込み処理(S500)が行われる。
【0122】
割り込み禁止(S205)では、割り込みが入っても割り込みを禁止する。
乱数シード更新(S206)では、サブ制御基板205に設けられている乱数用カウンタの更新が行われる。
コマンド送信処理(S207)では、サブ制御処理においてセットされた各種のコマンドが対応する基板、装置等に送信される。
ウオッチドッグタイマカウンタ1初期化(S208)では、ウオッチドッグタイマカウンタ1の値が初期化される。
割り込み許可(S209)では、割り込みの実行を許可する。
【0123】
外部INT割り込み処理(S300)では、
図23に示すように、前記主制御基板200からのストローブ(STB)信号がONか確認され(S301)、ストローブ信号がON、すなわち外部INT入力部にストローブ信号が入力されると、前記主制御基板200から出力されたコマンド(制御信号)の受信およびRAMへの格納が行われる(S302)。それに対し、ストローブ信号がONになっていなければ、その時点でこの外部INT割り込み処理(S300)が終了する。
【0124】
2msタイマ割り込み処理(S400)では、
図24に示すように、ランプデータ出力処理(S401)、Sw/駆動出力処理(S402)、入力処理(S403)、ウオッチドッグタイマ処理(S404)が行われる。ランプデータ出力処理(S401)では、後述の10msタイマ割り込み処理で作成されたランプのデータが出力される。Sw/駆動出力処理(S402)では、駆動データの作成、出力処理が行われる。入力処理(S403)では、スイッチのエッジデータ及びレベルデータが作成される。また、ウオッチドッグタイマ処理(S404)では、ウオッチドッグタイマのリセット処理が行われる。
【0125】
10msタイマ割り込み処理(S500)では、
図25に示すように、スイッチ状態取得処理(S501)、報知タイマ判定処理(S502)、メインコマンド解析処理(S503,S503A)、SW処理(S504)、音声制御処理(S505)、ランプ処理(S506)が行われる。
【0126】
スイッチ状態取得処理(S501)では、2msタイマ割り込み処理(S400)で作成されたスイッチデータが、10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとして格納される。
報知タイマ判定処理(S502)では、RAMクリア、扉開放報知等、報知開始、報知解除から一定期間経過後に報知解除を行うための時間管理のための処理が行われる。
【0127】
メインコマンド解析処理(S503,S503A)は、発光制御手段と発光態様選択手段に相当する。S503のメインコマンド解析処理は、前記第2例(ステップアップ演出)と、第5例(大当たり中の演出)における発光態様に対応する処理である。また、S503Aのメインコマンド解析処理は前記第3例(変動パターンの演出1)と、第5例(大当たり中の演出)における発光態様に対応する処理である。
【0128】
前記メインコマンド解析処理(S503)では、
図26に示すように、まず、受信コマンドが変動コマンドか確認される(S503−1)。受信コマンドが変動コマンドと判断された場合、変動コマンドが、ステップアップ演出の設定された変動パターンか判断される(S503−2)。ステップアップ演出の設定された変動パターンと判断された場合、ステップアップ演出の設定を行うと共に、ステップ1では前記ランプ装置35を第1発光態様で発光させ、ステップ2では前記ランプ装置35を第2発光態様で発光させ、ステップ3では第3発光態様で発光させる制御信号がセットされ(S503−3)、その後にその他の必要な処理が行われ(S503−7)、このメインコマンド解析処理(S503)が終了する。前記S503−3におけるステップアップ演出の設定処理は、演出実行手段に相当する。また、ステップ1に第1発光態様の設定、ステップ2に第2発光態様の設定、ステップ3に第3発光態様の設定は、発光態様選択手段及び発光制御手段に相当する。
【0129】
前記S503−2でステップアップ演出の設定された変動パターンとは異なると判断された場合、その他の必要な処理が行われ(S503−7)、このメインコマンド解析処理(S503)が終了する。
【0130】
一方、S503−1で変動コマンドとは異なると判断されると、次に受信コマンドが大当たりラウンドコマンドか確認される(S503−4)。大当たりラウンドコマンドと判断されると、大当たり中演出の発光設定が行われる(S503−5)。大当たり中演出の発光設定では、低期待演出には第1発光態様又は第2発光態様設定、高期待演出には第3発光態様設定の制御信号がセットされる。前記S503−5における大当たり中の発光設定は、発光態様選択手段及び発光制御手段に相当する。その後にその他の必要な処理が行われ(S503−7)、このメインコマンド解析処理(S503)が終了する。
【0131】
また、S503−1で受信コマンドが変動コマンドとは異なると判断され、さらにS503−4で大当たりラウンドコマンドとは異なると判断された場合、受信コマンドに応じた処理が行われ(S503−6)、その後にその他の必要な処理が行われ(S503−7)、このメインコマンド解析処理(S503)が終了する。
【0132】
前記メインコマンド解析処理(S503A)では、
図27に示すように、まず、受信コマンドが変動コマンドか確認される(S503A−1)。受信コマンドが変動コマンドと判断された場合、変動コマンドが、大当たりの際に選択されやすい(選択率が高い)変動パターンか判断される(S503A−2)。大当たりの際に選択されやすい(ハズレの場合の選択率よりも当たりの方の選択率の方が高く設定されている)変動パターンと判断された場合、特別図柄変動中の演出発光設定が行われる(S503A−3)。特別図柄変動中の演出発光設定では、変動開始時(低期待演出時)に第1発光態様又は第2発光態様設定、4R大当たり確定時(低期待演出時)に第1発光態様又は第2発光態様設定、16R大当たり確定時(高期待演出時)に第3発光態様設定の制御信号がセットされる。前記S503A−3における特別図柄変動中の演出発光設定は、発光態様選択手段及び発光制御手段に相当する。その後にその他の必要な処理が行われ(S503A−7)、このメインコマンド解析処理(S503A)が終了する。
【0133】
一方、S503A−1で変動コマンドとは異なると判断されると、次に受信コマンドが大当たりラウンドコマンドか確認される(S503A−4)。大当たりラウンドコマンドと判断されると、大当たり中演出の発光設定が行われる(S503A−5)。大当たり中演出の発光設定では、低期待演出には第1発光態様又は第2発光態様設定、高期待演出には第3発光態様設定の制御信号がセットされる。前記S503A−5における大当たり中の発光設定は、発光態様選択手段及び発光制御手段に相当する。その後にその他の必要な処理が行われ(S503A−7)、このメインコマンド解析処理(S503A)が終了する。
【0134】
また、S503A−1で受信コマンドが変動コマンドとは異なると判断され、さらにS503A−4で大当たりラウンドコマンドとは異なると判断された場合、受信コマンドに応じた処理が行われ(S503A−6)、その後にその他の必要な処理が行われ(S503A−7)、このメインコマンド解析処理(S503A)が終了する。
【0135】
なお、前記ランプ装置35を各発光態様で発光させる際に、各発光態様に設定されている音態様により前記スピーカ38で音を発する場合には、前記メインコマンド解析処理(S503,S503A)において、各発光態様の発光制御信号と共に発光態様に設定されている音態様の音制御信号をセットする。
【0136】
前記SW処理(S504)では、スイッチ状態取得処理(S501)で格納したデータを元に、遊技操作ボタン67の有効期間の管理及び作動の設定が行われる。
【0137】
前記SW処理(S504)の終了後に実行される前記音声制御処理(S505)では、前記スピーカ38から発する音のための処理が行われる。
前記音声制御処理(S505)の終了後に実行される前記ランプ処理(S506)では、出力するランプデータの作成及び演出時間の管理が行われる。
【0138】
このように、実施例では、以下の解決手段を有する。
第1の解決手段は、判定条件の成立に起因して遊技の当否を判定する当否判定手段と、前記当否判定手段による当否判定結果が当たりの場合に特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、特別図柄を所定時間変動表示した後に停止表示した特別図柄で前記当否判定手段による判定結果を表示可能な表示手段と、発光手段と、前記発光手段の発光を制御する発光制御手段と、を備える遊技機において、前記発光制御手段は、前記特別図柄の変動表示中または前記特別遊技実行中の何れか一方または両方における演出で前記発光手段を発光させる制御を行い、前記発光には、互いに異なる複数の発光態様として、第1発光態様、第2発光態様、第3発光態様を備え、前記第3発光態様は前記第1発光態様の少なくとも一部と前記第2発光態様の少なくとも一部を含む発光態様からなることを特徴とする。
【0139】
第1の解決手段によれば、第3発光態様が第1発光態様の少なくとも一部と第2発光態様の少なくとも一部を含む発光態様からなるため、発光態様による演出性が高く、遊技に対する期待感が高くなる。
【0140】
第2の解決手段は、前記第1発光態様、前記第2発光態様、前記第3発光態様は、遊技者の期待の程度を示すことを特徴とする。
【0141】
第2の解決手段によれば、発光態様により遊技者の期待の程度を示すことができるため、発光態様による演出性が高く、遊技に対する期待感が高くなる。
【0142】
第3の解決手段は、前記遊技者の期待は、前記当否判定結果の当たりに対する期待及び/または前記特別遊技により遊技者が獲得可能な特典の大きさに対する期待であることを特徴とする。
【0143】
第3の解決手段によれば、当否判定結果の当たりに対する期待及び/または前記特別遊技により遊技者が獲得可能な特典の大きさに対する期待に応じて第1発光態様、第2発光態様、第3発光態様を発光できるため、発光態様による演出性が高く、遊技に対する期待感が高くなる。
【0144】
第4の解決手段は、前記演出には、予め遊技者の期待が低い演出に設定された低期待演出と、遊技者の期待が高い遊技状態に設定された高期待演出があり、前記低期待演出に対しては前記第1発光態様又は前記第2発光態様を選択する一方、前記高期待演出に対しては前記第3発光態様を選択する発光態様選択手段を備え、前記発光制御手段は、前記発光態様選択手段が選択した発光態様で前記発光手段を発光させることを行うことを特徴とする。
【0145】
第4の解決手段によれば、期待の低い演出については第1発光態様または第2発光態様で発光し、期待の高い演出については第3発光態様で発光するため、遊技の期待感をより向上させることが可能になる。
【0146】
第5の解決手段は、音を発する音手段を備え、前記音手段が発する音には、互いに異なる複数の音態様として、少なくとも第1音態様、第2音態様、第3音態様を備え、前記第1発光態様には前記第1音態様が設定され、前記第2発光態様には前記第2音態様が設定され、前記第3発光態様には前記第3音態様が設定されており、前記発光手段の発光と共に前記音手段が前記発光態様に設定されている音態様で音を発することを特徴とする。
【0147】
第5の解決手段によれば、発光態様に合わせたで音を発することができるため、演出性が高く、遊技に対する期待感が高くなる。
【0148】
第6の解決手段は、前記第3音態様は前記第1音態様の少なくとも一部と前記第2音態様の少なくとも一部を含む音態様からなることを特徴とする。
【0149】
第6の解決手段によれば、第3音態様が第1音態様の少なくとも一部と第2音態様の少なくとも一部を含む音態様からなるため、音態様による演出性が高く、遊技に対する期待感が高くなる。
【0150】
第7の解決手段は、前記演出には、予め遊技者の期待が低い低期待の演出に設定された低期待演出と、遊技者の期待が高い高期待の演出に設定された高期待演出と、遊技者の期待が前記低期待と前記高期待の間の中期待の演出に設定された中期待演出があり、前記低期待演出に対しては前記第1発光態様を選択し、前記中期待の演出には前記第2発光態様を選択し、前記高期待の演出に対しては前記第3発光態様を選択する発光態様選択手段を備え、前記発光制御手段は、前記発光態様選択手段が選択した発光態様で前記発光手段を発光させることを特徴とする。
【0151】
第7の解決手段によれば、演出に設定されている期待が、低期待→中期待→高期待の順に、第1発光態様→第2発光態様→第3発光態様の順で発光するため、演出性が高く、遊技に対する期待感をより向上させることが可能になる。
【0152】
また、期待度に応じた発光態様で発光するランプ装置は、一箇所に限られず、複数箇所に向けてもよい。さらに、複数箇所に設けたランプ装置のうちの一箇所のランプ装置(例えば本実施例における天位置のランプ装置35)のみについて、期待度に応じた発光態様で発光させるように構成してもよい。そのように構成すれば、遊技者は期待度に応じた発光態様で発光するランプ装置(例えば天位置のランプ装置35)を注目するようになり、遊技に対する期待感をより高めることが可能になる。
発光態様は、発光色のみに限られず、点滅発光、常時発光、発光間隔、あるいはそれらの組合せ等によって発光態様を異ならせた態様からなる。
期待度は、特別図柄の変動時における特別図柄の変動停止段階、遊技における演出場面、通常(低確率)状態、確変(高確率)状態等、様々な遊技状態(遊技場面)に対して、遊技者による期待(大当たりに対する期待や演出の変化に対する期待等)の高低を予測し、予測結果に基づいて低期待、中期待、高期待が設定される。
さらに、期待度は、次に例示するものであってもよい。例えば、大当たりラウンド中の通常又は確変であるかの期待度を報知する昇格演出における期待度の高低であってもよい。また、例えば、通常確率時の小当たり(特別電動役物(大入賞口)が1回開放)の後に、潜伏示唆モードと称されるモードに移行させ、潜伏しているか否か(通常か確変か)に対する期待度を示す演出の高低であってもよい。また、例えば、特別図柄保留内に大当たりがあるか否かを大当たりラウンド中等に遊技者に報知する演出における期待度の高低であってもよい。また、大当たり後に、遊技者が通常状態か確変状態かわからない確変示唆モードと称されるモードに移行させ、確変状態か否かに対する期待度を示す演出の高低であってもよい。
【0153】
なお、従来、大当たり期待度の高いときに少なくとも赤色発光させる場合があり、本実施例では、この赤色発光と期待度の低い白色発光を組み合わせた赤色・白色点滅発光を第3発光態様とすることで、効果的に遊技者に期待度を報知することが可能となる。
【0154】
また、本実施例では、ステップアップ演出が特定の変動パターンに設定され、ステップアップ演出の設定された変動パターンが選択されることにより、ステップアップ演出の選択を行っているが、ステップアップ演出の選択を他の方法、例えば、他の抽選などで行ってもよい。
また、ステップアップ演出は、遊技者が操作手段(遊技操作ボタン67等)を操作(連打等)することによってステップアップするものや、その他の条件を満たすことによってステップアップするものであってもよい。
【0155】
また、第1発光態様、第2発光態様、第3発光態様の発光は、ステップアップ演出におけるステップに限られず、他の演出において、第1発光態様、第2発光態様、第3発光態様で発光させてもよい。
本発明は前記実施例に限定されることなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である