(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6366061
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】側溝蓋、側溝およびその施工方法
(51)【国際特許分類】
E03F 5/04 20060101AFI20180723BHJP
E01C 11/22 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
E03F5/04 D
E03F5/04 A
E01C11/22 A
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-161158(P2014-161158)
(22)【出願日】2014年8月7日
(65)【公開番号】特開2016-37751(P2016-37751A)
(43)【公開日】2016年3月22日
【審査請求日】2017年4月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】504127887
【氏名又は名称】エムシー産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100093285
【弁理士】
【氏名又は名称】久保山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100182567
【弁理士】
【氏名又は名称】遠坂 啓太
(72)【発明者】
【氏名】西 博
【審査官】
須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−144470(JP,A)
【文献】
特開2012−149513(JP,A)
【文献】
特開2002−106054(JP,A)
【文献】
特開2006−291616(JP,A)
【文献】
特開2005−163471(JP,A)
【文献】
国際公開第2008/090392(WO,A1)
【文献】
特開平07−286317(JP,A)
【文献】
特開2011−231476(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03F 1/00−11/00
E01C 1/00−17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
側溝本体の上面開口部に装着される側溝蓋であって、
前記側溝本体との接合部分に形成された凹部であり、固着剤が注入されて固化することにより前記側溝本体と一体化される凹部と、
前記凹部を挟む位置に前記固着剤の漏れを防止する漏れ防止部材を前記側溝蓋の上面側から挿入するための誘導溝と
を有する側溝蓋。
【請求項2】
前記凹部は、前記側溝蓋の上面に到達したものである請求項1記載の側溝蓋。
【請求項3】
前記凹部は、前記側溝本体との接合部分に沿って斜め方向に延びたものである請求項1または2に記載の側溝蓋。
【請求項4】
前記固着剤は、無収縮モルタルである請求項1から3のいずれか1項に記載の側溝蓋。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の側溝蓋と、
前記側溝蓋が上面開口部に装着される側溝本体であり、前記凹部に対応する位置に凹部を有する側溝本体と
を含む側溝。
【請求項6】
側溝本体との接合部分に凹部が形成された側溝蓋を、前記側溝本体の上面開口部に装着すること、
前記側溝蓋の凹部をガイドとしてドリルにより前記側溝本体に凹部を形成すること、
前記側溝蓋の凹部と前記側溝本体の凹部との間に固着剤を注入して固化させることにより前記側溝蓋と前記側溝本体とを一体化すること
を含む側溝の施工方法。
【請求項7】
前記側溝本体の凹部の形成は、前記側溝蓋の凹部の側面を前記側溝本体の対面に寄せてから行うことを特徴とする請求項6記載の側溝の施工方法。
【請求項8】
前記側溝本体が、当該側溝本体の凹部を挟む位置に前記固着剤の漏れを防止する漏れ防止部材を前記側溝蓋の上面側から挿入するための誘導溝を有するものであり、
前記側溝蓋の凹部と前記側溝本体の凹部との間に前記固着剤を注入する前に、前記誘導溝に前記漏れ防止部材を挿入すること
を含む請求項6または7に記載の側溝の施工方法。
【請求項9】
側溝蓋を、側溝本体の上面開口部に装着すること、
前記側溝蓋と前記側溝本体との接合部分の双方にドリルを用いて同時に凹部を形成すること、
前記側溝蓋の凹部と前記側溝本体の凹部との間に固着剤を注入して固化させることにより前記側溝蓋と前記側溝本体とを一体化すること
を含む側溝の施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水溝として設置される側溝を構成する側溝蓋およびこれを用いた側溝ならびにその施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
旧来の落蓋式側溝は、側溝内清掃を目的として蓋に手掛け穴が設けられており、蓋と側溝本体とが分離した構造である。そのため、側溝上を歩きにくく、側溝上を車が通過するとカタカタと音がして煩いという問題がある。従来、この問題に対して、現場打ちコンクリートにより蓋と側溝本体とを一体化するなどして対応しているが、養生が必要となるために工事期間が長くなるという問題がある。
【0003】
そこで、これに対応可能な工法としてスチール透水蓋工法(例えば、特許文献1参照。)やコンクリート製の埋設蓋工法等が開発されている。これらの工法では、側溝の表面がアスファルト舗装となり、歩行者は歩きやすく、車のドライバーにとって視認性が良くなり、高く評価されている。しかしながら、これらの工法では、経済的に必ずしも有利とはいえない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−270425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明においては、短工期で経済性に優れた側溝を構築可能な側溝蓋およびこれを用いた側溝ならびにその施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の側溝蓋は、側溝本体の上面開口部に装着される側溝蓋であって、側溝本体との接合部分に形成された凹部であり、固着剤が注入されて固化することにより側溝本体と一体化される凹部を有するものである。
【0007】
本発明の側溝は、上記側溝蓋を側溝本体の上面開口部に装着し、側溝蓋の凹部をガイドとしてドリルにより側溝本体に凹部を形成し、側溝蓋の凹部と側溝本体の凹部との間に固着剤を注入して固化させる。これにより、本発明の側溝蓋と側溝本体との接合部分に注入された固着剤は、側溝蓋の凹部と側溝本体の凹部との両方に突出した状態で側溝蓋と側溝本体とを一体化する。
【0008】
なお、側溝蓋および側溝本体の凹部は、側溝蓋と側溝本体との接合部分の双方にドリルを用いて同時に形成することも可能である。すなわち、本発明の側溝は、側溝蓋を、側溝本体の上面開口部に装着し、側溝蓋と側溝本体との接合部分の双方にドリルを用いて同時に凹部を形成し、側溝蓋の凹部と側溝本体の凹部との間に固着剤を注入して固化させることにより側溝蓋と側溝本体とを一体化することにより形成することも可能である。
【0009】
ここで、側溝蓋の凹部は、側溝蓋の上面に到達したものであることが望ましい。これにより、側溝蓋の凹部をガイドとしてドリルにより側溝本体に凹部を形成する際に、側溝蓋の上面に到達した凹部を目印としてドリルを当てることができ、容易に側溝本体に凹部を形成することが可能となる。
【0010】
また、側溝蓋の凹部は、側溝本体との接合部分に沿って斜め方向に延びたものであることが望ましい。これにより、側溝蓋の凹部と側溝本体の凹部との両方に入り込んで固化した固着剤は、側溝蓋の水平方向および上下方向の両方に対して抵抗力を発揮する。
【0011】
また、本発明の側溝蓋は、その凹部を挟む位置に固着剤の漏れを防止する漏れ防止部材を側溝蓋の上面側から挿入するための誘導溝を有することが望ましい。これにより、誘導溝に漏れ防止部材を挿入して、側溝蓋の凹部と側溝本体の凹部との間に固着剤を注入すると、注入した固着剤が側溝蓋の凹部と側溝本体の凹部の固着に必要な部分以外へ漏れるのを防止することが可能となる。
【発明の効果】
【0012】
(1)側溝蓋と側溝本体との接合部分の凹部に固着剤を注入して固化させるだけで、この固化した固着剤が、側溝蓋の凹部と側溝本体の凹部との両方に突出した状態で側溝蓋と側溝本体とを一体化し、短工期で経済性に優れた側溝を構築することが可能となる。
【0013】
(2)側溝蓋の凹部が側溝蓋の上面に到達したものであることにより、側溝蓋の上面に到達した凹部を目印としてドリルを当てて、容易に側溝本体に凹部を形成することが可能となる。
【0014】
(3)側溝蓋の凹部が側溝本体との接合部分に沿って斜め方向に延びたものであることにより、固着剤に側溝蓋の水平方向と上下方向の両方に対して抵抗力を発揮させて、より強固に側溝蓋と側溝本体とを一体化することが可能となる。
【0015】
(4)側溝蓋の凹部を挟む位置に固着剤の漏れを防止する漏れ防止部材を側溝蓋の上面側から挿入するための誘導溝を有することにより、注入した固着剤が側溝蓋の凹部と側溝本体の凹部の固着に必要な部分以外へ漏れるのを防止して、固着剤の使用量を節約することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施の形態における側溝の平面図である。
【
図5A】本発明の実施の形態における側溝の施工手順の説明図である。
【
図5B】本発明の実施の形態における側溝の施工手順の説明図である。
【
図5C】本発明の実施の形態における側溝の施工手順の説明図である。
【
図5D】本発明の実施の形態における側溝の施工手順の説明図である。
【
図6】本発明の実施例1における無収縮モルタルの注入状態を示す説明図である。
【
図7】本発明の実施例2における無収縮モルタルの注入状態を示す説明図である。
【
図8】本発明の実施例3における無収縮モルタルの注入状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は本発明の実施の形態における側溝の平面図、
図2は
図1のA−A断面図、
図3は
図1のB部拡大図、
図4は
図1の側溝蓋のB部正面図である。
【0018】
図1において、本発明の実施の形態における側溝1は、側溝本体2と、側溝本体2の上面開口部2aに装着されるコンクリート二次製品(プレキャストコンクリート製品)である側溝蓋3とから構成される。側溝1は落蓋式の側溝である。側溝本体2は、左右の側壁2b,2bに蓋受け段差面2c,2cが形成されている。側溝蓋3は、これらの蓋受け段差面2c,2c上に載置される。
【0019】
図3および
図4に示すように、側溝蓋3は、その側面、すなわち側溝本体2との接合部分に凹部4が形成されている。凹部4は、
図1に示すように、側溝蓋3の四隅部にそれぞれ2つずつ設けられている。本実施形態における側溝1では、この側溝蓋3の四隅部の凹部4の位置にそれぞれ固着剤6が注入されて固化することにより、側溝蓋3が側溝本体2と一体化される。
【0020】
凹部4は、
図4に示すように、側溝本体2との接合部分に沿って斜め方向に延びたものである。凹部4の断面形状は、
図3に示すようにV字状となっている。凹部4の上端は、側溝蓋3の上面に到達するように形成されている。一方、凹部4の下端は、側溝蓋3の中途部まで形成されており、側溝蓋3の下面に到達していない。また、側溝蓋3の四隅部にそれぞれ2つずつ設けられた凹部4は、側溝蓋3の上面から下方へ向かって互いの間隔が拡がるように逆V字状(山形状)に形成されている。
【0021】
また、側溝蓋3には、後述する漏れ防止部材7を側溝蓋3の上面側から挿入するための誘導溝5が形成されている。誘導溝5は、凹部4を挟む位置にそれぞれ鉛直方向に形成されている。誘導溝5の断面形状は、
図3に示すようにV字状となっている。誘導溝5の上端および下端は、それぞれ側溝蓋3の上面および下面に到達するように形成されている。
【0022】
固着剤6は、注入後、硬化することにより、側溝本体2と側溝蓋3とを一体化するのに必要な固着力を有するものである。固着剤6としては、確実に強度、接着力および即日開放が見込める無収縮モルタルを用いることが望ましい。無収縮モルタルの養生時間は、夏場であれば1.5時間程度、冬場であれば1.5〜3時間程度である。なお、固着剤6としては、無収縮モルタルの他、普通モルタル、コンクリートボンドやコーキング剤等を使用することも可能である。
【0023】
漏れ防止部材7は、注入される固着剤6の漏れを防止するための部材である。漏れ防止部材7は、使用する固着剤6の漏れを防止することができるものであれば使用することが可能であるが、吸水および吸湿がほとんどなく、気密性、弾力性および緩衝性に優れるポリエチレンフォーム製の丸棒を用いることが望ましい。なお、漏れ防止部材7は、固着剤6の漏れを防止できるものであれば良く、固着剤6の硬化後は朽ち果てても良いため、新聞紙、ぬれ砂や空練りモルタル等を使用することも可能である。
【0024】
次に、上記構成の側溝1の施工手順について、説明する。
図5A〜
図5Dは本発明の第1実施形態における側溝の施工手順の説明図である。なお、以下の説明は、既設の側溝本体2に側溝蓋3を適用する手順である。
【0025】
まず、
図5Aに示すように、側溝蓋3を側溝本体2の上面開口部2aに装着する。このとき、側溝蓋3の凹部4が形成された側面部分が蓋受け段差面2c,2c上に載置されるようにする。次に、
図5Bに示すように、側溝蓋3の一方(図示例では図の上側)の側面と側溝本体2との隙間に楔8を打ち込み、側溝蓋3の一方(図示例では図の下側)の凹部4の側面を側溝本体2の対面に寄せる。これにより、側溝蓋3の一方の凹部4の側面と側溝本体2の対面とが当接する。
【0026】
そして、側溝蓋3の凹部4をガイドとし、凹部4に沿ってドリル(図示せず。)により削孔する。これにより、
図5Cに示すように、側溝蓋3の凹部4に沿って、側溝本体2にも凹部9が形成される。このとき、側溝蓋3の凹部4もドリルによって削られ、側溝蓋3と側溝本体2との接合部分の双方に同時に凹部4,9が形成される。また、一方の凹部4の全て(図では下側の4箇所)について作業後、楔8を取り外して反対側に打ち込み、他方(図示例では図の上側)の凹部4についても同様にドリルにより削孔し、凹部4,9を形成する。
【0027】
その後、楔8を取り外し、
図5Dに示すように、側溝蓋3を側溝本体2の上面開口部2aの中央(図示例では図の上下方向の中央)に寄せ、誘導溝5に漏れ防止部材7を挿入する。このとき、漏れ防止部材7は、側溝蓋3と側溝本体2との隙間の幅に合わせた大きさのものを使用して、凹部4,9を挟む位置で側溝蓋3と側溝本体2との隙間を遮断する。最後に、側溝蓋3の凹部4と側溝本体2の凹部9との間に固着剤6を注入して固化させ、側溝蓋3と側溝本体2とを一体化する(
図1〜
図3参照。)。
【0028】
以上のように、本実施形態における側溝1では、側溝蓋3と側溝本体2との接合部分の凹部4,9に固着剤6を注入して固化させるだけで、この固化した固着剤6が、側溝蓋3の凹部4と側溝本体2の凹部9との両方に突出した状態で側溝蓋3と側溝本体2とを一体化する。これにより、短工期で経済性に優れた側溝1を構築することが可能である。
【0029】
また、本実施形態における側溝1では、誘導溝5に漏れ防止部材7を挿入して、側溝蓋3の凹部4と側溝本体2の凹部9との間に固着剤6を注入するため、注入した固着剤6が側溝蓋3の凹部4と側溝本体2の凹部9の固着に必要な部分以外へ漏れるのを防止して、固着剤6の使用量を節約することが可能となっている。なお、漏れ防止部材7を使用しない場合には、固着剤6の使用量が増えるだけであり、側溝蓋3と側溝本体2との固着力に悪影響を及ぼすことはない。
【0030】
なお、本実施形態における側溝1では、側溝蓋3に予め凹部4が形成されており、この凹部4をガイドとしてドリルにより容易かつ正確な位置に側溝本体2に凹部9を形成することが可能となっているが、凹部9がない場合には、現場にて側溝蓋3と側溝本体2との接合部分の双方にドリルを用いて同時に凹部4,9を形成することも可能である。また、新規に側溝1を構築する際は、側溝本体2に予め凹部9を形成したものを用いることも可能である。
【0031】
また、本実施形態における側溝1では、側溝蓋3の凹部4が側溝蓋3の上面に到達したものであり、この側溝蓋3の凹部4をガイドとしてドリルにより側溝本体2に凹部9を形成する際に、側溝蓋3の上面に到達した凹部4を目印としてドリルを当てることができ、容易に側溝本体2に凹部9を形成することが可能となっている。なお、凹部4は必ずしも側溝蓋3の上面に到達している必要はなく、側溝蓋3の上面からその位置が確認でき、ドリルにより削孔する際にガイドできる位置まで形成されていれば良い。
【0032】
また、本実施形態における側溝1では、側溝蓋3の凹部4が、側溝本体2との接合部分に沿って斜め方向に延びたものであるため、側溝蓋3の凹部4と側溝本体2の凹部9との両方に入り込んで固化した固着剤6は、側溝蓋3の水平方向および上下方向の両方に対して抵抗力を発揮する。これにより、より強固に側溝蓋3と側溝本体2とが一体化され、側溝蓋3が外れるのを防止することができる。
【0033】
なお、本実施形態において、凹部4の断面は、
図3に示すようにV字状であるが、円弧状やその他の形状としても良い。また、凹部4を垂直方向に延びたものとすることも可能であり、複数を並設することや1つのみ設けた構成とすることも可能である。また、誘導溝5についてもV字状のみならず、円弧状やその他の形状とすることも可能である。
【実施例】
【0034】
本発明の側溝について実証試験を行った。打撃試験については、タンピングランマーを使用して500kN/m
2(T−25相当)の模擬輪荷重を想定し、90秒間で1000回の打撃を加え、接着部分のひび割れを確認した。また、持ち上げ試験については、天秤作用を想定し、下面からジャッキアップして支持力を確認した。
【0035】
なお、使用したタンピングランマーは、酒井重工業製(型式:RS45、打撃力:10.8〜11.5kN(11.15kNと仮定した。)、衝撃回数650〜690回(670回と仮定した。)/分)である。タンピングランマーの打撃力を模擬輪荷重として試験するに際し、T−25の輪荷重は50kNであり、設置面積は0.2m×0.5m=0.1m
2である。ゆえに模擬輪荷重は500kN/m
2とした。したがって、衝撃板の面積は、11.15/500=0.0223m
2=0.2×0.11である。よって、衝撃板の形状は、20cm×11cmとし、打撃回数1000回の所要時間は、1000/670=90秒である。
【0036】
(実施例1)
図6は本発明の実施例1における無収縮モルタルの注入状態を示す説明図である。
図6に示すように、実施例1では、誘導溝5の中央に鉛直方向に延びて上面および下面に到達した凹部4を1つ設けた側溝蓋3を用い、
図5A〜
図5Dで説明した手順と同様に施工した。なお、2つの誘導溝5の間の距離は100mm、側溝蓋3の厚さは100mmである。凹部4,9は、錐φ22mmおよびφ16mmのドリルにより削孔した。
【0037】
実証試験の結果は以下の通りである。
(1)側溝蓋3および側溝本体2にほぼ等分に半円形状の凹部4,9を形成できた。
(2)打撃試験の結果、接着部分に亀裂の発生は見られなかった。
(3)持ち上げ試験の結果、錐φ22mmおよびφ16mmのドリルで削孔した凹部4のいずれも1500kgf以上の支持力が得られた。
(4)側溝蓋3の底部が破損した。特にφ22mmのドリルでは振動が大きかった。したがって、削孔はφ16mm程度が望ましく、底部破壊を防止するためには凹部4の下端が側溝蓋3の下面に到達しないようにすることが望ましい。
【0038】
なお、誘導溝5は直交する2辺の長さが10mmの直角二等辺三角形断面とした。また、側溝本体2と側溝蓋3との隙間は片側5mm(両側合計10mm)が平均的であるため、漏れ防止部材7はこれに対応してφ8mmのポリエチレンフォームを使用したところ、漏れ防止部材7の挿入時の抵抗も少なく、良好な結果が得られた。
【0039】
(実施例2)
図7は本発明の実施例2における無収縮モルタルの注入状態を示す説明図である。
図7に示すように、実施例2では、誘導溝5の間に斜め方向に延びる1つの凹部4を設けた側溝蓋3を用いて、
図5A〜
図5Dで説明した手順と同様に施工した。なお、2つの誘導溝5の間の距離は100mm、側溝蓋3の厚さは100mmである。凹部4,9は、錐φ12mmのドリルにより削孔した。また、凹部4,9は、側溝蓋3の底部破壊を防止するために、側溝蓋3の蓋厚の−25mm(蓋厚の75%)まで形成した。
【0040】
実証試験の結果は以下の通りである。
(1)打撃試験の結果、接着部分に亀裂の発生は見られなかった。
(2)持ち上げ試験の結果、1700kgfの荷重で4箇所それぞれに側溝蓋3本体に破損が見られたが、斜め方向に延びる凹部4により天秤作用に対して効果的な抵抗力が発揮できることが実証できた。
(3)ドリルにより削孔する際、斜め方向に延びる凹部4がガイドとなり、正確な位置に簡単に作業することができた。
(4)側溝蓋3の底部破壊はなかった。
【0041】
(実施例3)
図8は本発明の実施例3における無収縮モルタルの注入状態を示す説明図である。
図8に示すように、実施例3では、
図1〜
図3で示したように凹部4および誘導溝5を設けた側溝蓋3を用いて、
図5A〜
図5Dで示した手順により施工した。なお、2つの誘導溝5の間の距離は100mm、側溝蓋3の厚さは100mmである。また、凹部4は、錐φ16mmのドリルにより山形状に削孔した。この際、凹部4,9は側溝蓋3の蓋厚の−25mm(蓋厚の75%)まで形成した。
【0042】
実証試験の結果は以下の通りである。
(1)打撃試験の結果、接着部分に亀裂の発生は見られなかった。
(2)持ち上げ試験の結果、支持力は2000kgfで4箇所それぞれに側溝蓋3本体に破損が見られたが、山形状の凹部4により天秤作用に対してさらに効果的な抵抗力が発揮できることが実証できた。
(3)ドリルにより削孔する際、凹部4がガイドとなり、正確な位置に簡単に作業することができた。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、排水溝として設置される側溝を構成する側溝蓋およびこれを用いた側溝ならびにその施工方法として有用であり、特に、短工期で経済性に優れた側溝を構築可能な側溝蓋およびこれを用いた側溝ならびにその施工方法として好適である。
【符号の説明】
【0044】
1 側溝
2 側溝本体2
3 側溝蓋
4 凹部
5 誘導溝
6 固着剤
7 漏れ防止部材
8 楔