特許第6366102号(P6366102)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6366102イソオキサゾリン活性薬を含む殺寄生虫性組成物、その方法および使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6366102
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】イソオキサゾリン活性薬を含む殺寄生虫性組成物、その方法および使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/42 20060101AFI20180723BHJP
   A61K 47/08 20060101ALI20180723BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20180723BHJP
   A61K 47/14 20060101ALI20180723BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20180723BHJP
   A61K 47/06 20060101ALI20180723BHJP
   A61P 33/14 20060101ALI20180723BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
   A61K31/42
   A61K47/08
   A61K47/10
   A61K47/14
   A61K47/26
   A61K47/06
   A61P33/14
   A61P43/00 121
【請求項の数】36
【全頁数】81
(21)【出願番号】特願2014-530741(P2014-530741)
(86)(22)【出願日】2012年9月12日
(65)【公表番号】特表2014-527081(P2014-527081A)
(43)【公表日】2014年10月9日
(86)【国際出願番号】US2012054719
(87)【国際公開番号】WO2013039948
(87)【国際公開日】20130321
【審査請求日】2015年9月11日
(31)【優先権主張番号】61/533,308
(32)【優先日】2011年9月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515136856
【氏名又は名称】メリアル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100084663
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100137626
【弁理士】
【氏名又は名称】田代 玄
(72)【発明者】
【氏名】ソル マーク ディー
(72)【発明者】
【氏名】ローゼンテル ジョセフ ケイ
(72)【発明者】
【氏名】ペイト ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】シューブ ナタリア
(72)【発明者】
【氏名】テジュワニ−モトワニ モニカ
(72)【発明者】
【氏名】ベランスキー キャロル
【審査官】 新熊 忠信
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−515912(JP,A)
【文献】 特開2005−053827(JP,A)
【文献】 特表2010−531883(JP,A)
【文献】 特開平11−049669(JP,A)
【文献】 特開平11−335277(JP,A)
【文献】 特開2004−269368(JP,A)
【文献】 特表2008−540508(JP,A)
【文献】 特表2008−542274(JP,A)
【文献】 特表2010−502619(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00−33/44
A61K 9/00− 9/72
A61K 47/00−47/69
A61P 33/14
A61P 43/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非ヒト動物における寄生虫の感染または侵入を治療または予防するための、約0.1ml〜約5mlの容量のスポットオン組成物である獣医用局所組成物であって、
a)式(I)の少なくとも1つのイソオキサゾリン活性薬:
(I)
[式中、
A1、A2、A3、A4、A5およびA6はそれぞれCHであり;
B1およびB3は独立してCR2であり;
B2はCHであり;
WはOであり;
R1はCF3であり;
各R2は独立してH、ハロゲンまたはC1-C3ハロアルキルであり;
R4はHであり;
R5はR7で置換されたC1-C4アルキルであり;
R7はC2-C7アルキルアミノカルボニル、C3-C9ジアルキルアミノカルボニル、C2-C7ハロアルキルアミノカルボニルまたはC3-C9ジハロアルキルアミノカルボニルであり;
nは2である]および
b)動物の皮膚への塗布に適した薬学的に許容される担体であって、ジメチルイソソルビドを含み、グリコフロールを含まず、プロピレングリコールとグリセロールホルマールの二元混合物ではない、前記担体
を含み、
前記式(I)のイソオキサゾリン活性薬は約1〜約25%(w/v)の濃度で存在する、
前記組成物。
【請求項2】
式中、
R5が-CH2C(O)NHCH2CF3であり;
B1およびB3が独立してC-Cl、C-FまたはC-CF3である、
請求項1に記載の獣医用局所組成物。
【請求項3】
式中、
B1がC-Clであり;
B3がC-CF3であり;
R5が-CH2C(O)NHCH2CF3である、
請求項1に記載の獣医用局所組成物。
【請求項4】
薬学的に許容される担体が、ジカルボン酸ジエステル、グリコールエステル、グリコールエーテル、脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールもしくはポリエチレングリコールエステル、油、アルコール、グリセロールエステル、グリセロールエーテル、プロピレングリコール、エチレングリコール、炭酸グリコールもしくはN-メチルピロリドンまたはそれらの混合物をさらに含む、請求項1に記載の獣医用局所組成物。
【請求項5】
ジカルボン酸ジエステルがC6-C16ジカルボン酸ジエステルである、請求項4に記載の獣医用局所組成物。
【請求項6】
C6-C16ジカルボン酸ジエステルがセバシン酸ジエチルまたはアジピン酸ジイソプロピルである、請求項5に記載の獣医用局所組成物。
【請求項7】
薬学的に許容される担体が、ジメチルイソソルビドとジカルボン酸ジエステルとの混合物、プロピレングリコールエステル、脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールエステル、ポリエチレングリコール、油、C6-C20長鎖脂肪族アルコール、C1-C8アルコール、グリコールエーテル、またはそれらの組み合わせを含む、請求項4に記載の獣医用局所組成物。
【請求項8】
薬学的に許容される担体が、ショ糖と酢酸とイソ酪酸の混合エステル、低融点ワックス、ハードファットもしくはエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロック共重合体またはそれらの組み合わせをさらに含む、請求項1に記載の獣医用局所組成物。
【請求項9】
薬学的に許容される担体が、グリセロールホルマール、炭酸プロピレン、トリアセチン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコール400もしくはベンジルアルコールまたはそれらの混合物をさらに含む、請求項4に記載の獣医用局所組成物。
【請求項10】
薬学的に許容される担体がジメチルイソソルビドとグリセロールホルマールとの混合物を含む、請求項9に記載の獣医用局所組成物。
【請求項11】
式(I)のイソオキサゾリン活性薬が1〜10%(w/v)の濃度で存在する、請求項1または10に記載の獣医用局所組成物。
【請求項12】
式(I)のイソオキサゾリン活性薬が1〜5%(w/v)の濃度で存在する、請求項1または10に記載の獣医用局所組成物。
【請求項13】
式(I)のイソオキサゾリン活性薬が0.5%〜2.0%(w/v)の濃度で存在する、請求項1または10に記載の獣医用局所組成物。
【請求項14】
少なくとも第2の活性薬をさらに含む、請求項1〜10のいずれか1つに記載の獣医用局所組成物。
【請求項15】
少なくとも第2の活性薬が、昆虫成長制御剤、デプシペプチド、プラジカンテル、アベルメクチンもしくはミルベマイシンまたはそれらの混合物である、請求項14に記載の獣医用局所組成物。
【請求項16】
少なくとも第2の活性薬が昆虫成長制御剤である、請求項15に記載の獣医用局所組成物。
【請求項17】
昆虫成長制御剤が(S)-メトプレン、ピリプロキシフェン、ヒドロプレン、シロマジン、フルアズロン、ルフェヌロン、またはノバルロンである、請求項16に記載の獣医用局所組成物。
【請求項18】
少なくとも第2の活性薬がアベルメクチンであり、アベルメクチンがエプリノメクチン、イベルメクチン、セラメクチン、アバメクチン、ドラメクチンまたはエマメクチンである、請求項15に記載の獣医用局所組成物。
【請求項19】
少なくとも第2の活性薬がミルベマイシンであり、ミルベマイシンがモキシデクチンまたはミルベマイシンオキシムである、請求項15に記載の獣医用局所組成物。
【請求項20】
少なくとも第2の活性薬がアベルメクチンとプラジカンテルの組み合わせであり、式(I)のイソオキサゾリン活性薬の式中、
WがOであり;
R1がCF3であり;
B2がCHであり;
B1がC-Clであり;
B3がC-CF3であり;
A1、A2、A3、A4、A5およびA6のそれぞれがCHであり;
R4がHであり;
R5が-CH2C(O)NHCH2CF3である、
請求項15に記載の獣医用局所組成物。
【請求項21】
アベルメクチンがエプリノメクチンである、請求項20に記載の獣医用局所組成物。
【請求項22】
少なくとも第2の活性薬が、チアベンダゾール、オキシベンダゾール、メベンダゾール、フェンベンダゾール、オキシフェンダゾール、アルベンダゾール、トリクラベンダゾール、フェバンテル、レバミゾール、ピランテル、モランテル、プラジカンテル、クロサンテル、クロルスロン、アミノアセトニトリル活性薬またはアリーロアゾール-2-イルシアノエチルアミノ活性薬から選択される駆虫活性薬である、請求項14に記載の獣医用局所組成物。
【請求項23】
式(I)のイソオキサゾリン活性薬が1〜10%(w/v)の濃度で存在する、請求項21に記載の獣医用局所組成物。
【請求項24】
式(I)のイソオキサゾリン活性薬が1〜5%(w/v)の濃度で存在する、請求項21に記載の獣医用局所組成物。
【請求項25】
式(I)のイソオキサゾリン活性薬が0.5%〜2.0%(w/v)の濃度で存在する、請求項21に記載の獣医用局所組成物。
【請求項26】
容量が0.1〜1mlである、請求項に記載の獣医用局所組成物。
【請求項27】
非ヒト動物における寄生虫の侵入または感染を治療または予防するための方法であって、請求項1に記載の獣医用局所組成物の有効量を非ヒト動物に投与することを含む前記方法。
【請求項28】
式(I)のイソオキサゾリンの式中、
WがOであり;
R1がCF3であり;
B2がCHであり;
B1がC-Clであり;
B3がC-CF3であり;
A1、A2、A3、A4、A5およびA6のそれぞれがCHであり;
R4がHであり;
R5が-CH2C(O)NHCH2CF3である、
請求項27に記載の方法。
【請求項29】
非ヒト動物がネコである、請求項27または28に記載の方法。
【請求項30】
組成物が少なくとも第2の活性薬をさらに含み、前記第2の活性薬が、昆虫成長制御剤、ネオニコチノイド、デプシペプチド、プラジカンテル、アベルメクチンもしくはミルベマイシンまたはそれらの組み合わせである、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
組成物がアベルメクチンを含み、アベルメクチンがエプリノメクチン、イベルメクチン、アバメクチン、ドラメクチン、エマメクチンまたはセラメクチンである、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
組成物がミルベマイシンを含み、ミルベマイシンがモキシデクチンまたはミルベマイシンオキシムである、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
少なくとも第2の活性薬がプラジカンテルである、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
少なくとも第2の活性薬がアベルメクチンとプラジカンテルの組み合わせである、請求項30に記載の方法。
【請求項35】
アベルメクチンがエプリノメクチンである、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
寄生虫に対する哺乳動物の治療または防御のための、スポットオン組成物である獣医用局所組成物の製造における
a)式(I)のイソオキサゾリン:
(I)
[式中、
A1、A2、A3、A4、A5およびA6はそれぞれCHであり;
B1およびB3は独立してCR2であり;
B2はCHであり;
WはOであり;
R1はCF3であり;
各R2は独立してH、ハロゲンまたはC1-C3ハロアルキルであり;
R4はHであり;
R5はR7で置換されたC1-C4アルキルであり;
R7はC2-C7アルキルアミノカルボニル、C3-C9ジアルキルアミノカルボニル、C2-C7ハロアルキルアミノカルボニルまたはC3-C9ジハロアルキルアミノカルボニルであり;
nは2である]および
b)動物の皮膚への塗布に適した薬学的に許容される担体であって、ジメチルイソソルビドを含み、グリコフロールを含まず、プロピレングリコールとグリセロールホルマールの二元混合物ではない、前記担体の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2011年9月12日出願の米国仮出願第61/533,308号の優先権の利益を主張するものであり、参照によりその全体が本願に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本発明は、動物における外部寄生虫および内部寄生虫を駆除するための少なくとも1つのイソオキサゾリン活性薬を含む獣医用局所組成物、外部寄生虫および/または内部寄生虫に対するこれらの組成物の使用ならびに動物への寄生虫の感染および侵入を予防または治療するための方法を提供する。
【背景技術】
【0003】
哺乳動物および鳥などの動物は、多くの場合、寄生虫の侵入/感染を受けやすい。これらの寄生虫は、昆虫などの外部寄生虫ならびに糸状虫および他の寄生虫などの内部寄生虫であることができる。ネコおよびイヌなどの家畜は、多くの場合、以下の外部寄生虫の1以上に寄生される:
-ノミ(例えばクテノケファリデス属種(Ctenocephalides spp.)、例えばクテノケファリデス・フェリス(Ctenocephalides felis)など);
-マダニ(例えばリピケファルス属種(Rhipicephalus spp.)、イクソデス属種(Ixodes spp.)、デルマセンター属種(Dermacentor spp.)、アンブリョマ属種(Amblyoma spp.)など);
-コダニ(例えばデモデクス属種(Demodex spp.)、ザルコプテス属種(Sarcoptes spp.)、オトデクテス属種(Otodectes spp.)など);
-シラミ(例えばトリコデクテス属種(Trichodectes spp.)、ケイレティエラ属種(Cheyletiella spp.)、リグノナツス属種(Lignonathus spp.)など);
-カ(エデス属種(Aedes spp.)、クルクス属種(Culux spp.)、アノフェレス属種(Anopheles spp.)など);ならびに
-ハエ(ヘマトビア属種(Hematobia spp.)、ムスカ属種(Musca spp.)、ストモキス属種(Stomoxys spp.)、デマトビア属種(Dematobia spp.)、コクリオミア属種(Coclyomia spp.)など)。
【0004】
ノミは、動物またはヒトの健康に悪影響をおよぼすばかりでなく、多大な心理的ストレスの原因ともなるので、特に問題である。さらに、ノミは、ヒトおよび動物における病原体、例えばイヌ条虫(ジピリジウム・カニヌム(Dipylidium caninum))の媒介動物でもある。
【0005】
同様に、マダニもまた、動物またはヒトの身体的・精神的健康に有害である。しかしながら、マダニと関連する最も深刻な問題は、マダニがヒトおよび動物の両方における病原体の媒介動物であるということである。マダニによって引き起こされる主要疾患には、ボレリア症(ボレリア・ブルグドルフェリ(Borrelia burgdorferi)によって引き起こされるライム病)、バベシア症(またはバベシア属種(Babesia spp.)によって引き起こされるピロプラズマ症)およびリケッチア症(別名ロッキー山紅斑熱)が含まれる。マダニは、そのうえ、宿主において炎症または麻痺を引き起こす毒素を放出する。これらの毒素は宿主に致死性である。
【0006】
同様に、農場動物もまた寄生虫の侵入を受けやすい。例えば、ウシは多数の寄生虫に襲われる。農場動物の間で大変流行する寄生虫は、リピケファルス(Rhipicephalus)属のマダニ、特にミクロプルス(microplus)種(ウシダニ)、デコロラツス(decoloratus)種およびアンヌラツス(annulatus)種のマダニである。リピケファルス・ミクロプルス(Rhipicephalus microplus)(以前はボーフィルス・ミクロプルス(Boophilus microplus))などのマダニは、農場動物が食う牧草に生息するため、特に駆除するのが困難である。この種のマダニは1宿主性マダニと考えられ、未成熟期と成虫期を同一の動物で過ごし、その後、雌は体腔いっぱい血を吸い、その環境に卵を産むために宿主から離れる。マダニの生活環は、おおよそ3週間から4週間である。リピケファルス・ミクロプルスは、ウシに加えて、スイギュウ、ウマ、ロバ、ヤギ、ヒツジ、シカ、ブタおよびイヌに寄生することができる。動物へのマダニの負荷量が大きいと、生産が減少し、獣皮が傷つけられるばかりでなく、バベシア症(”ウシ熱(cattle fever)”)およびアナプラズマ症などの疾患が寄生原虫によって媒介される恐れがある。
【0007】
動物およびヒトはまた、例えば、条虫類(条虫)、線虫(回虫)および吸虫(扁形動物または吸虫)として分類される一群の寄生虫によって最も頻繁に引き起こされる蠕虫病を含む内部寄生性感染にも苦しむ。これらの寄生虫は、動物の栄養に悪影響をおよぼし、ブタ、ヒツジ、ウマおよびウシに重大な経済的損失を引き起こすばかりでなく、家畜および家禽にも影響をおよぼす。動物およびヒトの消化管に生息する他の寄生虫には、アンシロストマ(Ancylostoma)、ネカトール(Necator)、アスカリス(Ascaris)、ストロンギロイデス(Strongyloides)、トリキネラ(Trichinella)、キャピラリア(Capillaria)、トキソカラ(Toxocara)、トキサスカリス(Toxascaris)、トリキリス(Trichiris)、エンテロビウス(Enterobius)が含まれ、血液または他の組織および器官に見られる寄生虫には、例えば糸状虫ならびに腸管外期のストロギロイデス(Strogyloides)、トキソカラおよびトリキネラが含まれる。
【0008】
最近、イソオキサゾールおよびイソオキサゾリン含有化合物が、動物を害する寄生虫に対して有効であることが明らかにされた。例えば、US2010/0234219Al(DuPontへの)は、外部寄生虫および/または内部寄生虫に対して有効な、下記の式(I)のイソオキサゾリン化合物を開示している。
(I)
さらに、特許出願公開第US 2010/0254960 A1号、第WO 2007/070606 A2号、第WO 2007/123855 A2号、第WO 2010/003923 A1号、第US7951828号 & 第US7662972号、第US 2010/0137372 A1号、第US 2010/0179194 A2号、第US 2011/0086886 A2、第US 2011/0059988 A1号、第US 2010/0179195 A1号および第WO 2007/075459 A2号ならびに米国特許第7,951,828号および第7,662,972号は、種々の他の殺寄生虫性イソオキサゾリン化合物を記載している。第WO 2012/089623号は、グリコフロール(glycofurol)を含む局所限局性イソオキサゾリン製剤を記載している。
【0009】
上記の文書に記載されている、イソオキサゾリン活性薬を単独で、あるいは他の活性薬と組み合わせて含む組成物にもかかわらず、内部寄生虫および/または外部寄生虫に対して動物を保護するための、有効性、バイオアベイラビリティーおよびスペクトル範囲の改善を示す獣医用組成物および方法が求められている。最適の組成物は、接触作用および/または全身作用を提供し、有効であり、作用が速やかに発現し、長い作用時間を有し、動物レシピエントに安全であり、その動物の人間オーナーにも安全であるべきである。本発明は、この要求に取り組むものである。
【0010】
参照による組み込み
前述の出願およびそれに記載されたまたはその出願手続き中に記載されたすべての文書(”出願引用文書”)ならびに出願引用文書に引用または参照されたすべての文書ならびに本明細書に引用または参照されたすべての文書(”本明細書引用文書”)ならびに本明細書引用文書に引用または参照されたすべての文書は、参照により本願に組み込まれる、本明細書または任意の文書に記載された任意の製品に関する製造業者の使用説明書、解説、製品仕様書および製品シートと共に、これによって参照により本願に組み込まれ、本発明の実施に用いることができる。
【0011】
本願におけるいずれの文書の引用または参照も、その文書が本発明の先行技術であることの承認と解釈されるべきではない。
【発明の概要】
【0012】
本発明は、少なくとも1つのイソオキサゾリンを単独で、あるいは他の活性薬と組み合わせて含む局所組成物ならびに温血動物および鳥の内部または外部の寄生虫を駆除するためのそれらの使用に関する。本発明によれば、これらの組成物が、一般に望ましいバイオアベイラビリティーを示し、接触作用および/または全身作用を提供することができることが見出された。本組成物はまた、温血および鳥動物レシピエントに対する望ましい安全性プロフィールを提供する。さらに、このような組成物の単回投与が、一般に、1以上の外部寄生虫に対する強力な作用を提供すると同時に、速やかな作用発現、長い作用時間および/または望ましい安全性プロフィールを提供するのにも役立つことが見出された。
【0013】
本発明は、ネコ、イヌ、ウマ、ニワトリ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、七面鳥およびウシなどの家畜およびペット動物を含む動物(野生動物または家畜の両方)への寄生虫の感染および侵入の治療または予防のための、これらの動物に一般に見られる寄生虫をこれらの宿主から駆除することを目的とするイソオキサゾリン組成物の使用または獣医使用を含む。
【0014】
特に好ましい実施形態において、組成物は局所スポットオン製剤である。家畜動物に特に適切な他の好ましい実施形態において、組成物は局所ポアオン製剤である。本発明はまた、スプレー、エアゾール、フォームなどを含む、イソオキサゾリン活性薬を含む他の局所組成物を含む。
【0015】
いくつかの実施形態において、獣医用局所組成物は、薬学的に許容される担体であって、ジカルボン酸ジエステル、グリコールエステル、グリコールエーテル、脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールもしくはポリエチレングリコールエステル、油、アルコール、グリセロールエステル、グリセロールエーテル、プロピレングリコール、エチレングリコール、炭酸グリコール、ジメチルイソソルビド、N-メチルピロリドンまたはそれらの混合物を含む前記担体を含む。
【0016】
一実施形態において、ジカルボン酸ジエステルは、限定するものではないが、セバシン酸ジエチルまたはアジピン酸ジイソプロピルを含むC6-C16ジカルボン酸ジエステルである。
【0017】
本発明の他の実施形態において、組成物の薬学的に許容される担体は、ジカルボン酸ジエステルの混合物およびプロピレングリコールエステル、脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールエステル、ポリエチレングリコール、油、C6-C20長鎖脂肪族アルコール、C1-C8アルコール、グリコールエーテル、またはそれらの組み合わせを含む。
【0018】
特定の実施形態において、本発明の獣医用局所組成物の薬学的に許容される担体は、ショ糖と酢酸とイソ酪酸の混合エステル、低融点ワックス、ハードファット(hard fat)もしくはエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロック共重合体、またはそれらの組み合わせをさらに含む。
【0019】
他の実施形態において、薬学的に許容される担体は、ジメチルイソソルビド、グリセロールホルマール、炭酸プロピレン、トリアセチン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコール400もしくはベンジルアルコールまたはそれらの混合物を含む。
【0020】
本発明はまた、少なくとも1つのイソオキサゾリンを含む組成物の有効量を動物に投与することを含む、動物への寄生虫の感染および侵入の治療または予防ための方法を提供する。驚くべきことに、本発明の組成物および本明細書に記載の製剤は、当該技術分野で公知の組成物と比較して、有害な外部寄生虫に対するきわめて広域のスペクトルの有効性を、より速やかに長時間にわたって示すことが見出された。
【0021】
一実施形態において、本発明は、組み合わせでの以下の式(I)の少なくとも1つのイソオキサゾリンの有効量および薬学的または獣医学的に許容される液体担体を含む獣医用局所組成物を提供する(式中、変数A1、A2、A3、A4、A5、A6、B1、B2、B3、R1、R2、R3、R4、R5、Wは本明細書で定義されている)。
(I)
【0022】
いくつかの実施形態において、獣医用局所組成物および方法は、活性薬として4-[5-[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-N-[2-オキソ-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]エチル]-1-ナフタレンカルボキサミドを含む。
【0023】
他の実施形態において、組成物は1以上の追加の活性薬をさらに含むことができる。一実施形態において、組成物は、限定するものではないが、アベルメクチンまたはミルベマイシンを含む少なくとも1つの大環状ラクトン活性薬を含む。いくつかの実施形態において、アベルメクチンもしくはミルベマイシン活性薬は、エプリノメクチン、イベルメクチン、セラメクチン、ミルベメクチン、ミルベマイシンD、ミルベマイシンオキシムまたはモキシデクチンである。
【0024】
他の実施形態において、本発明の局所組成物は、イソオキサゾリン活性薬とネオニコチノイド活性薬ニテンピラムとの組み合わせを含む。
【0025】
他の実施形態において、本発明の組成物および方法は、メトプレン、ピリプロキシフェン、ヒドロプレン、シロマジン、フルアズロン、ルフェヌロンまたはノバルロンを含むがこれに限定されない昆虫成長制御剤(IGR)活性薬をさらに含むことができる。他の好ましい実施形態において、本発明の組成物は、ニテンピラムなどのネオニコチノイド活性薬を含むことができる。他の実施形態において、組成物および方法は、チアベンダゾール、オキシベンダゾール、メベンダゾール、フェンベンダゾール、オキシフェンダゾール、アルベンダゾール、トリクラベンダゾール、フェバンテル、レバミゾール、ピランテル、モランテル、プラジカンテル、クロサンテル、クロルスロン、アミノアセトニトリル活性薬またはアリーロアゾール-2-イルシアノエチルアミノ活性薬の少なくとも1つを含む。
【0026】
従来知られている製品、その製品の製造プロセスまたはその製品の使用方法をなんら本発明に包含しないことは本発明の目的であり、従って出願人はその権利を留保し、これによって従来知られている製品、プロセスまたは方法の権利の放棄を開示する。さらにまた、本発明は、USPTO(35 U.S.C. §112、第1パラグラフ)またはEPO(EPC83条)の記載要件および実施可能要件に適合しない製品、プロセス、製品の製造方法または製品の使用方法を本発明の範囲に含むことを意図するものではなく、従って、出願人はその権利を留保し、これによって前述の製品、その製品の製造プロセスまたはその製品の使用方法の権利の放棄を開示することに注意されたい。
【0027】
これらおよび他の実施形態は、以下の詳細な説明によって開示され、またはそれらから明らかになり、かつそれらに含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】ネコにおけるクテノケファリデス・フェリスノミに対する化合物Aを含むスポットオン組成物の長期持続性効果を示すプロットである(実施例9)。
図2】落下したマダニ数に基づく、ウシにおけるリピケファルス(ボーフィルス)・ミクロプルスに対する化合物Aを含むポアオン組成物の長期持続性効果を示すプロットである(実施例15)。
図3】落下したマダニの体重に基づく、ウシにおけるリピケファルス(ボーフィルス)・ミクロプルスの体重に対する化合物Aを含むポアオン組成物の長期持続性効果を示すプロットである(実施例15)。
【発明を実施するための形態】
【0029】
発明の詳細な説明
本発明は、動物への局所投与に適した薬学的に許容される担体または希釈剤と共に少なくとも1つのイソオキサゾリン化合物を含む新規かつ発明的な局所組成物を提供する。
【0030】
本発明のいくつかの実施形態において、組成物は、好ましくは、動物の限局性部位に塗布されるスポットオン製剤またはポアオン製剤を含む。一般的には活性薬を低濃度で含む局所スプレー、エアゾールまたはフォーム製剤もまた本発明に含まれる。驚くべきことに、これらの製剤は、寄生虫に対する動物の効果的な防御を長期間提供する。これらの製剤はまた、動物に侵入している寄生虫のきわめて迅速な殺傷をもたらす。
【0031】
本発明の製剤の有効量を動物に投与することを含む、動物への寄生虫の感染および侵入の治療および/または予防のための方法および使用もまた提供される。
【0032】
本発明は、少なくとも以下の特徴を含む:
(a)少なくとも1つのイソオキサゾリン活性薬を、動物への局所投与に適した薬学的に許容される担体または希釈剤と共に含む、動物寄生虫に対する優れた作用を示す獣医用局所製剤;
(b)動物への局所投与に適した薬学的に許容される担体または希釈剤と共に本明細書に記載の少なくとも1つの式(I)のイソオキサゾリン化合物を含む、優れた長期持続性効果を示す獣医用局所組成物;
(c)少なくとも1つのイソオキサゾリン活性薬を、1以上の他の活性薬と組み合わせて、動物への局所投与に適した薬学的に許容される担体または希釈剤と共に含む、優れた長期持続性効果を示す獣医用局所組成物;
(d)イソオキサゾリン活性薬の有効量を、動物への局所投与に適した薬学的に許容される担体または希釈剤と共に含む獣医用局所組成物であって、前記担体がグリコフロールを含まない前記組成物;
(e)イソオキサゾリン活性薬の有効量を、動物への局所投与に適した薬学的に許容される担体または希釈剤と共に含む獣医用局所組成物であって、前記担体がプロピレングリコールとグリセロールホルマールの二元混合物ではない前記組成物;
(f)動物における寄生虫の感染および侵入を治療または予防するための方法であって、少なくとも1つのイソオキサゾリン活性薬を、薬学的に許容される担体または希釈剤と共に含む組成物の有効量を投与することを含む前記方法;
(g)動物における寄生虫の感染および侵入を治療または予防するための方法であって、少なくとも1つのイソオキサゾリン活性薬を、動物への局所投与に適した薬学的に許容される担体または希釈剤と共に含む組成物の有効量を投与することを含む前記方法;
(h)動物における寄生虫の感染および侵入を治療または予防するための方法であって、少なくとも1つのイソオキサゾリン活性薬を、1以上の他の活性薬と組み合わせて、動物への局所投与に適した薬学的に許容される担体または希釈剤と共に含む局所組成物の有効量を投与することを含む前記方法;
(i)薬学的に許容される担体または希釈剤と共に動物寄生虫の予防または治療における、式(I)の化合物を含む少なくとも1つのイソオキサゾリン化合物を含む獣医用組成物の使用。
【0033】
本開示および特許請求の範囲において、用語”含む(comprises)”、”含んでいる(comprising)”、”含んでいる(containing)”および”有している(having)”などは、米国特許法でそれらに与えられた意味を有することができ、”含む(includes)”、”含んでいる(including)”などを意味することができる。同様に、”本質的に〜からなっている(consisting essentially of)”または”本質的に〜からなる(consists essentially)”は、米国特許法において与えられた意味を有する。この用語はオープンエンドであり、記載事項の基本的または新規特性が記載事項を超える存在によって変えられない限りは、記載事項を超える存在を許容するが、先行技術の実施形態は排除する。
【0034】
定義
本明細書で用いられる用語は、特記しない限り、当該技術分野で通常使用される意味を有する。式(I)の可変基の定義において言及される有機基は、用語ハロゲンと同様に、個々の基員の個別のリストのための総称である。接頭語Cn-Cmは、いずれの場合にも、該基における可能な炭素原子数を示す。
【0035】
本明細書において、用語”動物”は、すべての哺乳動物、鳥および魚を含み、すべての脊椎動物を含むように用いられる。動物は、限定するものではないが、ネコ、イヌ、ウシ、ニワトリ、ウシ、シカ、ヤギ、ウマ、ラマ、ブタ、ヒツジおよびヤクを含む。動物はまた、胚期および胎児期を含むすべての発育段階における個々の動物を含む。いくつかの実施形態において、動物は非ヒト動物である。
【0036】
用語”脂肪酸”は、4〜26炭素原子を有するカルボン酸のことをいう。
【0037】
用語”脂肪アルコール”または”長鎖脂肪族アルコール”は、6〜20炭素原子を含む脂肪族アルコールを指す。
【0038】
用語”低融点”とは、室温では固形物であるが、50℃未満で液体に融解する物質のことをいう。
【0039】
用語”アルキル”とは、1〜20原子を有するものを含む飽和直鎖、分枝鎖、環式、第一級、第二級または第三級炭化水素のことをいう。いくつかの実施形態において、アルキル基はC1-C12、C1-C10、C1-C8、C1-C6またはC1-C4アルキル基を含む。C1-C10アルキルの例は、限定するものではないが、メチル、エチル、プロピル、1-メチルエチル、ブチル、1-メチルプロピル、2-メチルプロピル、1,1-ジメチルエチル、ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、ヘキシル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,2,2-トリメチルプロピル、1-エチル-1-メチルプロピル、1-エチル-2-メチルプロピル、ヘプチル、オクチル、2-エチルヘキシル、ノニルおよびデシルならびにそれらの異性体を含む。例えば、C1-C4-アルキルは、メチル、エチル、プロピル、1-メチルエチル、ブチル、1-メチルプロピル、2-メチルプロピルまたは1,1-ジメチルエチルを意味する。
【0040】
環式アルキル基または”シクロアルキル”は、アルキルに含まれるが、3〜10炭素原子を有し、単環または多縮合環を有するものを含む。いくつかの実施形態において、シクロアルキル基はC4-C7またはC3-C4環式アルキル基を含む。限定するものではないシクロアルキル基の例は、アダマンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどを含む。
【0041】
本明細書に記載のアルキル基は、本発明の化合物の生物活性を阻害せず、保護されていないか、または必要に応じて、当業者に公知の方法で、例えばGreene, et al., Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, Third Edition, 1999 (参照により本願に組み込まれる)の教示に従って保護されている、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、カルボキシル、アシル、アシルオキシ、アミノ、アルキルもしくはジアルキルアミノ、アミド、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、アジド、チオール、イミノ、スルホン酸、スルファート、スルホニル、スルファニル、スルフィニル、スルファモニル、エステル、ホスホニル、ホスフィニル、ホスホリル、ホスフィン、チオエステル、チオエーテル、酸ハロゲン化物、無水物、オキシム、ヒドラジン、カルバメート、リン酸、ホスファート、ホスホナートまたは任意の他の官能基からなる群から選択される1以上の基によって置換されていなくてもよく、置換されていてもよい。
【0042】
用語”アルキル”を含む用語、例えば”アルキルシクロアルキル”、”シクロアルキルアルキル”、”アルキルアミノ”または”ジアルキルアミノ”は、当業者に理解されるように、他の官能基に結合した上記で定義したアルキル基であって、記載された最後の基を介して化合物に結合される前記基を含むと解釈される。
【0043】
用語”アルケニル”は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する直鎖および分枝鎖炭素鎖の両方のことをいう。いくつかの実施形態において、アルケニル基はC2-C20アルケニル基を含むことができる。他の実施形態において、アルケニルは、C2-C12、C2-C10、C2-C8、C2-C6またはC2-C4アルケニル基を含む。アルケニルの一実施形態において、二重結合の数は1〜3である。アルケニルの他の実施形態において、二重結合の数は1または2である。分子のアルケニル基の位置に応じて、炭素−炭素二重結合および炭素数の他の範囲もまた考えられる。”C2-C10アルケニル”基は、その鎖内に2以上の二重結合を含むことができる。例には、限定するものではないが、エテニル、1−プロペニル、2-プロペニル、1-メチルエテニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1-メチル-1−プロペニル、2-メチル-1−プロペニル、1-メチル-2-プロペニル、2-メチル-2-プロペニル;1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、4-ペンテニル、1-メチル-1-ブテニル、2-メチル-1-ブテニル、3-メチル-1-ブテニル、1-メチル-2-ブテニル、2-メチル-2-ブテニル、3-メチル-2-ブテニル、1-メチル-3-ブテニル、2-メチル-3-ブテニル、3-メチル-3-ブテニル、1,1-ジメチル-2-プロペニル、1,2-ジメチル-1−プロペニル、1,2-ジメチル-2-プロペニル、1-エチル-1−プロペニル、1-エチル-2-プロペニル、1-ヘキセニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、4-ヘキセニル、5-ヘキセニル、1-メチル-1-ペンテニル、2-メチル-1-ペンテニル、3-メチル-1-ペンテニル、4-メチル-1-ペンテニル、1-メチル-2-ペンテニル、2-メチル-2-ペンテニル、3-メチル-2-ペンテニル、4-メチル-2-ペンテニル、1-メチル-3-ペンテニル、2-メチル-3-ペンテニル、3-メチル-3-ペンテニル、4-メチル-3-ペンテニル、1-メチル-4-ペンテニル、2-メチル-4-ペンテニル、3-メチル-4-ペンテニル、4-メチル-4-ペンテニル、1,1-ジメチル-2-ブテニル、1,1-ジメチル-3-ブテニル、1,2-ジメチル-1-ブテニル、1,2-ジメチル-2-ブテニル、1,2-ジメチル-3-ブテニル、1,3-ジメチル-1-ブテニル、1,3-ジメチル-2-ブテニル、1,3-ジメチル-3-ブテニル、2,2-ジメチル-3-ブテニル、2,3-ジメチル-1-ブテニル、2,3-ジメチル-2-ブテニル、2,3-ジメチル-3-ブテニル、3,3-ジメチル-1-ブテニル、3,3-ジメチル-2-ブテニル、1-エチル-1-ブテニル、1-エチル-2-ブテニル、1-エチル-3-ブテニル、2-エチル-1-ブテニル、2-エチル-2-ブテニル、2-エチル-3-ブテニル、1,1,2-トリメチル-2-プロペニル、1-エチル-1-メチル-2-プロペニル、1-エチル-2-メチル-1−プロペニルおよび1-エチル-2-メチル-2-プロペニルが含まれる。
【0044】
”アルキニル”は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する直鎖および分枝鎖炭素鎖の両方のことをいう。アルキニルの一実施形態において、三重結合の数は1〜3である。アルキニルの他の実施形態において、三重結合の数は1または2である。いくつかの実施形態において、アルキニル基はC2-C20アルキニル基を含む。他の実施形態において、アルキニル基はC2-C12、C2-C10、C2-C8、C2-C6またはC2-C4アルキニル基を含むことができる。分子のアルケニル基の位置に応じて、炭素−炭素三重結合および炭素数の他の範囲もまた考えられる。例えば、本明細書において、用語”C2-C10アルキニル”は、2〜10炭素原子を有し、少なくとも1つの三重結合を含む直鎖または分枝鎖不飽和炭化水素基、例えばエチニル、プロプ-1-イン-1-イル、プロプ-2-イン-1-イル、n-ブト-1-イン-1-イル、n-ブト-1-イン-3-イル、n-ブト-1-イン-4-イル、n-ブト-2-イン-1-イル、n-ペント-1-イン-1-イル、n-ペント-1-イン-3-イル、n-ペント-1-イン-4-イル、n-ペント-1-イン-5-イル、n-ペント-2-イン-1-イル、n-ペント-2-イン-4-イル、n-ペント-2-イン-5-イル、3-メチルブト-1-イン-3-イル、3-メチルブト-1-イン-4-イル、n-ヘキシ-1-イン-1-イル、n-ヘキシ-1-イン-3-イル、n-ヘキシ-1-イン-4-イル、n-ヘキシ-1-イン-5-イル、n-ヘキシ-1-イン-6-イル、n-ヘキシ-2-イン-1-イル、n-ヘキシ-2-イン-4-イル、n-ヘキシ-2-イン-5-イル、n-ヘキシ-2-イン-6-イル、n-ヘキシ-3-イン-1-イル、n-ヘキシ-3-イン-2-イル、3-メチルペント-1-イン-1-イル、3-メチルペント-1-イン-3-イル、3-メチルペント-1-イン-4-イル、3-メチルペント-1-イン-5-イル、4-メチルペント-1-イン-1-イル、4-メチルペント-2-イン-4-イルまたは4-メチルペント-2-イン-5-イルなどのことをいう。
【0045】
用語”ハロアルキル”は、1以上のハロゲン原子によって置換された本明細書に記載のアルキル基のことをいう。例えば、C1-C4ハロアルキルは、限定するものではないが、クロロメチル、ブロモメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、1-クロロエチル、1-ブロモエチル、1-フルオロエチル、2-フルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2-クロロ-2-フルオロエチル、2-クロロ-2,2-ジフルオロエチル、2,2-ジクロロ-2-フルオロエチル、2,2,2-トリクロロエチル、ペンタフルオロエチルなどを含む。
【0046】
用語”ハロアルケニル”は、1以上のハロゲン原子によって置換された本明細書に記載のアルケニル基のことをいう。
【0047】
用語”ハロアルキニル”は、1以上のハロゲン原子によって置換された本明細書に記載のアルキニル基のことをいう。
【0048】
”アルコキシ”は、アルキル-O-のことをいい、ここでアルキルは上記で定義された通りである。同様に、用語”アルケニルオキシ”、”アルキニルオキシ”、”ハロアルコキシ”、”ハロアルケニルオキシ”、”ハロアルキニルオキシ”、”シクロアルコキシ”、”シクロアルケニルオキシ”、”ハロシクロアルコキシ”および”ハロシクロアルケニルオキシ”は、それぞれアルケニル-O-、アルキニル-O-、ハロアルキル-O-、ハロアルケニル-O-、ハロアルキニル-O-、シクロアルキル-O-、シクロアルケニル-O-、ハロシクロアルキル-O-およびハロシクロアルケニル-O-基を指し、ここでアルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ハロシクロアルキルおよびハロシクロアルケニルは上記で定義された通りである。C1-C6アルコキシの例は、限定するものではないが、メトキシ、エトキシ、C2H5-CH2O-、(CH3)2CHO-、n-ブトキシ、C2H5-CH(CH3)O-、(CH3)2CH-CH2O-、(CH3)3CO-、n-ペントキシ、1-メチルブトキシ、2-メチルブトキシ、3-メチルブトキシ、1,1-ジメチルプロポキシ、1,2-ジメチルプロポキシ、2,2-ジメチル-プロポキシ、1-エチルプロポキシ、n-ヘキソキシ、1-メチルペントキシ、2-メチルペントキシ、3-メチルペントキシ、4-メチルペントキシ、1,1-ジメチルブトキシ、1,2-ジメチルブトキシ、1,3-ジメチルブトキシ、2,2-ジメチルブトキシ、2,3-ジメチルブトキシ、3,3-ジメチルブトキシ、1-エチルブトキシ、2-エチルブトキシ、1,1,2-トリメチルプロポキシ、1,2,2-トリメチルプロポキシ、1-エチル-1-メチルプロポキシ、1-エチル-2-メチルプロポキシなどを含む。
【0049】
用語”アルキルチオ”は、アルキル-S-のことをいい、ここでアルキルは上記で定義された通りである。同様に、用語”ハロアルキルチオ”、”シクロアルキルチオ”などは、ハロアルキル-S-およびシクロアルキル-S-を指し、ここでハロアルキルおよびシクロアルキルは上記で定義された通りである。
【0050】
用語”アルキルスルフィニル”は、アルキル-S(O)-のことをいい、ここでアルキルは上記で定義された通りである。同様に、用語”ハロアルキルスルフィニル”は、ハロアルキル-S(O)-のことをいい、ここでハロアルキルは上記で定義された通りである。
【0051】
用語”アルキルスルホニル”は、アルキル-S(O)2-のことをいい、ここでアルキルは上記で定義された通りである。同様に、用語”ハロアルキルスルホニル”はハロアルキル-S(O)2-のことをいい、ここでハロアルキルは上記で定義された通りである。
【0052】
用語アルキルアミノおよびジアルキルアミノはアルキル-NH-および(アルキル)2N-を指し、ここでアルキルは上記で定義された通りである。同様に、用語”ハロアルキルアミノ”はハロアルキル-NH-のことをいい、ここでハロアルキルは上記で定義された通りである。
【0053】
用語”アルキルカルボニル”、”アルコキシカルボニル”、”アルキルアミノカルボニル”および”ジアルキルアミノカルボニル”は、アルキル-C(O)-、アルコキシ-C(O)-、アルキルアミノ-C(O)-およびジアルキルアミノ-C(O)-を指し、ここでアルキル、アルコキシ、アルキルアミノおよびジアルキルアミノは上記で定義された通りである。同様に、用語”ハロアルキルカルボニル”、”ハロアルコキシカルボニル”、”ハロアルキルアミノカルボニル”および”ジハロアルキルアミノカルボニル”は、ハロアルキル-C(O)-、ハロアルコキシ-C(O)-、ハロアルキルアミノ-C(O)-およびジハロアルキルアミノ-C(O)-基を指し、ここでハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキルアミノおよびジハロアルキルアミノは上記で定義された通りである。
【0054】
”アリール”は、単環式環または多縮合環を有する6〜14炭素原子の一価の芳香族炭素環式基のことをいう。いくつかの実施形態において、アリール基はC6-C10アリール基を含む。アリール基は、限定するものではないが、フェニル、ビフェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、フェニルシクロプロピルおよびインダニルを含む。アリール基は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、ハロシクロアルキル、ハロシクロアルケニル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、ハロアルコキシ、ハロアルケニルオキシ、ハロアルキニルオキシ、シクロアルコキシ、シクロアルケニルオキシ、ハロシクロアルコキシ、ハロシクロアルケニルオキシ、アルキルチオ、ハロアルキルチオ、シクロアルキルチオ、ハロシクロアルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキニルスルフィニル、アルキニルスルフィニル、ハロアルキルスルフィニル、ハロアルキニルスルフィニル、ハロアルキニルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルケニルスルフィニル、アルキニルスルホニル、ハロアルキルスルホニル、ハロアルケニルスルホニル、ハロアルキニルスルホニル、アルキルアミノ、アルケニルアミノ、アルキニルアミノ、ジ(アルキル)アミノ、ジ(アルケニル)アミノ、ジ(アルキニル)アミノまたはトリアルキルシリルから選択される1以上の基によって置換されていなくてもよく、置換されていてもよい。
【0055】
用語”アラルキル”または”アリールアルキル”は、ジラジカルアルキレン架橋、(-CH2-)nによって親化合物に結合されているアリール基のことをいい、ここでnは1〜12であり、”アリール”は上記で定義された通りである。
【0056】
”ヘテロアリール”は、環内に1以上の酸素、窒素および硫黄ヘテロ原子を有し、好ましくは1〜4ヘテロ原子または1〜3ヘテロ原子を有する、1〜15炭素原子の、好ましくは1〜10炭素原子の一価の芳香族基のことをいう。窒素および硫黄ヘテロ原子は、場合により酸化されていることができる。このようなヘテロアリール基は、結合部位がヘテロアリール環原子である単環式環(例えばピリジルもしくはフリル)または多縮合環を有することができる。好ましいヘテロアリールはピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、ピロリル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、キノキサリンニル、フラニル、チオフェニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリルベンゾフラニルおよびベンゾチオフェニルを含む。ヘテロアリール環は、上記でアリールに関して記載されている1以上の基によって置換されていなくてもよく、置換されていてもよい。
【0057】
”ヘテロシクリル”、”複素環”または”ヘテロシクロ”は、環内に1以上の酸素、窒素および硫黄ヘテロ原子を有し、好ましくは1〜4ヘテロ原子または1〜3ヘテロ原子を有する、完全飽和または不飽和の環状基、例えば、3〜7員単環式もしくは4〜7員単環式;7〜11員二環式、または10〜15員三環式環系を指す。窒素および硫黄ヘテロ原子は、場合により酸化されていることができ、窒素へテロ原子は場合により四級化されていることができる。複素環基は、該環または環系の任意のヘテロ原子または炭素原子において結合されていることができ、上記のアリール基に関して記載された1以上の基によって置換されていてもよく、置換されていなくてもよい。
【0058】
例示的な単環式複素環基は、限定するものではないが、ピロリジニル、ピロリル、ピラゾリル、オキセタニル、ピラゾリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、フリル、テトラヒドロフリル、チエニル、オキサジアゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、2-オキソピペラジニル、2-オキソピペリジニル、2-オキソピロロジニル、2-オキソアゼピニル、アゼピニル、4-ピペリドニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、1,3-ジオキソランおよびテトラヒドロ-1,1-ジオキソチエニル、トリアゾリル、トリアジニルなどを含む。
【0059】
例示的な二環式複素環基は、限定するものではないが、インドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾチエニル、キヌクリジニル、キノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピラニル、インドリジニル、ベンゾフリル、クロモニル、クマリニル、ベンゾピラニル、シンノリニル、キノキサリニル、インダゾリル、ピロロピリジル、フロピリジニル(例えばフロ[2,3-c]ピリジニル、フロ[3,2-b]ピリジニル]またはフロ[2,3-b]ピリジニル)、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロキナゾリニル(例えば3,4-ジヒドロ-4-オキソキナゾリニル)、テトラヒドロキノリニルなどを含む。
【0060】
例示的な三環式複素環基は、カルバゾリル、ベンジドリル、フェナントロリニル、アクリジニル、フェナントリジニル、キサンテニルなどを含む。
【0061】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素原子を意味する。”ハロ”という名称(例えば用語ハロアルキルで示されるような)は、単一置換からペルハロ置換までの置換度を指す(例えば、メチルを例にとれば、クロロメチル(-CH2Cl)、ジクロロメチル(-CHCl2)、トリクロロメチル(-CCl3)など)。
【0062】
立体異性体および多型体
本発明の組成物内の特定の化合物は、光学活性体およびラセミ体として存在し、単離されることができることは、当業者には明らかであろう。1以上のキラル中心を有する化合物は、硫黄原子におけるキラル中心を含めて、単一のエナンチオマーもしくはジアステレオマーまたはエナンチオマーおよび/もしくはジアステレオマーの混合物として存在することができる。例えば、スルホキシド化合物は光学活性であることができ、単一のエナンチオマーとして存在することもできるし、ラセミ混合物として存在することができることは当該分野で公知である。さらに、本発明の組成物内の化合物は、理論上の数の光学活性異性体をもたらす1以上のキラル中心を含むことができる。本発明の組成物内の化合物がn個のキラル中心を含む場合、該化合物は2n個までの光学異性体を含むことができる。本発明は、各化合物の特定のエナンチオマーまたはジアステレオマーを含むばかりでなく、本明細書に記載の有用な特性を有する本発明の化合物の異なるエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーの混合物もまた含む。光学活性体は、例えば、選択的結晶化技術によるラセミ体の分割、光学活性前駆体からの合成、キラル合成、キラル固定相を用いるクロマトグラフィー分離または酵素的分割によって製造することができる。
【0063】
本発明の組成物内の化合物は、種々の個体形、例えば種々の結晶形または非晶質固体の形態で存在することもできる。本発明は、発明化合物の種々の結晶形ばかりでなく、非晶質形もまた含む。
【0064】
さらに、本発明の組成物内の化合物は、その結晶形においてその分子と特定の化学量論量の水または溶媒が会合している水和物または溶媒和物として存在することができる。本発明の組成物は、活性薬の水和物および溶媒和物を含むことができる。いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、特定の固体形の15%(w/w)まで、20%(w/w)まで、30%(w/w)までを含むことができる。
【0065】

適切な場合には、本明細書に記載の本発明の化合物の酸塩または塩基塩もまた本発明の範囲内であると考えられる。
【0066】
用語”酸塩”は、該化合物とすべての薬学的に許容される無機酸または有機酸との塩を考える。無機酸は、鉱酸、例えばハロゲン化水素酸(例えば臭化水素酸および塩酸)、硫酸、リン酸ならびに硝酸を含む。有機酸は、すべての薬学的に許容される脂肪族、脂環式および芳香族カルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸ならびに脂肪酸を含む。酸の一実施形態において、酸は、ハロゲンまたはヒドロキシル基またはC6-C12芳香族カルボン酸によって置換されていてもよい直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和のC1-C20脂肪族カルボン酸である。このような酸の例は、炭酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、イソプロピオン酸、吉草酸、α-ヒドロキシ酸、例えばグリコール酸および乳酸、クロロ酢酸、安息香酸、メタンスルホン酸ならびにサリチル酸である。ジカルボン酸の例は、シュウ酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸およびマレイン酸を含む。トリカルボン酸の例はクエン酸である。脂肪酸は、4〜24炭素原子を有する、すべての薬学的に許容される飽和または不飽和の脂肪族または芳香族カルボン酸を含む。例は、酪酸、イソ酪酸、sec-酪酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸およびフェニルステル酸を含む。他の酸は、グルコン酸、グリコヘプトン酸およびラクトビオン酸を含む。
【0067】
用語”塩基塩”は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩または重炭酸塩を含む、すべての薬学的に許容される無機または有機塩基と該化合物との塩を考える。このような塩基によって形成される塩は、例えば、アルカリ金属塩およびアルカリ土塁金属塩を含み、限定するものではないがリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウムまたはカルシウム塩などを含む。有機塩基によって形成される塩は、通常の炭化水素および複素環アミン塩を含むが、これらは、例えば、アンモニウム塩(NH4+)、アルキルおよびジアルキルアンモニウム塩ならびに環状アミンの塩、例えばモルホリン塩およびピペリジン塩を含む。
【0068】
一実施形態において、本発明は、組み合わせでの以下の式(I)の少なくとも1つのイソオキサゾリンの有効量および薬学的または獣医学的に許容される液体担体を含む獣医用局所組成物を提供する:
(I)
[式中、
A1、A2、A3、A4、A5およびA6は独立してCR3またはNであり、ここでA1、A2、A3、A4、A5およびA6のうち多くて3つはNであり;
B1、B2およびB3は独立してCR2またはNであり;
WはOまたはSであり;
R1はアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキルまたはシクロアルキルアルキルであり、それぞれR6から独立して選択される1以上の置換基で置換されていてもよく;
各R2は独立してH、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロアルキルチオ、アルキルスルフィニル、ハロアルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルホニル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシカルボニル、−CNまたは−NO2であり;
各R3は独立してH、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ハロシクロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロアルキルチオ、アルキルスルフィニル、ハロアルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルホニル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、−CNまたは−NO2であり;
R4はH、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルキルカルボニルまたはアルコキシカルボニルであり;
R5はH、OR10、NR11R12またはQ1あるいはアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキルまたはシクロアルキルアルキルであり、それぞれR7から独立して選択される1以上の置換基で置換されていてもよく;あるいは
R4およびR5は、それらが結合している窒素と一緒になって、2〜6炭素原子ならびに場合によりN、SおよびOからなる群から選択される1つのさらなる原子を含む環を形成し、
前記環はアルキル、ハロゲン、−CN、−NO2およびアルコキシからなる群から独立して選択される1〜4置換基で置換されていてもよく;
各R6は独立してハロゲン、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、−CNまたは−NO2であり;
各R7は独立してハロゲン;アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、ハロアルキルカルボニル、ハロアルコキシカルボニル、ハロアルキルアミノカルボニル、ジハロアルキルアミノカルボニル、ヒドロキシ、−NH2、−CNまたは−NO2;あるいはQ2であり;
各R8は独立してハロゲン、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロアルキルチオ、アルキルスルフィニル、ハロアルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルホニル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシカルボニル、−CNまたは−NO2であり;
各R9は独立してハロゲン、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ハロシクロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ハロアルキルチオ、アルキルスルフィニル、ハロアルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルホニル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、−CN、−NO2、フェニルまたはピリジニルであり;
R10はH;あるいはアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキルまたはシクロアルキルアルキルであり、それぞれ1以上のハロゲンで置換されていてもよく;
R11はH、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルキルカルボニルまたはアルコキシカルボニルであり;
R12はH;Q3;あるいはアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルキルシクロアルキルまたはシクロアルキルアルキルであり、それぞれR7から独立して選択される1以上の置換基で置換されていてもよく;あるいは
R11およびR12は、それらが結合している窒素と一緒になって、2〜6炭素原子ならびに場合によりN、SおよびOからなる群から選択される1つのさらなる原子を含む環を形成し、前記環は、アルキル、ハロゲン、−CN、−NO2およびアルコキシからなる群から独立して選択される1〜4置換基で置換されていてもよく;
Q1はフェニル環、5〜6員複素環または、場合により最大1つのO、最大1つのSおよび最大3つのNから選択される1〜3ヘテロ原子を含む8、9もしくは10員縮合二環系であり、各環または環系は、R8から独立して選択される1以上の置換基で置換されていてもよく;
各Q2は独立してフェニル環または5〜6員複素環であり、各環はR9から独立して選択される1以上の置換基で置換されていてもよく;
Q3はフェニル環または5〜6員複素環であり、各環はR9から独立して選択される1以上の置換基で置換されていてもよく;
nは0、1または2である]。
【0069】
一実施形態において、本発明は、組み合わせでの以下の式(I)の少なくとも1つのイソオキサゾリンの有効量および薬学的または獣医学的に許容される液体担体を含む獣医用局所組成物を提供する:
(I)
[式中、
A1、A2、A3、A4、A5およびA6は独立してCR3またはNであり、ここでA1、A2、A3、A4、A5およびA6のうち多くて3つはNであり;
B1、B2およびB3は独立してCR2またはNであり;
WはOまたはSであり;
R1はC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7アルキルシクロアルキルまたはC4-C7シクロアルキルアルキルであり、それぞれR6から独立して選択される1以上の置換基で置換されていてもよく;
各R2は独立してH、ハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6ハロアルコキシ、C1-C6アルキルチオ、C1-C6ハロアルキルチオ、C1-C6アルキルスルフィニル、C1-C6ハロアルキルスルフィニル、C1-C6アルキルスルホニル、C1-C6ハロアルキルスルホニル、C1-C6アルキルアミノ、C2-C6ジアルキルアミノ、C2-C4アルコキシカルボニル、−CNまたは−NO2であり;
各R3は独立してH、ハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、C3-C6シクロアルキル、C3-C6ハロシクロアルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6ハロアルコキシ、C1-C6アルキルチオ、C1-C6ハロアルキルチオ、C1-C6アルキルスルフィニル、C1-C6ハロアルキルスルフィニル、C1-C6アルキルスルホニル、C1-C6ハロアルキルスルホニル、C1-C6アルキルアミノ、C2-C6ジアルキルアミノ、−CNまたは−NO2であり;
R4はH、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7アルキルシクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、C2-C7アルキルカルボニルまたはC2-C7アルコキシカルボニルであり;
R5はH、OR10、NR11R12またはQ1;あるいはC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7アルキルシクロアルキルまたはC4-C7シクロアルキルアルキルであり、それぞれR7から独立して選択される1以上の置換基で置換されていてもよく;あるいは
R4およびR5は、それらが結合している窒素と一緒になって、2〜6炭素原子ならびに場合によりN、SおよびOからなる群から選択される1つのさらなる原子を含む環を形成し、前記環はC1-C2アルキル、ハロゲン、−CN、−NO2およびC1-C2アルコキシからなる群から独立して選択される1〜4置換基で置換されていてもよく;
各R6は独立してハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6アルキルチオ、C1-C6アルキルスルフィニル、C1-C6アルキルスルホニル、−CNまたは−NO2であり;
各R7は独立してハロゲン;C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6アルキルチオ、C1-C6アルキルスルフィニル、C1-C6アルキルスルホニル、C1-C6アルキルアミノ、C2-C8ジアルキルアミノ、C3-C6シクロアルキルアミノ、C2-C7アルキルカルボニル、C2-C7アルコキシカルボニル、C2-C7アルキルアミノカルボニル、C3-C9ジアルキルアミノカルボニル、C2-C7ハロアルキルカルボニル、C2-C7ハロアルコキシカルボニル、C2-C7ハロアルキルアミノカルボニル、C3-C9ジハロアルキルアミノカルボニル、ヒドロキシ、−NH2、−CNまたは−NO2;あるいはQ2であり;
各R8は独立してハロゲン、C1-C6アルコキシ、C1-C6ハロアルコキシ、C1-C6アルキルチオ、C1-C6ハロアルキルチオ、C1-C6アルキルスルフィニル、C1-C6ハロアルキルスルフィニル、C1-C6アルキルスルホニル、C1-C6ハロアルキルスルホニル、C1-C6アルキルアミノ、C2-C6ジアルキルアミノ、C2-C4アルコキシカルボニル、−CNまたは−NO2であり;
各R9は独立してハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、C3-C6シクロアルキル、C3-C6ハロシクロアルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6ハロアルコキシ、C1-C6アルキルチオ、C1-C6ハロアルキルチオ、C1-C6アルキルスルフィニル、C1-C6ハロアルキルスルフィニル、C1-C6アルキルスルホニル、C1-C6ハロアルキルスルホニル、C1-C6アルキルアミノ、C2-C6ジアルキルアミノ、−CN、−NO2、フェニルまたはピリジニルであり;
R10はH;あるいはC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7アルキルシクロアルキルまたはC4-C7シクロアルキルアルキルであり、それぞれ1以上のハロゲンで置換されていてもよく;
R11はH、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7アルキルシクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、C2-C7アルキルカルボニルまたはC2-C7アルコキシカルボニルであり;
R12はH;Q3;あるいはC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7アルキルシクロアルキルまたはC4-C7シクロアルキルアルキルであり、それぞれR7から独立して選択される1以上の置換基で置換されていてもよく;あるいは
R11およびR12は、それらが結合している窒素と一緒になって、2〜6炭素原子ならびに場合によりN、SおよびOからなる群から選択される1つのさらなる原子を含む環を形成し、前記環は、C1-C2アルキル、ハロゲン、−CN、−NO2およびC1-C2アルコキシからなる群から独立して選択される1〜4置換基で置換されていてもよく;
Q1はフェニル環、5〜6員複素環または、場合により最大1つのO、最大1つのSおよび最大3つのNから選択される1〜3ヘテロ原子を含む8、9もしくは10員縮合二環系であり、各環または環系は、R8から独立して選択される1以上の置換基で置換されていてもよく;
各Q2は独立してフェニル環または5〜6員複素環であり、各環はR9から独立して選択される1以上の置換基で置換されていてもよく;
Q3はフェニル環または5〜6員複素環であり、各環はR9から独立して選択される1以上の置換基で置換されていてもよく;
nは0、1または2である]。
【0070】
式(I)の一実施形態において、WはOである。他の実施形態において、WはSである。
【0071】
式(I)の他の実施形態において、A1、A2、A3、A4、A5およびA6はそれぞれCR3である。
【0072】
式(I)の他の実施形態において、B1、B2およびB3はそれぞれCR2である。
【0073】
式(I)のさらに他の実施形態において、WはOであり、A1、A2、A3、A4、A5およびA6はそれぞれCR3である。
【0074】
式(I)のさらに他の実施形態において、WはOであり;A1、A2、A3、A4、A5およびA6はそれぞれCR3であり;B1、B2およびB3はそれぞれCR2である。
【0075】
式(I)の他の実施形態において、A1、A2、A3、A4、A5およびA6はそれぞれCHである。
【0076】
式(I)の他の実施形態において、B1、B2およびB3はそれぞれCR2であり;R2はH、ハロゲン、C1-C6アルキルまたはC1-C6ハロアルキルである。
【0077】
式(I)のさらに他の実施形態において、R1は、R6の1以上によって置換されていてもよいC1-C3アルキルであり;
R2は独立してH、ハロゲン、C1-C6ハロアルキル、C1-C6ハロアルコキシまたは−CNであり;
各R3は独立してH、ハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、C3-C6シクロアルキル、C3-C6ハロシクロアルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6ハロアルコキシ、-CNまたは−NO2である。
【0078】
さらに他の実施形態において、本発明は、式(I)のイソオキサゾリンを含む組成物を提供する:
[式中、
WはOまたはSであり;R4はHまたはC1-C6アルキルであり;R5は-CH2C(O)NHCH2CF3であり;A1=A2=A3=A4=A5=A6のそれぞれはCHであり;
R1はC1-C6アルキルであり、それぞれR6から独立して選択される1以上の置換基で置換されていてもよく;
R6はハロゲンまたはC1-C6アルキルであり;
B1、B2、およびB3は独立してCH、C-ハロゲン、C-C1-C6アルキル、C-C1-C6ハロアルキルまたはC-C1-C6アルコキシである]。
【0079】
式(I)の他の実施形態において、B1、B2およびB3は独立してCR2であり;
WはOであり;
R4はH、C1-C6アルキル、C2-C7アルキルカルボニルまたはC2-C7アルコキシカルボニルであり;
R5はH、NR11R12またはQ1;あるいはC1-C4アルキル、C2-C4アルケニル、C2-C4アルキニル、C3-C4シクロアルキル、C4-C7アルキルシクロアルキルまたはC4-C7シクロアルキルアルキルであり、それぞれR7の1以上で置換されていてもよい。
【0080】
式(I)のさらに他の実施形態において、
R1はハロゲンで置換されていてもよいC1-C3アルキルであり;
各R2は独立してH、CF3、OCF3、ハロゲンまたは−CNであり;
各R3は独立してH、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、C3-C6シクロアルキル、C1-C4アルコキシまたは−CNであり;
各R7は独立してハロゲン、C1-C4アルキル、C1-C4アルコキシ、C1-C4アルキルチオ、C1-C4アルキルスルフィニル、C1-C4アルキルスルホニル、C2-C4アルキルカルボニル、C2-C4アルコキシカルボニル、C2-C5アルキルアミノカルボニル、C2-C5ハロアルキルカルボニル、C2-C5ハロアルコキシカルボニル、C2-C5ハロアルキルアミノカルボニル、-NH2、-CNまたはNO2;あるいはQ2である。
【0081】
式(I)のさらに他の実施形態において、R4はHであり;
R5は1以上のR7で置換されていてもよいC1-C4であり;
各R7は独立してハロゲンまたはQ2であり;
各Q2は独立してフェニル、ピリジニルまたはチアゾリルである。
【0082】
式(I)のさらに他の実施形態において、R1はCF3であり;
A1、A2、A3、A4、A5およびA6はそれぞれCR3であり;
B2はCR2であり;
各R3は独立してH、C1-C4アルキルまたは−CNである。
【0083】
他の実施形態において、B2はCHであり;
B1およびB3はそれぞれCR2であり、ここで各R2は独立してハロゲンまたはC1-C3ハロアルキルであり;
A1、A2、A3、A4、A5およびA6はそれぞれCR3であり;
R3はHであり;
nは2である。
【0084】
式(I)さらに他の実施形態において、R1はCF3であり;
A1、A2、A3、A4、A5およびA6はそれぞれCR3であり;
B2はCHであり;
B1およびB3のそれぞれはCR2であり;
各R3は独立してHまたはC1-C4アルキルであり;
各R2は独立してハロゲンまたはC1-C3ハロアルキルであり;
R4はHであり;
R5は1以上のR7で置換されていてもよいC1-C4アルキルであり;
R7はC2-C7アルキルカルボニル、C2-C7アルコキシカルボニル、C2-C7アルキルアミノカルボニル、C3-C9ジアルキルアミノカルボニル、C2-C7ハロアルキルカルボニル、C2-C7ハロアルコキシカルボニル、C2-C7ハロアルキルアミノカルボニル、C3-C9ジハロアルキルアミノカルボニルである。
【0085】
式(I)のさらに他の実施形態において、R1はCF3であり;
A1、A2、A3、A4、A5およびA6はそれぞれCHであり;
B2はCHであり;
B1およびB3のそれぞれはCR2であり;
各R2は独立してハロゲンまたはC1-C3ハロアルキルであり;
R4はHであり;
R5は1以上のR7で置換されていてもよいC1-C4アルキルであり;
R7はC2-C7アルキルアミノカルボニル、C3-C9ジアルキルアミノカルボニル、C2-C7ハロアルキルアミノカルボニルまたはC3-C9ジハロアルキルアミノカルボニルである。
【0086】
好ましい実施形態において、式(I)のイソオキサゾリン活性薬を含む局所組成物が提供される:
[式中、R1はCF3であり;
WはOであり;
A1、A2、A3、A4、A5およびA6はそれぞれCHであり;
B2はCHであり;
B1はクロロであり;
B2はCF3であり;
R4はHであり;
R5はCH2C(O)NHCH2CF3であり;
nは2である]。
【0087】
好ましい実施形態において、イソオキサゾリン化合物は、4-[5-[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-N-[2-オキソ-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]エチル]-1-ナフタレンカルボキサミド(化合物A)である。
【0088】
他の実施形態において、本発明の組成物は、WO 2007/079162、WO2007/075459 およびUS 2009/0133319、WO 2007/070606およびUS 2009/0143410、WO 2009/003075、WO 2009/002809、WO 2009/024541、WO 2005/085216およびUS 2007/0066617ならびにWO 2008/122375に開示されている1以上のイソオキサゾリン化合物を含むことができる(それらのすべては、参照により本願に組み込まれる)。
【0089】
他の好ましい実施形態において、本発明は、WO 2009/02451A2およびWO 2011/075591A1に記載されているイソオキサゾリン活性薬(両方とも参照により本願に組み込まれる)を、薬学的に許容される担体または希釈剤と組み合わせて含む局所組成物を提供する。
【0090】
他の好ましい実施形態において、本発明は、構造:
を有する、WO 2009/02451A2に記載されている化合物11-1を、本明細書に記載の薬学的に許容される担体または希釈剤と組み合わせて含む局所組成物を提供する。
【0091】
さらに他の実施形態において、本発明は、WO 2011075591に記載されている式1.001〜1.025および2.001〜2.018のイソオキサゾリン化合物の1以上を、本明細書に記載の薬学的に許容される担体と組み合わせて含む局所組成物を提供する:



【0092】
一実施形態において、本発明は、少なくとも1つの他の活性薬との組み合わせでの少なくとも1つの式(I)のイソオキサゾリンおよび薬学的に許容される担体または希釈剤を含む局所組成物を提供する。
【0093】
本発明の組成物と共に、追加の獣医/医薬活性成分を用いることができる。いくつかの実施形態において、追加の活性薬は、限定するものではないが、殺ダニ剤、駆虫薬、抗寄生虫薬および殺虫剤を含むことができる。抗寄生虫薬は、殺外部寄生虫薬および/または殺内部寄生虫薬の両方を含むことができる。
【0094】
本発明の組成物に含むことができる動物用医薬品は当該分野で公知であり(例えば、Plumb’ Veterinary Drug Handbook, 5th Edition, ed. Donald C. Plumb, Blackwell Publishing, (2005) またはThe Merck Veterinary Manual, 9th Edition, (January 2005)を参照のこと)、限定するものではないが、アカルボース、アセプロマジンマレイン酸塩、アセトアミノフェン、アセタゾラミド、アセタゾラミドナトリウム、酢酸、アセトヒドロキサム酸、アセチルシステイン、アシトレチン、アシクロビル、アルベンダゾール、アルブテロール硫酸塩、アルフェンタニル、アロプリノール、アルプラゾラム、アルトレノゲスト、アマンタジン、アミカシン硫酸塩、アミノカプロン酸、アミノペンタミド硫酸水素塩、アミノフィリン/テオフィリン、アミオダロン、アミトリプチリン、ベシル酸アムロジピン、塩化アンモニウム、モリブデン酸アンモニウム、アモキシシリン、クラブラン酸カリウム、アムホテリシンBデスオキシコール酸塩、アムホテリシンB脂質製剤、アンピシリン、アンプロリウム、制酸剤(経口)、アンチベニン、アポモルフィン、アプラマイシン硫酸塩、アスコルビン酸、アスパラギナーゼ、アスピリン(aspiring)、アテノロール、アチパメゾール、アトラクリウムベシル酸塩、アトロピン硫酸塩、オーラノフィン(aurnofin)、オーロチオグルコース、アザペロン、アザチオプリン、アジスロマイシン、バクロフェン、バルビツール酸塩、ベナゼプリル、ベタメタゾン、塩化ベタネコール、ビサコジル、ビスマスサブサリチラート、硫酸ブレオマイシン、ボルデノンウンデシレン酸エステル、臭化物、ブロモクリプチンメシル酸塩、ブデノシド、ブプレノルフィン、ブスピロン、ブスルファン、ブトルファノール酒石酸塩、カベルゴリン、サケカルシトニン、カルシトリオール(calcitrol)、カルシウム塩、カプトプリル、カルベニシリンインダニルナトリウム、カルビマゾール、カルボプラチン、カルニチン、カルプロフェン、カルベジロール、セファドロキシル、セファゾリンナトリウム、セフィキシム、クロルスロン、セフォペラゾンナトリウム、セフォタキシムナトリウム、セフォテタン二ナトリウム、セフォキシチンナトリウム、セフポドキシムプロキセチル、セフタジジム、セフチオフルナトリウム、セフチオフル、セフトリアキソンナトリウム、セファレキシン、セファロスポリン、セファピリン、活性炭、クロラムブシル、クロラムフェニコール、クロロジアゼポキシド、クロロジアゼポキシド+/-臭化クリジニウム、クロロチアジド、クロルフェニラミンマレイン酸塩、クロロプロマジン、クロロプロパミド、クロロテトラサイクリン、絨毛性ゴナドトロピン(HCG)、クロム、シメチジン、シプロフロキサシン、シサプリド、シスプラチン、クエン酸塩、クラリスロマイシン、クレマスチンフマル酸塩、クレンブテロール、クリンダマイシン、クロファジミン、クロミプラミン、クロナゼパム(claonazepam)、クロニジン、クロプロステノールナトリウム、クロラゼプ酸二カリウム、クロルスロン、クロキサシリン、リン酸コデイン、コルヒチン、コルチコトロピン(ACTH)、コシントロピン、シクロホスファミド、シクロスポリン、シプロヘプタジン、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン/アクチノマイシンD、ダルテパリンナトリウム、ダナゾール、ダントロレンナトリウム、ダプソン、デコキネート、デフェロキサミンメシル酸塩、デラコキシブ、デスロレリン酢酸塩、デスモプレシン酢酸塩、デスオキシコルチコステロンピバル酸エステル、デトミジン、デキサメタゾン、デクスパンテノール、デクスラゾキサン(dexraazoxane)、デキストラン、ジアゼパム、ジアゾキシド(経口)、ジクロルフェナミド、ジクロフェナクナトリウム、ジクロキサシリン、ジエチルカルバマジンクエン酸塩、ジエチルスチルベストロール(DES)、ジフロキサシン、ジゴキシン、ジヒドロタキステロール(DHT)、ジルチアゼム、ジメンヒドリナート、ジメルカプロール/BAL、ジメチルスルホキシド、ジノプロストトロメタミン、ジフェニルヒドラミン、ジソピラミドリン酸塩、ドブタミン、ドキュセート/DSS、ドラセトロンメシル酸塩、ドンペリドン、ドーパミン、ドラメクチン、ドキサプラム、ドキセピン、ドキソルビシン、ドキシサイクリン、エデト酸カルシウム二ナトリウム(EDTAカルシウム)、エドロホニウム塩化物、エナラプリル/エナラプリラート、エノキサパリンナトリウム、エンロフロキサシン、エフェドリン硫酸塩、エピネフリン、エポエチン/エリスロポエチン、エプリノメクチン、エプシプランテル、エリスロマイシン、エスモロール、エストラジオールシピオン酸エステル、エタクリン酸/エタクリン酸ナトリウム、エタノール(アルコール)、エチドロン酸ナトリウム、エトドラク、エトミデート、安楽死剤w/ペントバルビタール、ファモチジン、脂肪酸(必須/オメガ)、フェルバメート、フェンタニル、硫酸第一鉄、フィルグラスチム、フィナステリド、フィプロニル、フロルフェニコール、フルコナゾール、フルシトシン、フルドロコルチゾン酢酸エステル、フルマゼニル、フルメタゾン、フルニキシンメグルミン、フルオロウラシル(5-FU)、フルオキセチン、プロピオン酸フルチカゾン、フルボキサミンマレイン酸塩、フォメピゾール(4-MP)、フラゾリドン、フロセミド、ガバペンチン、ゲムシタビン、ゲンタマイシン硫酸塩、グリメピリド、グリピジド、グルカゴン、グルココルチコイド剤、グルコサミン/コンドロイチン硫酸、グルタミン、グリブリド、グリセリン(経口)、グリコピロレート、ゴナドレリン、グリセオフルビン、グアイフェネシン、ハロタン、ヘモグロビングルタマー-200(オキシグロビン(登録商標))、ヘパリン、ヘタスターチ、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒドラザリン(hydrazaline)、ヒドロクロロチアジド、ヒドロコドン重酒石酸塩、ヒドロコルチゾン、ヒドロモルホン、ヒドロキシウレア、ヒドロキシジン、イホスファミド、イミダクロプリド、イミドカルブジプロピオン酸塩、イミペネム−シラスタチンナトリウム、イミプラミン、イナムリノン乳酸塩、インスリン、インターフェロンアルファ-2a(ヒト組換え体)、ヨウ化物(ナトリウム/カリウム)、トコン(シロップ)、イポダートナトリウム、デキストラン鉄、イソフルラン、イソプロテレノール、イソトレチノイン、イソクススプリン、イトラコナゾール、イベルメクチン、カオリン/ペクチン、ケタミン、ケトコナゾール、ケトプロフェン、ケトロラクトロメタミントロメタミン、ラクチュロース、ロイプロリド、レバミゾール、レベチラセタム、レボチロキシンナトリウム、リドカイン、リンコマイシン、リオチロニンナトリウム、リシノプリル、ロムスチン(CCNU)、ルフェヌロン、リジン、マグネシウム、マンニトール、マルボフロキサシン、メクロレタミン、メクリジン、メクロフェナミン酸、メデトミジン、中鎖トリグリセリド、メドロキシプロゲステロン酢酸エステル、酢酸メゲストロール、メラルソミン、メラトニン、メロキシカン、メルファラン、メペリジン、メルカプトプリン、メロペネム、メトホルミン、メタドン、メタゾラミド、メテナミンマンデル酸塩/馬尿酸塩、メチマゾール、メチオニン、メトカルバモール、メトヘキシタールナトリウム、メトトレキサート、メトキシフルラン、メチレンブルー、メチルフェニデート、メチルプレドニゾロン、メトクロプラミド、メトプロロール、メトロニダキソール(metronidaxole)、メキシレチン、ミボレルロン(mibolerlone)、ミダゾラム、ミルベマイシンオキシム、鉱油、ミノサイクリン、ミソプロストール、ミトタン、ミトキサントロン、硫酸モルヒネ、モキシデクチン、ナロキソン、マンドロロンデカン酸塩、ナプロキセン、麻薬性(オピエート)アゴニスト鎮痛剤、ネオマイシン硫酸塩、ネオスチグミン、ナイアシンアミド、ニタゾキサニド、ニテンピラム、ニトロフラントイン、ニトログリセリン、ニトロプルシドナトリウム、ニザチジン、ノボビオシンナトリウム、ナイスタチン、オクトレオチド酢酸塩、オルサラジンナトリウム、オメプラゾール、オンダンセトロン、オピエート下痢止め、オルビフロキサシン、オキサシリンナトリウム、オキサゼパム、塩化オキシブチニン、オキシモルホン、オキシテトラサイクリン(oxytretracycline)、オキシトシン、パミドロン酸二ナトリウム、パンクレプリパーゼ(pancreplipase)、パンクロニウム臭化物、パロモマイシン硫酸塩、パロゼチン(parozetine)、ペニシラミン、一般情報ペニシリン、ペニシリンG、ペニシリンVカリウム、ペンタゾシン、ペントバルビタールナトリウム、ポリ硫酸ペントサンナトリウム、ペントキシフィリン、ペルゴリドメシル酸塩、フェノバルビタール、フェノキシベンザミン、フェニルブタゾン(pheylbutazone)、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン(phenypropanolamine)、フェニトインナトリウム、フェロモン、非経口リン酸塩、フィトナジオン/ビタミンK-1、ピモベンダン、ピペラジン、ピルリマイシン、ピロキシカム、ポリ硫酸化グリコサミノグリカン、ポナズリル、塩化カリウム、塩化プラリドキシム、プラゾシン、プレドニゾロン/プレドニゾン、プリミドン、プロカインアミド、プロカルバジン、プロクロルペラジン、プロパンテリン臭化物、プロピオニバクテリウム・アクネス注射液、プロポフォール、プロプラノロール、プロタミン硫酸塩、プソイドエフェドリン、車前子親水性粘漿薬、ピリドスチグミン臭化物、ピリラミンマレイン酸塩、ピリメタミン、キナクリン、キニジン、ラニチジン、リファンピン、s-アデノシルメチオニン(SAMe)、生理食塩水/浸透圧性緩下剤、セラメクチン、セレギリン/l-デプレニル、セルトラリン、セベラマー、セボフルラン、シリマリン/ミルクシスル、炭酸水素ナトリウム、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、スチボグルコン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム(sodum thiosulfate)、ソマトトロピン、ソタロール、スペクチノマイシン、スピロノラクトン、スタノゾロール、ストレプトキナーゼ、ストレプトゾシン、サクシマー、塩化サクシニルコリン、スクラルファート、スフェンタニルクエン酸塩、スルファクロルピリダジンナトリウム、スルファジアジン/トリメトプリム、スルファメトキサゾール/トリメトプリム、スルファジメントキシン(sulfadimentoxine)、スルファジメトキシン/オルメトプリム、スルファサラジン、タウリン、テポキサリン、テルビナフリン、テルブタリン硫酸塩、テストステロン、テトラサイクリン、チアセタルサミドナトリウム、チアミン、チオグアニン、チオペンタールナトリウム、チオテパ、チロトロピン、チアムリン、チカルシリン二ナトリウム、チレタミン/ゾラゼパム、チルミコシン(tilmocsin)、チオプロニン、トブラマイシンスルファート、トカイニド、トラゾリン、テルフェナム酸(telfenamic acid)、トピラマート、トラマドール、トリムシノロンアセトニド、トリエンチン、トリロスタン、酒石酸トリメプラキシンw/プレドニゾロン、トリペレナミン、タイロシン、ウルドシオール(urdosiol)、バルプロ酸、バナジウム、バンコマイシン、バソプレシン、ベクロニウム臭化物、べラパミル、硫酸ビンブラスチン、ビンクリスチン硫酸塩、ビタミンE/セレン、ワルファリンナトリウム、キシラジン、ヨヒンビン、ザフィルルカスト、ジドブジン(AZT)、酢酸亜鉛/硫酸亜鉛、ゾニサミドおよびそれらの混合物を含む。
【0095】
本発明の一実施形態において、本発明の局所組成物において、アリールピラゾール化合物、例えば当該技術分野で公知のフェニルピラゾールをイソオキサゾリン化合物と組み合わせることができる。このようなアリールピラゾール化合物の例は、限定するものではないが、米国特許第6,001,384号;第6,010,710号;第6,083,519号;第6,096,329号;第6,174,540号;第6,685,954号および第6,998,131号に記載されているものを含む(これらは、すべて、参照により本願に組み込まれる;それぞれ、Merial社(ダルース、ジョージア州)に与えられた)。
【0096】
本発明の他の実施形態において、殺ダニ剤、抗寄生虫薬および/または殺虫剤として作用する1以上の大環状ラクトンまたはラクタムを、本発明の組成物に加えることができる。
【0097】
大環状ラクトンは、限定するものではないが、アベルメクチン、例えばアバメクチン、ジマデクチン、ドラメクチン、エマメクチン、エプリノメクチン、イベルメクチン、ラチデクチン、レピメクチン、セラメクチンおよびML-1,694,554ならびにミルベマイシン、例えばミルベメクチン、ミルベマイシンD、モキシデクチンおよびネマデクチンを含む。前記アベルメクチンおよびミルベマイシンの5-オキソおよび5-オキシム誘導体もまた含まれる。アリールピラゾール化合物と大環状ラクトンとの組み合わせの例は、限定するものではないが、米国特許第6,426,333号;第6,482,425号;第6,962,713号および第6,998,131号に記載されているものを含む(すべて、参照により本願に組み込まれる;それぞれ、Merial社(ダルース、ジョージア州)に与えられた)。
【0098】
大環状ラクトン化合物は当該技術分野で公知であり、商業的に、または当該技術分野で公知の合成技術によって容易に得ることができる。広く利用可能な技術文献および市販文献が参照される。アベルメクチン、イベルメクチンおよびアバメクチンに関しては、例えば、“Ivermectin and Abamectin”, 1989, M.H. Fischer and H. Mrozik, William C. Campbell(Springer Verlag)、または、Albers-Schonberg et al. (1981), “Avermectins Structure Determination”, J. Am. Chem. Soc., 103, 4216-4221 を参照することができる。ドラメクチンに関しては、“Veterinary Parasitology”, vol. 49, No. 1, July 1993, 5-15 を参照することができる。ミルベマイシンに関しては、特に、Davies H.G. et al., 1986, “Avermectins and Milbemycins”, Nat. Prod. Rep., 3, 87-121, Mrozik H. et al., 1983, Synthesis of Milbemycins from Avermectins, Tetrahedron Lett., 24, 5333-5336 米国特許 第4,134,973号 および EP 0 677 054 を参照することができる。
【0099】
大環状ラクトンは、天然物であるか、またはその半合成誘導体のいずれかである。アベルメクチンおよびミルベマイシンの構造は、例えば、複雑な16員大環状ラクトン環を共通にすることによって密接に関連している。天然物のアベルメクチンは、米国特許第4,310,519号に開示されており、22,23-ジヒドロアベルメクチン化合物は、米国特許第4,199,569号に開示されている。特に、米国特許第4,468,390号、第5,824,653号、EP 0 007 812 A1、U.K.英国特許明細書第1 390 336号、EP 0 002 916およびニュージーランド特許第237086号もまたあげられる。天然に存在するミルベマイシンは、米国特許第3,950,360号ばかりでなく、“The Merck Index” 12th ed., S. Budavari, Ed., Merck & Co., Inc. Whitehouse Station, New Jersey (1996) に引用されている種々の文献に記載されている。ラチデクチンは、“International Nonproprietary Names for Pharmaceutical Substances (INN)”, WHO Drug Information, vol. 17, no. 4, pp. 263- 286, (2003) に記載されている。これらの化合物クラスの半合成誘導体は当該分野で公知であり、例えば、米国特許第5,077,308号、第4,859,657号、第4,963,582号、第4,855,317号、第4,871,719号、第4,874,749号、第4,427,663号、第4,310,519号、第4,199,569号、第5,055,596号、第4,973,711号、第4,978,677号、第4,920,148号およびEP 0 667 054に記載されている。
【0100】
本発明の好ましい実施形態において、本発明は、昆虫成長制御剤(IGR)として知られる殺ダニ剤または殺虫剤と組み合わせてイソオキサゾリン化合物を含む局所組成物を含む。このグループに属する化合物は従業者に公知であり、広範囲の種々の化学物質区分に該当する。これらの化合物は、すべて、害虫の発達または成長を阻害することによって作用する。昆虫成長制御剤は、例えば、米国特許第3,748,356号、第3,818,047号、第4,225,598号、第4,798,837号、第4,751,225号、EP 0 179 022またはU.K. 2 140010ならびに米国特許第6,096,329号および第6,685,954号(すべて、参照により本願に組み込まれる)に記載されている。
【0101】
一実施形態において、IGRは幼若ホルモンを模倣する化合物である。幼若ホルモンミミックの例は、アザジラクチン、ジオフェノラン、フェノキシカルブ、ヒドロプレン、キノプレン、メトプレン、ピリプロキシフェン、テトラヒドロアザジラクチンおよび4-クロロ-2(2-クロロ-2-メチル-プロピル)-5-(6-ヨード-3-ピリジルメトキシ)ピリダジン-3(2H)-オンを含む。
【0102】
特に好ましい実施形態において、本発明の組成物は、メトプレンまたはピリプロキシフェンと組み合わせた式(I)のイソオキサゾリン化合物および薬学的に許容される担体を含む。驚くべきことに、メトプレンまたはピリプロキシフェンと組み合わせた式(I)のイソオキサゾリン化合物を含む組成物は、各活性薬単独の作用に基づいては予測しえない優れた長期持続性効果を示すことが見出された。
【0103】
他の実施形態において、IGR化合物はキチン合成阻害薬である。キチン合成阻害薬は、クロロフルアズロン、シロマジン、ジフルベンズロン、フルアズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、テブフェノジド、テフルベンズロン、トリフルムロン、ノバルロン、1-(2,6-ジフルオロベンゾイル)-3-(2-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル尿素、1-(2,6-ジフルオロ-ベンゾイル)-3-(2-フルオロ-4-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)-フェニル尿素および1-(2,6-ジフルオロベンゾイル)-3-(2-フルオロ-4-トリフルオロメチル)フェニル尿素を含む。
【0104】
本発明のさらに他の実施形態において、成虫殺虫剤および殺ダニ剤もまた本発明の組成物に加えることができる。これらには、ピレトリン(シネリンI、シネリンII、ジャスモリンI、ジャスモリンII、ピレトリンI、ピレトリンIIおよびそれらの混合物を含む)およびピレスロイドならびにカルバメート(限定するものではないが、ベノミル、カルバノレート、カルバリル、カルボフラン、メチオカルブ、メトルカルブ、プロマシル、プロポキスル、アルジカルブ、ブトカルボキシム、オキサミル、チオカルボキシムおよびチオファノックスを含む)が含まれる。
【0105】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、限定するものではないが、ベンゾイミダゾール、イミダゾチアゾール、テトラヒドロピリミジンおよび有機リン酸エステル類の化合物における活性薬を含む1以上の抗線虫薬を含むことができる。いくつかの実施形態において、限定するものではないが、チアベンダゾール、カンベンダゾール、パーベンダゾール、オキシベンダゾール、メベンダゾール、フルベンダゾール、フェンベンダゾール、オキシフェンダゾール、アルベンダゾール、シクロベンダゾール、フェバンテル、チオファネートおよびそのo,o-ジメチルアナログを含むベンゾイミダゾールを組成物中に含むことができる。
【0106】
他の実施形態において、組成物は、限定するものではないが、テトラミソール、レバミゾールおよびブタミソールを含むイミダゾチアゾール化合物を含むことができる。さらに他の実施形態において、本発明の組成物は、限定するものではないが、ピランテル、オキサンテルおよびモランテルを含むテトラヒドロピリミジン活性薬を含むことができる。適切な有機リン酸エステル活性薬は、限定するものではないが、クマホス、トリクロルホン、ハロクソン、ナフタロホスおよびジクロルボス、ヘプテノホス、メビンホス、モノクロトホス、TEPPならびにテトラクロルビンホスを含む。
【0107】
他の実施形態において、本組成物は、抗線虫化合物である中性化合物または種々の塩形でのフェノチアジンおよびピペラジン、ジエチルカルバマジン、フェノール、例えばジソフェノール、ヒ素剤、例えばアルセナマイド、エタノールアミン、例えばベフェニウム、クロシル酸テニウムおよびメチリジン;塩化ピルビニウム、パモ酸ピルビニウムおよびヨウ化ジチアザニンを含むシアニン色素;ビトスカナート、スラミンナトリウム、フタロフィンを含むイソチオシアネートならびに種々の天然物(限定するものではないが、ハイグロマイシンB、α-サントニンおよびカイニン酸を含む)を含むことができる。
【0108】
他の実施形態において、本発明の組成物は抗吸虫薬を含むことができる。適切な抗吸虫薬は、限定するものではないが、ミラシル、例えばミラシルDおよびミラサン;プラジカンテル、クロナゼパムおよびその3-メチル誘導体、オルチプラズ、ルカントン、ヒカントン、オキサムニキン、アモスカナート、ニリダゾール、ニトロキシニル、当該技術分野で公知の種々のビスフェノール化合物(ヘキサクロロフェン、ビチオノール、ビチオノールスルホキシドおよびメニクロホランを含む);種々のサリチルアニリド化合物(トリブロムサラン、オキシクロザニド、クリオキサニド、ラフォキサニド、ブロチアニド、ブロモキサニドおよびクロサンテルを含む);トリクラベンダゾール、ジアンフェネチド、クロルスロン、ヘトリンならびにエメチンを含む。
【0109】
好都合には、限定するものではないが、アレコリン(種々の塩形での)、ブナミジン、ニクロサミド、ニトロスカネート、パロモマイシンおよびパロモマイシンIIを含む抗条虫化合物もまた本発明の組成物に用いることができる。
【0110】
さらに他の実施形態において、本発明の組成物は、節足動物寄生虫に対して有効である他の活性薬を含むことができる。適切な活性薬は、限定するものではないが、ブロモシクレン、クロルデン、DDT、エンドスルファン、リンデン、メトキシクロル、トキサフェン、ブロモホス、ブロモホス-エチル、カルボフェノチオン、クロルフェンビンホス、クロルピリホス、クロトキシホス、サイチオアート、ジアジノン、ジクロロレンチオン、ジエムトエート、ジオキサチオン、エチオン、ファムフール、フェニトロチオン、フェンチオン、ホスピレート、ヨードフェンホス、マラチオン、ナレド、ホサロン、ホスメット、ホキシム、プロペタンホス、ロンネル、スチロホス、アレスリン、シハロトリン、シペルメトリン、デルタメトリン、フェンバレレート、フルシトリネート、ペルメトリン、フェノトリン、ピレトリン、レスメトリン、安息香酸ベンジル、二硫化炭素、クロタミトン、ジフルベンズロン、ジフェニルアミン、ジスルフィラム、イソボルニルチオシアネートアセテート、メトプレン、モノスルフィラム、ピレノニルブトキシド、ロテノン、酢酸トリフェニルスズ、水酸化トリフェニルスズ、ディート、フタル酸ジメチルならびに化合物1,5a,6,9,9a,9b-ヘキサヒドロ-4a(4H)-ジベンゾフランカルボキシアルデヒド(MGK-11)、2-(2-エチルヘキシル)-3a,4,7,7a-テトラヒドロ-4,7-メタノ-1H-イソインドール-1,3(2H)ジオン(MGK-264)、ジプロピル-2,5-ピリジンジカルボキシレート(MGK-326)および2-(オクチルチオ)エタノール(MGK-874)を含む。
【0111】
特に好ましい実施形態において、本発明の局所組成物は、イソオキサゾリン活性薬と組み合わせてペルメトリンを含む。
【0112】
組成物を製造するために本発明の化合物と組み合わせることができる抗寄生虫薬は、限定するものではないが、セクレチン受容体ファミリーに属するシナプス前受容体を刺激することによって神経筋接合部に作用し、寄生虫の麻痺および死をもたらすデプシペプチドを含む生物活性ペプチドまたはタンパク質であることができる。デプシペプチドの一実施形態において、デプシペプチドはエモデプシドである(Willson et al., Parasitology, Jan. 2003, 126(Pt 1):79-86 を参照のこと)。
【0113】
他の実施形態において、本発明の組成物は、ネオニコチノイド系農薬からの活性薬を含むことができる。ネオニコチノイドは、昆虫に特異的なニコチン性アセチルコリン受容体に結合し、それを阻害する。一実施形態において、本発明の局所組成物を製造するためにイソオキサゾリン化合物と組み合わせることができるネオニコチノイド殺虫剤はイミダクロプリドである。イミダクロプリドは公知のネオニコチノイド活性薬であり、Bayer Animal Health社によって販売されている局所殺寄生虫薬製品であるAdvantage(登録商標)、Advantage(登録商標)II、K9 Advantix(登録商標)、およびK9 Advantix(登録商標)IIにおける鍵活性成分である。この種類の薬剤は、例えば、米国特許第4,742,060号またはEP 0 892 060に記載されている。
【0114】
他の実施形態において、本発明の局所組成物は、ネオニコチノイド系農薬の他の活性薬であるニテンピラムを含むことができる。ニテンピラムは以下の化学構造を有する。これはNovartis Animal Health社によって販売されている経口製品CAPSTAR(登録商標)錠剤における活性成分である。
【0115】
ニテンピラムは、経口錠剤として毎日投与されるとき、ノミの成虫に対して有効である。ニテンピラムは正常な神経伝達を阻害することによって作用し、昆虫の死をもたらす。ニテンピラムは、ノミに対して極めて速やかな作用発現を示す。例えば、CAPSTAR(登録商標)錠剤は、投与30分後には早くもノミに対する作用が開始され、1日1回程度の使用を必要とする。しかしながら、ニテンピラムは、全身殺寄生虫薬としてCAPSTAR(登録商標)錠剤で経口投与されるときにのみ有効であることが知られている。従って、ニテンピラムとイソオキサゾリン活性薬との組み合わせを含む本発明の局所組成物が、ニテンピラムの作用の大変速やかな発現を示すことは、驚くべきことであり、かつ予期せぬことである。なぜなら、この活性薬は、局所投与されるとき有効であることが知られていないからである。長期持続性イソオキサゾリン活性薬と、大変速やかに作用する活性薬、例えばネオニコチノイド活性薬ニテンピラムとの組み合わせを含む本発明の局所組成物は、外部寄生虫に対する最適の発現速度および長期持続性作用を提供する。
【0116】
ニテンピラムは、-0.64という大変低いオクタノール/水分配係数の対数を示し、20℃、pH7での840g/Lという比較的高い水溶性を示すが(Supplement to Compendium on Continuing Education for the practicing veterinarian, vol. 23, no. 3(a), march 2001 参照)、このことはニテンピラムが局所送達の候補とは考えづらいことを示す。ニテンピラムの大変低いlog pおよび大変高い水溶性に基づけば、当業者は、この活性薬が局所組成物において効果的に送達されることができることに大変強い懐疑を抱くであろう。ニテンピラムを含む本発明の局所組成物の有効性は、この化合物の物理化学的特性を考慮すれば、なおさら予期せぬことである。
【0117】
本発明の他の好ましい実施形態において、IGRおよびネオニコチノイド活性薬と組み合わせて少なくとも1つのイソオキサゾリン化合物を含む局所組成物が提供される。さらに他の好ましい実施形態において、本発明は、幼若ホルモンを模倣するIGRおよびニテンピラムと共に式(I)のイソオキサゾリン化合物を含む局所組成物を提供する。さらに他の好ましい実施形態において、本発明は、(S)-メトプレンまたはピリプロキシフェンおよびニテンピラムと組み合わせて4-[5-[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-N-[2-オキソ-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]エチル]-1-ナフタレンカルボキサミド(化合物A)を含む局所スポットオン組成物またはポアオン組成物を提供する。
【0118】
他の実施形態において、本発明の局所組成物は、ニテンピラム、(S)-メトプレンまたはピリプロキシフェンおよびアベルメクチンまたはミルベマイシン化合物と組み合わせて4-[5-[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-N-[2-オキソ-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]エチル]-1-ナフタレンカルボキサミド(化合物A)を含む局所スポットオン組成物またはポアオン組成物を提供する。本発明のさらに他の実施形態において、ニテンピラムおよび/または(S)-メトプレンまたはピリプロキシフェンおよび/またはアベルメクチンもしくはミルベマイシン化合物および/またはプラジカンテルと組み合わせて4-[5-[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-N-[2-オキソ-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]エチル]-1-ナフタレンカルボキサミド(化合物A)を含む局所組成物が提供される。この実施形態において、アベルメクチンもしくはミルベマイシン化合物および/またはプラジカンテルの存在は、外部寄生虫に対する作用に加えて、内部寄生虫に対する強力な作用を提供する。
【0119】
特定の実施形態において、本発明の組成物と組み合わせることができる殺虫剤はセミカルバゾン、例えばメタフルミゾンである。
【0120】
他の実施形態において、本発明の組成物は、好都合には、当該技術分野で公知のイソオキサゾリン化合物の組み合わせを含むことができる。これらの活性薬は、WO 2007/079162、WO 2007/075459and US 2009/0133319、WO 2007/070606and US 2009/0143410、WO 2009/003075、WO 2009/002809、WO 2009/024541、WO 2005/085216およびUS 2007/0066617ならびにWO 2008/122375に記載されている(これらのすべては、参照により本願に組み込まれる)。
【0121】
本発明の他の実施形態において、本発明の組成物にノズリスポル酸およびその誘導体(既知の殺ダニ薬、駆虫薬、抗寄生虫薬および殺虫剤類)を加えることができる。これらの化合物は、ヒトおよび動物における感染を治療または予防するために用いられ、例えば、米国特許第5,399,582号、第5,962,499号、第6,221,894号および第6,399,786号に記載されている(そのすべてが参照により本願に組み込まれる)。本組成物は、すべての立体異性体を含む当該技術分野で既知のノズリスポル酸誘導体、例えば上記で引用した特許に記載されているものの1以上を含むことができる。
【0122】
他の実施形態において、アミノアセトニトリル類(AAD)化合物の抗寄生虫薬化合物、例えばモネパンテル(ZOLVIX)などを本発明の組成物に加えることができる。これらの化合物は、例えば、WO 2004/024704および米国特許第7,084,280号(参照により組み込まれる);Sager et al., Veterinary Parasitology, 2009, 159, 49-54; Kaminsky et al., Nature vol. 452, 13 March 2008, 176-181 に記載されている。本発明の組成物はまた、アリーロアゾール-2-イルシアノエチルアミノ化合物、例えばSollらへの米国特許第8,088,801号に記載されているもの(これは参照によりその全体が組み込まれる)および、米国特許第7,964,621号(これは参照により本願に組み込まれる)に記載されているこれらの化合物のチオアミド誘導体を含むことができる。
【0123】
本発明の組成物はまた、パラヘルクアミド化合物およびこれらの化合物の誘導体(デルカンテルを含む)と組み合わせることができる(Ostlind et al., Research in Veterinary Science, 1990, 48, 260-61; and Ostlind et al., Medical and Veterinary Entomology, 1997, 11, 407-408を参照のこと)。パラヘルクアミド化合物類は、特定の寄生虫に対する作用を有する、スピロジオキセピノインドール核を含む既知の化合物類である(Tet. Lett. 1981, 22, 135; J. Antibiotics 1990, 43, 1380, and J. Antibiotics 1991, 44, 492)。さらに、構造的に関連するマルクホルチン化合物類、例えばマルクホルチンA〜Cもまた既知であり、本発明の製剤と組み合わせることができる(J. Chem. Soc. - Chem. Comm. 1980, 601 and Tet. Lett. 1981, 22, 1977 を参照のこと)。パラヘルクアミド誘導体に関するさらなる文献は、例えば、WO91/09961、WO92/22555、WO97/03988、WO01/076370、WO09/004432、米国特許第5,703,078号および米国特許第5,750,695号において見出すことができる(これらのすべては、その全体が参照により組み込まれる)。
【0124】
一般に、追加の活性薬は、約0.1μg〜約1000mgの量で組成物に含まれる。より一般的には、追加の活性薬は、約10μg〜約500mg、約1mg〜約300mg、約10mg〜約200mgまたは約10mg〜約100mgの量で含まれることができる。
【0125】
本発明の他の実施形態において、追加の活性薬は、動物の体重当たり約5μg/kg〜約50mg/kgの用量を送達するための組成物に含まれることができる。他の実施形態において、追加の活性薬は、動物の体重当たり約0.01mg/kg〜約30mg/kg、約0.1mg/kg〜約20mg/kgまたは約0.1mg/kg〜約10mg/kgの用量を送達するのに十分な量で存在することができる。他の実施形態において、追加の活性薬は、動物の体重当たり約5μg/kg〜約200μg/kgまたは約0.1mg/kg〜約1mg/kgの用量で存在することができる。本発明のさらに他の実施形態において、追加の活性薬は約0.5mg/kg〜約50mg/kgの用量で含まれる。
【0126】
少なくとも1つのイソオキサゾリン活性薬および、動物への局所投与に適した薬学的に許容される担体を含む本発明の局所組成物は、驚くべきことに、長期間安定であり、広域スペクトルの外部寄生虫に対して有効であることが見出された。
【0127】
本発明の組成物の好ましい実施形態において、局所組成物は、動物の皮膚への塗布に適した薬学的に許容される担体または希釈剤を含む液体溶液または懸濁液の形態である。局所、皮膚および皮下製剤は、エマルション、クリーム、軟膏、ゲル、ペースト、粉末、シャンプー、ポアオン製剤、すぐ使える製剤、スポットオン溶液および懸濁液を含むことができる。
【0128】
本発明の好ましい実施形態において、スポットオン組成物またはポアオン組成物の形態の組成物を含む、動物の限局性部位への局所投与に適した局所組成物が提供される。他の実施形態において、局所組成物は、動物への投与に適したスプレー製剤、エアゾールまたはフォーム製剤に適したの形態である。いくつかの実施形態において、イソオキサゾリン活性薬を含む液体溶液または懸濁液製剤は、定量ポンプまたは定量エアゾールによってスプレーされることができる形態である。
【0129】
イソオキサゾリン活性薬、例えば式(I)のイソオキサゾリン活性薬は全身的に活性であり、外部寄生虫は、宿主から血液の食事をとるときに作用を受ける。従って、動物の体循環において、最小濃度の化合物しか必要としない。しかしながら、場合によっては、イソオキサゾリン活性薬は、動物の表面の寄生虫に接触することによって作用させることもできる。従って、いくつかの実施形態において、本発明の組成物の局所投与によって、被毛に活性薬を局所的にくまなく送達および分布させることもできるし、かつ/または動物の皮脂腺を介して活性薬の分布を提供することもできる。該化合物が皮脂腺にくまなく分布される場合、皮脂腺はリザーバーとして機能することができ、それによって、例えば少なくとも1か月以上の長期持続性効果を有することができる。例えば、Cochetおよび共同研究者は、スポットオン投与後に、ビーグル犬の角質層、生きた表皮および皮脂腺ならびに上皮層への、1-アリールピラゾール化合物であるフィプロニルの分布を報告した(Cochet et al., Eur. J. Drug Metab. Pharmacokinet.., 1997, 22(3), 211-216 を参照のこと)。14C放射性標識薬物を用いることによって、この文献は、フィプロニルが、塗布された部位から皮膚全体に分布し、そこで治療後56日目まで持続的に検出されたことを明らかにした。
【0130】
本発明の組成物の局所投与によって、外部寄生虫に対する優れた有効性を提供するのに十分な濃度で活性薬を経皮的に皮膚を介して体循環へ効果的に送達することが可能になる。他の好ましい実施形態において、本発明の組成物は、局所的に動物の被毛上に、または経皮的に血流中に活性薬の分布が達成される。この実施形態において、局所組成物は、意外にも、低い血漿中濃度でのイソオキサゾリン活性薬の高いレベルの有効性を提供する。
【0131】
表皮の外層である角質層は、水の出および循環系への生体異物の侵入の両方に対する主要なバリアを形成する。角質層は、高密度なケラチンで満たされた死んだ平らな細胞である角質細胞で構成される特有の膜であり、その間に多数の脂質二重層で構成される脂質豊富層が存在する。一般的コンセンサスは、平らな細胞間の脂質豊富層を介して大部分の生体異物が通過するというものである。外来物質を締め出すためのバリアとしての皮膚の役割を考慮すれば、皮膚を介して活性成分を送達することは、意義のあるチャレンジを提供する。活性成分が角質層を通過するためには、活性成分は続いて二重層を通過しなければならず、従って、多くの親水性-親油性界面を通過しなければならない。皮膚の有効なバリアのために、経皮送達は、一般的には、少量しか必要としない強力な化合物にのみ適切である。
【0132】
油と水の両方に優れた溶解性を示す物質のみが、比較的容易に、皮膚を効果的に通過することができる。皮膚の治療または体循環への物質の送達のための皮膚の利用における主な問題の1つは、活性物質が作用部位または循環部位へ到達することを可能にする適切な物理化学的特性を活性物質が有さなければならないという必要条件からくる。活性成分が極めて親水性が強ければ、活性成分は皮膚表面にとどまるであろう。活性成分が極めて親油性が強い場合、活性成分は細胞間の脂質豊富層に移り、さらに深部に透過することは困難であろう。小分子で、油と水にバランスのとれた溶解性を有し、オクタノール/水分配係数の対数が〜2(log P)である化合物のみが角質層を通過し、かなりな程度に体循環に移行するであろう(Kenneth B. Sloan (ed.) (1992) Prodrugs: Topical and Ocular Drug Delivery, p.6, Marcel Dekker, New York を参照のこと)。例には、ニコチンおよびニトログリセリン(GTN)が含まれる。しかしながら、これらであっても、大幅には吸収されない。従って、多くの化合物は、それらの固有の物理化学的特性のために、経皮送達には適していない。
【0133】
当然のことながら、活性薬の局所的または経皮的に分配される能力は、化合物の物理化学的特性によって左右されるともに、活性薬の皮膚への透過を誘導することができる製剤の非活性賦形剤にも左右される。任意の活性薬を動物の被毛上に局所的に送達するか、または動物に経皮的に送達するための一般法はないが、活性薬の動物の皮膚への透過を促進する技術はいくつか知られている。”透過促進剤”と呼ばれる物質は、一般的には、体循環に送達される活性成分の量を増加させるために薬物を経皮的に送達するように設計された組成物において用いられる。透過促進剤は、角質層のバリア機能を破壊することができる、特定の溶媒、例えばジメチルスルホキシド(DMSO)、ピロリドン、エタノール、プロピレングリコール、酢酸エチル、ジメチルアセトアミドなどを含む種々の化合物類で構成される。他の物質もまた、特定の活性薬の皮膚を介したフラックスを増加させることが見出されている。これらには、親油性化合物、例えばラウロカプラム(Azone);脂肪酸またはアルコール、例えばオレイン酸、オレイルアルコール、リノール酸など;特定の脂肪酸エステル、例えばミリスチン酸イソプロピル、ノナン酸メチル、カプリン酸メチルなどが含まれる。特定の透過促進剤とプロピレングリコールとの混合物もまた、特定の活性成分の送達を改善することが知られている。例えば、Pharmaceutical Skin Penetration Enhancement edited by Kenneth A. Walters and Jonathan Hadgraft, Marcel Dekker, Inc. New York, 1993; ISBN 0-8247-9017-0 を参照のこと。
【0134】
本発明のいくつかの実施形態において、血漿中の有効成分の有効レベルを長期間維持し、有効期間を著しく延ばすために、イソオキサゾリン化合物の透過率を調節するように組成物が調製される。従って、一実施形態において、本発明の局所組成物は、皮膚内にイソオキサゾリン活性薬(単数または複数)を封じ込めてリザーバー効果を発揮し、体循環への化合物の透過率を長期間にわたって調節する担体系と共に製剤化される。このように、本発明は、外部寄生虫に対する驚くべき長期持続性効果を有する局所組成物を提供する。このアプローチは、低い血漿中濃度で所望の殺寄生虫性を有することができる強力な活性薬にのみ適用可能であることに注意しなければならない。なぜなら、作用が弱い化合物は、有効濃度を達成することができないと考えられるからである。
【0135】
親油性溶媒または親油性溶媒系を含む担体中にイソオキサゾリン活性薬を含む本発明の局所組成物は、長期間、外部寄生虫に対する優れた有効性を有することが見出された。理論に拘束されることを望まないが、本発明の特定の局所製剤における非活性賦形剤は、皮膚内に長期間、イソオキサゾリン活性薬の封じ込めを促進するとともに、長期間、外部寄生虫に対して有効であるように血流中に活性成分の所望濃度を提供する速度で循環系に活性薬が一定に拡散するのを可能にすると考えられる。このことは、所望の生物学的作用を得るために動物の皮膚を通して体循環中に迅速に活性薬が移行することを促進するように設計される典型的な局所製剤に用いられるアプローチとは逆である。従って、一実施形態において、本発明は、体循環中へのイソオキサゾリン活性薬の速やかな透過を妨げる非活性賦形剤を用いる。
【0136】
一実施形態において、本発明は、薬学的に許容される担体中にイソオキサゾリン活性薬を含む局所組成物であって、前記担体がイソオキサゾリン活性薬の透過を促進する化合物を含まない前記局所組成物を提供する。他の実施形態において、本発明は、イソオキサゾリン活性薬および薬学的に許容される担体を含む局所組成物であって、前記担体が、長期間動物の皮膚内にイソオキサゾリン活性薬を封じ込めるのを促進する溶媒または溶媒系を含む前記局所組成物を提供する。
【0137】
局所組成物の有効期間を延長するための担体を含む本発明の一実施形態において、担体は、カルボン酸エステル、ジカルボン酸ジエステル、脂肪酸エステルもしくは脂肪二酸ジエステル、またはそれらの組み合わせ(限定するものではないが、パルミチン酸イソプロピル、乳酸イソステアリル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジブチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、パルミチン酸オクチル、ステアリン酸ポリエチレングリコール(PEG)およびオクタン酸セテアリルを含む);油(限定するものではないが、鉱油、ジグリセリド、トリグリセリド、ホホバ油、レシチンおよびひまし油、またはそれらの組み合わせを含む);長鎖脂肪族アルコール、例えばイソステアリルアルコールなど;脂肪アルコールおよびそれらのエステル(例えば、セチルアルコール、セテアリールアルコールなどまたはそれらの組み合わせを含む);種々の分子量範囲のポリエチレングリコール(限定するものではないが、PEG 300、PEG 400、PEG 600およびPEG 1000またはそれらの組み合わせを含む);ならびにグリコールエーテル(限定するものではないが、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(Transcutol(登録商標))、ブチルジグリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルおよびジプロピレングリコールモノメチルエーテルまたはそれらの組み合わせを含む);またはこれらの溶媒の2以上の組み合わせから選択される溶媒を含むことができる。
【0138】
皮膚内への活性薬の長期間の封じ込めを促進することができ、本発明の組成物に含まれることができる賦形剤は、ショ糖とカルボン酸の混合エステル(限定するものではないが、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル(SAIB)などを含む);低融点ワックス、硬化植物油、カプリル酸/カプリン酸グリセリド;グリセロールエステル(例えば、トリアセチン、グリセロールモノオレイン酸エステル、モノリノール酸グリセロール、ステアリン酸グリセロール、ジステアリン酸グリセリルなどを含む);トリグリセリド(例えば、カプリル酸、カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸トリグリセリドを含む);熱可逆性ポリマー、例えばプルロニックおよびポロキサマーなど(例えばLutrol F127単独もしくは他のポロキサマーとの混合物を含む);またはそれらの組み合わせを含む。
【0139】
本発明の他の実施形態において、局所組成物のための薬学的に許容される担体は、単独で、あるいは上記の追加の溶媒の1以上と組み合わせてジカルボン酸ジエステルの混合物、および/または液体もしくは低融点親油性活性薬、例えば(S)-メトプレン、ピリプロキシフェンおよび/もしくはペルメトリンを含む”油状”親油性物質、および/またはショ糖と酢酸とイソ酪酸の混合エステル、例えばショ糖酢酸イソ酪酸エステル(SAIB)を含むショ糖とカルボン酸の混合エステル、および/または低融点ワックス、および/またはハードファットを含む。
【0140】
理論に拘束されることを望まないが、本発明の局所組成物中への特定の親油性溶媒の包含によって、皮膚内でのイソオキサゾリン活性薬の滞留時間が増加されると同時に、有効濃度の活性薬を循環系に徐々に移行させることによって、長期間の所望の有効性が達成される。
【0141】
好ましい実施形態において、ジカルボン酸ジエステルはセバシン酸ジエチルまたはアジピン酸ジイソプロピルである。他の実施形態において、ジカルボン酸エステルを含む溶媒の混合物は、グリコールもしくはポリグリコールまたはグリコールもしくはポリグリコールのエーテルもしくはエステル(限定するものではないが、エチレングリコール(EG)、プロピレングリコール(PG)、PEG 400を含む種々のグレードの液体ポリオキシエチレングリコール(PEG)、モノカプリル酸EGもしくはPG、カプリル酸EGもしくはPG、モノラウリン酸EGもしくはPG、ジカプリル酸/ジカプリン酸EGもしくはPG、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(DGME、Transcutol(登録商標))、ブチルジグリコール、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなど、またはそれらの組み合わせを含む);エーテル(限定するものではないが、ジメチルイソソルビドを含む);エステルまたはジエステル(限定するものではないが、トリアセチン、乳酸ラウリルを含む);ならびに他の溶媒(グリセロールホルマールまたはそれらの混合物を含む)を含む。
【0142】
好ましい実施形態において、局所組成物のための担体は、単独で、あるいは、
a)プロピレングリコール(PG)エステル(モノカプリル酸PG、カプリル酸PG、モノラウリン酸PG、ジカプリル酸/ジカプリン酸PG、またはそれらの組み合わせを含む);
b)ジメチルイソソルビド、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(別名DGMEまたはTranscutol(登録商標))、またはそれらの組み合わせを含むエーテル溶媒;
c)カルボン酸エステル(限定するものではないが、トリアセチン、乳酸ラウリル、パルミチン酸イソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、またはそれらの組み合わせを含む);ならびに
d)他の”油状”または親油性有機溶媒(グリセロールホルマールなどを含む)
から選択される溶媒と組み合わせて、ジカルボン酸ジアルキルエステル、例えばセバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジブチルまたはそれらの組み合わせを含む。
【0143】
いくつかの実施形態において、カルボン酸エステルまたはジカルボン酸ジエステルと組み合わせた追加の溶媒の量は、少なくとも約1%(v/v)、少なくとも約5%(v/v)、少なくとも約9.0%(v/v)、少なくとも約13%(v/v)、少なくとも約17%(v/v)または少なくとも約20%(v/v)の量で存在する。好ましくは、追加の溶媒は少なくとも約9%(v/v)の量で存在する。
【0144】
他の実施形態において、追加の溶媒は、約5〜70%(v/v)、約10〜60%(v/v)、約10〜50%(v/v)、約15〜60%(v/v)または約15〜50%(v/v)の量で存在する。好ましい実施形態において、追加の溶媒は、約20〜70%(v/v)、約20〜60%(v/v)、約20〜50%(v/v)または約25〜50%(v/v)の量で存在する。
【0145】
薬学的に許容される担体は、水性溶媒もしくは有機溶媒または溶媒の混合物を含む、製剤業界で一般的に用いられる適切な担体または希釈剤を含むことができる。これらの有機溶媒は、例えば、Remington Pharmaceutical Sciences, 21st Edition (2005) において見出すことができる。局所組成物に用いることができる他の溶媒および/または添加剤は、限定するものではないが、PEGエーテルおよびPEGエステル(PEGのカルボン酸エステルおよびジカルボン酸エステル、脂肪酸のPEGエステル、グリセロールエステル(トリアセチン、カプリル/カプリン酸トリグリセリド(Miglyol 812(登録商標))などを含む);グリセロールエーテル(グリセロールホルマールを含む);ジカプリル酸/ジカプリン酸プロピレングリコール(Miglyol 840(登録商標))、乳酸ラウリル、トリアセチン、アジピン酸ジイソプロピル(DIPA、別名CERAPHYL 230)、アジピン酸ジイソブチル、ジメチルイソソルビド(DMI)、クエン酸アセチルトリブチル、オレイン酸;カルボン酸エステル(二酸エステルを含む)、ケトン(アセトン、メチルイソブチルケトン(MIK)、メチルエチルケトンなどを含む);アセトニトリル、C1-C12アルコール(ベンジルアルコール、メタノール、エチルアルコール、イソプロパノールおよびブタノールを含む);芳香族エーテル、例えばアニソール;アミド(ジメチルアセトアミド、モノメチルアセトアミドおよびジメチルホルムアミドを含む);ジメチルスルホキシド(DMSO)、エチレングリコール、プロピレングリコール、炭酸グリコール(限定するものではないが、炭酸プロピレンおよび炭酸ブチレンを含む);2-ピロリドン、N-メチルピロリドン、C1-C12アルキルカルボン酸エステル(酢酸ブチルもしくは酢酸オクチルおよび酢酸ベンジルを含む);ジカルボン酸のC1-C12アルキルエステル;アリールエステル(安息香酸ベンジル、安息香酸エチルなどを含む);ならびにフタル酸ジエチルまたはこれらの溶媒の少なくとも2つの混合物を含む。
【0146】
しかしながら、一実施形態において、本発明は、薬学的に許容される担体中に、場合により1以上の追加の活性薬と組み合わせて少なくとも1つのイソオキサゾリン活性薬を含む局所組成物であって、前記担体がグリコフロールを含まない前記組成物を提供する。他の実施形態において、局所組成物の薬学的に許容される担体は、プロピレングリコールとグリセロールホルマールの二元混合物を含まない。
【0147】
ビヒクルまたは希釈剤としては、植物油、例えば、限定するものではないが大豆油、ラッカセイ油、ひまし油、コーンオイル、コットンオイル、オリーブ油、グレープシードオイル、ヒマワリ油など;鉱油、例えば、限定するものではないが、ペトロラタム、パラフィン、シリコーンなど;脂肪族もしくは環式炭化水素(リモネンを含む)、あるいはまた、例えば、中鎖(例えばC8-C12)トリグリセリドまたはそれらの混合物を挙げることもできる。
【0148】
一実施形態において、活性薬の透過率を調節する溶媒および/または添加剤を、ジカルボン酸ジアルキルエステル、例えばセバシン酸ジエチルなどを含む担体を含む本明細書に記載の製剤担体の1つを含む組成物に加えることができる。他の実施形態において、活性薬の透過率を調節する溶媒および/または添加剤を、本明細書に記載の他の溶媒を含む担体に加えることもできるし、組成物中に単独で用いることもできる。
【0149】
異なる動物の皮膚は性質が異なり、イソオキサゾリン活性薬の透過性が高い場合もあれば、低い場合もあることは、当業者には明らかであろう。例えば、イソオキサゾリン活性薬のネコの皮膚への保持はイヌよりも難しいかもしれない。従って、特定の動物の特定の場合において、本発明の局所組成物は、動物の皮膚に活性薬を長期間保持する溶媒および賦形剤よりはむしろ、動物の皮膚を介したイソオキサゾリン活性薬の透過を促進する溶媒を用いる。従って、本発明の他の実施形態において、動物の皮膚を介したイソオキサゾリン活性薬の透過を促進する溶媒を含む局所組成物が提供される。これらの溶媒は、皮膚を介して多くの割合の活性薬を提供し、それによって、有効性および存続期間を改善する。この実施形態において、透過促進溶媒は、皮膚を介した体循環へのより多くの割合のイソオキサゾリン活性薬の移行を可能にする。この効果によって、低投与量の活性薬でより大きなレベルの有効性が可能になることは、当業者には明らかであろう。イソオキサゾリン活性薬の透過を促進するために選択される溶媒は、限定するものではないが、ジメチルイソソルビド;およびグリコールエーテル(限定するものではないが、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(DGME、Transcutol(登録商標))、ブチルジグリコール、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどを含む)を含む。イソオキサゾリン活性薬の透過を促進するための下記の他の溶媒もまた、本組成物に用いることができる。
【0150】
本発明の一実施形態において、薬学的に許容される製剤担体は、C8-C20長鎖脂肪族アルコールまたはそのエステルを含むことができる。他の実施形態において、担体はC1-C12アルコールもしくはそのエステル、C1-C4アルコールもしくはそのエステルまたはC3-C8アルコールもしくはそのエステルを含む。いくつかの実施形態において、アルコールとで形成されるエステルは、C1-C12カルボン酸もしくは二酸エステルまたはC6-C16カルボン酸もしくは二酸エステルである。エステルは、限定するものではないが、酢酸エステル、例えば酢酸エチルなど;およびC1-C12アルコールとジカルボン酸もしくはヒドロキシ置換カルボン酸とのエステルを含む。
【0151】
他の実施形態において、薬学的に許容される担体は、C4-C22脂肪酸もしくはそのエステル(C6-C20長鎖アルコール、C1-C12アルコール、C1-C4アルコールもしくはC3-C8アルコールとのエステルを含む);C10-C18飽和脂肪酸もしくはそのエステル(C6-C20長鎖アルコール、C1-C12アルコール、C1-C4アルコールもしくはC3-C8アルコールとのエステルを含む);C10-C18不飽和脂肪酸もしくはそのエステル(C6-C20長鎖アルコール、C1-C12アルコール、C1-C4アルコールもしくはC3-C8アルコールとのエステルを含む);C6-C16脂肪族カルボン酸および二カルボン酸のモノエステルもしくはジエステル(C6-C20長鎖アルコール、C1-C12アルコール、C1-C4アルコールもしくはC3-C8アルコールとのエステルを含む)またはそれらの混合物を含む。他の実施形態において、担体は、C1-C10、C1-C8もしくはC1-C6アルコールまたはそのエステルを含むことができる。
【0152】
他の実施形態において、本発明の組成物は、芳香族アルコールまたはそのエステルを含む。好ましい一実施形態において、本発明の局所組成物は、溶媒としてベンジルアルコールを含むことができる。
【0153】
他の実施形態において、好ましい溶媒は、C1-C12アルキルカルボン酸エステル、例えば酢酸ブチル、酢酸オクチル、乳酸ラウリルまたはパルミチン酸イソプロピルならびにジカルボン酸のC1-C12アルキルエステル(アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチルおよびセバシン酸ジイソプロピルを含む)を含む。他の実施形態において、担体は、C1-C10、C1-C8もしくはC1-C6アルキルカルボン酸エステルまたはジカルボン酸のC1-C10、C1-C8もしくはC1-C6アルキルジエステルを含むことができる。一実施形態において、カルボン酸またはジカルボン酸はC4-C22脂肪酸またはジカルボン酸である。他の実施形態において、カルボン酸またはジカルボン酸はC1-C12カルボン酸またはジカルボン酸である。他の実施形態において、カルボン酸またはジカルボン酸はC1-C10、C1-C8またはC1-C6カルボン酸またはジカルボン酸である。
【0154】
いくつかの好ましい実施形態において、担体または希釈剤は、限定するものではないが、グリセロールモノエステル(例えばモノグリセリド)、グリセロールジエステル(例えばジグリセリド)、グリセロールトリエステル(例えばトリグリセリド、例えばトリアセチン)もしくはグリセロールホルマールまたはそれらの混合物を含むグリセロールの誘導体を含む。グリセロールホルマールは5-ヒドロキシ-1,3-ジオキサンおよび4-ヒドロキシメチル-1,3-ジオキソランの混合物(おおよそ60:40)であり、グリセロール由来の環状エーテル化合物であり、その環構造中に2酸素原子を有し、アルコール基によって置換されている。グリセロールホルマールは臭いの少ない低毒性の溶媒であり、抗寄生虫獣医製剤を含む医薬および化粧品産業におけるさまざまな用途を有する。
【0155】
本発明の他の実施形態において、有機溶媒は、アジピン酸ジイソプロピル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、2-ピロリドン、N-メチルピロリドン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリアセチン、酢酸ブチル、ベンジルアルコール、酢酸オクチル、炭酸プロピレン、オレイン酸またはこれらの溶媒の少なくとも2つの混合物を含むことができる。
【0156】
本発明のいくつかの実施形態において、担体はジメチルイソソルビドを含む。ジメチルイソソルビド(DMI)は、パーソナルケア製品および医薬製剤における活性薬のための安全で効果的な送達促進機構を提供する高純度な溶媒および担体である。さらに、ジメチルイソソルビドは、活性薬の表皮への透過促進を提供するための上皮透過促進剤として用いられることもある。ジメチルイソソルビドは、製剤の有効性を著しく限定する活性薬の結晶化を避けながら皮膚への活性薬の送達を提供することもできる。ジメチルイソソルビドは、水、綿実油、イソプロパノール、ミリスチン酸イソプロピル、プロピレングリコール、ポリソルベート20およびポリソルベート80を含む種々の成分に可溶性である。
【0157】
他の実施形態において、担体または希釈剤は、グリコール誘導体(限定するものではないが、プロピレングリコール、エチレングリコールを含む);グリコールエーテルならびにポリグリコールエーテル(限定するものではないが、ブチルジグリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルおよびジエチレングリコールモノエチルエーテル(DGMEまたはTranscutol(登録商標))を含む)を含むことができる。
【0158】
好ましい実施形態において、イソオキサゾリン活性薬(単数または複数)を含む本発明の局所組成物は、1以上の溶媒を含む薬学的に許容される担体に溶解される。本発明のいくつかの実施形態において、溶媒は、限定するものではないが、ジメチルイソソルビド(DMI)、グリセロールホルマール(メチリジノグリセロールもしくはグリセリンホルマール)、トリアセチン、液体ポリエチレングリコール(PEG 400を含む)、アジピン酸ジイソプロピル(DIPA)、パルミチン酸イソプロピル、シリコーン油(シリコーン油200およびシリコーン油1cstおよび/もしくはシリコーン油2cstなどを含む);プロピレングリコール(もしくは他の脂肪族二価アルコール)、ベンジルアルコール、プロピレングリコールエステル(ジカプリル酸/ジカプリン酸プロピレングリコール、炭酸プロピレン、モノカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、モノラウリン酸プロピレングリコールおよびジラウリン酸プロピレングリコールを含む);ジカルボン酸のアルキルエステル(セバシン酸ジエチル(DES)、セバシン酸ジイソプロピルを含む);ならびに脂肪酸のエステルもしくはジエステルまたはそれらの組み合わせを含む。
【0159】
本発明の一実施形態において、本発明の組成物は界面活性剤を含むことができる。界面活性剤は、陰イオン、陽イオン、非イオンまたは両性界面活性剤であることができる。陰イオン界面活性剤は、限定するものではないが、ステアリン酸アルカリ金属塩;ステアリン酸カルシウム;ステアリン酸トリエタノールアミン;アビエチン酸ナトリウム;硫酸アルキル;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム;脂肪酸などを含む。陽イオン界面活性剤の例は、限定するものではないが、式;臭化セチルトリメチルアンモニウムおよびオクタデシルアミン塩酸塩の水溶性第四級アンモニウム塩を含む。本組成物に用いることができる非イオン性界面活性剤は、限定するものではないが、ポリオキシエチレン化(PEG化)エステル(限定するものではないが、ソルビタンエステルおよび脂肪酸エステルを含む);ステアリン酸ポリエチレングリコール、ひまし油のポリオキシエチレン化誘導体、ポリグリセロールエステル、ポリオキシエチレン化脂肪アルコール、ポリオキシエチレン化脂肪酸ならびにエチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体(限定するものではないが、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロック共重合体、例えばポロキサマーなど(例えばBASF社製のLutrol(登録商標)FグレードおよびLグレード(Lutrol(登録商標)F68、F87、F108およびF127などを含む))などを含む。界面活性剤のさらなる例は、限定するものではないが、CAPRYOL(登録商標)90(モノカプリル酸プロピレングリコール)、CAPRYOL(登録商標)PGMC(モノカプリル酸プロピレングリコール)を含む。これらは、それぞれ、HLB(親水性親油性バランス)6および5を有する油状液体である。マイクロエマルションにおける補助界面活性剤として、および可溶化剤/透過促進剤としてこれらを局所に用いることができる。
【0160】
本明細書において、HLB値は以下の一般的意味を有する:HLB値が10未満である化合物は脂溶性(水不溶性)の傾向があり、HLBが10を超える溶媒は水溶性の傾向がある。HLBが4〜8である界面活性剤は、一般的には、消泡剤として有用である。HLBが7〜11である界面活性剤は、W/O(油中水型)乳化剤として有用であることができる。HLB12〜16は、一般的には、界面活性剤が水中油型エマルションに有用であることを示し、HLB11〜14は湿潤剤であることを示し、HLB12〜15は界面活性剤に特有であり、HLB16〜20は可溶化剤またはヒドロトロープを示す。範囲/使用には著しいオーバーラップが存在し、また、HLB値単独では、特定の界面活性剤が特定の目的(例えば消泡剤、乳化剤、湿潤剤、可溶化剤、ヒドロトロープ)に役立つかどうかを予測するために用いることはできないことは、当業者には明らかであろう。従って、一般に、適切な溶媒系、活性薬、界面活性剤(単数または複数)および他の賦形剤の決定は、必然的に、非ルーチン試験および発明的努力を必要とする。
【0161】
本組成物はまた、界面活性剤、例えばオレオイルマクロゴールグリセリド(ポリオキシルグリセリド、例えば、LABRAFIL(登録商標)M1944CSおよびLABRAFIL(登録商標)M2125CS(共にHLB4を有する))を含むことができる。これらの化合物はまた、エマルション、マイクロエマルションのための油相として、また透過促進剤として用いることもできる。
【0162】
他の実施形態において、ポリオキシルグリセリドは、ポリエチレングリコールカプリル酸/カプリル酸グリセリド、例えばLABRASOL(登録商標)(HLB14、マイクロエマルションにおける界面活性剤として局所に用いられる)を含むことができ、局所製剤における溶解性/透過促進剤として機能することもできる。
【0163】
他の実施形態において、界面活性剤は、HLB5を有するラウログリコール(登録商標)90(モノラウリン酸プロピレングリコール)である。これは、局所製剤におけるマイクロエマルションのための補助界面活性剤であり、局所製剤において可溶化剤/透過促進剤として機能することもできる。いくつかの実施形態において、界面活性剤は、HLB6を有するPLUROL(登録商標)OLEIQUE CC497(オレイン酸ポリグリセリル)である。
【0164】
局所製剤に適した溶媒には、優れた拡展性を有することを特徴とすることができるものもあり、皮膚バリアを通して体循環への活性薬の透過を促進する能力を特徴とすることができるものもある(例えば、Pharmaceutical Skin Penetration Enhancement, edited by Jonathan Hadgraft and Kenneth A. Walters, Marcel Dekker, Inc. New York 1993 を参照のこと)。場合によっては、局所製剤に適した溶媒は、優れた拡展性とすぐれた透過性の両方を含むことができる。DIPA、セバシン酸ジイソプロピル、DESおよびMiglyol 840は、優れた拡展性とすぐれた透過性の両方を有する。トランスクトール、DMI、乳酸ラウリル、カプリル酸プロピレングリコール、モノカプリル酸プロピレングリコールおよびモノラウリン酸プロピレングリコールは、優れた透過促進性を有するが、特に優れた拡展性を有するとは考えられていない。本発明の特定の実施形態において、本組成物は、本組成物の拡展性および/または透過性を促進する溶媒の混合物を含む。
【0165】
本発明のいくつかの実施形態において、限定するものではないが、DIPA、セバシン酸ジイソプロピル、DESおよびMiglyol(登録商標)840を含む、優れた拡展性とすぐれた透過性の両方を示す溶媒を担体が含む製剤が提供される。他の実施形態において、本発明は、優れた拡展性を示す溶媒を担体が含む製剤を提供する。本発明のさらに他の実施形態において、皮膚を介した体循環への活性薬の透過を促進する溶媒を担体ビヒクルが含む製剤が提供される。
【0166】
一実施形態において、組成物は長期持続性効果を示し、少なくとも1ヶ月間、家畜における寄生虫に対する防御を提供する。一実施形態において、組成物は、カルボン酸アルキルエステルまたはジカルボン酸ジエステルを含む溶媒系含む担体を含む。他の実施形態において、組成物は、カルボン酸アルキルエステルまたはジカルボン酸ジエステルを含む溶媒の混合物を含む。
【0167】
他の実施形態において、本発明の組成物は、ノミおよび/またはマダニに対して少なくとも1ヶ月間、少なくとも2ヶ月間、少なくとも3ヶ月間、少なくとも4ヶ月間、少なくとも5ヶ月間または少なくとも6ヶ月間持続する、ノミおよび/またはマダニに対して少なくとも90%の極めて長期間持続する効果を示す。一実施形態において、長期持続性組成物は、カルボン酸アルキルエステルまたはジカルボン酸ジエステル(セバシン酸ジエチルおよびアジピン酸ジイソプロピルを含む)を含む担体を含む。他の実施形態において、長期持続性組成物は、限定するものではないが、プロピレングリコール(PG)エステル(モノカプリル酸PG、カプリル酸PG、モノラウリン酸PGおよびジカプリル酸/ジカプリン酸PGを含む);ジエチレングリコールモノエチルエーテル(DGME、Transcutol(登録商標))、鉱油、トリグリセリド、ジグリセリド、イソステアリルアルコール、乳酸イソステアリル、アジピン酸ジブチル、セバシン酸ジブチル;ポリエチレングリコール(PEG)(PEG 400、ステアリン酸PEGを含む);レシチン、ひまし油およびひまし油誘導体、皮膜形成剤、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチコノール、アルギニン、ショ糖酢酸イソ酪酸エステルなど、またはそれらの組み合わせを含む補助溶剤と組み合わせたカルボン酸アルキルエステルまたはジカルボン酸ジエステルを含む。
【0168】
さらに他の実施形態において、少なくとも1ヶ月間、少なくとも2ヶ月間、少なくとも3ヶ月間、少なくとも4ヶ月間、少なくとも5ヶ月間または少なくとも6ヶ月間、ノミおよび/またはマダニに対して少なくとも90%の有効性を提供する長期持続性組成物は、ジメチルイソソルビドを含む担体ビヒクルを含む。上記のように、DMIは公知の透過促進剤であり、本発明のいくつかの局所製剤におけるこの溶媒の使用は、体循環への活性薬の送達の増加をもたらす。特に、ネコのための局所製剤におけるDMIの使用は、ノミに対する少なくとも3ヶ月間、少なくとも4ヶ月間、少なくとも5ヶ月間またはさらには少なくとも6ヶ月間の驚くべき有効性をもたらした。
【0169】
さらに他の実施形態において、ノミおよび/またはマダニに対して少なくとも90%の有効性を提供する長期持続性組成物は、限定するものではないが、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(DGME、Transcutol(登録商標))、ブチルジグリコール、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどを含むグリコールエーテルを含む。
【0170】
上記のように、イソオキサゾリン活性薬、例えば式(I)のイソオキサゾリン活性薬、特に4-[5-[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-N-[2-オキソ-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]エチル]-1-ナフタレンカルボキサミド(化合物A)は全身的に活性であり、外部寄生虫は、宿主から血液の食事をとるときに作用を受ける。従って、外部寄生虫、例えばマダニおよびノミを効果的に駆除するためには、動物の体循環において、最小濃度の化合物しか必要としない。驚くべきことに、イソオキサゾリン活性薬を含む本発明の局所製剤は、意外にも大変低い血漿中濃度でノミおよびマダニに対する優れた有効性を提供することが見出された。いくつかの実施形態において、ジカルボン酸のジアルキルエステル、例えばセバシン酸ジエチルなどを含む選択された溶媒および賦形剤を含む本発明の局所組成物は、長期間、一定で低レベルの活性薬をもたらす。いくつかの実施形態において、ノミおよび/またはマダニに対して少なくとも90%の有効性を得るのに十分な、血漿における活性薬の濃度は、約200ng/mL以下または約150ng/mL以下である。他の好ましい実施形態において、ノミおよび/またはマダニに対して90%の有効性を達成するのに必要な血漿中のイソオキサゾリン活性薬の濃度は、およそ100ng/mL以下、約75ng/mL以下またはさらには約50ng/mL以下である。本発明の他の実施形態において、ノミおよびマダニに対する90%の有効性を達成するのに必要な血漿中のイソオキサゾリン活性薬の濃度は、約75〜100ng/mL、約50〜75ng/mLまたは約30〜50ng/mLである。
【0171】
さらにまた、驚くべきことに、特定のマダニ種に対する少なくとも90%の有効性を達成するのに必要な血漿中のイソオキサゾリン活性薬(化合物A)の濃度は、無治療対照またはプラセボで治療した対照群と比較して、高い全身暴露を達成する他の投与方法、例えば経口または注射投与から90%の有効性を達成するのに必要な血漿中濃度よりも著しく低かったこともまた見出された。イヌにおけるマダニ種、A.アメリカヌム(A. americanum)、D.バリアビリス(D. variabilis)およびR.サングイネウス(R. sanguineus)に対する90%の有効性を達成するのに必要なイソオキサゾリン活性薬の濃度は、経口投与から得られる濃度よりも約42%、36%および32%低かったことが見出された(実施例13参照)。イソオキサゾリン類の化合物と同様に、血液の食事の摂取によって外部寄生虫に対して作用する活性薬に関して、この効果は驚くべきことであり、かつ予期せぬことである。理論に拘束されることを望まないが、本発明の局所組成物からの、90%の有効性を達成するのに必要なより低い血漿中濃度は、動物の表面の局所および全身の両方に作用することによって、外部寄生虫に対する防御を組成物が提供することを示すことができる。顕著に低い血漿中濃度での、これらのマダニ種に対する本発明の局所組成物の有効性の改善は、塗布部位からの血流中へのイソオキサゾリン活性薬の有効量のゆっくりした送達を提供する本発明の組成物における非活性賦形剤の能力に基づく長期間の有効性を可能にすることができる。
【0172】
上記のように、驚くべきことに、本発明の局所組成物にイソオキサゾリン活性薬と共に特定の他の活性薬を加えることによって、組成物の長期持続性効果を顕著に促進したことが見出された。例えば、局所組成物におけるIGR活性薬、例えば幼若ホルモンミミックであるメトプレンの包含は、外部寄生虫に対して極めて長期間持続する有効性をもたらした。従って、好ましい一実施形態において、本発明は、昆虫成長制御剤(IGR)活性薬と組み合わせて少なくとも1つのイソオキサゾリン活性薬を含む極めて長期間持続する局所組成物を提供する。本明細書で述べたように、好ましくは、IGRは、アザジラクチン、ジオフェノラン、フェノキシカルブ、ヒドロプレン、キノプレン、ピリプロキシフェン、テトラヒドロアザジラクチンまたは4-クロロ-2-(2-クロロ-2-メチルプロピル)-5-(6-ヨード-3-ピリジルメトキシ)ピリダジン-3(2H)-オンを含む幼若ホルモンミミックである。より好ましくは、IGRはメトプレンまたはピリプロキシフェンである。限定するものではない例に記したように、イソオキサゾリン活性薬とIGR(S)-メトプレンの包含は、極めて長期間持続する有効性をもたらした。メトプレンは成虫殺虫剤ではないため、この効果は驚くべきことであり、かつ予期せぬことである(実施例1〜3参照)。
【0173】
本発明の他の実施形態において、驚くべきことに、本発明の局所組成物におけるネオニコチノイド活性薬、例えばニテンピラムの包含が、ノミに対する組成物の殺傷速度を著しく増加させたことが見出された。従って、イソオキサゾリン活性薬ならびに場合によりIGR活性薬および/または他の油状活性薬および/または低融点活性薬、例えばペルメトリンと組み合わせてニテンピラムを含む局所組成物は、局所製剤の投与12時間後には早くもノミに対する少なくとも90%の有効性を提供するばかりでなく、長期持続性効果もまた提供する。本発明のさらに他の実施形態において、局所組成物は、投与9時間または6時間後には、早くも、ノミに対する少なくとも90%の有効性を提供する。本発明の一実施形態において、ニテンピラムとイソオキサゾリン活性薬の組み合わせを含む組成物は、治療12時間、9時間または6時間後には、早くもノミに対する少なくとも90%の有効性を提供するとともに、少なくとも1ヶ月間、少なくとも90%の有効性を提供する。他の実施形態において、ニテンピラムとイソオキサゾリン活性薬の組み合わせを含む組成物は、治療12時間、9時間または6時間後には、早くも、少なくとも90%の有効性を提供するばかりでなく、少なくとも2ヶ月間または少なくとも3ヶ月間以上、少なくとも90%の有効性を提供する。ネオニコチノイドニテンピラムとイソオキサゾリン活性薬の組み合わせによって提供される速効性および長期持続性防御は、大変驚くべきことであり、かつ予期せぬことである。なぜなら、ニテンピラムは、製品CAPSTAR(登録商標)錠剤と同様に、経口投与されたときにのみ有効であることが知られているからである。
【0174】
他の実施形態において、本発明の組成物は、水中油型または油中水型エマルションの形態であることができる。いくつかの実施形態において、油相は、植物油、例えば、オリーブ油もしくは落花生油または鉱油、例えば流動パラフィンまたはこれらの混合物であることができる。適切な乳化剤は、天然に存在するホスファチド、例えばダイズレシチン、脂肪酸およびヘキシトール無水物由来のエステルもしくは部分エステル、例えば、モノオレイン酸ソルビタンならびに前記部分エステルとエチレンオキシドの縮合物、例えばポリオキシエチレンモノオレイン酸ソルビタンなどを含む。いくつかの実施形態において、エマルションは防腐剤もまた含むことができる。
【0175】
製剤の他の実施形態において、本発明の組成物はマイクロエマルションの形態である。マイクロエマルションは液体担体ビヒクルとして適切である。マイクロエマルションは、一般的には、水相、油相、界面活性剤および補助界面活性剤を含む4元系である。マイクロエマルションは、通例、半透明の等方性液体である。マイクロエマルションは、油相中の水相の微小滴の安定な分散体または逆に水相中の油相の微小滴の分散体で構成される。これらの微小滴のサイズは、一般的には200nm未満(エマルションは1000〜100,000nm)である。界面膜は界面活性(SA)分子と補助界面活性(Co-SA)分子の一つおきの配列で構成され、界面張力を低下させることによって、マイクロエマルションが自発的に形成される。
【0176】
油相の一実施形態において、油相は、鉱物油もしくは植物油、不飽和ポリグリコシル化グリセリドもしくはトリグリセリド、またはこのような化合物の混合物から形成されることができる。油相の一実施形態において、油相はトリグリセリドを含む。油相の他の実施形態において、トリグリセリドは中鎖トリグリセリド、例えばC8-C10カプリル/カプリン酸トリグリセリドである。他の実施形態において、油相はマイクロエマルションの約1〜約20%;約2〜約15%;約7〜約10%;および約8〜約9%v/vからなる群から選択される%v/v範囲である。
【0177】
水相は、一般的には、例えば水またはグリコール誘導体、例えばプロピレングリコール、グリコールエーテル、ポリエチレングリコールもしくはグリセロールを含む。グリコール誘導体の一実施形態において、グリコールは、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルおよびそれらの混合物からなる群から選択される。一般に、水相は、マイクロエマルションにおいて、約1〜約10%v/vまたは約1〜約4%v/の割合である。
【0178】
マイクロエマルションのための界面活性剤は、一般的には、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリグリコール化C8-C10グリセリドもしくはポリグリセリル-6ジオレアートまたはこれらの界面活性剤の組み合わせを含む。これらの界面活性剤に加えて、補助界面活性剤は、短鎖アルコール、例えばエタノールおよびプロパノールを含む。さらに、界面活性剤として、ポロキサマーおよびプルロニックF127を用いることができる。
【0179】
一部の化合物は、上記の3つの成分、すなわち水相、界面活性剤および補助界面活性剤に共通である。しかしながら、同じ製剤の各成分のために異なる化合物を用いることは、十分に従業者の能力水準の範囲内である。
【0180】
活性成分を植物油、例えば、落花生油、オリーブ油、ゴマ油もしくはココナッツ油、または鉱油、例えば流動パラフィンなどに懸濁することによって油性懸濁液を調製することができる。油性懸濁液は、増粘剤、例えば、蜜蝋、固形パラフィンまたはセチルアルコールなどを含むことができる。これらの組成物は、抗酸化剤、例えばアスコルビン酸または他の既知の防腐剤の添加によって保存することができる。
【0181】
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適した賦形剤と混合して活性薬を含むことができる。このような賦形剤は、縣濁化剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガントガムおよびアカシア樹脂であり、分散剤もしくは湿潤剤は、天然に存在するホスファチド、例えばレシチン、または脂肪酸とアルキレンオキシドの縮合物、例えばステアリン酸ポリオキシエチレン、または長鎖脂肪族アルコールとエチレンオキシドの縮合物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、または脂肪酸およびヘキシトール由来の部分エステルとエチレンオキシドの縮合物、例えばポリオキシエチレンモノオレイン酸ソルビトール、または脂肪酸およびヘキシトール無水物由来の部分エステルとエチレンオキシドの縮合物、例えばポリエチレンモノオレイン酸ソルビタンを含む。水性懸濁液はまた、1以上の防腐剤、例えばp−ヒドロキシ安息香酸エチルもしくはプロピル、1以上の着色剤を含むこともできる。
【0182】
本発明の製剤に着色剤を加えることができる。本発明により考えられる着色剤は、当該技術分野で公知の着色剤である。特定の着色剤は、例えば、色素、FD&C Blue #1 Aluminum Lake、カラメル、酸化鉄に基づく着色料または前述のいずれかの混合物を含む。特に好ましい着色料は有機色素および二酸化チタンである。好ましい範囲は約0.01%〜約2%(w/v)を含み、より好ましくは約0.01%〜約0.5%(w/v)を含む。
【0183】
好ましい実施形態において、本発明の組成物は、動物の外被全体または動物の外被の大部分よりはむしろ動物の限局性部位に塗布されるスポットオン製剤の形態である。限局性部位の一実施形態において、位置は両肩間である。本発明に記載のスポットオン製剤は、その溶液が動物に塗布されるとき、外部寄生虫および/または内部寄生虫に対する長期持続性かつ広域スペクトルの有効性を提供する。スポットオン製剤は、動物の限局性部位、一般に両肩間への間欠的塗布のための、濃厚溶液、懸濁液、マイクロエマルションまたはエマルションの局所投与を提供する。
【0184】
スポットオン製剤は、宿主の局所部位への特定の抗寄生虫薬の局所送達のための公知の技術である。しかしながら、必ずしもすべての化合物がスポットオン製剤での製剤に適しているわけではない。なぜなら、活性薬の物理化学的特性によって、化合物の局所または経皮での効果的な分布が可能にならない場合があるからである。米国特許第5,045,536号、第6,395,765号;第6,096,329号;第7,262,214号;第6,426,333号;第6,482,425号;第6,962,713号;第6,998,131号;および第7,531,186号(すべて、参照により本願に組み込まれる)は、スポットオン製剤を記載している。WO01/957715(参照により本願に組み込まれる)もまた、局所製剤、例えばスポットオン組成物をげっ歯動物の皮膚または体毛に塗布することを含む、小げっ歯動物において外部寄生虫を駆除するための方法ならびに、小げっ歯動物において節足動物によって引き起こされる疾患を抑制もしくは予防するための方法を記載している。
【0185】
スポットオン製剤は、薬学的または獣医学的に許容されるビヒクルに活性成分を溶解することによって調製することができる。あるいはまた、スポットオン製剤は、動物の表面に治療剤の被膜を取り残すために、活性成分をカプセル化することによって調製することができる。これらの製剤は、治療される宿主動物の種、感染の重症度および種類ならびに宿主の体重に応じて、組み合わせでの治療剤の重量は変化する。
【0186】
スポットオン製剤に関しては、薬学的に許容される担体は、本明細書に記載の液体担体ビヒクルならびに当該技術分野で記載されている他の担体、例えば米国特許第6,395,765号および以前のパラグラフに記載されている他の特許に記載されている担体であることができる。いくつかの実施形態において、活性成分の結晶または沈殿の形成を抑制するために、液体担体ビヒクルは、場合により、結晶化阻害薬、例えば下記の結晶化阻害薬またはそれらの混合物を含むことができる。
【0187】
獣医学的に許容される担体は、一般に、活性薬が可溶性である希釈剤またはビヒクルを含む。局所組成物の担体または希釈剤は、活性薬を溶液から沈殿させたり、結晶を生成させたりせずに、標的部位に活性薬を送達することができなくてはならないことは、当業者には明らかであろう。いくつかの実施形態において、組成物の担体または希釈剤は、活性薬の沈殿または結晶化を防ぐのに適切である。他の実施形態において、組成物は、担体または希釈剤に加えて、結晶化阻害薬成分を含むことができる。
【0188】
本発明に有用な結晶化阻害薬は、限定するものではないが:
(a)ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、酢酸ビニルとビニルピロリドンの共重合体、2-ピロリドン(N-メチルピロリドンを含む)、ジメチルスルホキシド、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンの共重合体、ベンジルアルコール、マンニトール、グリセロール、ソルビトールもしくはポリオキシエチレン化ソルビタンエステル;レシチンもしくはカルボキシメチルセルロースナトリウム;またはアクリル誘導体、例えばポリアクリレートもしくはポリメタクリレートを含むアクリルモノマー由来のポリマー;ならびに、活性薬の結晶化を阻害する本明細書に記載の溶媒および類似の化合物;
(b)陰イオン界面活性剤、例えばステアリン酸アルカリ金属塩(例えばステアリン酸ナトリウム、カリウムもしくはアンモニウム);ステアリン酸カルシウムもしくはステアリン酸トリエタノールアミン;アビエチン酸ナトリウム;硫酸アルキル(限定するものではないがラウリル硫酸ナトリウムおよびセチル硫酸ナトリウム;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムもしくはジオクチルスルホコハク酸ナトリウム;または脂肪酸(例えばココナッツ油)を含む;
(c)陽イオン界面活性剤、例えば式N+R'R''R'''R''''Y-(式中、Rラジカルは同一または異なるヒドロキシル化されていてもよい炭化水素ラジカルであり、Y-は強酸のアニオン、例えばハロゲン化物、硫酸アニオンおよびスルホン酸アニオンである)の水溶性第四級アンモニウム塩;臭化セチルトリメチルアンモニウムは使用することができる陽イオン界面活性剤の1つである;
(d)式N+HR'R''R'''Y-のアミン塩(式中、Rラジカルは同一または異なるヒドロキシル化されていてもよい炭化水素ラジカルであり、Y-は鉱酸または有機酸のアニオンである);オクタデシルアミン塩酸塩は、使用することができる陽イオン界面活性剤の1つである;
(e)非イオン性界面活性剤、例えばポリオキシエチレン化されていてもよいソルビタンエステル、例えばポリソルベート80もしくはポリオキシエチレン化アルキルエーテル;ステアリン酸ポリエチレングリコール、ひまし油のポリオキシエチレン化誘導体(水添ひまし油およびその誘導体を含む)、ポリグリセロールエステル、ポリオキシエチレン化脂肪アルコール、ポリオキシエチレン化脂肪酸もしくはエチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体;
(f)両性界面活性剤、例えば置換ラウリルベタイン化合物;または
(g)上記(a)〜(f)に記載の化合物の少なくとも2つの混合物
を含む。
【0189】
結晶化阻害薬の一実施形態において、一対の結晶化阻害薬が用いられる。このような対は、例えば、ポリマータイプの皮膜形成剤と界面活性剤の組み合わせを含む。他の一対の結晶化阻害薬は、ポリエチレングリコールおよび非イオン性界面活性剤を含む。他の混合物を含む追加の結晶化対もまた考えられる。これらの薬剤は、結晶化阻害薬として上で述べた化合物から選択されることができる。
【0190】
皮膜形成剤の一実施形態において、薬剤はポリマータイプであり、これらは、限定するものではないが、種々のグレードのポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールおよび酢酸ビニルとビニルピロリドンの共重合体を含む。
【0191】
界面活性剤の一実施形態において、薬剤は、限定するものではないが、非イオン性界面活性剤からなる薬剤を含む。界面活性剤の他の実施形態において、薬剤はポリオキシエチレン化ソルビタンエステルである。界面活性剤のさらに他の実施形態において、薬剤は、種々のグレードのポリソルベート、例えばポリソルベート80および、水添ひまし油誘導体を含むひまし油のポリオキシエチレン化誘導体を含む。
【0192】
本発明の他の実施形態において、皮膜形成剤および界面活性剤は、上で述べた結晶化阻害薬の総量の範囲内で同様または同一の量で組み込むことができる。
【0193】
いくつかの実施形態において、結晶化阻害薬は約1〜約30%(w/v)の割合で存在することができる。一般的には、結晶化阻害薬は、約1%〜約20%(w/v)、約1%〜約10%(w/v)、または約5%〜約15%(w/v)の割合で存在することができる。許容される阻害薬は、製剤への添加によって、製剤が塗布されたとき、活性薬の結晶生成が阻害される阻害薬である。いくつかの実施形態において、製剤は、本明細書に記載のもの以外の結晶化阻害薬として機能する化合物を含むことができる。これらの実施形態において、前述の溶媒中に10%(w/v)のイソオキサゾリン活性薬と10%(w/v)の結晶化阻害薬を含む試料が、20℃で24時間、スライドガラス上に置かれたとき、20未満、好ましくは10未満の結晶を生成させるように、結晶化阻害薬が十分に結晶生成を阻害するかどうかを試験することによって、結晶化阻害薬の適合性を決定することができる。
【0194】
本発明のいくつかの実施形態において、本発明の局所組成物に皮膚軟化薬および/または拡展剤および/または皮膜形成剤を加えることができる。皮膚軟化剤、拡展剤および被膜形成剤は当該分野で公知である。種々の実施形態において、局所組成物に用いることができる皮膚軟化剤、拡展剤および被膜形成剤は、ポリマー誘導体、例えばポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールおよびビニルピロリドンと酢酸ビニルの共重合体;陰イオン界面活性剤;陽イオン界面活性剤;非イオン性界面活性剤;両性界面活性剤;アミン塩ならびにそれらの組み合わせを含む、上記の(a)〜(g)に記載した成分を含む。一実施形態において、皮膚軟化薬は、約0.1〜約10%または約0.25〜約5%(w/v)の割合で用いられる。
【0195】
場合により、本発明の組成物のいずれかに芳香剤を加えることができる。本発明に有用な芳香剤は、限定するものではないが、
(i)カルボン酸エステル、例えば酢酸オクチル、酢酸イソアミル、酢酸イソプロピルおよび酢酸イソブチル;
(ii)芳香油、例えばラベンダー油
を含む。
【0196】
本発明の製剤は、他の不活性成分、例えば抗酸化剤、防腐剤またはpH安定剤を含むことができる。これらの化合物は、製剤業界に公知である。抗酸化剤、例えばビタミンE、αトコフェロール、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、クエン酸、フマル酸、リンゴ酸、アスコルビン酸ナトリウム、メタ重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、没食子酸n-プロピル、BHA(ブチル化ヒドロキシアニソール)、BHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)、BHAおよびクエン酸、モノチオグリセロール、tert−ブチルヒドロキノン(TBHQ)などを本製剤に加えることができる。抗酸化剤は、一般に、製剤の全重量に基づいて、約0.01〜約2.0%の量で製剤に加えられるが、約0.05〜約1.0%が特に好ましい。
【0197】
防腐剤、例えばパラベン(メチルパラベンおよび/またはプロピルパラベン)は、適切には、製剤中に約0.01〜約2.0%の量で用いられるが、約0.05〜約1.0%が特に好ましい。他の防腐剤は、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、安息香酸、ベンジルアルコール、ブロノポール、ブチルパラベン、セトリミド、クロルヘキシジン、クロロブタノール、クロロクレゾール、クレゾール、エチルパラベン、イミド尿素、メチルパラベン、フェノール、フェノキシエタノール、フェニルエチルアルコール、酢酸フェニル水銀、ホウ酸フェニル水銀、硝酸フェニル水銀、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、ソルビン酸、チメロサールなどを含む。これらの化合物の好ましい範囲は、約0.01〜約5%を含む。
【0198】
製剤のpHを安定化する化合物もまた考えられる。このような化合物は、これらの化合物の使用方法も含めて当業者に公知である。緩衝系は、例えば、酢酸/酢酸塩、リンゴ酸/リンゴ酸塩、クエン酸/クエン酸塩、酒石酸/酒石酸塩、乳酸/乳酸塩、リン酸/リン酸塩、グリシン/グリシネート(glycimate)、トリス、グルタミン酸/グルタミン酸塩および炭酸ナトリウムからなる群から選択される系を含む。
【0199】
他の実施形態において、本発明の局所組成物はポアオン製剤の形態でであることができる。ポアオン製剤は、例えば、米国特許第6,010,710号に記載されている(これは、参照により本願に組み込まれる)。ポアオン製剤の一部は、好都合には油状であり、一般に希釈剤またはビヒクルを含み、活性成分が希釈剤に可溶性ではない場合には、活性成分のための溶媒(例えば有機溶媒)もまた含む。他のポアオン製剤は、アルコール、グリコールまたはグリコールエーテルベースの担体を含む親水性担体による製剤であることができる。ポアオン製剤は、一般的には、家畜動物、例えばウシおよびヒツジに投与される。一般的には、ポアオン製剤は、動物の外表面、例えば動物の頭から尾まで縞状に動物に投与される。一実施形態において、プロセスは、家畜動物がフィードロットに到着する前に家畜動物にこの溶液を塗布することを含む。この動物が屠殺される前に、この塗布を最後の塗布にすることが可能である。
【0200】
一般的には、イソオキサゾリン(単数または複数)活性薬は、製剤中に約1〜約25%(w/v)の濃度で存在する。本発明のいくつかの実施形態において、イソオキサゾリン活性薬は、製剤中に約1〜約20%(w/v)、約1〜約10%(w/v)、約5〜約15%(w/v)または約5〜10%(w/v)の濃度で存在する。他の実施形態において、イソオキサゾリン活性薬(単数または複数)は、組成物中に約1〜約5%(w/v)、約3〜6%(w/v)または約0.5%〜約2.0%(w/v)の濃度で存在する。
【0201】
投与される物質の量が実用的であり、安全かつ有効であることが示されている限り、塗布される局所組成物の容量は限定されない。一般的には、塗布容量は、動物のサイズおよび体重ばかりでなく、活性薬の濃度、寄生虫による侵入の範囲および投与の種類に左右される。スポットオン組成物に関しては、塗布容量は、一般的には、約0.1ml〜約10ml、約0.1ml〜約5mlまたは約0.1〜約1ml等々のオーダーである。他の実施形態において、容量は約4ml〜約7mlであることができる。より大型の動物に関しては、容量はさらに高くなることができ、限定するものではないが、容量は最大10ml、最大20mlまたはそれ以上であることができる。容量の一実施形態において、容量は、動物の体重に応じて、ネコに関しては、約0.5ml〜約1mlまたは約0.5ml〜約2mlのオーダーであり、イヌに関しては、約0.3〜約3mlまたは4mlのオーダーである。
【0202】
ポアオン型の組成物に関しては、塗布容量は約0.3〜約100mLのオーダーであることができる。他の実施形態において、ポアオン製剤の塗布容量は、約1ml〜約100mlまたは約1ml〜約50mlであることができる。さらに他の実施形態において、該容量は約5ml〜約50mlまたは約10ml〜約100mlであることができる。
【0203】
剤形は、組み合わせの活性薬を約0.5mg〜約5g含むことができる。より一般的には、活性薬の量は、活性薬の約1mg〜約500mg、約1mg〜約100mgまたは約1mg〜約25mgの量で存在する。さらに他の実施形態において、組成物中に存在する活性薬の量は、約10mg約50mgまたは約10mg〜約100mgである。他の実施形態において、組成物中に存在する活性薬の量は、約50mg〜約200mg、約100mg〜約300mg、約100mg〜約400mg、約200mg〜約500mg、約300mg〜約600mg、約400mg〜約800mgまたは約500mg〜約1000mgである。
【0204】
適切な量の活性薬、薬学的に許容される担体または希釈剤ならびに場合により結晶化阻害薬、抗酸化剤、防腐剤、皮膜形成剤などを混合して、本発明の組成物を調製することによって、本発明の組成物が製造される。いくつかの実施形態において、当該技術分野で公知の一般製剤テキスト、例えば、
Remington - The Science and Practice of Pharmacy (21st Edition) (2005), Goodman & Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics (11th Edition) (2005) およびAnsel’s Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems (8th Edition), edited by Allen et al., Lippincott Williams & Wilkins, (2005) に見られる剤型の説明によって、前述の剤型の製造方法に従って、組成物を得ることができる。
【0205】
治療法
本発明の他の側面において、寄生虫の侵入/感染を予防または治療するための方法であって、少なくとも1つのイソオキサゾリン活性薬の有効量を、動物の皮膚への塗布に適した薬学的に許容される担体と共に含む局所組成物を動物に投与することを含む前記方法が提供される。本発明の組成物または製剤は、外部寄生虫(例えばノミおよびマダニ)に対する長期持続性効果を有し、特定の実施形態において、動物を害する内部寄生虫に対しても作用を有することができる。
【0206】
本発明の一実施形態において、家畜における寄生虫の侵入または感染の治療または予防のための方法であって、少なくとも1つのイソオキサゾリン活性薬の有効量を含む局所組成物を動物に投与することを含む前記方法が提供される。本発明の方法および組成物が有効な外部寄生虫は、限定するものではないが、ノミ、マダニ、コダニ、カ、ハエおよびシラミを含む。内部寄生虫に対して作用を有する1以上の追加の活性薬を組成物が含む特定の実施形態において、本発明の組成物および方法は、限定するものではないが、動物およびヒトの消化管の条虫類、線虫、鉤虫および回虫を含む内部寄生虫に対しても有効であることができる。
【0207】
外部寄生虫に対する治療のための一実施形態において、外部寄生虫は、クテノケファリデス(Ctenocephalides)属、リピケファルス(Rhipicephalus)属、デルマセンター(Dermacentor)属、イクソデス(Ixodes)属、ボーフィルス(Boophilus)属、アンブリョマ(Ambylomma)属、ヘマフィサリス(Haemaphysalis)属、ヒアロムマ(Hyalomma)属、ザルコプテス(Sarcoptes)属、プソロプテス(Psoroptes)属、オトデクテス(Otodectes)属、コリオプテス(Chorioptes)属、ヒポデルマ(Hypoderma)属、ダマリニア(Damalinia)属、リノグラツス(Linognathus)属、ヘマトピヌス(Haematopinus)属、ソレノプテス(Solenoptes)、トリコデクテス(Trichodectes)属およびフェリコラ(Felicola)属のものを含む1以上の昆虫またはクモガタ綱の動物を含む。
【0208】
外部寄生虫に対する治療のための他の実施形態において、外部寄生虫は、クテノケファリデス属、リピケファルス属、デルマセンター属、イクソデス属および/またはボーフィルス属由来である。治療される外部寄生虫は、限定するものではないがノミ、マダニ、コダニ、カ、ハエ、シラミ、クロバエおよびそれらの組み合わせを含む。具体例は、限定するものではないが、ネコおよびイヌノミ(クテノケファリデス・フェリス、クテノケファリデス属種など)、マダニ(リピケファルス属種、イクソデス属種、デルマセンター属種、アンブリョマ属種など)およびコダニ(デモデクス属種、ザルコプテス属種、オトデクテス属種など)、シラミ(トリコデクテス属種、ケイレティエラ属種、リグノナツス属種など)、カ(エデス属種、クレクス属種、アノフェレス属種など)およびハエ(ヘマトビア属種(ヘマトビア・イリタンス(Haematobia irritans)を含む)、ムスカ属種、ストモキス属種(ストモキス・カルシトランス(Stomoxys calcitrans)を含む)、デマトビア属種、コクリオミイア属種(Cochliomyia sp.)など)を含む。
【0209】
外部寄生虫の追加の例は、限定するものではないが、ボーフィルス属のマダニ、特にミクロプルス種(ウシダニ)、デコロラツス種およびアンヌラツス種のマダニ;ハエ幼虫症、例えばデルマトビア・ホミニス(Dermatobia hominis)(ブラジルではBerneとして知られる)およびコクリオミア・ホミニボラクス(Cochliomyia hominivorax)(銀蝿);ヒツジのハエ幼虫症、例えばルシリア・セリカタ(Lucilia sericata)、ルシリア・クプリナ(Lucilia cuprina)(オーストラリア、ニュージーランドおよび南アフリカではクロバエによる皮膚蠅蛆症として知られる)を含む。ハエ、すなわち、その成虫が寄生虫を構成するもの、例えばヘマトビア・イリタンス(ノサシバエ)およびストモキス・カルシトランス(サシバエ);シラミ、例えばリノグナツス・ビツリ(Linognathus vituli)など;ならびにコダニ、例えばサルコプテス・スカビエイ(Sarcoptes scabiei)およびプソロプテス・オービス(Psoroptes ovis)。上記のリストは網羅的なものではなく、動物およびヒトに有害な他の外部寄生虫は当該分野で公知である。これらには、例えば双翅目の移行幼虫が含まれる。
【0210】
本発明のいくつかの実施形態において、本組成物は、内部寄生虫、特に、例えばアノプロセファラ(Anaplocephala)、アンシロストマ、アネカトール(Anecator)、アスカリス、キャピラリア、コーペリア(Cooperia)、ジピリジウム(Dipylidium)、ジロフィラリア(Dirofilaria)、エキノコックス(Echinococcus)、エンテロビウス、ファスシオラ(Fasciola)、ヘモンクス(Haemonchus)、エソファゴストム(Oesophagostumum)、オステルラギア(Ostertagia)、トキソカラ、ストロンギロイデス、トキサスカリス、トリキネラ、トリクリス(Trichuris)、およびトリコストロンギルス(Trichostrongylus)からなる群から選択される蠕虫類に対して治療するために用いられることもできる。
【0211】
一実施形態において、本発明は、家畜およびペット動物、例えばネコ、イヌ、ウマ、鳥(ニワトリを含む)、ヒツジ、ヤギ、ブタ、七面鳥およびウシを含む動物(野生動物または家畜の両方)への寄生虫の感染および侵入の治療および予防のための、これらの動物に一般に見られる寄生虫をこれらの宿主から駆除することを目的とする方法を提供する。
【0212】
好ましい実施形態において、本発明は、限定するものではないが、ネコおよびイヌを含むペット動物への寄生虫の感染および侵入の治療または予防のための方法および組成物を提供する。本方法および組成物は、ネコおよびイヌのノミおよびマダニによる寄生虫の侵入を予防または治療するのに特に有効である。
【0213】
他の好ましい実施形態において、本発明の方法および組成物は、ウシまたはヒツジへの寄生虫の感染および侵入の治療または予防に用いられる。家畜動物、例えばウシまたはヒツジを治療する場合、本方法および組成物は、特に、リピケファルス(ボーフィルス)・ミクロプルス、ヘマトビア・イリタンス(ノサシバエ)、ストモキス・カルシトランス(サシバエ)ならびにヒツジのハエ幼虫症、例えばルシリア・セリカタ、ルシリア・クプリナ(オーストラリア、ニュージーランドおよび南アフリカではクロバエによる皮膚蠅蛆症として知られる)に対して有効である。
【0214】
用語”治療している(treating)”または”治療する(treat)”または”治療(treatment)”は、治療を受ける動物に侵入している寄生虫の根絶のための、または寄生虫数の減少ための、寄生虫の侵入を有する動物への本発明の組成物の塗布または投与を意味するものとする。本発明の組成物は、このような寄生虫の侵入を予防するために使用することができることに注意されたい。
【0215】
本発明の組成物は、下記のように、所望の程度に、当該の寄生虫を駆除するのに適切な殺寄生虫的有効量で投与される。本発明の各側面において、本発明の化合物および組成物は、ただ1種の害虫に対して塗布することもできるし、その組み合わせに対して塗布することもできる。
【0216】
本発明の組成物は、寄生虫の感染または侵入の治療または予防のために、継続的に投与することができる。このように、本発明の組成物は、標的寄生虫を駆除するために、活性化合物の有効量を、それを必要とする動物に送達する。”有効量”とは、動物に侵入している寄生虫数を根絶または減少させるための、本発明の組成物の十分な量を意味する。いくつかの実施形態において、活性薬の有効量は、標的寄生虫に対して少なくとも70%の有効性を有する。他の実施形態において、活性薬の有効量は、標的害虫に対して少なくとも80%または少なくとも90%の有効性を有する。好ましくは、活性薬の有効量は、標的寄生虫に対して、少なくとも95%、少なくとも98%または100%の有効性を有する。
【0217】
一般に、体重1kgあたり約0.001〜約100mgの用量を単回投与または1〜5日間の分割量で投与することで十分であるが、もちろん、これよりも高いかまたは低い投与量範囲が指示される場合もありうるため、それも本発明の範囲内である。特定の宿主および寄生虫のための特定の用法・用量を決定することは、当業者の常套的な技術の範囲内である。
【0218】
ペット動物に関するいくつかの実施形態において、本発明の局所組成物から投与されるイソオキサゾリン活性薬の用量は、体重1kgあたり約0.1〜約30mgである。より一般的には、投与されるイソオキサゾリン活性薬の用量は、約0.5〜約20mg/kgまたは約0.5〜約15mg/kg体重である。好ましくは、投与されるイソオキサゾリン活性薬の用量は、約0.5〜約10mg/kg、約0.5〜約8mg/kgまたは約0.5〜約5mg/kg体重である。
【0219】
ネコにおける寄生虫の侵入および感染の治療および予防に関する特定の実施形態において、投与されるイソオキサゾリン活性薬の用量は、約0.5〜約2mg/kg体重であり、好ましくは約1mg/kg体重である。寄生虫の侵入または感染に対するネコの極めて長期間持続する治療および防御に関する他の実施形態において、約2〜約15mg/kg体重または約5〜約15mg/kg体重の用量が投与される。
【0220】
寄生虫の侵入および感染からのイヌの治療および防御に関するいくつかの実施形態において、約2〜約15mg/kg体重のイソオキサゾリン活性薬の用量が投与される。他の実施形態において、約2〜約8mg/kgまたは約2〜約5mg/kg体重の用量が投与される。
【0221】
家畜動物、例えばウシまたはヒツジの治療に関する他の実施形態において、投与されるイソオキサゾリン活性薬の用量は約1〜約30mg/kg体重であることができる。より一般的には、投与される用量は、約1〜約20mg/kgまたは約1〜約15mg/kgである。好ましくは、家畜動物に投与されるイソオキサゾリン活性薬の用量は約1〜約10mg/kg体重である。
【0222】
極めて長時間遅延放出させるために、動物の体内または体表面により多い量を投与することができる。他の治療実施形態において、サイズが小さい鳥および他の動物のための活性薬の量は約0.01mg/kgよりも多い。他の実施形態において、サイズの小さい鳥および他の動物の治療のために、量は、動物の体重に対して約0.01〜約20mg/kgである。より一般的には、サイズの小さい動物および鳥のためのイソオキサゾリンの用量は、約0.5〜約15mg/kg、約0.5〜約10mg/kg体重または約0.5mg/kg〜約5mg/kg体重である。
【0223】
イヌまたはネコにおける使用法の一実施形態において、イソオキサゾリン化合物を含む組成物は、約1ヶ月以上、ノミおよび/またはマダニに対する少なくとも約90.0%以上の有効性を有する。他の実施形態において、本発明の組成物は、約30日間以上、ノミおよび/またはマダニに対する少なくとも95.0%以上の有効性を提供する。
【0224】
他の実施形態において、本発明の局所組成物は、2ヶ月間以上、ネコおよびイヌにおけるノミおよび/またはマダニに対する少なくとも約80%の有効性を提供する。他の実施形態において、局所組成物は、約2ヶ月間以上、ネコおよびイヌにおけるノミおよび/またはマダニに対する約90%の有効性を提供する。さらに他の実施形態において、本組成物は、約2ヶ月間以上、約95%の有効性を提供する。
【0225】
他の実施形態において、本組成物は、約3ヶ月間以上、ノミおよび/またはマダニに対する少なくとも約80%の有効性を有する。さらに他の実施形態において、本発明の局所組成物は、3ヶ月間以上、ノミおよび/またはマダニに対する少なくとも約90%の有効性を提供する。さらに他の実施形態において、本発明の局所組成物は、3ヶ月間以上、ノミおよび/またはマダニに対する少なくとも約95%の有効性を提供する。さらに他の実施形態において、本発明の局所組成物は、約3ヶ月間〜約6ヶ月間以上、ネコおよび/またはイヌにおけるノミおよび/またはマダニに対する少なくとも80%または少なくとも90%の有効性を提供する。
【0226】
本発明の一実施形態において、本発明の局所スポットオン組成物は、動物の限局性部位、例えば両肩間に投与される。本発明の一実施形態において、限局性部位は約10cm2の表面積を有する。本発明の他の実施形態において、限局性部位は、約5〜約10cm2以下の表面積を有する。
【0227】
本発明の他の実施形態において、本発明のポアオン局所組成物は、おおよそ肩と後部の間の背中に沿って線状に投与される。
【0228】
本発明に記載の溶液は、それ自体が周知である任意の手段、例えば、塗布ガンもしくは計量フラスコ、ピペット、シリンジ、ロールオン、滴瓶、カプセル、ホイル包装、バイアル、ツイストチップ容器、定量エアゾールもしくはスプレーならびに他の単回投与および複数回投与容器を用いて塗布することができる。
【0229】
本発明の他の側面において、動物における寄生虫の侵入の治療または予防のためのキットであって、薬学的に許容される担体と組み合わせた少なくとも1つのイソオキサゾリン活性薬と、組成物の局所投与のための分配装置とを含む前記キットが提供される。該分配装置は、薬学的に許容される担体または希釈剤中に各活性薬の有効量を含む、ピペット、シリンジ、ロールオン、滴瓶、カプセル、ホイル包装、バイアル、ツイストチップ容器、定量エアゾールもしくはスプレーならびに他の単回投与および複数回投与容器であることができる。
【0230】
本発明の局所組成物を含む多重使用容器であって、長期持続性局所製剤の正確な単回投与アリコートを投与することができる前記容器を提供することは、本発明の重要な側面である。該製剤は、外部環境、特に酸素および水に繰り返し暴露しても安定のままでなければならない。この実施形態は、例えば3〜6ヶ月間程度に1回、まれにしか動物への投与を必要としない本発明の極めて長期間持続する製剤には特に有用であることができる。一部の溶媒、例えばエーテル(DMI、Transcutol(登録商標)などを含む)は過酸化物を生じ、これは次いでケトンおよびアルデヒドを生じ、それはさらに分解されて酸になる可能性がある。酸の存在は、イソオキサゾリン活性薬を含む酸加水分解を受けやすい分子の分解に寄与する場合がある。従って、製剤の安定性は、複数回の開閉中に酸素および水に製剤が暴露される場合がある複数回投与容器用途にとって特に重要である。重要なことに、BHTおよびBHAを含む本明細書に記載の特定の抗酸化剤の使用によって、エーテル溶媒中の活性薬の分解が効果的に抑制されることが見出された。例えば、化合物AのDMI中の12%(w/v)溶液は、透明なガラス容器中、50℃での11週間にわたる加速安定性試験のアッセイにおいて有意な変化を示さなかった。他の実施形態において、抗酸化剤、例えばビタミンE、αトコフェロール、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、クエン酸、フマル酸、リンゴ酸、アスコルビン酸ナトリウム、メタ重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、没食子酸n-プロピル、BHA(ブチル化ヒドロキシアニソール)、BHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)、BHAおよびクエン酸、モノチオグリセロールなどを、酸化性物質の形成を抑制するために局所組成物に加えることができる。抗酸化剤は、一般に、製剤の全重量に基づいて約0.01〜約2.0%の量が製剤に添加されるが、約0.05〜約1.0%が特に好ましい。
【実施例】
【0231】
本発明をさらに詳しく例示するための限定するものではない以下の実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、これらは本発明の範囲を限定することを意図したものではなく、また限定するものと解釈してはならない。
【0232】
製剤実施例
寄生虫を駆除するためのイソオキサゾリン含有局所製剤に適した液体ビヒクルを研究した。ネコ、イヌおよび家畜動物、例えばウシを含む動物への局所送達のために、限定するものではない例として、イソオキサゾリン化合物4-[5-[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-N-[2-オキソ-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]エチル]-1-ナフタレンカルボキサミド(化合物A)を研究した。(S)-メトプレン、ピリプロキシフェンおよびニテンピラムを含む1以上の追加の活性薬と組み合わせてイソオキサゾリン化合物を含む製剤もまた調製し、試験した。
【0233】
種々の液体担体ビヒクルを用いて製剤を調製し、外部寄生虫、特にネコおよびイヌにおけるノミおよびマダニならびにウシにおけるマダニ、コダニおよびシラミの駆除における有効性に関して評価した。1つの溶媒(ジカルボン酸ジエステルおよび/もしくはエーテル例えばジメチルイソソルビドを含む)または溶媒の組み合わせ(ジカルボン酸ジエステル、特にセバシン酸ジエチルおよび少なくとも第2溶媒(単数または複数)を含む)のいずれかを含む溶媒系が本発明に含まれる。種々の実施形態において、1つの溶媒、例えばDESもしくはDMIまたは溶媒の組み合わせを含む製剤が研究された。ジカルボン酸ジエステルと組み合わされる溶媒は、限定するものではないが、1)プロピレングリコールエステルまたはエーテル(モノカプリル酸PG、カプリル酸PG、モノラウリン酸PG、ジカプリル酸/ジカプリン酸PG、PGカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド(LABRASOL(登録商標))もしくはそれらの組み合わせを含む);2)エーテル(例えばジメチルイソソルビド);3)第2エステル(トリアセチン、乳酸ラウリル);4)脂肪酸エステル(限定するものではないが、パルミチン酸イソプロピル、乳酸イソステアリル、アジピン酸ジブチル、セバシン酸ジブチル、パルミチン酸オクチル、ステアリン酸ポリエチレングリコールおよびオクタン酸セテアリルを含む);5)グリコールまたはポリグリコールエーテル、例えばTranscutol(登録商標)、PEG 400など;6)油、例えば鉱油、ジグリセリド、トリグリセリド、ホホバ油、レシチンおよびひまし油;7)長鎖脂肪族アルコール、例えばイソステアリルアルコール;ならびに8)ショ糖とカルボン酸の混合エステル(ショ糖酢酸イソ酪酸エステル(SAIB)を含む)などを含む。
【0234】
他の実施形態において、本発明の局所組成物は、Transcutol(登録商標)、グリセロールホルマール、トリアセチン、炭酸プロピレン、ベンジルアルコールまたはDMIを含む。
【0235】
イソオキサゾリン化合物(化合物A)を単独で、あるいは限定するものではない追加の活性薬(S)-メトプレン、ピリプロキシフェンおよびニテンピラムと組み合わせて含む限定するものではない製剤を以下に示す。
【0236】
製剤1-ジエチレングリコールモノエチルエーテル(Transcutol(登録商標))(必要量の50%)を加え、ポリソルベート80およびエタノールを加え、次いでBHA、BHT、ポビドン17および化合物Aを加えて溶解するまで混合し、この混合物をTranscutol(登録商標)で100%にする。
【0237】
製剤2-グリセロールホルマール(GF、必要量の50%)を加え、化合物Aを加え、溶解し、DMIを加え、(s)-メトプレンを加え、GFで100%にする。
【0238】
製剤3-アジピン酸ジイソプロピル(DIPA、必要量の50%)を加え、化合物Aを加え、溶解し、(s)-メトプレンを加え、DIPAで100%にする。
【0239】
製剤4-セバシン酸ジエチル(DES、必要量の50%)を加え、モノラウリン酸PGを加え、化合物Aを加え、溶解し、(S)-メトプレンを加え、DESで100%にする。
【0240】
製剤5-DES(必要量の50%)を加え、モノカプリル酸PGを加え、化合物Aを加え、溶解し、(S)-メトプレンを加え、DESで100%にする。
【0241】
製剤6-DIPA(必要量の50%)を加え、ノナン酸エチルヘキシルを加え、化合物Aを加え、溶解し、(S)-メトプレンを加え、DIPAで100%にする。
【0242】
製剤7-DIPA(必要量の50%)を加え、セバシン酸ジイソプロピルを加え、シリコーン油を加え、化合物Aを加え、溶解し、(S)-メトプレンを加え、DIPAで100%にする。
【0243】
製剤8-Miglyol 840(必要量の50%)を加え、乳酸ラウリルを加え、化合物Aを加え、溶解し、(S)-メトプレンを加え、Miglyol 840で100%にする。
【0244】
製剤9-Miglyol 840(必要量の50%)を加え、トリアセチンを加え、化合物Aを加え、溶解し、(S)-メトプレンを加え、Miglyol 840で100%にする。
【0245】
製剤10-Miglyol 840(必要量の50%)を加え、化合物Aを加え、溶解し、(S)-メトプレンを加え、Miglyol 840で100%にする。
【0246】
製剤11-DES(必要量の50%)を加え、化合物Aを加え、溶解し、(S)-メトプレンを加え、DESで100%にする。
【0247】
製剤12-DES(必要量の50%)を加え、化合物Aを加え、溶解し、DESで100%にする。
【0248】
製剤13-DES(必要量の50%)を加え、モノカプリル酸PGを加え、化合物Aを加え、溶解し、DESで100%にする。
【0249】
製剤14-DES(必要量の30%)を加え、ジカプリル酸/ジカプリン酸PGおよびモノカプリル酸PGを加え、化合物Aを加え、溶解し、(S)-メトプレンを加え、DESで100%にする。
【0250】
製剤15-DES(必要量の50%)を加え、撹拌しながら乳酸ラウリルを加え、化合物Aを加え、溶解し、DESで100%にする。
【0251】
製剤16-DIPA(必要量の50%)を加え、DMIを加え、化合物Aを加え、溶解し、DIPAで100%にする。
【0252】
製剤17-DES(必要量の50%)を加え、DMIを加え、化合物Aを加え、溶解し、DESで100%にする。
【0253】
製剤18-DES(必要量の40%)を加え、DMIを加え、化合物Aを加え、溶解し、DESで100%にする。
【0254】
製剤19-DIPA(必要量の50%)を加え、トリアセチンを加え、化合物Aを加え、溶解し、DIPAで100%にする。
【0255】
製剤20-DES(必要量の60%)を加え、中粘度鉱油を加え、化合物Aを加え、溶解し、DESで100%にする。
【0256】
製剤21-DES(必要量の60%)を加え、低粘度鉱油を加え、化合物Aを加え、溶解し、DESで100%にする。
【0257】
製剤22-DES(必要量の60%)を加え、撹拌しながらTranscutol(登録商標)を加え、化合物Aを加え、溶解するまで混合し、SAIBを加え、DESで100%にする。
【0258】
製剤23-DES(必要量の60%)を加え、撹拌しながらTranscutol(登録商標)を加え、撹拌しながらPEG 400を加え、化合物Aを加え、溶解するまで混合し、DESで100%にする。
【0259】
製剤24-Transcutol(登録商標)(必要量の60%)を加え、撹拌しながらPEG 400を加え、化合物Aを加え、溶解するまで混合し、Transcutol(登録商標)で100%にする。
【0260】
製剤25-DES(必要量の60%)を加え、撹拌しながらTranscutol(登録商標)を加え、撹拌しながらPEG 400を加え、化合物Aを加え、溶解するまで混合し、DESで100%にする。
【0261】
製剤26-DES(必要量の60%)を加え、撹拌しながらPEG 400を加え、化合物Aを加え、溶解するまで混合し、DESで100%にする。
【0262】
製剤27-GF(必要量の50%)を加え、化合物Aを加え、溶解し、ニテンピラムを加え、溶解し、DMIを加え、GFで100%にする。
【0263】
製剤28-DMI(必要量の50%)を加え、化合物Aを加え、溶解し、ニテンピラムを加え、溶解し、(S)-メトプレンを加え、溶解し、DMIで100%にする。
【0264】
製剤29-DMI(必要量の50%)を加え、化合物Aを加え、溶解し、ニテンピラムを加え、溶解し、ピリプロキシフェンを加え、溶解し、DMIで100%にする。
【0265】
製剤30-Transcutol(登録商標)(必要量の50%)を加え、化合物Aを加え、溶解し、ニテンピラムを加え、溶解し、ピリプロキシフェンを加え、溶解し、Transcutol(登録商標)で100%にする。
【0266】
製剤31-GF(必要量の50%)を加え、化合物Aを加え、溶解し、ニテンピラムを加え、溶解し、ピリプロキシフェンを加え、溶解し、GFで100%にする。
【0267】
製剤32-トリアセチン(必要量の50%)を加え、化合物Aを加え、溶解し、ニテンピラムを加え、溶解し、ピリプロキシフェンを加え、溶解し、トリアセチンで100%にする。
【0268】
製剤33-炭酸プロピレン(必要量の50%)を加え、化合物Aを加え、溶解し、ニテンピラムを加え、溶解し、ピリプロキシフェンを加え、溶解し、炭酸プロピレンで100%にする。
【0269】
化合物Aは、少なくともDES、DIPA、DMI、トリアセチン、GFおよび炭酸プロピレン中では安定であることが見出された(50℃、ガラス瓶中で)。
【0270】
生物学的有効性の実施例
[実施例1]
イヌにおけるデルマセンター・バリアビリス(Dermacentor variabilis)マダニおよびクテノケファリデス・フェリスノミに対する化合物Aおよび(S)-メトプレンの組み合わせを含むスポットオン組成物の有効性
デルマセンター・バリアビリスおよびクテノケファリデス・フェリスの誘導侵入に対して局所溶液として1回投与したときの、化合物Aおよび(S)-メトプレンの組み合わせの有効性を決定するために28頭のビーグル犬を研究した。
【0271】
それぞれ7頭のイヌを含む4つの治療群を作成した。群1のイヌを未処理(対照)とした。群2、3および4のイヌは、2.5mg/kgの化合物Aおよび6mg/kgの(S)-メトプレンを送達するように投与される3.7%(w/v)の化合物Aおよび9%(w/v)の(S)-メトプレンを含むスポットオン組成物(群2:エタノール10%(w/v)、ツイーン80 5%(w/v)およびポリビニルピロリドン5%(w/v)を含むトランスクトール;群3:DMIおよびグリセロールホルマール(GF);群4:DIPA)で局所治療した。すべてのイヌは、0日目に1回治療した。
【0272】
すべてのイヌに1、8、15、22、29、35、43および57日目に、そして群5を除くすべての群に71日目に、おおよそ100匹のC.フェリス(C.felis)を寄生させた。また、すべてのイヌに、1、7、14、21、28、34および42日目に、おおよそ50匹のD.バリアビリスを寄生させた。6日目に、ノミを除去し、数を数えた。2、9、16、23、30、36および44日目に、マダニおよびノミの両方を除去し、数を数えた。58日目にすべての治療群に関して、そして72日目に群5を除くすべての治療群に関して、ノミのみを除去し、数を数えた。以下に、ノミへの有効性を表1に示し、マダニへの有効性を表2に示す。
【0273】
-6、0(4時および12時)、1、2、9、16、23、30、36、44、51、58、64、72、79および86日目に、本研究におけるすべてのイヌから血液試料を採取した。この目的のためにGLP認可されたLC/MS/MS分析法を用いて、化合物Aの濃度に関して血漿試料を分析した。
【0274】
すべての治療群に関して、30日目までを通して、ノミに対する減少パーセント(有効性とも呼ぶ)は100%であった(表1参照)。群3に関して、58日目までを通して、ノミに対する減少パーセントは95%を超えていた。
【0275】
23日目までを通して、マダニに対する減少パーセントは>94%であった(48時間の侵入、表2参照)。群6および7に関して、30日目に、減少パーセントは>92%であった。
【0276】
3つの異なる担体ビヒクル中に化合物Aおよび(S)-メトプレンを含む局所製剤は、すべての治療群に関して、30日目までを通して、ノミの100%の減少パーセントを提供したことをこれらのデータは示している。マダニへの有効性は、9および16日目に100%であり、30日目には、2つの治療群(6および7)では≧92%であった。
【0277】
表1:クテノケファリデス・フェリスに対する化合物Aおよび(S)-メトプレンの組み合わせを含むスポットオン組成物の有効性
【0278】
表2:デルマセンター・バリアビリスマダニに対する化合物Aおよび(S)-メトプレンの組み合わせを含むスポットオン組成物の有効性
【0279】
[実施例2]
クテノケファリデス・フェリスに対する化合物Aおよび(S)-メトプレンを含むスポットオン製剤の有効性
実施例1に記載された最初の研究に続いて、拡展溶媒および透過溶媒の両方を含む担体ビヒクル中に昆虫成長制御剤、(S)-メトプレンと組み合わせて化合物Aを含む追加の局所製剤を研究した。従って、実施例1と同様なプロトコルを用いて、イヌにおけるネコノミ(クテノケファリデス・フェリス)に対する化合物Aおよび(S)-メトプレンを含む5つの異なる局所製剤の有効性を決定した。
【0280】
それぞれ4頭のイヌを有する7つの治療群を評価した。群1のイヌは未処理であり、対照群として用いた。群2〜6のイヌは、種々の担体ビヒクル中の化合物A 4.0mg/kg+(S)-メトプレン 6mg/kg(群2:Miglyol 840;群3:DIPA/25%トリアセチン;群4:DIPA/25%DMI;群5DIPA/25%ノナン酸エチルヘキシル;群6:DIPA+25%セバシン酸ジイソプロピル+3%シリコーン油)を含む製剤で局所治療した。群7のイヌは、DIPA+25%セバシン酸ジイソプロピル+3%シリコーン油を含む製剤で、化合物A 7.0mg/kg+(S)-メトプレン6mg/kgの用量レベルで治療した。群2〜5における製剤中の化合物Aと(S)-メトプレンの濃度は、それぞれ6.0%(w/v)と9.0%(w/v)であり、群6および7における製剤中の化合物Aと(S)-メトプレンの濃度は、それぞれ、10.5%(w/v)と9%(w/v)であった。
【0281】
-1日目に、イヌにおおよそ100匹のC.フェリスノミを寄生させた。0日目に、各局所製剤でイヌを治療した。2日目に、ノミを除去し、数を数えた。8、15、22、29、36および43日目にも、約100匹のノミを侵入させた。9、16、23、30、37および44日目に、侵入の24±3時間後に、ノミを梳き取って、数を数えた。
【0282】
以下の表3は、局所製剤のそれぞれの有効率を提供する。データに示される通り、製剤のそれぞれは、少なくとも44日間を通して、ネコノミに対して極めて効果的であった。
【0283】
表3:クテノケファリデス・フェリスに対するスポットオン組成物の有効性
【0284】
[実施例3]
リピケファルス・サングイネウス(Rhipicephalus Sanguineus)に対する化合物Aおよび(S)-メトプレンを含むスポットオン製剤の有効性
他の研究において、拡展溶媒および透過促進溶媒の両方を含むさらなる担体ビヒクル中に(S)-メトプレンと組み合わせてイソオキサゾリン化合物Aを含む追加の局所製剤のマダニに対する有効性を決定した。従って、実施例1と同様なプロトコルに従って、ビーグル犬におけるリピケファルス・サングイネウスマダニに対する有効性に関して、化合物Aおよび(S)-メトプレンを含む6つの局所製剤を試験した。
【0285】
それぞれ4頭のイヌを有する7つの治療群を評価した。群1のイヌは未処理であり、対照群として用いた。群2〜6のイヌは、種々の担体ビヒクル中の化合物A 4.0mg/kg+(S)-メトプレン 6mg/kg(群2:Miglyol 840/25%乳酸ラウリル;群3:DIPA/25%トリアセチン;群4:DIPA/25%DMI;群5DIPA/25%Capryol 90/25%Capryol PGMC;群6:DES/25%モノラウリン酸プロピレングリコール)で局所治療した。群7のイヌは、DES/25%モノラウリン酸プロピレングリコールを含む製剤で、化合物A 7.0mg/kg+(S)-メトプレン6mg/kgの用量レベルで治療した。群2〜6で用いた製剤中の化合物Aと(S)-メトプレンの濃度は、それぞれ6.0%(w/v)と9.0%(w/v)であった。群7で用いた製剤中の化合物Aと(S)-メトプレンの濃度は、それぞれ10.5%(w/v)と9%(w/v)であった。
【0286】
-1、7、14、21、28、35、42、49、56および63日目に、すべてのイヌにおおよそ50匹のR.サングイネウスを寄生させた。さらにまた、70、77および84日目には、治療群1、5、6および7のみに寄生させ、91日目には、治療群1、6および7のみに寄生させた。2、9、16、23、30、37、44、51、58および65日目に、マダニを除去し、数を数えた。治療群1、5、6および7に関しては、72、79および86日目のみに、治療群1、6および7に関しては、93日目のみにマダニの数を数えた。
以下の表4Aおよび4Bは、R.サングイネウスに対して、群2〜7に投与したスポットオン製剤の有効性を示す。
【0287】
表4A:イヌにおけるリピケファルス・サングイネウスに対する有効性
【0288】
表4B:イヌにおけるリピケファルス・サングイネウスに対する有効性(続)
1ND=実施せず
【0289】
表4Aおよび4Bに示すように、群3および4は51日目まで、群2および5は58日目まで、群6および7は79日目まで、マダニ数でのの少なくとも90%の減少が維持された。特に、治療群6および7は長期間の優れた有効性を示した。従って、拡展溶媒および透過促進剤の組み合わせを含む担体ビヒクル中にイソオキサゾリンおよび昆虫成長制御剤の組み合わせを含む製剤は、驚くべきことに、R.サングイネウスに対する長期持続性効果を提供することが決定された。
【0290】
[実施例4]
イヌにおけるアムブリオンマ・アメリカヌム(Amblyomma americanum)マダニに対する化合物Aのスポットオン製剤の用量解析
イヌにおける、マダニ(アムブリオンマ・アメリカヌム)に対する、DES単独またはDES+乳酸ラウリル(LL)のいずれかを含む担体ビヒクル中にイソオキサゾリン化合物(化合物A)を含む本発明のスポットオン組成物の有効性を研究した。DES単独またはDES+乳酸ラウリルのいずれかに3.0%、4.5%、または6.0%の化合物Aを含む組成物(それぞれ、4.0mg/kg、3.0mg/kgおよび2mg/kgの化合物Aの用量を送達する)をA.アメリカヌムマダニを寄生させたイヌに投与した。
【0291】
7つの治療群を評価した。治療群1にはプラセボ製剤を投与し、対照として用いた。治療群2、3および4には、それぞれ用量4.0mg/kg、3.0mg/kgおよび2.0mg/kgに対応する6.0%(w/v)、4.5%(w/v)および3.0%(w/v)の化合物AをDES中にそれぞれ含む局所製剤を投与した。治療群5、6および7には、それぞれ4.0%mg/kg、3.0mg/kgおよび2.0mg/kg体重の化合物Aの用量に対応する、6.0%(w/v)、4.5%(w/v)および3.0%(w/v)の化合物AをDES+9%乳酸ラウリル中にそれぞれ含む局所製剤を投与した。
【0292】
すべてのイヌに、0日目に、体毛を分けて、頭蓋骨基部と肩甲骨の間の頸部の正中線の皮膚上の単一スポットに直接にシリンジから溶液を塗布することによって局所に1回治療した。
【0293】
-1、7、14、21、28、35および42日目に、すべてのイヌにおおよそ50匹のA.アメリカヌムを寄生させた。2、9、16、23、30、37および44日目にマダニを除去し、数を数えた。各群に関するマダニの減少%を以下の表5に示す。
【0294】
-5、0(4時および12時)、1、2、9、16、23、30、37および44日目に、すべてのイヌから血液試料を採取した。化合物の分析のために、GLP認可されたLC/MS/MS分析法を用いて、化合物Aの濃度に関して血漿試料を分析した。
【0295】
治療群5および6(それぞれ、DES+LLでの4.0mg/kgおよび3.0mg/kgの化合物A)は、5週間を通して少なくとも90%の有効性を維持し、治療群2(DES単独での4.0mg/kg)は、3週間を通して少なくとも90%の有効性を維持した。
【0296】
表5:イヌにおけるアムブリオンマ・アメリカヌムに対する有効性
【0297】
[実施例5]
イヌにおけるクテノケファリデス・フェリスノミおよびリピケファルス・サングイネウスマダニに対する化合物A製剤による単回スポットオン治療の用量解析および殺傷速度の決定
イヌにおけるクテノケファリデス・フェリスノミおよびリピケファルス・サングイネウスマダニに対する、40%DES/DMIを含む担体中にイソオキサゾリン化合物(化合物A)を含む製剤の有効性を研究した。上記のように、DESは優れた拡展性を有する溶媒であり、DMIは優れた透過性を示す。それぞれ3頭のイヌを含む3つの治療群を評価した。すべてのイヌに、0日目に体毛を分けて、頭蓋骨基部と肩甲骨の間の頸部の正中線の皮膚上の単一スポットに直接にシリンジから溶液を塗布することによって局所に1回治療した。
【0298】
治療群1はプラセボ対照であり、0.067mL/kg体重を投与した。治療群2には、4.0mg/kg体重の用量を送達するための、40%DES/DMI中に6.0%(w/v)の化合物Aを含む局所スポットオン製剤を投与した。治療群3には、4.0mg/kg体重の用量を送達するための、40%DES/DMI中に12%(w/v)の化合物Aを含む局所スポットオン製剤を投与した。
【0299】
-1、7、14、21、28、35および42日目に、すべてのイヌにおおよそ100匹のC.フェリスを寄生させた。1、8、15、22、29、36および43日目に、侵入後おおよそ24時間でイヌからノミを除去し数を数えた。それぞれ表6A、6Bおよび7に、各治療群の減少%(有効性)を経時的に示す。
【0300】
表6A:0日目〜22日目でのイヌにおけるクテノケファリデス・フェリスに対する有効性
【0301】
表6B:28日目〜43日目でのイヌにおけるクテノケファリデス・フェリスに対する有効性
【0302】
表7に、マダニに対する有効性パーセントを示す。両方の治療群は、少なくとも31日間を通して、優れた有効性を示した。
表7:リピケファルス・サングイネウスマダニに対する有効性
【0303】
[実施例6]
イヌにおけるリピケファルス・サングイネウスマダニに対する種々の用量で化合物Aを含むスポットオン製剤の有効性
イヌにおけるマダニに対するDESを含む3つの異なる製剤中に化合物Aを含む局所製剤の有効性を試験するために、さらなる研究を行った。イヌへの4.0mg/kg投与のための種々の担体中に化合物Aを含むスポットオン製剤のリピケファルス・サングイネウスの誘導侵入に対する有効性を決定するために、24頭のビーグル犬を研究した。
【0304】
治療群1のイヌはプラセボ溶液で治療した。治療群2はDES中に6%(w/v)の化合物Aを含む製剤で治療し、治療群3は、40%DES/DMI中に6%(w/v)の化合物Aを含む組成物で治療し、治療群4は、30%のCapryol 90を含むDES中に6%の(w/v)化合物Aを含む製剤で治療した。すべてのイヌは、0日目に局所に1回治療した。体毛を分けて、頭蓋骨基部と肩甲骨の間の頸部の正中線の皮膚上の単一スポットに直接にシリンジから溶液を塗布することによって局所溶液を塗布した。
【0305】
-1、7、14、21、28、35および42日目に、すべてのイヌにおおよそ50匹のR.サングイネウスを寄生させた。2、9、16、23、30、37、および44日目に、イヌからマダニを除去し、数を数えた。治療後または侵入後48(±3)時間ですべてのマダニを除去し、数を数えた。
【0306】
無治療対照群と比較しての治療群の有効性パーセントを、治療/侵入48時間後の数に関して決定した。治療または侵入48時間後の各計数時間に関する有効性パーセントを表8に示す。治療群3は、9日目から44日目を通してすべての試料採取時間における侵入48時間後の>90%の有効性を維持した。治療群2は、6週間の研究を通して侵入48時間後の少なくとも90%の有効性を維持することができた。
【0307】
表8:イヌにおけるリピケファルス・サングイネウスに対する有効性
【0308】
[実施例7]
ネコにおけるクテノケファリデス・フェリスノミに対する、種々の担体ビヒクル中に1mg/kgでイソオキサゾリン化合物Aを含むスポットオン製剤の有効性
ネコにおけるノミに対する種々の担体ビヒクル中に1mg/kg体重で投与される化合物Aを含むいくつかのスポットオン製剤の有効性を研究した。それぞれ5匹のネコを、6治療群に割り当てた。以下の群の割り付け(群1-無治療対照;群2-DMI中に1.0%(w/v)の化合物Aを含む;群3-セバシン酸ジエチル(DES)中に1.0%(w/v)の化合物Aを含む;群4-9%乳酸ラウリル+DES中に1.0%の(w/v)化合物Aを含む;群5-8%オレイン酸エチル+DES中に1%の(w/v)化合物Aを含む;群6-Transcutol(登録商標)+10%(w/v)エタノール+5%ポリビニルピロリドン+5%ツイーン80を含むビヒクル中に1%の(w/v)化合物Aを含む)に従って、1試験群当たり6匹のネコに、毎週侵入24時間後にノミの計数を5〜8週間行った。-1日目に、ネコにおおよそ100匹のC.フェリスを寄生させ、0日目に、対応するスポットオン製剤で、蓋骨基部と肩甲骨の間の頸部の正中線の皮膚上に直接に1mLシリンジを用いて単一スポットに製剤を塗布することによって治療した。治療12時間後に、ノミを除去し、数を数えた。ネコを、直ちに、およそ100匹のノミで再寄生させた。治療おおよそ24時間後の1日目にノミを除去し、数を数えた。7、21、38、35、42および49日目に、同様にネコをノミに寄生させ、8、22、29、36、43および50日目の侵入おおよそ24時間後にノミを除去し、数を数えた。各製剤に関する有効性を以下の表9に示す。
【0309】
表9:ネコにおける、1mg/kgの用量で種々の製剤中に含むクテノケファリデス・フェリスノミに対するスポットオン製剤の有効性
【0310】
表9が示すように、化合物Aを含むすべてのスポットオン製剤は、少なくとも29日間、ノミに対して極めて有効であった。群2に投与した製剤は、少なくとも43日目まで90%を超える長期間持続する有効性を示し、50日目まで、85%を超える有効性を維持した。群5の製剤(DES中に8%オレイン酸エチルを含む)は、12時間後に顕著な有効性を示した。
【0311】
[実施例8]
身づくろい動作を防いだネコにおけるクテノケファリデス・フェリスノミに対する、種々の担体ビヒクル中に1mg/kgでイソオキサゾリン化合物Aを含むスポットオン製剤の有効性
他の研究において、ネコにおけるノミに対する、種々の担体ビヒクル中に1mg/kg体重で投与される化合物Aを含む4つのスポットオン製剤の有効性を研究した。それぞれ5匹のネコを5つの治療群に割り当てた:群1-未処理;群2-ジメチルスルホキシド(DMSO)に0.833%(w/v)の化合物Aを含む;群3-DMIに0.833%(w/v)の化合物Aを含む;群4-Transcutol(登録商標)に0.833%(w/v)の化合物Aを含む;群5-DESに0.833%(w/v)の化合物Aを含む。身づくろい動作中に、局所に塗布した製剤を動物が経口摂取するのを防ぐために、治療前の-1日目に、研究中の各ネコに、保護するための首環を取り付けた。-1日目におおよそ100匹のC.フェリスをネコに寄生させ、0日目に、蓋骨基部と肩甲骨の間の頸部の正中線の皮膚上に直接に1mLシリンジを用いて単一スポットに製剤を塗布することによって対応するスポットオン製剤で治療した。毎週、7日目、14、21、28および35日目に、おおよそ100匹のC.フェリスでの侵入を行った。治療1日目のおおよそ24±3時間後に、次いで8、15、22、29および36日目に、ノミを除去し、数を数えた。各製剤の有効性を以下の表10に示す。
【0312】
表10:ネコにおけるクテノケファリデス・フェリスノミに対するスポットオン製剤の有効性
【0313】
[実施例9]
ネコにおけるクテノケファリデス・フェリスノミに対するスポットオン組成物の長期持続性効果
ネコにおけるクテノケファリデス・フェリスノミに対するDMI中に種々の用量で化合物Aを含むスポットオン組成物の有効性を研究した。1治療群あたりネコ5匹で4つの治療群を作成した:群1-無治療対照;群2-5mg/kgの用量を送達するために、DMI中に化合物Aを5.0%(w/v)含む;群3-10mg/kgの用量を送達するために、DMI中に化合物Aを10.0%(w/v)の濃度で含む;群4-15mg/kgの用量を送達するために、DMI中に化合物Aを15.0%(w/v)の濃度で含む。0日目に、治療を1回行った。各評価時点で、ネコに、それぞれおおよそ100匹のC.フェリスノミを寄生させた。
【0314】
すべての治療群のネコに、-1、0(治療おおよそ12時間後)、7、28、49、70、91、105、119および133日目に寄生させた。また、ネコに、126および140日目(治療群1および2);147、154、155、161、168および175日目(治療群1、3および4);182、189および197日目(治療群1および4)に寄生させた。各侵入後、大部分の時点に関して、おおよそ48時間(±3時間)でノミを除去し、数を数えた。
【0315】
この研究の結果を、以下の表11A、11Bおよび11Cならびに図1に示す。この研究は、これらのスポットオン製剤の驚くべき長期持続性効果を明らかにした。この結果は、種々の濃度で化合物Aを含む製剤が、群1(無治療対照)と比較して長期間効果的であったことを示している。例えば群2は121日目まで90%の有効性を示し、群3は163日目まで90%の有効性を示し、群4は191日目まで90%の有効性を示した。1回の局所投与による、この極めて長期間90%を超えて持続する防御は予測できないことであり、驚くべきことである。
【0316】
表11A:ネコにおけるクテノケファリデス・フェリスノミに対する有効性
【0317】
表11B:ネコにおけるクテノケファリデス・フェリスノミに対する有効性(続)
【0318】
表11C:平均ノミ数/減少%(続):
【0319】
[実施例10]
ネコにおけるイクソデス・リシヌス(Ixodes ricinus)マダニに対するスポットオン製剤の有効性
ネコにおけるイクソデス・リシヌスマダニの誘導侵入に対する化合物Aを含むスポットオン製剤の有効性を研究した。1群あたりネコ6匹を含む3つの治療群をランダムに割り当てた:群1-未処理の対照;群2-0.1ml/kg体重(2.5mg/kg)での化合物A(DMI中に2.5%w/v含む);群3-0.1ml/kg体重(5mg/kg)での化合物A(DMI中に5.0%w/v含む)。0日目に1回治療を行い、7日目から開始して毎週の実験チャレンジの48時間後のマダニ(I.リシヌス)数に基づいて有効性を評価した。以下の表12Aおよび12Bに示すように、2.5mg/kg体重で局所に1回投与した化合物A(DMI中に2.5%w/v含む)は、56日目までI.リシヌスの侵入を完全に予防し、少なくとも77日目まで、>90%の予防を提供した。実際、これらの局所スポットオン製剤は、評価の最終日である93日目までI.リシヌスマダニに対する実質的防御を提供した。マダニの利用可能性に関する限界によって、5mg/kgは、44日目までしか試験しなかったが、100%の有効性を示した。ネコにおけるI.リシヌスマダニに対する本発明の製剤の優れた長期持続性効果は大変驚くべきことであり、予期せぬことである。
【0320】
表12A:ネコにおけるイクソデス・リシヌスに対する有効性
【0321】
表12B:ネコにおけるイクソデス・リシヌスに対する有効性(続)
1ND=実施せず
【0322】
[実施例11]
ネコにおけるクテノケファリデス・フェリスノミに対する化合物A、ピリプロキシフェンおよびニテンピラムの組み合わせを含むスポットオン製剤の有効性
ネコにおけるクテノケファリデス・フェリスノミに対する化合物A、ピリプロキシフェンおよびニテンピラムの組み合わせを含む3つのスポットオン組成物の有効性を研究し、無治療対照およびニテンピラム単独を含むスポットオン組成物と比較した。ネコを、1群あたりネコ5匹を含む5つの治療群に割り当てた:群1-ネコを未処理(対照)とした;群2-化合物A 1.0mg/kg、ニテンピラム2.5mg/kgおよびピリプロキシフェン5.0mg/kgの用量を送達するために、Transcutol(登録商標)中に0.83%(w/v)の化合物A、2.08%(w/v)のニテンピラムおよび4.17%(w/v)のピリプロキシフェンを含むスポットオン溶液でネコを治療した;群3-化合物A 1.0mg/kg、ニテンピラム5.0mg/kgおよびピリプロキシフェン5.0mg/kgの用量を送達するために、Transcutol(登録商標)中に0.83%(w/v)の化合物A、4.17%(w/v)のニテンピラムおよび4.17%(w/v)のピリプロキシフェンを含むスポットオン溶液でネコを治療した;群4-化合物A 1.0mg/kg、ニテンピラム10.0mg/kgおよびピリプロキシフェン5.0mg/kgの用量を送達するために、Transcutol(登録商標)中に0.83%(w/v)の化合物A、8.33%(w/v)のニテンピラムおよび4.17%(w/v)のピリプロキシフェンを含むスポットオン組成物でネコを治療した;群5-5.0mg/kg体重の用量を送達するために、Transcutol(登録商標)中に2.08%(w/v)のニテンピラム単独を含むスポットオン組成物でネコを治療した。
【0323】
0日目に1回治療を行った。-1日目、0日目に、治療おおよそ12時間後に、ネコにそれぞれおおよそ100匹のC.フェリスノミを寄生させ、次いで、1(治療おおよそ24時間後)、2、7、14、21、28および35日目に寄生させた。各侵入後、0日目のおおよそ12時間(±3)後に、次いで1、2、8、15、22、29および36日目(侵入24±3時間後)にノミを除去し、数を数えた。
【0324】
この研究の結果を、以下の表13に示す。この研究によって、イソオキサゾリン化合物(化合物A)、ネオニコチノイド(ニテンピラム)および昆虫成長制御剤(ピリプロキシフェン)の組み合わせを含むスポットオン組成物が、極めて速効性かつ長期持続性の効果を示すことが明らかになった。
【0325】
表13:ネコにおけるクテノケファリデス・フェリスノミに対する3つの活性薬を含むスポットオン製剤の有効性
【0326】
[実施例12]
ネコにおけるオクトデクテス・シノティス(Otodectes cynotis)(耳ダニ)に対する化合物Aを含むスポットオン組成物の有効性
ネコにおけるオクトデクテス・シノティスに対する、5mg/kgおよび10mg/kgの用量で化合物Aを含む2つのスポットオン組成物の有効性を無治療対照と比較して評価した。健常ネコ18匹を、1群あたりネコ6匹からなる3つの試験群に分けた。-7日目に、馴化の前に天然に寄生させたドナーネコから得られたオクトデクテス・シノティスを、治療群におけるネコに寄生させた。群1は無治療対照群とした。群2および3におけるネコに、2つの異なる濃度および用量で化合物Aを含むスポットオン組成物で、頭蓋骨基部と肩甲骨の間の頸部の正中線の皮膚上に1mLディスポーザブルシリンジを用いて直接に製剤を塗布することによって、0日目に1回治療した。群2におけるネコは、5mg/kg体重の用量で、ジメチルイソソルビド(DMI)中に40%(v/v)のセバシン酸ジエチル(DES)を含む担体中に5.0%(w/v)の化合物Aスポットオン組成物で治療し、群3におけるネコは、10mg/kg体重の用量で、DMI中に40%(v/v)のDESを含む担体中に10.0%(w/v)の化合物Aを含むスポットオン組成物で治療した。すべてのネコに、-7、3、7および14日目に、耳鏡検査によって耳ダニ侵入の評価を行った。目に見える生きた耳ダニ(成虫または未成熟個体)の数を数え、両方の耳管に関して壊死組織片/耳垢レベルを算出した。14日目に、耳管フラッシング、コダニ採取および生きたコダニの計数による耳ダニの定量的評価を行った。無治療対照に対して、群2は耳ダニの侵入を99.0%減少させ(ただ1つのコダニが認められた)、群3は、耳ダニの侵入を100.0%減少させた(任意のネコにおいて生きたコダニは認められなかった)。
【0327】
[実施例13]
局所組成物のための有効血漿中濃度
実施例1および4の研究においてイヌからの化合物Aの血漿中濃度を、実施例1の記載に従って測定し、A.アメリカヌムおよびD.バリアビリスに対する有効率と血漿中濃度との比較を、Sigmoidal Emaxモデルを用いて解析した。A.アメリカヌムおよびD.バリアビリスマダニに対するEC90(濃度90%の有効性を達成するのに必要な濃度)は、それぞれ92ng/mLおよび70ng/mLと決定された。同様なアプローチを用いて、異なる研究からのR.サングイネウスマダニのEC90は、69ng/mLであることが見出された。比較のために、A.アメリカヌム、D.バリアビリスおよびR.サングイネウスマダニに対する経口剤形からのEC90値は、それぞれ158ng/mL、110ng/mLおよび101ng/mLであることが見出された。化合物Aは全身的に活性であるため、本発明の局所組成物から90%の有効性を達成するのに、より低い血漿中化合物濃度しか必要としないことは、驚くべきことであり、かつ予期せぬことである。
【0328】
[実施例14]
ウシにおけるヘマトビア・イリタンス(ノサシバエ)に対するポアオン製剤の有効性
イソオキサゾリン化合物Aを含む本発明のポアオン製剤の有効性を試験し、無治療対照と比較した。1歳齢、体重224〜330kgの2頭の雌交雑種アンガス牛を各試験群に用いた。群1におけるウシを未処理(対照)とし、群2におけるウシを、1ml/10kgの用量で、DES中に10%(w/v)の濃度で化合物Aを含むポアオン製剤で、0日目に1回治療した。マーク付きのディスポーザブルシリンジに溶液の必要量を計り取り、各動物のキ甲から尾まで背中の正中線に沿って均等に物質を塗布することによってこの製剤を塗布した。1日目に、おおよそ治療24時間後に、それぞれの飼育室におおよそ200匹のノサシバエを放出し、各動物に寄生させた。7、14、21、28および36日目に再びおおよそ200匹のノサシバエを放出した。各侵入後、5時間および24時間目にノサシバエの計数を行った。以下の表14Aおよび14Bは、本発明のポアオン製剤の有効性を示す。
【0329】
表14A:ノサシバエに対するポアオン製剤の有効性
【0330】
表14B:ノサシバエに対するポアオン製剤の有効性(続)
【0331】
表14Aおよび14Bに示すように、侵入後わずか5時間で、ノサシバエに対する顕著な有効性が認められた。侵入24時間後から研究の終わり(36日目)まで少なくとも90%の有効性が認められた。
【0332】
[実施例15]
リピケファルス(ボーフィルス)・ミクロプルスマダニに対するポアオン製剤の有効性
2.5mg/kgおよび10mg/kgの用量で化合物Aを含む本発明の2つのポアオン製剤の有効性を、リピケファルス(ボーフィルス)・ミクロプルスマダニの侵入に対して試験し、無治療対照と比較した。6〜15ヶ月齢、体重100〜200kgの5頭の健常ウシを各試験群に用いた。群1におけるウシを未処理(対照)とした。群2におけるウシは、2.5mg/kgの用量で、DES中に2.5%(w/v)の濃度で化合物Aを含むポアオン製剤で0日目に治療し、群3におけるウシは、10mg/kgの用量で、DES中に10%(w/v)の濃度で化合物Aを含むポアオン製剤で0日目に治療した。治療の数週間前に、継続的な侵入を確立するために、おおよそ2500匹のリピケファルス(ボーフィルス)・ミクロプルスの幼虫で週3回ウシに寄生させる。群2および3におけるウシを、マーク付きのディスポーザブルシリンジに溶液の必要量を計り取り、各動物のキ甲から尾まで背中の正中線に沿って均等に物質を塗布することによって、0日目に各組成物で治療した。
【0333】
7日目、21日目およびその後14日毎に、各動物に、おおよそ5000匹のR.ミクロプロス(R. microplus)幼虫による侵入のチャレンジを行った。24時間前に各動物から落下したマダニを毎日採取し、1日目から研究の終わりまで数を数えた。幼虫の侵入時点から血をいっぱい吸ったマダニが落ちるマダニの生活環はおおよそ21日間(平均)であるため、7日目、21日目およびその後14日毎のチャレンジの有効性評価は、チャレンジのおおよそ21日後に開始して、7または8日間行った。研究の開始における有効性評価は、1日目から21日目まで行った。
【0334】
さらに、治療されたマダニの生命力および生殖能力を評価するために、採取したマダニを群として計量し、対照と比較して、マダニの体重増加への治療の影響を測定した。以下の表15Aおよび15Bは、無治療対照群と比較した、治療後139日間を通した、R.ミクロプロスに対する2つのポアオン製剤の全マダニ数での有効率を示す。表16Aおよび16Bは、採取したマダニの体重に対する2つのポアオン製剤の有効率を示す。図2および3は、それぞれ、全マダニ数および全体重に基づく,2つの製剤の有効率のプロットを示す。表および図から証明されるように、2.5mg/kgおよび10mg/kgの両方での本発明のポアオン製剤は、リピケファルス(ボーフィルス)・ミクロプルスマダニに対する優れた有効性を長期間提供する。これらのポアオン組成物は、組成物の投与後、少なくとも139日目まで、90%を超えるマダニ数の有効性を示した。さらにまた、表16Aおよび16Bに示すように、採取したマダニの体重に基づいて、2つポアオン組成物はマダニに対して極めて有効であった。このデータは、これらの組成物が、マダニの生殖能力の抑制に長期間極めて有効であったことを示している。リピケファルス(ボーフィルス)・ミクロプルスマダニに対するポアオン組成物に関する、90%を超える極めて長期間持続する効果は、当該技術分野で公知のポアオン製剤と比較して著しい
【0335】
表15A:リピケファルス(ボーフィルス)・ミクロプルスに対するマダニ数での有効性
【0336】
表15B:リピケファルス(ボーフィルス)・ミクロプルスに対するマダニ数での有効性
【0337】
表16A:リピケファルス(ボーフィルス)・ミクロプルスに対するマダニの体重での有効性
【0338】
表16B:リピケファルス(ボーフィルス)・ミクロプルスに対するマダニの体重での有効性
【0339】
[実施例16]
ウシにおけるリノグナツス・ビツリ(シラミ)に対するポアオン製剤の有効性
2.5mg/kgおよび10mg/kgの用量でイソオキサゾリン化合物Aを含む本発明の2つのポアオン製剤の有効性を、無治療対照と比較して、ウシにおけるリノグナツス・ビツリ(シラミ)の天然および誘導侵入に対して試験した。体重100〜300kgの4頭のウシを各試験群に用いた。群1におけるウシは未処理(対照)とした。群2におけるウシは、2.5mg/kgの用量で、DES中に2.5%(w/v)濃度での化合物Aを含むポアオン製剤で0日目に治療し、群3におけるウシは、10mg/kgの用量でDES中に10%(w/v)の濃度で化合物Aを含むポアオン製剤で0日目に治療した。マーク付きのディスポーザブルシリンジに溶液の必要量を計り取り、各動物のキ甲から尾まで背中の正中線に沿って均等に物質を塗布することによってこの製剤を塗布した。
【0340】
2、7、14、21、28、35、42、49および56日目に、直接検査によって、動物の体表面上でおおよそ5cm x15cmの6つの選択された部位でシラミを計数することによって生きたシラミ(成虫プラス若虫)の数を数えた。選択された部位にシラミが存在しない場合は、体全体の検査を行った。動物当たりの各部位における生きたシラミ数の合計によって、動物当たりの全シラミ数を決定した。以下の表17Aおよび17Bは、56日間にわたるリノグナツス・ビツリに対する2つのポアオン製剤の有効性を示す。これらの表が示すように、7日目から開始して研究の少なくとも56日目まで、2つのポアオン製剤は有効であり、100%の有効性が認められた。研究の2日目における有効性は、試験群のそれぞれにおいて90%を超えていた。1回の局所治療によるリノグナツス・ビツリに対する長期持続性効果は予期せぬことであり、驚くべきことである。
【0341】
表17A:リノグナツス・ビツリに対するポアオン製剤の有効性
【0342】
表17B:リノグナツス・ビツリに対するポアオン製剤の有効性(続)
【0343】
[実施例17]
ウシにおけるサルコプテス・スカビエイ・変種ボビス(Sarcoptes scabiei var. bovis)(疥癬ダニ)に対するポアオン製剤の有効性
2.5mg/kgおよび10mg/kgの用量でイソオキサゾリン化合物Aを含む本発明の2つのポアオン製剤の有効性を、無治療対照と比較して、ウシにおいて、サルコプテス・スカビエイ・変種ボビス(疥癬ダニ)の天然および誘導侵入に対して試験した。体重100〜300kgの4頭のウシを各試験群に用いた。群1におけるウシは未処理(対照)とした。群2におけるウシは、2.5mg/kgの用量で、DES中に2.5%(w/v)濃度での化合物Aを含むポアオン製剤で0日目に治療し、群3におけるウシは、10mg/kgの用量でDES中に10%(w/v)の濃度で化合物Aを含むポアオン製剤で0日目に治療した。マーク付きのディスポーザブルシリンジに溶液の必要量を計り取り、各動物のキ甲から尾まで背中の正中線に沿って均等に物質を塗布することによってこの製剤を塗布した。
【0344】
活動病変の縁から、もし病変が研究中に退行した場合は、研究の開始に活動病変があった部位から採取した擦過物において、7、14、20、27、34、41、48および55日目に生きた(運動能力のある)サルコプテス・スカビエイ・変種ボビス(疥癬ダニ)の数を数えた。各動物上の大きさが少なくとも3cm x3cmの領域を有する6つの部位から擦過物を作った。以下の表18Aおよび18Bは、56日間にわたる、サルコプテス・スカビエイ・変種ボビスに対する2つのポアオン製剤の有効性を示す。これらの表が示すように、7日目から開始して研究の少なくとも56日目まで、2つのポアオン製剤は有効であり、95%以上の有効性が認められた。10%(w/v)製剤の有効性は、14日目から55日目まで100%の有効性を示したが、低い濃度のポアオン製剤(群2)の有効性は、27日目から始まって研究の終わりまで100%を示した。1回の局所治療からのサルコプテス・スカビエイ・変種ボビスに対する本発明のポアオン製剤の長期持続性効果は予期せぬことであり、驚くべきことである。
【0345】
表18A:サルコプテス・スカビエイ・変種ボビスに対するポアオン製剤の有効性
【0346】
表18B:サルコプテス・スカビエイ・変種ボビスに対するポアオン製剤の有効性
【0347】
上記の限定するものではない例が示すように、少なくとも1つのイソオキサゾリン活性薬を含む本発明の組成物は、哺乳動物(例えばイヌ、ネコおよびウシ)における外部寄生虫に対する優れた長期持続性効果を示す。
【0348】
本発明は、以下の番号付けされたパラグラフによってさらに説明される:
1.動物における寄生虫の感染または侵入を治療または予防するための獣医用局所組成物であって、
a)式(I)の少なくとも1つのイソオキサゾリン活性薬:
(I)
[式中、
A1、A2、A3、A4、A5およびA6は独立してCR3およびNからなる群から選択され、ここでA1、A2、A3、A4、A5およびA6のうち多くて3つはNであり;
B1、B2およびB3は独立してCR2およびNからなる群から選択され;
WはOまたはSであり;
R1はC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7アルキルシクロアルキルまたはC4-C7シクロアルキルアルキルであり、それぞれR6から独立して選択される1以上の置換基で置換されていてもよく;
各R2は独立してH、ハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6ハロアルコキシ、C1-C6アルキルチオ、C1-C6ハロアルキルチオ、C1-C6アルキルスルフィニル、C1-C6ハロアルキルスルフィニル、C1-C6アルキルスルホニル、C1-C6ハロアルキルスルホニル、C1-C6アルキルアミノ、C2-C6ジアルキルアミノ、C2-C4アルコキシカルボニル、−CNまたは−NO2であり;
各R3は独立してH、ハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、C3-C6シクロアルキル、C3-C6ハロシクロアルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6ハロアルコキシ、C1-C6アルキルチオ、C1-C6ハロアルキルチオ、C1-C6アルキルスルフィニル、C1-C6ハロアルキルスルフィニル、C1-C6アルキルスルホニル、C1-C6ハロアルキルスルホニル、C1-C6アルキルアミノ、C2-C6ジアルキルアミノ、−CNまたは−NO2であり;
R4はH、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7アルキルシクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、C2-C7アルキルカルボニルまたはC2-C7アルコキシカルボニルであり;
R5はH、OR10、NR11R12またはQ1;あるいはC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7アルキルシクロアルキルまたはC4-C7シクロアルキルアルキルであり、それぞれR7から独立して選択される1以上の置換基で置換されていてもよく;あるいは
R4およびR5は、それらが結合している窒素と一緒になって、2〜6炭素原子ならびに場合によりN、SおよびOからなる群から選択される1つのさらなる原子を含む環を形成し、前記環はC1-C2アルキル、ハロゲン、−CN、−NO2およびC1-C2アルコキシからなる群から独立して選択される1〜4置換基で置換されていてもよく;
各R6は独立してハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6アルキルチオ、C1-C6アルキルスルフィニル、C1-C6アルキルスルホニル、−CNまたは−NO2であり;
各R7は独立してハロゲン;C1-C6アルキル、C3-C6シクロアルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6アルキルチオ、C1-C6アルキルスルフィニル、C1-C6アルキルスルホニル、C1-C6アルキルアミノ、C2-C8ジアルキルアミノ、C3-C6シクロアルキルアミノ、C2-C7アルキルカルボニル、C2-C7アルコキシカルボニル、C2-C7アルキルアミノカルボニル、C3-C9ジアルキルアミノカルボニル、C2-C7ハロアルキルカルボニル、C2-C7ハロアルコキシカルボニル、C2-C7ハロアルキルアミノカルボニル、C3-C9ジハロアルキルアミノカルボニル、ヒドロキシ、−NH2、−CNまたは−NO2;あるいはQ2であり;
各R8は独立してハロゲン、C1-C6アルコキシ、C1-C6ハロアルコキシ、C1-C6アルキルチオ、C1-C6ハロアルキルチオ、C1-C6アルキルスルフィニル、C1-C6ハロアルキルスルフィニル、C1-C6アルキルスルホニル、C1-C6ハロアルキルスルホニル、C1-C6アルキルアミノ、C2-C6ジアルキルアミノ、C2-C4アルコキシカルボニル、−CNまたは−NO2であり;
各R9は独立してハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C6ハロアルキル、C3-C6シクロアルキル、C3-C6ハロシクロアルキル、C1-C6アルコキシ、C1-C6ハロアルコキシ、C1-C6アルキルチオ、C1-C6ハロアルキルチオ、C1-C6アルキルスルフィニル、C1-C6ハロアルキルスルフィニル、C1-C6アルキルスルホニル、C1-C6ハロアルキルスルホニル、C1-C6アルキルアミノ、C2-C6ジアルキルアミノ、−CN、−NO2、フェニルまたはピリジニルであり;
R10はH;あるいはC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7アルキルシクロアルキルまたはC4-C7シクロアルキルアルキルであり、それぞれ1以上のハロゲンで置換されていてもよく;
R11はH、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7アルキルシクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、C2-C7アルキルカルボニルまたはC2-C7アルコキシカルボニルであり;
R12はH;Q3;あるいはC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7アルキルシクロアルキルまたはC4-C7シクロアルキルアルキルであり、それぞれR7から独立して選択される1以上の置換基で置換されていてもよく;あるいは
R11およびR12は、それらが結合している窒素と一緒になって、2〜6炭素原子ならびに場合によりN、SおよびOからなる群から選択される1つのさらなる原子を含む環を形成し、前記環は、C1-C2アルキル、ハロゲン、−CN、−NO2およびC1-C2アルコキシからなる群から独立して選択される1〜4置換基で置換されていてもよく;
Q1はフェニル環、5〜6員複素環または、場合により最大1つのO、最大1つのSおよび最大3つのNから選択される1〜3ヘテロ原子を含む8、9もしくは10員縮合二環系であり、各環または環系は、R8から独立して選択される1以上の置換基で置換されていてもよく;
各Q2は独立してフェニル環または5〜6員複素環であり、各環はR9から独立して選択される1以上の置換基で置換されていてもよく;
Q3はフェニル環または5〜6員複素環であり、各環はR9から独立して選択される1以上の置換基で置換されていてもよく;
nは0、1または2である]および
b)動物の皮膚への塗布に適した薬学的に許容される担体であって、グリコフロールを含まず、プロピレングリコールとグリセロールホルマールの二元混合物ではない前記担体
を含む前記組成物。
2.式(I)のイソオキサゾリン活性薬において、式中、
WがOであり;
R4がHまたはC1-C6アルキルであり;
R5が-CH2C(O)NHCH2CF3であり;
A1、A2、A3、A4、A5およびA6のそれぞれがCHであり;
R1がC1-C6アルキルであり、それぞれR6から独立して選択される1以上の置換基で置換されていてもよく;
R6がハロゲンまたはC1-C6アルキルであり;
B1、B2およびB3が独立してCH、C-ハロゲン、C-C1-C6アルキル、C-C1-C6ハロアルキルまたはC-C1-C6アルコキシである、
パラグラフ1に記載の獣医用局所組成物。
3.式(I)のイソオキサゾリン活性薬において、式中、
WがOであり;
R1がCF3であり;
B2がCHであり;
B1がクロロであり;
B3がCF3であり;
A1、A2、A3、A4、A5およびA6のそれぞれがCHであり;
R4がHであり;
R5が-CH2C(O)NHCH2CF3である、
パラグラフ1に記載の獣医用局所組成物。
4.薬学的に許容される担体が、ジカルボン酸ジエステル、グリコールエステル、グリコールエーテル、脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールもしくはポリエチレングリコールエステル、油、アルコール、グリセロールエステル、グリセロールエーテル、プロピレングリコール、エチレングリコール、炭酸グリコール、ジメチルイソソルビド、N-メチルピロリドンまたはそれらの混合物を含む、パラグラフ1に記載の獣医用局所組成物。
5.ジカルボン酸ジエステルがC6-C16ジカルボン酸ジエステルである、パラグラフ4に記載の獣医用局所組成物。
6.C6-C16ジカルボン酸ジエステルがセバシン酸ジエチルまたはアジピン酸ジイソプロピルである、パラグラフ5に記載の獣医用局所組成物。
7.薬学的に許容される担体が、ジカルボン酸ジエステルの混合物およびプロピレングリコールエステル、脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールエステル、ポリエチレングリコール、油、C6-C20長鎖脂肪族アルコール、C1-C8アルコール、グリコールエーテル、またはそれらの組み合わせを含む、パラグラフ4に記載の獣医用局所組成物。
8.薬学的に許容される担体が、ジカルボン酸ジエステルの混合物を含み、ショ糖と酢酸とイソ酪酸の混合エステル、低融点ワックス、ハードファットもしくはエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロック共重合体またはそれらの組み合わせをさらに含む、パラグラフ4に記載の獣医用局所組成物。
9.薬学的に許容される担体が、ジメチルイソソルビド、グリセロールホルマール、炭酸プロピレン、トリアセチン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコール400もしくはベンジルアルコールまたはそれらの混合物を含む、パラグラフ4に記載の獣医用局所組成物。
10.少なくとも第2の活性薬をさらに含む、パラグラフ1〜9のいずれか1つに記載の獣医用局所組成物。
11.少なくとも第2の活性薬が、昆虫成長制御剤、ネオニコチノイドまたはアベルメクチンもしくはミルベマイシンである、パラグラフ10に記載の獣医用局所組成物。
12.イソオキサゾリン活性薬が4-[5-[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-N-[2-オキソ-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]エチル]-1-ナフタレンカルボキサミドであり、ネオニコチノイドがニテンピラムである、パラグラフ11に記載の獣医用局所組成物。
13.少なくとも第2の活性薬が昆虫成長制御剤である、パラグラフ11に記載の獣医用局所組成物。
14.昆虫成長制御剤が(S)-メトプレン、ピリプロキシフェン、ヒドロプレン、シロマジン、フルアズロン、ルフェヌロン、またはノバルロンである、パラグラフ13に記載の獣医用局所組成物。
15.アベルメクチンもしくはミルベマイシンがエプリノメクチン、イベルメクチン、セラメクチン、ミルベメクチン、ミルベマイシンD、ミルベマイシンオキシムまたはモキシデクチンである、パラグラフ11に記載の獣医用局所組成物。
16.少なくとも第2の活性薬が、チアベンダゾール、オキシベンダゾール、メベンダゾール、フェンベンダゾール、オキシフェンダゾール、アルベンダゾール、トリクラベンダゾール、フェバンテル、レバミゾール、ピランテル、モランテル、プラジカンテル、クロサンテル、クロルスロン、アミノアセトニトリル活性薬またはアリーロアゾール-2-イルシアノエチルアミノ活性薬から選択される駆虫活性薬である、パラグラフ10に記載の獣医用局所組成物。
17.組成物がスポットオン組成物である、パラグラフ1〜16のいずれか1つに記載の獣医用局所組成物。
18.組成物がポアオン組成物である、パラグラフ1〜16のいずれか1つに記載の獣医用局所組成物。
19.動物における寄生虫の侵入または感染を治療または予防するための方法であって、パラグラフ1〜18のいずれかに記載の獣医用局所組成物の有効量を動物に投与することを含む前記方法。
20.イソオキサゾリンが4-[5-[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-4,5-ジヒドロ-5-(トリフルオロメチル)-3-イソオキサゾリル]-N-[2-オキソ-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]エチル]-1-ナフタレンカルボキサミドである、パラグラフ19に記載の方法。
21.寄生虫に対する動物の治療または防御のための獣医用局所組成物の製造におけるパラグラフ1に記載の式(I)のイソオキサゾリンの使用。
【0349】
上記に、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明してきたが、本発明の精神または範囲を逸脱することなく多くの見かけの変形が可能なので、上記パラグラフにより定義される本発明は、上記の説明中に示される特定の詳細に限定されるべきではないと解されるべきである。
図1
図2
図3