(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、前駆体からジアゾ化合物を生成し、そのジアゾ化合物を反応させてジアゾ化合物の反応生成物を製造するのに好適な本発明の装置を示している。
【
図2】
図2は、
図1の装置に加えて、ジアゾ化合物の前駆体を形成するのに好適な本発明の装置を示している。
【
図3】
図3は、ジアゾ化合物の前駆体の一定の流れを提供するための装置を示している。
【0020】
本明細書において使用される場合、ジアゾ化合物とは、末端基C=N
−=N
+を含む任意の化合物を意味する。したがって、ジアゾ化合物の反応生成物とは、ジアゾ化合物と基質との間の反応の生成物を意味する。典型的に、ジアゾ化合物は、ジアゾメタンまたはジアゾエタンである。
【0021】
好適な基質は、第2の反応器中のジアゾ化合物の濃度が低いままであることを可能にし、第2の反応器を出る高い(したがって有害な)濃度のジアゾ化合物の漏れを妨げるのに十分な速度でジアゾ化合物と反応して所望の生成物を形成する基質である。そのような基質の例は、例えばBlack,T.H.et al.Aldrichimica Acta,1983,16(1),3に記載されている。好適な基質としては、オレフィン(例えば、スチレンおよびアクリル酸エチル);ケトン(例えば、シクロヘキサノン);アルデヒド(例えば、ベンズアルデヒド);カルボン酸(例えば、酢酸および安息香酸);およびカルボン酸塩化物(例えば、ブチリルクロリドまたはフェニルアセチルクロリド)が挙げられる。典型的に、当該基質は、オレフィン、ケトン、アルデヒド、カルボン酸またはカルボン酸塩化物である。
【0022】
ジアゾ化合物の前駆体は、反応させられてジアゾ化合物を形成し得る化合物である。典型的に、ジアゾ化合物の前駆体は、N−アルキル−N−ニトロソ−トルエン−スルホンアミド、N−アルキル−N−ニトロソ−尿素、またはN−アルキル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジンである。好ましくは、当該前駆体は、N−メチル−N−ニトロソ−尿素、N−エチル−N−ニトロソ−尿素、N−メチル−N−ニトロソ−トルエン−スルホンアミド、N−エチル−N−ニトロソ−トルエンスルホンアミド、N−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソ−グアニジン、N−エチル−N’−ニトロ−N−ニトロソ−グアニジンである。ジアゾ化合物の前駆体は公知であり、市販されているかまたは公知の手順によってバッチ式で製造され得る。
【0023】
ジアゾ化合物の前駆体は、水混和性溶媒に溶解して、第1の供給材料流れを形成し得る。塩基は、水または水混和性溶媒のいずれか、またはその両方に溶解して、第2の供給材料流れを形成し得る。
【0024】
好適な水混和性溶媒は、ジアゾ化合物を形成するための前駆体と塩基との迅速な反応を可能にするのに十分な量の前駆体および塩基を溶解するものである。好適な水混和性溶媒は、ジアゾ化合物とも基質とも反応しないものである。典型的な水混和性溶媒は、疎水性膜を通って拡散することができる。好適な溶媒の例は、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、ブタノールまたはカルビトール);およびポリオール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコールまたはグリセロール)またはそれらの混合物である。典型的に、当該水混和性溶媒は、ブタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、DMSOまたはそれらの混合物である。
【0025】
好適な塩基は、水性塩基(例えば、水酸化アルカリ水溶液)である。典型的に、当該塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたはそれらの混合物である。塩基の典型的な濃度は、2〜50重量%である。
【0026】
本明細書において使用される場合、反応器とは、典型的にはマイクロまたはミニリアクターである。これらはそれぞれ、反応チャネル構造の寸法および構成の点においてのみ従来の大きさの反応器と異なるにすぎない。マイクロまたはミニリアクターは、マイクロメートル(マイクロリアクター)〜ミリメートル(ミニリアクター)単位の特徴寸法(チャネル幅および深さ、またはプレート幅)を有する小型化された反応器である。特徴寸法は、マイクロリアクターを通る反応混合物の流れに対して垂直な寸法である。当該特徴寸法は、例えば0.1mm〜20mm;典型的には1〜10mm(例えば、2〜5mm)である。
【0027】
好ましくは、マイクロまたはミニリアクターは、水力学的直径が20mm以下のチャネルを有する反応器として定義される。水力学的直径D
hは、4A/Uとして定義され、ここで、Aは反応器チャネルの横断面の面積であり、Uは前記横断面の周囲である。
【0028】
そのような反応器は、当該技術分野において記載されており、例えば:V.Hessel and H.Loewe,“Mikroverfahrenstechnik:Komponenten,Anlagen−konzeption,Anwenderakzeptanz”,Chem.Ing.Techn.74,2002,pages 17−30,185−207 and 381−400.S.Loebbecke et al.,“The Potential of Microreactors for the Synthesis of Energetic Materials”,31
st Int.Annu.Conf.ICT;Energetic Materials−Analysis,Diagnostics and Testing,33,27−30 June 2000,Karlsruhe,Germanyに記載されている。マイクロリアクター、マイクロミキサー、マイクロ熱交換器は、例えばドイツ(すなわち:IMM,MainzおよびForschungszentrum Karlsruhe)および米国(すなわち:MITおよびDuPont)において開発されている。
【0029】
マイクロまたはミニリアクターを使用することの利点は、反応器へのおよび反応器からの非常に効果的な熱伝達をそれらが有しており、これにより高発熱反応の良好な制御が可能になることである。また、試薬および生成物の量は少なく、このことは、いかなる爆発も小規模でしか起こらないので、安全性が改善されるということを意味している。
【0030】
試薬の流れの混合は、典型的に、当該技術分野において知られているTミキサーにより行われる。典型的に、上記の方法の工程a)において、まず、ジアゾ化合物の前駆体;水混和性溶媒;塩基および水が混合されて単一の供給材料流れを形成し、次いで、前記供給材料流れが第1の反応器に供給される。
【0031】
第1の反応器と第2の反応器とは、疎水性膜によって隔てられている。疎水性膜自体が、第1の反応器と第2の反応器との間の隔壁を形成し得る。その場合、これは、疎水性膜によって二分されている単一の容器を含み得る。
【0032】
好適な膜は、反応混合物の他の成分の第1の反応器から第2の反応器への透過を妨げる一方で、第1の反応器から第2の反応器中への形成されたジアゾ化合物の拡散を可能にするものである。したがって、当該膜は、実質的に、ジアゾ化合物に対して選択性のあるものである。
【0033】
当該膜は、反応に影響を及ぼすことも、それ自体が影響を受けることもなしに、第1の反応器および第2の反応器のそれぞれにおける反応混合物の条件に耐えるものでなければならない。好適な膜は、ジアゾ化合物の崩壊を開始も促進もしないものである。好適な膜の例は、ポリプロピレンベース、PTFEベースまたはポリエチレンベースの膜などのポリマー膜である。水相と有機相とを分離することが可能な膜が記載されている。例えば、J.A.Apffel,U.A.Th Brinkman and R.W.Frei,Chromatographia 18(1),1984,5−10;およびSeparation and Purification Technology,17(1),1999,77−82を参照されたい。典型的に、当該膜は、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)またはポリエチレンを含む微孔性膜である。
【0034】
膜表面積は、膜を通してのジアゾ化合物の迅速な除去を可能にするのに十分に、第1の反応器の容積に対して大きいものであるべきである。また、1つ以上の膜が存在し得る。それぞれの膜は、異なる形態を有し得、それは、例えば形が平らまたは管状のものであり得る。
【0035】
混合は、当該技術分野において知られている任意の好適な手段によるものであり得る。これは、能動的で、例えば機械撹拌によるものであり得、または、受動的で、例えば単に反応器に入る供給材料流れの乱流によるものであり得る。
【0036】
上記のような方法は、典型的に、
h)第3の反応器に、N−アルキル化合物、酸および亜硝酸塩水溶液を連続的に供給する工程と、
i)N−アルキル化合物、酸および亜硝酸塩水溶液を混合してジアゾ化合物の前駆体を生成する工程と、
j)第3の反応器からジアゾ化合物の前駆体を連続的に取り出し、それを工程(a)に連続的に供給する工程と
をさらに含む。
【0037】
ジアゾ化合物の前駆体の生成とジアゾ化合物への直接転化そして次にジアゾ化合物の反応生成物へのさらなる反応とを組み合わせることの特定の利点は、どの時点においても著しい量の有害なジアゾ化合物前駆体は存在しないことから、このプロセスのさらに改善された安全性である。換言すれば、反応器内には、無害の出発物質および無害の最終生成物のみが大量に存在し、一方、有害なジアゾ化合物前駆体およびジアゾ化合物自体は少量でしか存在しない。したがって、人員および環境に対する製造安全性における特に大きな改善が、本発明のこの実施形態で実現される。
【0038】
好ましくは、当該方法は、工程(h)において、非水混和性溶媒を第3の反応器に連続的に供給することを含み、かつ工程(j)において、ジアゾ化合物の前駆体を工程(a)に供給する前にジアゾ化合物の前駆体および非水混和性溶媒から水相を分離することを任意選択で含む。非水混和性溶媒の使用は、この段階における水性副生物からのジアゾ化合物前駆体の分離を促進する。
【0039】
N−アルキル化合物は、典型的に、水に溶解する。N−アルキル化合物および水性亜硝酸塩は、第3の反応器に入る前に混合されて、単一の供給材料流れを形成し得る。酸は、典型的に、有機溶媒に溶解する。
【0040】
典型的に、当該装置は、第1の反応器の上流に接続されている第3の反応器を含む。好ましくは、当該装置は、第3の反応器と第1の反応器との間に、疎水性膜を含む分離器をさらに含む。より好ましくは、第1の反応器と、第2の反応器と、存在する場合は第3の反応器とのそれぞれが、ミニリアクターまたはマイクロリアクターである。
【0041】
本発明の1つの実施形態において、エタノールまたはエチレングリコールおよび水性水酸化ナトリウムに懸濁された、N−アルキル−N−ニトロソトルエン−スルホンアミドの溶液が、PTFE膜によって第2の反応器と隔てられた第1の反応器に連続的に加えられ、混合される。オレフィンおよび炭化水素溶媒を含む流れが、第2の反応器に連続的に加えられる。第1の反応器からの流出液は廃棄され、第2の反応器からの流出液はジアゾアルカンの反応生成物を含有しており、ジアゾアルカンの生成物を単離するために処理される。
【0042】
本発明の別の実施形態において、N−アルキル−N−ニトロソトルエン−スルホンアミドの連続流れおよび上記のような好適な塩基の連続流れが第1の反応器において反応させられて、ジアゾ化合物を形成する。次いで、この流れに、好適な有機溶媒の連続流れおよび水または塩水溶液の連続流れが加えられて、迅速で連続的な相分離および有機相へのジアゾ化合物の溶解がもたらされる。次いで、有機相は、膜を透過して第2の反応器に入り、有機溶媒中の基質の溶液と反応する。この場合もまた、第1の反応器からの流出液は廃棄され、第2の反応器からの流出液はジアゾアルカンの生成物を含有しており、ジアゾアルカンの生成物を単離するために処理される。
【0043】
当該方法のさらなる実施形態は、ジアゾ化合物の反応生成物を生成するための上述の連続膜プロセスのうちの1つと、対応するN−アルキル化合物からのN−アルキル−N−ニトロソ化合物(ジアゾ化合物の前駆体)の連続生成との組み合わせを含む。
【0044】
この実施形態において、好適な溶媒中の各N−アルキル−N−ニトロソ化合物の連続流れは、N−アルキル化合物を含有する流れおよび好適な酸と亜硝酸塩水溶液を含有する流れとの、反応器中での連続混合により生成される。流れ比は、N−アルキル化合物からN−アルキル−N−ニトロソ化合物への高度の転化を達成するように選択される。溶媒は、酸および副生物(例えば、未反応のN−アルキル化合物および亜硝酸塩)は水相に留まる一方でN−アルキル−N−ニトロソ化合物はその溶媒に溶解することを可能にするように選択される。水相と有機相との分離は、比重差により、または好ましくは、水相を保持する一方でN−アルキル−N−ニトロソ化合物を含有する有機溶媒を透過させる膜により、もたらされ得る。さらに、当該溶媒は、ジアゾアルカンの生成物を生成するプロセスにおけるN−アルキル−N−ニトロソ化合物の溶液の直接の使用を可能にするように選択される。
【0045】
図1は、本発明の装置を示している。特に、これは、実施例1に従う方法を実施するのに好適である。(1)および(2)は、第1の反応器(3)への入口である。ジアゾ化合物の前駆体および水混和性溶媒を含む第1の供給材料流れが入口(1)を通過する。塩基および水を含む第2の供給材料流れは、入口(2)を通って入る。形成されたジアゾ化合物と水混和性溶媒の一部とは、疎水性膜(8)を通って第2の反応器(10)に進む。廃棄物は、出口(4)を通過する。加熱/冷却ジャケット(6)は、入口(5)および出口(7)を有しており、それらを恒温流体が通過する。非水混和性溶媒中の基質は、入口(9)を通して第2の反応器に送られ、ジアゾ化合物の生成物は、出口(11)を通って出て行く。加熱/冷却ジャケット(13)は、入口(12)および出口(14)を有しており、それらを恒温流体が通過する。加熱/冷却ジャケット(6)および(13)は共に、1つの加熱/冷却ジャケットを構成し得る。
【0046】
図2は、本発明に従うさらなる装置を示している。特に、これは、実施例2に従う方法を実施するのに好適である。構成要素3〜14は、
図1に関して説明されたように動作する。そして、N−アルキル化合物を含む流れおよび亜硝酸塩水溶液を含む流れが入口(15)に入り、酸が入口(16)に入る。これらは、混合ゾーン(17)で混合される。ジアゾ化合物の生成物前駆体は、連結部(18)を通ってミキサー(19)内に出て行く。入口(20)には非水混和性溶媒が入り、同じくミキサー(19)内への入口(21)には塩基が入る。流体は連結部(22)を通過し、反応器(3)に対する供給材料となる。恒温流体は、入口(23)を通して冷却チャンバー(24)内に送られ、出口(25)を通って出て行く。
【0047】
図3は、ジアゾ化合物の前駆体の一定の流れを提供するための装置を示している。N−アルキル化合物および亜硝酸塩水溶液を含む流れが入口(26)を通り、酸を含む流れが入口(27)を通って反応器(28)内に進む。ジアゾ化合物の生成物前駆体は、連結部(29)を通って分離器(30)内に進む。水相は出口(33)を通って出て行くが、ジアゾ化合物の前駆体を含む有機相は、膜(31)を透過し、出口(32)を通って出て行く。恒温流体が入口(34)を通して加熱/冷却ジャケット(35)に送られ、出口(36)を通って出て行く。出口(32)の流れから、ジアゾ化合物についての前駆体が単離され得る、または、出口32からの流れが、
図1における第1の反応器への入口(1)内への供給材料流れとして使用され得る。
【0048】
本発明を以下の実施例により説明するが、本発明はそれらに限定されるわけではない。
【0049】
[実施例1]
図1に従って、温度制御される第1の反応器および第2の反応器ならびに前記反応器を隔てる疎水性(ポリプロピレン)膜を含む装置を組み立てた。この装置を、表1に記載された流量で連続的に操作した。恒温流体の入口に、表1に記載された温度T2の水の100g/分の流れを投入する。
【0050】
第1の反応器の2つの入口のうちの一方に、示された流量の示された溶媒中のDiazald(登録商標)を投入した。第1の反応器のもう一方の入口には、示された流量の水酸化カリウム(KOH)水溶液を投入した。
【0051】
第2の反応器の入口に、示された流量の示された溶媒中の安息香酸(BzCOOH)を投入した。(MTBEは、メチルtert−ブチルエーテルである。)
【0052】
膜ユニットの寸法を、形成されたジアゾメタンを第1の反応器から第2の反応器に拡散させるのに十分な第1の反応器と第2の反応器とを隔てる膜の面積を提供し、かつ第1の反応器中の反応混合物の1分間の滞留時間および第2の反応器中の反応混合物の3分間の滞留時間をもたらすように選択した。この反応器は、3.2mmの内径および1mの長さを有する管を備えていた。この管内に、1.5mmの内径および1mの長さを有する疎水性膜の管を定置した。第1の反応器は外管と内管との間の容積であり、第2の反応器は疎水性膜の内管内の容積である。疎水性膜の面積は47cm
2である。
【0053】
連続操作の際に、第1の反応器を出た可能性のあるどんな微量のジアゾ化合物をも完全に破壊するために、第1の反応器の出口における流れを、10倍体積過剰の10w/w%酢酸水溶液と連続的に混合した。
【0054】
【表1】
【0055】
これらの結果は、ジアゾメタンが生成され、安息香酸と反応させられて安息香酸メチルを形成し得ると共に、第2の反応器中の安息香酸は、第1の反応器中の水酸化カリウム溶液により中和されないということを示している。
【0056】
[実施例2]
抽出効率を改善するために、僅かに改変したプラントにおいてさらなる実験を行った。
【0057】
図2に従い、
・ジアゾ化合物の前駆体および塩基のための混合ゾーンと、
・次いで温度制御された第1の反応器に入るこの流れに、有機溶媒および水または水溶液を加えるための混合ゾーンと、
・第2の反応器と、
・前記反応器を隔てる疎水性膜と
を含む装置を組み立てた。
【0058】
この装置を、表2に記載された流量で連続的に操作した。
【0059】
【表2】
【0060】
この実施例は、Diazald(登録商標)およびKOHの混合後の水溶液および有機溶媒の添加が、有機溶媒へのジアゾメタンの抽出および安息香酸との反応のためのそれの膜透過を改善するということを示している。小過剰の安息香酸が、膜なしではるかにより大過剰の安息香酸を用いて達成される文献(A.Stark et.al.,Green Chem.,2008,10,pages 41−43)値に匹敵する収率に達するために必要とされる。
【0061】
[実施例3]
実施例1に記載されるような装置を、
図3に示されるような装置と組み合わせ、テトラヒドロフラン(有機溶媒)中のN−メチル−N−ニトロソ−トルエンスルホンアミドの10w/w溶液の連続流れを提供する。この流れは、以下のように連続的に調製される。
【0062】
第3の反応器において、10w/w%のN−メチル−トルエンスルホンアミドおよび5w/w%の亜硝酸ナトリウムを含有するテトラヒドロフランの10g/分の連続流れを、2分の滞留時間の間、3M HClの5g/分の連続流れと混合する。第3の反応器の流出液を、重力によるかまたは膜を使って、有機相と水相とに連続的に分離する。水相は廃棄し、実施例1で説明したような第1の反応器の一方の入口に、有機相を連続的に投入した。
【0063】
合わせたプロセスの連続操作は、ジアゾ化合物を含んでいない、さらなる下流の処理にすぐに使える流れを提供する。
【0064】
[実施例4]
実施例2で説明したような連続的な反応器の構成において、ジアゾメタンのアクリル酸メチルへの環化付加を行った。
【0065】
1.2M KOH/2−プロパノール(0.5ml/分)と0.4M Diazald(登録商標)/カルビトール溶液(1.0ml/分)とを混合し、それらを60℃で反応させることによって、ジアゾメタンを調製する。反応時間は85秒であった。ジアゾメタンを有機層に抽出するために、この均一溶液にNaCl−水の連続流れ(2.0ml/分)およびMTBE/ヘプタン(50/50)の連続流れ(3.0ml/分)を添加した。ジアゾメタンを含む有機層は膜を透過し、そこで、それは、反応温度T2(滞留時間49〜74秒)で、0.4M アクリル酸メチル/MTBE−ヘプタン溶液と反応した。有機溶液をGC−MSで分析し、それにより、生成物の分子質量を確認した(質量128)。結果を表3に示す。
【0066】
【表3】
【0067】
結果:アクリル酸メチルは安息香酸よりも緩慢に反応したが、かなりの収率を、膜を超えるジアゾメタン溶液との反応によって生じた。アクリル酸メチルの加水分解物は検出されなかった。
【0068】
[実施例5]
実施例2で説明したような連続的な反応器の構成において、ジアゾメタンのスチレンへの環化付加を行った。
【0069】
1.2M KOH/2−プロパノール(0.5ml/分)と0.4M Diazald(登録商標)/カルビトール溶液(1.0ml/分)とを混合し、それらを60℃で反応させることによって、ジアゾメタンを調製した。反応時間は85秒であった。ジアゾメタンを有機層に抽出するために、この均一溶液にNaCl−水の連続流れ(2.0ml/分)およびMTBE/ヘプタン(50/50)の連続流れ(3.0ml/分)を添加した。ジアゾメタンを含む有機層は膜を透過し、そこで、それは、反応温度T2(滞留時間49〜74秒)で、0.5M スチレン/MTBE−ヘプタン溶液と反応した。有機溶液を
1H−NMRで分析する。結果を表4に示す。
【0070】
【表4】
【0071】
合成の間に、より高い膜反応器内温度において、重合を示す固体が形成された。反応温度が高いほど、より多くの固体が形成された。したがって、より高い温度において、収率は低下する。生成物中の二重結合の異性化は検出されなかった。反応は、アクリル酸メチルとの反応よりもさらに緩慢である。スチレンとの反応によるジアゾメタンの完全な消費は、24℃で数時間かかる。環化付加生成物は、約70%の収率で検出された。
【0072】
[実施例6]
実施例2で説明したような連続的な反応器の構成において、ジアゾメタンのβ−ニトロ−スチレンへの環化付加を行った。1.2M KOH/2−プロパノール(0.5ml/分)と0.4M Diazald(登録商標)/カルビトール溶液(1.0ml/分)とを混合し、それらを60℃で反応させることによって、ジアゾメタンを調製した。反応時間は85秒であった。ジアゾメタンを有機層に抽出するために、この均一溶液にNaCl−水の連続流れ(2.0ml/分)およびMTBE/ヘプタン(50/50)の連続流れ(3.0ml/分)を添加した。ジアゾメタンを含む有機層は膜を透過し、そこで、それは、反応温度T2(滞留時間49〜74秒)で、0.5M β−ニトロ−スチレン/MTBE−ヘプタン溶液と反応した。有機溶液を
1H−NMRで分析した。結果を表5に示す。
【0073】
【表5】
【0074】
二重結合の部分的な異性化を検出した。形成された2つの生成物は、5%未満の3−ニトロ−4−フェニル−4,5−ジヒドロ−3H−ピラゾールおよび約36%の3−ニトロ−4−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾールである。
【0075】
[実施例7]
実施例2で説明したような連続的な反応器の構成において、ジアゾメタンの桂皮酸メチルへの環化付加を行った。1.2M KOH/2−プロパノール(0.5ml/分)と0.4M Diazald(登録商標)/カルビトール溶液(1.0ml/分)とを混合し、それらを60℃で反応させることによって、ジアゾメタンを調製した。反応時間は85秒であった。ジアゾメタンを有機層に抽出するために、この均一溶液にNaCl−水の連続流れ(2.0ml/分)およびMTBE/ヘプタン(50/50)の連続流れ(3.0ml/分)を添加した。ジアゾメタンを含む有機層は膜を透過し、そこで、それは、反応温度T2(滞留時間49〜74秒)で、0.5M 桂皮酸メチル/MTBE−ヘプタン溶液と反応する。有機溶液を
1H−NMRで分析した。結果を表6に示す。
【0076】
【表6】
【0077】
二重結合の部分的な異性化が検出される。形成された2つの異性体は、10%の4−フェニル−4,5−ジヒドロ−3H−ピラゾール−3−カルボン酸メチルおよび52%の4−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチルである。
【0078】
[実施例8]
水中の1.0M N−メチル−尿素および1.1M 亜硝酸ナトリウムの溶液の連続流れ(0.50ml/分)をフローリアクター中に供給し、MTBE/THF/水(96/4/1.5体積)中の0.5M 硝酸の連続流れ(1.3ml/分)と連続的に混合した。60℃での3分の反応時間後に、反応混合物はフローリアクターに入り、そこで、それを、水中の4.0M 水酸化カリウムの溶液の連続流れ(0.6ml/分)と混合した。次いで、0℃での30秒の反応時間後に、有機溶媒および形成されたジアゾメタンが膜を透過し、これをMTBE/ヘプタン(50/50体積)中の1.0M 安息香酸の流れ(1ml/分)と接触させた。20℃での2分の反応時間後に、GCで測定したところ、有機相は、N−メチル−尿素に基づき48%の収率を示す、安息香酸メチルを含有していた。