(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記蓋体は、前記幅方向に延びる回転軸周りに回動可能に設けられた蓋体本体と、前記蓋体本体において前記回転軸とは反対側の先端部に沿って設けられた弾性変形可能なリップ部材と、を備えていることを特徴とする請求項4に記載の作業台。
前記電源コンセント接続部は、箱状をなしたボックス部材と、前記ボックス部材の表面に設けられたコンセント接続口と、前記ボックス部材を前記配線収容部に対して着脱自在に固定する固定部材と、を備えていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の作業台。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、各種の実験や作業を行う作業台においては、天板の上方に設置した棚板上に、実験機器や各種の機器類を設置することがある。このような場合、棚板上の機器類の電源用、データ通信用等の配線が、下方に設けられた配線スペースに向かって棚板から下方に垂れさがってしまう。棚板上に複数の機器類を設置した場合、天板と棚板との間に、多数の配線が乱雑な状態で垂れ下がり、美観を大きく損なうことがある。
さらに、例えば、天板上で利用するパーソナルコンピュータ等の機器の配線も配線スペースに通そうとしようとすると、上方の棚板から垂れ下がった複数の配線が邪魔になり、作業性が損なわれるという問題もある。
そこでなされた本発明の目的は、棚板上に機器類を設置した場合にも、美観や作業性を損なうのを防ぐことのできる作業台を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明は、作業平面を形成する天板部及び前記天板部を支持する支持脚を有する下部構造体と、前記天板部の上方に配置された棚板及び前記下部構造体から上方に延び、前記棚板を支持する棚板支持部材を有する上部構造体と、を備えた作業台であって、前記天板部は、板状の天板本体と、前記天板本体の後方に開口部を有し、該開口部の下方に配線を収容可能な配線収容部と、前記天板本体の後方であって、前記開口部の前方または後方に設けられた電源コンセント接続部と、を備え
、前記棚板の後端部が、前記天板部の後端部よりも前方に位置し、前記棚板の後方に、該棚板上に載置した機器の配線を前記開口部に向けて垂下させる配線挿通空間が形成され、前記開口部は、前記機器の前記配線を前記配線収容部に導入可能であることを特徴とする。
【0007】
このような構成により、上方の棚板上に載置された機器類から垂れ下がる配線を、開口部を通して配線収容部内に収容するとともに、天板部の上面に載置して用いる機器類等の配線等を、電源コンセント接続部に接続することができる。そして、配線収容部の開口部と電源コンセント接続部とが互いに前後して設けられているため、棚板上から垂れ下がる配線と、天板部上で用いる機器類の配線とを容易に区別して配線できる。
また、このような構成により、棚板上に載置した機器の配線を、配線挿通空間を通して垂下させ、開口部から配線収容部内に収容できる。
【0008】
前記開口部は、前記天板部の前後方向に直交する幅方向に連続して形成されているようにしてもよい。
【0009】
配線収容部の開口部が天板部の幅方向に連続することで、天板部の幅方向の任意の位置から配線を電源収容部内に収容することができる。
【0010】
前記電源コンセント接続部は、前記開口部よりも前方に配置されているようにしてもよい。
【0011】
このような構成により、上方から垂れ下がり、開口部を通して配線収容部内に収容される配線が電源コンセント接続部よりも後方に位置することとなる。すると、天板上で用いる機器類の電源配線等が、上方から垂れ下がる配線と錯綜するのを防ぐことができる。
【0014】
前記配線収容部は、前記開口部を開閉可能な蓋体を備えているようにしてもよい。
【0015】
このような構成により、配線収容部内の配線が露出するのを最小限に抑え、美観を向上させることができる。
【0016】
前記蓋体は、前記幅方向に延びる回転軸周りに回動可能に設けられた蓋体本体と、前記蓋体本体において前記回転軸とは反対側の先端部に沿って設けられた弾性変形可能なリップ部材と、を備えているようにしてもよい。
【0017】
このような構成により、開口部に配線を通した状態で蓋体本体を閉じると、配線がリップ部材と干渉することによってリップ部材が弾性変形する。したがって、蓋体本体を閉じたままであっても、配線を開口部に通すことができる。
【0018】
前記蓋体の上面は、前記天板本体の上面と面一に設けられているようにしてもよい。
【0019】
このような構成により、蓋体上も天板本体の上面に連続する作業面として利用することができる。
【0020】
前記電源コンセント接続部は、箱状をなしたボックス部材と、前記ボックス部材の表面に設けられたコンセント接続口と、前記ボックス部材を前記配線収容部に対して着脱自在に固定する固定部材と、を備えているようにしてもよい。
【0021】
このような構成により、電源コンセント接続部は、ボックス部材にコンセント接続口が設けられてユニット化される。これにより、作業台組立時に、電源コンセント接続部の取付が容易となる。また、ボックス部材に設けるコンセント接続口の数や種類を変更する場合にはユニットごと交換すればよいため、作業性を良好とすることができる。
【0022】
前記電源コンセント接続部の上面は、前記天板本体の上面と面一に設けられているようにしてもよい。
【0023】
このような構成により、前記電源コンセント接続部の上面も、天板本体の上面に連続する作業面として利用することができる。
【0024】
前記天板部が、2枚の前記天板本体を、それぞれの前記天板本体の前記後端部どうしを対向させ、一方の前記天板本体の前記後端部と他方の前記天板本体の前記後端部との間に、前記配線収容部と、前記電源コンセント接続部とが設けられているようにしてもよい。
【0025】
このような構成により、天板本体どうしを向かい合わせに備えた作業台においても、それぞれの天板本体の後方に、配線収容部と電源コンセント接続部とを備えることとなる。
【0026】
一方の前記天板本体の前記後端部と他方の前記天板本体の前記後端部との間に、一つの前記配線収容部が設けられ、それぞれの前記天板本体の前記後端部と前記配線収容部との間に、それぞれ前記電源コンセント接続部が設けられているようにしてもよい。
【0027】
このような構成により、互い向かい合わせとなったそれぞれの天板本体で、配線収容部については双方の側で共用し、電源コンセント接続部については、それぞれの側の天板本体側に設けることができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、棚板上に機器類を設置した場合にも、美観や作業性を損なうのを防ぐことが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付図面を参照して、本発明による作業台を実施するための形態を説明する。しかし、本発明はこれらの実施形態のみに限定されるものではない。
【0031】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る作業台の斜視図である。
図2は、作業台の上部を背面側から見た斜視図である。
図3は、作業台の天板部の側断面図である。
図4は、配線収容部の、天板部の幅方向における断面図である。
図5は、(a)は配線収容部および電源コンセント接続部の側断面図、(b)は電源コンセント接続部の固定部材に設けられたロック部の係合の様子を示す平面図である。
図6は、蓋体の下面図である。
図7は、電源コンセント接続部の構成を示す図であって、(a)は縦断面図、(b)は平面図、(c)は(b)のX−X矢視断面図である。
なお、以下の説明において、上方、下方、前方、後方といった方向は、作業台10Aを床面上に設置して使用するときの状態に対応した方向としている。すなわち、作業台10Aが設置される床面側を「下方」、その反対方向を「上方」、この作業台10Aを使用するユーザが作業台10Aに対向する側を「前方」、その反対側を「後方」または「背面側」と称する。さらに、作業台10Aにおいて、床面に平行で、前後方向に直交する方向を「幅方向」と称することがある。
【0032】
図1に示すように、作業台10Aは、作業台10Aが設置される床面上に立ち上がる支持脚11、11と、これら支持脚11、11によって、床面の上方の所定高さに支持され、その上面により作業平面Sを形成する天板部12と、を備える。これら支持脚11,11と天板部12とから、下部構造体Xが構成されている。
【0033】
ここで、本実施形態においては、支持脚11として、天板部12の幅方向両端部に一対の支持脚11,11が設けられるのに加え、天板部12の幅方向中間部に補助支持脚(支持脚)11hが設けられている。天板部12の前後方向において、補助支持脚11hの長さは、支持脚11の長さよりも短く、補助支持脚11hの前端部11fが天板部12の前端部12fよりも後方に位置している。これにより、天板部12の幅方向中間部においては、天板部12の荷重を支持しつつ、作業台10Aの利用者の脚等と干渉しないようになっている。
ここで、支持脚11としては、様々な形状の支持脚や、引き出しを備えた袖箱等を採用できる。また、補助支持脚11hを備えず、支持脚11を二つのみ設けてもよいし、支持脚11を三つ以上備えていても良い。
【0034】
また、互いに隣接する支持脚11の後端部11aと補助支持脚11hの後端部11bとの間に、床面に直交し、天板部12の下方の空間の少なくとも一部を塞ぐ幕板13が設けられている。この幕板13は、天板部12の下方の空間を、床面近傍まで覆うように設けても良いし、互いに隣接する支持脚11と補助支持脚11hとの間に掛け渡されたバー(棒)状のものとすることもできる。
【0035】
下部構造体Xを構成する天板部12の後端部12bの上面には、天板部12の幅方向に間隔を隔てて、複数枚の棚板保持板(棚板支持部材)14が設けられている。本実施形態においては、棚板保持板14は、両側の支持脚11,11と補助支持脚11hのそれぞれの鉛直上方に、合計3枚が設けられている。この棚板保持板14は、前後方向に長く、天板部12から鉛直上方に延びるよう設けられている。
各棚板保持板14において、前方を向く前面14fと幅方向を向く側面14sには、それぞれ、上下方向に間隔を隔てて複数の棚板係止孔15、16が形成されている。
【0036】
このような棚板保持板14により、天板部12の後端部12bの上方に棚板17が設置できるようになっている。これら棚板保持板14および棚板17により、上部構造体Yが構成されている。
本実施形態では、上下2枚の棚板17が設置されているが、その設置枚数は限定するものではなく、1枚のみでもよいし、3枚以上でもよい。
棚板17は、板状の棚板本体17pと、棚板本体17pの幅方向両側の下面に設けられた補強ブラケット17rと、を備えている。
棚板本体17pの幅方向両側には、棚板保持板14の側面14sに形成された棚板係止孔15に係止可能な係止フック(不図示)が設けられている。また、補強ブラケット17rは、棚板本体17pの下面において、前方から後方に向かうにしたがいその高さが漸次大きくなるように形成されている。そして、補強ブラケット17rにおいて、後方を向き、棚板17に直交する支持面17sには、棚板保持板14の前面14fに形成された棚板係止孔15に係止可能な係止フック(不図示)が設けられている。
このような棚板17は、その幅方向両端部において、棚板保持板14の前面14fの棚板係止孔15と、側面14sの棚板係止孔16に、棚板本体17pと補強ブラケット17rのそれぞれの係止フックを係止させることで、両側の棚板保持板14、14間に保持されている。
【0037】
ここで、各棚板17は、その後端部17bが、棚板保持板14の後端部14bよりも前方に位置するよう設置される。これにより、棚板17の後方に、棚板17上に載置した機器類の配線を垂下させる配線挿通空間Shが形成されている。
【0038】
また、互いに隣接する棚板保持板14,14には、棚板17以外にも、例えばモニタディスプレイ等の物品を係止できるブラケット18を取り付けることもできる。ブラケット18は、その両端部に設けられた取付孔(不図示)を介して、棚板保持板14の側面14sに取付ネジ(不図示)によって螺着されている。
ブラケット18と同様の取付構造により、パネル状あるいはバー状の物品を適宜取り付けることもできる。
【0039】
図1〜
図3に示すように、天板部12は、支持脚11,11間に架け渡された平面視矩形の天板本体19と、天板本体19の後端部19bの後方に設けられた配線収容部20と、電源コンセント接続部30と、を備えている。すなわち、天板本体19は、後端部19bが、天板部12の後端部12bよりも前方に位置するよう設けられている。
【0040】
図3、
図4に示すように、配線収容部20は、互いに隣接する支持脚11と補助支持脚11hとの間に、前後方向に間隔を隔てて配置された一対の連結板21A,21Bと、連結板21A,21Bの下端部21d,21d間に架け渡された底板22と、を備えている。
【0041】
一方の連結板21Aは、支持脚11の後端部11aと補助支持脚11hの後端部11bとの間に配置されている。また、他方の連結板21Bは、天板本体19の後端部19bの鉛直下方位置に設けられている。そして連結板21A,21Bは、それぞれ上下方向に一定長を有して鉛直面内に位置するよう設けられ、不図示のブラケット,ネジ等を介して支持脚11と補助支持脚11hとに接続されている。
【0042】
このようにして、天板本体19の後方には、連結板21A,21Bと底板22とによって略U字状に囲まれて、天板本体19の後端部19bに沿って天板部12の幅方向に連続し、配線を収容可能な配線収容部20が形成されている。この配線収容部20は、上方に向けて開口した開口部23を有している。
ここで、後に詳述する電源コンセント接続部30は、配線収容部20の前側の一部の上方に配置されており、天板本体19の後端部19bの後方に隣接して配置されている。これにより、電源コンセント接続部30は、開口部23よりも前方側に配置されている。
【0043】
図5に示すように、配線収容部20は、開口部23を開閉可能な蓋体25を備えている。
この蓋体25は、蓋体本体26と、リップ部材27と、を備えている。
図6に示すように、蓋体本体26は、一方向に長い帯板状で、一方の長辺26nの長さ方向両端部に、それぞれ、後述する支持軸29cが回転自在に係合する軸係合部26aが形成されている。
リップ部材27は、蓋体本体26において軸係合部26aとは反対側の長辺26mに嵌め込まれている。このリップ部材27は、ゴム系材料、シリコン系材料、あるいは樹脂材料等からなるブラシ状の、弾性変形可能な材料で形成されている。
【0044】
図4に示すように、連結板21A,21B間には、配線収容部20が連続する天板部12の幅方向に沿って間隔を隔てて複数本の支持部材28が設けられている。この支持部材28上に、蓋体本体26を開閉可能に支持する支持ブラケット29が設けられている。このような支持ブラケット29は、蓋体本体26の長さ方向両端部にそれぞれ配置されている。したがって、この支持ブラケット29を支持する支持部材28も、蓋体本体26の長さ方向両端部にそれぞれ配置されている。
図5に示すように、各支持ブラケット29は、支持部材28上に固定されるベース部29aと、ベース部29aから上方に立ち上がる支柱29bと、支柱29bの上端部に設けられ、天板部12の幅方向に沿って延在するよう形成された支持軸29cと、支柱29bの上端部において支持軸29cに隣接して設けられたストッパ部材29d、とを備えている。
支持軸29cは、蓋体本体26の軸係合部26aに回転自在に係合される。これによって、蓋体本体26は、天板部12の幅方向に延びる支持軸29c周りに回動可能に設けられている。そして、蓋体本体26を閉じる方向に回転させたときには、蓋体本体26の下面がストッパ部材29dに突き当たるようになっている。ストッパ部材29dに蓋体本体26が突き当たった状態、つまり、蓋体25が閉じた状態では、蓋体25の上面25aは、天板本体19の上面19fと略面一となる。
【0045】
本実施形態において、上記したような蓋体25は、天板部12の前後方向に2枚が向かい合わせに設けられている。これにともない、支持部材28には、支持軸29cとストッパ部材29dとが、天板部12の前後方向に沿って二組ずつ設けられている。
これにより、前方に位置する蓋体25Fは、蓋体25Fの後端側に位置する支持軸29cを中心として、前端側が回動して開閉する。後方に位置する蓋体25Rは、蓋体25Rの前端側に位置する支持軸29cを中心として後端側が回動して開閉する。
さらに、本実施形態において、互いに隣接する支持脚11と補助支持脚11hとの間には、天板部12の幅方向にも二組の蓋体25が配置されている。したがって、支持ブラケット29は、互いに隣接する支持脚11と補助支持脚11hとの間に、計4つ設けられている。ここで、支持脚11と補助支持脚11hの中間部において、互いに隣接する二つの支持ブラケット29は、一本の支持部材28上に設けられている。
【0046】
図7に示すように、電源コンセント接続部30は、箱状をなしたボックス部材31と、ボックス部材31の表面に設けられたコンセント接続口32と、ボックス部材31を配線収容部20に対して着脱自在に固定する固定部材33と、を備えている。
【0047】
ボックス部材31は、一方向に長い中空の略直方体状で、その内部に、コンセント接続部材34や、アース部材35、ブレーカボックス36等が収容できるようになっている。ボックス部材31には、不図示の貫通孔が所定数形成されて、これら貫通孔にコンセント接続部材34、アース部材35、ブレーカボックス36等が嵌め込まれ、コンセント接続口32、アース端子35s、ブレーカスイッチ36sを外方に向けて露出させている。
ボックス部材31の表面には、このボックス部材31を開口部23に装着したときに、上方を向くフェイスプレート37が形成されている。このフェイスプレート37に、コンセント接続口32とアース端子35sとが配置されている。ブレーカボックス36のスイッチ36sは、ボックス部材31において、フェイスプレート37が形成された表面以外の他の側面に配置されている。
【0048】
フェイスプレート37は、ボックス部材31から外周側にオーバーハングしており、そのオーバーした部分に、それぞれ固定部材33が設けられている。
【0049】
図7(c)に示すように、固定部材33は、軸部33aと、軸部33aの一端側に設けられて軸部33aよりも大きな外径を有した頭部33bと、軸部33aの他端側に設けられた、軸部33aの中心軸に直交する断面の形状が長円形のロック部33cと、軸部33aの中間部に形成された円盤状のストッパプレート33dと、ストッパプレート33dから頭部33b側に向けて延び、ストッパプレート33dから外周側に漸次広がる複数の係止爪33eと、が一体に形成されている。
この固定部材33は、フェイスプレート37に形成された、頭部33bよりも小径とされ、ストッパプレート33dよりも大径とされた貫通孔37hに軸部33aが挿入され、複数の係止爪33eの先端が貫通孔37hの外周側に係合されている。これにより、貫通孔37hの外周側で、係止爪33eと頭部33bとにフェイスプレート37が挟み込まれることで、固定部材33がフェイスプレート37に保持されている。
【0050】
図5に示すように、支持部材28上には、支持ブラケット29に対して天板部12の前方側に、上記電源コンセント接続部30を保持するための支持ブラケット38が設けられている。
この支持ブラケット38は、支持部材28上に固定されるベース部38aと、ベース部38aから上方に立ち上がる支柱38bと、支柱38bの上端部に設けられた保持部38c、とを備えている。保持部38cには、上方に開口した保持孔38dと、保持孔38dの底面に形成されたロック孔38eと、が一体に形成されている。保持孔38dは、固定部材33のストッパプレート33dよりも大きな内径を有している。また、ロック孔38eは、平面視すると、ロック部33cよりも外形寸法がわずかに大きな長円形をなしている。
【0051】
このような支持ブラケット38の保持部38cに、上記固定部材33が着脱自在に係合されるようになっている。
固定部材33を保持部38cに係合させるときには、保持孔38dに対し、電源コンセント接続部30のフェイスプレート37に設けられた固定部材33の先端部を挿入する。このとき、
図5(b)に示すように、断面長円形のロック部33cは、その長径方向をロック孔38eの長径方向に合わせることで、ロック部33cがロック孔38eを貫通する。そして、頭部33bをフェイスプレート37に突き当てる。この状態で、固定部材33の頭部33bを軸部33aの中心軸周りに回転させると、ロック部33cが回転してその長径方向がロック孔38eの長径方向に対して周方向に変位する。これにより、固定部材33が支持ブラケット38に係合され、電源コンセント接続部30が保持される。
【0052】
このようにして、電源コンセント接続部30は、配線収容部20の上方に装着された状態で、電源コンセント接続部30の上面、つまりフェイスプレート37の上面37fは、天板本体19の上面19fと略面一となるよう設けられている。
【0053】
上記したような作業台10Aにおいては、棚板17上に機器類を載置できる。そして、棚板17上の機器類の配線100は、棚板17の後方に形成された配線挿通空間Shを通して下方の開口部23に向けて垂下させる。
図3に示すように、垂下した配線100は、蓋体25を開いた状態で、開口部23から下方の配線収容部20内に導入し、この配線収容部20を通して、不図示のコンセントや各種配線の接続ターミナル等に接続される。そして、配線100の接続後は、蓋体25を閉じ、開口部23を塞いでおく。蓋体25を塞いだ状態では、配線100は、弾性変形可能なリップ部材27の部分を通って、配線収容部20の内外を貫通する。
また、天板部12上に載置して使用する機器等の配線101は、電源コンセント接続部30のフェイスプレート37に設けられたコンセント接続口32、アース端子35sに接続する。もちろん、例えば、天板部12上に恒久的に載置して用いる機器類であれば、棚板17上の機器類と同様に、蓋体25を開いて配線収容部20に配線101を通してもよい。
【0054】
上述したように、作業台10Aは、天板部12の天板本体19の後方に、開口部23を有した配線収容部20と、電源コンセント接続部30と、を備えるようにした。
これにより、天板部12の上方の棚板17上に載置された機器類から垂れ下がる配線100を、開口部23を通して配線収容部20内に収容するとともに、天板部12の上面に載置して用いる機器類等の配線101は、電源コンセント接続部30に接続することができる。
これにより、棚板17上の機器類から垂れ下がる配線100は、乱雑に垂れ下がるのではなく、例えばスダレのようにほぼ鉛直に垂下させることで、見た目を整然とさせることができ、美観を向上できる。
棚板17上に載置する機器類の配線100と、天板部12上で用いる機器類の配線101とで接続先が異なるので、配線100、配線101の接続作業を容易かつ円滑に行うことができる。
このようにして、棚板17上に機器類を設置した場合にも、美観や作業性を損なうのを防ぐことが可能となる。
【0055】
さらに、配線収容部20の開口部23が天板部12の幅方向に連続することで、天板部12の幅方向の任意の位置から配線100を配線収容部20内に収容することができる。
【0056】
しかも、開口部23は、電源コンセント接続部30よりも天板本体19に対して後方側に配置されている。これにより、上方の棚板17から垂れ下がり、開口部23を通して配線収容部20内に収容される配線100が電源コンセント接続部30よりも後方に位置することとなる。すると、天板部12上で用いる機器類の配線101が、上方から垂れ下がる配線と錯綜するのを防ぐことができる。また、作業台10Aの前側から、配線101を電源コンセント接続部30に接続する際には、棚板17から垂れ下がっている配線100が邪魔にならない。
【0057】
また、棚板17の後端部17bが、天板部12の後端部12bよりも前方に配置されて、棚板17の後方に配線挿通空間Shが形成されている。これにより、棚板17上に載置した機器の配線100を、配線挿通空間Shを通して垂下させ、開口部23から配線収容部20内に収容できる。
【0058】
さらに、配線収容部20は、開口部23を開閉可能な蓋体25を備えているので、配線収容部20内の配線100が露出するのを最小限に抑え、美観を向上させることができる。
【0059】
また、蓋体25は、前後方向に2枚が向かい合わせに設けられ、前方に位置する蓋体25Fは、蓋体25Fの後端側に位置する支持軸29cを中心として、前端側が回動して開閉する。したがって、作業台10Aの前側から、配線101を配線収容部20に収容する場合に、蓋体25Fを容易に開閉してスムーズに配線作業を行うことができる。
一方、作業台10の背面側で、棚板17から垂れ下がる配線100を配線収容部20に収容する場合には、背面側から蓋体25Rを容易に開閉してスムーズに配線作業を行うことができる。
【0060】
加えて、蓋体25は、蓋体本体26の先端部にリップ部材27を備えている。これにより、開口部23に配線100を通した状態で蓋体本体26を閉じると、配線100と干渉することによってリップ部材27が弾性変形する。このようにして、蓋体本体26を閉じたままであっても、配線100を開口部23に通すことができる。
【0061】
蓋体25および電源コンセント接続部30の上面25a、37fは、天板本体19の上面19fと面一に設けられている。これにより、蓋体25および電源コンセント接続部30上も、天板本体19の上面に連続する作業平面Sとして有効に利用することができる。
【0062】
電源コンセント接続部30は、箱状をなしたボックス部材31にコンセント接続口32が設けられてユニット化されている。これにより、作業台10Aの組立時に、電源コンセント接続部30の取付が容易となる。また、ボックス部材31に設けるコンセント接続口32の数や種類を変更する場合にも、ユニットごと交換すればよいため、作業性を良好とすることができる。
【0063】
(第2の実施形態)
次に、本発明にかかる作業台の第2の実施形態について説明する。なお、以下に説明する第2の実施形態においては、上記第1の実施形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。
図8は、第2の実施形態に係る作業台の斜視図である。
図8に示すように、本実施形態における作業台10Bは、天板部12Bが、2枚の天板本体19A,19Bを、それぞれの天板本体19の後端部19bどうしを対向させている。そして、一方の天板本体19Aの後端部19bと他方の天板本体19Bの後端部19bとの間に、配線収容部20と、電源コンセント接続部30とが設けられている。
より詳しくは、一方の天板本体19Aの後端部19bと他方の天板本体19Bの後端部19bとの間に、一つの配線収容部20が設けられ、それぞれの天板本体19A,19Bの後端部19b、19bと配線収容部20との間に、それぞれ電源コンセント接続部30,30が設けられている。
【0064】
このような作業台10Bにおいては、棚板保持板14は、一方の天板本体19Aの上方に設ける棚板17Aと、他方の天板本体19Bの上方に設ける棚板17Bとで、共用できるよう、一方の天板本体19Aと他方の天板本体19Bとに跨るように設けられている。
そして、一方の天板本体19A側の棚板17Aの後端部17bと、他方の天板本体19B側の棚板17Bの後端部17bとは、前後方向に間隔をあけて配置され、これによって、一方の棚板17Aと他方の棚板17Bとの間に、配線挿通空間Shが形成される。
【0065】
このような構成においても、天板部12の天板本体19A,19Bのそれぞれの後方に、開口部23を有した配線収容部20と、電源コンセント接続部30と、を備えることになる。したがって、上記第1の実施形態と同様、棚板17A,17B上の機器類から垂れ下がる配線100は、乱雑に垂れ下がるのではなく、例えばスダレのようにほぼ鉛直に垂下させることで、見た目を整然とさせることができ、美観を向上できる。
棚板17A,17B上に載置する機器類と、天板部12上で用いる機器類とで、配線100,101の接続先が異なるので、配線100,101の接続作業を容易かつ円滑に行うことができる。
このようにして、棚板17上に機器類を設置した場合にも、美観や作業性を損なうのを防ぐことが可能となる。
【0066】
(その他の実施形態)
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の各実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、電源コンセント接続部30については、アース部材35やブレーカボックス36を備えるようにしたが、少なくともコンセント接続口32が備わっていれば良く、コンセント接続口32以外に備える構成については、例えばネットワーク接続用の信号ケーブル等、上記した以外のものであってもよい。
【0067】
また、開口部23を、天板部12の幅方向に連続して設けるようにしたが、天板部12の幅方向に沿って間隔を隔てて複数の開口部23を設けるようにしてもよい。その場合、それぞれの開口部23に上記のような蓋体25を備えてもよい。
さらに、蓋体25は、開口部23を開閉可能に塞ぐことができるのであれば、開閉式ではなく例えば着脱式とする等、いかなる構成のものであってもよい。
【0068】
また、電源コンセント接続部30を、開口部23よりも前方に備えるようにしたが、これに限るものではなく、開口部23よりも後方に設けてもよい。
さらに、配線収容部20や電源コンセント接続部30、蓋体25の具体的な構成については何ら限るものではなく、上記に例示した以外の適宜構成に変更しても何らの支障は生じない。
【0069】
加えて、電源コンセント接続部30のフェイスプレート37の上面37fを、天板本体19の上面19fと面一となるようにしたが、これに限るものではなく、例えばフェイスプレート37を天板本体19の上面19fから上方に突出させて、作業台10の利用者側に傾斜させて設けてもよい。
【0070】
また、配線収容部20は、棚板17上に載置した機器類の配線100を収容しているが、これに限られるものではなく、棚板保持板14に取り付けられたブラケット18に係止されたモニタディスプレイ等の機器の配線を収容することもできる。
【0071】
また、配線収容部20は、開口部23の下方から電源コンセント接続部30の下方にまでわたって配置されているが、これに限るものではない。少なくとも開口部23の下方に配置されていればよい。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。