特許第6366170号(P6366170)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6366170
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】多軸速度センサ
(51)【国際特許分類】
   G01C 19/56 20120101AFI20180723BHJP
   G01C 19/5705 20120101ALI20180723BHJP
   G01C 19/5747 20120101ALI20180723BHJP
【FI】
   G01C19/56
   G01C19/5705
   G01C19/5747
【請求項の数】17
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2014-51006(P2014-51006)
(22)【出願日】2014年3月14日
(65)【公開番号】特開2014-182133(P2014-182133A)
(43)【公開日】2014年9月29日
【審査請求日】2017年2月21日
(31)【優先権主張番号】13/833,290
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504199127
【氏名又は名称】エヌエックスピー ユーエスエイ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NXP USA,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー シー.マクニール
(72)【発明者】
【氏名】イーチェン リン
【審査官】 梶田 真也
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−519267(JP,A)
【文献】 特開2012−242286(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0154898(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 19/56 − 19/5783
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
微小電気機械システム(MEMS)デバイスであって、
第1の速度センサと、
第2の速度センサであって、前記第1の速度センサおよび該第2の速度センサは平坦な表面に平行に振動するように構成されている、第2の速度センサと、
駆動周波数を示す駆動信号を提供するために前記第1の速度センサおよび前記第2の速度センサのうちの少なくとも1つと通信する駆動要素と、
前記第1の速度センサおよび前記第2の速度センサを相互接続する第1の結合バネ構造体であって、該第1の結合バネ構造体によって、前記第1の速度センサおよび前記第2の速度センサが、該第1の結合バネ構造体によって決定付けられる駆動方向において前記駆動周波数で振動する、第1の結合バネ構造体とを備え、前記第1の速度センサの前記駆動方向は、第1の軸と関連付けられた第1の駆動方向であり、前記第2の速度センサの前記駆動方向は、第2の軸と関連付けられた第2の駆動方向であり、前記第2の軸は前記第1の軸に対して垂直であり、
前記第1の軸は前記平坦な表面に垂直であり、前記第1の駆動方向は回転駆動方向であり、前記第1の速度センサは前記第1の軸を中心として前記回転駆動方向に駆動され、
前記第2の軸は前記平坦な表面に平行であり、前記第2の駆動方向は並進駆動方向であり、前記第2の速度センサは前記第2の軸に平行な前記並進駆動方向に駆動される、デバイス。
【請求項2】
前記第1の速度センサおよび前記第2の速度センサの各々は、
中央開口を有する駆動フレームと、
前記中央開口内に位置づけられ、前記駆動フレームに可撓性結合されている感知質量部とを備え、前記第1の結合バネ構造体は、前記第1の速度センサおよび前記第2の速度センサの各々の駆動フレームと相互接続されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
記第1の速度センサおよび前記第2の速度センサを相互接続する前記第1の結合バネ構造体は前記並進駆動方向において剛直であり、前記第1の軸および前記第2の軸の各々に直交する第3の軸に対して柔軟である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記第2の速度センサの隣に配置されている第3の速度センサと、
前記第2の速度センサおよび前記第3の速度センサを相互接続する第2の結合バネ構造体であって、該第2の結合バネ構造体によって、前記第3の速度センサが、該第2の結合バネ構造体によって決定付けられる前記第2の駆動方向において前記駆動周波数で振動する、第2の結合バネ構造体とをさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
記第2の結合バネ構造体によって、前記第2の速度センサの振動と前記第3の速度センサの振動とが逆相運動に制約される、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記第3の速度センサの隣に配置されている第4の速度センサと、
前記第3の速度センサおよび前記第4の速度センサを相互接続する第3の結合バネ構造体であって、該第3の結合バネ構造体によって、前記第4の速度センサが、該第3の結合バネ構造体によって決定付けられる前記第1の駆動方向において前記駆動周波数で振動する、第3の結合バネ構造体とをさらに備える、請求項4に記載のデバイス。
【請求項7】
前記第1の速度センサ、前記第2の速度センサ、前記第3の速度センサ、および前記第4の速度センサは一列に配列されている、請求項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記第1の速度センサ、前記第2の速度センサ、前記第3の速度センサ、および前記第4の速度センサは前記平坦な表面の中央部の周囲に配列されており、
前記MEMSデバイスは、前記第1の速度センサと前記第4の速度センサとの間に相互接続されている第4の結合バネ構造体をさらに備える、請求項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記第1の結合バネ構造体は、
前記第1の速度センサに結合されている第1のバネ要素と、
前記第2の速度センサに結合されている第2のバネ要素と、
前記平坦な表面に結合されているアンカを有する旋回レバーであって、該旋回レバーは、旋回軸を中心として振動するように構成されており、該旋回軸は前記アンカの中心であり前記平坦な表面に垂直であり、前記第1のバネ要素は該旋回レバーに結合されており、前記第2のバネ要素は該旋回レバーに結合されている、旋回レバーとを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記第1の速度センサは前記平坦な表面に平行に方向付けられている第1の中心線を示し、前記第1のバネ要素は、前記第1の中心線からずらされたロケーションにおいて前記第1の速度センサと結合されており、
前記第2の速度センサは第2の中心線を示しており、該第2の中心線は前記平坦な表面に平行に、かつ、前記第1の中心線に平行に方向付けられており、前記第2のバネ要素は、該第2の中心線に沿った第2のロケーションにおいて前記第2の速度センサと結合されている、請求項に記載のデバイス。
【請求項11】
記第1のバネ要素および前記第2のバネ要素は前記並進駆動方向において剛直であり、前記第1の軸および前記第2の軸の各々に直交する第3の軸に対して柔軟である、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記第2の速度センサの隣に配置されている第3の速度センサと、
前記第2の速度センサと前記第3の速度センサとを相互接続する第2の結合バネ構造体であって、該第2の結合バネ構造体によって、前記第3の速度センサが、該第2の結合バネ構造体によって決定付けられる前記第2の駆動方向において前記駆動周波数で振動する、第2の結合バネ構造体とをさらに備え、前記第2の結合バネ構造体は、
前記第2の速度センサに結合されている第1のバネ要素と、
前記第3の速度センサに結合されている第2のバネ要素と、
前記平坦な表面に結合されているアンカを有する旋回レバーであって、該旋回レバーは、旋回軸を中心として振動するように構成されており、該旋回軸は前記アンカの中心であり前記平坦な表面に垂直であり、前記第1のバネ要素は該旋回レバーに結合されており、前記第2のバネ要素は該旋回レバーに結合されている、旋回レバーとを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
記第1のバネ要素および前記第2のバネ要素は前記並進駆動方向において剛直であり、前記第1の軸および前記第2の軸の各々に直交する第3の軸に対して柔軟である、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記第3の速度センサの隣に配置されている第4の速度センサであって、前記第1の速度センサ、前記第2の速度センサ、前記第3の速度センサ、および前記第4の速度センサは一列に配列される、第4の速度センサと、
前記第3の速度センサおよび前記第4の速度センサを相互接続する第3の結合バネ構造体であって、該第3の結合バネ構造体によって、前記第4の速度センサが、該第3の結合バネ構造体によって決定付けられる前記第1の駆動方向において前記駆動周波数で振動する、第3の結合バネ構造体とをさらに備え、
前記第2の結合バネ構造体は、第3のバネ要素と第4のバネ要素とをさらに含み、前記第3のバネ要素は前記第1の速度センサおよび前記旋回レバーの各々に結合されており、前記第4のバネ要素は前記第4の速度センサおよび前記旋回レバーの各々に結合されている、請求項12に記載のデバイス。
【請求項15】
微小電気機械システム(MEMS)デバイスであって、
平坦な表面に平行に振動するように構成されている複数の速度センサと、
駆動周波数を示す駆動信号を提供するために前記速度センサのうちの少なくとも1つと通信する駆動要素と、
前記複数の速度センサを相互接続する結合バネ構造体であって、該結合バネ構造体によって、前記複数の速度センサの各々が、該結合バネ構造体によって決定付けられる駆動方向において前記駆動周波数で振動する、結合バネ構造体とを備え、
前記速度センサの第1のサブセットの前記駆動方向は、前記平坦な表面に垂直である第1の軸と関連付けられる回転駆動方向であり、前記速度センサの前記第1のサブセットは、前記第1の軸を中心として回転振動するように駆動され、
前記速度センサの第2のサブセットの前記駆動方向は、前記平坦な表面に平行である第2の軸と関連付けられる並進駆動方向であり、前記速度センサの前記第2のサブセットは、前記第2の軸に平行に並進振動するように駆動される、デバイス。
【請求項16】
前記複数の速度センサは、
第1の速度センサと、
前記結合バネ構造体のうちの第1の結合バネ構造体を通じて前記第1の速度センサと相互接続されている第2の速度センサと、
前記結合バネ構造体のうちの第2の結合バネ構造体を通じて前記第2の速度センサと相互接続されている第3の速度センサと、
前記結合バネ構造体のうちの第3の結合バネ構造体を通じて前記第3の速度センサと相互接続されている第4の速度センサとを備え、前記第1の速度センサおよび第4の速度センサは、前記回転振動をするように構成されている前記速度センサの前記第1のサブセットを形成し、前記第2の速度センサおよび第3の速度センサは、前記並進振動をするように構成されている前記速度センサの前記第2のサブセットを形成する、請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記結合バネ構造体のうちの前記第2の結合バネ構造体によって、前記第2の速度センサの並進振動と前記第3の速度センサの並進振動とが逆相運動に制約される、請求項16に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には速度センサに関する。より具体的には、本発明は、少なくとも2つの軸を中心とした角運動を感知するための微小電気機械システム(MEMS)デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
微小電気機械システム(MEMS)技術は、非常に小さな機械構造体を作成し、従来のバッチ半導体処理技法を使用して単一の基板上に電気デバイスとこれらの構造体を集積する方法を提供するため、近年において広く高い評判を勝ち得ている。MEMSの1つの一般的な用途が、センサデバイスの設計および製造である。MEMSセンサデバイスは、自動車、慣性誘導システム、家庭電化製品、ゲームデバイス、さまざまなデバイスのための保護システム、ならびに、多くの他の産業、科学、および工学システムなどの用途に広く使用されている。MEMSセンサの一例は、ジャイロスコープとも称されるMEMS角速度センサである。角速度センサは、1つ以上の軸を中心とした角速度または運動速度を感知する。
【0003】
なお、二軸速度センサについて、特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7,461,552号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
角速度センサは概して、センサを第1の運動をするように駆動し、当該第1の運動および感知されるべき角運動速度の両方に応答したセンサの第2の運動を測定することによって機能する。容量感知MEMSデバイスの低い温度感度、小型サイズ、低コストでの大量生産に適していることに起因して、角速度センサのための容量感知MEMSデバイス設計は小型デバイスの動作にとって大いに望ましい。
【0006】
MEMS角速度センサの使用は増大し、および多様化し続けているため、複数の回転軸を中心とした角速度を感知することが可能なデバイスの開発に一層重点が置かれるようになってきている。加えて、製造コストおよび複雑度を増大させることなく、また部品性能を犠牲にすることなく多軸感知能力を達成するMEMS角速度センサの作製方法に一層重点が置かれるようになってきている。これらの取り組みは、自動車、医療、商用、および消費者製品における既存のおよび将来の高容量用途によって主に推し進められている。
【0007】
一般的な多軸速度感知構成は、直交構成において方向付けられた、同一基板上の2つ以上の別個の速度センサを含み得る。そのような多軸MEMSデバイスは、駆動電極およびモニタ電極から成る複数のセットを必要とする場合があり、駆動電極およびモニタ電極から成る各セットは、角速度センサの1つと関連付けられる。さらに、このような構成は、複数の周波数生成器を有する特定用途向け集積回路(ASIC)を必要とする場合があり、各周波数生成器は角速度センサの1つと関連付けられており、それによって、各速度センサは異なる周波数で駆動される。複数の周波数生成器から速度センサに提供されている駆動信号の周波数は、それらがプロセス変動に起因して互いに一致しないように、十分に離間されているべきである。したがって、別個の速度センサ、および、複数の周波数生成器を有する関連ASICを有するMEMSダイは、望ましくないことに大きく、複雑で、コストがかかる場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態は、多軸感知のために複数の個々の速度センサアセンブリを含むMEMSデバイス構造を含む。速度センサアセンブリは結合バネ構造体を通じてともに連結されており、結合バネ構造体の構成が、速度センサアセンブリの各々の駆動方向を決定付ける。加えて、速度センサアセンブリの各々は同一駆動周波数で振動するように駆動される。速度センサアセンブリが同一駆動周波数で振動するように駆動されるため、それらの運動が同期される必要がある。すなわち、速度センサアセンブリの駆動質量部が機械的に同期されていない場合、駆動信号は異なる位相および駆動振幅を有するおそれがあり、この結果として感知信号が不正確になり得る。したがって、結合バネ構造体は、速度センサアセンブリが、関連ASICにおける共通の復調を可能にするために同期した運動によって同一駆動周波数で振動するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】例示的な速度センサアセンブリの上面図。
図2図1の速度センサアセンブリの側面図。
図3図1の速度センサアセンブリの記号表現の図。
図4】別の例示的な速度センサアセンブリの上面図。
図5図4の速度センサアセンブリの側面図。
図6図4の速度センサアセンブリの記号表現の図。
図7】一実施形態に応じた、一対の速度センサアセンブリを結合するための結合バネ構造体の図。
図8】一実施形態に応じた、一対の速度センサアセンブリを結合するための別の結合バネ構造体の図。
図9】一実施形態に応じた、一対の速度センサアセンブリを結合するための別の結合バネ構造体の図。
図10】一実施形態に応じた、一対の速度センサアセンブリを結合するためのさらに別の結合バネ構造体の図。
図11】一実施形態に応じた微小電気機械システム(MEMS)デバイスを示す図。
図12】一実施形態に応じたMEMSデバイスを示す図。
図13】一実施形態に応じたMEMSデバイスを示す図。
図14】一実施形態に応じたMEMSデバイスを示す図。
図15】一実施形態に応じたMEMSデバイスを示す図。
図16】一実施形態に応じたMEMSデバイスを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付の図面(必ずしも原寸に比例して描かれてはいない)と併せて考察して詳細な説明および請求項を参照することで、より完全に本発明を理解することができ、図面全般に亘り同様の参照符号は類似の項目を示している。
【0011】
下記により詳細に説明するように、図1図3は面内軸を中心とした回転を感知するための速度センサアセンブリの一例を示すために提供されており、これらの速度センサアセンブリは図11図16に関連して説明されるさまざまな例の多軸速度センサ実施形態に組み込まれてもよい。同様に、図4図6は面に直交する軸を中心とした回転を感知するための別の例の速度センサアセンブリを示すために提供されており、これらの速度センサアセンブリは図11図16に関連して説明されるさまざまな例の多軸速度センサ実施形態に組み込まれてもよい。本明細書において2つの速度センサアセンブリが示されているが、実施形態はこれらの特定の速度センサ設計には限定されないことを理解されたい。代替えとして、実施形態は、複数の速度センサ設計が包含されることを含み、それらの各々が特定の角入力を感知するように最適化されてもよい。複数の速度センサが、それらの駆動方向を決定付けるための結合バネ構造体(本明細書に記載)を通じて適切に連結される。
【0012】
ここで図1図3を参照すると、図1は一例である速度センサアセンブリ20の上面図を示しており、図2は速度センサアセンブリ20の側面図を示しており、図3は速度センサアセンブリ20の記号表現を示している。一般には、角速度センサ20は、X−Y平面22内においてほぼ平坦な構造体を有するものとして示されており、3次元座標系におけるX軸24およびY軸26はX−Y平面22に平行であり、Z軸28は、図1中のX−Y平面22に対して垂直に、図面外に延在している。本実施形態において、速度センサアセンブリ20は概して、入力軸(本実施形態ではX軸24)について発生する角速度を感知するように構成されている。しかしながら、この設計は容易に、示されている構成に速度センサアセンブリを直角に向けることによって、別の入力軸、すなわちY軸26を中心として発生する角速度を感知するように実装され得る。
【0013】
速度センサアセンブリ20は、基板30と、本明細書において駆動質量部32と称する懸垂質量部と、本明細書において感知質量部34と称する別の懸垂質量部と、下記に詳細に記載されるさまざまな機械的連結機構とを含む。図1の例において、感知質量部34は駆動質量部32を貫通して延在する中央開口36内に存在している。この構成は、「外側駆動、内側感知」センサ設計と称される。
【0014】
ねじりバネ38の形態の可撓性支持要素が、駆動質量部32の内周に結合されている。ねじりバネ38は、駆動質量部32を、同様に中央開口36内に存在するアンカ42を通じて基板30の平坦な表面40に接続し、それによって、駆動質量部32は基板30の上に懸垂される。ねじりバネ38は主にX−Y平面22において可撓性であり、それによって、駆動質量部32はZ軸28を中心とする面内振動軸回転について大きく制約される。すなわち、駆動質量部32の駆動方向はZ軸28に関連付けられる。振動回転駆動運動は曲線矢印43(図1および図3)によって表されており、本明細書においては回転駆動方向43とも称する。感知質量部34は、駆動質量部32の内周に結合しているトーションビーム44によって基板30の上に懸垂されている。トーションビーム44はY軸26に平行に伸張し、感知質量部34を、Y軸26を中心とした面外回転について制約する。ここでも、この設計は、これを、トーションビーム44がX軸24に平行に伸張し、感知質量部34を、X軸24を中心とした面外回転について制約するように向けることによって、Y軸26を中心として発生する角速度を感知するように実装され得る。
【0015】
速度センサアセンブリ20および他の例の実施形態(後述)の要素は、角速度センサ20の他の要素「に固定される(anchored to)」、「に取り付けられる(attached to)」、「と取り付けられる(attached with)」、「に結合される(coupled to)」、「に接続される(connected to)」または「と相互接続される(interconnected with)」ものとしてさまざまに記載されている。これらの用語は、速度センサアセンブリ20の特定の要素の、MEMS作製のパターニングおよびエッチング工程を通じてそれらが形成されている間に発生する直接または間接的な物理的接続を指していることを理解されたい。加えて、速度センサアセンブリ20および他の例の実施形態(後述)のさまざまな要素は、堆積、パターニング、エッチングなどの、現行のおよび近い将来の表面マイクロマシニング技法を利用して生成されることができる。したがって、図解において種々の陰影および/または網掛けが利用されている場合があるが、構造層内の種々の要素は一般的に、ポリシリコン、単結晶シリコンなどのような同一材料から形成される。
【0016】
さまざまな導電板、または電極が、速度センサアセンブリ20の他の固定構成要素とともに基板30の表面40上に形成されてもよい。この単純化された図解において、電極は、入力軸、すなわちX軸24を中心とした速度センサアセンブリ20の回転を感知するのに使用される感知電極46および48を含む。ASICから電極46および48ならびに感知質量部32までの別個の電気接続を提供するために導体(図示せず)が基板30上に形成されることができる。感知質量部32の面外運動をモニタリングするために、回転は、感知質量部32と電極46および48との間のキャパシタンスの変化として感知されることができる。電極46および48は、図1においては上に重なっている感知質量部34によって隠れている。したがって、図1においては、電極46および48は、感知質量部34に対するそれらの物理的配置を示すために破線形式で表されている。
【0017】
一般には、速度センサアセンブリ20は、駆動質量部32に取り付けられている電極板と交互配置されている固定平行板アクチュエータを有する駆動動作ユニット(図示せず)を含んでもよい。概して、交流電流(AC)駆動信号がASIC、すなわち、駆動回路(図示せず)を通じて平行板アクチュエータに印加されてもよい。駆動信号は、駆動質量部32を、回転駆動方向43によって表されているように、X−Y平面22内でZ軸28を中心として振動させる。速度センサアセンブリ20がX軸24を中心とした入力、すなわち、角運動(図1によって矢印50によって表されている)を受けると、角運動50によって生成されるコリオリの力が、感知質量部34を、Y軸26を中心として回転するようにし(図1および図2において矢印52によって表されている)、以下、この運動を感知運動52と称す。Y軸26を中心とした感知質量部34の面外感知運動52、および、従って入力軸、すなわちX軸24を中心とした速度センサアセンブリ20の回転は、当業者に知られているように、電極46および48におけるキャパシタンスを感知することによって検出される。
【0018】
図3に示す速度センサアセンブリ20の記号表現は、駆動質量部がZ軸28を中心として振動回転運動するように駆動されている速度センサアセンブリを表している。速度センサアセンブリ20の記号表現内に示されている曲線矢印は、振動回転駆動方向43を表している。上述のように、速度センサアセンブリ20の感知質量部は、X軸24を中心とした、またはY軸26を中心とした角速度を上述のようなコリオリの力を通じて感知するように構成されている。したがって、速度センサアセンブリ20について、以下X−Yセンサアセンブリ20と称す。繰り返しておくが、X−Yセンサアセンブリ20は任意のさまざまな速度センサ設計を表しており、それらの速度センサの各々が、回転駆動方向43に駆動されながらX軸24またはY軸26を中心として発生する角速度を感知するように最適化されてもよい。図3に示す矢印43は、角速度センサ20がX軸24を中心とした、またはY軸26を中心とした入力角速度を感知するのに使用されているかにかかわらず、Z軸28を中心とした振動回転駆動運動を表す。
【0019】
ここで図4図6を参照すると、図4は別の例の速度センサアセンブリ50の上面図を示しており、図5は速度センサアセンブリ50の側面図を示しており、図6は速度センサアセンブリ50の記号表現を示している。速度センサアセンブリ20(図1)と同様に、速度センサアセンブリ50は、X−Y平面22内においてほぼ平坦な構造体を有するものとして示されている。本実施形態において、速度センサアセンブリ50は概して、X−Y平面22に垂直である入力軸、すなわちZ軸28を中心とした、曲線矢印52によって表されている角運動を感知するように構成されている。
【0020】
速度センサアセンブリ50は、基板30から離間した関係にある、すなわち、基板30の上に懸垂されている駆動質量部54および感知質量部56を含む。図4の例において、感知質量部56は駆動質量部54を貫通して延在する中央開口58内に存在している。速度センサアセンブリ20と同様に、この構成も、「外側駆動、内側感知」センサ設計と称されることがある。
【0021】
一実施形態において、可撓性支持要素60が駆動質量部54の外周に結合されている。可撓性支持要素60は、駆動質量部54を、アンカ62を通じて基板30の平坦な表面40に接続し、それによって、駆動質量部54は基板30の上に懸垂される。可撓性支持要素60は、長手方向においてX軸24に実質的に平行に向いている。可撓性支持要素60は主にY方向において可撓性であり、すなわち、柔軟であり、それによって、駆動質量部54はY軸26に平行な面内並進運動について大きく制約される。すなわち、駆動質量部54の駆動方向はY軸26に関連付けられる。この振動並進駆動運動は、Y軸26に平行に向いている直線矢印64(図4および図6)によって表されており、本明細書において並進駆動方向64と称す。本明細書において使用される場合、「並進駆動運動」という語句は、回転のない一定の駆動運動を指す。
【0022】
感知質量部56は、駆動質量部54の内周に結合している可撓性支持要素66によって基板30の上に懸垂されている。可撓性支持要素66は、長手方向においてY軸26に実質的に平行に向いている。可撓性支持要素66は主にX方向において可撓性であり、すなわち、柔軟であり、それによって、感知質量部56はX軸24に平行な面内振動並進運動について大きく制約される。この並進感知方向はX軸24に平行に向いている双頭矢印68(図4および図5)によって表されており、本明細書において感知運動68と称す。
【0023】
当業者には知られているように、さまざまな固定電極は、速度センサアセンブリ50の他の固定構成要素とともに感知質量部56と同一の高さに、基板30の表面40にマウントされ形成されてもよい。この単純化された図解において、電極は、入力軸、すなわちZ軸28を中心とした速度センサアセンブリ50の回転を感知するのに使用される感知電極70および72を含む。特に、感知電極70および72は、感知質量部56の並進運動を検知するが、それは、この運動が、感知質量部56と固定感知電極70および72との間のキャパシタンスを変化させるためである。したがって、入力軸、すなわち、Z軸28を中心とした速度センサアセンブリ50の回転が、感知質量部56と電極70および72との間のキャパシタンスの変化として感知されることができる。ASICから電極70および72ならびに感知質量部56までの別個の電気接続を提供するために導体(図示せず)が基板30上に形成されることができる。
【0024】
一般には、速度センサアセンブリ50は、駆動質量部54に取り付けられている電極板とともに適切に配列されている固定平行板アクチュエータを有する駆動動作ユニット(図示せず)を含んでもよい。概して、交流電流(AC)駆動信号がASIC、すなわち、駆動回路(図示せず)を通じて平行板アクチュエータに印加されてもよい。駆動信号は、駆動質量部54を、並進駆動方向64によって表されているように、X−Y平面22内でY軸26に平行に振動させる。速度センサアセンブリ50がZ軸28を中心とした入力、すなわち角運動52を受けると、角運動52によって生成されるコリオリの力によって、感知質量部56がX軸24に実質的に平行に並進し(図4および図5において矢印68によって表されている)、この運動を以下感知運動68と称す。X軸24に平行な感知質量部56の面内感知運動68、および、従って入力軸、すなわちZ軸28を中心とした速度センサアセンブリ50の回転は、当業者に知られているように、電極70および72におけるキャパシタンスを感知することによって検出される。
【0025】
図6に示す速度センサアセンブリ50の記号表現は、駆動質量部がX軸24およびY軸26のうちの一方に平行に振動並進運動するように駆動されている速度センサアセンブリを表している。速度センサアセンブリ50の記号表現内に示されている直線矢印は、並進駆動方向64を表している。上述のように、速度センサアセンブリ50の感知質量部は、Z軸28を中心とした角速度を上述のようなコリオリの力を通じて感知するように構成されている。したがって、速度センサアセンブリ50について、以下Zセンサアセンブリ50と称す。ここでも、速度センサアセンブリ50は任意のさまざまな速度センサ設計を表しており、それらの速度センサの各々が、並進駆動方向64に駆動されながらZ軸28を中心として発生する角速度を感知するように最適化されてもよいことが容易に理解されるであろう。さらに、並進駆動運動64は、図示のようにY軸26に平行に向けられてもよく、X軸24に平行に向けられてもよい。言い換えれば、図6に示す矢印64は、Y軸26に平行な振動並進駆動運動を表している。しかしながら、速度センサアセンブリ50は、図示の矢印に直交して向けられてもよい。そのような実施形態において、並進駆動運動64はX軸24に平行になり、感知質量部56は、同一入力軸、すなわちZ軸28を中心とした入力角回転に応答してY軸26に平行な面内振動並進運動について制約されることになる。
【0026】
後述の実施形態に応じて、X−Yセンサアセンブリ20(図1)およびZセンサアセンブリ50は、多軸速度センサデバイスを形成するために適切な結合バネ設計を使用して相互接続され、結合バネの構成が速度センサアセンブリの各々の駆動方向(たとえば、回転駆動方向43または並進駆動方向64)を決定付ける。さらに、結合バネによって、多軸感知デバイスのさまざまな速度センサアセンブリ20、50が、同一駆動周波数で、同期した運動によって振動するように駆動されることが可能になり、ASICにおいて共通の復調が可能になる。ここで、図7図10は、多軸MEMSデバイスを形成するために複数の速度センサアセンブリを連結するために実装されてもよいさまざまな結合バネ設計を示す。
【0027】
ここで図7を参照すると、図7は、一実施形態に応じた、一対の速度センサアセンブリ20を結合するための結合バネ構造体80を示す。結合バネ構造体80は一対の結合バネ82を含み、結合バネ82の各々は第1の軸に対して可撓性、すなわち柔軟であり、第2の軸に対し概して非可撓性、すなわち剛直である。図7に示す特定の向きにおいて、結合バネ82の各々のそれぞれの折れによって、結合バネ82がY軸26に実質的に平行に伸長および収縮することが可能になる。しかしながら、結合バネ82のそれぞれの折れの構成は概して、結合バネ82がX軸24に平行に伸長および収縮することを妨げる。
【0028】
図7は、それらを相互接続している結合バネ構造体80によって互いの隣に配置されているX−Y速度センサアセンブリ20をさらに示している。特に、明瞭にするためにX−Y速度センサアセンブリ20Aと称するX−Y速度センサアセンブリ20のうちの一方の端部84は、明瞭にするためにX−Y速度センサアセンブリ20Bと称する他方のX−Y速度センサアセンブリ20の端部86に隣接しているが、接触していない。結合バネ82の一方の終端部88はX−Y速度センサアセンブリ20Aの端部84の各終端部に結合されており、同じ結合バネ82の反対の終端部90はX−Y速度センサアセンブリ20Bの端部86の各終端部に結合されている。したがって、一実施形態において、両方の結合バネ82の全体がX−Y速度センサアセンブリ20Aと20Bとの間に挟まれている。
【0029】
結合バネ構造体80の2重結合バネ構成、および、結合バネ82がX方向ではなくY方向において柔軟であることによって、X−Y速度センサアセンブリ20Aおよび20Bの振動は逆相運動に制約される。すなわち、X−Y速度センサアセンブリ20Aおよび20BはZ軸28を中心とした回転駆動方向43に駆動されるとき、それらは反対の方向、すなわち逆相(反対に向いた矢印43によって表されている)に振動し、駆動周波数で同期されている。X−Y速度センサアセンブリ20Aおよび20Bならびに結合バネ構造体80の構成は、図7に示す構成に対して直角に向けられてもよく、それによって、結合バネ82はX軸24に対して柔軟になり、Y軸26に対して剛直になる。それにもかかわらず、結合バネ構造体80の2重結合バネ構成によって、X−Y速度センサアセンブリ20Aおよび20Bの振動が、回転駆動方向43における逆相運動に制約される。X−Y速度センサアセンブリ20Aおよび20Bのいずれかは、図1図3に関連して上述したように、感知質量部34の向きに応じて、X軸24またはY軸26のいずれかを中心とした入力角速度を感知するように構成されてもよい。
【0030】
図8は、別の実施形態に応じた、一対の速度センサアセンブリ20を結合するための結合バネ構造体92を示す。結合バネ構造体92は一対の結合バネ94を含み、結合バネ94の各々は第1の軸に対して可撓性、すなわち柔軟であり、第2の軸に対し概して非柔軟性、すなわち剛直である。図8に示す特定の向きにおいて、結合バネ94の各々のそれぞれの折れによって、結合バネ94がX軸24に実質的に平行に伸長および収縮することが可能になる。しかしながら、結合バネ94のそれぞれの折れの構成は概して、結合バネ94がY軸26に平行に伸長および収縮することを妨げる。
【0031】
図8は、それらを相互接続している結合バネ構造体92によって互いの隣に配置されているX−Y速度センサアセンブリ20をさらに示している。特に、明瞭にするためにX−Y速度センサアセンブリ20Aと称するX−Y速度センサアセンブリ20のうちの一方の端部96は、明瞭にするためにX−Y速度センサアセンブリ20Bと称する他方のX−Y速度センサアセンブリ20の端部98に隣接しているが、接触していない。結合バネ94の一方の終端部100はX−Y速度センサアセンブリ20Aの端部96の各終端部に結合されており、同じ結合バネ94の反対の終端部102はX−Y速度センサアセンブリ20Bの端部98の各終端部に結合されている。本実施形態においては、両方の結合バネ94の全体は、X−Y速度センサアセンブリ20Aと20Bとの間に挟まれていない。代わりに、それらは、X−Y速度センサアセンブリ20Aと20Bとの間の空間の外部に位置する。
【0032】
結合バネ構造体92の2重結合バネ構成、および、結合バネ94がY方向ではなくX方向において柔軟であることによって、X−Y速度センサアセンブリ20Aおよび20Bの振動は、同一方向を向いた矢印43によって表されている同相運動に制約される。すなわち、X−Y速度センサアセンブリ20Aおよび20BはZ軸28を中心とした回転駆動方向43に駆動されるとき、それらは同一方向に振動し、駆動周波数で同期されている。ここでも、X−Y速度センサアセンブリ20Aおよび20Bならびに結合バネ構造体92の構成は、図8に示す構成に対して直角に向けられてもよく、それによって、結合バネ94はY軸26に対して柔軟になり、X軸24に対して剛直になる。それにもかかわらず、結合バネ構造体92の2重結合バネ構成によって、X−Y速度センサアセンブリ20Aおよび20Bの振動が、回転駆動方向43における同相運動に制約される。さらに、X−Y速度センサアセンブリ20Aおよび20Bのいずれかは、図1図3に関連して上述したように、感知質量部34の向きに応じて、X軸24またはY軸26のいずれかを中心とした入力角速度を感知するように構成されてもよい。
【0033】
図9は、一実施形態に応じた、一対の速度センサアセンブリ20、50を結合するための別の結合バネ構造体104を示す。本実施形態において、結合バネ構造体104は、単一の結合バネ106を含む。結合バネ106は第1の軸に対して可撓性、すなわち柔軟であり、第2の軸に対し概して非柔軟性、すなわち剛直である。図9に示す特定の向きにおいて、結合バネ106の折れによって、結合バネ106がY軸26に実質的に平行に伸長および収縮することが可能になる。しかしながら、結合バネ106の構成は概して、結合バネ106がX軸24に平行に伸長および収縮することを妨げる。
【0034】
図9は、それらを相互接続している結合バネ構造体104によって互いの隣に配置されているX−Y速度センサアセンブリ20およびZ速度センサアセンブリ50をさらに示している。特に、X−Y速度センサアセンブリ20の端部108はZ速度センサアセンブリ50の端部110に隣接しているが、接触していない。結合バネ106の終端部112はX−Y速度センサアセンブリ20の端部108の終端部に結合されており、結合バネ106の反対の終端部114はZ速度センサアセンブリ50の端部110の終端部に結合されている。すなわち、結合バネ106は、速度センサアセンブリ20、50の各々の中心線116からずらされて、速度センサアセンブリ20、50の各々に取り付けられている。
【0035】
結合バネ構造体104の単一結合バネ構成、結合バネの速度センサアセンブリ20、50の各々とのずらされた接続、および、結合バネ106が1つの方向(たとえば、Y方向)においては柔軟であるが、反対の方向(たとえば、X方向)においてはそうでないことによって、回転駆動方向43におけるX−Y速度センサアセンブリ20の振動駆動運動が促進され、一方で同時に、並進駆動方向64におけるZ速度センサアセンブリ50の振動駆動運動が促進される。さらに、それらが結合バネ構造体104を通じて接続されていることによって、X−Y速度センサアセンブリ20およびZ速度センサアセンブリ50は、単一の駆動周波数における同期した運動をする。速度センサアセンブリ20および50ならびに結合バネ構造体104の構成は、図示の構成に直交して向けられることができることを理解されたい。
【0036】
図10は、一実施形態に応じた、一対の速度センサアセンブリ(破線形式で図示)を結合するためのさらに別の結合バネ構造体120を示す。バネ構造120は概して、第1のバネ要素122と、第2のバネ要素124と、旋回レバー126とを含む。第1のバネ要素122の終端部128は旋回レバー126に結合されており、第1のバネ要素122の反対の終端部130は、速度センサアセンブリ20、50のうちの一方と相互接続するように構成されている。同様に、第2のバネ要素124の終端部132は旋回レバー126に結合されており、反対の終端部134は、速度センサアセンブリ20、50のうちのもう一方と相互接続するように構成されている。
【0037】
図12図13図15、および図16に関連した説明において、結合バネ構造体120は、X−Y速度センサアセンブリ20同士、Z速度センサアセンブリ50同士、またはX−Y速度センサアセンブリ20とZ速度センサアセンブリ50とを相互接続するように適合されてもよいことが理解されるであろう。したがって、速度センサアセンブリ20、50は概して、結合バネ構造体120が速度センサアセンブリ20、50のいずれかを相互接続するように適合されてもよいことを表すために図10においては破線形式で図示表現されている。
【0038】
一実施形態において、旋回レバー126は、下方にある基板(図示せず)に取り付けられているアンカ136と、アンカ136を包囲するフレーム138と、フレーム138の対向する両側から伸張するアーム140、142とを含む。ねじりバネ144の形態の可撓性支持要素が、フレーム138の内周に結合されている。ねじりバネ144は、フレーム138およびアーム140、142を、下方にある基板にアンカ136を通じて接続し、それによって、旋回レバー126は概して基板の上に懸垂されている。ねじりバネ144は主にX−Y平面22において可撓性であり、それによって、旋回レバー126は、アンカ136に中心がある、旋回軸、すなわちZ軸28を中心とする面内振動軸回転について大きく制約される。旋回軸を中心とした旋回レバー126の振動回転運動は曲線矢印146によって表されている。
【0039】
第1のバネ要素122、124は第1の軸に対して可撓性、すなわち柔軟であり、第2の軸に対し概して非可撓性、すなわち非柔軟性である。図10に示される特定の向きにおいて、バネ要素122、124の各々のそれぞれの折れによって、バネ要素122、124がY軸26に実質的に平行に伸長および収縮することが可能になる。しかしながら、バネ要素122、124のそれぞれの折れの構成は概して、バネ要素106、108がX軸24に平行に伸長および収縮することを妨げる。図10に示す構成は図示されている構成に直角に向けられてもよいことを理解されたい。
【0040】
結合バネ構造体80(図7)、92(図8)、104(図9)、および120(図10)は、さまざまな個々の速度センサアセンブリ20、50を相互接続するために選択的に実装される。結合バネ構造体80、92、104、および120は、特定の結合バネ構造体80、92、104、および120およびそれらの特定の柔軟性、すなわち可撓性によって決定付けられる駆動方向(たとえば、回転駆動方向43および/または並進駆動方向64)において、単一の駆動周波数で、相互接続された速度センサアセンブリ20、50が振動することを可能にする。さらに、速度センサアセンブリ20、50が結合バネ構造体80、92、104、および120のいずれかを通じて相互接続される結果として、アセンブリ20、50のすべてが同期した振動をし、感知信号の不確かさが制限される。
【0041】
概して、さまざまな実施形態は、平坦な表面を有する基板と、当該基板から離間した関係にある少なくとも2つの速度センサとを含むMEMSデバイスを含む。速度センサは、基板の平坦な表面に平行に振動するように構成されている。MEMSデバイスは、駆動周波数を示す駆動信号を提供するために速度センサのうちの少なくとも1つと通信する駆動要素をさらに含む。少なくとも1つの結合バネ(たとえば、結合バネ構造体80、92、104、および120)が速度センサを相互接続する。結合バネは、速度センサが、当該結合バネの構成によって決定付けられる駆動方向において、上記駆動周波数で振動するように構成される。速度センサの少なくとも1つの駆動方向は、第1の軸と関連付けられる第1の駆動方向であり、速度センサのもう一方の駆動方向は、第2の軸と関連付けられる第2の駆動方向であり、第2の軸は第1の軸に対して垂直である。速度センサは、逆相に駆動されてもよく、同相に駆動されてもよい。以下の例において、逆相運動は反対に向いた矢印対43または64によって記号化され、同相運動は同様に向いた矢印対43または64によって例示される。
【0042】
後述の図11図16は、例示を目的としてさまざまなMEMS多軸速度センサデバイス構成を記載する。結合バネ構造体80、92、104、および120が後述の例の実施形態以外の広範な多軸速度センサデバイスを生成するように適合されてもよいことは容易に理解されるであろう。さらに、多軸速度センサデバイス構成は、下記に図11図16が示すような4つの速度センサアセンブリに限定される必要はない。代替えとして、より多くの速度センサアセンブリが多軸速度センサデバイスに組み込まれてもよい。
【0043】
図11は、一実施形態に応じたMEMSデバイス150を示す。MEMSデバイス150は、一対のX−Y速度センサアセンブリ20と、一対のZ速度センサアセンブリ50とを含む。より詳細には、MEMSデバイス150は、ここではX−Y速度センサ20Aと称する第1の速度センサアセンブリと、ここではZ速度センサ50Bと称する第2の速度センサアセンブリと、ここではZ速度センサ50Cと称する第3の速度センサアセンブリと、ここではX−Y速度センサ20Dと称する第4の速度センサアセンブリとを含む。本明細書において使用される「第1の」、「第2の」、「第3の」、「第4の」などという用語は、数えられる一連の要素の中での要素の順序付けまたは優先順位付けを指すものではない。代わりに、「第1の」、「第2の」、「第3の」、および「第4の」という用語は、説明を明瞭にするために特定の要素を区別するために使用される。
【0044】
さまざまな実施形態において、図1図3に関連して説明したように、X−Y速度センサ20Aおよび20Dの両方がX軸24を中心とした角入力を感知するように構成されてもよく、X−Y速度センサ20Aおよび20Dの両方がY軸26を中心とした角入力を感知するように構成されてもよく、または、X−Y速度センサ20AがX軸24を中心とした角入力を感知するように構成されてもよく、X−Y速度センサ20DがY軸26を中心とした角入力を感知するように構成されてもよい。したがって、MEMSデバイス150は2軸MEMS速度センサデバイスとして構成されてもよく、または3軸MEMS速度センサデバイスとして構成されてもよい。
【0045】
X−Y速度センサ20A、Z速度センサ50B、Z速度センサ50C、およびX−Y速度センサ20Dは、下方にある基板30から離間した関係にある。加えて、X−Y速度センサ20A、Z速度センサ50B、Z速度センサ50C、およびX−Y速度センサ20Dは、基板30の中央部152の周囲に配置されている。中央部152は必ずしも、基板30の各外縁から等距離にある基板30の中心を指してはいない。代わりに、中央部152は、その周囲にX−Y速度センサ20A、Z速度センサ50B、Z速度センサ50C、およびX−Y速度センサ20Dの各々がその位置から外方におおよそ等しい距離で側方に離間されている、基板30上のおおよその位置を指す。
【0046】
X−Y速度センサ20AおよびZ速度センサ50Bは互いの隣に配置されており、結合バネ構造体104の単一のバネ構成を通じて相互接続されている。Z速度センサ50BおよびZ速度センサ50Cは互いの隣に配置されており、結合バネ構造体80の2重バネ構成を通じて相互接続されている。Z速度センサ50CおよびX−Y速度センサ20Dは互いの隣に配置されており、もう1つの結合バネ構造体104を通じて相互接続されている。そして、X−Y速度センサ20DおよびX−Y速度センサ20Aは互いの隣に配置されており、もう1つの結合バネ構造体80を通じて相互接続されている。
【0047】
図11に示す構成において、結合バネ構造体104の結合バネ106は、X軸24に平行な方向において柔軟、すなわち、可撓性であり、Y軸26に平行な方向において剛直であるように、X−Y平面22内で適切に方向付けられている。結合バネ構造体80の結合バネ82は、Y軸26に平行な方向において柔軟であり、X軸24に平行な方向において剛直であるように、X−Y平面22内で適切に方向付けられている。
【0048】
MEMSデバイス150は、X−Y速度センサ20A、20DおよびZ速度センサ50B、50Cのそれぞれの駆動質量部32(図1)および54(図4)を駆動するための駆動系をさらに含む。図示の実施形態において、駆動系は、固定駆動要素156および可動駆動要素158を有する2つの駆動アクチュエータユニット154を含む。固定駆動要素156は、基板30と結合されてもよく、可動駆動要素158はX−Y速度センサ20Aおよび20Dの駆動質量部32(図1)に取り付けられてもよい。固定駆動要素156は、可動駆動要素158から離間され、互い違いの配列に位置づけられる。X−Y速度センサ20Aおよび20Dの駆動質量部32にそれらが取り付けられることによって、可動駆動要素158は駆動質量部32とともに運動可能である。逆に、基板30にそれらが固定されて取り付けられていることによって、固定駆動要素156は、可動駆動要素158に対して固定である。例示を簡潔にするため、少数の固定駆動要素156および可動駆動要素158のみを示す。固定駆動要素および可動駆動要素の数量および構造は設計要件に応じて変化することになることを当業者は容易に認識するであろう。
【0049】
MEMSデバイス150の駆動系は、駆動質量部の運動をモニタリングするための駆動モニタユニット160をさらに含んでもよい。示されている実施形態において、駆動モニタユニット160は、固定モニタ要素162と可動モニタ要素164とを含む。固定モニタ要素162は基板30と結合されており、一実施形態において、可動モニタ要素164は、Z速度センサ50Bおよび50Cの駆動質量部54(図4)に取り付けられている。固定モニタ要素162は、可動モニタ要素164から離間され、互い違いの配列に位置づけられる。Z速度センサ50Bおよび50Cの駆動質量部54にそれらが取り付けられることによって、可動モニタ要素164は駆動質量部54とともに運動可能である。逆に、基板30にそれらが固定されて取り付けられていることによって、固定モニタ要素162は、可動モニタ要素164に対して固定である。ここでも、例示を簡潔にするため、少数の固定モニタ要素162および可動モニタ要素164のみを示す。固定モニタ要素および可動モニタ要素の数量および構造は設計要件に応じて変化することができることを当業者は容易に認識するであろう。代替的に、いくつかのシステム設計では、駆動モニタユニット160を含むことを必要としない場合がある。
【0050】
概して、特定用途向け集積回路(ASIC)166が、駆動信号168を駆動アクチュエータユニット154に供給する。駆動信号168は、駆動周波数を有する波形(一般的には正弦波)である。一般的に、ASIC166は、MEMSデバイスの共振周波数で駆動が行われるように、駆動信号168の駆動周波数を調整する。いくつかの実施形態において、この調整は、位相ロックループ(PLL)システム(図示せず)を用いて行われてもよい。示されている例において、駆動アクチュエータユニット154を通じて駆動信号168を印加することによって、X−Y速度センサアセンブリ20Aおよび20Dの各々の駆動質量部32は、駆動信号168の駆動周波数で回転駆動方向43において振動するようになる。加えて、Z速度センサアセンブリ50Bおよび50Cの各々の駆動質量部54は、それらが結合バネ構造体104を通じてX−Y速度センサアセンブリ20Aおよび20Dと相互接続されていることに起因して、駆動信号168の駆動周波数で並進駆動方向64において振動することになる。ASIC166は、駆動周波数168が速度センサアセンブリ20A、50B、50C、および20Dに印加されるのに応答して、駆動モニタユニット160からモニタ信号170を受信する。モニタ信号170は、ASIC166が、駆動質量部32および54の駆動変位および位相をモニタリングするのに使用される。
【0051】
示されている例において、2つの駆動アクチュエータユニット154が、4つの速度センサアセンブリ20A、50B、50C、および20Dを駆動するのに利用されている。このタイプの構成によって、空間効率を達成することができる。しかしながら、他の実施形態において、速度センサアセンブリあたり1つ以上の駆動アクチュエータユニット154を用いて、さらなる駆動アクチュエータユニット154が実装されてもよい。たとえば、本実施形態において、速度センサアセンブリあたり2つの駆動アクチュエータユニット154を用いて、2つの駆動アクチュエータユニット154が実装されてもよい。駆動アクチュエータユニット154は、広範な駆動系構成および技法を表している。それにもかかわらず、さまざまな実施形態において、駆動系はすべての駆動アクチュエータユニットに特定の駆動周波数で同じ駆動信号を供給する。
【0052】
X−Y速度センサ20Aおよび20Dが結合バネ構造体80を通じて相互接続されていることに起因して、X−Y速度センサ20Aおよび20Dの駆動質量部32は、その駆動周波数で互いに対して逆相に振動することになる。同様に、Z速度センサ50Cおよび50Dがもう1つの結合バネ構造体80を通じて相互接続されていることに起因して、X−Y速度センサ20Aおよび20Dの駆動質量部32も、同様にその駆動周波数で互いに対して逆相に振動することになる。この逆相運動は、反対に向いた矢印対43および64によって表されている。X−Y速度センサ20AとZ速度センサ50Bとが結合バネ構造体104を通じて相互接続されていること、および、X−Y速度センサ20DとZ速度センサ50Cとがもう1つの結合バネ構造体104を通じて相互接続されていることによって、直線加速度成分が強制的に排除される。すなわち、X軸24に平行な方向および/またはY軸26に平行な方向における直線加速の下で、システムは、加速度成分に応答しないように平衡である。
【0053】
図12は、一実施形態に応じたMEMSデバイス172を示す。MEMSデバイス172は、下方にある基板30から離間した関係にあるX−Y速度センサ20A、Z速度センサ50B、Z速度センサ50C、およびX−Y速度センサ20Dを含み、それらが基板30の中央部152の周囲に配置されているという点において、MEMSデバイス150に類似している。X−Y速度センサ20AおよびZ速度センサ50Bは、結合バネ構造体120の旋回レバーバネ構成を通じて相互接続されている。Z速度センサ50BおよびZ速度センサ50Cは、結合バネ構造体80の2重バネ構成を通じて相互接続されている。Z速度センサ50CおよびX−Y速度センサ20Dは、もう1つの結合バネ構造体120を通じて相互接続されている。そして、X−Y速度センサ20DおよびX−Y速度センサ20Aは、もう1つの結合バネ構造体80を通じて相互接続されている。
【0054】
さまざまな実施形態において、図1図3に関連して説明されたように、X−Y速度センサ20Aおよび20Dの両方がX軸24を中心とした角入力を感知するように構成されてもよく、X−Y速度センサ20Aおよび20Dの両方がY軸26を中心とした角入力を感知するように構成されてもよく、または、X−Y速度センサ20AがX軸24を中心とした角入力を感知するように構成され、X−Y速度センサ20DがY軸26を中心とした角入力を感知するように構成されてもよい。したがって、MEMSデバイス172は2軸MEMS速度センサデバイスとして構成されてもよく、または3軸MEMS速度センサデバイスとして構成されてもよい。
【0055】
図12に示す構成において、結合バネ構造体120の第1のバネ要素122および第2のバネ要素124は、X軸24に平行な方向において柔軟、すなわち、可撓性であり、Y軸26に平行な方向において非柔軟性、すなわち、剛直であるように、X−Y平面22内で適切に方向付けられている。結合バネ構造体80の結合バネ82は、Y軸26に平行な方向において柔軟であり、X軸24に平行な方向において非柔軟性、すなわち、剛直であるように、X−Y平面22内で適切に方向付けられている。
【0056】
MEMSデバイス150と同様に、MEMSデバイス172は、固定駆動要素156および可動駆動要素158を有する駆動アクチュエータユニット154をさらに含む。示されている実施形態において、固定駆動要素156は基板30と結合されてもよく、可動駆動要素158は、各結合バネ構造体120の旋回レバー126に取り付けられてもよい。それらが旋回レバー126に取り付けられていることによって、可動駆動要素158は、旋回レバー126とともに運動可能である。逆に、基板30にそれらが固定されて取り付けられていることによって、固定駆動要素156は、可動駆動要素158に対して固定である。MEMSデバイス150と同様に、MEMSデバイス172は、上述のように、固定モニタ要素162および可動モニタ要素164を有する駆動モニタユニット160をさらに含む。
【0057】
概して、ASIC166は、所定の駆動周波数を有する駆動信号168を駆動アクチュエータユニット154に供給する。示されている例において、駆動信号168を駆動アクチュエータユニット154を通じて印加することによって、結合バネ構造体120の旋回レバー126は、アンカ136に中心があるそれらのそれぞれの旋回軸を中心として逆相に旋回するようになる。旋回レバー126の運動によって、X−Y速度センサアセンブリ20Aおよび20Dの各々の駆動質量部32(図1)は、駆動信号168の駆動周波数で回転駆動方向43において振動するようになる。同様に、Z速度センサアセンブリ50Bおよび50Cの各々の駆動質量部54(図4)は、それらが結合バネ構造体120を通じてX−Y速度センサアセンブリ20Aおよび20Dと相互接続されていることに起因して、駆動信号168の駆動周波数で並進駆動方向64において振動することになる。
【0058】
X−Y速度センサ20Aおよび20Dが結合バネ構造体80を通じて相互接続されていることに起因して、X−Y速度センサ20Aおよび20Dの駆動質量部32は、その駆動周波数で互いに対して逆相に振動することになる。同様に、Z速度センサ50Cおよび50Dがもう1つの結合バネ構造体80を通じて相互接続されていることに起因して、X−Y速度センサ20Aおよび20Dの駆動質量部32も、同様にその駆動周波数で互いに対して逆相に振動することになる。X−Y速度センサ20AとZ速度センサ50Bとが結合バネ構造体120を通じて相互接続されていること、および、X−Y速度センサ20DとZ速度センサ50Cとがもう1つの結合バネ構造体120を通じて相互接続されていることによって、直線加速度成分が強制的に排除される。
【0059】
MEMSデバイス172に関連して図示されているように、結合バネ構造体120に関連付けられるバネ要素のうちの第1のバネ要素122は、旋回レバー126のアーム140およびX−Y速度センサ20Aに結合されている。同じ結合バネ構造体120の第2のバネ要素124は、旋回レバー126のアーム142およびZ速度センサ50Bに結合されている。同様に、結合バネ構造体120の他方の第2のバネ要素124は、旋回レバー126のアーム142およびX−Y速度センサ20Dに結合されており、同じ結合バネ構造体120の第1のバネ要素122は、旋回レバー126のアーム140およびZ速度センサ50Bに結合されている。
【0060】
X−Y速度センサ20Aおよび20Dの各々は中心線174を示し、Z速度センサ50Bおよび50Cの各々も中心線176を示す。一実施形態において、第1のバネ要素122は中心線174からずらされてX−Y速度センサ20Aに結合されており、第2のバネ要素124は中心線176に沿って、または当該中心線においてZ速度センサ50Bに結合されており、同様に、第2のバネ要素124は中心線174からずらされてX−Y速度センサ20Dに結合されており、第1のバネ要素122は中心線176に沿って、または当該中心線においてZ速度センサ50Cに結合されている。バネ要素122および124が中心線174に対してずらされて取り付けられる結果として、X−Y速度センサ20Aおよび20Dの駆動質量部32(図1)が回転駆動方向43において運動することになる。さらに、バネ要素124および122が中心線176に対して中心線で取り付けられる結果として、Z速度センサ50Bおよび50Cの駆動質量部54(図4)が並進駆動方向64において運動するようになる。
【0061】
加えて、回転駆動方向43におけるX−Y速度センサ20Aおよび20Dの駆動質量部32の運動と、並進駆動方向64におけるZ速度センサ50Bおよび50Cの駆動質量部54(図4)の運動との比は、連結バネ、たとえば、X−Y速度センサ20Aに取り付けられる第1のバネ要素122およびX−Y速度センサ20Dに取り付けられる第2のバネ要素124を適切に配置することによって調整されることができる。
【0062】
図13図16は、MEMS多軸速度センサデバイスのさらなる例を提供する。以下の図解において、駆動アクチュエータユニット154、駆動モニタユニット160、ASIC166、および駆動信号168は、単純化するために図示されていない。しかしながら、これらの要素は以下に提供するMEMSデバイス例に関連して容易に実装されることができることを理解されたい。加えて、以下の図解の各々は2つのX−Y速度センサアセンブリ20を示す。さまざまな実施形態において、X−Y速度センサアセンブリ20の両方が、2軸速度センサを形成するために、同じ軸(たとえば、X軸24またはY軸26)を中心とした角入力を感知するように方向付けられてもよい。代替的に、X−Y速度センサアセンブリは、X−Y速度センサアセンブリ20の各々が、3軸速度センサを形成するために、異なる軸(たとえば、X軸24およびY軸26)を中心とした角入力を感知するように適切に方向付けられてもよい。
【0063】
図13は、一実施形態に応じたMEMSデバイス178を示す。MEMSデバイス178は、下方にある基板30から離間した関係にあるX−Y速度センサ20Aと、Z速度センサ50Bと、Z速度センサ50Cと、X−Y速度センサ20Dとを含む。結合バネ構造体120が各対または速度センサアセンブリの間に位置する。そのため、結合バネ構造体120は、X−Y速度センサアセンブリ20Aおよび20Dを含む速度センサアセンブリの対と、Z速度センサアセンブリ50Bおよび50Cを含む速度センサアセンブリの他方の対との間に位置する。
【0064】
X−Y速度センサ20AおよびZ速度センサ50Bは、結合バネ構造体120の旋回レバーバネ構成を通じて相互接続されている。具体的には、結合バネ構造体120は、アーム140およびZ速度センサ50Bの各々に結合されている第3のバネ要素180をさらに含む。したがって、X−Y速度センサ20AおよびZ速度センサ50Bは、第1のバネ要素122、旋回レバー126、および第3のバネ要素180によって結合されている。Z速度センサ50BおよびZ速度センサ50Cも、結合バネ構造体120の旋回レバーバネ構成を通じて相互接続されている。具体的には、結合バネ構造体120は、旋回レバー126のアーム142およびZ速度センサ50Cの各々に結合されている第4のバネ要素182をさらに含む。したがって、Z速度センサ50Bおよび50Cは、第3のバネ要素180、旋回レバー126、および第4のバネ要素182によって結合されている。Z速度センサ50CおよびX−Y速度センサ20Dは、結合バネ構造体120の旋回レバーバネ構成を通じて相互接続されている。具体的には、Z速度センサ50CおよびX−Y速度センサ20Dは、第4のバネ要素182、旋回レバー126、および第2のバネ要素124によって結合されている。そして最後に、X−Y速度センサ20DおよびX−Y速度センサ20Aは、結合バネ構造体82を通じて相互接続されている。
【0065】
第1のバネ要素122、第2のバネ要素128、第3のバネ要素180、および第4のバネ要素182は、Y軸26に平行な方向において柔軟であり、X軸24に平行な方向において非柔軟性、すなわち、剛直である。結合バネ構造体82のバネ94は、X軸24に平行な方向において柔軟であり、Y軸26に平行な方向において非柔軟性、すなわち、剛直である。駆動系(図示せず)によって作動されると、アンカ136に中心がある旋回軸を中心とした旋回レバー126の旋回運動、および、バネ要素122、124、180、および182がY軸26に平行に柔軟であることによって、Z速度センサ50Bおよび50Cの駆動質量部54(図4)は、並進駆動方向64における運動をするようになる。加えて、駆動系によって作動されると、旋回レバー126の旋回運動、および、結合バネ94がX軸24に平行な方向において柔軟であることによって、X−Y速度センサ20Aおよび20Dが、回転駆動方向43における運動をするようになる。
【0066】
X速度センサ50Bおよび50Cの並進駆動方向64は、バネ要素122、128、180、および182の柔軟性に対して垂直である。したがって、並進駆動方向64は、X軸24に平行な方向にある。結合バネ構造体120の旋回レバー構成によって、Z速度センサ50Bおよび50Cは、同一駆動周波数で、しかし互いに対して逆相に振動するようになる。一方で、結合バネ構造体82の2重バネ構成、および、結合バネ94がX軸24に平行な方向において柔軟であることによって、X−Y速度センサ20Aおよび20Dは同一駆動周波数で、互いに対して同相に振動する。
【0067】
図14は、一実施形態に応じたMEMSデバイス186を示す。MEMSデバイス186は、下方にある基板30から離間した関係にあるX−Y速度センサ20Aと、Z速度センサ50Bと、Z速度センサ50Cと、X−Y速度センサ20Dとを含む。しかしながら、前述した実施形態とは異なり、MEMSデバイス186のX−Y速度センサ20A、Z速度センサ50B、Z速度センサ50C、およびX−Y速度センサ20Dは、単一の列188に配列されている。すなわち、Z速度センサ50BはX−Y速度センサ20Aの隣に配置されており、Z速度センサ50CはZ速度センサ50Bの隣に配置されており、X−Y速度センサ20DはZ速度センサ50Cの隣に配置されている。
【0068】
示されている本実施形態において、結合バネ構造体82(図8)からの結合バネ94のうちの片方が、X速度センサ20AおよびZ速度センサ50Bを相互接続する。Z速度センサ50BおよびZ速度センサ50Cは、結合バネ構造体80の2重バネ構成を通じて相互接続されている。Z速度センサ50CおよびX−Y速度センサ20Dは、結合バネ構造体82からの結合バネ構造体94のうちの片方を通じて相互接続されている。MEMSデバイス186のX−Y速度センサ20A、Z速度センサ50B、Z速度センサ50C、およびX−Y速度センサ20Dは、列188に配列されているため、X−Y速度センサ20DをX−Y速度センサ20Aと相互接続する結合バネ構造体は存在しない。
【0069】
結合バネ94は、Y軸26に平行な方向において柔軟であり、X軸24に平行な方向において実質的に非柔軟性、すなわち、剛直であるように方向付けられている。逆に、結合バネ構造体80の結合バネ82は、X軸24に平行な方向において柔軟であり、Y軸26に平行な方向において実質的に非柔軟性、すなわち、剛直であるように方向付けられている。したがって、駆動系(図示せず)によって作動されると、X−Y速度センサ20Aおよび20Dは回転駆動方向43において同一駆動周波数で、しかし互いに対して逆相に振動することになる。加えて、駆動系によって作動されると、Z速度センサ50Bおよび50Cは並進駆動方向64において、同一駆動周波数であるが、互いに対して逆相に振動することになる。
【0070】
図15は、一実施形態に応じたMEMSデバイス188を示す。MEMSデバイス188は、下方にある基板30から離間した関係にあるX−Y速度センサ20Aと、Z速度センサ50Bと、Z速度センサ50Cと、X−Y速度センサ20Dとを含む。加えて、MEMSデバイス186のX−Y速度センサ20A、Z速度センサ50B、Z速度センサ50C、およびX−Y速度センサ20Dは、互いの隣に配置されており、列188に配列されている。
【0071】
この示されている実施形態において、結合バネ構造体80の2重バネ構成が、X−Y速度センサ20AとZ速度センサ50Bとを相互接続する。Z速度センサ50BおよびZ速度センサ50Cは、結合バネ構造体120の旋回レバー構成を通じて相互接続されている。Z速度センサ50CおよびX−Y速度センサ20Dは、もう1つの結合バネ構造体80の2重バネ構成を通じて相互接続されている。ここでも、MEMSデバイス186のX−Y速度センサ20A、Z速度センサ50B、Z速度センサ50C、およびX−Y速度センサ20Dは、列188に配列されているため、X−Y速度センサ20DをX−Y速度センサ20Aと相互接続する結合バネ構造体は存在しない。
【0072】
結合バネ構造体80の結合バネ82は、X軸24に平行な方向において柔軟であり、Y軸26に平行な方向において実質的に非柔軟性、すなわち、剛直であるように方向付けられている。加えて、結合バネ構造体120の第1のバネ要素122および第2のバネ要素124は、X軸24に平行な方向において柔軟であり、Y軸26に平行な方向において実質的に非柔軟性、すなわち、剛直であるように方向付けられている。駆動系(図示せず)によって作動されると、アンカ136に中心がある旋回軸を中心とした旋回レバー126の旋回運動によって、X−Y速度センサ20Aおよび20Dは回転駆動方向43において同一駆動周波数で、互いに対して同相に振動するようになる。加えて、駆動系によって作動されると、Z速度センサ50Bおよび50Cは並進駆動方向64において、Y軸26に平行に、同一駆動周波数で、互いに対して逆相に振動することになる。
【0073】
図16は、一実施形態に応じたMEMSデバイス192を示す。MEMSデバイス188は、下方にある基板30から離間した関係にあるX−Y速度センサ20Aと、Z速度センサ50Bと、Z速度センサ50Cと、X−Y速度センサ20Dとを含む。加えて、MEMSデバイス186のX−Y速度センサ20A、Z速度センサ50B、Z速度センサ50C、およびX−Y速度センサ20Dは、互いの隣に配置されており、列188に配列されている。
【0074】
この示されている実施形態において、結合バネ構造体80の2重バネ構成が、X−Y速度センサ20AとZ速度センサ50Bとを相互接続する。Z速度センサ50BおよびZ速度センサ50Cは、結合バネ構造体120の旋回レバー構成を通じて相互接続されている。Z速度センサ50CおよびX−Y速度センサ20Dは、もう1つの結合バネ構造体80の2重バネ構成を通じて相互接続されている。加えて、結合バネ構造体120は、X−Y速度センサ20Aと旋回レバー126のアーム142との間に相互接続されている第3のバネ要素194と、X−Y速度センサ20Dと旋回レバー126のアーム140との間に相互接続されている第4のバネ要素196とを含む。
【0075】
結合バネ構造体80の結合バネ82は、X軸24に平行な方向において柔軟であり、Y軸26に平行な方向において実質的に非柔軟性、すなわち、剛直であるように方向付けられている。加えて、結合バネ構造体120の第1のバネ要素122、第2のバネ要素124、第3のバネ要素194、および第4のバネ要素196は、X軸24に平行な方向において柔軟であり、Y軸26に平行な方向において実質的に非柔軟性、すなわち、剛直であるように方向付けられている。駆動系(図示せず)によって作動されると、アンカ136に中心がある旋回軸を中心とした旋回レバー126の旋回運動によって、X−Y速度センサ20Aおよび20Dは回転駆動方向43において同一駆動周波数で、互いに対して逆相に振動するようになる。加えて、駆動系によって作動されると、Z速度センサ50Bおよび50Cは並進駆動方向64において、Y軸26に平行に、同一駆動周波数で、互いに対して逆相に振動することになる。
【0076】
一実施形態において、MEMSデバイスは、平坦な表面を有する基板と、第1の速度センサと、第2の速度センサとを備える。第1の速度センサおよび第2の速度センサは基板から離間した関係にあり、第1の速度センサおよび第2の速度センサは、平坦な表面に平行に振動するように構成されている。MEMSデバイスは、駆動周波数を示す駆動信号を提供するために第1の速度センサおよび第2の速度センサのうちの少なくとも1つと通信する駆動要素と、第1の速度センサおよび第2の速度センサを相互接続する第1の結合バネとをさらに備える。第1の結合バネによって、第1の速度センサおよび第2の速度センサが、当該結合バネによって決定付けられる駆動方向において上記駆動周波数で振動し、第1の速度センサの駆動方向は、第1の軸と関連付けられる第1の駆動方向であり、第2の速度センサの駆動方向は、第2の軸と関連付けられる第2の駆動方向であり、第2の軸は第1の軸に対して垂直である。
【0077】
別の実施形態において、MEMSデバイスは、平坦な表面を有する基板と、複数の速度センサとを備える。速度センサは基板から離間した関係にあり、速度センサの各々は、平坦な表面に平行に振動するように構成されている。MEMSデバイスは、駆動周波数を示す駆動信号を提供するために速度センサのうちの少なくとも1つと通信する駆動要素と、複数の速度センサを相互接続する結合バネとをさらに含む。結合バネによって、複数の速度センサの各々が、当該結合バネによって決定付けられる駆動方向において、上記駆動周波数で振動する。速度センサの第1のサブセットの駆動方向は、基板の表面に垂直である第1の軸と関連付けられる回転駆動方向であり、それによって、速度センサの第1のサブセットは、第1の軸を中心として回転振動するように駆動される。速度センサの第2のサブセットの駆動方向は、基板の表面に平行である第2の軸と関連付けられる並進駆動方向であり、それによって、速度センサの第2のサブセットは、第2の軸に平行に並進振動するように駆動される。
【0078】
したがって、さまざまな実施形態は、多軸感知のために複数の個々の速度センサアセンブリを含むMEMSデバイス構造を含む。速度センサアセンブリは結合バネを通じてともに連結されており、結合バネの構成が、速度センサアセンブリの各々の駆動方向を決定付ける。加えて、速度センサアセンブリの各々は同一駆動周波数で振動するように駆動される。結合バネは、速度センサアセンブリが、関連ASICにおける共通の復調を可能にするために同期した運動によって同一駆動周波数で振動することを可能にする。結合バネを通じてともに連結され、同一駆動周波数である同じ駆動信号によって駆動される複数の速度センサアセンブリを含むMEMSデバイス構造によって、センサのサイズ、複雑度、およびコストの低減が達成される。
【0079】
本発明の主題の原理が特定のデバイスに関連して上記で説明されてきたが、この説明は例示のみを目的として為されており、本発明の主題に対する限定としてではないことは明瞭に理解されたい。さらに、本明細書において採用されている表現または専門用語は説明を目的としており、限定ではない。
【0080】
特定の実施形態の上記の記載は、他者が、現在の知識を適用することによって、一般的な概念から逸脱することなくさまざまな用途のためにそれを容易に改変および/または適合することができるだけ十分に本発明の主題の一般的性質を公開している。したがって、このような適合は開示されている実施形態の均等物の意図および範囲内にある。本発明の主題は、すべてのこのような代替形態、改変形態、均等物、および変形形態を、特許請求の範囲の精神および広い範囲内に入るものとして包含する。
図1
図2
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図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12
図13
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図15
図16