【実施例】
【0026】
つぎに本発明の実施例によるプリンター1、その印字方法および不揮発性メモリーを
図1ないし
図3にもとづき説明する。
図1は、プリンター1の概略ブロック図であって、プリンター1は、たとえばサーマルヘッドおよびプラテンローラーを備えたサーマル印字方式など任意の印字方式によるプリンターである。
プリンター1は、プリンター本体2と、制御部(CPU)3と、ROM4と、RAM5と、操作部6と、表示部7と、印字部8と、USB接続端子9と、スキャナー接続端子10と、電源スイッチ11と、を有する。
【0027】
プリンター本体2は、スタンドアローンタイプであって、ROM4、RAM5、操作部6、表示部7、印字部8、USB接続端子9、スキャナー接続端子10および電源スイッチ11を備えており、USB接続端子9にUSBメモリー(不揮発性メモリー)12を接続可能としてあるとともに、スキャナー接続端子10にスキャナー(読取り器)13を接続可能としてある。
【0028】
制御部3は、ROM4にあらかじめ保存されているプログラムにもとづき、RAM5を作業領域として、操作部6、表示部7および印字部8を制御する。
【0029】
操作部6および表示部7は、キー操作ないしタッチ操作により、必要なデータやコマンドの入力および表示を行うことができる。
【0030】
印字部8は、任意の印字方式により、印字用紙(たとえばラベル14)に所定の情報を印字して、プリンター本体2外に排出発行する。
【0031】
USB接続端子9に接続するUSBメモリー12は、印字作業現場に配置されている当該プリンター1とは別の作業場に設置した任意のパソコンその他のホストコンピューター15において必要な印字データをあらかじめ作成し保存してある。
USBメモリー12をUSB接続端子9に接続して、電源スイッチ11をオンとすることにより、プリンター1のRAM5内の受信バッファに上記印字データを供給可能である。
【0032】
上記印字データの内容としては、印字部8によるラベル14への印字内容はもちろん、印字用のコマンドや照合用キーワードおよび必要なアプリケーションソフトウェアなどを含むことができる(
図2にもとづき後述)。
【0033】
スキャナー接続端子10に接続するスキャナー13は、たとえば、シート状材料などから作成された作業用リスト16にあらかじめ印刷ないし準備されている各種の作業用コード17の内容を光学的ないし電磁気的に読み取る。
【0034】
作業用コード17としては、たとえば、バーコードあるいは二次コード、さらには、無線データ通信が可能なRFID(Radio Frequency Identification;無線自動認識)技術を応用したRFID媒体による各種コードなどを含み、ラベル14を貼り付ける物品ないし商品の名称や特性、配送先、メーカー名、その他の識別用情報であって、いずれかの作業用コード17をスキャナー13が読み取る操作をトリガーとしてプリンター1によるラベル14への印字動作を行う。
なお、作業用コード17がRFID媒体による各種コードを含む場合には、読取り器として無線データ通信が可能な読取り器を準備する。
【0035】
図2は、USBメモリー12からプリンター1に供給される印字データの内容の一例、およびスキャナー13により読み取られる作業用コード17の内容の一例を概略的に示す説明図である。
図2(1)は、USBメモリー12からの印字データの内容のうち、印字部8によるラベル14への上記印字内容の他に、印字データ内の照合用キーワード18(たとえば、「AAA」)の説明図、
図2(2)は、この照合用キーワード18を特定するための印字データ内キーワード特定コマンド19の説明図である。USBメモリー12からの印字データの内容は、照合用キーワード18および印字データ内キーワード特定コマンド19を含む。
照合用キーワード18および印字データ内キーワード特定コマンド19は、任意のキーワードおよびコマンドをあらかじめ設定しておくことができる。たとえば、
図2(2)の印字データ内キーワード特定コマンド19は、
図2(1)の印字データ内の照合用キーワード18の位置およびその内容を指定するコマンドとすることができる。
【0036】
図2(3)は、スキャナー13により光学的ないし電磁気的に読み取られる作業用コード17の内容のうち、作業用コード17内の上記照合用キーワード18の説明図、
図2(4)は、この照合用キーワード18を特定するための作業用コード内キーワード特定コマンド20の説明図である。スキャナー13からの作業用コード17の内容は、照合用キーワード18および作業用コード内キーワード特定コマンド20を含む。
作業用コード内キーワード特定コマンド20は、印字データ内キーワード特定コマンド19と同様に、任意のコマンドをあらかじめ設定しておくことができる。
【0037】
前記制御部3は、プリンター本体2に接続するスキャナー13により読み取られる作業用コード17の内容(たとえば、上記照合用キーワード18)と、プリンター本体2に接続するUSBメモリー12から供給される印字データの内容(たとえば、上記照合用キーワード18)と、を照合した上で、印字部8によるラベル14への印字を行うように制御する。
すなわち、作業用コード17および印字データは、それぞれに含まれる照合用キーワード18を含んでおり、制御部3は、作業用コード17内および印字データ内の照合用キーワード18が一致した場合に、印字データ中の所望データ(たとえば、
図2(1)に示している「BBB」)をラベル14に印字するように制御する。
とくに
図1に示すように、上記所望データとしては、上記「BBB」(具体的には、たとえば部品の認証番号21)のほかに、上記照合用キーワード18(たとえば、「AAA」)、さらには、バーコードや二次コード、日付け、システム名およびメーカー名など(
図1を参照)必要な印字内容を選択可能である。
【0038】
さらに、スキャナー13による作業用コード17の一回の読取り操作ごとに、印字部8による一枚のラベル14への印字を行う。
【0039】
こうした構成のプリンター1の印字動作について、
図3にもとづき説明する。
図3は、プリンター1の印字動作を説明するフローチャート図であって、まずステップS1において、USBメモリー12をUSB接続端子9に接続し、電源スイッチ11をオンとすることにより、USBメモリー12に保存されている印字データをプリンター1のRAM5における受信バッファに供給する。
ステップS2において上記印字データを取得し、その内容を解析する。とくに、
図2(1)、(2)において説明したように、印字データ内キーワード特定コマンド19にもとづいて印字データ内の照合用キーワード18の内容(「AAA」)を特定する。
【0040】
ステップS3において、スキャナー13により作業用リスト16の必要な作業用コード17を読み取ったか否かを判断する。
まだ読み取る操作を行っていなければ、ステップS4においてスキャナー13による読取り操作を作業者に督促する。具体的には、たとえば、スキャナー13による作業用コード17の読取り操作を督促する内容を表示部7に表示することにより、作業者は、スキャナー13の読取り操作を行うタイミングであることを理解する。
【0041】
スキャナー13による読取り操作が行われれば、ステップS5において、作業用コード17の内容を取得するとともにこれを解析する。とくに、
図2(3)、(4)において説明したように、作業用コード内キーワード特定コマンド20にもとづいて作業用コード17内の照合用キーワード18の内容(「AAA」)を特定する。
【0042】
つぎのステップS6において、作業用コード17および印字データ内の照合用キーワード18をチェックし、制御部3は、スキャナー13からの照合用キーワード18と、USBメモリー12からの照合用キーワード18と、を照合し、それぞれの照合用キーワード18が互いに一致していれば、ステップS7において日付を取得し、ステップS8において印字部8によるラベル14への印字を行う。
【0043】
この印字ののち、ステップS3に戻って、スキャナー13による作業用コード17の読取り操作を確認する。要するに、スキャナー13による読取り操作ごとに、これをトリガーとしてラベル14への印字動作を順次行う。
【0044】
ステップS6において照合用キーワード18が一致しない場合には、ステップS9においてデータエラーとして、エラー表示を表示部7に行うととに、ステップS3に戻って、スキャナー13による作業用コード17の読取り操作を確認する。
【0045】
なお、ラベル14への印字内容として、改ざん防止や不正行為防止が必要な内容がある場合には、
図2に示したような内容からその必要データ(たとえば、ある部品の認証番号21である「BBB」)を取得してラベル14に印字することができる。
すなわち、照合用キーワード18および印字したい所望データについては、印字作業現場とは離れた別の場所に設置されているパソコンその他のホストコンピューター15の作業者のみがこれを必要に応じて入力変更可能であって、印字作業現場での作業者は、照合用キーワード18および印字したい所望データを変更することはできず、かくして、ラベル14への印字内容の改ざん防止および不正行為防止を図ることができる。
【0046】
さらに、USBメモリー12(不揮発性メモリー)としては、印字部8によるラベル14への印字データを保存して、この印字データをプリンター1に供給可能であるとともに、プリンター1に接続するスキャナー13により読み取る作業用コード17の内容と、当該USBメモリー12が供給する印字データの内容と、を制御部3が照合した上で、印字部8によるラベル14への印字データの印字動作を可能としているので、スタンドアローンタイプのプリンター1に接続して、これを使用することができる。