特許第6366176号(P6366176)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6366176
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】プリンターおよび印字方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20180723BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20180723BHJP
   B41J 5/30 20060101ALI20180723BHJP
   B41J 3/36 20060101ALI20180723BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20180723BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
   B41J29/38 Z
   B41J29/42 F
   B41J5/30 B
   B41J3/36 Z
   G06F3/12 322
   G06F3/12 344
   B41J29/00 Z
【請求項の数】16
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-147746(P2014-147746)
(22)【出願日】2014年7月18日
(65)【公開番号】特開2016-22648(P2016-22648A)
(43)【公開日】2016年2月8日
【審査請求日】2017年6月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000130581
【氏名又は名称】サトーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉澤 航司
【審査官】 岡▲崎▼ 輝雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−166919(JP,A)
【文献】 特開2005−345608(JP,A)
【文献】 特開2009−096111(JP,A)
【文献】 特開2007−062815(JP,A)
【文献】 特開昭61−213173(JP,A)
【文献】 特開2011−051223(JP,A)
【文献】 特開2011−011454(JP,A)
【文献】 特開2012−029292(JP,A)
【文献】 特開2011−130306(JP,A)
【文献】 特開2008−188822(JP,A)
【文献】 特開2007−004431(JP,A)
【文献】 特開2012−079230(JP,A)
【文献】 特開平10−293803(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
B41J 3/36
B41J 5/30
B41J 29/00
B41J 29/42
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印字用紙に印字を行う印字部と、
前記印字部を制御する制御部と、を有するプリンターであって、
前記印字部および前記制御部を備えたプリンター本体と、
前記プリンター本体により印字される印字データの内容が保存されており前記プリンター本体に接続されるメモリーと、
前記プリンター本体に接続されており前記プリンターによる各種のコードを光学的ないし電磁気的に読取る読取り器と、
を有し、
前記制御部は、前記読取り器により読み取られた前記コードに含まれる照合用キーワードと、前記メモリーから供給される前記印字データに含まれる照合用キーワードと、を照合し、前記照合用キーワードが一致した場合に、前記印字部による前記印字用紙への印字を行うように制御する、
プリンター。
【請求項2】
前記印字データは、前記プリンターの外部において作成される、ことを特徴とする請求項1記載のプリンター。
【請求項3】
前記コードは、前記コード内の前記照合用キーワードを特定するためのコード内キーワード特定コマンドを含むことを特徴とする請求項または記載のプリンター。
【請求項4】
前記印字データは、前記印字データ内の前記照合用キーワードを特定するための印字データ内キーワード特定コマンドを含むことを特徴とする請求項ないしのいずれかに記載のプリンター。
【請求項5】
前記読取り器による前記コードの読取り操作ごとに、前記印字部による前記印字用紙への印字を行うことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載のプリンター。
【請求項6】
前記プリンター本体には、表示部を設けているとともに、前記読取り器による前記コードの読取り操作を督促する内容を前記表示部に表示することを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載のプリンター。
【請求項7】
前記コードは、バーコードあるいは二次コードを含むことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載のプリンター。
【請求項8】
印字用紙に印字を行う印字部と、
前記印字部を制御する制御部と、
前記印字部および前記制御部を備えたプリンター本体と、
前記プリンター本体により印字される印字データの内容が保存されており前記プリンター本体に接続されるメモリーと、
前記プリンター本体に接続されており前記プリンターによる各種のコードを光学的ないし電磁気的に読取る読取り器と、
を有するプリンターの印字方法であって、
記読取り器により読み取られた前記コードに含まれる照合用キーワードと、前記メモリーから供給され前記印字データに含まれる照合用キーワードと、を照合し
前記照合用キーワードが一致した場合に、前記印字部による前記印字用紙への印字を行うように制御することを特徴とするプリンターの印字方法。
【請求項9】
用紙に印字を行う印字部と、
前記印字部を制御する制御部と、
プリンターにより印字される印字データが保存されているメモリーを受信するメモリー接続端子と、
前記プリンターによりコードを光学的ないし電磁気的に読取る読取り器と、
を有するプリンターであって、
前記制御部は、前記印字データのあらゆる印字に先立って、前記読取り器により読み取られた前記コードに含まれる照合用キーワードと、前記メモリーから供給される前記印字データに含まれる照合用キーワードと、を照合し、前記照合用キーワードが一致した場合に、前記印字部により前記用紙へ前記印字データの印字を行うように制御する、
プリンター。
【請求項10】
前記印字データは、前記プリンターの外部において作成される、ことを特徴とする請求項9記載のプリンター。
【請求項11】
前記コードは、前記コード内の前記照合用キーワードを特定するためのコード内キーワード特定コマンドを含むことを特徴とする請求項9または10記載のプリンター。
【請求項12】
前記印字データは、前記印字データ内の前記照合用キーワードを特定するための印字データ内キーワード特定コマンドを含むことを特徴とする請求項9ないし11のいずれかに記載のプリンター。
【請求項13】
前記読取り器による前記コードの読取り操作ごとに、前記印字部による前記用紙への印字を行うことを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載のプリンター。
【請求項14】
前記読取り器による前記コードの読取り操作を督促する内容を表示部に表示することを特徴とする請求項1ないし13のいずれかに記載のプリンター。
【請求項15】
前記コードは、バーコードあるいは二次コードを含むことを特徴とする請求項1ないし14のいずれかに記載のプリンター。
【請求項16】
用紙に印字を行う印字部と、
前記印字部を制御する制御部と、
メモリー接続端子と、
を有するプリンターの印字方法であって、
メモリーに記憶された印字データを供給するメモリーを前記メモリー接続端子にて受信し、
前記プリンターによるコードを読取り機器によって光学的ないし電磁気的に読取り、
前記印字データのあらゆる印字に先立って、前記読取り器により読み取られた前記コードに含まれる照合用キーワードと、前記メモリーから供給される前記印字データに含まれる照合用キーワードとが一致しているかを照合し、前記照合用キーワードが一致した場合に、前記印字部により前記用紙へ前記印字データの印字を行うように制御する、
プリンターの印字方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプリンター、その印字方法および不揮発性メモリーにかかるもので、とくにスタンドアローンタイプのプリンター、その印字方法および不揮発性メモリーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ラベルやタグ、あるいは台紙なしラベルなどの印字用紙に所定の情報を印字して発行するプリンターがある。
このプリンターは、熱転写インクリボンを用いる熱転写方式、あるいはサーマル紙を用いる熱発色方式、さらにはインクジェット方式や静電印字方式など任意の印字方式を採用しているが、印字動作のための各種印字データやコマンドあるいは各種のソフトウェアなどが必要である。
【0003】
このような印字データなどは一般に、プリンターに直接入力されるか、外部のパソコンその他の制御装置などのホストコンピューターからインターフェースを通じて供給される。
しかしながら、当該プリンターの作業者がパソコンの操作に不慣れな場合には、その使用現場において誤使用や不測のミスが発生する可能性があるという問題がある。
一方、従来からのスタンドアローンタイプのプリンターでは、プリンターに装備されている操作部および表示部を用いて、すなわち、キー操作やタッチ操作により各種印字データやコマンドをプリンターに入力する操作が必要であり、作業者がこれらの入力操作に不慣れな場合には、同じく、誤使用や不測のミスが発生する可能性があるという問題がある。
【0004】
要するに、パソコンその他のホストコンピューターをプリンターに接続して使用することなしに、かつ、印字作業現場におけるプリンターの操作を単純かつ確実なものとし、熟練した作業者でなくでも面倒な操作を必要とせずに、簡単に操作可能なプリンターが望まれる場合がある。
【0005】
さらに、上記印字用紙への印字内容について改ざん防止や不正行為防止が必要な場合には、印字作業現場の作業者にも容易に印字データを改変することができないように印字データの機密性を保持する工夫が必要であるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−238390号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は以上のような諸問題にかんがみなされたもので、パソコンその他のホストコンピューターをプリンターに接続して使用することなしに、かつ、印字作業現場におけるプリンターの操作を単純かつ確実なものとすることができるプリンター、その印字方法および不揮発性メモリーを提供することを課題とする。
【0008】
また本発明は、熟練した作業者でなくでも面倒な操作を必要とせずに、簡単に操作可能なプリンター、その印字方法および不揮発性メモリーを提供することを課題とする。
【0009】
また本発明は、印字データの内容を容易には改変することができないようにしたプリンター、その印字方法および不揮発性メモリーを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち本発明は、印字データなどをUSB(Universal Serial Bus)メモリーその他の不揮発性メモリーに記憶させてプリンターに供給可能とすること、およびプリンターに接続するスキャナーその他の読取り器による作業用コードの読取り操作を活用することに着目したもので、第一の発明は、印字用紙に印字を行う印字部と、この印字部を制御する制御部と、を有するプリンターであって、上記印字部および上記制御部を備えたプリンター本体を有し、上記制御部は、このプリンター本体に接続する読取り器により光学的ないし電磁気的に読み取られる作業用コードの内容と、このプリンター本体に接続する不揮発性メモリーから供給される印字データの内容と、を照合した上で、上記印字部による上記印字用紙への印字を行うように制御することを特徴とするプリンターである。
【0011】
第二の発明は、印字用紙に印字を行う印字部と、この印字部を制御する制御部と、を有するプリンターの印字方法であって、上記プリンターは、上記印字部および上記制御部を備えたプリンター本体を有し、このプリンター本体に接続する読取り器により作業用コードを光学的ないし電磁気的に読み取り、このプリンター本体に接続する不揮発性メモリーから印字データを受信するとともに、上記制御部が、上記読取り器により読み取られた上記作業用コードの内容と、上記不揮発性メモリーから供給された上記印字データの内容と、を照合した上で、上記印字部による上記印字用紙への印字を行うように制御することを特徴とするプリンターの印字方法である。
【0012】
第三の発明は、印字用紙に印字を行う印字部と、この印字部を制御する制御部と、を有するプリンターに接続する不揮発性メモリーであって、上記印字部による上記印字用紙への印字データを保存して、この印字データを上記プリンターに供給可能であるとともに、上記プリンターに接続する読取り器により光学的ないし電磁気的に読み取る作業用コードの内容と、当該不揮発性メモリーが供給する上記印字データの内容と、を上記制御部が照合した上で、上記印字部による上記印字用紙への上記印字データの印字動作を可能としていることを特徴とする不揮発性メモリーである。
【0013】
上記作業用コードは、上記印字データ内に含まれる照合用キーワードを含むことができる。
【0014】
上記制御部は、上記作業用コード内および上記印字データ内の上記照合用キーワードが一致した場合に、上記印字データ中の所望データを上記印字用紙に印字するように制御することができる。
【0015】
上記作業用コードは、上記作業用コード内の上記照合用キーワードを特定するための作業用コード内キーワード特定コマンドを含むことができる。
【0016】
上記印字データは、上記印字データ内の上記照合用キーワードを特定するための印字データ内キーワード特定コマンドを含むことができる。
【0017】
上記読取り器による上記作業用コードの読取り操作ごとに、上記印字部による上記印字用紙への印字を行うことができる。
【0018】
上記プリンター本体には、表示部を設けているとともに、上記読取り器による上記作業用コードの読取り操作を督促する内容をこの表示部に表示することができる。
【0019】
上記作業用コードは、バーコードあるいは二次コードを含むことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によるプリンター、その印字方法および不揮発性メモリーにおいては、USBメモリーなどの不揮発性メモリーに印字データを記憶させてプリンターに供給するとともに、プリンターに接続する読取り器が読み取る作業用コードと上記印字データとを照合するようにしたので、パソコンその他のホストコンピューターにプリンターを接続することなく、印字作業現場において簡単な操作で印字動作を実行可能である。
【0021】
とくに第一の発明のプリンターによれば、プリンター本体に接続する読取り器により光学的ないし電磁気的に読み取られる作業用コードの内容と、プリンター本体に接続する不揮発性メモリーから供給される印データの内容と、を照合した上で、印字部による印字用紙への印字を行うように制御するので、スタンドアローンタイプのプリンターとして、印字作業現場において、パソコンやデータ入力操作に不慣れな作業であっても簡単に使用可能である。
【0022】
とくに第二の発明のプリンターの印字方法によれば、プリンター本体に接続する読取り器により作業用コードを光学的ないし電磁気的に読み取り、このプリンター本体に接続する不揮発性メモリーから印字データを受信するとともに、読取り器により読み取られた作業用コードの内容と、不揮発性メモリーから供給された印字データの内容と、を照合した上で、印字部による印字用紙への印字を行うように制御するので、データ処理に不慣れな作業者であっても、面倒なデータないしコマンド入力操作を必要とせずに確実かつ簡単に印字作業を行うことができる。
【0023】
とくに第三の発明の不揮発性メモリーによれば、印字部による印字用紙への印字データを保存して、この印字データをプリンターに供給可能であるとともに、プリンターに接続する読取り器により読み取る作業用コードの内容と、当該不揮発性メモリーが供給する印字データの内容と、をプリンターの制御部が照合した上で、印字部による印字用紙への印字データの印字動作を可能としているので、任意のスタンドアローンタイプのプリンターに接続して利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施例によるプリンター1の概略ブロック図である。
図2】同、USBメモリー12からプリンター1に供給される印字データの内容の一例、およびスキャナー13により読み取られる作業用コード17の内容の一例を概略的に示す説明図であって、図2(1)は、USBメモリー12からの印字データの内容のうち、印字データ内の照合用キーワード18(たとえば、「AAA」)の説明図、図2(2)は、この照合用キーワード18を特定するための印字データ内キーワード特定コマンド19の説明図、図2(3)は、スキャナー13により読み取られる作業用コード17の内容のうち、作業用コード17内の照合用キーワード18の説明図、図2(4)は、この照合用キーワード18を特定するための作業用コード内キーワード特定コマンド20の説明図である。
図3】同、プリンター1の印字動作を説明するフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、不揮発性メモリーによる印字データの供給、および読取り器による作業用コードの読取り操作という比較的単純かつ確実な操作で、パソコンやデータ入力操作に不慣れな作業であっても印字動作を簡単かつ確実に実行可能なプリンター、その印字方法および不揮発性メモリーを実現した。
【実施例】
【0026】
つぎに本発明の実施例によるプリンター1、その印字方法および不揮発性メモリーを図1ないし図3にもとづき説明する。
図1は、プリンター1の概略ブロック図であって、プリンター1は、たとえばサーマルヘッドおよびプラテンローラーを備えたサーマル印字方式など任意の印字方式によるプリンターである。
プリンター1は、プリンター本体2と、制御部(CPU)3と、ROM4と、RAM5と、操作部6と、表示部7と、印字部8と、USB接続端子9と、スキャナー接続端子10と、電源スイッチ11と、を有する。
【0027】
プリンター本体2は、スタンドアローンタイプであって、ROM4、RAM5、操作部6、表示部7、印字部8、USB接続端子9、スキャナー接続端子10および電源スイッチ11を備えており、USB接続端子9にUSBメモリー(不揮発性メモリー)12を接続可能としてあるとともに、スキャナー接続端子10にスキャナー(読取り器)13を接続可能としてある。
【0028】
制御部3は、ROM4にあらかじめ保存されているプログラムにもとづき、RAM5を作業領域として、操作部6、表示部7および印字部8を制御する。
【0029】
操作部6および表示部7は、キー操作ないしタッチ操作により、必要なデータやコマンドの入力および表示を行うことができる。
【0030】
印字部8は、任意の印字方式により、印字用紙(たとえばラベル14)に所定の情報を印字して、プリンター本体2外に排出発行する。
【0031】
USB接続端子9に接続するUSBメモリー12は、印字作業現場に配置されている当該プリンター1とは別の作業場に設置した任意のパソコンその他のホストコンピューター15において必要な印字データをあらかじめ作成し保存してある。
USBメモリー12をUSB接続端子9に接続して、電源スイッチ11をオンとすることにより、プリンター1のRAM5内の受信バッファに上記印字データを供給可能である。
【0032】
上記印字データの内容としては、印字部8によるラベル14への印字内容はもちろん、印字用のコマンドや照合用キーワードおよび必要なアプリケーションソフトウェアなどを含むことができる(図2にもとづき後述)。
【0033】
スキャナー接続端子10に接続するスキャナー13は、たとえば、シート状材料などから作成された作業用リスト16にあらかじめ印刷ないし準備されている各種の作業用コード17の内容を光学的ないし電磁気的に読み取る。
【0034】
作業用コード17としては、たとえば、バーコードあるいは二次コード、さらには、無線データ通信が可能なRFID(Radio Frequency Identification;無線自動認識)技術を応用したRFID媒体による各種コードなどを含み、ラベル14を貼り付ける物品ないし商品の名称や特性、配送先、メーカー名、その他の識別用情報であって、いずれかの作業用コード17をスキャナー13が読み取る操作をトリガーとしてプリンター1によるラベル14への印字動作を行う。
なお、作業用コード17がRFID媒体による各種コードを含む場合には、読取り器として無線データ通信が可能な読取り器を準備する。
【0035】
図2は、USBメモリー12からプリンター1に供給される印字データの内容の一例、およびスキャナー13により読み取られる作業用コード17の内容の一例を概略的に示す説明図である。
図2(1)は、USBメモリー12からの印字データの内容のうち、印字部8によるラベル14への上記印字内容の他に、印字データ内の照合用キーワード18(たとえば、「AAA」)の説明図、図2(2)は、この照合用キーワード18を特定するための印字データ内キーワード特定コマンド19の説明図である。USBメモリー12からの印字データの内容は、照合用キーワード18および印字データ内キーワード特定コマンド19を含む。
照合用キーワード18および印字データ内キーワード特定コマンド19は、任意のキーワードおよびコマンドをあらかじめ設定しておくことができる。たとえば、図2(2)の印字データ内キーワード特定コマンド19は、図2(1)の印字データ内の照合用キーワード18の位置およびその内容を指定するコマンドとすることができる。
【0036】
図2(3)は、スキャナー13により光学的ないし電磁気的に読み取られる作業用コード17の内容のうち、作業用コード17内の上記照合用キーワード18の説明図、図2(4)は、この照合用キーワード18を特定するための作業用コード内キーワード特定コマンド20の説明図である。スキャナー13からの作業用コード17の内容は、照合用キーワード18および作業用コード内キーワード特定コマンド20を含む。
作業用コード内キーワード特定コマンド20は、印字データ内キーワード特定コマンド19と同様に、任意のコマンドをあらかじめ設定しておくことができる。
【0037】
前記制御部3は、プリンター本体2に接続するスキャナー13により読み取られる作業用コード17の内容(たとえば、上記照合用キーワード18)と、プリンター本体2に接続するUSBメモリー12から供給される印字データの内容(たとえば、上記照合用キーワード18)と、を照合した上で、印字部8によるラベル14への印字を行うように制御する。
すなわち、作業用コード17および印字データは、それぞれに含まれる照合用キーワード18を含んでおり、制御部3は、作業用コード17内および印字データ内の照合用キーワード18が一致した場合に、印字データ中の所望データ(たとえば、図2(1)に示している「BBB」)をラベル14に印字するように制御する。
とくに図1に示すように、上記所望データとしては、上記「BBB」(具体的には、たとえば部品の認証番号21)のほかに、上記照合用キーワード18(たとえば、「AAA」)、さらには、バーコードや二次コード、日付け、システム名およびメーカー名など(図1を参照)必要な印字内容を選択可能である。
【0038】
さらに、スキャナー13による作業用コード17の一回の読取り操作ごとに、印字部8による一枚のラベル14への印字を行う。
【0039】
こうした構成のプリンター1の印字動作について、図3にもとづき説明する。
図3は、プリンター1の印字動作を説明するフローチャート図であって、まずステップS1において、USBメモリー12をUSB接続端子9に接続し、電源スイッチ11をオンとすることにより、USBメモリー12に保存されている印字データをプリンター1のRAM5における受信バッファに供給する。
ステップS2において上記印字データを取得し、その内容を解析する。とくに、図2(1)、(2)において説明したように、印字データ内キーワード特定コマンド19にもとづいて印字データ内の照合用キーワード18の内容(「AAA」)を特定する。
【0040】
ステップS3において、スキャナー13により作業用リスト16の必要な作業用コード17を読み取ったか否かを判断する。
まだ読み取る操作を行っていなければ、ステップS4においてスキャナー13による読取り操作を作業者に督促する。具体的には、たとえば、スキャナー13による作業用コード17の読取り操作を督促する内容を表示部7に表示することにより、作業者は、スキャナー13の読取り操作を行うタイミングであることを理解する。
【0041】
スキャナー13による読取り操作が行われれば、ステップS5において、作業用コード17の内容を取得するとともにこれを解析する。とくに、図2(3)、(4)において説明したように、作業用コード内キーワード特定コマンド20にもとづいて作業用コード17内の照合用キーワード18の内容(「AAA」)を特定する。
【0042】
つぎのステップS6において、作業用コード17および印字データ内の照合用キーワード18をチェックし、制御部3は、スキャナー13からの照合用キーワード18と、USBメモリー12からの照合用キーワード18と、を照合し、それぞれの照合用キーワード18が互いに一致していれば、ステップS7において日付を取得し、ステップS8において印字部8によるラベル14への印字を行う。
【0043】
この印字ののち、ステップS3に戻って、スキャナー13による作業用コード17の読取り操作を確認する。要するに、スキャナー13による読取り操作ごとに、これをトリガーとしてラベル14への印字動作を順次行う。
【0044】
ステップS6において照合用キーワード18が一致しない場合には、ステップS9においてデータエラーとして、エラー表示を表示部7に行うととに、ステップS3に戻って、スキャナー13による作業用コード17の読取り操作を確認する。
【0045】
なお、ラベル14への印字内容として、改ざん防止や不正行為防止が必要な内容がある場合には、図2に示したような内容からその必要データ(たとえば、ある部品の認証番号21である「BBB」)を取得してラベル14に印字することができる。
すなわち、照合用キーワード18および印字したい所望データについては、印字作業現場とは離れた別の場所に設置されているパソコンその他のホストコンピューター15の作業者のみがこれを必要に応じて入力変更可能であって、印字作業現場での作業者は、照合用キーワード18および印字したい所望データを変更することはできず、かくして、ラベル14への印字内容の改ざん防止および不正行為防止を図ることができる。
【0046】
さらに、USBメモリー12(不揮発性メモリー)としては、印字部8によるラベル14への印字データを保存して、この印字データをプリンター1に供給可能であるとともに、プリンター1に接続するスキャナー13により読み取る作業用コード17の内容と、当該USBメモリー12が供給する印字データの内容と、を制御部3が照合した上で、印字部8によるラベル14への印字データの印字動作を可能としているので、スタンドアローンタイプのプリンター1に接続して、これを使用することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 プリンター
2 プリンター本体
3 制御部
4 ROM
5 RAM
6 操作部
7 表示部
8 印字部
9 USB接続端子
10 スキャナー接続端子
11 電源スイッチ
12 USBメモリー(不揮発性メモリー)
13 スキャナー(読取り器)
14 ラベル(印字用紙)
15 パソコンその他のホストコンピューター
16 作業用リスト
17 作業用コード
18 照合用キーワード(「AAA」、図1図2(1)、図2(3))
19 印字データ内キーワード特定コマンド(図2(2))
20 作業用コード内キーワード特定コマンド(図2(4))
21 部品の認証番号(「BBB」、図1図2(1))
図1
図2
図3