特許第6366192号(P6366192)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6366192
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】円形掘進機
(51)【国際特許分類】
   E21D 9/087 20060101AFI20180723BHJP
【FI】
   E21D9/087 B
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-232161(P2015-232161)
(22)【出願日】2015年11月27日
(65)【公開番号】特開2017-96071(P2017-96071A)
(43)【公開日】2017年6月1日
【審査請求日】2017年7月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】599111965
【氏名又は名称】株式会社アルファシビルエンジニアリング
(73)【特許権者】
【識別番号】515330638
【氏名又は名称】清田エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081824
【弁理士】
【氏名又は名称】戸島 省四郎
(72)【発明者】
【氏名】酒井 栄治
【審査官】 亀谷 英樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−360179(JP,A)
【文献】 特開2001−049990(JP,A)
【文献】 特開平01−163395(JP,A)
【文献】 特開2002−138795(JP,A)
【文献】 特開2000−257385(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0164274(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21D 9/04−9/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤を円形に掘削する回転カッタを機体の円形胴管の前方に設け、胴管内部に設けた駆動装置で同回転カッタを回動する円形掘進機において、
前記回転カッタは、円形胴管の中心軸まわりに前記駆動装置によって回動する回転盤と、同回転盤の中心軸から偏心した複数の位置に設けられた前方に突出した自転軸と、同自転軸を回転盤の回転速度より速い回転速度で回動させる前記駆動装置又は別の独立駆動源を用いて回動させる回動手段と、前記自転軸に対して直角方向に延びてその中間位置で自転軸の軸端に軸着されたビット取付アームと、同ビット取付アームの前面に固着された複数のビットとから構成されるものであり、しかもビット取付アームは自転軸の軸心に対して左右同一の長さであり、固着したビットも自転軸の軸心に対して左右対称の位置に対に設け、更に自転軸の位置が回転盤の回転中心軸から同一径の円周上にあって同じ位相差をもって配置され、自転軸の軸心の回転盤の回転中心軸の軸心からの距離rを胴管の半径より少し大きい余堀を含んだ掘削円の半径Lの半分の長さとし、しかもビット取付アームの長さを前記半径Lと略同じくし、更に各ビット取付アームは自転で互に接触しないように自転軸に対するビット取付アームの所要の取付角度をもって取付け、ビット取付アームが自転公転して同ビット取付アームの各ビットは均一に掘削して、ビット磨耗も均一となり、しかも回転カッタの公転中心部の未掘削部分を少なくして、ビットの掘削磨耗の均一性と混合撹拌を高め、しかも自転軸の数は3個で且つその取付けの各自転軸の位置の位相差は回転盤の回転中心軸まわりに120°とし、更に円形掘削機の機体となる円形胴管1の管中心部に固定の排土管を設け、又前記円形胴管の内面に近い外径を有して円形胴管の中心軸まわりに回転する回転筒を設け、同回転筒の後方の筒内面にリング状の後内歯を固着し、同後内歯に噛合する駆動歯車を120°の位相差をもって3個軸支するとともに同駆動歯車を回動する駆動装置を設け、回転筒の前方の筒内面にはリング状の前内歯を設け、又その内側の排土管の外周にリング状の固定外歯を設け、同固定外歯と前記リング状前内歯との間に両方の内外歯と歯合する遊星歯車を同一円周で120°位相差をもって3個設け、同遊星歯車の回転軸を前方へ延伸して回転筒の前部に固着した回転盤で軸承してその前方に突出した軸部分を自転軸とし、同自転軸の軸先端部にその軸心方向と直角に延びたビット取付アームを固着し、同ビット取付アームの前面にビットをその軸心まわりに左右対称の位置に固設した、円形掘進機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地盤を断面円形に掘削する掘進機であって、掘削の回転カッタに用いるビットの磨耗の均一化と、回転カッタの面盤との付着力によるスリット(取込み部)閉塞を発生を少なくし、又スポーク式回転カッタにおけるセンター付近の掘削が極端に悪くなる点を解決する回転カッタの構造・機構の改良技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の推進工法又はシールド工法に使用される円形掘進機の駆動方式としては、下記a,b,cのものが存在し、それぞれ長所・欠点がある。
a.センタ支持駆動方式(センタ主軸からスポークアームを張出したカッタ駆動方式)は、堆積地盤・軟弱地盤が中心で硬質地盤の掘進には不向きである。
b.中間支持駆動方式(掘進機の中心と最外周の丁度中間付近の半径のところに駆動回転部を設け、その回転体から前方に支持アームを突き出して、前面のカッタを支える構造)は構造的なバランスが最良であり、大口径で広範囲の地盤に適する。
c.外周駆動支持方式は最外周が回転する構造で、硬質土や玉石地盤には適するが、粘性土には付着が著しく不向きである。カッタ室内の空間が広い。
【0003】
上記の既存駆動支持方式は、構造上の長所や利点はそれぞれの駆動方式には特徴があるものの、掘削に関して根本的な問題は解決されていない。
すなわち、上記a,b,cの支持方式で構造上の違いはあるものの、どの構造においても常にカッタ回転軸は同心円(中心点)を中心としているため、最外周と内周に配置されたカッタビット周速度が半径の違いによって極端に変化する難点がある(最外周速度:概ね25m/分〜中心は0m/分)。
【0004】
そのために、どの構造を使用したとしても常に掘進機の中心部は掘削−攪拌−混合のメカニズムが効果的に作用せず、中心部は地山のままの「生掘削(生地盤のままの掘削土砂)」が生じることには変わりはない。又、ビットの稼働距離は最外周ビットが内周に配置されたビットより必然的に長くなり、磨耗度に違いが発生する。
すなわち、ビット磨耗は外周ほど周速が速い分仕事量が大きく、磨耗が大きく、内周の稼働距離は短い分周側も遅くなり、磨耗量が少なくなるのが一般的である。
すなわち、内周、外周のビット回転速度差に著しい違いがあるために、掘削トルクや喰い込み量、その結果発生するビット磨耗度に大きな違いが生じていた。
本出願人が過去に開発した特許文献1の三軸自転公転式の掘進機は、当初駆動部はカッタを取り付けたまま発進側に管内通路として引戻しを行うリターン方式で特許を取得している。又、矩形断面の掘進機でも公転・自転のギア比から偏芯カッタで隅部を掘削可能にしていることで、総称名では「ボックス推進工法」と称している。
【0005】
上記bの駆動方式として、本出願人は開発した特許文献2の発明が存在する。この駆動方式は、公転する複数本の自転軸を遊星ギア機構で自転公転させる機構である。この自転軸に直線的なアームをその中間位置で固着し、同アーム前面にビットを複数取付けるが、アームの自転軸中心からの左右のアーム長さが異にすること及び各自転軸とに所定の自転回転位相差を遊星歯車機構で設けることで矩形状に掘削させることができ、又掘削効率と混合撹拌効果が向上できるようにした。又、センタ付近の掘削も充分にできるようにできた。
【0006】
しかしながら、アームのビットの取付位置が自転軸心から左右対称的でないため、各ビットの磨耗が不均一になるという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−49990号公報
【特許文献2】特許第3422714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、円形掘進機において特に掘削断面が大きくなればなるほど自公転するアームに取付けたビットが均一に磨耗できてビットの使用時間を長くでき、又掘進機の中心部の掘削不足も少なくでき、円形の均一な掘削と高い掘削速度を可能とする円形掘進機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる課題を解決した本発明の構成は、
1) 地盤を円形に掘削する回転カッタを機体の円形胴管の前方に設け、胴管内部に設けた駆動装置で同回転カッタを回動する円形掘進機において、
前記回転カッタは、円形胴管の中心軸まわりに前記駆動装置によって回動する回転盤と、同回転盤の中心軸から偏心した複数の位置に設けられた前方に突出した自転軸と、同自転軸を回転盤の回転速度より速い回転速度で回動させる前記駆動装置又は別の独立駆動源を用いて回動させる回動手段と、前記自転軸に対して直角方向に延びてその中間位置で自転軸の軸端に軸着されたビット取付アームと、同ビット取付アームの前面に固着された複数のビットとから構成されるものであり、しかもビット取付アームは自転軸の軸心に対して左右同一の長さであり、固着したビットも自転軸の軸心に対して左右対称の位置に対に設け、更に自転軸の位置が回転盤の回転中心軸から同一径の円周上にあって同じ位相差をもって配置され、自転軸の軸心の回転盤の回転中心軸の軸心からの距離rを胴管の半径より少し大きい余堀を含んだ掘削円の半径Lの半分の長さとし、しかもビット取付アームの長さを前記半径Lと略同じくし、更に各ビット取付アームは自転で互に接触しないように自転軸に対するビット取付アームの所要の取付角度をもって取付け、ビット取付アームが自転公転して同ビット取付アームの各ビットは均一に掘削して、ビット磨耗も均一となり、しかも回転カッタの公転中心部の未掘削部分を少なくして、ビットの掘削磨耗の均一性と混合撹拌を高め、しかも自転軸の数は3個で且つその取付けの各自転軸の位置の位相差は回転盤の回転中心軸まわりに120°とし、更に円形掘削機の機体となる円形胴管1の管中心部に固定の排土管を設け、又前記円形胴管の内面に近い外径を有して円形胴管の中心軸まわりに回転する回転筒を設け、同回転筒の後方の筒内面にリング状の後内歯を固着し、同後内歯に噛合する駆動歯車を120°の位相差をもって3個軸支するとともに同駆動歯車を回動する駆動装置を設け、回転筒の前方の筒内面にはリング状の前内歯を設け、又その内側の排土管の外周にリング状の固定外歯を設け、同固定外歯と前記リング状前内歯との間に両方の内外歯と歯合する遊星歯車を同一円周で120°位相差をもって3個設け、同遊星歯車の回転軸を前方へ延伸して回転筒の前部に固着した回転盤で軸承してその前方に突出した軸部分を自転軸とし、同自転軸の軸先端部にその軸心方向と直角に延びたビット取付アームを固着し、同ビット取付アームの前面にビットをその軸心まわりに左右対称の位置に固設した、円形掘進機
にある。
【発明の効果】
【0010】
本発明回転カッタは、円形掘進機の円形胴管の前部で円形胴管の管中心まわりに回転する回転盤の回転中心から所定距離r離れた位置で自転する自転軸を複数設け、同自転軸の軸先端にビット取付アームを直角に取付けるとともに、ビット取付アームの自転軸の軸心からアーム先端までの長さ(L/2)を同じにし、
ビット取付アームの自転軸の軸心からの長さ(L/2)と自転軸の円形胴管の管中心までの長さrの合計長さ(r+L/2)を円形胴管の半径(D/2)より少し長くし、更に同ビット取付アームに掘削用ビットを左右対称(自転軸対称)に取付けたことで掘削ビットは円形胴管の管中心まわりに公転しながら自転軸まわりに自転することで、ビットは円形胴管の直径から少し大きな径(余堀)を均一に掘削・撹拌・混合し、高効率で地山を掘削できる。
しかも、ビットも対称配置され且つ自公転することで各ビットの磨耗も均一になり、ビット交換時期が長く且つ少ない回数で済むようにできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の実施例の内部構造を示す説明図である。
図2図2は、実施例の前面を示す正面図である。
図3図3は、実施例のビット取付アームのビットの取付状態を示す拡大正面図である。
図4図4は、実施例の自転軸の自転公転の回動機構を示す説明図である。
図5図5は、実施例の回転筒の回動機構と自転軸の自転機構を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明で自転軸の回動は、回転筒及び回転盤の回動を駆動するモータと別のモータでもって自転軸を独立して回動させてもよいし、実施例の如く回転盤回転筒を駆動するモータで自転軸の自転回転を生起させてもよい。
【0013】
自転軸の先端に取付けるビット取付アームは、一文字状の一本の長いアームであってもよいし、十文字状の二本の長いアームであってもよい。アームの本数を多くすると回転トルクが大きくなるので、一本アームで回転数を増やす方が回転トルクを小さくできるので好ましい。
【実施例】
【0014】
(符号の説明)
図1〜5に示す実施例の図中の符号についてまず説明する。
Gは本発明の実施例の円形掘進機であり、1は機体の直径Dを1200mm程の円形胴管、1aは円形胴管1の前胴部、1bは円形胴管1の後胴部、2は回転カッタ、3は胴管1のやや内側の位置で回転自在に支持された筒状の回転筒、3aは同回転筒の前面に取付けた回転盤、3bは回転筒3の後方内側に設けたリング状の後内歯、3cは回転筒3の前方内側に設けたリング状の前内歯、3dは回転筒3の軸受部材、3eは回転盤3aの3個に設けた下記の自転軸8を貫通させる軸孔とその外周の軸承部である。4は胴管1の中心部に固設された200mm直径程の排土管、4aは同排土管の外周に設けたリング状固定外歯、5は回転筒3の内側のリング状の後内歯と噛合した駆動遊星歯車、6は同駆動遊星歯車を回動させる減速機付モータ、7は回転筒3の内側の前内歯3cと排土管4の外周のリング状外歯4aとの間に噛合した遊星歯車、8は同遊星歯車の中心回転軸JCを前方へ長く延伸した自転軸、9は同自転軸の先端に軸心線JCと直角に取付けた長さLのビット取付アーム、10は同ビット取付アームの前面に固着したビット、11はビット取付アームの中央前端に取付けた中央ビット群、12は円形胴管1の前記前胴部1aと後胴部1bとを少量の前後摺動と傾きを許容するように水密状に連接するシーリング部、13は前胴部1aと後胴部1bとを連結する方向修正ジャッキ、14は中央部の排土管4からの排土を後方へ送る後続排土管、15は排土管4の終端に設けたゲートバルブ、16は排土管4の内部の排土の詰り防止の進退自在で回転する削孔ビット軸、17は削孔ビット軸を回動する削孔モータ、18はビット取付アーム9の背面に取付けた撹拌混合用羽根である。
実施例の回転カッタ2は3個の自転軸8,その自転軸8の先端部に直角に取付けられたビット取付アーム9,そのアーム前面に取付けられたビット10,中央ビット群11とからなる。KCは円形胴管1の管中心線で回転盤3aの中心線でもある。JCは自転軸8の軸心線である。
【0015】
(実施例の構造)
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
実施例の円形掘進機Gは1200mm外径程の円形胴管1の中心部に固定された200mm直径の排土管4があり、同排土管の外側で円形胴管1の内側に外径が近い回転筒3が配置されている。同回転筒3の後方の筒内側にリング状の後内歯3bが固着され、同後内歯に駆動歯車5が120°の位相差をもって3個定位置で噛合している。同駆動歯車5は円形胴管1に固定された3個のモータ6でもって回動されている。
そして、回転筒3の前方の筒内側にはリング状の前内歯3cが設けられ、又その対向した排土管4の外周にはリング状の固定外歯4aが設けられ、同固定外歯4aと前記回転筒3とともに回転する内側のリング状の内歯車3cとの間に遊星歯車7が前記の前内歯3cと固定外歯4aともに噛合するように120°位相差をもって3個取付けられている。この遊星歯車7の回転軸を前方に長く延伸して、自転軸8としている。そして、前記回転筒3の前面に3つの前記自転軸8を軸支するように連結する回転盤3aが取付けられている。
【0016】
更に、この3個の自転軸8の先端で円形胴管1の先端より少し前方に突出した位置で自転軸8の軸心線JCと直交する方向にビット取付アーム9を取付け、又そのビット取付アーム9は自転軸8の軸心からアーム先端までの左右の長さ(L/2)は同じにし、又ビット取付アーム9の前面には左右対称にビット10を固着させている。又、ビット取付アーム9の軸心前面部にも中央ビット群11を配置している。そして、ビット取付アーム9の自転軸8の軸心線JCからアーム先端までの長さ(L/2)と、自転軸の軸心線JCと円形胴管1の中心軸線KC(排土管4の外周の固定外歯4aの中心)までの長さrの径の合計長さ(r+L/2)の径、即ちビット取付アーム9の先端の回転軌跡の外側包絡線(削孔線)Kの径が円形胴管1の外径より長くしていて、余掘できるようにしている。この3個のビット取付アーム9にビット10が複数左右対称的に取付けることで回転カッタ2を構成している。
【0017】
(動作)
このビット取付アーム9の回転は、モータ6で回動される駆動歯車5が回転筒3の筒内側の後内歯3bの歯合によって回転筒3が所定の回転数で回転する。一方、回転筒3の内側の前内歯3cと排土管4外周に固設した固定外歯4aの間に噛合する遊星歯車7は回転盤3a(回転筒3)の公転(円形胴管1又は排土管4の管中心軸KCまわりの回転)するとともに、回転する回転筒3の内側の前内歯3cと排土管4外周の固定外歯4aとの歯合で、自転軸8は所定の回転数で回転する(自転する)。
【0018】
よって、各自転軸8の先端に取付けて回転盤3aで軸承されて胴管1の管中心まわりに回転(公転)するビット取付アーム9のビット10は自転軸8まわりに自転しながら回転盤3aの胴管中心(排土管中心)まわりの公転を行うこととなって、3基の自公転するビット取付アーム9に固着したビット10は、円形胴管1の外径より少し外側まで掘削し、又円形胴管1の内側は自公転する3個のビット取付アーム9のビット10で均一に掘削・撹拌・混合する。円形胴管1の中心部分域を直接掘削せずに残すが、これも3基のビット取付アームの先端での地山掘削でその未掘削の中央個所も崩れて全て掘削され、地山・泥土は中心の排土管4へ送り込まれて掘進機内から外部へ搬送される。
【0019】
ビット取付アーム9に取付けられたビット10及び中央ビット群11は自公転することで、地山に対し同じような均一の削孔を行うことになり、ビットの磨耗が均一になり、特定位置に取付けられたビット10が強く削孔して速く磨耗する等の偏りが生じることがなくなり、均一に各ビット10は削孔して磨耗することで各ビットの磨耗が逆に少なくなって、長時間交換せずにビットを使用できるようになる。
【0020】
望ましくは、3個のビット取付アーム9が全て円形胴管1内部に収まる回転盤3a又は回転筒3の回転角度があるように各ビット取付アーム9の自転軸8との取付角度が設定できれば、ビット取付アーム9・回転盤3aごと円形胴管1内を介して回収でき易くなる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明は、掘削する削孔の小さいものでも使用でき、小径削孔でも利用できる。又、シールド工法の大口径の削孔にも使用できる技術である。
【符号の説明】
【0022】
G 円形掘進機(実施例)
削孔線
ビット取付アームのアーム先端軌跡
KC 管中心線
JC 自転軸の軸心線
1 円形胴管
1a 前胴部
1b 後胴部
2 回転カッタ
3 回転筒
3a 回転盤
3b 後内歯
3c 前内歯
3d 軸受部材
3e 軸承部
4 排土管
4a 固定外歯
5 駆動歯車
6 モータ
7 遊星歯車
8 自転軸
9 ビット取付アーム
10 ビット
11 中央ビット群
12 シーリング部
13 方向修正ジャッキ
14 後続排土管
15 ゲートバルブ
16 削孔ビット軸
17 削孔モータ
18 撹拌混合用羽根
図1
図2
図3
図4
図5