特許第6366238号(P6366238)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6366238
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】グルコース水溶液の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C13K 1/02 20060101AFI20180723BHJP
   C12P 7/06 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
   C13K1/02
   C12P7/06
【請求項の数】8
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-166151(P2013-166151)
(22)【出願日】2013年8月9日
(65)【公開番号】特開2015-33352(P2015-33352A)
(43)【公開日】2015年2月19日
【審査請求日】2016年4月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】507085667
【氏名又は名称】株式会社 DNAセキュリティー研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100112438
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻井 健一
(72)【発明者】
【氏名】大島 淳
【審査官】 植原 克典
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−104983(JP,A)
【文献】 特開昭59−098700(JP,A)
【文献】 木質系原料からのバイオエタノール製造プロセス,三井造船技報,2010年,No.201,p.24-29
【文献】 酸によるセルロースの糖化に関する研究,宇部工業高等専門学校研究報告,1988年,第34号,p.75-78
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C13K 1/02
C12P 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイオマスを加水分解してグルコース水溶液を得る方法であって、
バイオマスを0.01〜7重量%の鉱酸水溶液中で加熱処理してから処理液と残渣とに分離する第1処理工程(1)と、
前の処理工程で得た残渣を第1処理工程と同じ濃度の鉱酸水溶液中で加熱処理してから処理液と残渣とに分離する第2処理工程(2)と
を含むことを特徴とするグルコース水溶液の製造方法。
【請求項2】
第2処理工程(2)を2〜8回繰り返す請求項1に記載のグルコース水溶液の製造方法。
【請求項3】
処理液をアルカリで中和する中和工程(3)を含む請求項1又は2に記載のグルコース水溶液の製造方法。
【請求項4】
鉱酸が硫酸、塩酸、過塩素酸又は硝酸である請求項1〜3のいずれかに記載のグルコース水溶液の製造方法。
【請求項5】
アルカリが水酸化カリウム及び/又は水酸化カルシウムである請求項3又は4に記載のグルコース水溶液の製造方法。
【請求項6】
第1処理工程及び第2処理工程の加熱処理の温度が90〜200℃である請求項1〜5のいずれかに記載のグルコース水溶液の製造方法。
【請求項7】
中和工程(3)の後に、中和塩を分離回収する分離工程(4)を含む請求項3〜5のいずれかに記載のグルコース水溶液の製造方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載されたグルコース水溶液の製造方法で得たグルコース水溶液を発酵させてエタノールを製造することを特徴とするバイオエタノールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グルコース水溶液の製造方法に関する。さらに詳しくは、バイオエタノール発酵用のグルコース水溶液として好適なグルコース水溶液の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
グルコース水溶液を得る方法として、「固形バイオマスを酸濃度の異なる2種以上の酸処理液による処理工程で順次処理し、各処理工程で処理液から上清と固形物とを分離し、分離した固形物を引き続き酸処理工程で処理する操作を繰り返すことによって、各処理工程で種類の異なる糖組成物を分離、回収する工程を含むことを特徴とする複数種の糖組成物を製造する方法」が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−89573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された方法では、イオン交換樹脂法、膜濃縮法や吸着法等によって糖を回収しなければならず、操作が煩雑で、複雑な装置が必要であるという問題がある。
本発明の目的は、バイオマスを原料として、簡便かつ迅速に、グルコース水溶液を得ることができる製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のグルコース水溶液の製造方法の特徴は、バイオマスを加水分解してグルコース水溶液を得る方法であって、
バイオマスを0.01〜7重量%の鉱酸水溶液中で加熱処理してから処理液と残渣とに分離する第1処理工程(1)と、
前の処理工程で得た残渣を第1処理工程と同じ濃度の鉱酸水溶液中で加熱処理してから処理液と残渣とに分離する第2処理工程(2)と
を含む点を要旨とする。
【0006】
本発明のバイオエタノールの製造方法の特徴は、上記のグルコース水溶液の製造方法で得たグルコース水溶液を発酵させてエタノールを製造する点を要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明のグルコース水溶液の製造方法によると、簡便かつ迅速に、グルコース水溶液を得ることができる。
【0008】
本発明のバイオエタノールの製造方法のよると、上記のグルコース水溶液の製造方法で得たグルコース水溶液を用いるので、簡便かつ迅速に、バイオエタノールを得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
バイオマスとしては、セルロースやデンプンを含む生物資源であれば制限なく使用でき、紙(古新聞、古雑誌、古本、故紙等)、木材(建材、廃木材、廃建材、間伐材、剪定材、おがくず等)、農産廃棄物(トウモロコシ穂軸、バガス、籾殻、米ぬか、サゴヤシ、穀物の皮等)、食品廃棄物(残飯、流通不可バナナ、流通不可米等)及び廃植物(草、わら、竹等)が含まれる。
【0010】
鉱酸水溶液としては、セルロースやデンプンを加水分解できる鉱酸の水溶液であれば制限なく使用でき、硫酸、塩酸、過塩素酸又は硝酸の水溶液が含まれる。これらの鉱酸のうち、硫酸、塩酸が好ましい。なお、鉱酸水溶液として、廃鉱酸水溶液(たとえば、廃バッテリー液)を用いることもできる。
【0011】
鉱酸水溶液の濃度としては、0.01〜7重量%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜6重量%、特に好ましくは1〜5重量%である。この範囲であると、さらに簡便かつ迅速にグルコース水溶液を得ることができる。
【0012】
バイオマスを加熱処理する温度は、90〜200℃が好ましく、さらに好ましくは100〜190℃、特に好ましくは105〜180℃である。この範囲であると、さらに簡便かつ迅速にグルコース水溶液を得ることができる。
【0013】
バイオマスを加熱処理する時間は、30分〜6時間が好ましく、さらに好ましくは40分〜4時間、特に好ましくは1〜3時間である。この範囲であると、さらに簡便かつ迅速にグルコース水溶液を得ることができる。
【0014】
バイオマスの使用量はバイオマスの種類等に応じて適宜決定できるが、鉱酸水溶液の重量に基づいて、1〜30重量%が好ましく、さらに好ましくは3〜20重量%、特に好ましくは5〜10重量%である。この範囲であると、さらに簡便かつ迅速にグルコース水溶液を得ることができる。
【0015】
加熱処理は、耐熱性及び耐酸性のある加熱容器で処理でき、ステンレス製容器等が使用できる。ステンレス製容器のうち、耐圧ステンレス製容器が好ましい。
【0016】
バイオマスを0.01〜5重量%の鉱酸水溶液中で加熱処理すると、バイオマスがグルコース等に加水分解される(フラノース等も僅かに生成する。)ので、グルコールを含む水溶液が処理液として得られる。なお、グルコースは、α−グルコール及びβ−グルコースの両方を意味し、これらは水溶液中で平衡状態となっている。
【0017】
処理液と残渣(加水分解が未完了の処理残渣)とは、公知の分離方法(デカンテーション、ろ過、遠心分離等の固液分離)で分離される。残渣は第2処理工程(2)に供される。
【0018】
第2処理工程(2)において、第1処理工程(1)で用いたバイオマスを第1処理工程(1)で得た残渣に置き換える他は、第1処理工程(1)と同じ条件で加熱処理することが好ましい。すなわち、鉱酸水溶液の種類、鉱酸水溶液の濃度、バイオマスを加熱処理する温度、バイオマスを加熱処理する時間について、第1処理工程(1)と第2処理工程(2)とにおいて同じであることが好ましい。また、第2処理工程(2)において、加熱容器や処理液と残渣との分離も第1処理工程(1)と同様であることが好ましい。このように、同じ条件で加熱処理及び分離すると、加水分解の難易度に差があるバイオマスを同時期に処理する際、難加水分解性のバイオマス(セルロースの含有量が多いもの;紙、木材等)を第1処理工程(1)から用いて、易加水分解性のバイオマス(デンプンの含有量が多いもの;バガス、サゴヤシ、米、バナナ等)を第2処理工程(2)で残渣と共に用いるとことができるため、効率よく処理できる。
【0019】
第2処理工程(2)において、残渣の使用量は使用したバイオマス等の種類に応じて適宜決定できるが、鉱酸水溶液の重量に基づいて、1〜30重量%が好ましく、さらに好ましくは3〜20重量%、特に好ましくは5〜10重量%である。この範囲であると、さらに簡便かつ迅速にグルコース水溶液を得ることができる。第2処理工程(2)から易加水分解性のバイオマスを使用する場合、バイオマス及び残渣の合計の使用量はバイオマスの種類等に応じて適宜決定でき、鉱酸水溶液の重量に基づいて、1〜30重量%が好ましく、さらに好ましくは3〜20重量%、特に好ましくは5〜10重量%である。この範囲であると、さらに簡便かつ迅速にグルコース水溶液を得ることができる。
【0020】
第2処理工程(2)は、少なくとも1回行われればよいが、1〜10回行われることが好ましく、さらに好ましくは2〜8回繰り返すことである。
【0021】
第1処理工程(1)及び第2処理工程(2)は、バッチ式(回分式)で行ってもよく、連続式で行ってもよい。多量のバイオマスを処理する場合、特に連続式が好ましく、一つの容器に、連続的にバイオマスを投入しながら、残渣を連続的に排出すると共に、鉱酸水溶液を連続的に投入しながら処理液を連続的に排出することが好ましい(この場合、複数種類のバイオマスを用いる場合、投入箇所を複数設けてもよい。また、鉱酸水溶液の投入箇所は少なくとも2箇所、処理液の排出箇所は少なくとも2箇所であることが好ましい。)。
【0022】
第1処理工程(1)及び第2処理工程(2)で得た処理液は、グルコースを含む水溶液を得るために、中和工程(3)において、アルカリで中和することが好ましい。この場合、第1処理工程(1)で得た処理液と第2処理工程(2)で得た処理液を別々に中和してもよいが、これらの処理液をまとめて中和することが好ましい。
【0023】
アルカリとしては、鉱酸を中和できれば制限なく、アルカリ金属水酸化物(水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、アルカリ土類金属水酸化物(水酸化マグネシウム、水酸化カルシム等)、アルカリ金属炭酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等)、アンモニア等が使用できる。これらのうち、水酸化カリウム、水酸化カルシム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウムが好ましく、さらに好ましくは水酸化カリウム及び水酸化カルシムである。これらの好ましいアルカリを用いると、水に対する中和塩の溶解度が高くないため、中和塩の分離が容易となり、グルコース水溶液中の中和塩濃度を容易に低くすることができる。この中和塩の濃度が低いと、グルコース水溶液を発酵によりバイオエタノールを製造する際、悪影響がない。また、これらの好ましいアルカリを用いると、中和塩を回収して肥料等として有効利用できる。したがって、中和工程(3)の後に、中和塩を分離回収する分離工程(4)を含むことが好ましい。
【0024】
中和塩の分離には、公知の分離方法(デカンテーション、ろ過、遠心分離等の固液分離)等が適用できる。また、分離前に、処理液を中和した中和液を濃縮してもよい。濃縮することにより、グルコース水溶液中の中和塩をさらに低減することができ、グルコース水溶液の濃度も高めることができる。中和液の濃縮方法には、公知の方法{蒸発濃縮(加熱、減圧加熱)、凍結乾燥、逆浸透膜濃縮等}等が適用できる。また、中和塩の分離前に、中和塩を含む中和液を冷却してもよい。中和液を冷却することにより、中和塩の溶解度を低くすることができ、中和塩の含有量をさらに低減できる。
【0025】
本発明のグルコース水溶液の製造方法で得たグルコース水溶液は、バイオエタノールを得るために発酵させることができる。
【0026】
グルコース水溶液を用いる発酵には、公知の方法(装置や条件等)が適用できる。
【実施例】
【0027】
<実施例1>
15mlコニカルチューブ(ファルコンチューブ、ベクトン・ディッキンソン アンド カンパニー製、ポリプロピレン)に、500mM硫酸水溶液10mlと竹パウダ−(ゆめ竹、有限会社八起産業)1gを入れ、ボルテックスミキサーで均一分散した後、蓋をしたコニカルチューブを圧力鍋のお湯に浸漬させて、128℃3時間加熱処理した。ついで、コニカルチューブを冷却してから遠心分離して残渣と処理液とを分離した{第1処理工程(1)}。
残渣を60℃で恒量になるまで乾燥して、乾燥残渣を得た。
【0028】
コニカルチューブに乾燥残渣と500mM硫酸水溶液6mlとを加え、ボルテックスミキサーで均一分散した後、蓋をしたコニカルチューブを圧力鍋のお湯に浸漬させて、128℃3時間加熱処理した。ついで、コニカルチューブを冷却してから遠心分離して残渣と処理液とを分離した{第2処理工程(2)}。第2処理工程(2)をさらに2回繰り返した(なお、500mM硫酸水溶液の使用量は4ml、3mlとした。)。
【0029】
処理液をまとめて、自己検査用グルコース測定器(GLUCOCARD MYDIS、アークレイ株式会社)で、グルコース含有量を測定したところ、0.56gであった。
【0030】
<実施例2>
300ml三角フラスコに、500mM硫酸水溶液100mlと竹パウダ−(ゆめ竹、有限会社八起産業)10gを入れ、ボルテックスミキサーで均一分散した後、圧力鍋のお湯に浸漬させて、128℃6時間加熱処理した。ついで、三角フラスコを冷却してから遠心分離して残渣と処理液とを分離した{第1処理工程(1)}。
残渣を60℃で恒量になるまで乾燥して、乾燥残渣を得た。
【0031】
300ml三角フラスコに乾燥残渣と500mM硫酸水溶液80mlとを加え、ボルテックスミキサーで均一分散した後、三角フラスコを圧力鍋のお湯に浸漬させて、128℃6時間加熱処理した。ついで、三角フラスコを冷却してから遠心分離して残渣と処理液とを分離した{第2処理工程(2)}。第2処理工程(2)をさらに2回繰り返した(なお、500mM硫酸水溶液の使用量は60ml、50mlとした。)。
【0032】
処理液をまとめて、自己検査用グルコース測定器(GLUCOCARD MYDIS、アークレイ株式会社)で、グルコース含有量を測定したところ、4gであった。
【0033】
まとめた処理液のうち175mlを水酸化カリウムで中和してから、25℃で遠心分離して沈殿物を取り除いた後、上清を50mlコニカルチューブ(ファルコンチューブ、ベクトン・ディッキンソン アンド カンパニー製、ポリプロピレン)に移し、乾燥酵母(製パン用酵母白神こだま発酵ドライ、株式会社サラ秋田白神)5gを加えて37℃、93.5時間培養した。その後、酵母を遠心分離し、上清を蒸留して得た留分(94℃)のアルコール度数を測定したところ、2.4重量%であった。
【0034】
<実施例3>
50mlコニカルチューブ(ファルコンチューブ、ベクトン・ディッキンソン アンド カンパニー製、ポリプロピレン)に、0.3M塩酸水溶液10mlとバガス(サトウキビの絞りかす)1gを入れ、ボルテックスミキサーで均一分散した後、蓋をしたコニカルチューブを圧力鍋のお湯に浸漬させて、128℃3時間加熱処理した。ついで、コニカルチューブを冷却してから遠心分離して残渣と処理液とを分離した{第1処理工程(1)}。
残渣を90℃で恒量になるまで乾燥して、乾燥残渣を得た。
【0035】
コニカルチューブに乾燥残渣と0.3M塩酸水溶液4mlとを加え、ボルテックスミキサーで均一分散した後、蓋をしたコニカルチューブを圧力鍋のお湯に浸漬させて、128℃3時間加熱処理した。ついで、コニカルチューブを冷却してから遠心分離して残渣と処理液とを分離した{第2処理工程(2)}。第2処理工程(2)をさらに2回繰り返した(なお、0.3M塩酸水溶液の使用量は2.5ml、1mlとした。)。
【0036】
処理液をまとめて、自己検査用グルコース測定器(GLUCOCARD MYDIS、アークレイ株式会社)で、グルコース含有量を測定したところ、0.2gであった。
【0037】
<実施例4>
300ml三角フラスコに、0.3M塩酸水溶液100mlとバガス(サトウキビの絞りかす)10gを入れ、ボルテックスミキサーで均一分散した後、圧力鍋のお湯に浸漬させて、128℃6時間加熱処理した。ついで、三角フラスコを冷却してから遠心分離して残渣と処理液とを分離した{第1処理工程(1)}。
残渣を60℃で恒量になるまで乾燥して、乾燥残渣を得た。
【0038】
300ml三角フラスコに乾燥残渣と0.3M塩酸水溶液60mlとを加え、ボルテックスミキサーで均一分散した後、三角フラスコを圧力鍋のお湯に浸漬させて、128℃6時間加熱処理した。ついで、三角フラスコを冷却してから遠心分離して残渣と処理液とを分離した{第2処理工程(2)}。第2処理工程(2)をさらに3回繰り返した(なお、0.3M塩酸水溶液の使用量は50ml、40ml、35mlとした。)。
【0039】
処理液をまとめて、自己検査用グルコース測定器(GLUCOCARD MYDIS、アークレイ株式会社)で、グルコース含有量を測定したところ、4.3gであった。
【0040】
<参考例1>
15mlコニカルチューブ(ファルコンチューブ、ベクトン・ディッキンソン アンド カンパニー製、ポリプロピレン)に、500mM硫酸水溶液10mlと竹パウダ−(ゆめ竹、有限会社八起産業)1gを入れ、ボルテックスミキサーで均一分散した後、蓋をしたコニカルチューブを圧力鍋のお湯に浸漬させて、128℃3時間処理した。ついで、コニカルチューブを冷却してから遠心分離して残渣と処理液とを分離した。
【0041】
処理液を、自己検査用グルコース測定器(GLUCOCARD MYDIS、アークレイ株式会社)で、グルコース含有量を測定したところ、0.33gであった。
【0042】
<参考例2>
300ml三角フラスコに、500mM硫酸水溶液100mlと竹パウダ−(ゆめ竹、有限会社八起産業)10gを入れ、ボルテックスミキサーで均一分散した後、圧力鍋のお湯に浸漬させて、128℃6時間処理した。ついで、三角フラスコを冷却してから遠心分離して残渣と処理液とを分離した。
【0043】
処理液を、自己検査用グルコース測定器(GLUCOCARD MYDIS、アークレイ株式会社)で、グルコース含有量を測定したところ、2.2gであった。
【0044】
<参考例3>
50mlコニカルチューブ(ファルコンチューブ、ベクトン・ディッキンソン アンド カンパニー製、ポリプロピレン)に、0.3M塩酸水溶液10mlとバガス(サトウキビの絞りかす)1gを入れ、ボルテックスミキサーで均一分散した後、蓋をしたコニカルチューブを圧力鍋のお湯に浸漬させて、128℃3時間加熱処理した。ついで、コニカルチューブを冷却してから遠心分離して残渣と処理液とを分離した。
【0045】
処理液を、自己検査用グルコース測定器(GLUCOCARD MYDIS、アークレイ株式会社)で、グルコース含有量を測定したところ、0.1gであった。
【0046】
<参考例4>
300ml三角フラスコに、0.3M塩酸水溶液100mlとバガス(サトウキビの絞りかす)10gを入れ、ボルテックスミキサーで均一分散した後、圧力鍋のお湯に浸漬させて、128℃6時間加熱処理した。ついで、三角フラスコを冷却してから遠心分離して残渣と処理液とを分離した。
【0047】
処理液を、自己検査用グルコース測定器(GLUCOCARD MYDIS、アークレイ株式会社)で、グルコース含有量を測定したところ、1.1gであった。