(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の第一の実施態様は、2種類のオルガノポリシロキサンで表面処理された微粒子金属酸化物である。
微粒子金属酸化物は、皮膚外用剤に配合し得る金属酸化物であればその種類は特段限定されない。金属酸化物の例示としては、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウム等があげられる。これらの金属酸化物は、その表面がシリカ、アルミナ等の無機化合物、または脂肪酸金属石鹸、シリコーン等の有機化合物により被覆されてもよい。
【0011】
微粒子金属酸化物は、当該技術分野において微粒子と称される粒子径を有するものであり、例えば、電子顕微鏡観察による一次粒子径が通常5nm以上、好ましくは10nm以上、また通常100nm以下、好ましくは80nm以下のものである。
本実施態様で用いられる微粒子金属酸化物は、紫外線吸収効果に優れることから、微粒子二酸化チタン、及び微粒子酸化亜鉛からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
【0012】
本実施態様で用いる微粒子金属酸化物は、該当する金属の塩を気相中で熱分解する等の常法により調製することが可能であるが、多くの市販品も存在するので、市販品をそのまま用いることもできる。このような市販品としては、具体的には、微粒子二酸化チタンとして、「MTY−110M3S」(テイカ(株)製)、「MTY−02」(テイカ(株)製)、「MT−100TV」(テイカ(株)製)、「MT−500HSA」(テイカ(株)製)、「MT−100T」(テイカ(株)製)、「MT−01」(テイカ(株)製)、「MT−10EX」(テイカ(株)製)、「MT−05」(テイカ(株)製)、「MT−100Z」(テイカ(株)製)、「MT−150EX」(テイカ(株)製)、「MT−100AQ」(テイカ(株)製)、「MT−100WP」(テイカ(株)製)、「MT−100SA」(テイカ(株)製)、「MT−500B」(テイカ(株)製)、「MT−500SA」(テイカ(株)製、「MT−600B」(テイカ(株)製)、「MT−500SAS」(テイカ(株)製)、)「タイペークCR−50」(石原産業(株)製)、「タイペークTTO−M−1」(石原産業(株)製)「タイペークTTO−V4」(石原産業(株)製)、「ST−455」(チタン工業(株)製)、「STT−65C−S」(チタン工業(株)製)、「STT−30EHS」(チタン工業(株)製)、「バイエルチタンR−KB−1」(バイエル社製)等が挙げられる。
【0013】
また、微粒子酸化亜鉛として、「MZ−300」(テイカ(株)製)、「MZY−303S」(テイカ(株)製)、「MZ−306X」(テイカ(株)製)、「MZ−500」(テイカ(株)製)、「MZY−505S」(テイカ(株)製)、「MZ−506X」(テイカ(株)製)、「MZ−510HPSX」(テイカ(株)製)、「WSX−MZ−700」(テイカ(株)製)、「SAMT−UFZO−450」(三好化成(株)製)、「SAMT−UFZO−500」(三好化成(株)製)、「FZO−50」(石原産業(株)製)、「マックスライトZS−032」(昭和電工(株)製)、「マックスライトZS−032D」(昭和電工(株)製)等が挙げられる。
【0014】
本実施態様に係る微粒子金属酸化物は、(a)特定の構造を有する反応性オルガノポリシロキサン、及び(b)少なくとも1つのフェニル基を有するオルガノポリシロキサンで被覆される。
本発明者らは、微粒子金属酸化物を上記(a)、(b)2種類のオルガノポリシロキサンで被覆することで、紫外線吸収剤を含む分散媒中における、微粒子金属酸化物の分散性が改善され、皮膚外用剤とした際に十分な紫外線吸収効果を奏し、かつ、使用感も良いことに想到した。
【0015】
(a)オルガノポリシロキサンは、直鎖状の反応性オルガノポリシロキサンであり、重
合度が25以上100以下、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mnの値が1以上1.3以下であって、少なくとも一方の分子鎖末端にアルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子、アミノ基及びイミノ基からなる群から選択される少なくとも1種を有する。
アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子、アミノ基及びイミノ基からなる群から選択される反応基は少なくとも一方の分子鎖末端に存在すればよく、両方の分子鎖末端に存在してもよいが、微粒子金属酸化物との反応性等の観点からは、一方のみの分子鎖末端にこれらの反応基のうち少なくとも1種が存在すればよい。
アルコキシ基としては、炭素数が1以上5以下のものが好ましく、炭素数が1以上3以下のもの、すなわちメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基がより好ましい。
ハロゲン原子としては、塩素、臭素、ヨウ素等が好ましい。
【0016】
本実施態様に用いられる(a)反応性オルガノポリシロキサンは、重合度が25以上100以下である。好ましくは30以上である。また、60以下であることが好ましく、50以下であることがより好ましい。
重合度をこの範囲とすることで、化粧料に配合した際の使用性、及び微粒子金属酸化物との反応性が良好となる。
【0017】
本実施態様に用いられる(a)反応性オルガノポリシロキサンは、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mnの値(以下、分子量分散度ともいう。)が1以上1.3以下である。Mw/Mnの値がこの範囲内にあることで、分子量分布がシャープとなり、化粧料に配合した際に良好な使用感が得やすくなる。重量平均分子量と数平均分子量は、例えばGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により求めることができる。
【0018】
本実施態様に用いられる(a)反応性オルガノポリシロキサンの具体例としては、以下の一般式(1)および(2)で表されるポリオルガノシロキサンがあげられる。
【化5】
【化6】
【0019】
上記式(1)および(2)中、R
1は独立して、炭素数1〜3のアルキル基から選択される。炭素数1〜3のアルキル基とは、メチル基、エチル基、プロピル基である。
上記式(1)中、R
2は独立して、アルキル基、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子、アミノ基及びイミノ基からなる群から選択され、R
2のうち少なくとも1つは、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子、アミノ基及びイミノ基からなる群から選択される反応基である。アルコキシ基としては、炭素数1〜3のアルコキシ基であることが好ましく、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基が好ましい。ハロゲン原子としては、塩素、臭素、ヨウ素が好ましい。
Rは独立して、単結合、及び二価の炭化水素基から選択され、二価の炭化水素基である場合には、その水素原子が水酸基、メトキシ基、エトキシ基、メチル基、又はエチル基で置換されていてもよい。二価の炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、プロペン基等が例示される。
mは通常25以上、好ましくは30以上であり、また、通常100以下、好ましくは60以下であり、より好ましくは50以下である。
【0020】
上記(a)反応性オルガノポリシロキサンの更なる具体例としては、例えば、ジメチルポリシロキシシラザン、α−モノヒドロキシシロキサン、α,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン、α−モノアルコキシポリジメチルシロキサン、α−ジアルコキシポリジメチルシロキサン、α−トリアルコキシポリジメチルシロキサン、α,ω−ジアルコキシジメチルポリシロキサン、α,ω−ヘキサアルコキシポリジメチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキシクロライド、ジメチルポリシロキシブロミド、及びジメチルポリシロキシイオジド等が挙げられる。
中でも、α−モノアルコキシポリジメチルシロキサン、α−ジアルコキシポリジメチルシロキサン及びα−トリアルコキシポリジメチルシロキサン(例として、α−トリエトキシポリジメチルシロキサン等)が、反応性が非常に良好であり、特に滑らかな感触を付与するので好ましい。
【0021】
上記(b)オルガノポリシロキサンは、フェニル基を有するオルガノポリシロキサンである。(b)オルガノポリシロキサンはフェニル基を有する限り特段その種類は限定されず、例えば、下記一般式(3)で表されるオルガノポリシロキサンを例示できる。
【0023】
上記式(3)中、R
3は独立して、水素、炭素数1〜3のアルキル基、及び炭素数1〜3のアルコキシ基から選択される。好ましくは、R
3は独立して、炭素数1〜3のアルキル基、及び炭素数1〜3のアルコキシ基から選択され、より好ましくは、R
3は独立して、炭素数1〜3のアルキル基から選択される。
R
4は独立して水素、炭素数1〜3のアルキル基、下記一般式(4)で表される基及びフェニル基から選択されるとともに、フェニル基を有するユニットを少なくとも1つ有する。好ましくは、R
4は独立して炭素数1〜3のアルキル基、及びフェニル基から選択されるとともに、フェニル基を有するユニットを少なくとも1つ有する。
nは整数であり、通常3以上、好ましくは5以上、また通常600以下、好ましくは 400以下である。
【化8】
上記式(4)中R
5は独立して炭素数1〜3のアルキル基を表す。
【0024】
上記(b)オルガノポリシロキサンに含まれる好ましい具体例としては、モノフェニルジメチコン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、トリメチルシロキシフェニルジメチコンなどがあげられる。これらは定法に従い調製することもできるが、市販品を用いてもよい。
市販品としては、「シリコーンKF54」(信越化学株式会社製)、「シリコーンKF56」(信越化学株式会社製)、「BELSEL PDM 1000」(旭化成ワッカーシリコーン株式会社製)等が例示される。
上記(b)オルガノポリシロキサンの数平均分子量は特段限定されないが、通常500以上、好ましくは800以上、また通常100000以下、好ましくは80000以下である。
【0025】
上記(a)及び(b)のオルガノポリシロキサンによる、微粒子金属酸化物の表面処理は、定法に従い処理されればよく、例えば必要により溶媒を用いて、ヘンシェルミキサー等の混合機により微粒子金属酸化物とオルガノポリシロキサンを混合し、該混合物を加熱する等の方法があげられる。また、上記(a)及び(b)のオルガノポリシロキサンによる処理の順序についても特段限定されないが、(a)のオルガノポリシロキサンで表面処理を行った後に、(b)のオルガノポリシロキサンで処理することで、本発明の効果がより顕著なものとなり、好ましい。
【0026】
本実施態様に係る微粒子金属酸化物において、上記(a)及び(b)のオルガノポリシロキサンの被覆量は、表面処理後の微粒子金属酸化物に対し、それぞれ通常0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上であり、また、通常25質量%以下、好ましくは20質量
%以下である。オルガノポリシロキサンによる被覆量をこの範囲とすることで、本実施態様に係る微粒子金属酸化物の分散性がより良好となり、皮膚外用剤に配合した際に十分な紫外線吸収効果を発揮し、使用感も良好となる。
【0027】
また、(a)及び(b)のオルガノポリシロキサンの被覆量の比は特段限定されず、通常質量比で(a):(b)=95:5〜5:95であり、好ましくは80:20〜20;80、より好ましくは70:30〜30:70である。
【0028】
本発明の第二の実施態様は、上記第一の実施態様に係る微粒子金属酸化物、及び紫外線吸収剤を含有する皮膚外用剤である。
本実施態様に係る皮膚外用剤において、上記第一の実施態様に係る微粒子金属酸化物の配合量は特段限定されず、化粧料の種類により適宜設定可能であるが、皮膚外用剤全量に対し、通常1質量%以上、好ましくは2質量%以上であり、また、通常70質量%以下、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。
紫外線吸収剤としては、皮膚外用剤に配合し得る紫外線吸収剤であれば特段限定されないが、幅広い波長の紫外線を吸収するために、320〜400nm波長(A領域)の紫外線を吸収するUV−A吸収剤、及び290〜320nm波長(B領域)の紫外線を吸収するUV−B吸収剤を含むことが好ましい。
紫外線吸収剤の配合量は特段限定されず、皮膚外用剤全量に対し、通常0.01質量%以上、好ましくは0.1質量%以上であり、また、通常15質量%以下、好ましくは10質量%以下である。
【0029】
UV−A吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−(2´−ヒドロキシ−5´−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル、ビス(レスルシニル)トリアジン、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、t−ブチルメトキシベンゾイルメタン等の化合物が例示される。この内でも、紫外線吸収能に優れることから、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、及びt−ブチルメトキシベンゾイルメタンが特に好ましい。これらの化合物には市販品が存在するので、市販品をそのまま用いることができる。具体的な市販品としては「ユビナールAプラス グラニュラー」(ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル BASF社製)、「パルソール1789」(t−ブチルメトキシベンゾイルメタン DSM社製)が例示できる。
【0030】
UV−A吸収剤の含有量は、皮膚外用剤全量に対して通常0.01質量%以上、好ましくは0.1質量%以上であり、また、通常5質量%以下、好ましくは3質量%以下である。
【0031】
UV−B吸収剤としては、具体的には、パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル、ジメチコジエチルベンザルマロネート、2,4,6−トリアニリノ−p−(カルボ−2´−エチルヘキシル−1´−オキシ)−1,3,5−トリアジン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸オクチル等の化合物があげられる。これらの化合物には市販品が存在するので、市販品をそのまま用いることができる。具体的な市販品としては、「ユビナールMC80」(パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル BASF社製)、「ユビナールT150」(2,4,6−トリアニリノ−p−(カルボ−2´−エチルヘキシル−1´−オキシ)−1,3,5−トリアジン BASF社製)、「ユビナールM40」(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン BASF社製)、「パルソールSLX」(ジメチコジエチルベンザルマロネート DSM社製)、「パルソール340」(2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル DSM社製)、「パル
ソールHMS」(サリチル酸ホモメンチル DSM社製)、「パルソールEMS」(サリチル酸オクチル DSM社製)が例示できる。
【0032】
UV−B吸収剤の含有量は、皮膚外用剤全量に対して通常0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上であり、また、通常10質量%以下、好ましくは7質量%以下である。上記範囲の含有量により、より良好に紫外線吸収効果を発揮できる。
【0033】
本実施態様に係る皮膚外用剤は、皮膚に外用で投与されるものであれば特段の限定はなく、例えば、医薬部外品を包含する化粧料、皮膚外用雑貨等が好適に例示できる。化粧料として用いられることがより好ましい。
本実施態様に係る皮膚外用剤は、通常知られている、乳液剤形、エッセンス剤形、クリーム剤形、粉体含有剤形の何れをも取ることが出来る。化粧料としては、基礎化粧料、毛髪化粧料、メークアップ化粧料などの何れもが適用可能であるが、紫外線吸
収効果が良好であることから、サンスクリーンに適用することが特に好ましい。
【0034】
本実施態様に係る皮膚外用剤に於いては、前記の成分以外に、通常化粧料や皮膚外用医薬で使用される任意成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、例えば:マカデミアナッツ油、アボカド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類;
流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類;
オレイン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類;
セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール類;
イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類;
ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類;
脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類;
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類;
ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類;
ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタ
ン等) 、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコー
ル脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等) 、POEアルキルエ
ーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類;
ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキシレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類;
ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類;
グアガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、カードラン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビーンガム、サクシノグルカン、カロニン酸,キチン、キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ベントナイト等の増粘剤;
表面を処理されていてもよい、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類;
表面を処理されていてもよい、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類;
表面を処理されていてもよい、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類;
レーキ化されていてもよい赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類;
ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類;
パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、糖系紫外線吸収剤、2−(2'−ヒドロキシ−5'−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキ
シ−4'−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類;
エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類;
ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB
6塩酸塩、ビタミンB
6トリパルミテート、ビタミンB
6ジオクタノエート、ビタミンB
2又はその誘導体、ビタミンB
12、ビタミンB
15又はその誘導体等のビタミンB類、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、
パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類;
などが好ましく例示できる。
【実施例】
【0035】
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明が以下の実施例のみに限定されないことはいうまでもない。
<実施例1>シリコーン被覆微粒子二酸化チタンの製造例1
微粒子二酸化チタン(「タイペークTTO−M−2」 石原産業株式会社製)85g、反応性ポリオルガノシロキサンとしてα-トリエトキシポリメチルポリシロキサン(重合
度30、分子量分散度1.19、片末端基エトキシ基)8.0g及びフェニル基を有するシリコーン(「シリコーンKF54」 信越化学株式会社製)7.0gをイソプロピルア
ルコール50mlに溶解させた溶液をヘンシェルミキサー中で攪拌混合した。
この混合物を150℃で8時間加熱処理し、本発明のシリコー
ン被覆微粒子二酸化チタ
ン1を得た。
【0036】
<実施例2>シリコーン被覆微粒子二酸化チタンの製造例2
微粒子二酸化チタン(「MT−100T」 テイカ株式会社製)85g、反応性ポリオルガノシロキサンとしてα-モノヒドロキシポリシロキサン(重合度35、分子量分散度
1.21、片末端基がモノシラノール基)7.5g及びフェニル基を有するシリコーン(「シリコーンKF56」 信越化学株式会社製)7.5gをイソプロピルアルコール50
mlに溶解させた溶液をヘンシェルミキサー中で攪拌混合した。
この混合物を150℃で8時間加熱処理し、本発明のシリコー
ン被覆微粒子二酸化チタ
ン2を得た。
【0037】
<比較例1>シリコーン被覆微粒子二酸化チタンの製造例3
微粒子二酸化チタン(「タイペークTTO−M−2」 石原産業株式会社製)85g、反応性ポリオルガノシロキサンとしてα-トリエトキシポリメチルポリシロキサン(重合
度30、分子量分散度1.19、片末端基エトキシ基)15.0gをイソプロピルアルコール50mlに溶解させた溶液をヘンシェルミキサー中で攪拌混合した。
この混合物を150℃で8時間加熱処理し、シリコー
ン被覆微粒子二酸化チタン3を得
た。
【0038】
<比較例2>シリコーン被覆微粒子二酸化チタンの製造例4
微粒子二酸化チタン(「タイペークTTO−M−2」 石原産業株式会社製)85g、フェニル基を有するシリコーン(「シリコーンKF54」 信越化学株式会社製)15.
0gをイソプロピルアルコール50mlに溶解させた溶液をヘンシェルミキサー中で攪拌混合した。
この混合物を150℃で8時間加熱処理し、シリコー
ン被覆微粒子二酸化チタン4を得
た。
【0039】
<実施例3>シリコーン
被覆微粒子酸化亜鉛の製造例1
微粒子酸化亜鉛(「マックスライトZS−032」 昭和電工株式会社製)85g、反応性ポリオルガノシロキサンとしてα-トリエトキシポリメチルポリシロキサン(重合度
30、分子量分散度1.19、片末端基エトキシ基)8.0g及びフェニル基を有するシリコーン(「シリコーンKF54」 信越化学株式会社製)7.0gをイソプロピルアル
コール50mlに溶解させた溶液をヘンシェルミキサー中で攪拌混合した。
この混合物を150℃で8時間加熱処理し、本発明のシリコー
ン被覆微粒子酸化亜鉛1
を得た。
【0040】
<実施例4>シリコーン
被覆微粒子酸化亜鉛の製造例2
微粒子酸化亜鉛(「FZO50」 石原産業株式会社製)85g、反応性ポリオルガノシロキサンとしてα-モノヒドロキシポリシロキサン(重合度35、分子量分散度1.2
1、片末端基がモノシラノール基)7.5g及びフェニル基を有するシリコーン(「シリコーンKF56」 信越化学株式会社製)7.5gをイソプロピルアルコール50mlに
溶解させた溶液をヘンシェルミキサー中で攪拌混合した。
この混合物を150℃で8時間加熱処理し、本発明のシリコー
ン被覆微粒子酸化亜鉛2
を得た。
【0041】
<比較例3>シリコーン被覆微粒子酸化亜鉛の製造例3
微粒子酸化亜鉛(「マックスライトZS−032」 昭和電工株式会社製)85g、反応性ポリオルガノシロキサンとしてα−トリエトキシポリメチルポリシロキサン(重合度30、分子量分散度1.19、片末端基エトキシ基)15.0gをイソプロピルアルコール50mlに溶解させた溶液をヘンシェルミキサー中で攪拌混合した。
この混合物を150℃で8時間加熱処理し、シリコー
ン被覆微粒子酸化亜鉛3を得た。
【0042】
<比較例4>シリコーン被覆微粒子酸化亜鉛の製造例4
微粒子酸化亜鉛(「マックスライトZS−032」 昭和電工株式会社製)85g、フェニル基を有するシリコーン(「シリコーンKF54」 信越化学株式会社製)15.0
gをイソプロピルアルコール50mlに溶解させた溶液をヘンシェルミキサー中で攪拌混合した。
この混合物を150℃で8時間加熱処理し、シリコーン被覆微粒子酸化亜鉛4を得た。
【0043】
<試験例1>シリコーン被覆微粒子二酸化チタン、酸化亜鉛の分散安定性
トリ−2エチルヘキサン酸グリセリルとジメチコン(20cs)を質量比7:3で混合した混合油剤26.85g、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル0.15g及び上記で調製したシリコーン被覆微粒子二酸化チタン1〜4及びシリコーン被覆微粒子酸化亜鉛1〜4を、それぞれ3.0gを50mlガラス製スクリュー瓶にとり10分間超音波処理を行い均一分散させた。この分散系を24時間放置し、シリコーン被覆微粒子二酸化チタン及び酸化亜鉛の分散状態を肉眼にて観察した。結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
表1から明らかなように本発明のシリコーン被覆微粒子金属酸化物は、UV吸収剤を含有する油剤中で、優れた分散安定性を有する。
【0046】
<製造例1>シリコーン被覆微粒子二酸化チタンペースト1の調製
50gの実施例1のシリコーン被覆微粒子二酸化チタン1、デカメチルシクロペンタシロキサン46g、セスキイソステアリン酸ソルビタン4gをコボールミル(神鋼パンテック株式会社製)にとり、4時間混合粉砕を行い、シリコーン被覆微粒子二酸化チタンペースト1を得た。
【0047】
<製造例2>シリコーン被覆微粒子酸化亜鉛ペースト1の調製
50gの実施例3のシリコーン被覆微粒子酸化亜鉛1、デカメチルシクロペンタシロキサン46g、セスキイソステアリン酸ソルビタン4gをコボールミル(神鋼パンテック株式会社製)にとり、4時間混合粉砕を行い、シリコーン被覆微粒子酸化亜鉛ペースト1を得た。
【0048】
<実施例5〜8、比較例5〜6>
表2に示す処方に従って、本発明の乳化形化粧料である、油中水形のサンスクリーン化粧料及び比較例の油中水形のサンスクリーン化粧料を調製した。すなわち、成分(イ)を75℃に加熱し、攪拌混合した。次に、成分(イ)に成分(ロ)を添加し、加熱を続けながら、ディスパーを用いて5000rpmで4分間攪拌し、成分(イ)に成分(ロ)を均一に分散させた。さらに、成分(ハ)を75℃に加熱、攪拌混合し、75℃を保ちながら、成分(イ)と成分(ロ)の混合物に成分(ハ)を攪拌下、添加し乳化を行った。その後、室温まで冷却し、油中水形のサンスクリーン化粧料を得た。なお表2中の数字は質量%を表す。
【0049】
【表2】
【0050】
<試験例2>SPF値の測定
ISO24444の方法により実施例5〜8、比較例5〜6のサンスクリーン化粧料を塗布した場合のSPF値を測定した。結果を表3に示す。
【0051】
<試験例3>UVAPF値の評価
ISO24442の試験方法により実施例5〜8、比較例5〜6のサンスクリーン化粧料を塗布した場合のUVAPF値を評価した。結果を表3に示す。
【0052】
<試験例4>保存安定性の評価
実施例5〜8、比較例5〜6のサンスクリーン化粧料を50℃で3ヶ月保存した後、試験例1及び2の方法でSPF値及びUVAPF値を測定した。保存後の測定値の保存前の
塗布直後の測定値対する割合、すなわち、維持率を算出した。維持率が100%に近いほど、保存により紫外線防御効果が低下していないことを意味する。結果を表3に示す。
【0053】
<試験例5>肌上での使用感の評価
熟練評価者5名により実施例5〜8、比較例5〜6のサンスクリーン化粧料を塗布した場合の使用感についての官能評価を行った。さっぱり感を以下の評価基準に基づき評価した。評価では、5名の平均値を求めそのサンスクリーン化粧料の評点とした。また、50℃で3ヶ月保存した後にも同様の評価を行った。結果を表3に示す。
さっぱり感が調製直後の比較例5と比較して:
かなりある 5点
ややある 4点
同等 3点
ややない 2点
かなりない 1点
【0054】
【表3】
【0055】
表3から明らかなように本発明の皮膚外用剤は使用時のさっぱり感に優れ、A領域及びB領域の紫外線に対する防御効果が高い。また、これらの優れた機能は長期間の過酷な保存を経ても維持されている。
【0056】
<実施例9〜12、比較例7〜8>
表4に示す処方に従って、本発明の乳化形化粧料である、水中油形のサンスクリーン化粧料及び比較例の水中油形のサンスクリーン化粧料を調製した。すなわち、成分(イ)を75℃に加熱し、攪拌混合した。次に、成分(イ)に成分(ロ)を添加し、加熱を続けながら、ディスパーを用いて5000rpmで4分間攪拌し、成分(イ)に成分(ロ)を均一に分散させた。さらに、成分(ハ)を75℃に加熱、攪拌混合し、75℃を保ちながら、成分(イ)と成分(ロ)の混合物に成分(ハ)を攪拌下、添加し乳化を行った。その後、室温まで冷却し、水中油形のサンスクリーン化粧料を得た。なお表4中の数字は質量%を表す。また、実施例9〜12及び比較例7〜8のサンスクリーン化粧料について、試験例2〜4と同様に、塗布直後のSPF値及びUVAPF値の測定、保存後のSPF値及びPFA値の測定を行い、SPF値及びUVAPF値の維持率を算出した。また、試験例5と同様に、使用時のさっぱり感を評価した。結果を表5に示す。
【0057】
【表4】
【0058】
【表5】
【0059】
表5の結果から明らかなように本発明の皮膚外用剤は使用時のさっぱり感に優れ、A領域及びB領域の紫外線に対する防御効果が高く、これらの優れた機能は長期間の過酷な保存を経ても維持されていることが水中油剤形においても確認された。