(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
交互に燃焼する一対の蓄熱式燃焼部の夫々に、燃焼用空気を供給する空気供給路及び燃焼ガスを排出する排ガス路が接続され、前記空気供給路を開閉する空気弁、及び、前記排ガス路を開閉する排ガス弁が設けられ、
前記排ガス弁が、弁体を収納する弁ケースと前記弁体を開閉操作する空気圧式のピストンロッドを収納するシリンダケースとを、前記ピストンロッドの軸芯方向に沿って並べる形態に構成され、
前記ピストンロッドが、前記シリンダケースにおける前記弁ケースの存在側のロッド挿通用壁部を貫通する状態で設けられ、
前記ピストンロッドの前記ロッド挿通用壁部の外方に位置する先端部が、前記ピストンロッドの軸芯方向に沿って伸びる姿勢で前記弁体に設けられた弁軸に接続され、
前記ロッド挿通用壁部に、前記ピストンロッドに外嵌する環状パッキンが装着されている蓄熱式交番燃焼装置であって、
前記弁ケースと前記シリンダケースとの間に、外部から冷却用空気が供給される冷却ケースが配置され、
前記冷却ケースと前記弁ケースとの間の仕切用壁部に、前記弁軸又は前記ピストンロッドの外周面に沿って冷却用空気を前記冷却ケースから前記弁ケースに流動させる空気流動孔が形成され、
前記冷却ケースに冷却用空気を供給する冷却用空気供給手段が、前記空気供給路における前記空気弁よりも上流側箇所から分岐して前記冷却ケースに接続される空気案内路を用いて、前記排ガス弁の開状態及び閉状態のいずれにおいても、燃焼用空気を前記空気供給路に供給する給気用送風機にて送風される燃焼用空気の一部を、冷却用空気として、前記冷却ケースに供給するように構成され、
前記冷却ケースと前記シリンダケースとの間に、断熱体が配設されている蓄熱式交番燃焼装置。
前記仕切用壁部における前記空気流動孔の形成箇所に、前記弁軸又は前記ピストンロッドが挿通する空気案内筒が、前記ピストンロッドの軸芯方向に沿う状態で設けられ、前記空気案内筒の内部に、前記空気流動孔が形成されている請求項1記載の蓄熱式交番燃焼装置。
【背景技術】
【0002】
かかる蓄熱式交番燃焼装置は、一対の蓄熱式燃焼部を交互に燃焼させながら、加熱炉を加熱するために利用されるものであり、一対の蓄熱式燃焼部を加熱炉の炉壁部に装備する形態のもの(例えば、特許文献1参照)や、一対の蓄熱式燃焼部をラジアントチューブの両端に装備する形態のもの(例えば、特許文献2参照)がある。
【0003】
特許文献1及び特許文献2には、排ガス弁の具体的な構成については記載されていないが、一般に、排ガス弁は、弁体を収納する弁ケースと、弁体を開閉操作する空気圧式のピストンロッドを収納するシリンダケースとを、ピストンロッドの軸芯方向に沿って並べる形態に構成されることが多く、従来では、弁ケースとシリンダケースとが密着する状態に構成されている。
【0004】
そして、ピストンロッドが、シリンダケースの弁ケース存在側のロッド挿通用壁部を貫通する状態で設けられ、ピストンロッドのロッド挿通用壁部の外方に位置する先端部が、ピストンロッドの軸芯方向に沿って伸びる姿勢で弁体に設けられた弁軸に接続されることになる。
【0005】
シリンダケースのロッド挿通用壁部には、ピストンロッドに外嵌する環状パッキンが装着されて、ピストンロッドを作動させるためにシリンダケースに供給した圧縮空気が、シリンダケースから漏出することを防止することになる(例えば、特許文献3参照。)
ちなみに、環状パッキンは、ピストンロッドの外面に摺接することになるため、ピストンロッドの摩耗を抑制する必要上、ゴム等の柔らかい材質にて形成されることになる。
【0006】
排ガス弁は、弁ケースの内部を高温の燃焼ガスが通流することにより、かなりの高温に加熱されることになる。
ちなみに、空気弁も排ガス弁と同様な形態に構成されることが多いが、空気弁は燃焼用空気が流動するものであるため、高温になることはない。
【0007】
特許文献4には、蓄熱式燃焼部に燃焼用空気を供給する空気供給状態と燃焼ガスを排出する排気状態とに切替える切替弁を備える蓄熱式交番燃焼装置において、排気状態において、空気ブロアにて送風される燃焼用空気の一部を、切替弁の上流側に供給して、切替弁を通流する燃焼ガスの温度を低下させる冷却技術が記載されている。
【0008】
したがって、特許文献4の冷却技術を用い、排ガス弁を通流する燃焼ガスの温度を低下させることが考えられる。
すなわち、燃焼用空気を空気供給路に供給する給気用送風機にて送風させる燃焼用空気の一部を、排ガス路における排ガス弁よりも上流側箇所に供給して、排ガス弁を通流する燃焼ガスの温度を低下させることが考えらえる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
給気用送風機にて送風する燃焼用空気の一部を、排ガス路における排ガス弁よりも上流側箇所に供給して、排ガス弁を通流する燃焼ガスの温度を低下させても、シリンダケースにおけるロッド挿通用壁部に装着した環状パッキンが早期に損傷する虞があり、改善が望まれるものであった。
【0011】
すなわち、環状パッキンは、ピストンロッドの摩耗を抑制する必要上、ゴム等の柔らかい材質にて形成されるものであるから、熱に対する強度が弱い部材である。
そして、燃焼用空気の一部を燃焼ガスに供給する程度では、排ガス弁を通流する燃焼ガスの温度を十分に低下させることができないため、環状パッキンが早期に損傷する虞があった。
【0012】
説明を加えると、弁ケースの内部を燃焼ガスが流動すると、弁ケース、及び、弁体や弁軸が高温に加熱されることになる。
そして、高温に加熱された弁ケースの熱がシリンダケースに伝わって、シリンダケースが加熱される結果、高温になったシリンダケースが環状パッキンを加熱することになり、また、高温に加熱された弁軸の熱がピストンロッドに伝わって、ピストンロッドが加熱される結果、高温になったピストンロッドが環状パッキンを加熱することになる。
【0013】
このように、環状パッキンは、高温状態になったシリンダケースや高温状態になったピストンロッドにて加熱されることになるが、燃焼用空気の一部を燃焼ガスに供給する程度では、排ガス弁を流動する燃焼ガスの温度を十分に低下させることができないため、シリンダケースやピストンロッドの温度が十分に低下しないものとなり、環状パッキンが早期に損傷する虞があった。
【0014】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、シリンダケースにおけるロッド挿通用壁部に装着した環状パッキンの早期損傷を回避することができる蓄熱式交番燃焼装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の蓄熱式交番燃焼装置は、交互に燃焼する一対の蓄熱式燃焼部の夫々に、燃焼用空気を供給する空気供給路及び燃焼ガスを排出する排ガス路が接続され、前記空気供給路を開閉する空気弁、及び、前記排ガス路を開閉する排ガス弁が設けられ、
前記排ガス弁が、弁体を収納する弁ケースと前記弁体を開閉操作する空気圧式のピストンロッドを収納するシリンダケースとを、前記ピストンロッドの軸芯方向に沿って並べる形態に構成され、
前記ピストンロッドが、前記シリンダケースにおける前記弁ケースの存在側のロッド挿通用壁部を貫通する状態で設けられ、
前記ピストンロッドの前記ロッド挿通用壁部の外方に位置する先端部が、前記ピストンロッドの軸芯方向に沿って伸びる姿勢で前記弁体に設けられた弁軸に接続され、
前記ロッド挿通用壁部に、前記ピストンロッドに外嵌する環状パッキンが装着されているものであって、その第1特徴構成は、
前記弁ケースと前記シリンダケースとの間に、外部から冷却用空気が供給される冷却ケースが配置され、
前記冷却ケースと前記弁ケースとの間の仕切用壁部に、前記弁軸又は前記ピストンロッドの外周面に沿って冷却用空気を前記冷却ケースから前記弁ケースに流動させる空気流動孔が形成され、
前記冷却ケースに冷却用空気を供給する冷却用空気供給手段が、前記空気供給路における前記空気弁よりも上流側箇所から分岐して前記冷却ケースに接続される空気案内路を用いて、前記排ガス弁の開状態及び閉状態のいずれにおいても、燃焼用空気を前記空気供給路に供給する給気用送風機にて送風される燃焼用空気の一部を、冷却用空気として、前記冷却ケースに供給するように構成され
、
前記冷却ケースと前記シリンダケースとの間に、断熱体が配設されている点を特徴とする。
【0016】
すなわち、弁ケースとシリンダケースとの間に配置される冷却ケースは、燃焼ガスが通流して高温になる弁ケースによって加熱されるものの、外部から冷却用空気の供給によって冷却されて、低温状態に維持されるため、シリンダケースが低温状態に維持されることになる。
【0017】
つまり、弁ケースが燃焼ガスの通流によって高温状態になっても、低温状態に維持される冷却ケースの存在により、シリンダケースが、高温の弁ケースによって加熱されることが抑制されて、弁ケースよりも十分に低い温度に維持されることになる。
【0018】
また、冷却ケースと弁ケースとの間の仕切用壁部に形成した空気流動孔を通して、冷却ケースから弁ケースに流動する冷却用空気が、弁軸又はピストンロッドの外周面に沿って流動することになるから、冷却ケースから弁ケースに流動する冷却用空気によって弁軸又はピストンロッドを冷却して、ピストンロッドを低温状態に維持できるものとなる。
【0019】
つまり、冷却ケースから弁ケースに流動する冷却用空気によって弁軸を冷却できる場合には、弁ケースの内部を通流する燃焼ガスによって弁軸が加熱されても、弁軸が高温状態になることを抑制して、弁軸に接続されたピストンロッドを低温状態に維持できるものとなり、また、冷却ケースから弁ケースに流動する冷却用空気によってピストンロッドを冷却できる場合には、弁ケースの内部を通流する燃焼ガスによって高温に加熱される弁軸によってピストンロッドが加熱されても、ピストンロッドを低温状態に維持できるものとなる。
【0020】
したがって、シリンダケースが低温状態に維持され、かつ、ピストンロッドが低温状態に維持されるため、シリンダケースにおけるロッド挿通用壁部に装着した環状パッキンを低温状態に維持できるものとなり、環状パッキンの早期損傷を回避することができる。
【0021】
要するに、本発明の第1特徴構成によれば、シリンダケースにおけるロッド挿通用壁部に装着した環状パッキンの早期損傷を回避することができる蓄熱式交番燃焼装置を提供できる。
また、冷却ケースに冷却用空気を供給する冷却用空気供給手段が、燃焼ガスが通流する排ガス弁の開状態、及び、燃焼ガスが通流しない排ガス弁の閉状態のいずれにおいても冷却用空気を供給するように構成されているから、シリンダケースやピストンロッドを低温状態に適切に維持できるものとなる。
つまり、燃焼ガスが通流する排ガス弁の開状態においては、冷却ケースや弁軸又はピストンロッドが、冷却用空気が供給されても、昇温される傾向となるが、燃焼ガスが通流しない排ガス弁の閉状態のいずれにおいても、冷却用空気によって冷却ケースや弁軸又はピストンロッドを冷却することにより、冷却ケースや弁軸又はピストンロッドを適切に降温させることができるため、冷却ケースや弁軸又はピストンロッドが高温状態に加熱されることを的確に抑制して、シリンダケースやピストンロッドを低温状態に適切に維持できるのである。
要するに、本発明の第1特徴構成によれば、上記作用効果に加えて、シリンダケースやピストンロッドを低温状態に適切に維持できる蓄熱式交番燃焼装置を提供できる。
また、燃焼用空気を空気供給路に供給する送風機にて送風される燃焼用空気の一部を、冷却用空気として、冷却ケースに供給するものであるから、燃焼用空気を供給するための構成を有効利用した簡素な構成で、冷却用空気を冷却ケースに供給できる。
要するに、本発明の第1特徴構成によれば、上記作用効果に加えて、燃焼用空気を供給するための構成を有効利用した簡素な構成で、冷却用空気を冷却ケースに供給できる蓄熱式交番燃焼装置を提供できる。
また、冷却ケースとシリンダケースとの間に、断熱体が配設されているから、冷却ケースの熱がシリンダケースに伝達されにくいものとなり、シリンダケースの一層の低温化を進めて、環状パッキンの早期損傷を一層適切に回避することができる。
要するに、本発明の第1特徴構成によれば、上記作用効果に加えて、環状パッキンの早期損傷を一層適切に回避することができる蓄熱式交番燃焼装置を提供できる。
【0022】
本発明の蓄熱式交番燃焼装置の第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記仕切用壁部における前記空気流動孔の形成箇所に、前記弁軸又は前記ピストンロッドが挿通する空気案内筒が、前記ピストンロッドの軸芯方向に沿う状態で設けられ、
前記空気案内筒の内部に、前記空気流動孔が形成されている点を特徴とする。
【0023】
すなわち、冷却ケースから弁ケースに流動する冷却用空気が、空気案内筒の内部の空気流動孔を通して流動することになるから、冷却ケースから弁ケースに流動する冷却用空気が、空気案内筒に案内されながら、弁軸又はピストンロッドの外周面に沿って、ピストンロッドの軸芯方向に流動することになる。
【0024】
したがって、空気案内筒の案内作用により、冷却ケースから弁ケースに流動する冷却用空気が、弁軸又はピストンロッドの外周面に沿って、ピストンロッドの軸芯方向に流動する距離を、長くすることができるため、弁軸又はピストンロッドを冷却用空気にて適切に冷却できるものとなる。
【0025】
要するに、本発明の第2特徴構成によれば、上記第1特徴構成による作用効果に加えて、弁軸又はピストンロッドを冷却用空気にて適切に冷却できる蓄熱式交番燃焼装置を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
(蓄熱式ラジアントチューブ燃焼装置の全体構成)
図1に示すように、蓄熱式交番燃焼装置の一例としての蓄熱式ラジアントチューブ燃焼装置は、交互に燃焼する一対の蓄熱式燃焼部としてのバーナBを、ラジアントチューブ1の両端部に設けて、一対のバーナBを交互に燃焼させることにより、ラジアントチューブ1によって、炉内Rを間接的に加熱するように構成されている。
ちなみに、
図1においては、ラジアントチューブ1が、W字状に構成される場合を例示するが、U字状等、ラジアントチューブ1の形状は各種のものがある。
【0041】
図1及び
図2に示すように、ラジアントチューブ1の両端側部分が、炉壁Wを貫通する状態で炉壁Wに支持され、ラジアントチューブ1の炉壁Wの外方に位置する端部に、バーナBの本体部Bmが接続されている。
図2に示すように、バーナBの本体部Bmが、ラジアントチューブ1内にガス燃料Gを噴出するガスノズル2、及び、そのガスノズル2の外周部を囲む環状に形成されかつ蓄熱体3を備える給排気路4を備える形態に構成されている。
【0042】
ちなみに、
図2においては、一対のバーナBのうちの右方側のバーナBが燃焼し、左方側のバーナBが燃焼を停止している状態を示すものであり、そして、ガス燃料Gの流れを実線矢印にて示し、燃焼用空気Aの流れを一点鎖線矢印にて示し、燃焼ガスEの流れを破線矢印にて示している。
【0043】
(バーナ本体部の詳細)
図2に示すように、バーナBの本体部Bmには、円筒状の外筒5と、その外筒5よりも小径の円筒状の内筒6とが、同軸心状に設けられ、外筒5と内筒6との間の環状の空間にて、給排気路4が形成され、かつ、その給排気路4内に蓄熱体3が設けられている。
また、ガスノズル2が、内筒6の内部に、内筒6と同軸心状に設けられている。
尚、蓄熱体3は、多孔状に形成されて、燃焼用空気Aや燃焼ガスEを通流可能に構成されている。
【0044】
そして、本実施形態においては、ラジアントチューブ1よりも小径の燃焼筒7が、基端側部分7rを蓄熱体3に当て付け、かつ、先端側部分をラジアントチューブ1内に挿入する状態で設けられて、ガスノズル2からのガス燃料Gが燃焼筒7内に噴出されるように構成されている。
【0045】
燃焼筒7における基端側部分7rが、蓄熱体3に近づくほど大径となる漏斗状に形成され、かつ、大径側の端部を、給排気路4における内周縁と外周縁との間に位置させるように設けられている。
燃焼筒7の基端側部分7rの外方側に設けたバーナタイル8が、基端側部分7rの外周面に接触する漏斗状の内周面8rを備える環状に形成されて、燃焼筒7を支持するように構成されている。
【0046】
バーナタイル8における漏斗状の内周面8rには、給排気路4とラジアントチューブ1の内部とを連通する複数の連通路9が、周方向に沿って間隔を隔てて並ぶ状態で設けられている。
つまり、燃焼筒7の内部や、燃焼筒7の外周部に位置する連通路9が、給排気路4に連通するように構成されている。
【0047】
ちなみに、燃焼筒7の基端側部分7rよりも先端側部分に、ラジアントチューブ1に内嵌された環状の保持体13が外嵌されて、燃焼筒7の姿勢を安定させるように構成されている。そして、環状の保持体13には、ラジアントチューブ1の長手方向に貫通する複数の連通孔13hが、周方向に間隔を隔てて並ぶ状態で設けられている。
【0048】
(ガス燃料供給構成)
図1及び
図2に示すように、一対のガスノズル2の夫々に、ガス燃料Gを供給する燃料供給路15が接続され、各燃料供給路15には、ガス燃料Gの供給を断続する開閉弁16が設けられている。
したがって、一対のバーナBのうちの燃焼側のバーナBに対応する開閉弁16を開き、燃焼停止側のバーナBに対応する開閉弁16を閉じるようにする形態で、一対の開閉弁16を交互に開弁することにより、一対のガスノズル2に交互にガス燃料Gを供給できるように構成されている。
【0049】
(給排気構成)
図1に示すように、一対のバーナBの給排気路4の接続部4a(
図2参照)に、燃焼用空気Aを供給する空気供給路18及び燃焼ガスEを排出する排ガス路19が接続されている。
そして、一対のバーナBの夫々から延出される一対の空気供給路18に対して燃焼用空気Aを供給する給気用送風機20が設けられ、また、一対のバーナBの夫々から延出される一対の排ガス路19を通して排出される燃焼ガスEを外部に排出する排風用送風機21が設けられている。
【0050】
一対の空気供給路18には、その空気供給路18を開閉する空気弁Vaが設けられ、また、一対の排ガス路19には、その排ガス路19を開閉する排ガス弁Veが設けられている。
【0051】
したがって、一対のバーナBのうちの燃焼側のバーナBに対応する空気弁Vaを開き、かつ、排ガス弁Veを閉じることにより、燃焼側のバーナBに燃焼用空気を供給することができ、且つ、一対のバーナBのうちの燃焼停止側のバーナBに対応する空気弁Vaを閉じ、かつ、排ガス弁Veを開くことにより、燃焼停止側のバーナBから排出される燃焼ガスEを外部に排出できるように構成されている。
【0052】
(燃焼状態の説明)
本実施形態の蓄熱式ラジアントチューブ燃焼装置は、一対の開閉弁16、一対の空気弁Va、及び、排ガス弁Veを交互に開閉しながら、一対のバーナBを交互に燃焼させることになる。
すなわち、一対のバーナBのうちの燃焼側のバーナBにおいては、
図2に示すように、ガスノズル2から燃焼筒7内にガス燃料Gが噴出され、給排気路4を流動して蓄熱体3にて予熱された燃焼用空気Aが、燃焼筒7の基端側部分7rの内方側及び外方側に向けて流動することになる。
【0053】
蓄熱体3にて予熱された燃焼用空気Aのうちの、燃焼筒7の基端側部分7rの内方側に向けて流動する燃焼用空気Aが、燃焼筒7の基端側部分7r及び先端側部分の内部を流動することになり、燃焼筒7の基端側部分7rの外方側に向けて流動する燃焼用空気Aが、バーナタイル8に設けた連通路9及び保持体13に設けた連通孔13hを通過して、燃焼筒7の先端側部分とラジアントチューブ1との間の空間を流動することになる。
【0054】
そして、燃焼筒7内に噴出されたガス燃料Gの一部が、燃焼筒7の内部にて、燃焼筒7の内部を流動する燃焼用空気Aと混合されて燃焼し、ガス燃料Gの残部が、燃焼筒7の先端から流出して、燃焼筒7の先端側部分とラジアントチューブ1との間の空間を流動してきた燃焼用空気Aと混合されて燃焼することになる。
つまり、ガスノズル2から噴出されたガス燃料Gは、燃焼筒7の内部での燃焼と、燃焼筒7の外部での燃焼とを行う、いわゆる2段燃焼を行うことになる。
【0055】
又、一対のバーナBのうちの燃焼停止側のバーナBにおいては、
図2に示すように、燃焼側のバーナBにて発生した燃焼ガスEが、ラジアントチューブ1の内部を流動したのち、燃焼筒7の内部及び外部を流動しながら給排気路4に流入し、その給排気路4を流動する過程で保有熱を蓄熱体3に放熱して蓄熱体3を加熱した後、排風用送風機21から排出されることになる。
【0056】
(排ガス弁の構成)
図3に示すように、排ガス弁Veが、板状の弁体23(
図4、
図5参照)を収納する弁ケース24と弁体23を開閉操作する空気圧式のピストンロッド25を収納するシリンダケース26とを、ピストンロッド25の軸芯方向に沿って並べる形態に構成されている。
ちなみに、以下の説明においては、弁ケース24の上部にシリンダケース26が配置されている状態であるとして説明するが、弁ケース24とシリンダケース26とを水平方向に並べた状態で実施する等、弁ケース24とシリンダケース26との配置形態は種々変更できるものである。
【0057】
ピストンロッド25が、シリンダケース26における弁ケース24の存在側のロッド挿通用壁部26Aを貫通する状態で設けられ、そして、ピストンロッド25のロッド挿通用壁部26Aの外方に位置する先端部が、ピストンロッド25の軸芯方向に沿って伸びる姿勢で弁体23に設けられた弁軸23Aに接続されている(
図4、
図5参照)。
【0058】
ロッド挿通用壁部26Aに、ピストンロッド25に外嵌する環状パッキンとしてのOリング27が装着され、また、ピストンロッド25に設けたピストン部25Aには、シリンダケース26の内面を摺動する環状のピストンパッキン28が設けられている。
【0059】
シリンダケース26には、圧縮空気を給排する第1ポートP1及び第2ポートP2が設けられ、圧縮空気供給部29から供給される圧縮空気を第1ポートP1に供給する状態と第2ポートP2に供給する状態とに切換える2位置切換弁30が設けられている。
そして、圧縮空気を第1ポートP1に供給すると、ピストンロッド25が引退状態となって、弁体23が開き位置(
図4参照)に操作され、また、圧縮空気を第2ポートP2に供給すると、ピストンロッド25が突出状態となって、弁体23が閉じ位置(
図5参照)に操作されるように構成されている。
【0060】
ちなみに、圧縮空気供給部29は、圧縮空気を供給するコンプレッサ29a及び蓄圧用のアキュームレータ29bを備えるように構成され、そして、圧縮空気供給部29と2位置切換弁30との間の回路部分には、リリーフ弁31が設けられている。
【0061】
弁ケース24は、
図3〜
図6に示すように、横断面形状が4角状に形成されるものであって、横側部には、入口側接続部24aが設けられ、底部には、出口側接続部24bが設けられ、また、底部には、閉じ位置の弁体23が接当する弁座24D(
図4、
図5参照)が設けられている。
ちなみに、弁ケース24は、出口側接続部24bが設けられる底部壁24Tとその底部壁24Tに対向する上部壁24Uとに亘る形態で架設される組付ボルト32の締結によって、底部壁24Tと上部壁24Uとの間に側部壁24Sを挟む状態に組付けられている。
【0062】
(Oリングの過熱防止構成)
本実施形態においては、シリンダケース26のロッド挿通用壁部26Aに装着したOリング27が高温に加熱されることを防止するために、以下に述べる加熱防止構成が装備されている。
すなわち、
図3〜
図5に示すように、弁ケース24とシリンダケース26との間に、外部から冷却用空気が供給される冷却ケース33が配置され、冷却ケース33とシリンダケース26との間に、ベークライトを用いた断熱体34が配設されている。
【0063】
冷却ケース33と弁ケース24との間の仕切用壁部としての、弁ケース24の冷却ケース33の存在側に位置する上部壁24Uに、弁軸23A又はピストンロッド25の外周面に沿って冷却用空気を冷却ケース33から弁ケース24に流動させる空気流動孔35が形成されている。
【0064】
ちなみに、本実施形態においては、
図4に示すように、弁体23が開き位置に操作された開状態においては、弁軸23Aが空気流動孔35の内部に位置し、
図5に示すように、弁体23が閉じ位置に操作された閉状態においては、主として、ピストンロッド25が空気流動孔35の内部に位置することになる。
【0065】
また、弁ケース24の上部壁24Uの空気流動孔35の形成箇所には、弁軸23A及びピストンロッド25が挿通する空気案内筒36が、ピストンロッド25の軸芯方向に沿う状態で設けられ、空気案内筒36の内部が、空気流動孔35として構成される。
取付けられている。
【0066】
つまり、空気流動孔35が空気案内筒36の内部に形成されることによって、空気案内筒36の案内作用により、冷却ケース33から弁ケース24に流動する冷却用空気が、弁軸23A又はピストンロッド25の外周面に沿って、ピストンロッド25の軸芯方向に流動する距離を、長くすることができるため、弁軸23A及びピストンロッド25を適切に冷却できることになる。
【0067】
冷却ケース33は、
図7に示すように、4角形の筒状に形成され、側部には、冷却空気を導入するための導入用接続部33Aが設けられている。
図4及び
図5に示すように、冷却ケース33の弁ケース24の存在側の端部が、弁ケース24の上部壁24Uに、溶接によって接続され、冷却ケース33のシリンダケース26の存在側の端部には、断熱体34を支持するための支持部33Bが設けられている。
【0068】
断熱体34は、弁軸23A及びピストンロッド25が挿通する筒状に形成されて、冷却ケース33の支持部33Bとシリンダケース26のロッド挿通用壁部26Aの間に配置されている。
そして、弁ケース24の上部壁24Uとシリンダケース26のロッド挿通用壁部26Aとに亘る連結ボルト37の締結によって、冷却ケース33が取り付けられた弁ケース24に対して、断熱体34及びシリンダケース26を取付けるように構成されている。
尚、冷却ケース33と断熱体34との間には、耐熱性を有するシートパッキン39が配置されている。
【0069】
図1に示すように、冷却ケース33に冷却用空気を供給する冷却用空気供給手段Kが、給気用送風機20にて送風される燃焼用空気の一部を、冷却用空気として、冷却ケース33に供給する形態で設けられている。
【0070】
具体的には、一対のバーナBの夫々に接続される空気供給路18における空気弁Vaよりも上流側箇所から分岐する状態で、空気案内路38が設けられ、この空気案内路38が、冷却ケース33の導入用接続部33Aに接続されている。
つまり、冷却用空気供給手段Kが、空気案内路38を用いて構成されることになる。
【0071】
また、空気案内路38が、空気供給路18における空気弁Vaよりも上流側箇所から分岐するものであるから、冷却用空気供給手段Kは、排ガス弁Veの開状態及び閉状態のいずれにおいても冷却用空気を供給するように構成されている。
【0072】
したがって、弁ケース24の内部を燃焼ガスが流動することによって、弁ケース24や弁体23や弁軸23Aが加熱されるものの、冷却ケース33や断熱体34の存在によって、弁ケース24の熱によってシリンダケース26が高温に加熱することが抑制されて、シリンダケース26が低温状態に維持されることになる。
【0073】
また、空気流動孔35を通して冷却ケース33から弁ケース24に流動する冷却用空気が、弁体23が開き位置のときには、弁軸23Aを冷却し、かつ、弁体23が閉じ位置のときには、ピストンロッド25を冷却することになるため、ピストンロッド25が低温状態に維持されることになる。
【0074】
このように、シリンダケース26が低温状態に維持され、かつ、ピストンロッド25が低温状態に維持されることになるため、シリンダケース26のロッド挿通用壁部26Aに装着したOリング27が高温に加熱されることを防止して、Oリング27の早期損傷を抑制できる。
【0075】
〔その他の別実施形態〕
次に、その他の別実施形態を列記す
る。
【0077】
(
1)上記実施形態においては、冷却ケース33と弁ケース24との間の仕切用壁部が、弁ケース24における冷却ケース33の存在側に位置する上部壁24Uである場合を例示したが、冷却ケース33が、弁ケース24の存在側に位置する壁部を備える場合には、その壁部及び弁ケース24の上部壁24Uが、冷却ケース33と弁ケース24との間の仕切用壁部に相当することになる。
【0078】
(
2)上記実施形態においては、弁ケース24の上方側に、シリンダケース26が配置される場合を例示したが、弁ケース24とシリンダケース26とが水平方向に沿って並ぶ状態で実施する等、弁ケース24とシリンダケース26との配置形態は種々変更できる。
【0080】
(
3)上記実施形態においては、弁体23が開き位置に操作された開状態においては、弁軸23Aが空気流動孔35の内部に位置し、弁体23が閉じ位置に操作された閉状態においては、ピストンロッド25が空気流動孔35の内部に位置する場合を例示したが、これに代えて、閉状態及び開状態のいずれにおいても、弁軸23Aが空気流動孔35の内部に位置する形態や、閉状態及び開状態のいずれにおいても、ピストンロッド25が空気流動孔35の内部に位置する形態で実施してもよい。
【0081】
(
4)上記実施形態においては、交互に燃焼する一対の蓄熱式燃焼部としてのバーナBが、ラジアントチューブ1の両端部に設けられる場合を例示したが、一対のバーナBが、炉壁Wに設けられる形態で実施してもよい。
【0082】
(
5)上記実施形態においては、交互に燃焼する一対の蓄熱式燃焼部として、燃焼筒7を備える形態のバーナBを例示したが、一対の蓄熱式燃焼部の具体構成は各種変更できる。