特許第6366315号(P6366315)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6366315
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】管内走行台車
(51)【国際特許分類】
   B61B 13/10 20060101AFI20180723BHJP
   B60B 19/00 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
   B61B13/10
   B60B19/00 Z
【請求項の数】14
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-60496(P2014-60496)
(22)【出願日】2014年3月24日
(65)【公開番号】特開2015-182594(P2015-182594A)
(43)【公開日】2015年10月22日
【審査請求日】2017年1月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】田村 至
【審査官】 諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】 実開平03−091277(JP,U)
【文献】 国際公開第2012/143715(WO,A1)
【文献】 特開平04−008658(JP,A)
【文献】 特開昭49−080741(JP,A)
【文献】 特開平07−117743(JP,A)
【文献】 特開2013−147078(JP,A)
【文献】 特開平11−268638(JP,A)
【文献】 特開2014−193675(JP,A)
【文献】 特開2014−193676(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61B 13/10
B60B 19/10
B60B 19/14
B62D 57/02
B64G 1/16
A63H 17/26
G01N 21/954
B25J 5/00
E03F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管の内周面を走行する管内走行台車であって、
前記管内走行台車の走行方向に延びた台車本体と、
前記配管の周方向で分布するように前記台車本体に配置された複数のアームモジュールからなるアームユニットと、
前記アームモジュールが前記走行方向に対する横断方向に延びた揺動軸心周りで揺動変位するように、前記アームモジュールを取り付けるアームブラケットと、
前記アームモジュールの先端部に取り付けられたリムレスホイールタイプの走行駆動回転体と、
前記走行駆動回転体が前記配管内周面に近づくように前記アームモジュールを付勢する付勢手段とを備え、
前記走行駆動回転体が、車軸を通じて回転するハブと、回転周方向に互いに間隔をあけて配置されている複数の接当部と、前記ハブから延びて前記接当部を先端領域に形成している複数のスポークモジュールとから構成され、
前記走行駆動回転体は、前記スポークモジュールの前記車軸周りの外側回転軌跡が球状面を形成するように前記スポークモジュールは湾曲している管内走行台車。
【請求項2】
前記走行駆動回転体は、中空状の左半球状回転体と中空状の右半球状回転体とからなる二分割体であり、前記各半球状回転体の前記スポークモジュールは、前記車軸周りの外側回転軌跡が半球状面を形成するように湾曲している請求項1に記載の管内走行台車。
【請求項3】
前記走行駆動回転体の内部空間に前記走行駆動回転体を駆動する駆動ユニットが収納されている請求項1又は2に記載の管内走行台車。
【請求項4】
前記走行駆動回転体の内部空間に前記走行駆動回転体を駆動する駆動ユニットが収納されており、
前記駆動ユニットは、前記左半球状回転体を駆動する第1駆動部と、前記右半球状回転体を駆動する第2駆動部とからなる請求項2に記載の管内走行台車。
【請求項5】
前記第1駆動部と前記第2駆動部のそれぞれが、前記車軸に回転動力を伝達するモータを備えている請求項4に記載の管内走行台車。
【請求項6】
前記アームモジュールが所定揺動角度以下で配管中心軸に近づくように揺動した際に、隣り合う前記アームモジュールの走行駆動回転体のスポークモジュール同士が咬み合い姿勢となる請求項1から5のいずれか一項に記載の管内走行台車。
【請求項7】
前記スポークモジュールは、スポーク体と、前記ハブの外周面を軸方向に延びたベース面から径方向に延びて前記スポーク体と連結するリブとを含む請求項1から6のいずれか一項に記載の管内走行台車。
【請求項8】
前記アームモジュールの揺動変位と相互連動して回転するギヤを相互にかみ合わせることで全ての前記アームモジュールの揺動変位を同期させる揺動同期機構が備えられている請求項1から7のいずれか一項に記載の管内走行台車。
【請求項9】
前記アームモジュールは前記アームブラケットに前記揺動軸心を有する揺動軸を介して支持されており、前記ギヤは前記揺動軸の両端に設けられたべベルギヤである請求項8に記載の管内走行台車。
【請求項10】
前記アームユニットは、走行方向で前側に位置する前側アームユニットと、走行方向で前記前側アームユニットの後側に位置する後側アームユニットとからなり、前記前側アームユニットに属する前記アームモジュールと、前記後側アームユニットに属する前記アームモジュールとが互いに近接する方向に前記付勢手段によって付勢されている請求項1から9のいずれか一項に記載の管内走行台車。
【請求項11】
配管の内周面を走行する管内走行台車であって、
前記管内走行台車の走行方向に延びた台車本体と、
前記配管の周方向で分布するように前記台車本体に配置された複数のアームモジュールからなるアームユニットと、
前記アームモジュールが前記走行方向に対する横断方向に延びた揺動軸心周りで揺動変位するように、前記アームモジュールを取り付けるアームブラケットと、
前記アームモジュールの先端部に取り付けられたリムレスホイールタイプの走行駆動回転体と、
前記走行駆動回転体が前記配管内周面に近づくように前記アームモジュールを付勢する付勢手段とを備え、
前記走行駆動回転体が、車軸を通じて回転するハブと、回転周方向に互いに間隔をあけて配置されている複数の接当部と、前記ハブから延びて前記接当部を先端領域に形成している複数のスポークモジュールとから構成され、
前記アームモジュールが所定揺動角度以下で配管中心軸に近づくように揺動した際に、隣り合う前記アームモジュールの走行駆動回転体のスポークモジュール同士が咬み合い姿勢となる管内走行台車。
【請求項12】
配管の内周面を走行する管内走行台車であって、
前記管内走行台車の走行方向に延びた台車本体と、
前記配管の周方向で分布するように前記台車本体に配置された複数のアームモジュールからなるアームユニットと、
前記アームモジュールが前記走行方向に対する横断方向に延びた揺動軸心周りで揺動変位するように、前記アームモジュールを取り付けるアームブラケットと、
前記アームモジュールの先端部に取り付けられたリムレスホイールタイプの走行駆動回転体と、
前記走行駆動回転体が前記配管内周面に近づくように前記アームモジュールを付勢する付勢手段とを備え、
前記走行駆動回転体が、車軸を通じて回転するハブと、回転周方向に互いに間隔をあけて配置されている複数の接当部と、前記ハブから延びて前記接当部を先端領域に形成している複数のスポークモジュールとから構成され、
前記アームモジュールの揺動変位と相互連動して回転するギヤを相互にかみ合わせることで全ての前記アームモジュールの揺動変位を同期させる揺動同期機構が備えられている管内走行台車。
【請求項13】
配管の内周面を走行する管内走行台車であって、
前記管内走行台車の走行方向に延びた台車本体と、
前記配管の周方向で分布するように前記台車本体に配置された複数のアームモジュールからなるアームユニットと、
前記アームモジュールが前記走行方向に対する横断方向に延びた揺動軸心周りで揺動変位するように、前記アームモジュールを取り付けるアームブラケットと、
前記アームモジュールの先端部に取り付けられたリムレスホイールタイプの走行駆動回転体と、
前記走行駆動回転体が前記配管内周面に近づくように前記アームモジュールを付勢する付勢手段とを備え、
前記走行駆動回転体が、車軸を通じて回転するハブと、回転周方向に互いに間隔をあけて配置されている複数の接当部と、前記ハブから延びて前記接当部を先端領域に形成している複数のスポークモジュールとから構成され、
前記アームユニットは、走行方向で前側に位置する前側アームユニットと、走行方向で前記前側アームユニットの後側に位置する後側アームユニットとからなり、前記前側アームユニットに属する前記アームモジュールと、前記後側アームユニットに属する前記アームモジュールとが互いに近接する方向に前記付勢手段によって付勢されている管内走行台車。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の管内走行台車に用いられている走行駆動回転体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地中に埋設されたガス管、水道管、及び地上のプラント配管等の配管内面欠陥を検査及び補修する目的のために、配管の内部を走行する管内走行台車に関する。
【背景技術】
【0002】
埋設配管を露出する際の作業時間や作業コストを回避できることから、地面を掘削せずに配管検査を実施することができる管内走行台車が提案されている。このような管内走行台車では、直線的に延びている配管や緩やかな湾曲している配管での走行性はおおむね良好である。しかしながら、配管にドレッサ形管継手など接続部が介装されている場合、その領域において配管は小径部と大径部を有し、その結果、内周面に段差が生じる。このような領域では、管内走行台車の走行性は悪くなる。
【0003】
例えば、ドレッサ形管継手が装着されているような配管領域、つまり小径部と大径部を有する配管領域において、その窪み(大径部)に駆動ローラが落ち込んでも簡単に脱出できる管内走行台車が、特許文献1によって提案されている。この管内走行台車の台車本体には、上下・左右の1対の4つの支脚が相互に円周方向に90度だけ位置をずらして取り付けられており、それぞれの先端には、駆動ローラ(駆動車輪)や舵取輪が設けられている。支脚は、駆動ローラや舵取輪が管内周面に対して遠近変位するように搖動可能である。さらに、駆動ローラの進行方向側に、上下方向に変位可能な作動部材が設けられている。当該作動部材の端部には車輪が設けられている。この管内走行台車では、支脚が閉じ方向に搖動するに伴って、作動部材の車輪は管内周面に向かって変位させられる。つまり、作動部材は、支脚の揺動によって台車本体を持ち上げるジャッキ機能を有する。台車本体の走行中に駆動ローラが段差を有する窪みに落ち込んで、この窪みから乗り上がれない場合には、支脚が閉じ方向に揺動することで、作動部材によって台車本体が持ち上がり、駆動ローラが窪みを乗り越えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11―268638号公報(段落番号〔0009−0025〕、図5図6
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1による管内走行台車では、駆動ローラが段差を有する窪みに落ち込んでも、台車本体を持ち上げるジャッキ機能を備えているので、駆動ローラは段差を乗り越えることができる。しかしながら、そのようなジャッキ機能を備えることは、構造的にも、制御的にも大きな負担となり、コストアップにつながる。さらには、ジャッキ機能の追加による重量増加は、上下左右に延びている複雑な配管の内部の走行に関して不利となる。なお、そのようなジャッキ機能がなくても、駆動ローラ(駆動車輪)のローラ径(車輪径)を段差よりはるかに大きくすることで、段差を乗り越えることは不可能ではない。しかしながら、乗り越え時に台車本体を持ち上げるために駆動ローラに要求される回転トルクが大きくなり、駆動ローラを回転させるための駆動系のコストが大きくなる。大径化された駆動車輪をもつ管内走行台車の走行可能な配管の最小径が、大きくなるという問題点を持つ。
【0006】
このことから、ジャッキ機構のような別個に制御される専用機器を備えず、かつ走行駆動系のコスト負担を抑えながら、小径部と大径部とを有する配管領域においても円滑な走行が可能な管内走行台車が要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による、配管の内周面を走行する管内走行台車は、前記管内走行台車の走行方向に延びた台車本体と、前記配管の周方向で分布するように前記台車本体に配置された複数のアームモジュールからなるアームユニットと、前記アームモジュールが前記走行方向に対する横断方向に延びた揺動軸心周りで揺動変位するように前記アームモジュールを取り付けるアームブラケットと、前記アームモジュールの先端部に取り付けられたリムレスホイールタイプの走行駆動回転体と、前記走行駆動回転体が前記配管内周面に近づくように前記アームモジュールを付勢する付勢手段とを備えている。さらに、前記走行駆動回転体が、車軸を通じて回転するハブと、回転周方向に互いに間隔をあけて配置されている複数の接当部と、前記ハブから延びて前記接当部を先端領域に形成している複数のスポークモジュールとから構成され、前記走行駆動回転体は、前記スポークモジュールの前記車軸周りの外側回転軌跡が球状面を形成するように前記スポークモジュールは湾曲している
【0008】
この構成によれば、付勢手段によって配管の内周面に押し付けられた、リムレスホイールタイプの走行駆動回転体が回転することで、台車本体は配管内を管方向に沿って確実に走行することができる。また、配管の大径部から小径部に移行する際には、スポークモジュールが段差のエッジにくい込んで、段差の上面から回転方向と逆向きの反力を受けることで、台車本体が持ち上がる力が作用し、アームモジュールがスムーズに閉じ方向に揺動し、段差を乗り越えていくことができる。
【0009】
更に、上記構成では、前記走行駆動回転体は、前記スポークモジュールの前記車軸周りの外側回転軌跡が球状面を形成するように前記スポークモジュールは湾曲している。この構成では、走行駆動回転体は球状リムレスホイールの形態を有することになる。その結果、走行駆動回転体は回転走行の際、櫛状の湾曲面として外側に張り出す形態となるので、配管の内周面に凹凸が生じている場合には、このスポークモジュールのどこかの箇所で配管内面と接触し、その接触部分で反力を得て、スムーズな走行が可能となる。
【0010】
本発明の好適な実施形態の1つでは、前記走行駆動回転体は、中空状の左半球状回転体と中空状の右半球状回転体とからなる二分割体であり、前記各半球状回転体の前記スポークモジュールは、前記車軸周りの外側回転軌跡が半球状面を形成するように湾曲している。これにより、複数のスポークモジュールを備えた走行駆動回転体の製造、特に成形が簡単となる。その際、前記走行駆動回転体の内部空間に前記走行駆動回転体を駆動する駆動ユニットが収納されるような形態を採用すれば、駆動ユニットが走行駆動回転体の内部空間に収納されるので、スペースが有効に利用されるだけでなく、走行駆動回転体への動力伝達系の長さが短くなるため、動力伝達系の構造が簡単となる。
【0011】
本発明の好適な実施形態の1つでは、前記走行駆動回転体の内部空間内に前記走行駆動回転体を駆動する駆動ユニットが収納されており、前記駆動ユニットは、前記左半球状回転体を駆動する第1駆動部と、前記右半球状回転体を駆動する第2駆動部とから構成されている。この構成では、それぞれの駆動部の定格出力が小さくても、全体として大きな出力を走行駆動回転体に与えることができる。その際、前記第1駆動部と前記第2駆動部のそれぞれが、前記左半球状回転体と右半球状回転体との車軸に回転動力を伝達するモータを備えるようにすることで、第1駆動部と第2駆動部を実質的に同一にすることができる。これにより、片方の半球状回転体が空転しても、他方の半球状回転体で走行力を得ることができる。また、左半球状車輪と右半球状車輪をシンメトリに構成することができ、球状駆動車輪全体の重量バランスが良好となる。
【0012】
さらに、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記アームモジュールが所定揺動角度以下で配管中心軸に近づくように揺動した際に、隣り合う前記アームモジュールの走行駆動回転体のスポークモジュール同士が咬み合い姿勢となるように構成されている。これによれば、片方の半球状回転体が空転しても、その片方の半球状回転体に伝達される動力が他方の半球状回転体に伝達され、倍増された動力で他方の半球状回転体が回転するので、動力伝達の無駄のない走行が実現する。小径配管の走行において、従来型の駆動車輪では、車輪の外端が接触することでそれ以上のアームモジュールの揺動が不可能となる。しかしながら、本発明の上記構成では、隣接する走行駆動回転体の互いのスポークモジュール同士が入り込むことで、さらなるアームモジュールの閉じ方向の揺動が可能となって、管内走行台車自体の横断面積が小さくなり、より小径の配管における走行が可能となる。
【0013】
スポークモジュールには大きな力がかかるため、スポークモジュールを、スポーク体と、前記ハブの外周面を軸方向に延びたベース面から径方向に延びて前記スポーク体と連結する補強用のリブとで構成することが好ましい。
【0014】
本発明の好適な実施形態の1つでは、前記アームモジュールの揺動変位と相互連動して回転するギヤを相互にかみ合わせることで全ての前記アームモジュールの揺動変位を同期させる揺動同期機構が備えられている。この構成によれば、付勢手段によって配管の内周面に押し付けられた球状駆動車輪が回転することで、台車本体は配管内を管方向に沿って移動する。配管の小径部から大径部に移行する際に、走行駆動回転体が大径部に落ち込むが、各アームモジュールの配管内周面への拡張揺動は、アームモジュールの揺動と相互連動しているギヤ同志のかみ合いにより全てのアームモジュールの動きが同期するので、全てのアームモジュールの開き具合は一定となる。つまり、全てのアームモジュールは同じ揺動姿勢となるので、走行安定性は保持される。
【0015】
ギヤを用いた揺動同期機構を簡単な構成するには、アームモジュールの揺動軸に直接ギヤを取り付け、隣接するアームモジュールの揺動軸に取り付けられたギヤとかみ合わせるとよい。その際、隣接する揺動軸は交差する関係となるので、ギヤとしてベベルギヤを用いると、かみ合いがスムーズとなる。このことから、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記アームモジュールは前記アームブラケットに前記揺動軸心を有する揺動軸を介して支持されており、前記ギヤは前記揺動軸の両端に設けられたべベルギヤである。
【0016】
複数の走行台車を連結して使用する場合では、各走行台車には1つのアームユニットを備えるだけでも、前後に連結された走行台車のアームユニットによって、走行台車を安定的に支えることができる。しかしながら、その連結構造がかなり柔軟である場合、あるいは単独の走行台車で走行する場合には、台車本体に、その走行方向で間隔をあけて複数のアームユニットを備えることが必要となる。このため、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記アームユニットは、走行方向で前側に位置する前側アームユニットと、走行方向で前記前側アームユニットの後側に位置する後側アームユニットとからなり、前記前側アームユニットに属する前記アームモジュールと、前記後側アームユニットに属する前記アームモジュールとが互いに近接する方向に前記付勢手段によって付勢されている。しかもこの構成では、前後に配置されたアームユニットの対応するアームモジュール同士が付勢手段によって互いに近接するように付勢するので、付勢手段を簡単に構成できる。例えば、その簡単な構成として、アームモジュール同士をコイルばねで連結することが提案される。
また、本発明による、配管の内周面を走行する管内走行台車は、
前記管内走行台車の走行方向に延びた台車本体と、
前記配管の周方向で分布するように前記台車本体に配置された複数のアームモジュールからなるアームユニットと、
前記アームモジュールが前記走行方向に対する横断方向に延びた揺動軸心周りで揺動変位するように、前記アームモジュールを取り付けるアームブラケットと、
前記アームモジュールの先端部に取り付けられたリムレスホイールタイプの走行駆動回転体と、
前記走行駆動回転体が前記配管内周面に近づくように前記アームモジュールを付勢する付勢手段とを備え、
前記走行駆動回転体が、車軸を通じて回転するハブと、回転周方向に互いに間隔をあけて配置されている複数の接当部と、前記ハブから延びて前記接当部を先端領域に形成している複数のスポークモジュールとから構成され、
前記アームモジュールが所定揺動角度以下で配管中心軸に近づくように揺動した際に、隣り合う前記アームモジュールの走行駆動回転体のスポークモジュール同士が咬み合い姿勢となる。
更に、本発明による、配管の内周面を走行する管内走行台車は、
前記管内走行台車の走行方向に延びた台車本体と、
前記配管の周方向で分布するように前記台車本体に配置された複数のアームモジュールからなるアームユニットと、
前記アームモジュールが前記走行方向に対する横断方向に延びた揺動軸心周りで揺動変位するように、前記アームモジュールを取り付けるアームブラケットと、
前記アームモジュールの先端部に取り付けられたリムレスホイールタイプの走行駆動回転体と、
前記走行駆動回転体が前記配管内周面に近づくように前記アームモジュールを付勢する付勢手段とを備え、
前記走行駆動回転体が、車軸を通じて回転するハブと、回転周方向に互いに間隔をあけて配置されている複数の接当部と、前記ハブから延びて前記接当部を先端領域に形成している複数のスポークモジュールとから構成され、
前記アームモジュールの揺動変位と相互連動して回転するギヤを相互にかみ合わせることで全ての前記アームモジュールの揺動変位を同期させる揺動同期機構が備えられている。
更に、本発明による、配管の内周面を走行する管内走行台車は、
前記管内走行台車の走行方向に延びた台車本体と、
前記配管の周方向で分布するように前記台車本体に配置された複数のアームモジュールからなるアームユニットと、
前記アームモジュールが前記走行方向に対する横断方向に延びた揺動軸心周りで揺動変位するように、前記アームモジュールを取り付けるアームブラケットと、
前記アームモジュールの先端部に取り付けられたリムレスホイールタイプの走行駆動回転体と、
前記走行駆動回転体が前記配管内周面に近づくように前記アームモジュールを付勢する付勢手段とを備え、
前記走行駆動回転体が、車軸を通じて回転するハブと、回転周方向に互いに間隔をあけて配置されている複数の接当部と、前記ハブから延びて前記接当部を先端領域に形成している複数のスポークモジュールとから構成され、
前記アームユニットは、走行方向で前側に位置する前側アームユニットと、走行方向で前記前側アームユニットの後側に位置する後側アームユニットとからなり、前記前側アームユニットに属する前記アームモジュールと、前記後側アームユニットに属する前記アームモジュールとが互いに近接する方向に前記付勢手段によって付勢されている。
【0017】
本発明は、上述した管内走行台車だけを特許の対象としているのではなく、当該管内走行台車に用いられた走行駆動回転体も特許の対象としている。したがって、上述した本発明の管内走行台車における特徴及び作用効果のうちで、走行駆動回転体に関する特徴及び作用効果は全て、本発明の走行駆動回転体に流用される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明による管内走行台車の実施形態の1つを示す、連結状態の管内走行台車の斜視図である。
図2図1による管内走行台車の斜視図である。
図3】管内走行台車の正面図である。
図4】台車本体の斜視図である。
図5】台車本体とアームモジュールと走行駆動回転体との組み付けを示す斜視図である。
図6】走行駆動回転体の分解斜視図である。
図7】左半球状回転体の斜視図である。
図8】隣接する走行駆動回転体のスポークモジュールが干渉する位置までアームモジュールが折り畳まれた管内走行台車の斜視図である。
図9】大径部から小径部に移行するドレッサ領域への管内走行台車の走行状態を示す模式図である。
図10】隣接する走行駆動回転体のスポークモジュールが噛み合った状態の管内走行台車の正面図である。
図11】90°に曲がっているエルボ領域での管内走行台車の走行状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明による管内走行台車の実施形態の1つを説明する。管内走行台車は、一般的には、図1に示すように、複数の台車が連結された台車列アッセンブリとして利用されるが、ここでは、単一の管内走行台車の構造を説明する。図2は、単一の管内走行台車の斜視図であり、図3は正面図である。
【0020】
図2から理解できるように、管内走行台車6は、管内走行台車6の走行方向に延びた台車本体7と、この台車本体7に走行方向に間隔をあけて配置された前側アームユニット8Aと後側アームユニット8Bを備えている。前側アームユニット8Aと後側アームユニット8Bとは実質的には同じように構成されているので、特別に区別する必要がない場合には、単にアームユニット8と称する。アームユニット8は、図3から明らかなように、走行すべき配管の周方向において120°間隔で分布するように台車本体7に配置された3つのアームモジュール80を備えている。アームモジュール80は、管内走行台車6の走行方向(配管の管軸方向)に対する横断方向(配管の断面方向)に延びた揺動軸心Pa周りで揺動変位するように、アームブラケット710に取り付けられている。
【0021】
アームモジュール80の先端部には、後で詳しく説明されるが、リムレススポークホイールタイプの走行駆動回転体5が取り付けられている。アームモジュール80が揺動することにより、走行駆動回転体5は、配管の内周面に対して遠近変位する。3つのアームモジュール80の揺動変位が一致するように、ギヤ式の揺動同期機構9が備えられている。この揺動同期機構9は、アームモジュール80の揺動変位と相互連動して回転するベベルギヤ90を相互にかみ合わせることで3つのアームモジュール80の揺動変位を同期させている。
【0022】
前側アームユニット8Aのアームモジュール80と後側アームユニット8Bのアームモジュール80とを相互連動させるために付勢手段91が備えられている。この実施形態では、付勢手段91は、前側アームユニット8Aのアームモジュール80と後側アームユニット8Bのアームモジュール80とを接続するコイルばね91として形成されている。このコイルばね91が、前側アームユニット8Aのアームモジュール80に取り付けられた走行駆動回転体5と後側アームユニット8Bのアームモジュール80に取り付けられた走行駆動回転体5とが配管の内周面に近づくように互いのアームモジュール80を近接させる。これにより、走行駆動回転体5は配管の内周面に接当し、その駆動回転により管内走行台車6が管内走行する。
【0023】
管内走行台車6の車体としての台車本体7の中核部材である基台70は、図4に示すように、その基本構成要素として長方形の板材から120°折り曲げられた3つの屈曲板材71を有する。この3つの屈曲板材71は、長手方向の折り曲げ線によって等分された部分を互いに接合することで一体化され、断面が三ツ矢状の基台70を作り出している。この基台70の接合中心が、台車本体7の走行方向に延びた前後軸心Xaとなっている。さらに、この基台70の両端部には、円筒連結部72が、その中心軸を前後軸心Xaに一致させるように接続されている。この円筒連結部72を用いた他の管内走行台車6と連結可能である。図2で示すように、この実施形態では、前側の円筒連結部72の先端に制御基板と制御ボタンCBが装着されている。
【0024】
さらにこの実施形態では、基台70の放射状に延びた板状部分は、アームブラケット710として機能する。そのため、各板状部分には、前後に間隔をあけて貫通孔73が設けられている。この貫通孔73の孔中心が、前側アームユニット8Aのアームモジュール80と後側アームユニット8Bのアームモジュール80との揺動軸心Paとなる。また、板状部分の縁部にはピン孔75を設けた突出片74が2つずつ形成されている。図示されていない連結ピンをこのピン孔75に嵌入させることで屈曲板材71同士のずれ防止が施されている。
【0025】
アームモジュール80は、図5に示すようなハーフモジュール80aを組み合わせて構成されている。図5には、左側と右側のハーフモジュール80aが示されているが、左右対称な形状となっている。ハーフモジュール80aは、揺動軸81と、揺動軸81を軸受けするボス部82とアーム本体83とからなる。揺動軸81は、左側と右側のハーフモジュール80aとで共通である。アーム本体83はU状断面をもつ形材である。図からは見えない軸孔が設けられているアーム本体83の一端にボス部82が取り付けられている。ボス部82の外側端面にはベベルギヤ90が取り付けられている。この軸孔とボス部82とベベルギヤ90の中心は揺動軸心Paに一致している。アーム本体83の他端には、走行駆動回転体5を取り付けるための板状の取付座84が設けられている。
【0026】
図3図5とから理解できるように、左側と右側のハーフモジュール80aを背中合わせでアームブラケット710を挟むように、連結することで、アームモジュール80が作り出される。その際、3つのアームモジュール80の対応するベベルギヤ90が互いにかみ合うことになる。これにより、前側アームユニット8Aのアームモジュール80同士、及び後側アームユニット8Bのアームモジュール80同士は確実に連動して、揺動する。
【0027】
アームモジュール80の取付座84に固定される走行駆動回転体5は、図6に示されているように、回転体本体50と駆動ユニット56とからなる。図6の上側には、ほぼ組み付けられた状態の走行駆動回転体5が示されており、図6の下側には、回転体本体50と駆動ユニット56とが分解された状態の走行駆動回転体5が示されている。回転体本体50は、中空状の左半球状回転体51と中空状の右半球状回転体52との分割構成である。左半球状回転体51と右半球状回転体52の中心部には、それぞれの車軸54aと54bと連結するハブ53が形成されている。左半球状回転体51と右半球状回転体52とは、実質的には同じ形状であり、階段走行ロボットなどに用いられているようなリムレススポークホイールに似た形状を有している。
【0028】
左半球状回転体51と右半球状回転体52とは、実質的には同じ形状であるので、ここでは、図7を用いて、左半球状回転体51が代表として説明されるが、その説明内容は右半球状回転体52にも適用される。左半球状回転体51は、ハブ孔53aを有する円筒状のハブ53と、このハブ53の外周面から、径方向に延びている複数のスポークモジュール3とからなる。車軸54aをハブ53のハブ孔53aに差し込んで固定することで、車軸54aを介してハブ53は回転する。スポークモジュール3は、ハブ53回転周方向に実質的に等ピッチで配置されており、この実施形態では、8本のスポークモジュール3が45°ピッチで設けられている。スポークモジュール3の先端領域には、通常走行時において配管内周面に接当する接当部30が形成されている。この接当部30が配管内周面と接当して回転力を走行方向の駆動力に変換することになる。
【0029】
各スポークモジュール3は、ハブ53の外周面から立ち上がっているが、車軸54a周りの外側回転軌跡が半球状面を形成するように、湾曲しながら延びて、その先端領域は、車軸54aとほぼ平行となっている。したがって、左半球状回転体51の内部には、スポークモジュール3によって間欠的に境界付けられた半球状空間が作り出される。つまり、左半球状回転体51と右半球状回転体52とのスポークモジュール3の、車軸54a周りの外側回転軌跡は、球状面を形成することになり、回転体本体50の内部には、スポークモジュール3によって間欠的に境界付けられた球状空間が作り出されることになる。
【0030】
スポークモジュール3は、やや先窄まりのロッド状のスポーク体31と、スポーク体31を補強するリブ32とからなる。リブ32は、ハブ53の外周面を軸方向に延びたベース面から径方向に延びて前記スポーク体31の下面に連結する板状部材である。この実施形態では、リブ32は、スポーク体31の先端領域でスポーク体31から突き出しており、接当部30を形成している。なお、スポーク体31とリブ32は一体形成されてもよいし、樹脂等で成形される場合には、ハブ53も含めて一体形成されることが好ましい。
【0031】
図6から明らかなように、組み立てられた状態において、左半球状回転体51と右半球状回転体52の互いの先端の間には隙間が形成されている。つまり、左半球状回転体51と右半球状回転体52とは独立して回転可能である。
【0032】
図8から理解できるように、管内走行台車6が小径の配管を通過する際には、前側アームユニット8A及び後側アームユニット8Bの各アームモジュール80が、配管の管中心に向かって揺動し、各アームモジュール80の先端部に位置する走行駆動回転体5同士が近接する。ある一定の揺動角までアームモジュール80が揺動すると、隣接する走行駆動回転体5における一方の走行駆動回転体5の左半球状回転体51と他方の走行駆動回転体5の右半球状回転体52とが咬み合うようになる(図10参照)。つまり、左半球状回転体51のスポークモジュール3と右半球状回転体52のスポークモジュール3とが互いの隙間に入り込むことになる。このことにより、走行駆動回転体5によって規定される管内走行台車6の外径がより小さくなり、より小径の配管の内部を走行することが可能となる。
【0033】
さらに、この左半球状回転体51のスポークモジュール3と右半球状回転体52のスポークモジュール3との噛み合いは、一方の半球状回転体が空転していた場合には、当該半球状回転体が噛み合い相手となっている半球状回転体に動力を伝達することができるという利点を生み出す。つまり、小径断面部の走行時や小径曲管部の走行時には、必ずしも、全ての走行駆動回転体5の左・右半球状回転体51、52が配管内周面に接当しないことがある。しかしながらこの走行駆動回転体5では、隣り合う走行駆動回転体5の間で噛み合っている半球状回転体の一方が空転していても、他方の半球状回転体が配管内周面に接当していれば、他方の半球状回転体は、一方の半球状回転体からも動力を伝達されることで、駆動力倍増で走行回転することができる。
【0034】
なお、スポークモジュール3は、好ましくは3本以上で、互いの間に段差部のエッジが十分に入り込めるスペースが確保できれば、9本以上でもよい。また、接当部30には、ゴム材を付着または装着させてもよい。
【0035】
図6に示すように、駆動ユニット56は、共通のユニットケース55に取り付けられた第1駆動部56aと第2駆動部56bとを備えている。第1駆動部56aと第2駆動部56bは、それぞれモータとギヤ式の減速機構58とを有し、第1駆動部56aは左半球状回転体51の車軸54aを駆動し、第2駆動部56bは右半球状回転体52の車軸54bを駆動する。ユニットケース55は、それぞれの車軸54aと54bを介して左半球状回転体51と右半球状回転体52とを支持している。ユニットケース55は、対応するアームモジュール80の取付座84にねじによって着脱可能に装着される。なお、走行駆動回転体5、つまり左半球状回転体51と右半球状回転体52の半径は、走行すべき配管内面に存在する段差よりわずかに小さいか、それより大きいことが要求されるので、走行すべき配管の段差の大きさによって、走行駆動回転体5のサイズを選択できることは好都合である。
【0036】
図2でその上面の輪郭が一点鎖線で示されているだけであるが、電池ボックス79が基台70に取り付けられている。この電池ボックス79に装着された電池から図示しない給電線を介して、モータ57に、電力が供給されるが、給電線の途中にはこの給電をON/OFFするスイッチが設けられている。このスイッチは、円筒連結部72の先端に設けられている制御ボタンCBの操作によって制御される。
【0037】
次に、特異な配管領域における上述した管内走行台車6の走行状態を説明する。図9は、大径部から小径部に移行するドレッサ領域での走行状態を示している。ここでは、管内走行台車6の前側アームユニット8Aの走行駆動回転体5が大径部と小径部との間の段差に衝突しても、スポークモジュール3が段差のエッジを捉まえることさえできれば、その回転トルクで台車本体7を持ち上げながら、エッジを乗り越えることができる。
【0038】
図10は、小径領域での走行状態を示している。ここでは、配管断面が小さいため、隣接する走行駆動回転体5の左・右半球状回転体51、52が噛み合っている。このように、走行駆動回転体5のスポークモジュール3が歯車のように噛み合っていると、管内走行台車6の横断面積が小さくなるだけでなく、左・右半球状回転体51、52の一方が空転したとしても、その空転側の半球状回転体がスポークモジュール3を介して他方の半球状回転体に動力を伝達することができ、無駄のない走行が実現する。
【0039】
図11は90°に曲がっているエルボ領域での走行状態を示している。この走行においても、前側アームユニット8Aの3つの走行駆動回転体5のうち1つまたは2つ、及び後側アームユニット8Bの3つの走行駆動回転体5のうち1つまたは2つが、同時に内周面に接当するので、走行可能である。さらに、ここでも、配管断面が小さいため、隣接する走行駆動回転体5の左・右半球状回転体51、52が噛み合っていると、左・右半球状回転体51、52の一方が空転したとしても、その空転側の半球状回転体がスポークモジュール3を介して他方の半球状回転体に動力を伝達することができる。
【0040】
〔別実施の形態〕
(1)上述した実施形態では、スポークモジュール3の先端領域に接当部30を形成したが、スポークモジュール3の先端を車軸方向に延ばし、スポークモジュール3の中間領域に接当部30を形成してもよい
2)上述した実施形態では、前側アームユニット8Aと後側アームユニット8Bのそれぞれに、120°間隔で3つのアームモジュール80が配置されていたが、2つのアームモジュール80または4つ以上のアームモジュール80の配置を採用してもよい。
(3)上述した実施形態では、台車本体7にアームユニット8として、前側アームユニット8Aと後側アームユニット8Bが設けられていたが、それらの中間にさらなるアームユニット8を追加してもよい。また、複数の台車本体7が連結して用いられる場合には、各台車本体7に1つのアームユニット8を設けるだけの構成を採用してもよい。
(4)上述した実施形態では、付勢手段91としてコイルばねを採用したが、これに代えてガススプリングなど他の付勢手段を採用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、配管内部、特に直管のみでなくエルボ部やドレッサ部など大径部と小径部を有する配管の内部を走行する管内走行装置に適用される。
【符号の説明】
【0042】
3 :スポークモジュール
30 :接当部
31 :スポーク体
32 :リブ
5 :走行駆動回転体
50 :回転体本体
51 :左半球状回転体
52 :右半球状回転体
53 :ハブ
54a :車軸
54b :車軸
55 :ユニットケース
56 :駆動ユニット
56a :第1駆動部
56b :第2駆動部
57 :モータ
58 :減速機構
6 :管内走行台車
7 :台車本体
70 :基台
71 :屈曲板材
710 :アームブラケット
72 :円筒連結部
8 :アームユニット
8A :前側アームユニット
8B :後側アームユニット
80 :アームモジュール
80a :ハーフモジュール
81 :揺動軸
82 :ボス部
83 :アーム本体
84 :取付座
9 :揺動同期機構
90 :ベベルギヤ
91 :付勢手段
91 :コイルばね
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11