(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施形態1>
以下、本発明の実施形態1に係るコンテンツ表示システムについて、図面を参照して説明する。
本発明の実施形態1に係るコンテンツ表示システムは、例えば、銀行や証券会社等の金融機関の営業店店舗に設置され、利用順番を待つ来店客に対して最適なコンテンツを効果的に提供するためのシステムである。本発明のコンテンツ表示システムは、来店客の待ち状況や呼出情報を取得する受付案内情報取得部からの割込み通知に基づいて、呼出番号を強調表示させると共に、順番に表示している循環表示コンテンツに割り込ませて優先表示したい優先表示コンテンツを表示させることにより、順番待ちしている来店客に対して優先度の高いコンテンツを最適なタイミングで提供することができるものである。
【0013】
[コンテンツ表示システムの構成]
次に、本発明の実施形態1に係るコンテンツ表示システムの構成について、
図1及び
図2を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態1に係るコンテンツ表示システムの構成の一例を示すブロック図である。また、
図2は、本発明の実施形態1に係るコンテンツ表示システムの動作を説明するための説明図である。
本発明の実施形態1に係るコンテンツ表示システム1は、
図1に示すように、来店した顧客に対して有用なコンテンツを表示するコンテンツ表示装置10と、来店した顧客に対し、受け付けた順番を示す受付番号券を発行する発券機20と、営業店の窓口担当者が操作する窓口端末30と、コンテンツ表示装置10の表示部17近辺に設置され、順番待ち中の来店客を撮影するカメラ40と、がLAN(Local Aria Network)等のネットワーク50を介して互いに接続される構成となっている。
【0014】
コンテンツ表示装置10は、表示制御等を行う制御部11と、各種預金や各種融資商品といった金融商品などの表示コンテンツを格納するコンテンツファイル16と、コンテンツファイル16に格納された表示コンテンツや受付番号等の案内情報を表示する表示部17とを含んで構成されている。
【0015】
制御部11は、循環表示制御手段12と、優先表示制御手段13と、顔認識手段14と、受付案内情報取得手段15とを有している。
循環表示制御手段12は、循環表示リスト12aを備え、循環表示リスト12aに定義された順番で循環表示コンテンツを循環表示する制御を行う。
図3は、本発明の実施形態1に係るコンテンツ表示システムにおけるコンテンツ表示装置の循環表示リストの一例を示す図であり、循環表示リスト12aには、「表示するコンテンツファイル名」及び「表示時間」が登録されている。
優先表示制御手段13は、優先表示リスト13aを備え、循環表示制御部12からの指示に従って表示されている循環表示コンテンツに割り込んで優先表示コンテンツを表示する制御を行う。
図4は、本発明の実施形態1に係るコンテンツ表示システムにおけるコンテンツ表示装置の優先表示リストの一例を示す図であり、優先表示リスト13aには、「表示するコンテンツファイル名」、「表示時間」及び「優先属性」が登録されている。
顔認識手段14は、カメラ40から画像を取得して、顔認識処理を実施して性別や年齢等の解析を行う。
受付案内情報取得手段15は、発券機20から待ち人数情報を取得したり、窓口端末30から呼び出しを行った呼出番号(受付番号)及び窓口番号情報を取得し、当該情報を表示する制御を行う。
【0016】
表示部17は、制御部11の循環表示制御手段12、優先表示制御手段13及び受付案内情報取得手段15からの制御信号に基づいて、コンテンツファイル16から所定の表示コンテンツを読み出して表示画面500上に表示すると共に、呼出案内情報を表示する。なお、
図5は、本発明の実施形態1に係るコンテンツ表示システムにおけるコンテンツ表示装置の表示部の表示画面例である。
図5に示すように、表示画面500は、複数の表示エリアに分割されており、各種預金や各種融資商品といった金融商品などの表示コンテンツを表示する表示エリア501と、呼出番号及び窓口番号等の案内を表示する表示エリア502と告示やニュースなどをテロップ表示する表示エリア503とから構成されている。
【0017】
発券機20は、来店客の操作により、来店客に対して、受け付けた順番を示す受付番号券を発行すると共に、コンテンツ表示装置10に対して、待ち人数データを送信する。
窓口端末30は、営業店の窓口担当者が操作する端末であり、コンテンツ表示装置10に対して、受付番号及び窓口番号を含む呼出通知を送信すると共に、発券機20に対して、受付番号を含む呼出通知を送信する。
カメラ40は、順番待ち中の来店客を撮影し、撮影した画像をコンテンツ表示装置10に送信する。なお、カメラ40は、コンテンツ表示装置10の制御部11の優先表示制御手段13からの指示に基づいて画像を送信する。
【0018】
[循環表示制御手段による処理フロー]
次に、本発明の実施形態1に係るコンテンツ表示システムにおけるコンテンツ表示装置の循環表示制御手段による処理について、
図6を参照して詳細に説明する。
図6は、本発明の実施形態1に係るコンテンツ表示システムにおけるコンテンツ表示装置の循環表示制御手段による処理フローを示す図であり、(a)は主処理を示し、また、(b)はイベント受信時の処理を示す。
【0019】
図6(a)に示すように、コンテンツ表示装置10では、循環表示制御手段12による処理は常時実行され、循環表示コンテンツを切り替える主処理と、イベント発生時にのみ主処理と平行して動作するイベント受信処理から構成される。
ステップS101において、コンテンツ表示装置10の制御部11は、循環表示制御手段12により、循環切替要求があるか否かを判断し、要求があれば(ON)ステップS102に処理を進め、要求が無ければ(OFF)ステップS101の処理にもどる。
ステップS102において、循環表示制御手段12は、優先表示中か否かを判断し、優先表示中の場合には(ON)、ステップS101の処理に戻し、優先表示中でない場合には(OFF)、ステップS103に処理を進める。
ステップS103において、循環表示制御手段12は、循環表示リスト12aから表示コンテンツを1データ取得する。
ステップS104において、循環表示制御手段12は、循環表示リスト12aからの次の取得位置を更新(+1)する。
ステップS105において、循環表示制御手段12は、循環表示リスト12aから表示コンテンツのファイル名を取得して表示部17に通知する。
ステップS106において、循環表示制御手段12は、設定された表示時間だけのタイマを起動して循環切替要求フラグをOFFにする。
ステップS107において、循環表示制御手段12は、表示時間分のタイマーカウントを開始する。そして、表示時間だけ経過すると、タイマーカウント終了イベントが発生し、イベント処理の中で循環切替要求をONに設定して(ステップS101)、次の循環表示コンテンツを表示させる。
【0020】
また、優先表示コンテンツを表示する場合には、優先表示制御手段13より割込み開始イベントが発行され、優先表示中フラグがONに設定される。なお、優先表示中フラグがONならば循環切替要求がONでもコンテンツ切替処理はスキップされる。
図6(b)に示すように、ステップS111において、タイマーカウント終了イベントが発生している場合には(YES)、循環切替要求をONに設定して(ステップS112)、ステップS113の処理に進め、タイマーカウント終了イベントが発生していない場合には(NO)、そのままステップS113の処理に進める。
ステップS113において、割込みを開始するか否かの判定を行い、割込みを開始する場合には(YES)、優先表示中フラグをONに設定し(ステップS114)、ステップS115の処理に進め、割込みを開始しない場合には(NO)、そのままステップS115の処理に進める。
ステップS115において、割込みが終了したか否かの判定を行い、割込みが終了した場合、つまり、優先コンテンツの表示が終了した場合には(YES)、割込み終了イベントが発行され,優先表示中フラグがOFFされる(ステップS116)。同時に、循環切替要求をONに設定し(ステップS117)、切替処理を実施することにより、優先コンテンツから循環コンテンツへ復帰させる。
【0021】
[受付案内情報取得手段による処理フロー]
次に、本発明の実施形態1に係るコンテンツ表示システムにおけるコンテンツ表示装置の受付案内情報取得手段による処理について、
図7を参照して詳細に説明する。
図7は、本発明の実施形態1に係るコンテンツ表示システムにおけるコンテンツ表示装置の受付案内情報取得手段による処理フローを示す図であり、(a)は主処理を示し、また、(b)はイベント受信時の処理を示す。
【0022】
図7(a)に示すように、コンテンツ表示装置10では、受付案内情報取得手段15による処理は常時実行され、受付案内表示の更新を実施する主処理とイベント発生時にのみ主処理と平行して動作するイベント受信処理から構成される。
来店客が発券機20を操作することにより、受付番号券が発行され待ち人数が増えた場合には、発券機20からコンテンツ表示装置10に対して、待ち人数通知イベントが発行され、コンテンツ表示装置10の表示部17の表示エリア502の待ち人数が更新される。
また、窓口担当者が、窓口端末30により、次の受付番号の呼出し操作を行うと、呼出通知イベントがコンテンツ表示装置10及び発券機20に対して発行される。なお、コンテンツ表示装置10には、受付番号及び窓口番号を含む呼出通知が、また、発券機20には、受付番号を含む呼出通知が送信される。
ステップS201において、コンテンツ表示装置10の制御部11は、受付案内情報取得手段15により、窓口端末30から呼出通知を受信し、呼出更新があった場合には(ON)、ステップS202に処理を進める。
ステップS202において、受付案内情報取得手段15は、窓口端末30から送信された受付番号及び窓口番号情報に基づいて、表示部17の表示エリア502の呼出番号及び窓口番号を更新する。
なお、新たな受付番号呼出時に、表示部17の表示エリア502の呼出番号の色を変える、点滅表示させるなどの強調表示を行う、またはチャイム音などの音声情報を鳴動させるなどして、次の呼出しがあることを来店客に伝えるようにすることにより、より一層、来店客が表示部の呼出番号を確認するようになり、呼出番号と一緒に、アピールしたい優先度の高いコンテンツを来店客に見せることができる。
ステップS203において、受付案内情報取得手段15は、呼出更新フラグをOFFに設定する。
ステップS204において、受付案内情報取得手段15は、優先表示制御手段13へ割込み通知を送信する。
ここで、窓口端末30から発券機20に対して呼出通知(受付番号)が送信されることで、待ち人数が減ることになるため、発券機20から待ち人数通知イベントがコンテンツ表示装置10に対して発行される。
そこで、ステップS205において、受付案内情報取得手段15は、待ち人数通知イベントを受信すると(ON)、ステップS206に処理を進める。
ステップS206において、受付案内情報取得手段15は、表示部17を制御して表示エリア502の待ち人数を更新させる。
ステップS207において、受付案内情報取得手段15は、待ち人数更新フラグをOFFに設定し、ステップS201の処理に戻る。
【0023】
また、
図7(b)に示すように、受付案内情報取得手段15は、窓口端末30から呼出通知イベントを受信すると(ステップS211,YES)、呼出番号及び窓口番号それぞれのデータを格納し(ステップS212)、呼出更新フラグをONに設定する。
受付案内情報取得手段15は、発券機20から待ち人数通知イベントを受信すると(ステップS214,YES)、待ち人数データを格納し(ステップS215)、待ち人数更新フラグをONに設定して処理を終了する。
【0024】
[優先表示制御手段による処理フロー]
次に、本発明の実施形態1に係るコンテンツ表示システムにおけるコンテンツ表示装置の優先表示制御手段による処理について、
図8を参照して詳細に説明する。
図8は、本発明の実施形態1に係るコンテンツ表示システムにおけるコンテンツ表示装置の優先表示制御手段による処理フローを示す図であり、(a)は主処理を示し、また、(b)はイベント受信時の処理を示す。
【0025】
図8(a)に示すように、コンテンツ表示装置10では、優先表示制御手段13による処理は常時実行され、優先表示コンテンツに切り替える主処理とイベント発生時にのみ主処理と平行して動作するイベント受信処理から構成される。
コンテンツ表示装置10では、受付案内情報取得手段15から割込み通知イベントを受信すると(ステップS301,YES)、イベント受信処理にて割込み要求フラグをONに設定する。
ステップS302において、優先表示制御手段13は、割込み要求フラグのONを検出すると、割込み要求フラグをOFFに設定される。
ステップS303において、優先表示制御手段13は、割込み表示中か否かを判断し、他に割込みがない場合には(OFF)、循環表示制御手段12へ割込み開始イベントを通知し(ステップS304)、循環表示切替を一時停止させ、その後、優先表示リスト13aから優先表示コンテンツを1データ取得する(ステップS305)。
【0026】
なお、順番待ちの来店客の多くは、このタイミングで顔を表示部17に向けるため、同タイミングにて表示部17の近傍に取り付けられたカメラ40から順番待ちの来店客の画像を取得して顔認識処理を実施することにより、顔の認識率を高めることができ、性別・年齢を推測してより来店客に合ったコンテンツを表示することが可能となる。
そこで、カメラ40から送信された順番待ちの来店客画像情報を基にして、顔認識手段14で顔認識処理を実施し、その結果(年齢、性別、人数)と優先表示リスト13aの優先属性とを比較して、優先表示リスト13aから最適な優先表示コンテンツを取得する。
顔認識処理は、公知の顔認識処理を利用して実施する。例えば、顧客画像情報に含まれている顧客の顔の画像から、所定の顔認証アルゴリズムによって特徴を抽出し、その特徴に基づいて人の属性を判定する。顔の特徴としては、顔のパーツ(目、鼻、口など)の相対位置や大きさ、顔の形状などを利用する。更に、メガネ、マスク、帽子、ヘルメットといった各種装着物の有無も特徴として利用する。判定する属性は、性別(男性/女性)、年齢、人数、各種装着物の有無などである。
【0027】
ステップS306において、優先表示制御手段13は、優先表示リスト13aからの次の取得位置の更新(+1)を行う。
ステップS307において、優先表示制御手段13は、優先表示リスト13aから表示コンテンツのファイル名を取得して表示部17に通知する。
ステップS308において、優先表示制御手段13は、割込み表示中フラグをON設定する。
ステップS309において、優先表示制御手段13は、設定された表示時間だけのタイマを起動して、優先表示コンテンツの表示を開始し、表示時間だけ経過するとタイマーカウント終了イベントが発生して、イベント処理の中で循環表示制御手段12へ割込み終了イベントを通知して循環表示を再開させる。
【0028】
また、
図8(b)に示すように、優先表示制御手段13は、受付案内情報取得手段15から割込み通知イベントを受信すると(ステップS311,YES)、割込み要求フラグをONに設定する(ステップS312)。
ステップS313において、優先表示制御手段13は、タイマーカウント終了イベントが発生している場合には(YES)、割込み要求中フラグをOFFに設定して(ステップS314)、循環表示制御手段12へ割込み終了イベントを通知し、処理を終了する。
【0029】
上記のように構成することによって、本発明の実施形態1に係るコンテンツ表示システムにおいては、下記のような動作が為される。
(1)通常、コンテンツ表示装置10では、コンテンツを表示する表示エリア501には循環表示制御手段12が循環表示リスト12aに定義された順番で循環表示コンテンツを循環表示させている。また、番号呼出案内を表示する表示エリア502および告示ニュースなどをテロップ表示する表示エリア503は他のコンテンツに切り替えることなく固定的な表示が為されている。
(2)発券機20から受付番号券が発行され、発券機20からコンテンツ表示装置10に対し待ち人数データが通知されると、コンテンツ表示装置10では、受付案内情報取得手段15が番号呼出案内を表示する表示エリア502の待ち人数表示を更新させる。
(3)また、窓口に設置された窓口端末30により、窓口担当者が呼び出し操作を行うと、呼び出される受付番号及び窓口番号がコンテンツ表示装置10に通知され、コンテンツ表示装置10では、受付案内情報取得手段15が表示エリア502の受付番号及び窓口番号の表示を更新させる。なお、窓口端末30からの呼出通知は発券機20にも送信され、待ち人数データの更新が行われる。
(4)(3)と同時に受付案内情報取得手段15から優先表示制御手段13に対して割込み通知が送信され、優先表示制御手段13は、割込み通知を受信すると、循環表示制御手段12に割込み開始を伝え循環表示の動作を一旦停止させる。
(5)次に、優先表示制御手段13は、優先表示リスト13aに定義された優先表示コンテンツに切り替えるよう表示部17の表示エリア501を制御する。
優先表示制御手段13は、優先表示リスト13aの何番目を表示したかのデータを保持しており、割込み通知の度にカウントアップして次の優先表示コンテンツを表示可能としている。また、各優先表示コンテンツには表示時間が設定されており、表示時間が経過すると循環表示制御手段12に割込み終了を伝えて循環表示を再開させる。なお、優先表示コンテンツ表示中に次の割込み通知を受け取った場合はその通知は無視する。
(6)顔認識手段14で顔認識も実施する場合には、優先表示制御手段13から顔認識制御手段14に対して認識開始を通知してその結果を待つ。顔認識手段14はカメラ40から画像を取得して解析を実施してその結果を優先表示制御手段13に返す。優先表示制御手段13では、返ってきた認識結果から合致する優先表示コンテンツを優先表示リスト13aから選択して表示を切替える。
【0030】
以上説明したように、本発明の実施形態1に係るコンテンツ表示システムによれば、順番待ちしている来店客に対して優先度の高いコンテンツを最適なタイミングで提供することができるコンテンツ表示システムを提供することができる。
また、受付番号の呼出時のような注目が集まるタイミングで、受付番号も含めて表示されたコンテンツ表示装置の表示画面のコンテンツ表示エリアを優先度の高いコンテンツに切り替えることにより、多くの来店客に対して優先度の高いコンテンツを視聴させることができる。
また、普段、コンテンツ表示装置の表示画面を見ないような来店客に対しても、受付番号の呼出時には表示画面に視線を向ける確率が高くなるため、優先度の高いコンテンツを視聴させることができる。
【0031】
<他の実施形態>
以下、本発明の他の実施形態に係るコンテンツ表示システムについて、詳細に説明する。
本発明の他の実施形態に係るコンテンツ表示システムは、本発明の実施形態1に係るコンテンツ表示システムに対して、例えば、以下の特徴を有するものである。
(1)実施形態1においては、窓口端末からの呼出通知に基づいて優先表示コンテンツを表示するようにしているが、発券機からの待ち人数通知によって、順番待ちの来店客が所定の人数に達した場合に優先表示コンテンツを表示するようにする。
【0032】
なお、上記実施の形態の構成及び動作は例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して実行することができることは言うまでもない。