(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
液体通路の一方端側に液体の入る開口を位置させ、前記開口の他方端側は閉塞し、さらに、内管の一方端側である前記液体通路の開口側は閉塞し、他方端側には気体の入る開口を位置させて、液体と気体の入る開口を管長方向において対向配置し、所定角度傾斜して構成された小孔は、前記内管の他方端側から一方端側へと一方向に流動する気体の上流側から、前記液体通路の一方端側から他方端側へと一方向に流動する液体の上流側へと傾斜させたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のノズル管ユニット。
循環使用する洗剤成分を含む加温した洗浄水を被洗浄物に噴射して洗浄を行う本洗い洗浄ゾーンと、前記本洗い洗浄ゾーンの後段に、水道水等の清水を洗浄水として噴射して前記被洗浄物に付着した洗剤成分を除去するとともに前記洗浄水を廃棄する仕上げ洗浄ゾーンを備え、前記仕上げ洗浄ゾーンにノズル管ユニットを配置したことを特徴とする請求項5または6に記載の洗浄装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
第1の発明は、
液体を噴射する複数の噴射ノズルを
管長方向に所定ピッチごとに装着した外管と、前記外管の内側に前記複数の噴射ノズルの各々と略対向させた気体を噴出する複数の小孔を有する内管と
、を所定の間隔を有して略同心状に配置し、
前記外管の内面と前記内管の外面との間隔に液体通路を構成
するとともに、前記内管に有する小孔から前記液体通路に噴出させた気体を前記噴射ノズルに導出させて液体と気体の混合流体として前記噴射ノズルから噴射させるノズル管ユニットであって、
前記内管に有する小孔を前記内管の管長方向と直交する方向に対して所定角度傾斜して構成し、前記内管に有する小孔から前記液体通路内を一方向に流動する液体の上流側に向けて所定角度を有して気体を噴出し、
前記外管に装着した噴射ノズルは、前記外管の管長方向と直交する方向を中心として液体の導入側から順次導入端部、導入通路、中間通路、吐出口を構成するとともに、前記吐出口から前記外管の管長方向と直交する方向に液体を噴出し、
前記液体通路内を一方向に流動する液体の上流側に向けて所定角度を有して気体を噴出する小孔の吐出口の中心位置と、この小孔と略対向し管長方向と直交する方向に液体を噴出する前記噴射ノズルの導入端部の中心位置と、が管長方向と直交する方向において略揃うように配置し、
前記小孔からの気体を前記噴射ノズルに対して前記液体通路内を一方向に流動する液体の上流側に向けて噴出させ、
前記小孔から噴出させた気体を、前記液体通路内を流動する液体の下流側に移動する流れパターンとして前記噴射ノズルの導入通路内に導出させ、
前記内管の外周面と前記液体通路内に位置した前記導入端部との間隔から前記導入通路内に入った液体に前記小孔から噴出した気体を混入させて、前記導入通路内、前記中間通路内で混合し液体と気体の混合流体として
前記噴射ノズルの吐出口から噴射させることを特徴とするノズル管ユニットとしたものである。
【0017】
第2の発明は、
液体を噴射する複数の噴射ノズルを
管長方向に所定ピッチごとに装着した外管と、前記外管の内側に前記複数の噴射ノズルの各々と略対向させた気体を噴出する複数の小孔を有する内管と
、を所定の間隔を有して外管の軸心に対して内管の軸心を偏心させた状態にして配置し、
前記外管の内面と前記内管の外面との間隔に液体通路を構成
するとともに、前記内管に有する小孔から前記液体通路に噴出させた気体を前記噴射ノズルに導出させて液体と気体の混合流体として前記噴射ノズルから噴射させるノズル管ユニットであって、
前記内管に有する小孔を前記内管の管長方向と直交する方向に対して所定角度傾斜して構成し、前記内管に有する小孔から前記液体通路内を一方向に流動する液体の上流側に向けて所定角度を有して気体を噴出し、
前記外管に装着した噴射ノズルは、前記外管の管長方向と直交する方向を中心として液体の導入側から順次導入端部、導入通路、中間通路、吐出口を構成するとともに、前記吐出口から前記外管の管長方向と直交する方向に液体を噴出し、
前記液体通路内を一方向に流動する液体の上流側に向けて所定角度を有して気体を噴出する小孔の吐出口の中心位置と、この小孔と略対向し管長方向と直交する方向に液体を噴出する前記噴射ノズルの導入端部の中心位置と、が管長方向と直交する方向において略揃うように配置し、
前記小孔からの気体を前記噴射ノズルに対して前記液体通路内を一方向に流動する液体の上流側に向けて噴出させ、
前記小孔から噴出させた気体を、前記液体通路内を流動する液体の下流側に移動する流れパターンとして前記噴射ノズルの導入通路内に導出させ、
前記内管の外周面と前記液体通路内に位置した前記導入端部との間隔から前記導入通路内に入った液体に前記小孔から噴出した気体を混入させて、前記導入通路内、前記中間通路内で混合し液体と気体の混合流体として
前記噴射ノズルの吐出口から噴射させることを特徴とするノズル管ユニットとしたものである。
【0018】
前記第1の発明、および第2の発明によれば、内管と外管の間隔に断面積の大きい液体通路を構成し、小さい直径の内管に気体を供給しているため、気体に比べより流量の多い液体の流通抵抗が小さくなり高い供給圧力を必要としない。液体通路中の液体の流通速度がより遅くなり複数の噴射ノズルから均一量の噴射ができる。また、小孔から噴出した空気は、洗浄水通路内を流動する洗浄水のやや上流側に噴出することになり、流動する洗浄水によって下流側に移動する流れパターンとなるため、小孔から噴出した空気はその全量が噴射ノズルに入ることとなり、ノズル管ユニットに有する複数の噴射ノズルの個々で洗浄水と空気の混合比が一定となり、個々のおよび全体の噴射ノズル43において安定した噴出パターンを得ることができる。
【0019】
また、噴射ノズル先端を内管にまで延長させず、この内管を貫通または当接させて固定する必要がないこと、および、複数の噴射ノズルを含めた内管、外管の一体的な組立加工を行う必要がないことからノズル管ユニット全体の構造を簡素化することができるとともに、加工、組み立ても簡素化でき、高い寸法精度を必要としない。
【0020】
また、前記したように従来は、内管、外管、複数の噴射ノズルを一体的に組立加工し、さらに噴射ノズル部の側面に孔を形成させるものであるが、本発明のノズル管ユニットにおいては、噴射ノズルは汎用性のあるものを自由に選択して用いることができ、その着脱も簡単に行うことができる。
【0021】
したがって、本発明のノズル管ユニットによれば、構造を簡素化するとともに複数の噴射ノズルにおいて液体と気体の混合比を均一にして噴射させることができる。
【0022】
また、特に第1の発明において、外管と内管の軸心を合わせて略同心状にするだけで配置を決めることができ、ノズルユニットの加工、組立を容易にすることができる。
【0023】
また、特に第2の発明において、偏心させて配置することで、液体の流路が偏り管長方向に流動する液体の流動抵抗が少なくなり、液体を管長方向へ移動させやすくなる。また、外管と内管の配置を自由に選択できるのでノズルユニットの構成の自由度が増す。
【0024】
第3の発明は、第1
または第2の発明において、
液体の供給圧力に対して、気体の供給圧力をより高く設定したことを特徴とするノズル管ユニットとしたものである。
【0025】
これによって、洗浄水の使用量を最小必要量とし、かつ両者に多少の圧力のバラツキがあっても洗浄水へ空気の混入を安定して容易に行うことができる。
【0026】
第4の発明は、
第1〜第3のいずれかの発明において、液体通路の一方端側に液体の入る開口を位置させ、前記開口の他方端側は閉塞し、さらに、内管の一方端側である前記液体通路の開口側は閉塞し、他方端側には気体の入る開口を位置させて、液体と気体の入る開口を管長方向において対向配置し
、所定角度傾斜して構成された小孔は、前記内管の他方端側から一方端側へと一方向に流動する気体の上流側から、前記液体通路の一方端側から他方端側へと一方向に流動する液体の上流側へと傾斜させたことを特徴とするノズル管ユニットとしたものである。
【0027】
これによって、液体または気体の供給源から外管、内管への液体または気体の供給接続が外管、内管の管長方向にとなり、例えば洗浄装置等への装着が容易となり全体的な小型化、省スペース性、メンテナンス性を向上させることができる。
【0028】
第5の発明は、
上記いずれかのノズル管ユニットの噴射ノズルから洗浄水と空気の混合流体を噴出させて被洗浄物の洗浄を行うことを特徴とする洗浄装置としたものである。
【0029】
これによって、洗浄水の使用量を削減するとともに、被洗浄物の洗浄を確実に効率的に行うことができる。
【0030】
第6の発明は、第5の発明において、
複数のノズル管ユニットに液体を供給するマニホールドを備え、液体通路の液体の入る開口側を前記マニホールドの開口に着脱自在としたことを特徴とする洗浄装置としたものである。
【0031】
これによって、洗浄装置等への装着が容易となり全体的な小型化、省スペース性、メンテナンス性を向上させることができる。
【0032】
第7の発明は、
第5または第6の発明において、循環使用する洗剤成分を含む加温した洗浄水を被洗浄物に噴射して洗浄を行う本洗い洗浄ゾーンと、前記本洗い洗浄ゾーンの後段に、水道水等の清水を洗浄水として噴射して前記被洗浄物に付着した洗剤成分を除去するとともに前記洗浄水を廃棄する仕上げ洗浄ゾーンを備え、前記仕上げ洗浄ゾーンにノズル管ユニットを配置したことを特徴とする洗浄装置としたものである。
【0033】
これによって、洗浄水の使用量を削減するとともに、被洗浄物に付着した洗剤成分の除去を確実に効率的に行うことができる。
【0034】
(実施例1)
以下、本発明の参考例である実施例1においては、皿、お椀等の食器類を被洗浄物の例とし、液体を洗浄水、気体を空気として
図1〜
図16を参照しながら説明する。
【0035】
洗浄装置は、
図1に示すように、主に搬送手段である無端状のコンベア3と、このコンベア3により上下方向に区分され、上方部は上部外郭体1、下方部は下部外郭体2によって外郭を構成している。実施例1においては、コンベア3の上に例えば皿、お椀等の食器類(被洗浄物)4をうつ伏せ状態にして載せ
図1中の実線矢印方向に搬送される。
【0036】
なお、図示しないが、コンベア3は格子状、またはネット状等に構成されたものであり、食器類4が落下しない程度の開口を有し、噴射された洗浄水が前記開口を通過して食器類4に十分当接(衝突)するようにしてある。これによって、噴射された洗浄水により食器類4およびコンベア3自体を洗浄することができる。また、無端状のコンベア3はモータ等の駆動手段により回動し上段のコンベア面により食器類4を搬送する。さらに、コンベア3上の食器類4の浮き上がりを防止するため、食器類4の上面に別の押さえコンベアを設置してもよい。
【0037】
また、被洗浄物を皿、お椀等の食器類4としたが、食器を載せるトレイ、食缶容器でもよく、また、その他の一般容器、板状体、加工製品等であってもよい。さらに、コンベア3の上に例えば皿、お椀等の食器類(被洗浄物)4をうつ伏せ状態にして載せるようにしたが、例えばコンベア3の構成によってトレイ、板状体、加工製品等を縦方向の姿勢として搬送するようにしてもよい。
【0038】
また、食器類4はコンベア3上と上部外郭体1内に形成した洗浄スペース5内を搬送され、洗浄スペース5は入口側に位置する本洗い洗浄ゾーン6、この本洗い洗浄ゾーン6の後段である出口側に位置する仕上げ洗浄ゾーン7で構成している。なお、洗浄スペース5の構成は実施例1に限定するものではない。
【0039】
本洗い洗浄ゾーン6の下部には所定量の洗浄水を貯める貯水タンク8を備えている。貯水タンク8には一定量レベル以上の洗浄水を排出する排水管9を設けている。ポンプ10は貯水タンク8の底部に連通する吸入フランジ11と、マニホールド20に連通する吐出フランジ26を設けている。なお、図示しないが、貯水タンク8の底部には貯水タンク8内の洗浄水の全てを排出するバルブを有する排水管を設けてもよい。
【0040】
また、貯水タンク8内に給水する給水管12、開閉用のバルブ13、フロート14の上下動作によって給水を調節する弁15を備えており、貯水タンク8内の洗浄水の水位を所定の高さに維持する。なお、給水管12は洗浄水として用いる水道管(上水道、図示なし)に接続してある。
【0041】
なお、図示していないが、貯水タンク8内の洗浄水の温度は、例えば60〜70度Cに保たれるように加温装置により温度調節されている。この加温装置は別途に設置するブースターに貯水タンク8内の洗浄水を循環させる方法、貯水タンク8内の洗浄水中に電気ヒータ、蒸気配管を設置して加温する方法等を選択して用いる。
【0042】
食器類4の搬入側であるコンベア3の下方には、食器類4の表面側から落下する残飯、残汁等を受ける受容器16を位置させ、排出管17より下方に落下させる。
【0043】
また、食器類4の搬出側で仕上げ洗浄ゾーン7のコンベア3の下方には、排水受18を位置させ排水管19より外部に放出し廃棄する。
【0044】
次に、
図1〜
図4を参照しながら本洗い洗浄ゾーン6に関連する基本構成を説明する。
なお、
図2、
図4において実線矢印は洗浄水の流動方向を示す。
図3に示すように、縦方向(略鉛直方向)に設置したマニホールド20には略水平方向に上部マニホールド21、下部マニホールド22を連通させて分岐し、各々に複数の開口23、24を設けている。マニホールド20の下部端にはベース25を設け、このベース25をポンプ10の吐出フランジ26と連設させている。
【0045】
図4に示すように、マニホールド20から分岐した上部マニホールド21、下部マニホールド22の各々の複数の開口23、24には所定の弾性を有するゴム等からなるシールリング27を挿入、固定してある。
【0046】
上部マニホールド21のシールリング27には、洗浄水を噴射する複数の小孔29を形成したノズル管28の開口28a側が挿入され、開口28aと反対側のノズル管28は先端が押し潰されて板状となった閉止部30を形成し、この閉止部30は洗浄装置に別途固定した固定板31の開口31aに挿入され、シールリング27と固定板31の開口31aによって保持されている。
【0047】
また、下部マニホールド22のシールリング27には、洗浄水を噴射する複数の小孔33を形成したノズル管32の開口32a側が挿入され、開口32aと反対側のノズル管32は先端が押し潰されて板状となった閉止部34を形成し、この閉止部34は洗浄装置に別途固定した固定板35の開口35aに挿入され、シールリング27と固定板35の開口35aによって保持されている。
【0048】
上部マニホールド21に着脱自在に装着した複数のノズル管28は、コンベア3の上方部に設置し、複数の小孔29から下方側に洗浄水を噴射する。これによって、うつ伏せとなっている食器類4の上面側(食器類の裏面側)に洗浄水を噴射し汚れを除去する。
【0049】
また、下部マニホールド22に着脱自在に装着した複数のノズル管32は、回動するコンベア3の上下間に設置し、複数の小孔33から上方側に洗浄水を噴射する。これによって、うつ伏せとなっている食器類4の下面側(食器類の表面側)に洗浄水を噴射し汚れを除去する。
【0050】
マニホールド20、上部マニホールド21、下部マニホールド22は、コンベア3による食器類4の搬送方向と直交方向の一方の片側に配置し、ノズル管28、32は、コンベア3による食器類4の搬送方向と略直交方向に複数列配置している。
【0051】
ノズル管28、32の着脱方法は、先ず上部マニホールド21、下部マニホールド22の開口23、24に固定した弾性を有するシールリング27に、ノズル管28、32の開口28a、32a側を上部マニホールド21、下部マニホールド22内に挿入する。このとき閉止部30、34の先端は固定板31、35よりも上部マニホールド21、下部マニホールド22側になるまで挿入する。一旦挿入後ノズル管28、32を引き戻し、閉止部30、34の先端を開口31a、35aに挿入して固定する。掃除等でノズル管28、32を外すときは、前記固定時と逆の動作を行う。
【0052】
なお、ノズル管28、32は、閉止した先端部の曲げ方向が相違するが基本的には同一構成のものを共用し、上部マニホールド21に装着するノズル管28においては複数の小孔29を下向き方向とし、下部マニホールド22に装着するノズル管32においては複数の小孔33を上向き方向にして配置するものである。
【0053】
次に、
図5〜
図13を参照しながら仕上げ洗浄ゾーン7に関連する基本構成を説明する。なお、図中の実線矢印は洗浄水(液体)の流動方向、破線矢印は空気(気体)の流動方向を示す。
【0054】
図6に示すように、縦方向(略鉛直方向)に設置したマニホールド36には上下方向に複数の開口37、38を設けている。マニホールド36の下部端にはベース39を設け、
図5に示すように、このベース39を給水管66に連設している。
図7に示すように、マニホールド36に設けた開口37、38には所定の弾性を有するゴム等からなるシールリング40を挿入、固定してある。
【0055】
次に、ノズル管ユニット41a、41bの基本構成を説明する。マニホールド36の上方向に位置する開口37にノズル管ユニット41a、マニホールド36の下方向に位置する開口38にノズル管ユニット41bを装着している。ノズル管ユニット41a、ノズル管ユニット41bの構成は同一であり、以下に両者の基本構成について説明する。
【0056】
各々の開口37、38に固定したシールリング40には、管長方向に洗浄水を噴射する所定ピッチごとに複数の噴射ノズル43を装着した外管42の開口42a側(洗浄水の入口側)が挿入されている。
【0057】
噴射ノズル43は、
図12、13に示すように、液体である洗浄水の導入通路44、中間通路45、導入端部46、スリット47、吐出口48により構成されている。吐出口48からは後述する空気(気体)を混入させた洗浄水を帯状に噴射する。
【0058】
なお、導入通路44、中間通路45、吐出口48にかけてその直径を順次小さく構成し、また、中間通路45の直径よりもスリット47の短辺側の幅は小さく設定されおり、したがって、吐出口48はスリット47の長辺側に大きい略楕円形状となっている。
【0059】
外管42の内側には、管長方向に前記複数の噴射ノズル43と略対向させた複数の小孔50を有する内管49を、洗浄水通路(液体通路)51となる所定の間隔を有して略同心状に配置している。
【0060】
図10に示すように、内管49のマニホールド36側の端部は押し潰して閉止し、ここに連結板52を連設し、かつ連結板52の外周端部は外管42の開口42a部の端面または内周面に溶接等により固定してある。
【0061】
図11に示すように、内管49の他方側端には開口49a(空気の入口)を有し、内管49と外管42とを固定板53を介して溶接等により固定してある。また、この固定板53は外管42の内周面と内管49の外周面に溶接等により固定してある。これにより開口42aの他方端側(内管49の開口49a側)の洗浄水通路51は閉塞させているものである。
【0062】
以上のように、洗浄水通路51における洗浄水の流動方向と内管49内の気体通路67の空気(気体)の流動方向は逆向き(対向流)となっているものである。
【0063】
また、固定板53にはチーズ54を連設し、このチーズ54の内側通路と内管49の開口49aが連通している。また、チーズ54には突出板55が設けられており、
図7に示すように、突出板55を洗浄装置に別途固定した固定板56の開口56aに挿入している。これらによって、ノズル管ユニット41a、41bはシールリング40と固定板56によって保持されている。
【0064】
以上のように、管長方向に洗浄水を噴射する複数の噴射ノズル43を装着した外管42と、外管42の内側には、管長方向に前記噴射ノズル43と略対向させた複数の小孔50を有する内管49を、所定の間隔を有して略同心状に配置、固定して、前記外管42の内面と内管49の外面との間隔に洗浄水通路(液体通路)51を構成するとともに、洗浄水通路51の一方端側(マニホールド36側)に洗浄水の入る開口42aを位置させ、開口42aの他方端側は固定板53により閉塞し、さらに、内管49の一方端側(マニホールド36側、開口42a側)は閉塞し、他方端側には気体の入る開口49aを位置させてノズル管ユニット41a、41bを構成しているものである。
【0065】
また、
図8はノズル管ユニットの外観図、
図9は、マニホールド36の上下側の開口37、38に位置する両者のノズル管ユニット41a、41bへの気体供給経路の構成を示す。
【0066】
図8、
図9に示すように、チーズ54の一方側には逆止弁57を接続し、さらに逆止弁57はエルボ58を介してホース59の一方端側が接続されている。さらに、
図5に示すように、ホース59の一方端側は、空気ポンプ(気体供給手段)63に接続されている。また、チーズ54の他方側にはニュージョイント60を接続している。
【0067】
また、主に
図9に示すように、マニホールド36の上側の開口37に位置するノズル管ユニット41aに装着したニュージョイント60には、ホース61の一方端側が接続されている。ホース61の他方端側はニュージョイント60を介してマニホールド36の下側の開口38に位置するノズル管ユニット41bに装着したチーズ54の一方端側に接続されている。このチーズ54の他方端側は閉止キャップ62により塞がれている。
【0068】
これらの構成により、空気ポンプ(気体供給手段)63により供給された気体は、ホース59、チーズ54を介してマニホールド36の上側の開口37に位置するノズル管ユニット41aの開口49aから内管49内の気体通路67に入り、内管49に有する複数の小孔50から噴出する。
【0069】
また、空気ポンプ(気体供給手段)63により供給された気体は、ホース59、チーズ54を介してホース61に流れ、チーズ54からマニホールド36の下側の開口38に位置するノズル管ユニット41bの開口49aから内管49内の気体通路67に入り、内管49に有する複数の小孔50から噴出する。
【0070】
また、
図5に示すように、水道管に接続されたバルブ64、水道水の圧力を調節するレギュレータ65、給水管66、ベース39を順次介してマニホールド36内に水道水(清水)を供給するものである。
【0071】
また、
図7に示すように、マニホールド36内に供給した水道水は、ノズル管ユニット41a、41bの開口42aから外管42と内管49との間隔である洗浄水通路51内に入り、管長方向に流動する。この管長方向に流動する洗浄水は、外管42に装着した複数の噴射ノズル43から噴出する。
【0072】
また、
図12に示すように、外管42に装着した複数の噴射ノズル43の中心位置に対する内管49に有する複数の小孔50の中心位置は、
図12中のLで示す距離分、外管42と内管49との間隔である洗浄水通路51内を流動する洗浄水の上流側(開口42a側)にずらして構成しているものである。
【0073】
洗浄水は、外管42に装着した複数の噴射ノズル43の導入通路44に入った洗浄水に、内管49に有する複数の小孔50から噴出した空気が混入し、この混合流体は噴射ノズル43の中間通路45を介して吐出口48から噴射される。この時スリット47によって帯状に拡がる噴射パターンを形成するものである。
【0074】
マニホールド36の上部の開口37に着脱自在に装着したノズル管ユニット41aは、コンベア3の上方部に設置し、複数の噴射ノズル43から下方側に空気を混合させた洗浄水を噴射する。これによって、うつ伏せとなっている食器類4の上面側(食器類の裏面側)に付着した主に洗剤成分を除去する。
【0075】
また、マニホールド36の下部の開口38に着脱自在に装着したノズル管ユニット41bは、回動するコンベア3の上下間に設置し、複数の噴射ノズル43から上方側に空気を混合させた洗浄水を噴射する。これによって、うつ伏せとなっている食器類4の下面側(食器類の表面側)に付着した主に洗剤成分を除去する。なお、ノズル管ユニット41a、41bをコンベア3の上下方向に配置したがこれに限定するものではない。例えばノズル管ユニット41a、41bの管長方向を食器類4の搬送方向に平行に配置してもよい。
【0076】
マニホールド36は、コンベア3による食器類4の搬送方向と直交方向の一方の片側に配置し、各々のノズル管ユニット41a、41bは、管長方向をコンベア3による食器類4の搬送方向と略直交方向に配置している。なお、ノズル管ユニット41a、41bは、管長方向をコンベア3による食器類4の搬送方向と略直交方向にして複数列配置してもよい。
【0077】
各々のノズル管ユニット41a、41bの着脱方法は、先ずマニホールド36の開口37、38に固定した弾性を有するシールリング40に、ノズル管ユニット41a、41bの開口42a側をマニホールド36内に挿入する。このとき突出板55の先端は固定板56よりもマニホールド36側になるまで挿入する。一旦挿入後ノズル管ユニット41a、41bを引き戻し、突出板55の先端を開口56aに挿入して固定する。掃除等でノズル管ユニット41a、41bを外すときは、前記固定時と逆の動作を行う。
【0078】
次に、実施例1における洗浄装置の運転動作を説明する。
【0079】
先ず、本洗い洗浄ゾーンの運転動作を
図1〜4を参照しながら説明する。
貯水タンク8に洗浄水が無い場合において、フロート14には浮力が発生していないことから弁15は開状態となっている。この状態においてバルブ13を開として、給水管12、弁15を介して洗浄水である水道水を貯水タンク8内に導入する。貯水タンク8内に洗浄水が所定レベルに達するとフロート14が上昇し弁15を閉として供給を停止させる。
【0080】
この後、図示しない加温装置により貯水タンク8内の洗浄水の温度を例えば60〜70度Cに温度上昇させるともに、洗剤を洗浄水に溶解させる。
【0081】
貯水タンク8内の洗浄水の例えば60〜70度Cへの加温完了後、ポンプ10を駆動し吸入フランジ11から洗浄水をマニホールド20内に供給する。マニホールド20内の洗浄水は上部マニホールド21、下部マニホールド22に分岐して流動し、さらに開口28a、32aから複数のノズル管28、32内を管長方向に流動し、各々の小孔29、33から上下方向において対向するように噴出する。
【0082】
ノズル管28、32の各々の小孔29、33から噴出した洗浄水は、貯水タンク8内に落下し循環使用する。食器類に付着した水分、蒸発等にともなう貯水タンク8内の水量の僅かな減少分は、水位の変動によるフロート14の上下による弁15を開閉により洗浄水を補給し貯水タンク8内を一定水位に維持する。
【0083】
次に、仕上げ洗浄ゾーン7の運転動作を
図5〜16を参照しながら説明する。先ず、空気ポンプ(気体供給手段)63を駆動し、この空気ポンプ63から所定圧力を有する空気が、ホース59、エルボ58、逆止弁57、チーズ54、ニュージョイント60、ホース61、ニュージョイント60、チーズ54の順に流動、供給される。
【0084】
このとき、空気ポンプ63の駆動開始は、前記したように、本洗い洗浄ゾーン6において、貯水タンク8内の洗浄水の例えば60〜70度Cへの加温完了後におけるポンプ10の駆動後、または、ポンプ10の駆動とほぼ同時に行う。
【0085】
なお、空気ポンプ63の駆動開始は、貯水タンク8内への洗浄水の供給開始、または、加温開始と同時に行ってもよいが、貯水タンク8内の洗浄水の例えば60〜70度Cへの加温完了までに、洗浄水の初期温度が低温の場合には例えば数十分間を要する場合がある。
【0086】
このため、空気ポンプ63の駆動電力の削減による省エネルギー性の向上、耐久性向上のために、前記したように貯水タンク8内の洗浄水の例えば60〜70度Cへの加温完了後におけるポンプ10の駆動後、または、ポンプ10の駆動とほぼ同時に行うことが好ましい。
【0087】
マニホールド36の上側の開口37に装着したノズル管ユニット41aに有するチーズ54に入った空気は、開口49aから内管49内を閉止された先端部へ向かって流動し、この流動する過程で内管49に複数設けた小孔50から液体通路51内に噴出する。
【0088】
さらに、ノズル管ユニット41aに有するチーズ54に入った空気は、ホース61に分流してマニホールド36の下側の開口38に装着したノズル管ユニット41bに有するチーズ54に入る。チーズ54に入った空気は、開口49aから内管49内を閉止された先端部へ向かって流動し、この流動する過程で内管49に複数設けた小孔50から液体通路51内に噴出する。
【0089】
なお、空気供給経路に設けた逆止弁57は、空気ポンプ63の駆動による空気圧送によって逆止弁57内に有する弁(図示なし)を開として空気の流動を可能とし、空気ポンプ63が駆動されないとき、または、何らかの要因により空気圧力が所定値以下の場合には、逆止弁57内に有する弁は閉のままとなり逆流を防止する。
【0090】
逆止弁57を設けない場合には、何らかの要因により空気ポンプ63が駆動されないとき、または、空気圧力が所定値以下の場合には、マニホールド36内、液体通路51に供給された洗浄水が液体通路51から内管49の小孔50を介して内管49内に逆流し、さらには、ホース59を通り空気ポンプ63内に逆流する恐れがある。この場合には、空気ポンプ63自体を破損するか、再起動を困難にする恐れが生じる。したがって、逆止弁57を設けることによって、空気ポンプ63を保護し、耐久性の向上を図ることができる。
【0091】
なお、空気供給手段として空気ポンプ63を用いて説明したが、これに限定するものではなく、コンプレッサー、その他の手段を用いてもよい。
【0092】
次に、空気ポンプ63の駆動により、空気をノズル管ユニット41a、41bを構成する内管49に複数設けた小孔50から液体通路51内に噴出させた後、バルブ64を開として洗浄水(水道水、清水)をレギュレータ65、給水管66を介してマニホールド36内に供給する。
【0093】
水道水の供給圧力によりマニホールド36内に供給した洗浄水は、ノズル管ユニット41a、41bを構成する各々の外管42の開口42aから液体通路51内に入り、液体通路51を管長方向に向かって流動し、ノズル管ユニット41a、41bの外管42に装着した各々の噴射ノズル43から上下方向において対向するように噴出する。
【0094】
次に、主に
図12を用いてノズル管ユニット41a、41bにおいて、先ず空気を供給し、この後に洗浄水の供給を開始したときにおける複数の噴射ノズル43からの空気を混入させた洗浄水の噴射状態を説明する。
【0095】
ノズル管ユニット41a、41bの各開口42aから入り液体通路51を実線矢印方向に流動する洗浄水は、外管42に所定ピッチで装着した複数の噴射ノズル43に分岐して流れる。小孔50を形成した内管49の外周面と、噴射ノズル43の導入端部46とは所定の距離離れて設置されているので、この間隔から液体通路51を実線矢印方向に流動する洗浄水の一部が分岐して導入通路44に入り、さらに、中間通路45を経て吐出口48から噴出する。このとき、液体通路51を流動する洗浄水から導入通路44へ向かって流動する洗浄水の分流経路、すなわち流束が形成されているものである。
【0096】
また同時に、噴射ノズル43の導入通路44とこれに略対向位置にある小孔50からは内管49内の気体通路67を流動する空気の一部が液体通路51を流動する洗浄水中に吐出する。この小孔50から噴出した空気は、液体通路51を流動する洗浄水を介して、前記導入通路44へ向かって流動する洗浄水の分流経路(流束中)に引き込まれる作用を生じる。
【0097】
これによって、小孔50を形成した内管49の外周面と、噴射ノズル43の導入端部46とは所定の距離離れて設置されていても、導入通路44に入った洗浄水に空気を確実に混入させることができる。さらに、導入通路44、中間通路45の経路において洗浄水と空気が均一に混合し、この均一な混合流体が吐出口48から噴出する。
【0098】
また、
図12を用いて説明したように、外管42に装着した複数の噴射ノズル43の中心位置に対する内管49に有する複数の小孔50の中心位置は、管長方向の一部断面である
図12(b)中のLで示す距離分外管42と内管49との間隔である洗浄水通路51内を流動する洗浄水の上流側(開口42a側)にずらして構成しているものである。なお、管の断面である(管長方向と直交する方向の断面)
図12(a)に示すように噴射ノズル43の中心位置に対する内管49に有する小孔50の中心位置は、略同一としているものである。
【0099】
空気を小孔50から洗浄水通路51を流動する洗浄水中に噴射するが、小孔50から噴出した空気(気泡群、空気束)は、噴射ノズル43の導入通路44に達するまでに洗浄水の流動方向(下流側)に流されやすく、小孔50から噴出した空気の一部または大半が導入通路44内に入らない現象を生じることがある。
【0100】
小孔50から噴出した空気がこの小孔50と略対向する噴射ノズル43に入らなかった場合には、この入らなかった分の空気は洗浄水通路51内を流動する洗浄水に混入して下流側に流動することになる。これによって、この部分における噴射ノズル43への空気の混入量が減少してしまうとともに、下流側に流動した空気分は下流側の噴射ノズル43に不安定に混入し、ノズル管ユニット41a、41bに有する複数の噴射ノズル43の個々で洗浄水と空気の混合比にバラツキを生じ、個々のおよび全体の噴射ノズル43において安定した噴出パターンが得られ難くなる。
【0101】
実施例1においては、
図12を用いて説明したように、外管42に装着した複数の噴射ノズル43の中心位置に対する内管49に有する複数の小孔50の中心位置は、
図12中のLで示す距離分、外管42と内管49との洗浄水通路51内を流動する洗浄水の上流側(開口42a側)にずらして構成しているものである。
【0102】
これによって、小孔50からの空気は、噴射ノズル43に対して洗浄水通路51内を流動する洗浄水のやや上流側に噴出することになる。これによって、小孔50から噴出した空気は、洗浄水通路51内を流動する洗浄水によって
図12中のLで示す距離分、前記下流側に移動する流れパターンとなる。したがって、小孔50からの空気はその全量が噴射ノズル43の導入通路44に入ることとなり、ノズル管ユニット41a、41bに有する複数の噴射ノズル43の個々で洗浄水と空気の混合比が一定となり、個々のおよび全体の噴射ノズル43において安定した噴出パターンを得ることができる。
【0103】
なお、前記噴射ノズル43の中心位置に対する内管49に有する複数の小孔50の中心位置のずれ幅であるLの距離は、液体通路51内を流動する洗浄水の流速、小孔50からの空気の噴出速度、噴射ノズル43の導入端部46と内管49の外周面との距離等によって、小孔50からの空気の全量が噴射ノズル43の導入通路44に入るように最適値に設定するものである。なお、実施例1においては、前記噴射ノズル43の中心位置に対する内管49に有する複数の小孔50の中心位置のずれ幅であるLの距離は、例えば1〜3ミリメートルに設定することによって、洗浄水と空気の混合比を一定とすることができる。また、例えば小孔50の直径は、0.5〜1.0ミリメートル、導入通路44の直径は、4〜6ミリメートル、中間通路45の直径は、3ミリメートル、導入端部46と内管49の外周面との距離は1〜2ミリメートルである。また、例えば吐出口48は、寸法1.3×3ミリメートルの略楕円である。
【0104】
ノズル管ユニット41a、41bにおけるマニホールド36(噴射ノズル43)内への洗浄水および空気の供給圧力は、例えば、洗浄水の供給圧力を略0.02MPa、空気の供給圧力を略0.035MPaとし、両者を前記圧力で供給した場合の合算圧力は略0.05MPaとなる。洗浄水の供給圧力と空気の供給圧力を設定によって、洗浄水量と空気量の混合比を変えることができるが、安定噴射、洗浄能力、洗浄水の使用量等から最適値に設定するものである。洗浄水の供給圧力に対して、空気の供給圧力をより高く設定することによって、洗浄水の使用量を最少必要量とし、かつ両者に多少の圧力バラツキがあっても洗浄水へ空気の混入を安定して容易に行うことができる。なお、この圧力設定は一例であってこれに限定するものではない。
【0105】
図14は、噴射ノズル43のスリット47をノズル管ユニット41a、41bの管長方向に対して所定角度を有して傾斜させて装着したものである。この場合の空気混合の有無による噴射ノズル43からの噴射状態の比較を示す図である。なお、図中のW1、W2は噴射状態における帯状の洗浄水を示す。(a)は小孔50からの空気の噴出がなく洗浄水のみの噴射状態、(b)は洗浄水と空気を混合させた場合の噴射状態における帯状の洗浄水を示す。
【0106】
また、
図15は噴射ノズル43のスリット47をなくし、丸孔の吐出口としてノズル管ユニット41a、41bに装着したもので、この場合の空気混合の有無による噴射ノズル43からの噴射状態の比較を示す図である。なお、図中のW3、W4は噴射状態における円形状の洗浄水を示す。(a)は小孔50からの空気の噴出がなく洗浄水のみの噴射状態、(b)は洗浄水と空気を混合させた場合の噴射状態を示す。
【0107】
さらに、
図16は空気混合の有無による噴射ノズル43内の圧力状態の比較を示す図であり、小孔50からの空気の噴出がなく洗浄水のみの噴射状態時と洗浄水に空気を混合させた場合の噴射状態時の圧力状態を示す。
【0108】
図14において、(a)、(b)を対比すると、空気を混合させた場合の(b)の方が帯状の洗浄水(W2)の長辺方向の幅がより大きくなることが分かる。これによって、空気を混合させない場合の(a)に対して、複数の噴射ノズル43による食器類4の搬送方向と直交する方向の全体の幅、および、食器類4の搬送方向の全体の幅が大きくなり、より広いエリアに洗浄水を噴射し、食器類4を確実に洗浄することができる。
【0109】
また、
図15において、(a)、(b)を対比すると、空気を混合させた場合の(b)の方が円形状の洗浄水(W4)の噴射パターンの直径がより大きくなることが分かる。これによって、空気を混合させない場合の(a)に対して、複数の噴射ノズル43による食器類4の搬送方向と直交する方向の全体の幅、および、食器類4の搬送方向の全体の幅が大きくなり、より広いエリアに洗浄水を噴射し、食器類4を確実に洗浄することができる。
【0110】
さらに、
図16に示すように、空気を混合させない場合に比べ、空気を混合させた場合のマニホールド36(噴射ノズル43)内の圧力が増すとともに、圧力が細かく変動する。これは、噴射ノズル43の吐出口48からの空気成分の微小な吐出量変化による吐出抵抗の変化によって生じるものである。
【0111】
空気を混合させた場合のマニホールド36(噴射ノズル43)内の圧力が増すとともに、圧力が細かく変動することによって、この洗浄水の食器類4への衝突力(打力)が増すとともに、絶えず変化し、食器類4に付着した汚れ、および洗剤成分の剥離、除去を促進させることができる。
【0112】
なお、空気を混合させないで洗浄水の供給圧力をアップすれば、
図14、
図15の(b)に示すような噴霧パターンを得ることも可能であるが、洗浄水の使用量が大幅に増えることになり好ましくない。特に、仕上げ洗浄ゾーン7においては、供給、洗浄に使用した洗浄水を再利用せずそのまま排水、廃棄する場合には節水とならず一層好ましくない
【0113】
次に、前記したような本洗い洗浄ゾーン6、仕上げ洗浄ゾーン7の運転動作開始後の食器類4の洗浄動作を説明する。先ず、コンベア3を駆動し、本洗い洗浄ゾーン6側から食器類4をコンベア3の上に載せ、
図1中の実線矢印方向に所定速度で移動を開始させる。食器類4が本洗い洗浄ゾーン6を移動する際、
図2に示すようにノズル管28、32の小孔29、33から対向して噴射した洗浄水が食器類4に衝突し付着した喫食後の汚れを除去する。噴射した洗浄水は貯水タンク8内に落下しポンプ10により循環使用される。
【0114】
また、本洗い洗浄ゾーン6内に、仕上げ洗浄ゾーン7に用いたノズル管ユニット41a、41bを配置し、噴射ノズル43から循環使用する洗浄水と空気の混合流体を噴射して食器類4を洗浄するようにしてもよい。この場合には混合流体の食器類4への衝突力(打力)が増すとともに、絶えず変化し、食器類4に付着した汚れの剥離、除去を一層促進させることができる。
【0115】
本洗い洗浄ゾーン6を通過した食器類4は仕上げ洗浄ゾーン7に移動する。食器類4が仕上げ洗浄ゾーン7を移動する際、
図5に示すようにノズル管ユニット41a、41bの噴射ノズル43から対向して噴射した洗浄水が食器類4に衝突し付着した洗剤成分を除去する。仕上げ洗浄ゾーン7においては、供給、洗浄に使用した洗浄水を再利用せずそのまま排水し、廃棄するものである。
【0116】
なお、仕上げ洗浄ゾーン7における食器類4の洗浄は前記した通りの作用、効果を有するものである。また、仕上げ洗浄ゾーン7で使用した洗浄水の一部を本洗い洗浄ゾーン6の貯水タンク8内に流入させて再利用してもよいが、この流入量は、貯水タンク8内の洗浄水の温度低下、温度バラツキ、および、加温手段の負荷増等の要素から最適条件に設定とすることが好ましい。
【0117】
仕上げ洗浄ゾーン7を通過した食器類4は、洗浄装置から取り出し、保管、喫食に利用するものである。
【0118】
(実施例2)
以下、本発明の仕上げ洗浄ゾーン7に関連する実施例2を
図17を参照しながら説明する。本発明の実施例2においては、内管49に有する小孔50から液体通路51を流動する液体の上流側に向けて所定角度有するように吐出させた空気を噴射ノズル43に導出させて液体と気体の混合流体として噴射するようにしたものである。
図17は、実施例1の
図12に対応しているものである。図中の実線矢印は洗浄水(液体)の流動方向、破線矢印は空気(気体)の流動方向を示す。実施例1と同一箇所は同一番号を付し説明を省略する。
【0119】
実施例2の仕上げ洗浄ゾーン7におけるノズル管ユニット41a、41bの基本構成、マニホールド36への装着方法、気体供給手段等は実施例1と同一である。
【0120】
実施例2において、内管49に有する小孔50は、液体通路51を流動する洗浄水の上流側に向けて所定角度有するように空気を吐出させるようにしたものである。また、外管42と内管49とを略同心状に配置しているものである。
【0121】
図17(b)に示すように、内管49に有する小孔50を、内管49の管長方向と直交する方向(の断面)に対してθで示す角度分傾斜して構成しており、空気は小孔50の小孔吐出口50aから所定角度θを有して液体通路51を流動する洗浄水の上流側に向けて吐出されることとなる。実施例2においては、
図17(b)に示すように小孔50の小孔吐出口50aの中心位置と噴射ノズル43の中心位置とが揃うよう構成されている。
【0122】
図17を用いてノズル管ユニット41a、41bにおいて、先ず空気を供給し、この後に洗浄水の供給を開始したときにおける複数の噴射ノズル43からの空気を混入させた洗浄水の噴射状態を説明する。
【0123】
ノズル管ユニット41a、41bの各開口42aから入り液体通路51を実線矢印方向に流動する洗浄水は、外管42に所定ピッチで装着した複数の噴射ノズル43に分岐して流れる。小孔50を形成した内管49の外周面と、噴射ノズル43の導入端部46とは所定の距離離れて設置されているので、この間隔から液体通路51を実線矢印方向に流動する洗浄水の一部が分岐して導入通路44に入り、さらに、中間通路45を経て吐出口48から噴出する。このとき、液体通路51を流動する洗浄水から導入通路44へ向かって流動する洗浄水の分流経路、すなわち流束が形成されているものである。
【0124】
また同時に、噴射ノズル43の導入通路44とこれに略対向位置にある小孔50からは内管49内の気体通路67を流動する空気の一部が液体通路51を流動する洗浄水中に吐出する。この小孔50から噴出した空気は、液体通路51を流動する洗浄水を介して、前記導入通路44へ向かって流動する洗浄水の分流経路(流束中)に引き込まれる作用を生じる。
【0125】
これによって、小孔50を形成した内管49の外周面と、噴射ノズル43の導入端部46とは所定の距離離れて設置されていても、導入通路44に入った洗浄水に空気を確実に混入させることができる。さらに、導入通路44、中間通路45の経路において洗浄水と空気が均一に混合し、この均一な混合流体が吐出口48から噴出する。
【0126】
実施例2では、内管49に有する小孔50を、管長方向の一部断面である
図17(b)中のθで示す角度分傾斜して構成しているので、小孔50の小孔吐出口50aから吐出させた空気は、所定角度θを有して液体通路51を流動する洗浄水の上流側に向けて吐出されることとなる。なお、管の断面である(管長方向と直交する方向の断面)
図17(a)に示すように噴射ノズル43の中心位置に対する内管49に有する小孔50の中心位置は、略同一としているものである。
【0127】
空気を小孔50から洗浄水通路51を流動する洗浄水中に噴射するが、小孔50から噴出した空気(気泡群、空気束)は、噴射ノズル43の導入通路44に達するまでに洗浄水の流動方向(下流側)に流されやすく、小孔50から噴出した空気の一部または大半が導入通路44内に入らない現象を生じることがある。
【0128】
小孔50から噴出した空気がこの小孔50と略対向する噴射ノズル43に入らなかった場合には、この入らなかった分の空気は洗浄水通路51内を流動する洗浄水に混入して下流側に流動することになる。これによって、この部分における噴射ノズル43への空気の混入量が減少してしまうとともに、下流側に流動した空気分は下流側の噴射ノズル43に不安定に混入し、ノズル管ユニット41a、41bに有する複数の噴射ノズル43の個々で洗浄水と空気の混合比にバラツキを生じ、個々のおよび全体の噴射ノズル43において安定した噴出パターンが得られ難くなる。
【0129】
実施例2においては、
図17を用いて説明したように、内管49に有する小孔50を、管長方向の一部断面である
図17(b)中のθで示す角度分傾斜して構成しているので、小孔50の小孔吐出口50aから吐出させた空気は、所定角度θを有して液体通路51を流動する洗浄水の上流側に向けて吐出されることとなる。
【0130】
これによって、小孔50からの空気は、噴射ノズル43に対して洗浄水通路51内を流動する洗浄水のやや上流側に向けて噴出することになる。小孔50から噴出した空気は、洗浄水通路51内を流動する洗浄水によって、下流側に移動する流れパターンとなる。したがって、小孔50からの空気はその全量が噴射ノズル43の導入通路44に入ることとなり、ノズル管ユニット41a、41bに有する複数の噴射ノズル43の個々で洗浄水と空気の混合比が一定となり、個々のおよび全体の噴射ノズル43において安定した噴出パターンを得ることができる。
【0131】
なお、小孔吐出口50aから所定角度θを有して液体通路51を流動する洗浄水の上流側に向けて吐出されることとなる空気の所定角度θは、液体通路51内を流動する洗浄水の流速、小孔50からの空気の噴出速度、噴射ノズル43の導入端部46と内管49の外周面との距離等によって、小孔50からの空気の全量が噴射ノズル43の導入通路44に入るように最適値に設定するものである。なお、実施例2においては、小孔吐出口50aから吐出される空気の所定角度θは、例えば10〜45度に設定することによって、洗浄水と空気の混合比を一定とすることができる。また、例えば小孔50の直径は、0.5〜1.0ミリメートル、導入通路44の直径は、4〜6ミリメートル、中間通路45の直径は、3ミリメートル、導入端部46と内管49の外周面との距離は1〜2ミリメートルである。また、例えば吐出口48は、寸法1.3×3ミリメートルの略楕円である。
【0132】
なお、実施例2においても、基本的な洗浄装置、洗浄方法、洗浄装置の運転動作等は、実施例1と同様であり、同様の作用、効果が得られるものである。
【0133】
実施例1においては、
図12を用いて説明したように、外管42に装着した複数の噴射ノズル43の中心位置に対する内管49に有する複数の小孔50の中心位置は、
図12中のLで示す距離分、外管42と内管49との洗浄水通路51内を流動する洗浄水の上流側(開口42a側)にずらして構成しているものである。実施例2においても、内管49に有する小孔50を、管長方向の一部断面である
図17(b)中のθで示す角度分傾斜して構成しているのに付加して、さらに実施例1と同様に小孔50の小孔吐出口50aの中心位置を噴射ノズル43の中心位置から洗浄水の上流側にずらした構成としてもよい。
【0134】
例えば、内管49に小孔50を加工する時の加工上の都合により、所定角度θが大きくとれない時等に、小孔50の小孔吐出口50aの中心位置を噴射ノズル43の中心位置から上流側にずらした構成とすることで、小孔50からの空気はその全量が噴射ノズル43の導入通路44に入ることとなり、ノズル管ユニット41a、41bに有する複数の噴射ノズル43の個々で洗浄水と空気の混合比が一定となり、個々のおよび全体の噴射ノズル43において安定した噴出パターンを得ることができる。
【0135】
上流側にずらす距離(実施例1におけるLで示す距離)は、液体通路51内を流動する洗浄水の流速、小孔50からの空気の噴出速度、洗浄水と空気の混合比、洗浄水と空気の流れ分布、洗浄水の粘性等によって、小孔50からの空気の全量が噴射ノズル43の導入通路44に入るように最適条件に設定すればよい。
【0136】
(実施例3)
以下、本発明の仕上げ洗浄ゾーン7に関連する実施例3を
図18を参照しながら説明する。実施例2の仕上げ洗浄ゾーン7においては、ノズル管ユニット41a、41bの外管42と内管49とを略同心状に配置するようにした(
図17参照)が、本発明の実施例3においては、ノズル管ユニット41a、41bの外管42と内管49とを略同心状とせず、偏心させた状態にして配置するようにしたものである。
図18は、実施例1の
図12に対応しているものである。図中の実線矢印は洗浄水(液体)の流動方向、破線矢印は空気(気体)の流動方向を示す。実施例1と同一箇所は同一番号を付し説明を省略する。
【0137】
実施例3の仕上げ洗浄ゾーン7におけるノズル管ユニット41a、41bの基本構成、マニホールド36への装着方法、気体供給手段等は実施例1と同一である。
【0138】
実施例2の外管42と内管49とを略同心状としたノズル管ユニット41a、41bと異なり、実施例3のノズル管ユニット41a、41bは、外管42の軸心に対して鉛直方向に噴射ノズル43に近くなる側に、内管49の軸心を偏心させた状態にして配置するようにしたものである。
【0139】
外管42の軸心に対して内管49の軸心を
図18中のYで示す距離分偏心させて配置している。このように偏心させて配置することに伴って、噴射ノズル43の導入通路44の長さを、実施例1と比べて短いものとしているが、実施例1の噴射ノズルと同様の作用、効果が得られるものである。
【0140】
図18を用いてノズル管ユニット41a、41bにおいて、先ず空気を供給し、この後に洗浄水の供給を開始したときにおける複数の噴射ノズル43からの空気を混入させた洗浄水の噴射状態を説明する。
【0141】
ノズル管ユニット41a、41bの各開口42aから入り液体通路51を実線矢印方向に流動する洗浄水は、外管42に所定ピッチで装着した複数の噴射ノズル43に分岐して流れる。小孔50を形成した内管49の外周面と、噴射ノズル43の導入端部46とは所定の距離離れて設置されているので、この間隔から液体通路51を実線矢印方向に流動する洗浄水の一部が分岐して導入通路44に入り、さらに、中間通路45を経て吐出口48から噴出する。このとき、液体通路51を流動する洗浄水から導入通路44へ向かって流動する洗浄水の分流経路、すなわち流束が形成されているものである。
【0142】
また同時に、噴射ノズル43の導入通路44とこれに略対向位置にある小孔50からは内管49内の気体通路67を流動する空気の一部が液体通路51を流動する洗浄水中に吐出する。この小孔50から噴出した空気は、液体通路51を流動する洗浄水を介して、前記導入通路44へ向かって流動する洗浄水の分流経路(流束中)に引き込まれる作用を生じる。
【0143】
実施例3では、実施例2と比べて内管49の軸心を鉛直方向に噴射ノズル43に近くなる側(
図18(a)における下方)に偏心させた状態にして配置しているので、内管49の上方を流動する洗浄水が多くなり、噴射ノズル43のある下方へ向かう流れが強くなる。したがって、
図18(a)における上方から、噴射ノズル43の導入通路44へと向かって流動する洗浄水の流束成分が大きく(強く)なる。液体通路51を流動する洗浄水中に吐出された空気を、この上方から下方への大きく(強く)なった流束により包み込むようにして、より確実に導入通路44に入った洗浄水に混入させることができる。また、内管49の上方を流動する洗浄水の流動抵抗が少なくなり、洗浄水を管長方向へ流動させやすくなる。
【0144】
これによって、小孔50を形成した内管49の外周面と、噴射ノズル43の導入端部46とは所定の距離離れて設置されていても、導入通路44に入った洗浄水に空気を確実に混入させることができる。さらに、導入通路44、中間通路45の経路において洗浄水と空気が均一に混合し、この均一な混合流体が吐出口48から噴出する。
【0145】
実施例3では、内管49に有する小孔50を、管長方向の一部断面である
図18(b)中のθで示す角度分傾斜して構成しているので、小孔50の小孔吐出口50aから吐出させた空気は、所定角度θを有して液体通路51を流動する洗浄水の上流側に向けて吐出されることとなる。なお、管の断面である(管長方向と直交する方向の断面)
図18(a)に示すように噴射ノズル43の中心位置に対する内管49に有する小孔50の中心位置は、略同一としているものである。
【0146】
空気を小孔50から洗浄水通路51を流動する洗浄水中に噴射するが、小孔50から噴出した空気(気泡群、空気束)は、噴射ノズル43の導入通路44に達するまでに洗浄水の流動方向(下流側)に流されやすく、小孔50から噴出した空気の一部または大半が導入通路44内に入らない現象を生じることがある。
【0147】
小孔50から噴出した空気がこの小孔50と略対向する噴射ノズル43に入らなかった場合には、この入らなかった分の空気は洗浄水通路51内を流動する洗浄水に混入して下流側に流動することになる。これによって、この部分における噴射ノズル43への空気の混入量が減少してしまうとともに、下流側に流動した空気分は下流側の噴射ノズル43に不安定に混入し、ノズル管ユニット41a、41bに有する複数の噴射ノズル43の個々で洗浄水と空気の混合比にバラツキを生じ、個々のおよび全体の噴射ノズル43において安定した噴出パターンが得られ難くなる。
【0148】
実施例3においては、
図18を用いて説明したように、内管49に有する小孔50を、管長方向の一部断面である
図18(b)中のθで示す角度分傾斜して構成しているので、小孔50の小孔吐出口50aから吐出させた空気は、所定角度θを有して液体通路51を流動する洗浄水の上流側に向けて吐出されることとなる。
【0149】
これによって、小孔50からの空気は、噴射ノズル43に対して洗浄水通路51内を流動する洗浄水のやや上流側に向けて噴出することになる。小孔50から噴出した空気は、洗浄水通路51内を流動する洗浄水によって、下流側に移動する流れパターンとなる。したがって、小孔50からの空気はその全量が噴射ノズル43の導入通路44に入ることとなり、ノズル管ユニット41a、41bに有する複数の噴射ノズル43の個々で洗浄水と空気の混合比が一定となり、個々のおよび全体の噴射ノズル43において安定した噴出パターンを得ることができる。
【0150】
なお、小孔吐出口50aから所定角度θを有して液体通路51を流動する洗浄水の上流側に向けて吐出されることとなる空気の所定角度θは液体通路51内を流動する洗浄水の流速、小孔50からの空気の噴出速度、噴射ノズル43の導入端部46と内管49の外周面との距離等によって、小孔50からの空気の全量が噴射ノズル43の導入通路44に入るように最適値に設定するものである。なお、実施例3においては、小孔吐出口50aから吐出される空気の所定角度θは、例えば10〜45度に設定することによって、洗浄水と空気の混合比を一定とすることができる。また、例えば小孔50の直径は、0.5〜1.0ミリメートル、導入通路44の直径は、4〜6ミリメートル、中間通路45の直径は、3ミリメートル、導入端部46と内管49の外周面との距離は1〜2ミリメートルである。また、例えば吐出口48は、寸法1.3×3ミリメートルの略楕円である。
【0151】
また、実施例3では、内管49の軸心を鉛直方向に噴射ノズル43に近くなる側(
図18(a)における下方)に偏心させた状態にして配置したが、鉛直方向に噴射ノズル43に遠くなる側(
図18(a)における上方)に偏心させた状態に配置してもよい(図示なし)。
【0152】
内管49を鉛直方向に噴射ノズル43に遠くなる側(
図18(a)における上方)に偏心させた状態に配置することで、噴射ノズル43(導入通路44および中間通路45)の長さをノズル管ユニット内部で長くすることができるので、噴射ノズルの外管42の外面からの飛び出し量を小さくすることができる。
【0153】
外管42の外面からの噴射ノズルの飛び出し量を小さくしても、ノズル管ユニット内部で噴射ノズル43(導入通路44および中間通路45)の長さを確保できるため、複数の噴射ノズル43からの空気を混入させた洗浄水を、乱れの少ない安定した状態で噴射させることができる。
【0154】
また、内管49を鉛直方向に噴射ノズル43に遠くなる側(
図18(a)における上方)に偏心させた状態に配置して、空気の吐出口である内管に有する小孔50に噴射ノズル43の導入通路44の導入端部46に向けてノズルを装着して、前記ノズルから所定角度θを有して液体通路51を流動する洗浄水の上流側に向けて空気が吐出されるように構成してもよい。
【0155】
その際、内管49に有する小孔50をθで示す角度分傾斜した構成とせず、装着した前記ノズルの空気の通路をθで示す角度分傾斜した構成としてもよい。また、前記ノズルの空気の吐出口を噴射ノズル43の導入通路44の導入端部46近傍に配置するようにしてもよい。
【0156】
吐出する空気の吐出方向を安定させることができ、空気の吐出口を噴射ノズル43の導入通路44の導入端部46近傍に配置することができるので、液体通路51を流動する洗浄水中に吐出された空気を、確実に導入通路44に入った洗浄水に混入させることができる。
【0157】
なお、実施例3においても、基本的な洗浄装置、洗浄方法、洗浄装置の運転動作等は、実施例1と同様であり、同様の作用、効果が得られるものである。
【0158】
また、外管42の軸心に対して内管49の軸心を
図18中のYで示す距離分偏心させて配置しているが、Yで示す距離は、液体通路51内を流動する洗浄水の流速、小孔50からの空気の噴出速度、洗浄水と空気の混合比、洗浄水と空気の流れ分布、洗浄水の粘性等によって、小孔50からの空気の全量が噴射ノズル43の導入通路44に入るように最適条件に設定すればよい。
【0159】
実施例1においては、
図12を用いて説明したように、外管42に装着した複数の噴射ノズル43の中心位置に対する内管49に有する複数の小孔50の中心位置は、
図12中のLで示す距離分、外管42と内管49との洗浄水通路51内を流動する洗浄水の上流側(開口42a側)にずらして構成しているものである。実施例3においても、内管49に有する小孔50を、管長方向の一部断面である
図18(b)中のθで示す角度分傾斜して構成しているのに付加して、さらに実施例1と同様に小孔50の小孔吐出口50aの中心位置を噴射ノズル43の中心位置から洗浄水の上流側にずらした構成としてもよい。
【0160】
例えば、内管49に小孔50を加工する時の加工上の都合により、所定角度θが大きくとれない時等に、小孔50の小孔吐出口50aの中心位置を噴射ノズル43の中心位置から上流側にずらした構成とすることで、小孔50からの空気はその全量が噴射ノズル43の導入通路44に入ることとなり、ノズル管ユニット41a、41bに有する複数の噴射ノズル43の個々で洗浄水と空気の混合比が一定となり、個々のおよび全体の噴射ノズル43において安定した噴出パターンを得ることができる。
【0161】
上流側にずらす距離(実施例1におけるLで示す距離)は、液体通路51内を流動する洗浄水の流速、小孔50からの空気の噴出速度、洗浄水と空気の混合比、洗浄水と空気の流れ分布、洗浄水の粘性等によって、小孔50からの空気の全量が噴射ノズル43の導入通路44に入るように最適条件に設定すればよい。
【0162】
なお、いずれの実施例においても、ノズル管ユニット41a、41bの外管42と内管49の管の断面(管長方向と直交する方向の断面)を丸形状としたが、角形状の外管と内管としてもよい。また丸形状と角形状の組み合わせとしてもよい。
【0163】
また、いずれの実施例においても、外管42に管長方向に所定ピッチごとに洗浄水を噴射する複数の噴射ノズル43を装着したが、噴射ノズル43を装着せずに外管42に小孔を形成するようにしてもよい。その際に、内管49の小孔50から液体通路51を流動する洗浄水中に吐出された空気を、より確実に洗浄水に混入させるために、噴射ノズル43の代わりに外管42に形成する小孔を、外管42の内側(液体通路側)を広げたテーパー状の小孔としてもよい。
【0164】
また、いずれの実施例においても、液体通路51に液体(洗浄水)を流動させ、気体通路67に気体(空気)を流したが、これらに限定されるものではなく、様々な液体および気体の組み合わせに適用できる。
【0165】
また、いずれの実施例においても、液体を液体通路51に導入する開口42aと、気体を気体通路67に導入する開口49aとを管の端部に構成したが、これに限定されるものではなく、液体通路51、気体通路67に臨んでそれぞれ開口を構成すればよい。また、それぞれの開口を複数構成してもよいものである。
【0166】
また、いずれの実施例においても、噴射ノズル43の導入通路44をなくした構成(導入通路44の口径を中間通路45の口径と同じとする)として用いても、液体通路51を流動する洗浄水中に吐出された空気を、洗浄水に混入させることができる。噴射ノズルは汎用性のあるものを自由に選択して使用用途に合わせて用いることができ、ノズル管ユニットに用いる噴射ノズルの選定の自由度が広がる。
【0167】
また、いずれの実施例においても、ノズル管ユニット41a、41bを外管と内管とで二重管とする構成としたが、二重管としない構成としてもよい。例えば、管長方向に液体を噴射する複数の噴射ノズルと、複数の噴射ノズルの各々と略対向させた気体を噴出する複数の小孔とを、噴射ノズルと小孔とを間隔を有した状態で配置したノズル管として、噴射ノズルと小孔との間隔に液体通路を構成するとともに、小孔から液体通路を流動する液体の上流側に向けて所定角度有するように吐出させた気体を噴射ノズルに導出させて液体と気体の混合流体として噴射するノズルユニットとしてもよい。