(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記穿孔制御部は、シートの属性情報として載置するシートの枚数が所定以下のときは所定回数穿孔処理を行ってから屑押し出し部材で穿孔部材内から穿孔屑を間欠的に押し出し、シートの枚数が所定枚数を超えるときは穿孔処理ごとに屑押し出し部材の屑押し出し動作を行うことを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
上記穿孔制御部は、シートの属性情報として載置するシートの厚さが所定以下のときは所定回数穿孔処理を行ってから間欠的に屑押し出し部材で穿孔部材内から穿孔屑を間欠的に押し出し、シートの厚さが所定厚さを超えるときは穿孔処理ごとに屑押し出し部材の屑押し出し動作を行うことを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
上記穿孔制御部は、載置台に載置されるシートが最終のシートであると判断したときは、シートの枚数が所定枚数以下あるいはシートの厚さが所定厚さ以下であり押し出し動作を行わない設定の場合であっても、上記屑押し出し移動部材を動作して押し出し動作を行わせることを特徴とする請求項4に記載のシート処理装置。
上記穿孔制御部は、マニュアルでの屑押し出し指示がなされた時は、シートへの穿孔部材による穿孔動作完了後、穿孔部材を穿孔位置に位置させた状態で上記屑押し出し移動部材を動作して押し出し動作を行わせ、その後穿孔部材を退避位置に復帰させることを特徴とする請求項4に記載のシート処理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように画像形成装置などから搬出されるシート束特に折りシート束に対して一括の穿孔処理を施す装置あるいは穿孔刃内に穿孔屑をばねにより押し出す装置には、それぞれ次の問題がある。
【0007】
まず、特許文献1のものは、従前のように画像形成装置から排出されるシート1枚1枚に穿孔処理を行う場合に比べ、シートを折りこんだ状態で一度に一括して穿孔するもので、シート毎の穿孔位置がずれることなく仕上がりがよくなる。しかし重なり合ったシート束を一括して穿孔するためには、穿孔刃に大きな力を必要とする。例えば10ページを中折りして20ページの積層状態では、約50キログラム程度が必要とされ、これは積層枚数が大きくなるにつれて大きくしなければならず、装置の大型化、堅牢化、駆動力の大型化が必要となっていいた。
そこで、特許文献2に示す様に、穿孔刃を筒状に内部中空として構成すればシート対する穿孔刃への抵抗を低減して省力化がおこなえる。また、この内部中空部に残留する穿孔屑も排出棒で排出できる。
【0008】
しかしながら、特許文献2の排出棒はバネを介して穿孔刃に取り付けられ、穿孔刃と一体的な動作をする。この為、折角穿孔刃を内部中空としてシートに対する貫通抵抗を少なくしても、穿孔動作の途中から排出棒とともにシートを押圧することになり、省力化が十分に果たせない。また、穿孔するシートが薄紙であったり枚数が少ないときはバネで押されている排出棒が穿孔途中でシートを押して穿孔屑残りが生じたり、穿孔形状が一定にならない。これを防止するため、穿孔刃と排出棒との間に介在するバネを弱くすると、今度は穿孔刃の中空内部に残留した穿孔屑を十分に排出できない。また、シート枚数が少ないときや薄いとき穿孔部材の中空内部に穿孔屑があまり溜まっていず、押し出しが不要な際にも屑押し出し排出を行うことになる。
【0009】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであって、シートの穿孔の際にシートから穿孔抵抗を受けること少なくするために中空状で行い、より一層の省力化が図るとともに、屑の押し出し部材の移動をスムーズに行い穿孔品質を向上するとともに載置台に載置されるシートの枚数や厚さに応じて屑押し出し動作を行うか否かを制御して、効率的な穿孔動作及びこれに伴う穿孔屑の押し出ができるシート処理装置及びこれを備える画像形成装置の提供をその主な課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するために以下の構成を採用する。
請求項1に記載の発明は、搬送されるシートを載置する載置台と、この載置台に載置されたシートに穿孔する内部中空の穿孔部材と、この穿孔部材をシートに穿孔する穿孔位置とこれから退避した退避位置との間で移動させる穿孔移動部材と、この穿孔移動部材を駆動する穿孔駆動部と、上記穿孔部材の中空内部に配置され、中空内部に残留した穿孔屑を押し出す屑押し出し部材と、この屑押し出し部材を穿孔部材の中空内部から押し出す押し出し位置と中空内部に収納する収納位置との間で移動させる押し出し移動部材と、この押し出し移動部材を駆動する押し出し駆動部と、上記穿孔駆動部と押し出し駆動部とを制御する穿孔制御部とを備え、この穿孔制御部は、前記載置台に載置するシートの属性情報に応じて、
前記穿孔部材から穿孔動作ごとに上記屑押し出し部材により屑押し出し動作を行うか、
前記穿孔部材から間欠的に屑押し出し動作を行うかを制御するとともに、
前記屑押し出し部材により前記穿孔部材から穿孔屑を押し出す場合、屑押し出し部材を前記収納位置に復帰させ、その後に前記穿孔部材を前記穿孔位置から前記退避位置に復帰させるシート処理装置。
これによれば、シートの属性情報により屑押し出し動作を穿孔ごとに行うか間欠に行うかを制御したので、効率的な穿孔動作及びこれに伴う穿孔屑の押し出ができるとともに、
前記屑押し出し部材により前記穿孔部材から穿孔屑を押し出す場合には、先に穿孔部材を穿孔位置から退避位置に復帰させるので、穿孔部材の中空内部や先行したシートに穿孔屑が残存することなく、また、穿孔部材が屑押し出し部材の復帰ガイドとなりスムーズに屑押し出し部材を収納位置に戻すことができる。
【0011】
請求項2の発明は、上記穿孔制御部が、処理シートの属性情報として載置するシートの枚数が所定以下のときは所定回数穿孔処理を行ってから屑押し出し部材で穿孔部材内から間欠的に穿孔屑を押し出し、シートの枚数が所定枚数を超えるときは穿孔処理ごとに屑押し出し部材の屑押し出し動作を行う請求項1に記載のシート処理装置である。
これによれば、シート枚数が所定以下のときは、穿孔部材内に残留する穿孔屑の量がそれほど多くないので、ある程度穿孔屑が残留してから間欠的に屑押し出し部材により穿孔屑を押し出すようにし、所定枚数を超えるときは穿孔動作の都度押し出しを行うようにしたので、特に所定枚数以下のシートにあっては穿孔処理能力を向上させたシート処理装置が提供できる。
【0012】
請求項3の発明は、上記穿孔制御部が、処理シートの属性情報として載置するシートの厚さが所定以下のときは所定回数穿孔処理を行ってから屑押し出し部材で穿孔部材内から穿孔屑を押し出し、シートの厚さが所定厚さを超えるときは穿孔処理ごとに屑押し出し部材の屑押し出し動作を行う請求項1に記載のシート処理装置である。
これによれば、シートの厚さが所定以下のときは、穿孔部材内に残留する穿孔屑がそれほど厚くないので、ある程度穿孔屑が残留してから間欠的に屑押し出し部材により穿孔屑を押し出すようにし、所定厚さを超えるときは穿孔動作の都度押し出しを行うようにしたので、特に所定厚さ以下のシートにあっては穿孔処理能力を向上させたシート処理装置が提供できる。
【0013】
請求項4の発明は、
搬送されるシートを載置する載置台と、この載置台に載置されたシートに穿孔する内部中空の穿孔部材と、この穿孔部材をシートに穿孔する穿孔位置とこれから退避した退避位置との間で移動させる穿孔移動部材と、この穿孔移動部材を駆動する穿孔駆動部と、上記穿孔部材の中空内部に配置され、中空内部に残留した穿孔屑を押し出す屑押し出し部材と、この屑押し出し部材を穿孔部材の中空内部から押し出す押し出し位置と中空内部に収納する収納位置との間で移動させる押し出し移動部材と、この押し出し移動部材を駆動する押し出し駆動部と、上記穿孔駆動部と押し出し駆動部とを制御する穿孔制御部とを備え、上記穿孔駆動部と押し出し駆動部が単一の駆動モータからなり、前記穿孔制御部は、駆動モータの回転方向により、穿孔移動部材を駆動して穿孔部材を移動するか、押し出し移動部材を駆動して屑押し出し部材を移動するかを切り替える
とともに、前記載置台に載置するシートの属性情報に応じて前記穿孔部材から穿孔動作ごとに上記屑押し出し部材により屑押し出し動作を行うか、前記穿孔部材から間欠的に屑押し出し動作を行うかを制御するシート処理装置である。
これによれば、駆動原を単一のモータとして回転方向の切り替えで、穿孔部材を移動させるか、屑押し出し部材を移動させるかを選択でき、駆動原を複数持つことがないので装置のコスト低減が可能
となる。また、シートの属性情報により屑押し出し動作を穿孔ごとに行うか間欠に行うかを制御したので、効率的な穿孔動作及びこれに伴う穿孔屑の押し出が可能なシート処理装置が提供できる。
【0014】
請求項5の発明は、上記穿孔制御部が、載置台に載置されるシートが最終のシートあると判断したときは、シートの枚数が所定枚数以下あるいはシートの厚さが所定厚さ以下であり押し出し動作を行わない設定の場合であっても、上記屑押し出し移動部材を動作して押し出し動作を行わせる請求項4に記載のシート処理装置である。
これによれば、シート枚数や厚さが所定以下の場合で、穿孔動作に対して間欠的に穿孔屑の押し出し動作を行っているときであっても、載置台に載置されるシートが1つのジョブ内の最終であると判断されるときは、穿孔屑の押し出し動作を行うので、次のジョブの際に、特別のイニシャル設定を行うことなく穿孔動作が効率的に行える。
【0015】
請求項6の発明は、上記穿孔制御部にマニュアルでの屑押し出し指示がなされた時は、シートへの穿孔部材による穿孔動作完了後、穿孔部材を穿孔位置に位置させた状態で上記屑押し出し移動部材を動作して押し出し動作を行わせ、その後穿孔部材を退避位置に復帰させる請求項4に記載のシート処理装置である。
これによれば、穿孔屑押し出しのマニュアル指示がなされた時は、予め穿孔部材を作動させ穿孔位置に位置させ、屑押し出し部材を作動させるもので、仮に穿孔屑が穿孔部材内に残留している場合であっても、排出屑を散乱させることないシート処理装置を提供できる。
【0016】
請求項7の発明は、順次シート上に画像形成する画像形成手段と、この画像形成手段からのシートに所定の処理を施すシート処理装置とから構成され、このシート処理装置は請求項1から請求項6の何れか1項に記載の構成を備えている画像形成装置である。
これによれば、上記に各記載の作用効果を有する画像形成装置が提供できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明は上記の解決手段を有することにより下記の効果を奏する。
シートに穿孔する内部中空の穿孔部材の穿孔位置とこれから退避した退避位置との間の駆動と、この穿孔部材の中空内部でスライドして穿孔屑を押し出す屑押し出し部材の押し出し位置と中空内部に収納する収納位置とに移動する駆動を別々とし、シートの属性状態によりこれらを制御したので、より一層の省力化が図れるとともに、屑の押し出し部材の移動をスムーズに行え、また、必要に応じて間欠的に穿孔部材内部から穿孔屑の押し出し動作を行ったので、穿孔処理の時間が短縮できる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下図示の実施の態様に基づいて本発明を詳述する。
図1は本発明に係わる画像形成装置を含む全体構成を示し、
図2はシート処理装置の全体構成の説明図を、
図3はシート処理装置に内装するシート穿孔装置の側面断面説明図であり、
図4はシート穿孔装置の正面断面説明図である。また、
図5はシート穿孔装置の穿孔部材と穿孔屑の押し出し部材との拡大説明図である。そこで
図1に示す画像形成システムは画像形成装置Aとシート処理装置Bで構成され、シート処理装置Bにはシート穿孔装置50がユニットとして組み込まれている。
【0020】
[画像形成装置の構成]
図1に示す画像形成装置Aは、給紙部1からシートを画像形成部2に送り、画像形成部2でシートに印刷した後、本体排紙口3からシートを搬出する。給紙部1は複数のサイズのシートが給紙カセット1a、1bに収納してあり、指定されたシートを1枚ずつ分離して画像形成部2に給送する。画像形成部2は例えば静電ドラム4と、その周囲に配置された印字ヘッド(レーザ発光器)5と現像器6と、転写チャージャ7と定着器8が配置され、静電ドラム4上にレーザ発光器5で静電潜像を形成し、これに現像器6でトナーを付着し、転写チャージャ7でシート上に画像を転写し、定着器8で加熱定着する。このように画像形成されたシートは本体排紙口3から順次搬出される。図示9は循環経路であり、定着器8から表面側に印刷したシートを、本体スイッチバック経路10を介して表裏反転した後、再び画像形成部2に給送してシートの裏面側に印刷する両面印刷の経路である。このように両面印刷されたシートは本体スイッチバック経路10で表裏反転された後、本体排紙口3から搬出される。
【0021】
図示11は画像読取装置であり、プラテン12上にセットした原稿シートをスキャンユニット13で走査し、反射ミラー、集光レンズを経て光電変換素子14で電気的に読み取る。この画像データは画像処理部で例えばデジタル処理された後、データ貯蔵部17に転送され、前記レーザ発光器5に画像信号を送る。また、図示15は原稿送り装置であり、原稿スタッカ16に収容した原稿シートをプラテン12に給送するフィーダ装置である。
【0022】
上記構成の画像形成装置Aには制御部(コントローラ)が設けられ、コントローラパネル18から画像形成条件、例えばシートサイズ指定、カラー・モノクロ印刷指定、プリント部数指定、片面・両面印刷指定、拡大・縮小印刷指定などのプリントアウト条件が設定される。一方、画像形成装置Aには上記スキャンユニット13で読み取った画像データ或いは外部のネットワークから転送された画像データがデータ貯蔵部17に蓄積され、このデータ貯蔵部から画像データはバッファメモリに転送され、このバッファメモリ19から順次、レーザ発光器5にデータ信号が移送されるように構成されている。
【0023】
上記コントローラパネル18からは画像形成条件と同時にシート処理条件も入力指定される。このシート処理条件は例えば、(1)「プリントアウトモード」、(2)「ステープル綴じモード」、(3)「シート中綴じ束折りモード」、(4)「中折りシート一括穿孔モード」などが指定される。そして画像形成装置Aは画像形成条件及び後処理条件に応じてシート上に画像形成する。
【0024】
[シート処理装置の構成]
上述の画像形成装置Aに連結されたシート処理装置Bは、画像形成装置Aの本体排紙口3から画像形成されたシートを受け入れ下記のシート処理が可能なように設定されている。
まず、(1)画像形成がされたシートを第1排紙トレイ21に収容する(前述の「プリントアウトモード」)。(2)本体排紙口3からのシートを束状に部揃えして、端面綴じステープル装置33で綴じ後第1排紙トレイ21に収納する(前述の「ステープル綴じモード」)。(3)本体排紙口3からのシートを第2の処理トレイであるスタッカ部35で束状に部揃えしてこのシート束の中程を中綴じステープラ40で綴じ後、冊子状に折り畳んで第2排紙トレイ22に収納する(前述の「シート束中綴じ束折りモード」)。(4)中綴じして冊子状に折り畳んだシート束の折り目付近に束を一括して穿孔して、第2排紙トレイに22に収納する(前述の「中折りシート一括穿孔モード」。)などが指定可能なように構成されている。
【0025】
なお、「中折りシート一括穿孔モード」においては、さらにシート枚数や厚さなどのシートの属性情報に応じて穿孔するシートに対して全てのシート毎に屑押し出しを実行するか、間欠的に屑押し出しを実行するかが設定されている。また、オペレターの指示により最終処理工程で強制的に屑だしを行う「マニュアル屑だし」の設定もある。これらにいては後述する。
【0026】
ところで、シート処理装置Aは
図2に示すようにケーシング20に上記第1排紙トレイ21と第2排紙トレイ22を備え、本体排紙口3に連なる搬入口23を有するシート搬入経路P1が設けられている。このシート搬入経路P1はケーシング20に略々水平方向の直線経路で構成されている。そしてこのシート搬入経路P1から分岐しシートを反転方向に移送する第1スイッチバック搬送路SP1と第2スイッチバック搬送路SP2が配置されている。そして第1スイッチバック搬送路SP1が経路下流側で、第2スイッチバック搬送路SP2が経路上流側でそれぞれシート搬入経路P1から分岐され、両搬送路は互いに距離を隔て対置に配置されている。
【0027】
このような経路構成でシート搬入経路P1には搬入ローラ24と排紙ローラ25が配置されている。排紙ローラ25は正逆転可能となっている。またシート搬入経路P1には第2スイッチバック搬送路SP2にシートを案内する経路切換片(図示せず)が配置されソレノイドなどの作動手段に連結されている。またシート搬入経路P1には搬入口23からのシートに捺印処理するスタンプ手段、或いはシートを1枚ずつ穿孔処理する1枚穿孔ユニット28が搬入ローラ24の下流側に設けられている。
【0028】
[第1スイッチバック搬送路SP1の構成]
図2に示されるようにシート搬入経路P1の下流側(装置後端部)に配置された第1スイッチバック搬送路SP1は次のように構成されている。シート搬入経路P1にはその出口端に排紙ローラ25が設けられ、この排紙ローラ25のシートを積載支持する処理トレイ29が設けられている。この処理トレイ29の上方には正逆転ローラ30がトレイ上のシートと接する位置と離間した待機位置との間で昇降自在に配置されている。この正逆転ローラ30が連結され処理トレイ29上にシートが進入する際は同図時計方向に回転し、シート後端が排紙ローラ25から排紙されトレイ上に進入した後は反時計方向に回転するように制御される。従って処理トレイ29上に第1スイッチバック搬送路SP1が構成されている。
【0029】
上述の第1スイッチバック搬送路SP1の下流側には第1排紙トレイ21が配置され、この第1排紙トレイ21は第1スイッチバック搬送路SP1及び第2スイッチバック搬送路SP2に導かれるシートの先端を支持するように構成されている。
【0030】
上記の処理トレイ29の排紙方向後端部には、端面綴じステープル装置33が配置されている。このステープル装置33は処理トレイ29上に集積されたシート束の後端縁の1個所若しくは複数個所にステープル綴じする。綴じ処理されたシート束は第1排紙トレイ21排出される。
【0031】
上述のように構成された第1スイッチバック搬送路SP1は前記(2)の「ステープル綴じモード」のときには排紙ローラ25からのシートを処理トレイ29上に部揃えし、このシート束を端面綴じステープル装置33で後端縁の1個所又は複数個所をステープル綴じする。また前記(1)の「プリントアウトモード」のときには排紙ローラ25からのシートをスイッチバック搬送することなく、処理トレイ29に沿って送られたシートを正逆転ローラ30の図示時計方向の回転で第1排紙トレイ21に搬出する。
【0032】
[第2スイッチバック搬送路の構成]
前記シート搬入経路P1から分岐された第2スイッチバック搬送路SP2の構成について説明する。この第2スイッチバック搬送路SP2は、
図2に示すようにシートが排紙ローラ25にニップされた状態で正転から逆転してスイッチバック搬送されてくるシートを案内する搬送路である。この搬送路は、
図2に示すようにケーシング20に略々鉛直方向に配置され、経路入口に搬送ローラ36が、経路出口に出口搬送ローラ37が配置されている。また第2スイッチバック搬送路SP2の下流側にはこの搬送路から送られたシートを部揃えし一時集積する第2の処理トレイを構成するスタッカ部35が設けられている。図示のスタッカ部35はシートを移送する搬送ガイドで構成されている。このスタッカ部35には中綴じステープラ40と折りローラ45が配置されている。以下順次これらの構成について説明する。
【0033】
[スタッカ部の構成]
まずスタッカ部35はシートの搬送をガイドするガイド部材で形成され、このガイド上にシートを積載収納するように構成されている。図示のスタッカ部35は第2スイッチバック搬送路SP2に連なり、ケーシング20の中央部に略々鉛直方向に配置されている。これによって装置を小型コンパクトに構成している。このスタッカ部35は内部に最大サイズシートを収納する長さ形状に形成され、特に図示のものは後述する中綴じステープラ40と折りローラ45を配置する側に突出するように湾曲又は屈曲した形状に構成されている。
【0034】
上記スタッカ部35の搬送方向後端側には前述の第2スイッチバック搬送路SP2の出口端とオーバーラップするスイッチバック進入路35aが連設されている。これは第2スイッチバック搬送路SP2の出口搬送ローラ37から送られる搬入(後続)シートの先端とこのスタッカ部35に支持されている積載済(先行)シートの後端をオーバーラップさせることによって集積するシートのページ順位を確保するためである。また、スタッカ部35にはシートの搬入方向先端を規制するストッパー手段としての先端規制部材(以下、ストッパー38という)がガイド下流側に配置してあり、このストッパー38はスタッカ部35に沿って移動可能にガイドレールなどに支持され、図示しないシフト手段でシートをスタッカ部35に搬入する位置、集積方向の中程で綴じる位置及び折りローラ45で折る位置に位置移動するように構成されている。
【0035】
[中綴じステープラの説明]
次に、このスタッカ部35の上方に位置する中綴じステープラ40は、ステープル針をシート束に打ち込むドライバーユニット41と打ち込まれたステープル針の脚部を互いに向き合う方向に折り曲げるクリンチャユニット42で構成され、それぞれのユニットはスタッカ部35を挟んで対向する位置に構成され、通常シート長さの2分の1となる図示Xの綴じ位置でシートを綴じる。尚、この中綴じステープラはシート束の綴じるスープル針として金属の針を用いるほか紙製からなる紙製針や針を使用しない圧着や切り込みをシートに入れて綴じてもよい。
【0036】
[折りローラの説明]
次に、折りローラ45の構成について説明する。上述の中綴じステープラ40の下流側に配置された折位置Yには、
図2に示すようにシート束を折り合わせる折りローラ45とこの折りローラ45のニップ位置にシート束を挿入する折りブレード46が備えられている。折りローラ45は互いに圧接した一対の圧接ローラで構成され、この圧接ローラは略々最大シートの幅長さに形成されている。この折りローラ45は、図示されていない圧縮スプリングで互いに圧接方向に付勢されている。上記一対の圧接ローラはゴムローラなどの比較的摩擦係数の大きい材料で形成されている。
【0037】
また、
図2に示すように上記の圧接ローラの圧接位置に向かって侵入する折りブレード46が進退可能に配置されている。この折りブレード46は、シート束が中綴じステープラ40で中綴じされた後、この綴じ位置を折りローラ45に押し込むように移動し、この動作に連動して折りローラ45が圧接回転することにより中綴じシートを二つ折りに中折りしていく。この途中で折りブレード46は元の位置に復帰して次のシート束の搬入に備える。折りブレードの移動位置は、折り位置Yとして
図2に示されており、この位置はシートが束として綴じ針で綴じられた位置Xに一致している。
【0038】
[シート穿孔装置の説明]
上記の折りローラ45は中折りシートを作成するとともにそのシート束を下流側に中折りシート束搬送パスBPに沿って搬送するようになっている。この下流側にはこの中折りシート束を第2排紙トレイ22に排出する束排出ローラ49が配置されている。上記の折りローラ45と束排出ローラ49との中折りシート束搬送パスBPには、本発明に係わるシート穿孔装置50が配置されている。
このシート穿孔装置50は
図2に示されるように中折りシート束搬送パスBPを挟んでベースユニット51が配置され、このパスの下方には穿孔による穿孔屑を収納する穿孔屑ボックス52が配置されている。
【0039】
以下、
図3から
図5までにより、本発明に係わるシート穿孔装置50についての構成を説明する。
図3は
図2のシート穿孔装置50の側面の断面説明図であり、
図4はこの装置の束排出側からの正面断面説明図である。
図5は
図3及び
図4のシート穿孔装置の穿孔部材と屑押し出し部材の各先端の状態を示した説明図で、
図5(a)は穿孔部材の中空内部に屑押し出し部材が収納されている図、
図5(b)は穿孔部材がシートを穿孔するため穿孔位置に移動した図、
図5(c)は屑押し出し部材が穿孔部材の中空内部から押し出し位置に移動した図である。
【0040】
図3及び
図4に示されるように、シート穿孔装置50は中折りシート束搬送パスBPの下方にシートの載置台53が配置されている。この載置台53には上流側の折りローラ45から搬送されてくるシートを検出するセンサSen1と、後述する穿孔部材60の穿孔刃としての穿孔部材先端60aが貫通する穿孔用ダイ55が設けられている。
一方、中折りシート束搬送パスBPの上方には、シート受け入れ上ガイド57を備えるユニットベース56が配置されている。このユニットベース56は穿孔部材60と穿孔の際に生じる穿孔屑を穿孔部材60内部から押し出す棒形状の押し出し部材としての屑押し出し部材80が貫通するベース貫通孔58が設けられている。
【0041】
このベース貫通孔58を挟んでシート搬送方向下流側(図示左側)にシート束に一括に穿孔する穿孔ユニット51aが配置され、上流側(図示右側)に穿孔部材内部に残留する穿孔屑を押し出す屑押し出しユニット51bを設けている。以下、これらについて説明する。
【0042】
[穿孔ユニットの説明]
まず、穿孔ユニット51aは、内部中空で筒状の穿孔部材先端60aに穿孔刃を有する穿孔部材60を上記ベース貫通孔58に昇降可能に支持している。この穿孔部材60はその上端が傘状に形成されている。この穿孔部材60には、一端がユニットベース56に回動自在に結合される穿孔レバーブラケット結合部63を有し、他端が穿孔部材60上端の傘部分に結合した穿孔レバー結合ピン61を有する穿孔レバー62が設けられている。この穿孔レバー62の長手方向の中程には、穿孔レバーブラケット結合部63を支点として揺動させる偏心カムで構成された穿孔移動部材としての穿孔カム66が配置されている。また、穿孔レバー62の穿孔カム66の位置には穿孔カム受け64が設けられ、また穿孔レバーブラケット結合部63付近には、この穿孔カム受け64が常に穿孔カム66に当接し復帰方向に弾圧する穿孔レバースプリング65がユニットベース56との間に介在している。
なお、穿孔部材60の上記傘部分と穿孔レバー結合ピン61との結合は
図4の部分拡大図に示す様に、穿孔レバー62によって昇降する移動ピン61aが結合部材61bによって傘麩分を両側から支持している。
【0043】
ところで、上記の穿孔カム66は、偏心した位置で穿孔カム駆動軸67に結合され、穿孔カムワンウェイクラッチ71を介して穿孔駆動部としての単一の駆動モータ70に連結してある。また、この穿孔カム66の周面には、この穿孔カム66の位置をセンサ(Sen2)検出させるフラグを貼付けている。このセンサが、図示68を検出すると、穿孔部材60が退避位置にあることを示す穿孔カムホームポジションを示し、図示69を検出すると、穿孔部材60が穿孔位置としてシートに穿孔を完了したことを示す穿孔カム下端位置にあることを示している。従って、このセンサが2度フラグを検出すると穿孔部材60が昇降往復したことになる。
【0044】
[屑押し出しユニットの説明]
次に、屑押し出しユニット51bは、内部中空で筒状の穿孔刃を有する穿孔部材60の中空内部に嵌合して上下に摺動する棒状の屑押し出し部材80を有している。この屑押し出し部材80には、一端がユニットベース56に設けられた移動バー支持ブラケット79に押し出しブラケット結合部84で回動自在に取り付けられ、他端は押し出しレバー結合ピン81により屑押し出し部材80の上端に結合した押し出しレバー82が配設されている。また、この押し出しレバー82の長手方向の中程には、押し出しブラケット結合部84を支点として揺動させる偏心カムで構成された押し出し移動部材としての押し出しカム85が配置されている。また、押し出しレバー82の押し出しカム85の位置には、押し出しカム受け83が設けられ、押し出しブラケット結合部84付近には、この押し出しカム受け83が常に押し出しカム85に当接し、復帰するように戻す押し出しレバースプリング89がユニットベース56との間に介在してある。
【0045】
上記の押し出しカム85は、偏心した位置で押し出しカム駆動軸91に結合され、押し出しカムワンウェイクラッチ88を介して押し出し駆動部としての駆動モータ70に連結してある。また、この押し出しカム85の周面には、この押し出しカム85の位置をセンサ(Sen3)で検出させるフラグを貼付けている。このセンサが、図示86を検出すると、屑押し出し部材80の屑押し出し部材先端80aが穿孔部材60の中空内部の収納位置にあることを示す穿孔カムホームポジションを示し、図示87を検出すると、屑押し出し部材先端80aが穿孔部材60から突出して載置台53の穿孔用ダイに貫通した押し出し位置にあることを示している。従って、このセンサSen3が2度フラグを検出すると屑押し出し部材80が穿孔部材60の中空内部を昇降往復したことになる。
【0046】
[穿孔駆動部と押し出し駆動部の説明]
ここで、これまでの説明においても触れたが、穿孔駆動部及び押し出し駆動部を構成する駆動モータ70とその駆動系について説明する。
図4に示されるように駆動モータ70は、ユニットベース56に立設したモータ支持ブラケット72に固定され、そのモータ駆動軸73が突出して設けられている。このモータ駆動軸73からの駆動は、その軸に設けられたギアにより分岐されて穿孔カムワンウェイクラッチ71を介して穿孔カム駆動軸67と、押し出しカムワンウェイクラッチ88を介して押し出しカム駆動軸91に接続されている。
従って、駆動モータ70のモータ駆動軸73が正転すると穿孔カムワンウェイクラッチ71が接続されて穿孔カム66を移動する穿孔カム駆動軸67を駆動する。この穿孔カム66の回転はセンサ(Sen2)で検出されて動作制御される。
【0047】
一方、駆動モータ70のモータ駆動軸73が逆転すると穿孔カムワンウェイクラッチ71の駆動伝達が断たれ、押し出しカムワンウェイクラッチ88が接続されて押し出しカム85を移動する押し出しカム駆動軸91が駆動される。この押し出しカム85の回転はセンサ(Sen3)で検出されて動作制御される。これらのセンサ(Sen2、Sen3)、駆動モータ70及びシート穿孔装置への搬入排出を検出するセンサ(Sen1)は後述する穿孔制御部としての中折りシート一括穿孔制御部123に接続されている。駆動モータ70は、この中折りシート一括穿孔制御部123によって駆動及びその駆動方向がコントロールされることになる。このように、本願の駆動系は駆動モータ70の正転、逆転の切り替えにより駆動の係合離脱を行っていて、単一の駆動原としている。
【0048】
[穿孔部材と屑押し出し部材との位置関係]
ここで、
図5によりユニットベース56のベース貫通孔に昇降可能な先端に穿孔刃を有し内部中空で筒状の穿孔部材60と、この穿孔部材60の中空内部で昇降移動する棒形状の屑押し出し部材80について説明する。まず、
図5(a)は、穿孔部材60がユニットベース56のベース貫通孔58の退避位置に位置し、屑押し出し部材80は穿孔部材60の中空内部に収納された収納位置に位置している。この状態では中折り束搬送パスBPに沿って送られる折りシートの搬送を妨げないように、穿孔部材60の穿孔部材先端60aも屑押し出し部材80の屑押し出し部材先端80aもユニットベース56の下面より下方に突出していない。
【0049】
次に、
図5(b)は、穿孔部材60の穿孔刃により折りシート束の所定位置に穿孔を行っている状態を示している。この状態では穿孔部材60の穿孔刃である穿孔部材先端60aが
図3に示された穿孔用ダイ55に挿入してシートに穿孔処理を施し、その穿孔屑は穿孔部材60の中空内部に残留することになる。この穿孔屑が残留可能な範囲は屑残留範囲60bとして示されている。本発明においては、30枚ほどの穿孔屑が収納できる範囲に設定してある。従って、折りシートの一部10枚程度が3部ほど収納可能となり、一部の枚数が少ない折りシートにあっては、数回に一度屑押し出し部材80で押し出し動作をすれば、処理効率が上がる。この点は
図10を用いて後述する。
【0050】
図5(c)は、穿孔部材60の穿孔部材先端60aは穿孔用ダイ55に
挿入された穿孔位置に位置した状態で、棒形状の屑押し出し部材80が穿孔部材60の屑残留範囲60bに残留した穿孔屑を穿孔屑ボックス52に向けて押し出した押し出し位置に位置した状態を示している。この状態では穿孔部材先端60aが穿孔用ダイ55に挿入された状態なので、穿孔屑が中折りシート束搬送パスBP中に落下し散乱することなく、確実に穿孔屑は穿孔屑ボックス52に収納される。
【0051】
[シート穿孔装置の動作説明]
ここからは
図6から
図9によりシート穿孔装置50の穿孔及び屑押し出しの動作について説明する。まず、
図6は
図3と
図4のシート穿孔装置50の穿孔部材60の穿孔及び屑押し出し部材80の押し出し動作を示す動作状態説明図で、
図6(a)は穿孔部材60と屑押し出し部材80が初期位置にある状態を示し、
図6(b)は穿孔部材60によりシートに穿孔している状態を示し、
図6(c)は穿孔部材60の中空内部から屑押し出し部材80により穿孔屑を押し出している状態を示す説明図で、何れも穿孔部材60及び屑押し出し部材80の往路動作を示している。
【0052】
図7は、
図6に続くシート穿孔装置50の穿孔部材60の穿孔及び屑押し出し部材の穿孔と押し出し動作完了からの戻り動作を示す説明図で、
図7(a)穿孔と屑押し出しが完了を示した説明図、
図7(b)は屑押し出し部材80の初期位置である収納位置への復帰を示す説明図、
図7(c)は穿孔部材60が初期位置である退避位置に復帰し、全てが初期位置に復帰したことを示す説明図で、何れも穿孔部材60及び屑押し出部材の復路過程を示している。
図8と
図9は、上記シート穿孔装置50の穿孔及び押し出し動作を示すフローチャート図である。尚、説明の都合上、
図8と
図9に示すステップ(図中、S数字で表示)毎に、
図6と
図7の動作時状態図を参照して説明する。
【0053】
[穿孔部材と屑押し出部材の往路動作]
後述する画像形成装置制御部110のモード設定手段112に、オペレターが入力手段111より、折りシートに対して一括穿孔する「中折りシート一括穿孔モード」を設定する。またこの際、あるいはこのモード設定中に穿孔屑を強制的に押し出す「マニュアル屑押し出し」が設定されているものとする。
まず、一部目の折りシート束が折りローラ45によって搬送されセンサSen1により先端が検出されると、この検出から折りシートの折り側先端が穿孔位置に位置しているかを確認する(S1)。その後、穿孔をする所定位置に折りシートが搬送される(S2)。この状態は
図6(a)が示しており、穿孔部材60は退避位置に、屑押し出し部材80は穿孔部材の中空内部にその先端80aが収納された収納位置に位置している。これ位置は、何れもユニットベースの下面より突出しない位置で折りシート束の中折りシート束搬送パスBPでの搬送を妨げないようになっている
【0054】
穿孔可能な所定位置に折りシートの搬送が完了する(S2)と、駆動モータ70が正転方向(時計方向)に駆動回転を開始する。これにより穿孔カム66も
図6の時計方向に回転(S3)し、穿孔レバー62を押下する。この押下により、内部中空で筒状の穿孔刃を有する穿孔部材60の穿孔部材先端60aは、載置台53に設けられた穿孔用ダイ55に貫通して、折りシートの所定位置である穿孔位置に至る。この穿孔位置は
図3に示す穿孔カム66の穿孔カム下端位置69を示すフラグをセンサ検知するまで(S4)回転する。この穿孔カム66が半回転すると穿孔カム下端位置69を示すフラグがセンサS2で検出され、上述の穿孔位置に到達したことになり穿孔カム66を駆動している駆動モータ70の正転を停止する(S5)。
【0055】
次のステップのS6では、上記で穿孔した折りシートの枚数が所定枚数より大きいか、所定厚さよりも厚いか、穿孔屑の押し出し動作をせずに穿孔を3回行ったか、マニュアルによる押し出し指示があるかなどを画像形成装置制御部110からの信号及び中折りシート一括穿孔制御部123により判断する。なお、この判断は、穿孔動作を行う前に判断してもよし、折りシート厚さが所定厚さより厚いか、あるいはマニュアルによる押し出し指示は、外部装置から指示を受けるのではなくシート処理装置制御部115内でのみ判断をしてもよい。
【0056】
ここでは、シート枚数が所定以上(本実施例にあっては、例えば折りシート状態で例えば32枚)として、説明を続ける。シート属性情報としてシート枚数が所定枚数より多いので、毎回屑押し出し部材80で押し出し動作を行う制御を中折りシート一括穿孔制御部123が行うように設定する。折りシートは穿孔部材60で穿孔された状態になっており、この状態で駆動モータ70を逆転する。これにより、押し出しカム駆動軸91が反時計方向に回転し押し出しカム85も同方向に回転する(S7)。この回転により押し出しレバー82は、屑押し出し部材80を押下げる。回転後、押し出しカム85の押し出し位置を示すフラグがセンサSen3に検出されると、
図6(c)に図示されるように屑押し出し部材80は穿孔部内の中空内部から押し出される(S8)。すると駆動モータ70の逆転を停止する(S9)。これにより、穿孔屑は穿孔屑ボックス内に押し出され集積される。
【0057】
[穿孔部材と屑押し出部材の復路動作]
屑押し出し部材80が押し出し位置に移動して、穿孔屑を押し出して排出後、駆動モータ70をこれまで同様に反時計方向に回転駆動を開始する(S10)。すると、屑押し出し部材80の押し出しレバースプリング89の戻し力により穿孔部材60の中空内部の収納位置への復帰を開始する(S11)。その後押し出しカム85を停止し、屑押し出し部材80は初期の収納位置に復帰し、駆動モータ70の駆動を停止する。
【0058】
屑押し出し部材80の復帰の際も、屑押し出し部材80の外周を覆う中空状の穿孔部材60がスライドガイドとなっているので、仮に押し出し部材先端80aに穿孔屑が付着したとしても、その移動の過程で、穿孔屑は穿孔部材60に案内されて、穿孔屑ボックス内に集積される場合が多くなり、中折りシート束搬送パスBPに散乱することを少なくできる。
【0059】
屑押し出し部材80が初期の収納位置に復帰すると、今度は駆動モータ70を時計方向に正転させる。すると穿孔カム66も時計方向に回転を開始する。これにより、穿孔部材60は初期の退避位置に戻る。この戻りにより駆動モータ70を停止し、次の動作に備える。
【0060】
次に、1つのジョブとして次の折りシート束の有無を確認する(S16)。次の折りシート束がある場合には、
図8のシートが所定位置にあるか(S1)の前に戻り、これまで説明した動作を1つのジョブとして指定された束部数に達するまで繰り返す。
指定され折りシート束枚数に達すると、次のステップに進む。ここでは、オペレターにより特に「マニュアル屑押し出し」の排出指示がなされたか否か確認する(S17)。一度もマニュアルの屑押し出しの動作をしていなければ、載置台に折りシート束があるか否かに関係なく、押し出し部材60による穿孔屑の押し出し動作を行うため、穿孔部材60を一旦穿孔位置に移動する(S5)。その後屑押し出し部材80を押し出し位置に移動させ(S9)、収納位置に移動する(S12)。その後、穿孔部材60が退避位置に戻る様にしている(S15)。この動作により、内部中空の穿孔部材60が載置台53に位置する穿孔用ダイ55との間にスライドガイドを作る形となり、仮に穿孔部材60の中空内部に穿孔屑があっても、必ず穿孔屑ボックス52内に落下集積させることが可能となる。
【0061】
[穿孔屑の押し出し部材による間欠押し出し]
次に、
図8のフローチャート図のS6のステップで、先ほどとは逆に、シート属性情報としてシート枚数が所定枚数より多いか、厚さが所定厚さより厚いかのシート属性情報とは別に、屑押し出しをせずに3回穿孔動作をおこなったか、ジョブの最終のシート束か、マニュアル指示より押し出し動作の指示があるかのいずれかに「NO」と判断した場合には、屑押し出し部材80の動作をすることなく、穿孔部材60の退避位置への戻りを実行し、再び穿孔部材60の穿孔位置への動作をすることになる。
【0062】
この動作を行うメリットについて、
図10を用いて説明する。この図は例えば、3枚シートを中折りした6枚シート束を8部穿孔する場合を示したものである。図上段の
図10(a)は、8部すべてにおいて、穿孔部材60の退避位置から穿孔位置への移動の間に、屑押し出し部材80が収納位置から押し出し位置である排出位置に移動した状態を示している。すなわち、穿孔部材の8回の往復動に対して、8回の屑押し出し部材80の往復動を行っている。
【0063】
これに対して、図下段の
図10(b)は、穿孔部材60の3回の穿孔動作に対して1回の屑押し出しだし部材80の押し出し動作を行っている。これは、
図5(b)で説明した屑残留範囲60bに3回の穿孔屑を溜めておいて、押し出し動作を少なくしたものである。これによれば、
図10で示したように上段
図10(a)の処理に比べて下段
図10(b)の処理が2回ほど早く処理していることが理解できる。これは、穿孔部材60の穿孔位置と退避位置との往復動作を短くできたことに起因する。本実施例では、8部として説明したが、処理部数が多くなればなるほど、処理スピードに差が生じ、
図10(b)の屑押し出し部材80の間欠押し出しによって処理速度を向上させることができる。
【0064】
なお、これまでの説明においては、シートの属性情報としてシート枚数が所定枚数以下かあるいは所定枚数を超える枚数か否かを基準としているが、これとは別に折りシート束の全体が所定厚さを超える厚さか否かを基準としてもよい。また、1枚のシートが厚いシートか薄いシートかを設定しこれに枚数を乗じたものをシート属性情報としこれが設定した規準に対して比較して、穿孔動作毎に押し出し動作をするか、間欠に押し出しをするかを設定してもよい。
【0065】
また、これまでの説明にあっては、
図6や
図7に示されるように載置台53に載置した折折りシート束と、穿孔部材60や屑押し出し部材80等を支持するユニットベース56との間に隙間が形成してある。しかし、穿孔する際はこのユニットベース56全体を載置台53側に移動して、折りシート束をユニットベース56と載置台53で挟持プレスして、穿孔あるいは屑押し出しの動作を行ってもよい。この状態であっても、穿孔動作完了後に押し出し部材80を押し出し位置に移動し、復帰も先に屑押し出し部材80を穿孔部材60の中空内部の収納位置に復帰するので、穿孔屑がシート穿孔刃断面によって係止されたり、落下を阻害されたりすることなく、穿孔屑ボックスにスムーズに落下集積させることができる。
【0066】
[制御構成の説明]
これまで、説明したシート穿孔装置50を備えるシート処理装置B及びこのシート処理装置を含む画像形装置Aの制御構成を
図11のブロック図により説明する。画像形成手段を備える画像形成装置制御部110は、コントロールパネルに設けられた入力手段111から所望の処理を入力する。この入力はモード設定手段によって、シート処理装置Bのシート処理装置制御部115を制御する。
【0067】
本実施例のシート処理装置Aのモードは既に説明したように、つぎのモードを備えている。
すなわち、(1)画像形成がされたシートを第1排紙トレイ21に収容する「プリントアウトモード」。(2)本体排紙口3からのシートを束状に部揃ええしてー端面綴じステープル装置33で綴じ後第1排紙トレイ21に収納する「ステープル綴じモード」(3)本体排紙口3からのシートを第2の処理トレイであるスタッカ部35で束状に部揃えしてこのシート束の中程を中綴じステープラ40で綴じ後、冊子状に折り畳んで第2排紙トレイ22に収納する「シート束中綴じ束折りモード」。(4)中綴じして冊子状に折り畳んだシート束の折り目付近に束を一括して穿孔して、第2排紙トレイに22に収納する「中折りシート一括穿孔モード」。これらのモードが指定可能なように構成されている。
【0068】
なお、「中折りシート一括穿孔モード」においては、さらにシート枚数や厚さなどのシート属性に応じて穿孔するシートに対して全てのシート毎に屑押し出しを実行するか、間欠的に屑押し出しを実行するかが設定されている。また、オペレターの指示により最終処理工程で強制的に屑押し出しを行う「マニュアル屑押し出し」の設定も入力手段111から可能となっている。尚、このマニュアルでの設定はシート処理装置制御部115にボタンスイッチなどにより直接行ってもよい。
【0069】
シート処理装置Bは、上記の指定されたモードによって動作可能とされるシート処理装置制御部115と、動作プログラムを格納したROMと、制御データを記憶したRAMを備えている。そして、このシート処理装置制御部115は、この装置内のシート搬送を制御するシート搬送制御部116と、1枚ごとにシートに1枚穿孔ユニット28で穿孔処理を行う1枚穿孔制御部117と、処理トレイ29でシートの集積制御を行う処理トレイ制御部118と、この処理トレイ29にシート束として集積されたシートの端面側を綴じ、綴じ後排出する端面綴じ制御部119を備えている。
【0070】
シート束のシート搬送方向の1/2付近を綴じる中綴じたり中折りしたりする場合、シートのスタッカ部35にシート束を集積するスタッカ部制御部120で制御される。このスタッカ部制御部120は、1枚ずつスタッカ部35に搬入してくるシートの先端を規制するストッパー38や図示していないシート側縁整合部材で整列したシート束を生成する。さらに、シート束の中程にステープル針等を打ち込むように中綴じステープラを制御する中綴じ制御部と中綴じされたシート束を折りブレード46で折りローラ45に押し込んで中折りを施すように制御するシート中折り制御部122を備える。
【0071】
この中折りシートに対して、これまで説明した「中折りシート一括穿孔モード」、「マニュアル屑押し出し」に従って、シート穿孔装置50を制御する中折りシート一括穿孔制御部123を備える。その後、一括穿孔が終了した中折折りシートは、束移送を兼用する折りローラ45、束排出ローラ49を制御する中折シート排出制御部124により制御されて第2排紙トレイに排出集積される。
本発明に特に関連する、中折りシート一括穿孔制御については、これまで各機構の説明及び
図6から
図9までの各動作状態説明図及び動作フローチャート図で説明したので、ここでの説明は省略するが、その内容でシート穿孔装置50を制御する。