(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記昇降支持手段が、一端部に前記被操作部を備え且つ他端部に前記温度検出部を備えた揺動部材を、前記グリル庫に設置した支持部材にて、前記揺動部材の前記被操作部と前記温度検出部との間における前記被操作部の存在側に偏った箇所を上下方向に揺動自在に支持する形態に構成されている請求項2に記載のグリル。
前記揺動部材が、剛性を有する本体部分と上下方向に弾性変形自在なバネ材部分とを、前記本体部分の一端部に前記バネ材部分を接続し、かつ、前記本体部分を前記支持部材にて支持する形態に構成されている請求項3に記載のグリル。
前記収納位置に位置する前記引出部に備えられた前記調理容器の底部を加熱する加熱調理バーナが、ガス燃料と空気との混合気を噴出する複数の炎孔が環状に並ぶ環状の炎孔列を備えた環状のバーナで構成され、
前記温度検出部が、平面視で前記環状の炎孔列の中央に設けられている請求項1〜5の何れか一項に記載のグリル。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のグリルは、温度検出部の損傷を抑制するために、引出部の出退に伴って、調理容器を支持する支持枠体を上下揺動させるものであるから、引出部を出退操作する操作力が大きくなるものであった。
つまり、収納位置に位置する引出部を前方側に突出操作するときには、グリル庫の底面部の凹部に入り込んでいる支持枠体の後端部を、凹部から上方に向けて移動させながら引出部を前方側に移動させなければならないため、引出部を出退操作する操作力が大きくなるものであった。
【0007】
ちなみに、調理容器には、被調理物が保持されるものであるため、引出部を出退操作する際には、調理容器に加えて、被調理物をも移動操作する必要があることに起因して、引出部の出退に伴って、調理容器を支持する支持枠体を上下揺動させる場合には、引出部の操作力が大きくなるものである。
【0008】
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、調理容器の底部と温度検出との摺接を回避して、温度検出部の損傷を抑制するようにしながらも、引出部をグリル庫に対して出退移動する操作力の軽減化を図ることができるグリルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を達成するための本発明に係るグリルは、
グリル扉及び調理容器を備え、且つ、グリル庫の内部に収納される収納位置と前記グリル庫の前方に引き出される引出位置とにわたって出退移動自在な引出部と、
前記グリル庫の内部に備えられ、且つ、前記収納位置に位置する前記引出部に備えられた前記調理容器の底部に当接して当該調理容器の温度を検出可能な温度検出部と、を備えたグリルであって、その第1特徴構成は、
前記温度検出部を上昇させて前記調理容器の底部に当接させる当接状態と、前記温度検出部を下降させて前記調理容器の底部から離間させる離間状態とに切り替え自在に当該温度検出部を支持する昇降支持手段が、前記グリル庫に備えられ、
前記引出部が前記収納位置に近接する設定位置よりも前記収納位置側に位置するときに、前記当接状態とし、かつ、前記引出部が前記設定位置よりも前記引出位置側に位置するときに、前記離間状態とする形態にて、前記昇降支持手段と前記引出部とを機械的に連係する機械式連係手段が備えられて
おり、
前記機械式連係手段が、前記引出部に設けた操作部にて前記昇降支持手段に設けた被操作部を操作する手段であり、
前記被操作部が、前記引出部の前記グリル庫に対する出退移動方向における所定位置にて、前記当接状態にするための当接用被操作位置と前記離間状態にするための離間用被操作位置とに移動する形態で設けられ、
前記操作部が、前記引出部が前記設定位置よりも前記収納位置側に位置するときに、前記被操作部を前記当接用被操作位置に操作するための当接操作部位と、前記引出部が前記設定位置よりも前記引出位置側に位置するときに、前記被操作部を前記離間用被操作位置に操作するための離間操作部位とを、前記出退移動方向に並べて備える形態に構成されている点にある。
【0010】
上記グリルの第1特徴構成によれば、引出部をグリル庫に対して出退移動させると、昇降支持手段と引出部とを機械式連係手段が連係することにより、引出部が収納位置に近接する設定位置よりも収納位置側に位置するときには、温度検出部を上昇させて調理容器の底部に当接させる当接状態とし、かつ、引出部が設定位置よりも引出位置側に位置するときには、温度検出部を下降させて調理容器の底部から離間させる離間状態にすることができる。
【0011】
したがって、引出部をグリル庫に対して出退移動させる際に、温度検出部を当接状態と離間状態とに切換えることができるため、調理容器の底部と温度検出部とが摺接することを回避して、温度検出部の損傷を抑制できる。
【0012】
しかも、引出部をグリル庫に対して出退移動させる際に、調理容器よりも軽量な温度検出部を昇降させて、調理容器の底部と温度検出部とが摺接することを回避するものであるから、引出部をグリル庫に対して出退移動する操作力を軽減できる。
【0013】
要するに、調理容器の底部と温度検出部との摺接を回避して、温度検出部の損傷を抑制するようにしながらも、引出部をグリル庫に対して出退移動する操作力の軽減化を図ることができるグリルを提供できる。
【0015】
また、上記グリルの第
1特徴構成によれば、引出部をグリル庫に対して出退移動させると、引出部と一体的に移動する操作部の当接操作部位と離間操作部位とによって、昇降支持手段の被操作部が、当接用被操作位置と離間用被操作位置とに切換えられて、温度検出部を上昇させて調理容器の底部に当接させる当接状態と、温度検出部を下降させて調理容器の底部から離間させる離間状態とに切換えることができる。
【0016】
そして、操作部が引出部と一体的に移動するものであるから、引出部がグリル庫に対して出退移動されるに伴って、操作部の当接操作部位や離間操作部位にて、昇降支持手段の被操作部を当接用被操作位置と離間用被操作位置とに適切なタイミングにて切換えることができるものとなり、温度検出部を当接状態と離間状態とに適切なタイミングにて切換えることができるものとなる。
【0017】
本発明に係るグリルの第
2特徴構成は、上記グリルの第
1特徴構成に加えて、
前記引出部が、長手方向が前記出退移動方向に沿う状態で前記グリル庫に設けられた固定レールに対して移動自在に支持された可動レールに支持され、前記操作部が、前記可動レールのグリル庫横幅方向内方側を覆う板状のレールカバーにて構成されている点にある。
【0018】
上記グリルの第
2特徴構成によれば、操作部が、可動レールのグリル庫横幅方向内方側を覆う板状のレールカバーにて構成されるものであるから、既設のレールカバーを有効利用した簡素な構成にて、操作部を構成することができる。
【0019】
本発明に係るグリルの第
3特徴構成は、上記グリルの第
2特徴構成に加えて、前記昇降支持手段が、一端部に前記被操作部を備え且つ他端部に前記温度検出部を備えた揺動部材を、前記グリル庫に設置した支持部材にて、前記揺動部材の前記被操作部と前記温度検出部との間における前記被操作部の存在側に偏った箇所を上下方向に揺動自在に支持する形態に構成されている点にある。
【0020】
上記グリルの第
3特徴構成によれば、揺動部材の被操作部と温度検出部との間における被操作部の存在側に偏った箇所を上下方向に揺動自在に支持する形態に構成されているから、被操作部を小量だけ揺動させるだけで、温度検出部を大きく揺動させることができるものとなる。したがって、レールカバーにて構成される操作部にて操作される被操作部の当接用被操作位置と離間用被操作位置との間での移動量が小さくても、温度検出部を大きく揺動させながら、当接状態と離間状態とに適切に切換えることができるものとなる。
【0021】
つまり、レールカバーにて操作部を構成する場合には、当接操作部位と離間操作部位との被操作部の位置変更方向での間隔を、大きくすることができないものとなるが、レールカバーにて構成される操作部にて、当接状態と離間状態とに適切に切換えることができるものとなる。
【0022】
本発明に係るグリルの第
4特徴構成は、上記グリルの第
3特徴構成に加えて、前記揺動部材が、剛性を有する本体部分と上下方向に弾性変形自在なバネ材部分とを、前記本体部分の一端部に前記バネ材部分を接続し、かつ、前記本体部分を前記支持部材にて支持する形態に構成されている点にある。
【0023】
上記グリルの第
4特徴構成によれば、揺動部材がバネ材部分を備えものであるから、温度検出部を上昇させて調理容器の底部に当接させる当接状態とする際に、バネ材部分を弾性変形させた状態で、温度検出部を調理容器の底部に当接させることができる。つまり、温度検出部を上昇させて調理容器の底部に当接させる当接状態とする際に、揺動部材を調理容器に向けて十分に大きく揺動させるようにすることにより、バネ材部分を弾性変形させた状態で、温度検出部を調理容器の底部に当接させることができ、この状態においては、温度検出部が的確に調理容器に当接することになるのである。
【0024】
本発明に係るグリルの第
5特徴構成は、上記グリルの第
4特徴構成に加えて、
前記バネ材部分が、前記本体部分に接続する接続部位から延びる延長部分を備える形態に構成され、前記延長部分が、前記揺動部材を前記温度検出部が前記離間状態となる側に向けて復帰付勢する弾性付勢力を発生する形態で、前記支持部材に係止されている点にある。
【0025】
上記グリルの第
5特徴構成によれば、延長部分が、揺動部材を温度検出部が離間状態となる側に向けて復帰付勢する弾性付勢力を発生する形態で、支持部材に係止されているから、操作部によって被操作部が、温度検出部が離間状態となるように操作されているときに、離間状態に的確に維持することができるため、引出部を出退移動する際に、温度検出部が調理容器に接当することを的確に回避できる。
【0026】
しかも、バネ材部分に延長部分を備えさせて、その延長部分を用いて、揺動部材を温度検出部が離間状態となる側に向けて復帰付勢するものであるから、構成の簡素化を図る形態で、揺動部材を温度検出部が離間状態となる側に向けて復帰付勢することができる。
【0027】
本発明に係るグリルの第
6特徴構成は、上記グリルの第1乃至第
5特徴構成に加えて、
前記収納位置に位置する前記引出部に備えられた前記調理容器の底部を加熱する加熱調理バーナが、ガス燃料と空気との混合気を噴出する複数の炎孔が環状に並ぶ環状の炎孔列を備えた環状のバーナで構成され、
前記温度検出部が、平面視で前記環状の炎孔列の中央に設けられている点にある。
【0028】
上記グリルの第
6特徴構成によれば、温度検出部が、管状のバーナの環状の炎孔列の中央に設けられているから、温度検出部によって、調理容器の底部の温度を適切に検出することができる。
【0029】
つまり、環状のバーナは、その中央に存在する孔部を通して流動する空気を二次空気として用いながら燃料することになるが、温度検出部が、環状のバーナの中央の孔部を通して流動する空気の冷却により、燃焼炎の加熱により高温になることが抑制されるため、調理容器の底部の温度を適切に検出することができるのである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面に基づいて、本発明に係るグリルを、ガスコンロのグリルに適用した場合の実施形態を説明する。
(ガスコンロの構成)
図1に示すように、本発明に係るグリルGが適用されるガスコンロは、コンロ本体1の上面部に、左右一対のコンロバーナ2を備え、且つ、コンロ本体1の内部にグリルGを備えて構成されている。
このガスコンロは、キッチンカウンタに形成したコンロ装着口に上方から挿入して組付ける、いわゆるビルトインタイプとして構成されるものであって、詳述はしないが、コンロ本体1の上部の周縁部には、キッチンカウンタに載置する鍔部が形成されている。
【0032】
コンロ本体1の上部には、ガラス製の天板3が装備され、コンロ本体1の上面部の後部側には、グリルGの燃焼排ガスを排気するためのグリル排気口4が形成されている。
また、天板3の上部には、コンロバーナ2にて加熱される鍋等の加熱対象容器を載置するための五徳5が、左右のコンロバーナ2の夫々に対応して設けられている。
尚、コンロバーナ2の中央部には、
図1に示すように、鍋等の加熱対象容器の存在及び加熱対象容器の底壁温度を検出するコンロバーナセンサー12が設けられている。
【0033】
ちなみに、コンロ本体1の上面部の手前側箇所には、左右のコンロバーナ2の夫々に対する一対のコンロ用操作具6が設けられ、一対のコンロ用操作具6の間に相当する箇所には、運転スイッチ(図示せず)が設けられている。
一対のコンロ用操作具6は、前後や左右のスライド操作及び左右の回転操作により、点火及び消火の指令、目標火力の指令、目標温度に維持する自動温度調理の指令、及び、タイマー調理の指令等を行うように構成されている。 なお、図示を省略するが、コンロ本体1の内部には、ガスコンロの運転を制御するための各種制御を実行するように構成された制御部が設けられている。
【0034】
また、コンロ本体1の前面部におけるグリルGの右側箇所には、グリルG内に設けられた調理加熱バーナとしてのグリルバーナ13(
図2〜
図4参照)を操作するためのグリル用設定操作部10が設けられている。詳述はしないが、グリル用設定操作部10には、グリルバーナ13に対する点火及び消火を指令する押し操作式のグリル点火スイッチ、グリルバーナ13の火力を調節するためのグリル用火力調節スイッチ等が設けられている。
【0035】
ちなみに、グリル用設定操作部10は、下端側の横軸心回りでの回動により開閉自在に枢支されている。
図1には、グリル用設定操作部10が開き状態にある場合が例示されている。
【0036】
(グリルの全体構成)
図2及び
図3に示すように、グリルGは、グリル扉19及び調理容器Nを備え、且つ、グリル庫7の内部に収納される収納位置とグリル庫7の前方に引き出される引出位置とにわたって出退移動自在な引出部11と、グリル庫7の内部に備えられ、且つ、収納位置に位置する引出部11に備えられた調理容器Nの底部Naに当接して調理容器Nの温度を検出可能なグリル用温度センサ14(温度検出部に相当)等を備えて構成されている。
【0037】
グリル庫7は、前方及び後方が開口した角筒状に形成され、前方の開口が前部開口部8とされ、後方の開口とグリル排気口4とが排気ダクト16にて接続されて、その排気ダクト16により排気路15が形成されている。なお、この排気路15には、排気路15を流れる調理排気に含まれる火炎を消火する消炎部材15aが設けられている。
【0038】
引出部11を収納位置に移動したときに、グリル庫7の前部開口部8がグリル扉19により閉じられるように構成されている。
なお、グリル扉19は、後述するスライドレール17に支持した扉接続部材19bに、扉本体部19aを支持する形態に構成されている。
図2及び
図3には、扉本体部19aが扉接続部材19bから取り外された状態の引出部11が記載されている。
図2には、扉本体部19aを仮想線で記載している。
ちなみに、
図1及び
図2には、グリル扉19によって前部開口部8が閉じられて、引出部11がグリル庫7内に収納された収納位置にある状態が示されている。一方、
図3には、引出部11がグリル庫7の前方に引き出された引出位置にある状態が示されている。
【0039】
また、
図2及び
図4に示すように、グリル庫7の底壁7bの上部に、グリルバーナ13としての下側バーナ13b及びグリル用温度センサ14が取り付けられたバーナ取付用基板30が設けられ、そのバーナ取付用基板30の上部に、調理容器Nから溢れた調理汁等を受ける汁受け皿40が設けられている。
【0040】
(引出部の構成)
図2〜
図4に示すように、引出部11には、調理容器Nの外周縁部を支持する形態に線材を曲げ加工して構成された容器支持枠18が備えられている。引出部11は、グリル庫7内の左右の側壁7aの下部に夫々設けられた一対のスライドレール17に支持されている。
このスライドレール17は、周知であるので、詳細な説明を省略して簡単に説明すると、
図2及び
図4に示すように、中間レール17mが固定レール17bにその長手方向にスライド移動自在に支持され、先端レール17t(可動レールに相当)が中間レール17mにその長手方向にスライド移動自在に支持されて構成されている。
【0041】
具体的には、固定レール17bが、その長手方向を引出部11のグリル庫7に対する出退移動方向に沿う状態としてグリル庫7の側壁7aの下部に設けられ、固定レール17bに対してグリル庫横幅方向内方側に位置して並ぶ状態の先端レール17tの先端部に、扉接続部材19bが取り付けられている。なお、この扉接続部材19bは、一対の先端レール17tの先端に、立ち姿勢で架け渡された状態で着脱自在に取り付けられている。
【0042】
また、この先端レール17tには、先端レール17tのグリル庫横幅方向内方側を覆う板状のレールカバー25が設けられている。なお、詳しくは後述するが、機械式連係手段Yの操作部Y1が、このレールカバー25にて構成されている。
【0043】
図2及び
図3に示すように、容器支持枠18の前側の両横側部には、前方に突出する湾曲状に形成された前方突出部18aが設けられており、この前方突出部18aが、扉接続部材19bのグリル庫内面側に設けられた左右一対の係止片部19cに支持されている。なお、容器支持枠18の前方突出部18aは、左右一対の係止片部19cに揺動自在に支持されている。
【0044】
また、容器支持枠18の後側の両横側部には、後方に且つ下方に突出する左右一対の後方突出部18bが設けられている。よって、この後方突出部18bが、グリル庫7の側壁7aに沿って設けられた案内部材50に摺動する状態で引出部11が収納位置から突出位置までの範囲において前後移動するように構成されている。また、引出部11が収納位置に位置する状態で、後方突出部18bがグリル庫7の後壁7cに形成された収容部9に挿入された状態となる。
【0045】
さらに、容器支持枠18には、容器支持枠18の前側部分に、上方に突出する前側上方突出部18cが設けられ、容器支持枠18の後側部分に、上方に突出する後側上方突出部18dが設けられている。前側上方突出部18cと後側上方突出部18dとで後述する調理容器Nが支持されている。
【0046】
(案内部材の構成)
案内部材50は、
図3及び
図4に示すように、側壁7aに沿って設けられている。案内部材50は、側壁7aに沿って出退方向に延びる上向きの平面である平面部50aを備えている。また、断面視で平面部50aより側壁7aに向けて上方に向かう傾斜面部50bが平面部50a沿って設けられている。この傾斜面部50bが容器支持枠18の後方突出部18bの横移動を受止め規制する作用により、グリル庫7内を移動する容器支持枠18の後方突出部18bが、平面部50a上を移動する状態に維持される。
【0047】
(調理容器の構成)
図2〜
図4に示すように、調理容器Nは、平面視の形状が概略長方形状の皿状に構成されている。また、調理容器Nの平面視で前後方向の周縁部35に、外側に向けて突出する外側突状部36が設けられている。そして、外側突状部36を、容器支持枠18の前側上方突出部18cと後側上方突出部18dとに載置する状態で、容器支持枠18に載置支持されている。
【0048】
(グリルバーナの構成)
図2及び
図4に示すように、グリルバーナ13として、収納位置に位置する引出部11に載置された調理容器Nの上方から調理容器Nを加熱する上側バーナ13aと、収納位置に位置する引出部11に備えられた調理容器Nの底部Naを加熱する下側バーナ13bとが設けられている。
【0049】
下側バーナ13bは、円筒状のバーナ本体部20と、そのバーナ本体部20に接続される混合管部21とを備え、バーナ本体部20に、周方向に沿って複数の炎孔22が形成されている。つまり、下側バーナ13bが、ガス燃料と空気との混合気を噴出する複数の炎孔22が環状に並ぶ環状の炎孔列を備えて構成されている。
【0050】
この下側バーナ13bは、ガス燃料が噴出ノズル24から混合管部21の端部に噴出供給される際に、一次空気がエジェクタ作用によって混合管部21の内部に供給されて、一次空気とガス燃料との混合気を上述の炎孔22に供給して燃焼させ、かつ、グリル庫7の板状の底部等に形成した空気孔(図示せず)等からグリル庫7の内部に取り入れられた外気を二次空気として用いて燃焼する、いわゆるブンゼン式バーナとして構成されている。このような構成の下側バーナ13bは、コンロバーナ2の構成と同様であり、コンロバーナ2を転用して構成されている。
【0051】
ちなみに、上側バーナ13aは、グリル庫7の上壁7dに設けられた下向きの平板状の火炎を形成する輻射式バーナとして構成され、かつ、下側バーナ13bと同様に、ガス燃料が噴出状態で供給される際に取り入れる一次空気、及び、グリル庫7に取入れられた外気を二次空気として用いて燃焼するものであるが、本実施形態においては、上側バーナ13aの詳細な説明を省略する。
【0052】
(グリル用温度センサの構成)
図2及び
図4に示すように、グリル用温度センサ14が、下側バーナ13bの円筒状のバーナ本体部20の中央箇所に設けられている。このグリル用温度センサ14は、円筒状の本体部14bと、その本体部14bの端部開口を閉塞する当接部14aと、その当接部14aの裏面に当て付けられた状態で固定され、温度を検出するセンサ部(図示せず)とを備えて構成されている。このセンサ部は、例えば、熱電対やサーミスタ等で構成されている。
【0053】
(昇降支持手段Xの構成)
図5及び
図6に示すように、昇降支持手段Xは、一端部に被操作部Y2を備え且つ他端部にグリル用温度センサ14を備えた揺動部材31を、グリル庫7に設置した支持部材32にて、揺動部材31の被操作部Y2とグリル用温度センサ14との間における被操作部Y2の存在側に偏った箇所を上下方向に揺動自在に支持する形態に構成されている。つまり、支持部材32は、グリル庫7の底壁7bに設けられたバーナ取付用基板30に固定状態で設置され、揺動部材31に設けられた揺動支点軸31bが、支持部材32の支持部32aによって上下方向に揺動自在に支持されて構成されている。
【0054】
具体的には、支持部材32が、バーナ取付用基板30に固定するための左右の固定部32bと、その固定部32bの上部に形成された逆U字状の本体枠部32cとから構成されている。そして、揺動部材31が、揺動部材31に貫通して設けられた揺動支点軸31bが、本体枠部32cの支持部32aによって支持される状態で、本体枠部32cの内部に設けられている。なお、一端部に備えらえた被操作部Y2は、レールカバー25の移動に伴って回転する回転部材で構成されている。
【0055】
揺動部材31は、剛性を有する本体部分33と弾性変形自在な板バネで形成されたバネ材部分34とを備え、本体部分33の一端部にバネ材部分34を接続して構成されている。この本体部分33に揺動支点軸31bを設けて、支持部材32にて支持する形態に構成されている。
そして、バネ材部分34が、本体部分33に接続する接続部位34aから延びる延長部分34bを備える形態に構成され、延長部分34bが、揺動部材31をグリル用温度センサ14が離間状態となる離間状態側に向けて復帰付勢する弾性付勢力を発生する形態で、支持部材32の本体枠部32c内に係止されている。この延長部分34bは、バネ材部分34を接続部位34aで湾曲させて、その湾曲部位から支持部材32の本体枠部32cの上方で係止される部位までのバネ材部分34で構成されている。つまり、延長部分34bは、バネ材部分34と一体的に構成され、支持部材32の本体枠部32c内に位置する状態で設けられている。
【0056】
図7に示すように、昇降支持手段Xによって、グリル用温度センサ14を上昇させて調理容器Nの底部Naに当接させる当接状態(
図7(a)参照)と、グリル用温度センサ14を下降させて調理容器Nの底部Naから離間させる離間状態(
図7(b)参照)とに切り替え自在に支持されている。なお、詳しくは後述するが、昇降支持手段Xの被操作部Y2が、引出部11に設けたレールカバー25で構成される操作部Y1によって操作されることで、グリル用温度センサ14が当接状態と離間状態とに切り替えられる。
【0057】
(機械式連係手段の構成)
図8〜
図10に基づいて、機械式連係手段について説明する。
図10において、引出部11のグリル庫7に対する出退移動方向Zにおける各位置を、扉本体部19aのグリル庫側の面のグリル庫7に対する各位置として、引出部11の出退移動方向の各位置と機械式連係手段の動作状態との関係を示す。
【0058】
図8及び
図9に示すように、グリルGには、昇降支持手段Xと引出部11とを機械的に連係する機械式連係手段Yが備えられている。この機械式連係手段Yは、引出部11に設けられた操作部Y1と、昇降支持手段Xに設けられた被操作部Y2とで構成されており、引出部11のグリル庫7に対する出退移動に伴って、操作部Y1にて被操作部Y2を操作する手段である。つまり、操作部Y1にて被操作部Y2を操作することにより、昇降支持手段Xに設けられたグリル用温度センサ14が昇降移動するように構成されている。
なお、操作部Y1は、引出部11に設けられた先端レール17tのレールカバー25で構成され、被操作部Y2は、昇降支持手段Xに揺動自在に設けられた揺動部材31に設けられた回転部材で構成されている。
【0059】
具体的には、被操作部Y2は、引出部11のグリル庫7に対する出退移動方向Zにおけるグリル庫7内の所定位置Z1にて、当接状態にするための当接用被操作位置H1と離間状態にするための離間用被操作位置H2とに移動する形態で設けられている。
ちなみに、被操作部Y2が離間用被操作位置H2に位置する状態は、
図7(b)に示すように、揺動部材31の本体部分33における被操作部Y2の存在側部分の上部が支持部材32の本体枠部32cの上壁部に接当する状態であり、かつ、上述したバネ材部分34の延長部分34bによる復帰付勢力にて復帰付勢される状態である。
【0060】
また、操作部Y1は、引出部11が収納位置Paに近接する設定位置P1よりも収納位置Pa側に位置するときに、当接用被操作位置H1に被操作部Y2を操作するための当接操作部位Yaと、引出部11が設定位置P1よりも引出位置Pb側に位置するときに、離間用被操作位置H2に被操作部Y2を操作するための離間操作部位Ybとを、出退移動方向Zに並べて備える形態に構成されている(
図10参照)。
【0061】
これにより、
図8及び
図10(b)に示すように、引出部11が設定位置P1よりも収納位置Pa側の収納側位置P2に位置するときに、当接操作部位Yaが、当接用被操作位置H1に被操作部Y2を操作する。また、
図9及び
図10(a)に示すように、引出部11が設定位置P1よりも引出位置Pb側の引出側位置P3に位置するときに、離間操作部位Ybが、離間用被操作位置H2に被操作部Y2を操作する。
【0062】
また、操作部Y1において、出退移動方向Zに並ぶ当接操作部位Yaと離間操作部位Ybとの間に、当接操作部位Yaと離間操作部位Ybとを接続する接続操作部位Ycが設けられている。この接続操作部位Ycが被操作部Y2に当接して出退移動方向Zに移動することにより、被操作部Y2が、当接用被操作位置H1と離間用被操作位置H2との間において昇降移動するように構成されている。
よって、本実施形態において、設定位置P1とは、操作部Y1に設けられた接続操作部位Ycの出退移動方向Zの位置が、グリル庫7の所定位置Z1に設けられた被操作部Y2の位置にあるときの引出部11の位置であり、接続操作部位Ycの出退移動方向Zの幅Z2が、設定位置P1に対応する。つまり、設定位置P1とは出退移動方向Zの方向に幅をもつものである。なお、本実施形態においては、引出部11が接続操作部位Ycの出退移動方向Zの幅Z2の一部の範囲、つまり、設定位置P1の一部の範囲を通過することで、当接用被操作位置H1から離間用被操作位置H2への移動、又は、離間用被操作位置H2から当接用被操作位置H1への昇降移動が完了するように構成されている。
【0063】
よって、引出部11を引出位置Pbから収納位置Paに移動する場合は、設定位置P1において、被操作部Y2が離間用被操作位置H2から当接用被操作位置H1に移動して、昇降支持手段Xによってグリル用温度センサ14が離間状態から当接状態に切り換えられ、引出部11を収納位置Paから引出位置Pbに移動する場合は、設定位置P1において、被操作部Y2が当接用被操作位置H1から離間用被操作位置H2に移動して、昇降支持手段Xによってグリル用温度センサ14が当接状態から離間状態に切り換えられる。
【0064】
〔別実施形態〕
以下、別実施形態を列記する。
【0065】
(1)上記実施形態においては、調理容器Nの形状を平面視で概略長方形状の皿状としたが、これに限らず、調理容器Nの形状を、例えば、平面視で正方形状、円形状、又は、楕円形状の皿状でもよい。また、調理容器Nに蓋が設けられてもよい。
【0066】
(2)上記実施形態においては、機械式連係手段Yの操作部Y1は、引出部11に設けられた先端レール17tのレールカバー25で構成されたが、これに限らず、機械式連係手段Yの操作部Y1を、引出部11のレールカバー25とは別体として設けてもよい。
【0067】
(3)上記実施形態においては、昇降支持手段Xの揺動部材31が、被操作部Y2とグリル用温度センサ14との間における被操作部Y2の存在側に偏った箇所を上下方向に揺動自在に支持される形態に構成されたが、これに限らず、揺動部材31が、被操作部Y2とグリル用温度センサ14との間における中間部分を揺動自在に支持される形態に構成してもよい。
【0068】
(4)上記実施形態においては、昇降支持手段Xにおける揺動部材31のバネ材部分34を、上下方向に弾性変形自在な板バネで形成したが、これに限らず、バネ材部分34をコイルばね等で構成してもよい。
【0069】
(5)上記実施形態においては、昇降支持手段Xの延長部分34bが、バネ材部分34と一体的に構成したが、これに限らず、延長部分34bを、バネ材部分34と別体のバネ材で構成してもよい。また、延長部分34bを設けなくてもよい。
【0070】
(6)上記実施形態においては、出退移動方向Zに並ぶ当接操作部位Yaと離間操作部位Ybとの間に、接続操作部位Ycを設けて操作部Y1を構成したが、これに限らず、接続操作部位Ycを設けず、出退移動方向Zに並ぶ当接操作部位Yaと離間操作部位Ybとで操作部Y1を構成してもよい。
【0071】
(7)上記実施形態においては、引出部11が、接続操作部位Ycの出退移動方向Zの幅Z2の一部の範囲、つまり、設定位置P1の一部の範囲を通過することにより、当接用被操作位置H1から離間用被操作位置H2への移動、又は、離間用被操作位置H2から当接用被操作位置H1への昇降移動が完了するように構成されたが、これに限らず、設定位置P1の全範囲を通過することにより、当接用被操作位置H1から離間用被操作位置H2への移動、又は、離間用被操作位置H2から当接用被操作位置H1への昇降移動が完了するように構成してもよい。
【0072】
(8)上記実施形態においては、下側バーナ13bが、複数の炎孔22が環状に並ぶ環状の炎孔列を備えたバーナで構成されたが、これに限らず、下側バーナ13bを、グリル庫7の側壁7aに沿って複数の炎孔22が直線状に並ぶ直線状の炎孔列を備えたバーナで構成してもよい。