(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6366421
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】給湯装置用リモコン装置
(51)【国際特許分類】
F24H 1/00 20060101AFI20180723BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
F24H1/00 H
H04Q9/00 301B
【請求項の数】3
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-165062(P2014-165062)
(22)【出願日】2014年8月14日
(65)【公開番号】特開2016-41984(P2016-41984A)
(43)【公開日】2016年3月31日
【審査請求日】2017年8月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000100562
【氏名又は名称】アール・ビー・コントロールズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106105
【弁理士】
【氏名又は名称】打揚 洋次
(72)【発明者】
【氏名】紺村 健二
【審査官】
柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−304350(JP,A)
【文献】
特開平11−237117(JP,A)
【文献】
特開2005−127641(JP,A)
【文献】
特開2002−147840(JP,A)
【文献】
特開2013−36653(JP,A)
【文献】
特開2000−295680(JP,A)
【文献】
特開2002−130802(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 1/00
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給湯装置に対して信号線を介して接続され、給湯装置の作動を変更するための操作ボタン類を備え、それら操作ボタンを操作すると信号線を介して給湯装置に信号を送信すると共に、給湯装置側から信号線を介して信号を受信する給湯装置用リモコン装置であって、所定の作動継続時間が経過するまでの間に上記操作ボタンを操作しない場合に、休止状態に移行するものにおいて、休止状態中に給湯装置からの信号を受信すると、所定の仮復帰継続時間が経過するまで仮復帰状態に移行すると共に、仮復帰状態に移行している間に上記操作ボタンを操作すると復帰状態に移行し、仮復帰状態に移行している間に操作ボタンの操作をすることなく仮復帰継続時間が経過すると休止状態に戻ることを特徴とする給湯装置用リモコン装置。
【請求項2】
上記仮復帰状態継続時間を、上記作動継続時間より短く設定したことを特徴とする請求項1に記載の給湯装置用リモコン装置。
【請求項3】
上記仮復帰状態とは表示を点滅させる状態であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の給湯装置用リモコン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給湯装置から離れた位置に設置される給湯装置用リモコン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特に熱源としてガスバーナによる燃焼熱を利用するガス給湯装置では、燃焼ガスの排出等の問題から給湯装置本体は屋外に設置される場合が多い。そのため、室内には給湯装置の制御をおこなうためのリモコン装置が設けられている。このリモコン装置には操作ボタンが設けられており、特に給湯温度の設定を行うものであるため、例えば台所と浴室に各1台ずつ設置されている。
【0003】
各リモコン装置と給湯装置本体とは信号線を介して接続されている。上述のように、操作ボタンを操作して給湯温度を設定した場合には、設定された給湯温度に相当する信号がリモコン装置から給湯装置に送信される。また、給湯装置が給湯動作を開始した場合等には給湯装置本体から各リモコン装置に信号が送信される。
【0004】
リモコン装置には設定温度などを表示する表示部が設けられているが、給湯装置が給湯動作をしておらず、かつリモコン装置に対して所定時間操作がされていない場合には、省エネの観点から、リモコン装置を休止状態に移行させ、表示を消灯させるようにしたものが知られいている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
このものでは、例えば休止状態中にリモコン装置の操作ボタンを押し操作すると、リモコン装置は休止状態から復帰状態に移行して表示部が点灯するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−39624号公報(段落0007,0008)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来のものでは、一定時間リモコンを使用していない場合にリモコン装置が休止状態に移行するため、休止状態に移行しないものと比較して消費電力が低減される。ところが、一般的に、給湯装置用のリモコン装置は台所と浴室など、複数個所に設置される場合が多い。このように、複数個のリモコン装置が給湯装置に接続されている場合に、すべてのリモコン装置が休止状態中にいずれかのリモコン装置に対して操作を行うと、その操作を行ったリモコン装置が休止状態から復帰状態に移行するばかりか、操作していないリモコン装置も休止状態から復帰状態に移行する。
【0008】
すると、操作していないリモコン装置は上記一定時間が経過するまでは休止状態に移行しないので、その間、その操作されていないリモコン装置で電力が無駄に消費されてしまうという不具合が生じる。
【0009】
なお、リモコン装置が1台だけしか給湯装置に接続されていない構成であっても、例えば、蛇口を開いて給湯が開始されると給湯装置からリモコン装置に対して給湯開始の信号が出力されるので、リモコン装置が休止状態であれば、その給湯開始の信号によって休止状態から復帰状態に移行し、上記と同様の不具合が生じる。
【0010】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、操作されないリモコン装置での消費電力を可及的に削減することのできる給湯装置用リモコン装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために本発明による給湯装置用リモコン装置は、給湯装置に対して信号線を介して接続され、給湯装置の作動を変更するための操作ボタン類を備え、それら操作ボタンを操作すると信号線を介して給湯装置に信号を送信すると共に、給湯装置側から信号線を介して信号を受信する給湯装置用リモコン装置であって、所定の作動継続時間が経過するまでの間に上記操作ボタンを操作しない場合に、休止状態に移行するものにおいて、休止状態中に給湯装置からの信号を受信すると、所定の仮復帰継続時間が経過するまで仮復帰状態に移行すると共に、仮復帰状態に移行している間に上記操作ボタンを操作すると復帰状態に移行し、仮復帰状態に移行している間に操作ボタンの操作をすることなく仮復帰継続時間が経過すると休止状態に戻ることを特徴とする。
【0012】
給湯温度の設定値が他のリモコン装置で変更された場合など、すべてのリモコン装置に対して給湯装置側から信号が送信された場合、仮復帰状態に移行させて新たな設定温度を表示する必要があるが、そのまま操作ボタンが操作されなければ再び休止状態に移行させることによって、消費電力を削減する。
【0013】
なお、上記仮復帰状態継続時間を、上記作動継続時間より短く設定することが好ましい。
【0014】
また、仮復帰状態と通常の復帰状態とを区別して認識できるように、例えば、上記仮復帰状態とは表示を点滅させる状態にすることが考えられる。
【発明の効果】
【0015】
以上の説明から明らかなように、本発明は、仮復帰状態を新たに設け、給湯装置側から信号が送信されて仮復帰状態に移行しても、そのまま操作ボタンが操作されなければ休止状態に戻すことによって、リモコン装置での消費電力を削減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1を参照して、1は本発明が適用される給湯装置で有り、内部にガスバーナを備え、そのガスバーナによる燃焼熱で水を加熱して温水として家屋H内の台所Kや浴室Bに給湯するものである。この給湯装置1は家屋Hの外壁に取り付けられており、屋内である台所Kに設置されたリモコン装置2に対して信号線21を介して接続され、同じく浴室Bに設置されたリモコン装置3に対して信号線31を介して接続されている。
【0018】
各リモコン装置2,3には各々複数個の操作ボタンが設けられており、各操作ボタンを押し操作することにより、給湯温度の設定や浴室Bの浴槽への湯張り開始などの各種操作を行うことができる。このように操作ボタンを押し操作すると、その押された操作ボタンに関連づけされた信号が信号線21,31を介して給湯装置1に送信される。また、例えばリモコン装置2から給湯温度の変更がされると、変更後の設定温度を示す信号が信号線31を介して他方のリモコン装置3に送信されるように構成されている。
【0019】
図2を参照して、両リモコン装置2,3共に一定の時間操作がされないと、表示部分が消灯する休止状態に移行する(S1)。その休止状態中に本体である給湯装置1から信号が送信されず(S2)、かつ操作ボタンを操作しなければ(S3)、そのリモコン装置は休止状態を継続する(S1)。
【0020】
休止状態中に操作ボタンを操作すると、S3からS4に進み、リモコン装置に内蔵されているタイマーによるカウントを開始する(S4)。そして、続けてリモコン装置の状態を復帰状態に移行させる(S5)。この復帰状態ではリモコン装置の表示部が消灯状態から点灯を開始する。そして、タイマーによるカウント値が、作動継続時間として予め設定されたTaになるまで復帰状態(S5)を継続する。また、この復帰状態中に再度操作ボタンを押し操作すると(S7)、タイマーをリセットしてカウントを最初から開始する(S7→S4)。また、タイマーのカウント値がTaになるまで操作ボタンを操作しない場合には、S1に戻り、リモコン装置を休止状態に移行させる。
【0021】
次に、リモコン装置が休止状態中に、給湯装置1から信号が送信されると(S2)、タイマーを作動させてカウントを開始すると共に(S8)、リモコン装置を休止状態から仮復帰状態に移行させる(S9)。この仮復帰状態とは、リモコン装置の表示部を点滅させる状態を言うが、特にこの点滅状態に限定されるものではない。
【0022】
そして、タイマーのカウント値が仮復帰継続時間として予め設定されたTbになるまでは仮復帰状態を継続するが、仮復帰状態中に操作ボタンが押し操作されると(S11)、上記S4に進んでタイマーをリセットすると共に、リモコン装置の状態を復帰状態に移行させる(S5)。
【0023】
また、仮復帰状態中に操作ボタンを押し操作することなく、タイマーのカウント値TがTbになると、S1に戻り、再びリモコン装置の状態を休止状態に移行させる(S1)。ところで、このTbは上記Taよりも小さな値に設定されている。
【0024】
なお、本発明は上記した形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもかまわない。
【符号の説明】
【0025】
1 給湯装置
2 リモコン装置
3 リモコン装置
21 信号線
31 信号線