(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2の現像剤飛散防止部が、前記像担持体と摺接する摺接部材と、前記ハウジング部に連結される第1のシール部材とを備え、当該摺接部材と第1のシール部材によって、直接又は他の部材を介して前記第1の現像剤飛散防止部を挟み込むことを特徴とする請求項1に記載のクリーニング装置。
前記支持プレートの厚みに基づき、前記クリーニングブレードと前記フィルム部材の間に生じる空間部に配される第2のシール部材を備えることを特徴とする請求項5に記載のクリーニング装置。
前記クリーニングブレードは、前記像担持体の回転軸と平行な軸において揺動可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項10の何れか1つに記載のクリーニング装置。
前記像担持体と前記クリーニングブレードの接触点より下流側となる位置に前記第1の現像剤飛散防止部が配されることを特徴とする請求項1乃至請求項10の何れか1つに記載のクリーニング装置。
【背景技術】
【0002】
レーザープリンタの基本動作は、像担持体の表面全体を帯電させる帯電工程と、レーザービーム等の照射によって像担持体上に潜在画像を形成する露光工程と、潜在画像に現像剤を付着させる現像工程と、これを用紙に転写する転写工程と、用紙上に転写した現像剤を用紙に定着させる定着工程などからなる。
転写工程においては、現像剤が100%用紙に転写されず、転写しきれなかった現像剤が像担持体上に残留する。この残留現像剤が残ったままであると次のページの印刷品質を低下させてしまうため、これを除去する必要があり、そのための装置として像担持体表面を清掃するクリーニング装置が備えられている。
なお、現像剤としてキャリアとトナーを含む2成分現像剤が使用される場合、現像工程により像担持体上にトナーが付着する。しかしながら、場合によって、少数のキャリアが像担持体上に付着してしまう事もあり得るが、このような場合には、クリーニング装置はこれらの付着物を清掃する。従って、クリーニング装置によって清掃対象となる付着物は、基本的にトナーであり、場合によって、キャリアを含む事もあり得る。
【0003】
このようなクリーニング装置として、弾性を有する部材によって形成されるクリーニングブレードによって、像担持体表面の残留現像剤を掻き落すものが利用されている。
掻き落された残留現像剤は、クリーニング装置に備えられるオーガースクリュー等による回収機構によって回収されるが、現像剤は非常に小さい粒子であり、浮遊して僅かな隙間から洩れ出てしまうことがある。現像剤漏れは、装置内の汚損や故障の原因にもつながり得るため、これを防止する必要がある。
残留現像剤の漏れを防止するため、クリーニング装置では必要な個所において密閉構造がとられており、クリーニングブレードの両端部においてもシール部材を設けるなどして現像剤漏れを抑止している。
【0004】
このような、クリーニングブレードの両端部におけるシールに関する技術が特許文献1〜特許文献4等によって開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
クリーニングブレード両端部とハウジング部との間からの現像剤漏れ防止のための構造は、基本的にクリーニングブレード端部とハウジング部との間に何らかのシール部材を設けることによって、クリーニングブレード両端部とハウジング部との間の隙間を埋めるようにしている。
しかし、従来の技術においては、シール部材の側端部と、クリーニングブレードの側端部とを当接させているため、相互の密着性能があまり高くない。特に揺動式のクリーニングブレードを採用している場合には、クリーニングブレードの揺動量や、シール部材の経時変化に対応出来ず、現像剤漏れ防止効果が不十分であった。
即ち、像担持体の径方向、又は、軸方向に揺動するクリーニングブレードの場合、シール部材を弾性部材で形成して圧接させることで、シール部材がクリーニングブレードの揺動に追従できるようにしているが、シール部材の弾性力が小さいためシール部材がクリーニングブレードの揺動に追従できない場合や、経年劣化等によるシール部材の弾性力の低下によってクリーニングブレードの揺動に追従できなくなる場合があった。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑み、画像形成装置における像担持体上の現像剤を除去するためのクリーニング装置であって、特にクリーニングブレードの端部において、現像剤の漏れをより効果的に抑止することが可能なクリーニング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(構成1)
像担持体上の現像剤を除去するクリーニング装置であって、前記現像剤を除去する為のクリーニングブレード、及び、前記クリーニングブレードを保持する支持プレートを含むクリーニングブレードアッシーと、前記クリーニングブレードアッシーを保持するハウジング部と、前記クリーニングブレードアッシーの一部を構成している、または、前記クリーニングブレードアッシーに連結された第1の現像剤飛散防止部と、前記ハウジング部の一部を構成している、または、前記ハウジング部に連結された第2の現像剤飛散防止部と、を備え、前記第1の現像剤飛散防止部または前記第2の現像剤飛散防止部の内の一方が他方を挟み込む挟込部が形成されていることを特徴とするクリーニング装置。
【0009】
(構成2)
前記第2の現像剤飛散防止部が、前記像担持体と摺接する摺接部材と、前記ハウジング部に連結される第1のシール部材とを備え、当該摺接部材と第1のシール部材によって、直接又は他の部材を介して前記第1の現像剤飛散防止部を挟み込むことを特徴とする構成1に記載のクリーニング装置。
【0010】
(構成3)
前記第2の現像剤飛散防止部が、第3のシール部材をさらに備え、前記第1のシール部材に重畳して、フィルム部材によって構成される前記第1の現像剤飛散防止部と前記第3のシール部材と前記摺接部材とがこの順に貼付されることにより、前記第1の現像剤飛散防止部が前記第2の飛散防止部によって挟み込まれることを特徴とする請求項2に記載のクリーニング装置。
【0011】
(構成4)
前記挟み込まれる側の第1の現像剤飛散防止部または第2の現像剤飛散防止部が、フィルム部材によって構成されていることを特徴とする構成1に記載のクリーニング装置。
【0012】
(構成5)
前記フィルム部材によって構成される第1の現像剤飛散防止部が、前記支持プレートに対して張り付けられることを特徴とする構成4に記載のクリーニング装置。
【0013】
(構成6)
前記支持プレートの厚みに基づき、前記クリーニングブレードと前記フィルム部材の間に生じる空間部に配される第2のシール部材を備えることを特徴とする構成5に記載のクリーニング装置。
【0014】
(構成7)
前記フィルム部材に、前記支持プレートに対する張り付け部として一部突出した舌片部が備えられることを特徴とする構成5に記載のクリーニング装置。
【0015】
(構成8)
前記挟み込む側の第1の現像剤飛散防止部若しくは第2の現像剤飛散防止部が、弾性部材を有することを特徴とする構成1に記載のクリーニング装置。
【0016】
(構成9)
前記弾性部材が、単泡スポンジであることを特徴とする構成8に記載のクリーニング装置。
【0017】
(構成10)
前記ハウジング部と、前記クリーニングブレードアッシーとの間において、前記軸方向に沿って設けられるバックフィルム部材を有し、前記バックフィルム部材と前記フィルム部材とが、重畳される部分を有して当接することを特徴とする構成4に記載のクリーニング装置。
【0018】
(構成11)
前記クリーニングブレードは、前記像担持体の径方向に揺動可能であることを特徴とする構成1乃至構成10の何れか1つに記載のクリーニング装置。
【0019】
(構成12)
前記クリーニングブレードは、前記像担持体の回転軸と平行な軸において揺動可能であることを特徴とする構成1乃至構成10の何れか1つに記載のクリーニング装置。
【0020】
(構成13)
前記像担持体と前記クリーニングブレードの接触点より下流側となる位置に前記第1の現像剤飛散防止部が配されることを特徴とする構成1乃至構成10の何れか1つに記載のクリーニング装置。
【0021】
(構成14)
像担持体上の現像剤を除去するクリーニング装置であって、前記現像剤を除去する為のクリーニングブレード、及び、前記クリーニングブレードを保持する支持プレートを含むクリーニングブレードアッシーと、前記クリーニングブレードアッシーを保持するハウジング部と、現像剤の飛散を防止するための現像剤飛散防止部と、を備え、前記現像剤飛散防止部が、前記クリーニングブレードアッシー及び前記ハウジング部に直接または他の部材を介して連結されていることを特徴とするクリーニング装置。
【0022】
(構成15)
前記現像剤飛散防止部と、前記クリーニングブレードアッシーが、重畳される部分を有して連結されていることを特徴とする構成14に記載のクリーニング装置。
【0023】
(構成16)
前記現像剤飛散防止部が、フィルム部材によって構成されていることを特徴とする構成14又は構成15に記載のクリーニング装置。
【0024】
(構成17)
前記現像剤飛散防止部が、シール部材を介して前記ハウジング部に連結されていることを特徴とする構成14乃至構成16の何れか1つに記載のクリーニング装置。
【発明の効果】
【0025】
本発明の構成1〜構成14のクリーニング装置によれば、クリーニングブレードアッシー側に設けられる第1の現像剤飛散防止部と、ハウジング部側に設けられる第2の現像剤飛散防止部とを有し、これらの何れかが他方を挟み込む構成とされているため、より効果的にクリーニングブレードの端部における現像剤漏れを抑止できる。
【0026】
本発明の構成15〜構成18のクリーニング装置によれば、現像剤飛散防止部がクリーニングブレードアッシーとハウジング部との双方に連結されるため、効果的にクリーニングブレードの端部における現像剤漏れを抑止できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1a】本発明の実施形態1のクリーニング装置を含むドラムユニットの断面図
【
図1b】本発明の実施形態1のクリーニング装置を含むドラムユニットの断面図
【
図2】実施形態1のドラムユニットにおける、ハウジング部にクリーニングブレードアッシーを設置した状態を示す正面図
【
図3a】実施形態1のクリーニング装置におけるクリーニングブレードアッシーを示す正面図
【
図3b】実施形態1のクリーニング装置におけるクリーニングブレードアッシーを示す側面図
【
図4a】実施形態1の第1の現像剤飛散防止部を示す正面図
【
図4b】実施形態1の第1の現像剤飛散防止部を示す斜視図
【
図5a】実施形態1のクリーニングブレードアッシーに対して第1の現像剤飛散防止部が貼付された状態を示す図
【
図5b】実施形態1のクリーニングブレードアッシーに対して第1の現像剤飛散防止部が貼付された状態を示す側面図
【
図6】実施形態1の第1の現像剤飛散防止部と第2の現像剤飛散防止部の相互の位置関係を示す側面図
【
図7a】実施形態1の本発明に係る部分の製造工程を説明する図
【
図7b】実施形態1の本発明に係る部分の製造工程を説明する図
【
図7c】実施形態1の本発明に係る部分の製造工程を説明する図
【
図7d】実施形態1の本発明に係る部分の製造工程を説明する図
【
図7e】実施形態1の本発明に係る部分の製造工程を説明する図
【
図7f】実施形態1の本発明に係る部分の製造工程を説明する図
【
図7g】実施形態1の第1の現像剤飛散防止部とバックフィルム部材の相互の位置関係を示す図
【
図8a】実施形態1のクリーニング装置の本発明に係る部分の作用を説明する図
【
図8b】実施形態1のクリーニング装置の本発明に係る部分の作用を説明する図
【
図8c】実施形態1のクリーニング装置の本発明に係る部分の作用を説明する図
【
図8d】実施形態1のクリーニング装置の本発明に係る部分の作用を説明する図
【
図10】実施形態2のクリーニング装置の本発明に係る部分を示す側面図
【
図11a】実施形態2のクリーニング装置の本発明に係る部分の作用を説明する図
【
図11b】実施形態2のクリーニング装置の本発明に係る部分の作用を説明する図
【
図11c】実施形態2のクリーニング装置の本発明に係る部分の作用を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施態様について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下の実施態様は、本発明を具体化する際の一形態であって、本発明をその範囲内に限定するものではない。
【0029】
<実施形態1>
図1a、
図1bは本発明に係る実施形態1のクリーニング装置を含むドラムユニット1の断面図であり、
図2は同ドラムユニット1における、ハウジング部12にクリーニングブレードアッシー11を設置した状態を示す正面図である。
【0030】
図1a、
図1bに示されるように、ドラムユニット1は、クリーニングブレードアッシー11と、ドラムユニット1内の各構成要素を保持する機能を有するハウジング部12と、像担持体13と、残留現像剤回収機構であるオーガースクリュー14と、下側バックフィルム17a及び上側バックフィルム17bからなるバックフィルム17と、帯電ローラー18と、帯電ローラー18を清掃するためのクリーニングローラー19と、を備える。
【0031】
図2は、ハウジング部12のうちの背面側部分にクリーニングブレードアッシー11を設置した状態を示す正面図であり、同図におけるB−B線矢視図が
図1aであり、A−A線矢視図が
図1bである。
クリーニングブレードアッシー11は、
図1aに示されるように、像担持体13と接触して、像担持体13上の残留現像剤を掻き落すものであり、掻き落とされた残留現像剤は、オーガースクリュー14によって紙面手前方向に搬送されて回収される。当該掻き落しから回収に至る間において、残留現像剤が飛散して装置の他の部分に侵入しないように、ハウジング部12と、像担持体13と、クリーニングブレードアッシー11と、上側バックフィルム17bと、下側バックフィルム17aとによって閉空間を形成し、残留現像剤をこの空間内に留めるように構成されている。
図1aに示されるように、本実施形態は、像担持体13の回転方向に対して対向する形でクリーニングブレードが配置されるカウンター方式である。
【0032】
図3a、
図3bは、クリーニングブレードアッシー11を示す図であり、
図3aは正面図、
図3bは側面図である。
図に示されるように、本実施形態のクリーニングブレードアッシー11は、像担持体13と接触して残留現像剤を掻き落すクリーニングブレード111と、クリーニングブレード111を支持する支持プレート112と、支持プレート112を保持してハウジング部12に対して揺動可能に取り付けるための支持部材113と、を備える。
クリーニングブレードアッシー11は、弾性部材によって形成されることにより、像担持体13の表面に追従して効率的に残留現像剤を掻き落すことができる。
本実施形態においては、クリーニングブレード111が像担持体13の径方向に揺動可能であるもの例としており、支持部材113の軸部113aが、ハウジング部12において回動可能に支持されることで、これを軸に像担持体13の径方向に揺動するものである。なお、他方の端部113bでは、ハウジング部12側に形成される軸部に対して、支持部材113に形成された穴を通して回動可能に支持されている。
【0033】
図4a、
図4bは、クリーニングブレードアッシー11に対して貼付される第1の現像剤飛散防止部15を示す図であり、
図4aは正面図、
図4bは斜視図である。
本実施形態の第1の現像剤飛散防止部15は、以下で説明するごとくクリーニングブレードアッシー11の支持プレート112に対する張り付け部である舌片部151を有するフィルム部材上に略直方体である第2のシール部材152が貼付されて形成される。
本実施形態の第2のシール部材152は、弾性部材たる単泡スポンジにて形成されるものを例としている。
【0034】
図5a、
図5bは、クリーニングブレードアッシー11に対して第1の現像剤飛散防止部15が貼付された状態を示す図であり、
図5aは正面図、
図5bは側面図である。なお、
図5aはクリーニングブレードアッシー11の右端部を示しているが、基本的に左右対称であり、左端部においても同様である。
図5a、
図5bに示されるように、第1の現像剤飛散防止部15の舌片部151は、支持プレート112に対して貼付され、これによって生じる第1の現像剤飛散防止部15のフィルム部材とクリーニングブレード111との空間部分、即ち、支持プレート112の厚みに基づき、クリーニングブレード111とフィルム部材の間に生じる空間部が、第2のシール部材152によって埋められる構成となる。
本実施形態においては、舌片部151を有するフィルム部材により、フィルム部材のクリーニングブレードアッシー11への貼付部分は、舌片部151が支持プレート112に貼付される部分となり、クリーニングブレード111に対するフィルム部材の直接の貼付はされていない。これにより、クリーニングブレード111の像担持体13に対する接触力に対するフィルム部材の干渉を抑止している。フィルム部材は第2のシール部材152を介してクリーニングブレード111に連結されるが、第2のシール部材152は弾性部材によって形成されるため、クリーニングブレード111に対するフィルム部材の干渉は第2のシール部材152によって吸収される。
【0035】
図6は、第1の現像剤飛散防止部15と第2の現像剤飛散防止部16の相互の位置関係を示す側面図である。
本実施形態では、ハウジング部12に貼付される第1のシール部材161と、第3のシール部材162と、像担持体13と摺接する摺接部材163と、によって第2の現像剤飛散防止部16が構成される。
第1のシール部材161及び第3のシール部材162は弾性部材たる単泡スポンジにて形成され、摺接部材163は不織布たるフェルト材にて形成されるものを例としている。
図6に示されるように、本実施形態では、第1の現像剤飛散防止部15が第2の現像剤飛散防止部16によって挟み込まれる、即ち、第1の現像剤飛散防止部15が、第1のシール部材161及び、シール部材162を介した摺接部材163によって挟み込まれる構成となっている。
【0036】
次に、
図6で示した第1の現像剤飛散防止部15を第2の現像剤飛散防止部16によって挟み込む挟込部を形成する工程について、
図7a〜
図7fを参照しつつ説明する。
【0037】
先ず、
図7aに示されるように、ハウジング部12の、クリーニングブレードアッシー11の端部が配される位置において、第1のシール部材161を貼付する。これによって
図7bの状態となる。本実施形態における第1のシール部材161は、弾性部材たる単泡スポンジにて略直方体に形成される。なお、図中では右端部を拡大しているが基本的に左右対称であり、左端部においても同様である。以下各図において同様である。
【0038】
次に、
図7cに示されるように、ハウジング部12に対してクリーニングブレードアッシー11を取り付ける。これにより、クリーニングブレードアッシー11に貼付されている第1の現像剤飛散防止部15の、クリーニングブレード111から突出している部分が、第1のシール部材161と重畳されるように配置される。
【0039】
次に
図7dに示されるように、第1の現像剤飛散防止部15のクリーニングブレード111から突出している部分に対してさらに第3のシール部材162を重畳させて配し、当該重畳部分において第1の現像剤飛散防止部15と第1のシール部材161とを貼付する。本実施形態における第2のシール部材162は、弾性部材たる単泡スポンジにて略直方体に形成される。
【0040】
最後に、
図7eに示されるように、摺接部材163をさらに重畳させて配することにより、
図7fの状態となり、これの概略側面図が
図6となる。
摺接部材163は、
図7fに示されるように、クリーニングブレード111の外周に接するような切り欠き部を有することにより、隙間が生じないように構成されている。本実施形態ではクリーニングブレード111と摺接部材163が“面一”となるように構成される。摺接部材163は、その上端側の一部において上側バックフィルム17bと重畳するように配される。これについて図示していないが、
図1bにおいて、左から像担持体13、上側バックフィルム17b、摺接部材163の順に配され、像担持体13と摺接部材163の間に上側バックフィルム17bが配される。当該重畳部分の下部において像担持体13と摺接する部分を有し、さらにその下部では前述のごとくクリーニングブレード111と“面一”とされており、これにより、ハウジング部12と、像担持体13と、クリーニングブレードアッシー11と、バックフィルム17とによって形成される閉空間の密封性を向上している。
【0041】
図7gには、第1の現像剤飛散防止部15と下側バックフィルム部材17aの相互の位置関係を示した。
図に示されるように、本実施形態においては、第1の現像剤飛散防止部15の一部と下側バックフィルム部材17aの一部を重畳させることにより、前記「閉空間」の密封性を向上している。
【0042】
次に、実施形態1のクリーニング装置の本発明に係る部分の作用であるクリーニングブレード111の端部からの現像剤漏れの抑止について、
図12a〜
図12cに示された従来例と対比しつつ、
図8a〜
図8dを参照して説明する。なお、
図8a〜
図8dは、
図6におけるA−A線矢視図であり、即ちクリーニングブレードの端部を下から見た図である。従来例の
図12a〜
図12cも同様の視点の図である。
【0043】
図12a〜
図12cは、従来のクリーニング装置について説明する図である。
図に示されるように、従来のクリーニング装置は、クリーニングブレード両端部とハウジング部との間からの現像剤漏れ防止のための構造について、クリーニングブレードアッシー11の端部とハウジング部12との間に、弾性を有するシール部材200を設けることによって、クリーニングブレード両端部とハウジング部との間の隙間を塞いでいる。
しかし、従来のクリーニング装置は、
図12aに示されるように、シール部材200の側端部と、クリーニングブレードアッシー11の側端部とを当接させているため、相互の密着性能があまり高くない。従って、特に揺動式のクリーニングブレードを採用している場合には、ブレードの揺動及び経時変化に対応出来ずに、現像剤漏れ防止効果が十分得られなくなる場合があった。
【0044】
即ち、例えば像担持体の径方向に揺動するタイプのものである場合、
図12bに示されるように、シール部材200の経年劣化による弾性力の低下等により、シール部材200の側端部とクリーニングブレードアッシー11の側端部との当接部分に隙間が生じてしまい、そこから現像剤漏れが生じてしまう場合があった。シール部材200は弾性部材で形成され、従ってクリーニングブレードアッシー11に対する押し付け力をもって形成されているが、繰り返しの使用、即ち、ブレードの揺動の繰り返しにより、どうしても弾性力の低下等による変形等が生じてしまい、図に示されるような隙間が生じてしまう場合がある。
また、像担持体の軸に平行な方向に揺動するタイプのものについては、
図12cからも容易に理解できるように、さらに隙間が生じ易い傾向となる。即ち、弾性力がブレードの揺動に追従できないような場合や、シール部材200の経年劣化による弾性力の低下等により、隙間が生じ易い。
【0045】
これに対し、本実施形態のクリーニング装置によれば、
図8aに示されるように、クリーニングブレードアッシー11側に設けられる第1の現像剤飛散防止部15と、ハウジング部12に設けられる第2の現像剤飛散防止部16と、が、相互に重畳する部分をもって挟み込まれる構成とされるため、クリーニングブレード端部からの現像剤漏れを有効に抑止できる。
【0046】
即ち、
図8b及び
図8cに示されるように、像担持体13の径方向にクリーニングブレードアッシー11が揺動した場合においても、ハウジング部12とクリーニングブレードアッシー11との間に隙間ができることが確実に防止され、経年劣化等によって第1のシール部材161や第3のシール部材162の弾性力が低下しても、残留現像剤が漏れ出る経路が生じることが有効に抑止される。
本実施形態においては、像担持体13の径方向に揺動するタイプを例としたが、像担持体13の軸に平行な方向に揺動するタイプにおいても、
図8dから理解されるように、経年劣化等によって第1のシール部材161や第3のシール部材162の弾性力が低下しても、残留現像剤が漏れ出る経路が生じることが有効に抑止される。
【0047】
以上のごとく、本実施形態のクリーニング装置によれば、クリーニングブレードアッシー11側に設けられる第1の現像剤飛散防止部15と、ハウジング部12に設けられる第2の現像剤飛散防止部16と、が、相互に重畳する部分をもって挟み込まれる構成とされるため、クリーニングブレード端部からの現像剤漏れを有効に抑止でき、非常に有用である。
また、本実施形態は、クリーニングブレード111が像担持体13の表面にカウンター方式で接触するものであり、
図1aからも理解できるように、クリーニングブレード111によって掻き落とされる残留現像剤は基本的に図面下側へと落ちてくる。
即ち、像担持体13とクリーニングブレード111の接触点より下流側となる位置において、掻き落とされた残留現像剤が多く存在し、従って、この部分においてより現像剤漏れ対策を行う必要があるが、本実施形態によれば、像担持体とクリーニングブレード111の接触点より下流側となる位置に第1の現像剤飛散防止部15が配されるため、この観点においても有用である。
【0048】
本実施形態では、第1の現像剤飛散防止部15を第2の現像剤飛散防止部16によって挟み込むものを例として説明したが、本発明をこれに限るものではなく、
図9に示されるように、ハウジング部12に設けられる第2の現像剤飛散防止部16´をクリーニングブレードアッシー11側に設けられる第1の現像剤飛散防止部15´によって挟み込む構成としてもよい。
【0049】
図9に示した例では、ハウジング部12にフィルム部材によって形成される第2の現像剤飛散防止部16´が貼付され、クリーニングブレードアッシー11に、弾性部材であるシール部材によって形成される第1の現像剤飛散防止部15´が貼付される。
第1の現像剤飛散防止部15´のクリーニングブレードアッシー11への貼付において、その間に第2の現像剤飛散防止部16´が配されることにより、第2の現像剤飛散防止部16´を第1の現像剤飛散防止部15´によって挟み込む構成としており、このような構成においても、前述のような本発明の作用効果を得ることができる。
なお、
図9に示した例においては、ハウジング部12に対して摺接部材163´を貼付する構成としている。
【0050】
本実施形態では、フィルム部材を貼付することで第1の現像剤飛散防止部15を形成するものを例としているが、これに限るものではなく、例えばクリーニングブレードアッシー11の端部の一部を延設すること等により第1の現像剤飛散防止部を形成する、即ち、第1の現像剤飛散防止部がクリーニングブレードアッシーの一部を構成するものであってもよい。同様に、例えば
図9の例において、ハウジング部12の一部を延設すること等により第2の現像剤飛散防止部を形成する、即ち、第2の現像剤飛散防止部がハウジング部の一部を構成するものであってもよい。
【0051】
また、本実施形態では、第1の現像剤飛散防止部15と第1のシール部材161の重畳部分、第1の現像剤飛散防止部15と第3のシール部材162の重畳部分が相互に貼付されるものを例として説明したが、これらを相互に貼付しなくても構わない。
即ち、
図8b〜
図8dからも理解されるように、これらの一部若しくは全部が相互に貼付されなかったとしても、第1の現像剤飛散防止部15と第2の現像剤飛散防止部16とが相互に重畳する部分をもって挟み込まれる構成とされているため、残留現像剤が漏れ出る経路が生じることが抑止される。
なお、第1の現像剤飛散防止部15と第1のシール部材161の重畳部分、第1の現像剤飛散防止部15と第3のシール部材162の重畳部分等を相互に貼付した場合、クリーニングブレードアッシー11の揺動を妨げるような印象があるが、シール部材161及びシール部材162が弾性部材で形成されているため、クリーニングブレードアッシー11の揺動を妨げるものではない。後述の実施形態2を示す
図11cのごとく、弾性部材であるシール部材の変形により、問題無くクリーニングブレードアッシー11の揺動動作に追従できる。
【0052】
本実施形態では、第1の現像剤飛散防止部15と下側バックフィルム部材17aとを重畳させるものを例としているが、第1の現像剤飛散防止部15若しくは第2の現像剤飛散防止部16と上側バックフィルム部材17bを重畳させてもよい。
【0053】
本実施形態では、第1のシール部材161、第2のシール部材152、第3のシール部材162を形成する弾性部材としてスポンジを例としているが、これに限らず、所定の弾性力を有し、且つ、現像剤の漏洩を抑止できるものであれば各種の材料を使用できる。また、本実施形態においては単泡スポンジを例としている。これにより、現像剤の漏洩を効果的に抑止できるが、連泡のものであってもその気泡のサイズが現像剤の粒径に対して漏洩を抑止できるだけ小さいものであれば特に問題はない。スポンジの気泡そのものを小さく形成するものに限らず、形成後のスポンジを圧縮することで気泡をつぶすような手法であってよい。
【0054】
また、本実施形態では、クリーニングブレードが像担持体13の表面にカウンター方式で接触するものを例として説明しているが、それ以外の方式についても本発明を適用することができる。
【0055】
<実施形態2>
実施形態2は、クリーニングブレードアッシー11とハウジング部12の間を連結する現像剤飛散防止部が設けられたものである。
以下、図面を参照しつつ実施形態2のクリーニング装置について説明する。なお、実施形態1と同様の構成となるものについては同一の符号を使用し、ここでの説明を省略若しくは簡略化する。
【0056】
図10は本発明に係る実施形態2のクリーニング装置の本発明に係る部分を示す側面図である。
図10は実施形態1における
図6に相当する図面である。
図10に示されるように、本実施形態のクリーニング装置は、実施形態1と同様の構成であるトナー飛散防止部15が貼付されたクリーニングブレードアッシー11と、ハウジング部12に貼付されるシール部材161とを備える。
そして、現像剤飛散防止部15のフィルム部材は、実施形態1と同様に、クリーニングブレード111と重畳する部分を有する共に、ハウジング部12に貼付されるシール部材161と重畳する部分を有する。従って、現像剤飛散防止部15のフィルム部材は、クリーニングブレード111とハウジング部12を橋渡しする形で両者と貼付される。即ち、構成としては、実施形態1における第3のシール部材162と摺接部材163が無いものと同等である。
【0057】
図11a〜
図11cは、
図10におけるA−A線矢視図、即ち、クリーニングブレード端部を下から見た図であり、実施形態2のクリーニング装置の本発明に係る部分の作用であるクリーニングブレード端部からの現像剤漏れの抑止について説明する図である。
図11aに示されるように、クリーニングブレードアッシー11と、シール部材161を介したハウジング部12と、の双方に対して、重畳する部分をもって現像剤飛散防止部15が貼付される構成であるため、クリーニングブレード端部からの現像剤漏れを有効に抑止できる。
【0058】
即ち、
図11bに示されるように、像担持体13の径方向にクリーニングブレードアッシー11が揺動した場合においても、ハウジング部12とクリーニングブレードアッシー11との間に隙間ができることが確実に防止され、経年劣化等によってシール部材161の弾性力が低下しても、残留現像剤が漏れ出る経路が生じることが有効に抑止される。
また、クリーニングブレードアッシー11が像担持体13の軸に平行な方向に揺動するタイプにおいても、
図11cから理解されるように、クリーニングブレードアッシー11及びハウジング部12に貼付されるシール部材161の双方に対して、重畳する部分をもって現像剤飛散防止部15が貼付される構成であるため、ブレードの揺動に対応しつつ、経年劣化等によってシール部材161の弾性力が低下しても、残留現像剤が漏れ出る経路が生じることが有効に抑止される。
【0059】
以上のごとく、実施形態2のクリーニング装置においても、クリーニングブレード端部からの現像剤漏れを有効に抑止でき、非常に有用である。