特許第6366437号(P6366437)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社マンダムの特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6366437
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】皮膚洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/87 20060101AFI20180723BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20180723BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
   A61K8/87
   A61Q19/10
   A61K8/02
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-185704(P2014-185704)
(22)【出願日】2014年9月11日
(65)【公開番号】特開2016-56148(P2016-56148A)
(43)【公開日】2016年4月21日
【審査請求日】2017年2月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】390011442
【氏名又は名称】株式会社マンダム
(74)【代理人】
【識別番号】100137419
【弁理士】
【氏名又は名称】桂田 正徳
(72)【発明者】
【氏名】川嶋 久志
【審査官】 木原 啓一郎
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/137290(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00−8/99
A61Q 1/00−90/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY(STN)
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(PEG−400/1,4−ブタンジオール/SMDI)コポリマー粒子をスクラブ剤として含有し、
前記粒子のうち、粒子径100μm以上850μm以下である成分の含有量が、全組成物100質量%中、4.0〜7質量%である皮膚洗浄剤組成物。
【請求項2】
陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤および非イオン性界面活性剤の群から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の皮膚洗浄剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、皮膚上の汚れを除去する効果や、適度に皮膚を刺激するマッサージ効果を期待して、スクラブ剤を配合した皮膚洗浄剤組成物が提供されている。用いられるスクラブ剤としては、上記した効果に優れた効果を発揮するポリエチレン末、クルミ殻粒、結晶性セルロースなどのスクラブ剤が汎用されている。
【0003】
しかしながら、これら汎用スクラブ剤では、皮膚上の汚れを除去する効果や、皮膚上をマッサージする効果に優れる反面、配合する粒子の大きさや量しだいでは、洗浄時に不快な皮膚刺激を与えたり、異物感が生じてしまうといった欠点があり、洗浄後の肌にツルツルした感触や、スベスベした感触を付与する効果に劣ってしまうという課題がある。
【0004】
そのため、近年では、ウレタンフォーム粉末を新規スクラブ剤として用い、良好な使用感を発揮させることのできる洗浄用化粧料などが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−140363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであって、洗浄時に不快な皮膚刺激感や異物感などがなく、使用感に優れるとともに、十分なスクラブ効果を発揮することができ、洗浄後の肌状態を良好にするスクラブ剤を含有する皮膚洗浄剤組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
即ち、本発明は、
〔1〕(PEG−400/1,4−ブタンジオール/SMDI)コポリマー粒子をスクラブ剤として含有し、
記粒子のうち、粒子径100μm以上850μm以下である成分の含有量が、全組成物100質量%中、4.0〜7質量%である皮膚洗浄剤組成物、
〕陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤および非イオン性界面活性剤の群から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤を含有することを特徴とする前記〔1〕に記載の皮膚洗浄剤組成物
に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の皮膚洗浄剤組成物は、洗浄時に不快な皮膚刺激感や異物感を与えることがなく、使用感に優れるとともに、十分なスクラブ効果を発揮することができるという効果を奏する。また、本発明の皮膚洗浄剤組成物は、洗浄後の肌にツルツル感、スベスベ感を付与することができ、肌状態を良好にするという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の皮膚洗浄剤組成物にスクラブ剤として含有する粒子は、(PEG−400/1,4−ブタンジオール/SMDI)コポリマーである。用いられる(PEG−400/1,4−ブタンジオール/SMDI)コポリマーとは、INCI名(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,第15版,第2巻,CTFA,2014年,p.2360):PEG−400/1,4−BUTANEDIOL/SMDI COPOLYMERで表記される化合物である。
【0010】
前記(PEG−400/1,4−ブタンジオール/SMDI)コポリマーをスクラブ剤である粒子とするには、公知の方法によって微粉砕すれば良く、得られた粒子は、JIS規格(JIS Z 8815等)のふるいを用いて更に分級しても良い。なお、本明細書において、(PEG−400/1,4−ブタンジオール/SMDI)コポリマー粒子を「粒子A」と称する場合がある。本発明において、用いられる前記粒子Aの形状は特に限定されないが、例えば、球状、楕円状、鱗片状、フレーク状、板状、棒状、針状などが挙げられる。
【0011】
また、本発明で用いられる粒子Aは、粒子径100μm以上850μm以下の成分、即ち、粒子径100μm以上850μm以下の(PEG−400/1,4−ブタンジオール/SMDI)コポリマー粒子を含む。なお、本明細書において、前記粒子径100μm以上850μm以下の成分(粒子径100μm以上850μm以下の(PEG−400/1,4−ブタンジオール/SMDI)コポリマー粒子)を「成分a」と称する場合がある。
【0012】
本発明で用いられる粒子Aには、粒子A100質量%中に前記成分aが90質量%以上含まれる。本発明においては、成分aが粒子A中に90質量%以上含まれることから、皮膚と接触した時の刺激感や異物感がなく、洗浄時に十分なスクラブ効果を発揮させることが可能となる。さらに、洗浄後は、上記コポリマーの被膜を形成する作用により、ツルツル、スベスベとした肌感触が得られるという効果も発揮する。
【0013】
なお、本発明において、粒子Aは市販品を用いることもできる。具体的な市販品としては、例えば、アクアコーク C−PC(商品名,住友精化社製,平均粒子径:438μm)などが挙げられる。
【0014】
皮膚洗浄剤組成物中における前記粒子Aの含有量は、所望の効果が十分に発揮されるのであれば特に限定されないが、通常、適度なスクラブ効果を発揮させる観点、並びに肌状態を良好にする観点から、全組成物100質量%中、0.4質量%以上とすることが好ましく、2.5質量%以上とすることがより好ましい。また、皮膚と接触した時の違和感の観点から、全組成物100質量%中10質量%以下とすることが好ましく、7質量%以下とすることがより好ましい。
【0015】
また、皮膚洗浄剤組成物中における前記成分aの含有量は、所望の効果が十分に発揮されるのであれば特に限定されないが、通常、適度なスクラブ効果を発揮させる観点、並びに肌状態を良好にする観点から、全組成物100質量%中、0.4質量%以上とすることが好ましく、2.5質量%以上とすることがより好ましい。また、皮膚と接触した時の違和感の観点から、全組成物100質量%中10質量%以下とすることが好ましく、7質量%以下とすることがより好ましい。
【0016】
本発明の皮膚洗浄剤組成物には、洗浄効果を付与する観点、並びに、種々の剤型とする観点から、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤および非イオン性界面活性剤の群から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤を含有させることができる。
【0017】
用いられる陰イオン性界面活性剤の具体例としては、例えば、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸トリエタノールアミン、ミリスチン酸ナトリウム、ミリスチン酸トリエタノールアミン、パルミチン酸ナトリウム、パルミチン酸トリエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸トリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸カリウム、ヤシ油脂肪酸アルギニン、ヤシ油脂肪酸トリエタノールアミン等の炭素数12〜22の高級脂肪酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ミリスチル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム、オレイル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩;テトラデセンスルホン酸ナトリウムなどのα−オレフィンスルホン酸塩;ミリストイルメチルタウリンナトリウム、パルミトイルメチルタウリンナトリウム、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、オレオイルメチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウムなどのN−アシルメチルタウリン塩;スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、スルホコハク酸ラウリルニナトリウムなどのスルホコハク酸アルキル塩;スルホコハク酸ポリオキシエチレンラウリル二ナトリウムなどのスルホコハク酸ポリオキシエチレンアルキル塩;ラウリルリン酸ナトリウム、セチルリン酸ナトリウム、セチルリン酸ジエタノールアミンなどのモノアルキルリン酸エステル塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸トリエタノールアミンなどのポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩;ラウロイルサルコシンカリウム、ラウロイルサルコシントリエタノールアミン、ミリストイルサルコシンナトリウム、ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウムなどのN−アシルサルコシン塩;ラウロイルメチルアラニンナトリウム、ラウロイルメチルアラニントリエタノールアミン、ミリストイルメチルアラニンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルアラニンナトリウムなどのN−アシル−N−メチル−β−アラニン塩;ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸トリエタノールアミン、ミリストイルグルタミン酸ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸カリウム、ステアロイルグルタミン酸ニナトリウム、ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸トリエタノールアミンなどのN−アシルグルタミン酸塩;ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム、ヤシ油脂肪酸アシルグリシンナトリウムなどのN−アシルグリシン塩;ラウリルグリコール酢酸ナトリウム(ドデカン−1,2−ジオール酢酸ナトリウム)、ラウリルグリコール酢酸カリウム、ミリスチルグリコール酢酸ナトリウム、ミリスチルグリコール酢酸カリウム、パルミチルグリコール酢酸ナトリウム、パルミチルグリコール酢酸カリウム、ステアリルグリコール酢酸ナトリウム、ステアリルグリコール酢酸カリウム、ベヘニルグリコール酢酸ナトリウム、ベヘニルグリコール酢酸カリウムなどのアルキルエーテルグリコール酢酸塩などが挙げられる。上記成分は、1種を単独で用いても良く、2種以上を適宜組み合わせて用いても良い。なお、酸化エチレンの付加モル数は、所望の効果が十分に発揮されるのであれば特に限定されない。
【0018】
用いられる両性界面活性剤の具体例としては、例えば、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、パーム油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ミリスチン酸アミドプロピルベタイン、リシノレイン酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン、パーム核油脂肪酸アシル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシドなどのアミドプロピルベタイン型両性界面活性剤;ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジヒドロキシエチルベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ウンデシルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシル−N’−カルボキシエチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム(ヤシ油アルキルカルボキシエチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム)、ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウムなどのアミノ酢酸ベタイン型両性界面活性剤;ラウリン酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ヤシ油脂肪酸ヒドロキシスルホベタイン、ミリスチン酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン、オレアミドプロピルヒドロキシスルホベタイン、ラウリルスルホベタイン、ココスルホベタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタインなどのスルホベタイン型両性界面活性剤などが挙げられる。上記成分は、1種を単独で用いても良く、2種以上を適宜組み合わせて用いても良い。
【0019】
用いられる非イオン性界面活性剤の具体例としては、例えば、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、ジラウリン酸ポリエチレングリコール、モノミリスチン酸ポリエチレングリコール、モノパルミチン酸ポリエチレングリコール、ジパルミチン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、モノイソステアリン酸ポリエチレングリコール、ジイソステアリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、ジオレイン酸ポリエチレングリコールなどのポリオキシエチレン脂肪酸;ポリオキシエチレン(カプリル/カプリン酸)グリセリル、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸グリセリル、モノオレイン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノミリスチン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、ジイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルなどのポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル;モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン、セスキオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、セスキステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタンなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられる。上記成分は、1種を単独で用いても良く、2種以上を適宜組み合わせて用いても良い。なお、酸化エチレンの付加モル数は、所望の効果が十分に発揮されるのであれば特に限定されない。
【0020】
前記界面活性剤の含有量は、所望の効果が十分に発揮されるのであれば特に限定されないが、通常、洗浄効果を付与する観点、並びに、種々の剤型とする観点から、全組成物100質量%中、好ましくは2〜10質量%であり、より好ましくは4〜7質量%である。なお、界面活性剤の含有量は、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤および非イオン性界面活性剤の合計量を表す。
【0021】
本発明に係る皮膚洗浄剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲であれば、上記した成分の他、多価アルコール、増粘剤、清涼剤、(PEG−400/1,4−ブタンジオール/SMDI)コポリマー粒子以外のスクラブ剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、ビタミン類、動植物抽出エキス、パール化剤、着色剤、各種香料などを目的に応じて適宜配合することができる。
【0022】
具体的な多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、濃グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、グルコース、マルトース、マルチトール、スクロース、マンニトール、ソルビトール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオールなどが挙げられる。
【0023】
具体的な増粘剤としては、例えば、キサンタンガム、グアガム、カラギーナン、ローカストビーンガムなどの天然高分子化合物;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース化合物;カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、ポリアクリル酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0024】
具体的な清涼剤としては、例えば、l−メントール、メンチルグリセリルエーテル、メンチルラクテート、1−メンチル−3−ヒドロキシブチレート、dl−カンファ、オイゲノール、メントン、ミント、サリチル酸メンチル、ユーカリ油などが挙げられる。
【0025】
本発明の皮膚洗浄剤組成物の剤型は、所望の効果が十分に発揮されるのであれば特に限定されないが、例えば、液状、ジェル状、シャーベット状、乳液状、ペースト状、クリーム状、泡状などの様々な剤型に調製することができる。また、本発明の皮膚洗浄剤組成物は、適度なスクラブ効果を発揮することから、ボディシャンプー、ハンドソープ、洗顔剤、クレンジングローション、クレンジングクリーム、マッサージクリームなどに好適に用いることができる。
【実施例】
【0026】
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。尚、配合量は特記しない限り「質量%」を表す。また、配合成分は全て純分に換算した。
【0027】
(スクラブ剤1の調製)
粒子Aの市販品であるアクアコーク C−PC(商品名,住友精化社製,平均粒子径:438μm)をそのまま使用し、スクラブ剤1とした。
【0028】
(スクラブ剤2の調製)
市販品であるアクアコーク C−PCを、149メッシュ(目開き:100μm)および60メッシュ(目開き:250μm)のふるいを用いて分級し、100μmよりも大きく、250μm以下の粒子径のスクラブ剤を調製し、スクラブ剤2とした。
【0029】
(スクラブ剤3の調製)
市販品であるアクアコーク C−PCを、60メッシュ(目開き:250μm)および36メッシュ(目開き:425μm)のふるいを用いて分級し、250μmよりも大きく、425μm以下の粒子径のスクラブ剤を調製し、スクラブ剤3とした。
【0030】
(スクラブ剤4の調製)
市販品であるアクアコーク C−PCを、36メッシュ(目開き:425μm)および26メッシュ(目開き:600μm)のふるいを用いて分級し、425μmよりも大きく、600μm以下の粒子径のスクラブ剤を調製し、スクラブ剤4とした。
【0031】
(スクラブ剤5の調製)
市販品であるアクアコーク C−PCを、26メッシュ(目開き:600μm)および18メッシュ(目開き:850μm)のふるいを用いて分級し、600μmよりも大きく、850μm以下の粒子径のスクラブ剤を調製し、スクラブ剤5とした。
【0032】
(各試料の調製)
上記調製したスクラブ剤1〜5を用いて、表1および表2に記した組成に従い、実施例1〜7および比較例1〜3の皮膚洗浄剤組成物を調製し、下記評価試験に供した。結果をそれぞれ表1および表2に併記する。
【0033】
なお、比較例のポリエチレン末としては、フロービーズCL−8007(商品名,住友精化社製,平均粒子径600μm)を使用した。ポリ乳酸としては、Ecoscrub 20PC(商品名,Micro Powders社製,最大粒子径840μm)を使用した。アンズ核粒としては、APグリッド<球状>#40−60(商品名,一丸ファルコス社製,粒子径177μm〜420μm)を使用した。
【0034】
(試料の評価)
実施例および比較例の各試料を、洗顔剤の形態で専門パネラー10名に使用させ、洗顔時の使用感(皮膚刺激感・異物感)、並びにスクラブ感(スクラブ効果)について、下記評価基準に従い官能評価した。また、洗顔後の肌状態(ツルツル感・スベスベ感)について、下記評価基準に従って官能評価した。なお、評価は、最も人数の多く得られた結果を各試料の成績とした。
【0035】
<皮膚刺激感・異物感の評価基準>
○(良好):皮膚刺激感・異物感を全く感じない
△(不十分):皮膚刺激感・異物感を少し感じる
×(不良):皮膚刺激感・異物感を感じる(痛い)
【0036】
<スクラブ感の評価基準>
◎(かなり良好):スクラブ効果が十分にある
○(良好):スクラブ効果がある
△(不十分):スクラブ効果があまりない
×(不良):スクラブ効果が全くない
【0037】
<肌状態の評価基準>
◎(かなり良好):ツルツル感・スベスベ感に格段に優れる
○(良好):ツルツル感・スベスベ感に優れる
△(不十分):ツルツル感・スベスベ感に劣る
×(不良):ツルツル感・スベスベ感がない
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
表1および表2の結果から、各実施例の皮膚洗浄剤組成物は、各比較例のものと対比して、洗浄時に不快な皮膚刺激感や異物感を与えることがなく、使用感に優れるとともに、適度なスクラブ効果が得られ、洗浄後の肌状態も良好であることが分かる。一方、従来から汎用されているスクラブ剤では、優れたスクラブ効果が得られるものの、不快な皮膚刺激感や異物感があり、良好な肌状態が得られ難い結果となった。
【0041】
以下、本発明に係る皮膚洗浄剤組成物の処方例を示す。尚、含有量は質量%である。
【0042】
(処方例1:シャーベット状洗浄剤) 重量%
ラウリン酸アミドプロピルベタイン 3.0
ドデカン−1,2−ジオール酢酸エーテルナトリウム 2.5
(PEG−400/1,4−ブタンジオール/SMDI)コポリマー 5.0
ポリエチレン末 3.0
カルボキシビニルポリマー 適 量
l−メントール 適 量
防腐剤 適 量
香料 適 量
精製水 残 部
合計 100.0
【0043】
(処方例2:ソフトスクラブ洗浄剤) 重量%
ラウリン酸 2.0
ミリスチン酸 15.0
パルミチン酸 7.0
ステアリン酸 3.0
水酸化カリウム 5.5
グリセリン 12.0
ソルビトール 3.5
ラウリン酸アミドプロピルベタイン 0.5
(PEG−400/1,4−ブタンジオール/SMDI)コポリマー 2.0
エデト酸四ナトリウム四水塩 0.1
防腐剤 適 量
精製水 残 部
合計 100.0