特許第6366453号(P6366453)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6366453
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】オイル容器および芳香拡散器
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/12 20060101AFI20180723BHJP
   B65D 85/00 20060101ALI20180723BHJP
   A45D 34/02 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
   A61L9/12
   B65D85/00 A
   A45D34/02 510D
【請求項の数】10
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-206075(P2014-206075)
(22)【出願日】2014年10月7日
(65)【公開番号】特開2016-73464(P2016-73464A)
(43)【公開日】2016年5月12日
【審査請求日】2017年8月9日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成26年4月13日 第1回 Asia Pacific Conference on Esthetics and Regenerationにて展示、平成26年4月18日〜平成26年4月20日 第66回日本産科婦人科学会学術講演会にて展示、平成26年4月20日 Column No.70,日本アロマコーディネーター協会に掲載、平成26年4月30日〜平成26年6月13日 先行販売、平成26年4月30日〜平成26年10月7日 卸売り販売、平成26年5月1日 アポロニア21 5月号,株式会社日本歯科新聞社に掲載、平成26年5月10日〜平成26年5月11日 医院デザインフェア2014にて展示、平成26年5月25日 aromatopia−通巻第124号−,フレグランスジャーナル社に掲載、平成26年5月27日 「http://www.aromadiffuser.jp/」、「http://www.aromadiffuser.jp/SHOP/aromic−air.html」にて販売、平成26年5月27日 「http://www.rakuten.co.jp/aromadiffuser/」、「http://item.rakuten.co.jp/aromadiffuser/aromic−air/」にて販売、平成26年5月30日 「http://www.amazon.co.jp/gp/aag/main?ie=UTF8&asin=&isAmazonFulfilled=&isCBA=&marketplaceID=A1VC38T7YXB528&orderID=&seller=A14U03EUML18GG」にて販売、平成26年5月30日 「https://aromicair.jp/」にて販売、平成26年6月1日 アポロニア21 6月号,株式会社日本歯科新聞社に掲載、平成26年6月2日 「http://dental−aroma.jp/」、「http://dental−aroma.jp/SHOP/aromic−air.html」にて販売、平成26年6月14日〜平成26年6月15日 第32回日本顎咬合学会学術大会にて展示、
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成26年6月16日 「http://www.aromastar.jp/index.html」、「http://www.aromastar.jp/product/aromic_air.html」にて販売、平成26年6月19日 「http://prtimes.jp/」、「http://prtimes.jp/main/action.php?search_pattern=1&run=html&page=searchkey&search_word=%E3%82%A2%E3%83%AD%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%82%A2%E3%83%BC」、「http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000010443.html」を通じて配信、平成26年7月1日 DHstyle2014年7月号,株式会社デンタルダイヤモンド社に掲載、平成26年7月1日 アポロニア21 7月号,株式会社日本歯科新聞社に掲載、平成26年7月1日 デンタルダイヤモンド2014年7月号,株式会社デンタルダイヤモンド社に掲載、平成26年7月10日 「http://store.ponparemall.com/aromaspray」、「http://store.ponparemall.com/aromaspray/goods/aromic−air/」にて販売、平成26年7月10日 「http://beauty−aroma.jp/」、「http://beauty−aroma.jp/SHOP/aromic−air.html」にて販売、平成26年7月16日〜平成26年7月18日 国際モダンホスピタルショウ2014にて展示、平成26年7月20日 Column No.71,日本アロマコーディネーター協会に掲載、平成26年7月27日 第11回プラチナデンタルスタディークラブにて展示、平成26年8月1日 DHstyle2014年8月号,株式会社デンタルダイヤモンド社に掲載、平成26年8月1日 アポロニア21 8月号,株式会社日本歯科新聞社に掲載、平成26年8月1日 デンタルダイヤモンド2014年8月号,株式会社デンタルダイヤモンド社に掲載、
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成26年8月4日 「http://www.netsea.jp/shop/283104」、「http://www.netsea.jp/shop/283104/aromic−air」にて販売、平成26年8月24日 一般社団法人MID−G事務局 2014年度 レギュラーコース 第2回にて展示、平成26年9月1日 DHstyle2014年9月号,株式会社デンタルダイヤモンド社に掲載、平成26年9月1日 アポロニア21 9月号,株式会社日本歯科新聞社に掲載、平成26年9月1日 デンタルダイヤモンド2014年9月号,株式会社デンタルダイヤモンド社に掲載、平成26年9月1日 婦人画報 2014年10月号,株式会社ハースト婦人画報社に掲載、平成26年9月3日〜平成26年9月5日 第78回東京インターナショナル・ギフト・ショー秋2014にて展示、平成26年9月20日 Column No.72,日本アロマコーディネーター協会に掲載、平成26年9月26日 ビジネスプラン発表会2014にて説明、展示、平成26年10月1日DHstyle2014年10月号,株式会社デンタルダイヤモンド社に掲載、平成26年10月1日 アポロニア21 10月号,株式会社日本歯科新聞社に掲載、平成26年10月1日 デンタルダイヤモンド2014年10月号,株式会社デンタルダイヤモンド社に掲載
(73)【特許権者】
【識別番号】512291673
【氏名又は名称】アロマスター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】特許業務法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神田 秀昭
【審査官】 松井 一泰
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第98/016262(WO,A1)
【文献】 特表2007−503943(JP,A)
【文献】 国際公開第2017/175307(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0269826(US,A1)
【文献】 特開2005−348655(JP,A)
【文献】 特開平11−123233(JP,A)
【文献】 特開2005−261772(JP,A)
【文献】 特開2005−237774(JP,A)
【文献】 実開平07−043336(JP,U)
【文献】 実開昭55−019560(JP,U)
【文献】 実開昭63−166243(JP,U)
【文献】 特開平06−181670(JP,A)
【文献】 特開2009−179275(JP,A)
【文献】 実開昭63−180047(JP,U)
【文献】 特開2000−233018(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3038867(JP,U)
【文献】 特表2009−537279(JP,A)
【文献】 特表2007−523799(JP,A)
【文献】 特開2004−024412(JP,A)
【文献】 特開2006−101910(JP,A)
【文献】 特開平06−181975(JP,A)
【文献】 実開昭59−183248(JP,U)
【文献】 特開昭63−065933(JP,A)
【文献】 特表2014−519814(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 9/00− 9/22
A01M 1/00− 99/00
B65D 85/00− 85/28
B65D 85/575
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方に開口部を有する有底筒状に形成されており、内部に精油またはその希釈油を貯留するための容器本体と、
該容器本体内から上記精油またはその希釈油を吸い上げる芯材と、
平面状に形成されており、上記芯材より吸い上げられた上記精油またはその希釈油を吸収する吸収体と、
上記容器本体の上記開口部に取り付けられ、上記芯材と上記吸収体とを保持する蓋部とを有しており、
上記吸収体は、上記容器本体の筒径よりも外形が大きく形成されており、
上記蓋部は、上記芯材を保持する蓋本体と、上記容器本体の外周面よりも外方に突出し、かつ表面が外部に露出した状態で、上記吸収体を保持する保持部とを備えており、
上記保持部は、上記蓋本体の外周縁より外方に突出していることを特徴とするオイル容器。
【請求項2】
上記保持部は、上記蓋本体の外周縁より外方に突出し、上記吸収体を下方から支持する複数の爪部と、上記吸収体を上方から押え付けて固定する押え部とを有していることを特徴とする請求項1に記載のオイル容器。
【請求項3】
上記蓋部は、上記蓋本体から上記容器本体内に向かって延びるとともに、内部に上記芯材が挿通される筒体と、該筒体の外周を筒軸方向に移動自在に設けられるとともに、内部に磁石を備え、上記精油またはその希釈油に浮くことが可能なフロート部とを有していることを特徴とする請求項1または2に記載のオイル容器。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のオイル容器が載置される載置部と該載置部の周囲に形成された複数の孔部とを有する載置面部を備える第1空間部と、
該第1空間部の下方に配置されており、外気吸引口が形成された底面部を有するとともに、上記孔部を介して上記第1空間部と連通する第2空間部と、
該第2空間部内に配置されており、電源スイッチによりオン状態またはオフ状態に切り替え可能に構成されるとともに、上記電源スイッチがオン状態とされた際に上記外気吸引口から吸引された空気を上記孔部を通じて上記第1空間部内に送風する送風ファンと、
上記第1空間部の上方に形成されており、上記第1空間部と外部とを連通する排出口と、を有することを特徴とする芳香拡散器。
【請求項5】
上記排出口に設けられており、上記第1空間部と上記外部とが連通した開状態と上記第1空間部と上記外部とが連通していない閉状態とに上記排出口を開閉可能に構成された上方開閉シャッターを有することを特徴とする請求項4に記載の芳香拡散器。
【請求項6】
上記外気吸引口に設けられており、上記第2空間部と上記外部とが連通した開状態と上記第2空間部と上記外部とが連通していない閉状態とに上記外気吸引口を開閉可能に構成された下方開閉シャッターを有することを特徴とする請求項5に記載の芳香拡散器。
【請求項7】
上記電源スイッチがオン状態とされたときに、上記上方開閉シャッターおよび上記下方開閉シャッターがいずれも開状態となり、上記電源スイッチがオフ状態とされたときに、上記上方開閉シャッターおよび上記下方開閉シャッターがいずれも閉状態となるように構成されていることを特徴とする請求項6に記載に芳香拡散器。
【請求項8】
上記オイル容器が載置される側となる拡散器本体と、該拡散器本体の外周を覆う外カバーとを有しており、上記拡散器本体が上記外カバーに覆われることによって上記第1空間部が形成されることを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載の芳香拡散器。
【請求項9】
請求項3に記載のオイル容器が用いられる芳香拡散器であって、
上記フロート部における上記磁石の磁界によって作動するセンサスイッチを上記載置部に備えており、
上記センサスイッチがオン状態とされたときに、上記オイル容器内の上記精油またはその希釈液の補充時期が到来したことを伝える残量センサーを有することを特徴とする請求項4〜8のいずれか1項に記載の芳香拡散器。
【請求項10】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のオイル容器を有することを特徴とする請求項4〜8のいずれか1項に記載の芳香拡散器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オイル容器および芳香拡散器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、美容院、ホテル、クリニック等における業務空間や一般家庭における生活空間などにおいて、精油の芳香を漂わせることが行われている。
【0003】
一般に、広い業務空間に芳香を漂わせるためには、業務用に適した比較的大型の芳香拡散器が使用されている。一方、狭い生活空間に芳香を漂わせるためには、比較的小型の芳香拡散器が使用されている。また、一般家庭における生活空間は業務空間に比べて狭い。そのため、オイルポッドを用い、ポッド内に滴下した精油やその希釈油(以下、単に「精油等」ということがある。)を気化させて生活空間に放出させる場合もある。
【0004】
業務用として用いられる芳香拡散器は、コンプレッサーによる圧縮空気により精油を微粒子とし、ノズルより霧状に噴霧することによって芳香を拡散させるものが多い。また、一般家庭で用いられる芳香拡散器は、超音波により精油と水とをエマルジョン化し、これを霧状に噴霧することによって芳香を拡散させるものが多い。
【0005】
なお、本願に先行する特許文献1には、広い空間に精油を拡散させるため、高圧ポンプによって加圧した水と精油とを混合してなるアロマ水をエマルジョン化し、ミストノズルより霧状に噴霧する芳香用ミスト噴霧システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−233530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来技術は、以下の点で改善の余地がある。すなわち、従来の芳香拡散器は、コンプレッサーやポンプが必要であるため、構造が複雑になりやすい。また、圧縮空気により精油を噴霧する場合には、ノズルが詰まるおそれがあり、メンテナンスを頻繁に行わなければならない。一方、オイルポッドを用いて精油を気化させる場合には、こまめに精油を補充しなければならず、使い勝手が悪い。また、気化も不十分であり、広い空間に芳香を十分に拡散させることが難しい。
【0008】
本発明は、上記背景に鑑みてなされたものであり、精油等を連続的に十分に気化させやすいオイル容器、また、比較的簡易な構造で芳香を空間に漂わせることができ、使い勝手のよい芳香拡散器を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、上方に開口部を有する有底筒状に形成されており、内部に精油またはその希釈油を貯留するための容器本体と、
該容器本体内から上記精油またはその希釈油を吸い上げる芯材と、
平面状に形成されており、上記芯材より吸い上げられた上記精油またはその希釈油を吸収する吸収体と、
上記容器本体の上記開口部に取り付けられ、上記芯材と上記吸収体とを保持する蓋部とを有しており、
上記吸収体は、上記容器本体の筒径よりも外形が大きく形成されており、
上記蓋部は、上記芯材を保持する蓋本体と、上記容器本体の外周面よりも外方に突出し、かつ表面が外部に露出した状態で、上記吸収体を保持する保持部とを備えており、
上記保持部は、上記蓋本体の外周縁より外方に突出していることを特徴とするオイル容器にある。
【0010】
本発明の他の態様は、上記オイル容器が載置される載置部と該載置部の周囲に形成された複数の孔部とを有する載置面部を備える第1空間部と、
該第1空間部の下方に配置されており、外気吸引口が形成された底面部を有するとともに、上記孔部を介して上記第1空間部と連通する第2空間部と、
該第2空間部内に配置されており、電源スイッチによりオン状態またはオフ状態に切り替え可能に構成されるとともに、上記電源スイッチがオン状態とされた際に上記外気吸引口から吸引された空気を上記孔部を通じて上記第1空間部内に送風する送風ファンと、
上記第1空間部の上方に形成されており、上記第1空間部と外部とを連通する排出口と、を有することを特徴とする芳香拡散器にある。
【発明の効果】
【0011】
上記オイル容器は、上記構成を有している。そのため、容器本体内に精油またはその希釈油が入れられると、精油等は芯材により吸い上げられる。吸い上げられた精油等は、芯材から吸収体に吸収されて吸収体の面方向に拡がる。ここで、吸収体は、容器本体の筒径よりも外形が大きく形成されているので、容器本体の外周面よりも外方に突出した状態で、蓋部の保持部によって保持される。また、吸収体は、表面が外部に露出した状態で、蓋部の保持部によって保持される。
【0012】
それ故、オイル容器の下方から上方に向かって流れる風が存在する場合に、吸収体における容器本体の外周面よりも外方に突出した部分に風が当たり、吸収体に吸収された精油等の気化が促される。気化によって吸収体に吸収された精油等が減少すると、芯材から吸収体に精油等が連続的に供給される。
【0013】
それ故、本発明によれば、精油等を連続的に十分に気化させやすいオイル容器が得られる。
【0014】
上記芳香拡散器は、上記構成を有している。そのため、第1空間部の載置部にオイル容器が載置された後、電源スイッチがオン状態とされると、送風ファンが作動し、外気吸引口から第2空間部内に外部の空気が吸引される。第2空間部内に吸引された空気は、孔部を通じて第1空間部内に送風される。第1空間部内に流入した風は、オイル容器の外周面に沿ってオイル容器の下方から上方に向かって流れる。この際、吸収体における容器本体の外周面よりも外方に突出した部分に風が当たり、吸収体に吸収された精油等の気化が促される。気化によって吸収体に吸収された精油等が減少すると、芯材から吸収体に精油等が連続的に供給される。気化した精油等を含む空気は、第1空間部の上方にある排出口から外部の空間に排出される。上記芳香拡散器によれば、精油等の気化が十分に生じているため、広い空間に芳香を拡散させることができる。
【0015】
上記芳香拡散器は、精油等による芳香の拡散のために、コンプレッサーやポンプが不要であるので、比較的構造が簡易である。また、上記芳香拡散器は、ノズルを用いていないので、ノズルのメンテナンスを行う必要もない。さらに、オイル容器内に精油等がある限り、精油等を連続的に気化させ続けることができ、オイルポッドのようにこまめに精油を補充する必要もない。したがって、上記芳香拡散器は、使い勝手がよい。
【0016】
それ故、本発明によれば、比較的簡易な構造で芳香を空間に漂わせることができ、使い勝手のよい芳香拡散器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施例1のオイル容器の正面図である。
図2】実施例1のオイル容器の平面図である。
図3図1において、吸収体が外された状態におけるIII−III矢視図である。
図4図2におけるIV−IV断面図である。
図5】実施例2の芳香拡散器の外観斜視図である。
図6】実施例2の芳香拡散器を別の角度から見た外観斜視図である。
図7】実施例2の芳香拡散器において、外カバーを外した状態における外観斜視図である。
図8図5におけるVIII−VIII断面を、実施例1のオイル容器が載置された状態で模式的に示した説明図である。
図9】実施例2の芳香拡散器における上方開閉シャッターを示した説明図である。
図10】実施例2の芳香拡散器における下方開閉シャッターを示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
上記オイル容器において、保持部は、蓋本体の外周縁より外方に突出し、吸収体を下方から支持する複数の爪部と、吸収体を上方から押え付けて固定する押え部とを有する構成とすることができる。
【0019】
この場合には、保持部により、吸収体を、容器本体の外周面よりも外方に突出し、かつ表面が外部に露出した状態で、確実に保持することができる。また、押え部による押圧力により、吸収体と芯材との密着性が向上する。そのため、芯材より吸い上げられた精油等が吸収体に移行しやすくなり、吸収体に吸収された精油等の気化の促進に有利である。
【0020】
上記オイル容器において、蓋部は、蓋本体から容器本体内に向かって延びるとともに、内部に芯材が挿通される筒体と、筒体の外周を筒軸方向に移動自在に設けられるとともに、内部に磁石を備え、精油またはその希釈油に浮くことが可能なフロート部とを有する構成とすることができる。
【0021】
この場合には、オイル容器内の精油等の液面高さに応じてフロート部が筒軸方向に移動する。そのため、オイル容器の載置部分にフロート部における磁石の磁界によって作動するセンサスイッチが設けられることにより、オイル容器内の精油またはその希釈液の補充時期が到来したことを伝える残量センサーを構成することが可能になる。
【0022】
上記芳香拡散器は、排出口に設けられており、第1空間部と外部とが連通した開状態と第1空間部と外部とが連通していない閉状態とに排出口を開閉可能に構成された上方開閉シャッターを有する構成とすることができる。
【0023】
この場合には、上方開閉シャッターを閉状態とすることにより、気化した精油等の不必要な排出口からの排出を抑制することができる。そのため、この場合には、精油等が無駄に消費されるのを抑制しやすくなる。
【0024】
上記芳香拡散器は、外気吸引口に設けられており、第2空間部と外部とが連通した開状態と第2空間部と上記外部とが連通していない閉状態とに外気吸引口を開閉可能に構成された下方開閉シャッターを有する構成とすることができる。
【0025】
この場合には、下方開閉シャッターを閉状態とすることにより、気化した精油等の不必要な外気吸引口からの排出を抑制することができる。そのため、この場合には、精油等が無駄に消費されるのを抑制しやすくなる。
【0026】
上記芳香拡散器において、上方開閉シャッター、下方開閉シャッターは、手動で開状態、閉状態とすることができるように構成されていてもよいし、自動で開状態、閉状態とすることができるように構成されていてもよい。前者の場合には、自動化するための部品等が不要となる分、芳香拡散器の構造を簡素化することができる。また、芳香拡散器の低コスト化にも有利である。後者の場合には、自動で開状態、閉状態となるため、芳香拡散器の使い勝手をより一層向上させることができる。
【0027】
上記芳香拡散器は、具体的には、電源スイッチがオン状態とされたときに、上方開閉シャッターおよび下方開閉シャッターがいずれも開状態となり、電源スイッチがオフ状態とされたときに、上方開閉シャッターおよび下方開閉シャッターがいずれも閉状態となるように構成することができる。
【0028】
この場合には、芳香拡散器の使用開始時に、自動的に、上方開閉シャッターおよび下方開閉シャッターがいずれも開状態となる。そのため、この場合には、精油等の気化を促すための空気を速やかに外気吸引口から吸引することができる。また、気化した精油等を含む空気を速やかに排出口より排出させることができる。それ故、芳香拡散器の起動後、比較的速やかに空間中に芳香を漂わせることができる。一方、芳香拡散器の使用終了時に、自動的に、上方開閉シャッターおよび下方開閉シャッターがいずれも閉状態となる。そのため、この場合には、精油等の気化が無駄に生じるのを抑制しやすい。したがって、この場合には、芳香拡散器の使い勝手をより一層向上させることができる。
【0029】
なお、上記の場合に、上方開閉シャッター、下方開閉シャッターを開閉させるための構成は、特に制限されない。上方開閉シャッター、下方開閉シャッターは、例えば、小型のモーターを用いて開閉動作可能に構成することができる。この場合には、排出口、外気吸引口の開閉を高い精度で行うことができる。そのため、この場合には、気化した精油等が排出口、外気吸引口の僅かな隙間から不必要に流出するのを抑制しやすくなる。
【0030】
上方開閉シャッター、下方開閉シャッターは、他にも、例えば、次のようにして開閉動作可能に構成することもできる。すなわち、上方開閉シャッター、下方開閉シャッターを各途中部分を支点として回動可能に固定する。上方開閉シャッター、下方開閉シャッターの基端部に永久磁石(または電磁石)をそれぞれ配置する。永久磁石(または電磁石)の周辺に電磁石(または永久磁石)を配置する。そして、通電された電磁石と永久磁石との反発力を利用して、上方開閉シャッター、下方開閉シャッターを支点を中心にして回動させることにより、上方開閉シャッター、下方開閉シャッターを開閉可能に構成することもできる。また、上述したモーターによる構成と磁石による構成とを組み合わせることもできる。
【0031】
上記芳香拡散器は、オイル容器が載置される側となる拡散器本部と、拡散器本部の外周を覆う外カバーとを有しており、拡散器本体が上記外カバーに覆われることによって第1空間部が形成されるように構成することができる。
【0032】
この場合には、拡散器本体と外カバーとが別体となるため、外カバーの意匠選択の自由度が向上し、デザイン性に優れた芳香拡散器を得やすくなる。
【0033】
上記芳香拡散器において、上述したフロート部を有するオイル容器が用いられる場合、上記芳香拡散器は、フロート部における磁石の磁界によって作動するセンサスイッチを備え、センサスイッチがオン状態とされたときに、オイル容器内の精油等の補充時期が到来したことを伝える残量センサーを有する構成とすることができる。
【0034】
この場合には、次のような作用効果を奏することができる。すなわち、吸収体に吸収された精油等の気化が進むにつれ、オイル容器内に貯留されている精油等が減っていき、精油等の液面が下がってくる。そして、フロート部内の磁石の磁界によって載置部に設けられたセンサスイッチが作動可能な距離まで磁石とセンサスイッチとが近付くと、センサスイッチがオン状態となる。センサスイッチがオン状態とされたときに、残量センサーは、オイル容器内の精油等の補充時期が到来したことを伝える。そのため、この場合には、オイル容器内の精油等の補充時期を的確に知ることが可能となり、芳香拡散器の使い勝手をより一層向上させることができる。
【0035】
上記芳香拡散器は、上述したオイル容器を有する構成とすることができる。
【0036】
なお、上述した各構成は、上述した各作用効果等を得るなどのために必要に応じて任意に組み合わせることができる。
【実施例】
【0037】
以下、実施例のオイル容器および芳香拡散器について、図面を用いて説明する。なお、同一部材については同一の符号を用いて説明する。
【0038】
(実施例1)
実施例1のオイル容器について、図1図4を用いて説明する。図1図4に示されるように、本例のオイル容器1は、容器本体10と、芯材11と、吸収体12と、蓋部13とを有している。以下、これを詳説する。
【0039】
容器本体10は、上方に開口部101を有する有底筒状に形成されている。容器本体10は、内部に精油またはその希釈油102を貯留するためのものである。本例では、具体的には、容器本体10は、ガラスより形成されており、精油またはその希釈油102として、天然精油を貯留するためのものである。
【0040】
芯材11は、容器本体1内から精油等102を吸い上げるためのものである。本例では、具体的には、芯材11は、不織布より略短冊状に形成されており、毛細管現象によって精油等102を吸い上げ可能とされている。本例では、具体的には、芯材11は、上端部が幅広に形成されており、この幅広に形成された上端部の両側縁には、下方に向かって幅が狭くなるように一対のテーパー部111が形成されている。芯材11は、蓋部13の蓋本体131(後述する)にテーパー部111が係止されることにより、容器本体10内に脱落することなく蓋本体131に保持されるようになっている。
【0041】
吸収体12は、平面状に形成されている。また、吸収体12は、容器本体10の筒径よりも外形が大きく形成されている。吸収体12は、芯材11より吸い上げられた精油等102を吸収可能に構成されている。本例では、具体的には、吸収体12は、不織布により容器本体10の筒径よりも外径の大きな円板状に形成されている。容器本体10の筒径は、約55mmであり、吸収体12の外径は、約75mmである。
【0042】
なお、本例では、芯材11、吸収体12ともに同じ不織布にて構成されている例が示されている。芯材11、吸収体12は、上記に限らず、異なる材料から構成されていてもよい。また、本例では、芯材11と吸収体12とが別体として構成されている例が示されている。芯材11、吸収体12は、上記に限らず、両者が一体化されて構成されていてもよい。
【0043】
蓋部13は、容器本体10の開口部101に取り付けられ、芯材11と吸収体12とを保持する。本例では、蓋部13は、容器本体10に螺合されることによって取り外し可能に取り付けられる。なお、蓋部13は、プラスチック材料により形成されている。
【0044】
蓋部13は、蓋本体131と、保持部132とを備えている。蓋部13における蓋本体131は、芯材11を保持する。
【0045】
本例では、より具体的には、蓋本体131の中央部に、芯材11を挿通させるための挿通孔131aが形成されている。挿通孔131aの内壁面には、芯材11の一対のテーパー部111に対応して、下方に向かって孔径が小さくなるように一対の対応テーパー部131bが形成されている。蓋本体131の挿通孔131aに下端部から挿通された芯材11は、上端部のテーパー部111が挿通孔131aの対応テーパー部131bに当接することにより、下方へのずり落ちが規制された状態で、蓋本体131に保持される。なお、芯材11は、吸収体12の下方側の面と当接しやすいように、蓋本体131に保持された状態において上端部が蓋本体131表面から突出するように保持される。
【0046】
蓋部13における保持部132は、容器本体10の外周面よりも外方に突出し、かつ表面が外部に露出した状態で、吸収体12を保持する。本例では、具体的には、保持部132は、複数の爪部132aと、押え部132bとを有している。複数の爪部132aは、蓋本体131の外周縁より外方に突出し、吸収体12を下方から支持する。押え部132bは、吸収体12を上方から押え付けて固定する。
【0047】
本例では、より具体的には、各爪部132aは、蓋本体131の外周方向に等間隔に配置されている。各爪部132aは、吸収体12の下方側の面と蓋本体131の表面との間に隙間133が形成されるように、吸収体12を下方から支持する。隙間133が形成されることにより、この隙間133に下方からの風が吹き込みやすくなり、吸収体12に吸収された精油等102の気化がより一層促される。複数の爪部132aのうちのいくつかは、先端部に突起部132cを有している。押え部132bは、環状枠部132dと、環状枠部132dの内周を繋ぐ連結部132eとを有している。環状枠部132dには、いくつかの穴部132fが形成されている。本例では、爪部132aの突起部132cと環状枠部132dの穴部132fとが嵌合することにより、爪部132aと押え部132bとが一体化される。なお、爪部132aと押え部132bの嵌合構造は、吸収体12、芯材11を交換可能であれば特に限定されることなく種々改変することができる。
【0048】
本例では、蓋部13は、さらに、筒体134と、フロート部135とを備えている。筒体134は、蓋本体131から容器本体10内に向かって延びるとともに、内部に芯材11が挿通される。フロート部135は、筒体134の外周を筒軸方向に移動自在に設けられている。フロート部135は、精油等102に浮くことが可能に構成されており、内部に磁石135aを備えている。本例では、磁石135aは永久磁石である。
【0049】
本例では、具体的には、フロート部135は、略環状に形成されており、中央部に筒体134が貫通している。筒体134の下端部における外周面には、筒径方向外方に向かって突出する係止部135bが形成されている。フロート部135は、係止部135bによって筒体134から抜け落ちないようにされている。なお、本例では、蓋部13が、筒体134、フロート部135を有する例が示されているが、蓋部13は、筒体134、フロート部135を有していなくてもよい。
【0050】
次に、本例のオイル容器の作用効果について説明する。
【0051】
本例のオイル容器は、上記構成を有している。そのため、容器本体10内に精油等102が入れられると、精油等102は芯材11により吸い上げられる。吸い上げられた精油等102は、芯材11から吸収体12に吸収されて吸収体12の面方向に拡がる。ここで、吸収体12は、容器本体10の筒径よりも外形が大きく形成されているので、容器本体10の外周面よりも外方に突出した状態で、蓋部13の保持部132によって保持される。また、吸収体12は、表面が外部に露出した状態で、蓋部13の保持部132によって保持される。
【0052】
それ故、オイル容器1の下方から上方に向かって流れる風が存在する場合に、吸収体12における容器本体10の外周面よりも外方に突出した部分に風が当たり、吸収体12に吸収された精油等102の気化が促される。本例では、各爪部132aにより、吸収体12の下方側の面と蓋本体131の表面との間に隙間133が形成されるように、吸収体12が下方から支持されている。そのため、この隙間133に下方からの風が吹き込みやすくなり、吸収体12に吸収された精油等102の気化がより一層促される。気化によって吸収体12に吸収された精油等102が減少すると、芯材11から吸収体12に精油等102が連続的に供給される。
【0053】
それ故、本例のオイル容器1によれば、精油等102を連続的に十分に気化させやすい。
【0054】
(実施例2)
実施例2の芳香拡散器について、図5図10を用いて説明する。図5図10に示されるように、本例の芳香拡散器2は、第1空間部21と、第2空間部22と、送風ファン25と、排出口26とを有している。以下、これを詳説する。
【0055】
第1空間部21は、載置面部210を備えている。載置面部210は、オイル容器1が載置される載置部210aと、載置部210aの周囲に形成された複数の孔部210bとを有する。
【0056】
本例では、具体的には、オイル容器1として、実施例1のオイル容器1が用いられる。載置部210aは、孔部210bが形成された部分より表面が一段高くなるように構成されている。載置部210aの外周縁には、外周壁210cが立設されている。外周壁210cにより、載置部210aにおける所定位置にオイル容器1を位置ズレすることなく正確に載置することができる。複数の孔部210bは、ほぼ等間隔で載置部210aの外周に形成されている。
【0057】
本例の芳香拡散器2は、オイル容器1が載置される側となる拡散器本体201と、拡散器本体201の外周を覆う外カバー202とを有している。拡散器本体201が外カバー202に覆われることにより、第1空間部21が形成される。本例では、より具体的には、拡散器本体201は、外周面における前側に開口部201aと、開口部201aの奥に向かって広がる奥行空間201bとを有する略円柱状に形成されている。外カバー202は、筒状に形成されている。拡散器本体201の上方から外カバー202が被せられることにより、拡散器本体201の開口部201aが外カバー202の内周壁によって閉ざされ、第1空間部21が形成される。したがって、本例では、外カバー202を外すことによって現れる拡散器本体201の開口部201aを介して、オイル容器1の出し入れを行うことが可能とされている。このような構成以外にも、例えば、外カバー202を用いることなく、開口部201aに扉やシャッター(いずれも不図示)などを設けることにより、オイル容器1の出し入れを行うことが可能に構成することもできる。なお、本例では、拡散器本201体は、主に、プラスチック材料よりなり、外カバー202は、主に、金属材料、または、セラミックス材料よりなる。
【0058】
第2空間部22は、第1空間部21の下方に配置されている。第2空間部22は、孔部210bを介して第1空間部21と連通している。第2空間部22は、底面部221を有している。底面部221には、外気吸引口222が形成されている。本例では、底面部221の外側面に、複数の脚部223が設けられている。そのため、本例の芳香拡散器2は、底面部221の外側面の下方に隙間225が形成され、外気吸引口222から外気をより吸引しやすくなっている。また、本例の芳香拡散器2は、外気吸引口222にフィルター部材224が設けられており、外気とともに吸引された埃やゴミ等が第2空間部22内に入り込まないように構成されている。
【0059】
送風ファン25は、第2空間部22内に配置されている。送風ファン25は、電源スイッチ271によりオン状態またはオフ状態に切り替え可能に構成される。本例では、具体的には、電源スイッチ271は、芳香拡散器2の上部、より具体的には、拡散器本体201の上部に設けられている。なお、本例の芳香拡散器2は、底面部221に電源ジャック272が設けられており、電源ジャック272を介して外部電源(不図示)から電力の供給を受けるように構成されている。電源ジャック272は、具体的には、ACジャックである。外部電源から供給された電力は、芳香拡散器2内、より具体的には、拡散器本体201内に設けられた配線(不図示)を介して、送風ファン25等の電力を必要とする箇所に送電される。なお、芳香拡散器2は、芳香拡散器2内、より具体的には、拡散器本体201内に内蔵された乾電池(不図示)等によって動作するように構成されていてもよい。また、電源スイッチ271は、予め設定された設定時間、あるいは、任意に設定された設定時間にて自動的に電源をオフ状態とする自動電源オフ機能を有していてもよい。自動電源オフ機能を操作するタイマー操作部273は、例えば、芳香拡散器2の上部、より具体的には、拡散器本体201の上部に設けることが可能である
【0060】
送風ファン25は、電源スイッチ271がオン状態とされた際に、外気吸引口22から吸引された空気(矢印A)を孔部210bを通じて第1空間部21内に送風する。本例では、具体的には、外気吸引口222の上方に送風ファン25が配置されている。電源スイッチ271がオン状態とされると、送風ファン25が備えるファン(不図示)が回転し、外気吸引口222から空気が吸引される。また、本例では、送風ファン25における送風側に、送風ファン25による風を孔部210bに導くための送風流路251が設けられている。そのため、本例では、第2空間部22における不要な部分に送風ファン25による風が送られることがなく、孔部210bに風を確実に送ることができるようになっている。
【0061】
なお、本例では、送風ファン25は、複数の異なる間欠運転設定にて間欠運転可能に構成されている。そのため、排出口26から排出される気化した精油の量を、空間の大きさに合わせて適宜可変させることができる。送風ファン25の間欠運転によって芳香量を調節するための芳香量調節部252は、例えば、芳香拡散器2の上部、より具体的には、拡散器本体201の上部に設けることが可能である。
【0062】
排出口26は、第1空間部21の上方に形成されている。排出口26は、第1空間部21と外部とを連通している。本例では、具体的には、第1空間部21の上方に第3空間部23が形成されている。排出口26は、第1空間部21と外部との間にある第3空間部23を貫通するように形成されている。
【0063】
なお、本例では、第3空間部23は、連結空間24を介して第2空間部22と繋がっている。第3空間部23内には、芳香拡散器2の各種機能を制御するための制御基板274等が配置されている。本例において、連結空間24内は、送風ファン25等の機能性部材と制御基板274とを接続するための配線(不図示)等が通る経路とされている。
【0064】
本例の芳香拡散器2は、さらに、上方開閉シャッター28と、下方開閉シャッター29とを有している。上方開閉シャッター28は、排出口26に設けられている。下方開閉シャッター29は、外気吸引口222に設けられている。上方開閉シャッター28は、第1空間部21と外部とが連通した開状態と、第1空間部21と外部とが連通していない閉状態とに排出口26を開閉可能に構成されている。下方開閉シャッター29は、第2空間部22と外部とが連通した開状態と、第2空間部22と外部とが連通していない閉状態とに外気吸引口222を開閉可能に構成されている。
【0065】
本例の芳香拡散器2は、電源スイッチ271がオン状態とされたときに、上方開閉シャッター28および下方開閉シャッター29がいずれも開状態となるように構成されている。また、本例の芳香拡散器2は、電源スイッチ271がオフ状態とされたときに、上方開閉シャッター28および下方開閉シャッター29がいずれも閉状態となるように構成されている。
【0066】
本例では、具体的には、上方開閉シャッター28および下方開閉シャッター29は、いずれも、基端部にモータ281、291の各モータ軸が固定されている。上方開閉シャッター28および下方開閉シャッター29は、モータ281、291に加えられる正、負の電圧による正転、逆転により、上記開状態、上記閉状態に動作するように構成されている。なお、各モータ281、291は、配線により制御基板274に接続されている。
【0067】
本例の芳香拡散器2は、さらに、載置部210aに、フロート部135における磁石135aの磁界によって作動するセンサスイッチ275aを備えている。本例では、具体的には、センサスイッチ275aは、リードスイッチであり、載置部210aの裏側面に3個設けられている。3つのリードスイッチは、フロート部135における磁石135aの磁界を受けていずれかが確実に作動するように、各リードスイッチにより略三角形を形成するように配置されている。なお、各センサスイッチ275aは、配線により制御基板274に接続されている。
【0068】
本例の芳香拡散器2は、残量センサー275を有している。残量センサー275は、センサスイッチ275aがオン状態とされたときに、オイル容器1内の精油等102の補充時期が到来したことを伝えるためのものである。本例では、具体的には、残量センサー275による表示部は、芳香拡散器2の上部、より具体的には、拡散器本体201の上部に設けられている。残量センサー275は、より具体的には、センサスイッチ275aがオン状態とされたときにランプが点灯するように構成されている。
【0069】
次に、本例の芳香拡散器の作用効果について説明する。
【0070】
本例の芳香拡散器2は、上記構成を有している。そのため、第1空間部21の載置部210aにオイル容器1が載置された後、電源スイッチ271がオン状態とされると、送風ファン25が作動し、外気吸引口222から第2空間部22内に外部の空気が吸引される。第2空間部22内に吸引された空気は、孔部210bを通じて第1空間部21内に送風される。第1空間部21内に流入した風は、オイル容器1の外周面に沿ってオイル容器1の下方から上方に向かって流れる。この際、吸収体12における容器本体10の外周面よりも外方に突出した部分に風が当たり、吸収体12に吸収された精油等102の気化が促される。気化によって吸収体12に吸収された精油等102が減少すると、芯材11から吸収体12に精油等102が連続的に供給される。気化した精油等102を含む空気は、第1空間部21の上方にある排出口26から外部の空間に排出される。本例の芳香拡散器2によれば、精油等102の気化が十分に生じているため、広い空間に芳香を拡散させることができる。
【0071】
本例の芳香拡散器2は、精油等102による芳香の拡散のために、コンプレッサーやポンプが不要であるので、比較的構造が簡易である。また、本例の芳香拡散器2は、ノズルを用いていないので、ノズルのメンテナンスを行う必要もない。さらに、オイル容器1内に精油等102がある限り、精油等を連続的に気化させ続けることができ、オイルポッドのようにこまめに精油を補充する必要もない。したがって、本例の芳香拡散器2は、使い勝手がよい。
【0072】
さらに、本例の芳香拡散器2は、上方開閉シャッター28を有している。そのため、上方開閉シャッター28を閉状態とすることにより、気化した精油等102の不必要な排出口からの排出を抑制することができ、精油等102が無駄に消費されるのを抑制しやすい。また、本例の芳香拡散器2は、下方開閉シャッター29を有している。そのため、下方開閉シャッター29を閉状態とすることにより、気化した精油等102の不必要な外気吸引口222からの排出を抑制することができ、精油等102が無駄に消費されるのを抑制しやすい。
【0073】
また、本例の芳香拡散器2は、拡散器本体201と外カバー202とが別体で構成されているため、外カバー222の意匠選択の自由度が向上し、デザイン性に優れたものを得やすい。
【0074】
また、本例の芳香拡散器2は、他にも次のような作用効果を奏することができる。すなわち、吸収体12に吸収された精油等102の気化が進むにつれ、オイル容器1内に貯留されている精油等102が減っていき、精油等102の液面が下がってくる。そして、フロート部135内の磁石135aの磁界によって載置部210aに設けられたセンサスイッチ275aが作動可能な距離まで磁石135aとセンサスイッチ275aとが近付くと、センサスイッチ275aがオン状態となる。センサスイッチ275aがオン状態とされたときに、残量センサー275は、オイル容器1内の精油等102の補充時期が到来したことを伝える。そのため、本例の芳香拡散器2は、オイル容器1内の精油等102の補充時期を的確に知ることが可能となり、使い勝手をより一層向上させることができる。
【0075】
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲内で種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0076】
1 オイル容器
10 容器本体
101 開口部
102 精油またはその希釈油
11 芯材
12 吸収体
13 蓋部
131 蓋本体
132 保持部
2 芳香拡散器
21 第1空間部
210 載置面部
210a 載置部
210b 孔部
22 第2空間部
221 底面部
222 外気吸引口
25 送風ファン
26 排出口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10