特許第6366465号(P6366465)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6366465
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】二重容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/20 20060101AFI20180723BHJP
   B65D 47/24 20060101ALI20180723BHJP
   B65D 47/36 20060101ALI20180723BHJP
   B65D 83/00 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
   B65D47/20 220
   B65D47/24 200
   B65D47/36 210
   B65D83/00 G
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-223279(P2014-223279)
(22)【出願日】2014年10月31日
(65)【公開番号】特開2016-88548(P2016-88548A)
(43)【公開日】2016年5月23日
【審査請求日】2017年4月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100156867
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 欣浩
(72)【発明者】
【氏名】桑原 和仁
【審査官】 植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−031932(JP,A)
【文献】 実開昭50−095355(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 47/00−47/44
B65D 83/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容液の充填空間を有する減容変形可能な内層体と、
上部開口を有する口部を有し前記内層体を内側に納めるとともに該内層体との相互間に空気を導入する外気導入孔を有する外層体と、
前記上部開口を覆うとともに前記充填空間につながる連通口を有する隔壁と、
前記連通口を閉鎖する一方、前記外層体への押圧に伴う前記充填空間への加圧にて該連通口を開放する逆止弁と、
前記口部の上部に設けられ、前記連通口から注出させた内容液を収容するとともに上方に注出口を有する計量室と、
前記隔壁との間で前記計量室を形成する筒状壁を有するとともに前記口部に装着される計量部材と、
前記注出口を取り囲んで起立する注出筒を有する注出栓と、
前記注出栓を覆い隠して前記計量部材に装着されるオーバーキャップと、を備える二重容器。
【請求項2】
内容液の充填空間を有する減容変形可能な内層体と、
上部開口を有する口部を有し前記内層体を内側に納めるとともに該内層体との相互間に空気を導入する外気導入孔を有する外層体と、
前記上部開口を覆うとともに前記充填空間につながる連通口を有する隔壁と、
前記連通口を閉鎖する一方、前記外層体への押圧に伴う前記充填空間への加圧にて該連通口を開放する逆止弁と、
前記口部の上部に設けられ、前記連通口から注出させた内容液を収容するとともに上方に注出口を有する計量室と、を備え、
前記隔壁は、該隔壁連結して前記口部に嵌合される環状壁を有し、
前記外層体は、前記口部に連結するとともに上方へ向けて延在して該隔壁との間で前記計量室を形成する上部周壁を有する二重容器。
【請求項3】
前記計量室を閉鎖する一方、破断予定溝に沿う引きちぎりによって前記注出口が形成される密閉壁を有するとともに前記上部周壁に装着される注出キャップを備える請求項に記載の二重容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容液の充填空間を有する減容変形可能な内層体と、内層体をその内側に収める外層体とを備え、内容液の注出に伴って内層体のみが減容する二重容器において、内容液を計量して注出することができるものに関する。
【背景技術】
【0002】
化粧水などの化粧料や、シャンプーやリンス或いは液体石鹸、また食品調味料や薬品などを内容液として収用する容器としては、内容液の充填空間を有する減容変形可能な内層体と、この内層体を内側に収める外層体とを備える二重容器(デラミ容器、積層剥離容器とも言う)が知られている(例えば特許文献1参照)。この種の二重容器は、容器を傾倒姿勢に変位させて外層体を押圧することで内容液を注出させることができる。また適量を注出した後は、外層体への押圧を解除することで、内容液の注出を停止させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録2552482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、正確な量の内容液が必要である場合は、一旦計量カップ等に注出させて計量しなければならならず、手間を要している。このため、内容液を計量する機能を有する新たな二重容器が求められている。一方、このような計量機能を有する二重容器であっても、内容液の計量が不要な場合があるため、従来の二重容器と同じようにして注出できることも求められている。
【0005】
本発明は、このような従来の問題点を解決することを課題とするものであり、その目的は、従来の二重容器のように、傾倒姿勢に変位させた状態で外層体を押圧して内容液を注出させることができ、また、内容液を計量する機能も有する、新たな二重容器を提案するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様は、内容液の充填空間を有する減容変形可能な内層体と、
上部開口を有する口部を有し前記内層体を内側に納めるとともに該内層体との相互間に空気を導入する外気導入孔を有する外層体と、
前記上部開口を覆うとともに前記充填空間につながる連通口を有する隔壁と、
前記連通口を閉鎖する一方、前記外層体への押圧に伴う前記充填空間への加圧にて該連通口を開放する逆止弁と、
前記口部の上部に設けられ、前記連通口から注出させた内容液を収容するとともに上方に注出口を有する計量室と、
前記隔壁との間で前記計量室を形成する筒状壁を有するとともに前記口部に装着される計量部材と、
前記注出口を取り囲んで起立する注出筒を有する注出栓と、
前記注出栓を覆い隠して前記計量部材に装着されるオーバーキャップと、を備える二重容器である。
【0009】
本発明の第2の態様は、内容液の充填空間を有する減容変形可能な内層体と、
上部開口を有する口部を有し前記内層体を内側に納めるとともに該内層体との相互間に空気を導入する外気導入孔を有する外層体と、
前記上部開口を覆うとともに前記充填空間につながる連通口を有する隔壁と、
前記連通口を閉鎖する一方、前記外層体への押圧に伴う前記充填空間への加圧にて該連通口を開放する逆止弁と、
前記口部の上部に設けられ、前記連通口から注出させた内容液を収容するとともに上方に注出口を有する計量室と、を備え、
前記隔壁は、該隔壁連結して前記口部に嵌合される環状壁を有し、
前記外層体は、前記口部に連結するとともに上方へ向けて延在して該隔壁との間で前記計量室を形成する上部周壁を有する二重容器である
【0010】
前記計量室を閉鎖する一方、破断予定溝に沿う引きちぎりによって前記注出口が形成される密閉壁を有するとともに前記上部周壁に装着される注出キャップを備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の二重容器は、外層体の上部開口を覆うとともに内層体の充填空間につながる連通口を有する隔壁と、この連通口を閉鎖する一方、外層体への押圧に伴う充填空間への加圧にて連通口を開放する逆止弁と、外層体の口部の上部に設けられ、連通口から注出させた内容液を収容するとともに上方に注出口を有する計量室とを備えるものである。このような構成の二重容器によれば、正立姿勢にしたまま外層体を押圧することで、充填空間の内容液を計量室に移すことができるので、内容液を計量することが可能になる。そして意図した量の内容液を計量した後は、二重容器を傾倒姿勢に変位させることで計量室の内容液を注出口から注出させることができる。また、当初から傾倒姿勢に変位させた状態で外層体を押圧すれば、内容液を計量室に貯留させずに注出口からそのまま注出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に従う二重容器の一実施形態を示す、側面視での断面図である。
図2図1の状態から外層体を押圧して内容液を計量する状態を示す図である。
図3図2の状態から二重容器を傾倒姿勢に変位させて内容液を注出させている状態を示す図である。
図4】本発明に従う二重容器の他の実施形態を示す、側面視での断面図である。
図5図4の状態から外層体を押圧して内容液を計量する状態を示す図である。
図6図5の状態から二重容器を傾倒姿勢に変位させて内容液を注出させている状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明をより具体的に説明する。なお、本明細書、特許請求の範囲、要約書において、「上」とは、二重容器を水平面上に載置した際(正立姿勢)に外層体に対して注出キャップが位置する側であり、「下」とは、その反対側である。
【0014】
図1において、符号Aは、本発明に従う二重容器の一実施形態を示す。二重容器Aは、内容液を収容する内層体10と、内層体10を内側に収める外層体20とを備えている。また外層体20の上方には、計量部材30、逆止弁40、注出栓50、オーバーキャップ60が設けられている。
【0015】
内層体10は、その内側に内容液を収容する充填空間Sを備えている。内層体10は薄肉の合成樹脂製であって、減容変形自在となっている。
【0016】
外層体20は、可撓性を有するものであって、円形状の底部21と、底部21の外縁部から上方に向かって略同径で延在しその後縮径する形状になる胴部22と、胴部22の上部に連結する円筒状の口部23とを一体連結して構成されている。口部23には、上部開口23aが設けられていて、口部23の外周面には、周方向に沿って延在する(環状であっても間欠状であってもよい)外向き突起23bが設けられている。なお、図示は省略するが、外層体20には、表裏を貫く貫通孔(外気導入孔)が設けられている。外気導入孔は、底部21、胴部22、口部23の何れに設けてもよい。また外気導入孔には、内層体10と外層体20との相互間に空気を導入することができる一方、この相互間からの空気の流出を阻止する逆止弁を設けてもよい。尚、外層体20の底部21に外気導入孔を設ける場合には、成形時に形成されるパーティングライン上のリブ(ピンチオフ部)において内層体10同士を接着し、外層体20同士を接着しないようにし、外側からパーティングラインを押すと簡単に外層体20が割れ、スリットが形成される構造とする。これにより、スリットから外気を外層体20と内層体10に吸入することができる。
【0017】
本実施形態において内層体10と外層体20は、相互に相溶性が低い合成樹脂を剥離可能に積層させたものであり、これらの合成樹脂素材を積層して形成したパリソンを、ブロー成形することによって得られたものである。ブロー成形の他にも、試験管状に形成したプリフォームを2軸延伸ブロー成形することや、外層体及び内層体を個別に形成し、その後、内層体を外層体内に装着するようにしたものを用いてもよい。また、図示は省略するが、内層体10と外層体20との間に、縦方向に延在して内層体10と外層体20とを部分的に接合する、1本或いは複数本の接着帯を設けてもよい。
【0018】
計量部材30は、上部開口23aを覆う隔壁31を備えている。本実施形態の隔壁31は、下向きに突出する形状をなすものである。また隔壁31の中央部下面には、下向きに延びる環状部31aが設けられていて、環状部31aの内周側には充填空間Sにつながる連通口32が設けられている。更に連通口32には、周方向に間隔をあけて配置される複数のリブ31bが設けられている。
【0019】
隔壁31の上部には、上方に向けて延在する円筒状の筒状壁33が一体に連結している。筒状壁33の外周面には、オーバーキャップ60を保持するための雄ねじ部33aが設けられている。ここで、隔壁31及び筒状壁33で囲まれる空間は、連通口32を通して充填空間Sの内容液を貯留させることで内容液の計量が可能になる計量室Kとして機能する。
【0020】
また、隔壁31の上部には、口部23を周方向に取り囲む円筒状の装着筒34が一体に連結している。装着筒34の内周面には、外向き突起23bに係合する内向き突起34aが設けられていて、計量部材30は打栓によって口部23に装着される。なお、計量部材30は、外向き突起23bや内向き突起34aに替えてねじで装着するようにしてもよい。この場合、計量部材30を保持するためのねじと、オーバーキャップ60を保持するためのねじ(雄ねじ部33a及び後述する雌ねじ部62a)とは、逆ねじの関係にすることが好ましい。また、外層体20に対して計量部材30が回転しないように、回り止め機構を設けておくことが好ましい。
【0021】
計量部材30は、計量室Kに導入される内容液の液面高さが視認できるように、少なくとも筒状壁33の全体或いは一部が透明や半透明になるものである。なお、筒状壁33には、内容液の液面高さに応じて内容液の量が確認できるように目盛を設けておくことが好ましい。
【0022】
逆止弁40は、連通口32に挿入される支持部41を有している。支持部41の下方は径方向外側に向けて膨出しているため、支持部41は、リブ31bに係合して抜け止め保持される。また支持部41の上部には、径方向外側に向けて延在する円板状の弁体部42が設けられている。弁体部42は、支持部41がリブ31bに係合した状態において、隔壁31の上面に当接して連通口32を閉鎖している。これにより、外気が充填空間S内に入らないようにしている。なお、充填空間Sの内圧が高まれば、弁体部42は隔壁31から離反して、連通口32を開放する。
【0023】
注出栓50は、筒状壁33の上部に装着されるものである。注出栓50は、筒状壁33の内周面に保持される環状の嵌合壁51と、嵌合壁51に一体に連結する円板状の上壁52と、上壁52の中央部を貫通して内容液の出口になる注出口53と、注出口53を取り囲んで起立するとともに上端を径方向外側に湾曲させてリップを形成した注出筒54とを備えている。
【0024】
オーバーキャップ60は、円板状の頂壁61と、頂壁61の外縁部に一体に連結する外周壁62とを備えている。また、外周壁62の内周面には、雄ねじ部33aに対応する雌ねじ部62aを設けていて、オーバーキャップ60は計量部材30に着脱自在に保持される。なお、オーバーキャップ60を保持するには、これらのねじ部に替えて、アンダーカットを設けてもよい。
【0025】
このように構成される二重容器Aによって内容液を計量するには、オーバーキャップ60を取り外した後、図2に示すように二重容器Aを正立姿勢にした状態で外層体20を押圧する。これにより内層体10は、外層体20から直接、或いは内層体10と外層体20との間の空気を介して押圧されるため、充填空間Sが加圧される。そして加圧された内容液が弁体部42を押し上げて、弁体部42が隔壁31から離反する。これにより、充填空間Sの内容液は、連通口32及び複数のリブ31b間の隙間を通って計量室Kに導入される。外層体20への押圧を解除して充填空間Sが元の圧力に戻れば、弁体部42は直ちに隔壁31に着座して計量室Kへの内容液の流入が停止される。このため、外層体20への押圧とその解除を繰り返すことで、計量室Kで計量される内容液の量を細かく調整することができる。なお、外層体20への押圧を解除した後は、外層体20はそれ自身の復元力でもって元の形状に戻ろうとする。この時、内層体10と外層体20との相互間には、不図示の外気導入孔から空気が取り込まれるので、内層体10のみを減容変形させたまま外層体20が復元する。
【0026】
そして所期する量を計量した後は、図3に示すように二重容器Aを傾倒姿勢に変位させる。これにより計量室Kの内容液を、注出口53及び注出筒54を通して全て注出させることができる。
【0027】
内容液の計量が必要でない場合は、二重容器Aを傾倒姿勢にした状態で外層体20を押圧する。この場合、充填空間Sの内容液は、計量室Kで貯留されずに注出筒54からそのまま注出されるため、外層体20を押圧している間中、内容液を適量注出させることができる。
【0028】
次に、本発明に従う二重容器の他の実施形態について、図4図6を参照しつつ説明する。図4において、符号Bは、本発明に従う二重容器の他の実施形態を示す。二重容器Bは、内層体110、外層体120、中栓130、逆止弁140、注出キャップ150で構成されている。
【0029】
内層体110は、前述の内層体10と同様に、内容液の充填空間Sを有し減容変形可能となるものである。
【0030】
また外層体120は、上げ底状に形成された底部121と、略円筒状であって、上部を縮径させた胴部122と、胴部122よりも小径の円筒状になる口部123とを備えている。口部123は、径方向内側に上部開口123aを備えている。また口部123の上部には、上方へ向けて延在し、口部123よりも大径になる筒状の上部周壁124が設けられている。ここで、外層体120の外周面には、胴部122及び口部123を覆うようにシュリンクフィルムFが設けられている。なお、シュリンクフィルムFは任意に設けられるものである。また内層体110は、外層体120の内面全域(底部121から上部周壁124の上部開口に至るまで)に設けられている。
【0031】
中栓130は、円板状になる隔壁131を備えている。隔壁131の中央部には充填空間Sにつながる連通口132が設けられている。また隔壁131の外縁部には、上方に向かって延びる環状壁133が連結していて、環状壁133の上部には径方向外側に向かって延在するフランジ部134が設けられている。環状壁133は、上部開口123aにおいて、内層体110を挟み込むようにして口部123に嵌合保持される。
【0032】
ここで、隔壁131及び上部周壁124で囲まれる空間は、内容液の計量が可能になる計量室Kとして機能する。なお、少なくとも上部周壁124の全体或いは一部は、内容液の液面高さが視認できるように透明或いは半透明になっている。また、筒状壁33と同様、上部周壁124にも目盛を設けておくことが好ましい。
【0033】
逆止弁140は、環状となる基部141と円板状の弁体部142との間を、本実施形態では3つの弾性片143で連結したものであり、所謂三点弁の形態をなすものである。なお、一点弁や二点弁等、種々のものが採用可能である。基部141は、環状壁133の内周面に嵌合保持される。また弁体部142は、連通口132を覆って隔壁131の上面に着座している。
【0034】
注出キャップ150は、上部周壁124の上部開口を覆って計量室Kを閉鎖する密閉壁151と、上部周壁124を周方向に取り囲むとともに上部周壁124に嵌合保持されるベース152とを備えている。密閉壁151には、環状に設けられた破断予定溝151aが設けられている。また、密閉壁151の上面において、破断予定溝151aの径方向内側には、上方に向けて起立する脚部153が設けられていて、脚部153にはプルリング153aが連結している。破断予定溝151aの径方向外側には、注出筒154が設けられている。更に注出キャップ150は、ヒンジ155を介してベース152に連結する蓋部156を備えている。
【0035】
このように構成される二重容器Bから内容液を注出させるには、蓋部156を開いた後、プルリング153aを引き上げて、破断予定溝151aに沿って密閉壁151を引きちぎることで注出口157(図5参照)を形成しておく。そして内容液を計量する場合は、先に述べた実施形態と同様、図5に示すように二重容器Bを正立姿勢にした状態で外層体120を押圧することで弁体部142が隔壁131から離反するので、連通口132を通して所定の量の内容液を計量室Kに導入することができる。その後は、図6に示すように二重容器Bを傾倒姿勢に変位させることで、計量室Kの内容液を全て注出させることができる。
【0036】
また、内容液の計量が必要でない場合は、先に述べた実施形態と同様に、二重容器Bを傾倒姿勢にした状態で外層体120を押圧すればよい。
【0037】
本発明に従う二重容器は、本実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に従う範囲で種々の変更が可能である。例えば上述した2つの実施形態において、一方の実施形態における構成を他方の実施形態の構成に転用することができる。また、逆止弁40、注出栓50、逆止弁140、注出キャップ150等は、内容液の種類や用途によって種々のものが適用でき、これらに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0038】
10:内層体
20:外層体
21:底部
22:胴部
23:口部
23a:上部開口
23b:外向き突起
30:計量部材
31:隔壁
31a:環状部
31b:リブ
32:連通口
33:筒状壁
33a:雄ねじ部
34:装着筒
34a:内向き突起
40:逆止弁
41:支持部
42:弁体部
50:注出栓
51:嵌合壁
52:上壁
53:注出口
54:注出筒
60:オーバーキャップ
61:頂壁
62:外周壁
62a:雌ねじ部
110:内層体
120:外層体
121:底部
122:胴部
123:口部
123a:上部開口
124:上部周壁
130:中栓
131:隔壁
132:連通口
133:環状壁
134:フランジ部
140:逆止弁
141:基部
142:弁体部
143:弾性片
150:注出キャップ
151:密閉壁
151a:破断予定溝
152:ベース
153:脚部
153a:プルリング
154:注出筒
155:ヒンジ
156:蓋部
157:注出口
A:二重容器
B:二重容器
F:シュリンクフィルム
K:計量室
S:充填空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6