特許第6366468号(P6366468)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6366468
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】リフト装置
(51)【国際特許分類】
   B66F 17/00 20060101AFI20180723BHJP
   B66F 7/02 20060101ALI20180723BHJP
   B66C 5/02 20060101ALN20180723BHJP
【FI】
   B66F17/00 K
   B66F7/02 F
   !B66C5/02
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-223451(P2014-223451)
(22)【出願日】2014年10月31日
(65)【公開番号】特開2016-88671(P2016-88671A)
(43)【公開日】2016年5月23日
【審査請求日】2017年9月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000148759
【氏名又は名称】株式会社タダノ
(73)【特許権者】
【識別番号】393008360
【氏名又は名称】株式会社タダノエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】特許業務法人 エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松谷 律也
【審査官】 今野 聖一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平8−245170(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3165287(JP,U)
【文献】 特開平4−089798(JP,A)
【文献】 特開2002−220185(JP,A)
【文献】 特開昭63−247296(JP,A)
【文献】 特開2002−179384(JP,A)
【文献】 特開平8−002874(JP,A)
【文献】 特開2005−247464(JP,A)
【文献】 実開昭57−062800(JP,U)
【文献】 特開2005−119332(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66F 17/00
B66F 7/02
B66C 13/00 − 15/06
B66C 19/00
B66C 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降動作により荷物の揚重可能なリフト装置であって、
前記荷物の幅方向両側に少なくとも1本ずつ立設され、それぞれが伸縮自在であり、その間において前記荷物に係合可能な吊下げ部材が設けられる伸縮支柱と、
前記荷物の周囲において対向する位置に少なくとも1つずつ設けられる駆動スイッチと、を備え、
全ての前記駆動スイッチがオン状態となると、前記伸縮支柱の伸縮動作が可能になる、
リフト装置。
【請求項2】
前記伸縮支柱は、前記荷物の幅方向両側に2本ずつ立設され、
前記駆動スイッチは、2つ設けられ、一方が一の前記伸縮支柱に対して取付けられ、他方が一の前記伸縮支柱に対して対角線上に位置する前記伸縮支柱に対して取付けられる、
請求項1に記載のリフト装置。
【請求項3】
前記伸縮支柱の伸縮動作を操作する操作入力部を備え、
一の前記駆動スイッチは前記操作入力部の一部に設けられている、
請求項1又は2に記載のリフト装置。
【請求項4】
全ての前記駆動スイッチがオン状態で前記伸縮支柱が伸縮動作中において、一以上の前記駆動スイッチがオフ状態となると、前記伸縮支柱の伸縮動作が停止する、
請求項1〜3のいずれかに記載のリフト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リフト装置に関し、特に、高い精度が要求される揚重作業において、複数方向から状況を確認しつつ、状況に応じた作業を進めることのできるリフト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来では、ティーチング操作を行う産業用ロボットにおいて、それぞれにイネーブルスイッチが搭載された複数の操作入力部を用いて制御されるロボット制御装置があった(特許文献1の請求項1、段落[0006]〜[0008]、及び図2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−211665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば半導体製造装置の部品等のように、重量物の揚重が必要であり、昇降の高い精度が要求される揚重作業を行う場合において、常に状況を確認しつつ慎重に作業を進めることが求められている。
【0005】
よって、本発明が解決しようとする課題は、高い精度が要求される揚重作業において、複数方向から状況を確認しつつ、状況に応じた作業を進めることのできるリフト装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための手段として、本発明に係るリフト装置は、昇降動作により荷物の揚重可能なリフト装置であって、荷物の幅方向両側に少なくとも1本ずつ立設され、それぞれが伸縮自在であり、その間において荷物に係合可能な吊下げ部材が設けられる伸縮支柱と、荷物の周囲において対向する位置に少なくとも1つずつ設けられる駆動スイッチと、を備え、全ての駆動スイッチがオン状態となると、伸縮支柱の伸縮動作が可能になる。
【0007】
また、本発明に係るリフト装置は、伸縮支柱は、荷物の幅方向両側に2本ずつ立設され、駆動スイッチは、2つ設けられ、一方が一の伸縮支柱に対して取付けられ、他方が一の伸縮支柱に対して対角線上に位置する伸縮支柱に対して取付けられるのが好ましい。
【0008】
また、本発明に係るリフト装置は、伸縮支柱の伸縮動作を操作する操作入力部を備え、一の駆動スイッチは操作入力部の一部に設けられているのが好ましい。
【0009】
また、本発明に係るリフト装置は、全ての駆動スイッチがオン状態で伸縮支柱が伸縮動作中において、一以上の駆動スイッチがオフ状態となると、伸縮支柱の伸縮動作が停止するのが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、駆動スイッチをオン状態にする作業者が、対向する位置に少なくとも2人必要であるので、荷物の周囲を危険が無いか複数の作業者によって視認可能である。また、荷物の揚重に精度が要求される場合にも、荷物の揚重状況等を複数の作業者によって視認しつつ揚重作業を進めることが可能なリフト装置を提供することができる。
【0011】
また、本発明の好ましい形態によると、伸縮支柱が荷物の幅方向両側に2本ずつ立設されている場合、駆動スイッチは斜向かい同士の伸縮支柱にそれぞれ取付けられることになる。荷物の平面形状が矩形である場合、2人の作業者が、荷物の角部近傍から荷物の側面部を全周に亘って容易に視認可能である。これにより、重量物等の揚重作業における危険性の低減を図ることができる。
【0012】
本発明の他の好ましい形態によると、駆動スイッチを操作する作業者の一人が、操作入力部を用いて伸縮支柱の伸縮動作も操作することができるので、荷物に近接した位置から荷物の状況等を視認しつつ伸縮動作の操作が可能となる。結果として、揚重作業の状況をより一層正確に把握した上で伸縮支柱の操作が可能となるので、伸縮支柱の伸縮動作の精度の向上を図ることができる。
【0013】
本発明の他の好ましい形態によると、複数の作業者のうちの一人が荷物の揚重作業中に異常を検知したときに、伸縮動作中であっても駆動スイッチをオフ状態にすれば揚重作業を中断することができる。これにより、揚重作業における危険性の更なる低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態を示すリフト装置の平面図である。
図2図1に示したリフト装置を後方から前方に向かって見たときの側面図である。
図3図1に示したリフト装置を右方から左方に向かって見たときの側面図である。
図4図1に示したリフト装置を左方から右方に向かって見たときの側面図である。
図5図1に示したリフト装置における制御系の一部を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明に係るリフト装置について、図面を参照しつつ説明する。
まず本発明の一実施形態に係るリフト装置1の概要について図1図5を参照しつつ説明する。図1は、本発明の一実施形態を示すリフト装置1の平面図である。図2は、リフト装置1を後方から前方に向かって見たときの側面図である。図3は、リフト装置1を右方から左方に向かって見たときの側面図である。図4は、リフト装置1を左方から右方に向かって見たときの側面図である。図5は、リフト装置1の制御系の一部を示すブロック図である。
【0016】
図1に示すように、リフト装置1は、4本の伸縮支柱21、22、23及び24と、2本の第1部材3と、2本の第2部材4と、2本の第3部材5と、2つの走行部材6とを備えている。
【0017】
なお、本実施形態に係るリフト装置1は、図1及び図2において二点鎖線で示す荷物W、例えば半導体製造装置の容器における蓋部材、及び、該蓋部材の上方に載置される他の部品等を揚重する作業、更に別の領域まで搬送する作業に用いることができる。
本発明に係るリフト装置は、揚重する荷物が半導体製造装置の一部品に限られず、例えば荷物を水平状態に維持しつつ、ブレ、振動及び衝撃等を生じさせないように揚重することが求められている荷物に対して適用することができる。
【0018】
4本の伸縮支柱21、22、23及び24は、それぞれが伸縮自在の筒状部材である。図1に示すように、右側前方に伸縮支柱21が配置され、右側後方に伸縮支柱22が配置され、左側前方に伸縮支柱23が配置され、左側後方に伸縮支柱24が配置されている。また、図2図4に示すように伸縮支柱21、22、23及び24は、リフト装置1の接地面に対して略直交して立設されている。更に、右側に2本配置される伸縮支柱21及び22は、それぞれが後述の右側の走行部材6の上部に立設され、左側に2本配置される伸縮支柱23及び24も同様に、それぞれが後述の左側の走行部材6の上部に立設されている。
なお、4本の伸縮支柱21、22、23及び24は、本発明における伸縮支柱の一例である。伸縮支柱21、22、23及び24は、別の参照符号が付されているが、基本的に全て同一部材を用いることができる。本発明における伸縮支柱は、荷物の幅方向両側、図1における荷物Wの左右両側に少なくとも1本ずつ配置されれば良く、3本以上ずつ設けられていても良い。
【0019】
また、本発明においては、例えば後述の吊下げ部材を係合させる高さが荷物の部位によって異なる場合は、少なくとも一の伸縮支柱を他の伸縮支柱より伸長した状態を維持しつつ揚重作業を行う必要がある。したがって、荷物の形状によっては、伸縮支柱はそれぞれ独立して伸縮動作が可能であるのが好ましい。
【0020】
伸縮支柱21、22、23及び24の伸縮機構としては、特に制限されないが、例えば半導体製造装置の部品の揚重作業ではミリ単位での昇降制御が必要となることがあるので、微少な昇降制御が容易な伸縮機構、具体的には電動モータとボールネジとを組み合わせた機構等を採用するのが好ましい。
【0021】
2つの走行部材6は、特に図2図4に示すように伸縮支柱21、22、23及び24の各下端部に取付けられ、リフト装置1全体を前後方向に沿って移動可能にする駆動力を発生させる部材である。図1に示すように、走行部材6は左右両側に配置されている。また、図3及び図4に示すように、右側及び左側の走行部材6は、それぞれが車輪61と、走行フレーム62と、走行モータ63とを有する。
【0022】
図2図4に示すように、各走行部材6の下方には、リフト装置1を移動させたい方向に延在するレール7がそれぞれ敷設されている。レール7は、同一形状、同一寸法の長尺状部材が左右両側にそれぞれ設けられ、相互に平行に配置されている。レール7は、その上部において略水平面を形成する走行部71を有する。
図2図4に示すように、走行部材6の車輪61は、走行部71の上部に載置され、車輪61の回転によって走行部71上を移動可能になっている。走行フレーム62は、リフト装置1の左右両側にそれぞれ設けられ、前後方向に延在する長尺状部材である。右側の走行フレーム62は、図3に示すように、リフト装置1の右側において前方及び後方に配置される2本の伸縮支柱21及び22の下端部の間を接続する。左側の走行フレーム62は、図4に示すように、リフト装置1の左側において前方及び後方に配置される2本の伸縮支柱23及び24の下端部の間を接続する。走行モータ63は、伸縮支柱21、22、23及び24にそれぞれ内蔵される伸縮用の電動モータとは別のモータであり、電動モータ又は油圧モータ等を用いることができる。
【0023】
図1及び図2に示すように、2本の第1部材3は、長尺状の梁部材であり、左右方向に沿って相互に平行になるように配置される。2本の第1部材3のうち、一方は左右両側の前方にそれぞれ配置される2本の伸縮支柱21及び23の上端部間に渡され、他方は左右両側の後方にそれぞれ配置される2本の伸縮支柱22及び24の上端部間に渡される。第1部材3は、それぞれが水平方向に沿って延在し、伸縮支柱21、22、23及び24が伸縮することによって第1部材3も上下動することができる。
【0024】
図1及び図2に示すように、2本の第2部材4は、長尺状の梁部材であり、前後方向に沿って相互に平行になるように配置される。第2部材4のそれぞれが前方及び後方において吊下げ部材8を有し、2本の第1部材3の間に渡される。第2部材4は、第1部材3の上方から掛け渡されるように配置される。第2部材4と第1部材3との間には、例えばいわゆるリニアガイド等の可動部材9を設けることによって、第2部材4は荷物Wの幅方向、つまり左右方向に沿って移動自在である。
【0025】
図3及び図4に示すように、吊下げ部材8は、荷物Wに対して係合可能な部材であり、第2可動部材10を介して、第2部材4の下方に設けられる。吊下げ部材8は、係合リング81を有する。係合リング81は、荷物Wである半導体製造装置の蓋部材の左右両側から水平方向に突出するピンPに係合可能な環状部材であり、ピンPを挿通可能な径を有する。第2可動部材10は、上記可動部材9と同様に、例えばリニアガイドを採用することができ、吊下げ部材8を荷物Wの幅方向に沿って円滑に移動可能にする部材である。
なお、吊下げ部材8は、本発明における吊下げ部材の一例である。
【0026】
図1に示すように、2本の第3部材5は、長尺状の梁部材であり、2本の第2部材4の間において、前後方向に沿って相互に平行になるように配置される。各第3部材5は、第2部材4に対して略平行に配置され、第1部材3の間に渡される。第3部材5は、第2部材4と同様に、可動部材9の配設によって荷物Wの幅方向、つまり左右方向に沿って移動自在である。第3部材5は、荷物Wとは別の荷物(図1図4には図示せず。)を吊下げることのできる第2吊下げ部材(図1図4には図示せず。)が取付け可能である。第2吊下げ部材は、例えば第3部材5に対して着脱自在であり、蓋部材等の荷物Wの上に載置又は取付けられる備品等の別の荷物を移動させる必要が生じた場合に適宜取付けられる。第2吊下げ部材として具体的には、例えばスリング、チェーン、又は上記吊下げ部材8と同様の部材を用いることができる。
【0027】
図2及び図3に一点鎖線で示すように、伸縮支柱21、22、23及び24を伸長することによって、第1部材3、第2部材4及び第3部材5を天井面に近接する高さまで上昇させることができる。また、図2に示すように、第2部材4は、伸縮支柱21、22、23及び24の伸縮動作とは関係無く移動可能である。
【0028】
図3及び図4に示すように、前後の伸縮支柱21と22との間、及び、伸縮支柱23と24との間において、制御部11がそれぞれ配設されている。制御部11は、左右両側の走行部材6の上部にそれぞれ立設され、リフト装置1の各部材に入力される電気信号を制御可能な部材であり、演算処理、各部材の駆動及び停止等を行うことができる。制御部11には、リフト装置1を駆動又は停止するスイッチ、緊急遮断スイッチ、駆動時に点灯又は点滅する表示灯等が適宜に付設される。
【0029】
特に図3に示すように、右側の制御部11からはケーブルが延在し、該ケーブルに表示パネル付きの操作入力部12が接続されている。操作入力部12は、リフト装置1から離れた位置において、リフト装置1に対する種々の操作、例えば伸縮支柱21、22、23及び24の伸縮動作に係る操作等を入力することができるようになっている。更に、操作入力部12の側方部には、第1駆動スイッチ121が設けられている。
更に図4に示すように、左側の制御部11からはケーブルが延在し、該ケーブルに第2駆動スイッチ13が接続されている。第2駆動スイッチ13は、グリップ部分に押ボタンが設けられて成る形態が採用され、該グリップ部分を作業者が強く把持すると駆動スイッチがオン状態にすることができる。
【0030】
第1駆動スイッチ121及び第2駆動スイッチ13は、本発明における駆動スイッチの一例である。また、操作入力部12は、本発明における操作入力部の一例である。なお、本発明において操作入力部は、図3に示す実施形態のようにケーブルを介する有線の形態に代えて、無線で操作を入力可能になっていても良い。
【0031】
図1に示すように、右側後方に位置する伸縮支柱22の後部において不使用時の操作入力部12が取付け可能であり、左側前方に位置する伸縮支柱23の前部において不使用時の第2駆動スイッチ13が取付け可能である。つまり、本実施形態において2つ設けられる駆動スイッチは、対角線上に位置する2つの伸縮支柱22及び23にそれぞれ取付け可能である。
【0032】
第1駆動スイッチ121及び第2駆動スイッチ13は同様の部材であり、それぞれに設けられる押ボタンを押圧又は解除することによって、オン状態及びオフ状態を切り換えることができる。第1駆動スイッチ121及び第2駆動スイッチ13としては、イネーブルスイッチを採用している。
【0033】
なお、本実施形態における第1駆動スイッチ121及び第2駆動スイッチ13は、例えば押ボタンの非押圧状態、押ボタンの所定量の押しこみを行った第一段階の押圧状態、及び、第一段階の押圧状態から更に押ボタンの所定量の押しこみを行った第二段階の押圧状態の3つに分けられた操作形態が採用されている。つまり、第1駆動スイッチ121及び第2駆動スイッチ13は、押ボタンを非押圧状態又は操作量の異なる2つの押圧状態にすることによって操作することができる。更に、非押圧状態及び第二段階の押圧状態ではオフ状態となり、第一段階の押圧状態ではオン状態となるように設定されている。例えば作業者が伸縮支柱21、22、23及び24の伸縮動作を開始しない場合及び停止する場合は、第1駆動スイッチ121及び第2駆動スイッチ13の少なくとも一方を離しておくか、第二段階の押圧状態になるまで強く把持することにより達成される。
【0034】
なお、本発明において駆動スイッチの操作形態としては、採用する機器及びオンオフ制御の設定等によって様々であり、例えば単純な押ボタン式の駆動スイッチを用いて非押圧状態及び押圧状態の2つの操作によってオン状態及びオフ状態を選択する形態であっても良い。
【0035】
ここで、図5を参照しつつ、本実施形態における駆動スイッチの操作を含む制御系について説明する。
【0036】
図5に示すように、本実施形態の制御系において、第1駆動スイッチ121及び第2駆動スイッチ13は、セーフティリレーユニット14に接続されている。セーフティリレーユニット14は、第1サーボアンプ151、第2サーボアンプ152、第3サーボアンプ153、第4サーボアンプ154、右側走行インバータ161、及び左側走行インバータ162に対して、作動を許可する作動可能信号をそれぞれ出力することができる。第1サーボアンプ151は第1リフトモータ171に対して、第2サーボアンプ152は第2リフトモータ172に対して、第3サーボアンプ153は第3リフトモータ173に対して、第4サーボアンプ154は第4リフトモータ174に対して、右側走行インバータ161は図3に示した右側の走行モータ63に対して、左側走行インバータ162は図4に示した左側の走行モータ63に対して、それぞれ電気的に接続されている。
【0037】
第1サーボアンプ151及び第1リフトモータ171は伸縮支柱21を伸縮動作するための部材であり、第2サーボアンプ152及び第2リフトモータ172は伸縮支柱22を伸縮動作するための部材であり、第3サーボアンプ153及び第3リフトモータ173は伸縮支柱23を伸縮動作するための部材であり、第4サーボアンプ154及び第4リフトモータ174は伸縮支柱24を伸縮動作するための部材である。また、右側走行インバータ161は図3に示した走行モータ63を駆動制御するための部材であり、左側走行インバータ162は図4に示した走行モータ63を駆動制御するための部材である。
【0038】
セーフティリレーユニット14は、第1駆動スイッチ121及び第2駆動スイッチ13がオン状態になっているときのみ、第1サーボアンプ151等の各部材に対して作動可能信号を出力する。作動可能信号が入力された第1サーボアンプ151等の各部材は、上記操作入力部12等によって入力される操作に基づいて、電源等から供給された電力で駆動することができるようになる。つまり、全ての駆動スイッチがオン状態となると、セーフティリレーユニット14から各部材に対して作動可能信号を出力する。これによって、例えば伸縮支柱21、22、23及び24の伸縮動作、及び、走行部材6による走行が可能になる。
【0039】
なお、セーフティリレーユニット14は、第1駆動スイッチ121及び第2駆動スイッチ13の少なくとも一方がオフ状態になっているときに、第1サーボアンプ151等の各部材に対して作動可能信号を出力しない。作動可能信号が入力されていない第1サーボアンプ151等の各部材は、操作が入力され、電力が供給されたとしても駆動しない。
【0040】
また、第1駆動スイッチ121及び第2駆動スイッチ13がオン状態で伸縮支柱21、22、23及び24の伸縮動作を行っている途中で、少なくとも一方の駆動スイッチがオフ状態となると、セーフティリレーユニット14はそれまで出力していた作動可能信号を遮断する。作動可能信号が遮断された第1サーボアンプ151等の各部材は、駆動を停止し、次に作動可能信号が入力されるまで、操作が入力され、電力が供給されたとしても駆動しない。
【0041】
操作入力部12と第2駆動スイッチ13とは、特に図1から明らかなように、荷物Wの平面形状における角部近傍で対角線上に一致又は略一致するように配置されている。この配置によって、操作入力部12を把持して操作を入力することになる作業者が荷物Wの右方側面部及び後方側面部を視認可能となり、第2駆動スイッチ13を把持することになる作業者が荷物の左方側面部及び前方側面部を視認可能となる。これにより、平面形状が矩形の荷物Wを全周に亘って視認しつつ揚重作業を行うことができる。
【0042】
例えば駆動スイッチを設けない形態、又は第1駆動スイッチ121のみを設ける形態であれば、揚重作業に最低限必要な作業者は1人だけであるので、荷物Wの周囲において作業者から死角になる箇所が多く、危険の発見可能性が下がってしまうことがある。これに対して、リフト装置1を用いた揚重作業には第1駆動スイッチ121及び第2駆動スイッチ13のオンオフを切り換える作業者が対向する位置に2人必要であるので、作業者が1人である場合よりも視認領域が広がる。これにより、荷物Wの周囲の危険性等を確認しつつ揚重作業が可能であるので好ましい。
【0043】
本実施形態のように、半導体製造装置の蓋部材を荷物Wとしたときに、例えば荷物Wの水平状態を精度良く維持すること、揚重過程でのブレ、振動及び衝撃等の発生を可能な限り防止すること等が作業者に求められる。このような高い精度を以って行う揚重作業であっても、第1駆動スイッチ121及び第2駆動スイッチ13を操作する作業者が、それぞれ異なる領域から荷物Wの状態、揚重状況、及び荷物Wの周囲の状況等を常に視認しつつ作業を進めることができるので、揚重作業に対する要求を満足することができる。
【0044】
仮に、作業者のうちの一方が荷物Wの揚重作業中に異常を検知すれば、伸縮動作中であっても駆動スイッチをオフ状態にすることによって、揚重作業を中断することができる。
【0045】
本発明において、大型の荷物の揚重作業を行う場合、及び複雑形状を有する荷物の揚重作業を行う場合は、操作入力部は上記実施形態の操作入力部12のように1つだけ設けておき、駆動スイッチの数を全体で3つ以上に増やすことによって、揚重作業に必要な作業者の数を増やし、視認領域を荷物の全周に亘る状態に維持するのが好ましい。
【0046】
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により、本発明は限定されることはない。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
【符号の説明】
【0047】
1:リフト装置、21、22、23及び24:伸縮支柱、3:第1部材、4:第2部材、5:第3部材、6:走行部材、61:車輪、62:走行フレーム、63:走行モータ、7:レール、71:走行部、8:吊下げ部材、81:係合リング、9:可動部材、10:第2可動部材、11:制御部、12:操作入力部、121:第1駆動スイッチ、13:第2駆動スイッチ、14:セーフティリレーユニット、151:第1サーボアンプ、152:第2サーボアンプ、153:第3サーボアンプ、154:第4サーボアンプ、161:右側走行インバータ、162:左側走行インバータ、171:第1リフトモータ、172:第2リフトモータ、173:第3リフトモータ、174:第4リフトモータ、W:荷物
図1
図2
図3
図4
図5