特許第6366472号(P6366472)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6366472異型式の吊り足場板を含む吊り足場構築用のアダプタ装置及びアダプタ装置付き中間足場板
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6366472
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】異型式の吊り足場板を含む吊り足場構築用のアダプタ装置及びアダプタ装置付き中間足場板
(51)【国際特許分類】
   E04G 7/28 20060101AFI20180723BHJP
   E04G 3/24 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
   E04G7/28 302
   E04G3/24 302H
【請求項の数】3
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-226570(P2014-226570)
(22)【出願日】2014年11月7日
(65)【公開番号】特開2016-89522(P2016-89522A)
(43)【公開日】2016年5月23日
【審査請求日】2017年10月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000101662
【氏名又は名称】アルインコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077791
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 収二
(72)【発明者】
【氏名】藤本 祐司
(72)【発明者】
【氏名】稲室 賢一
【審査官】 西村 隆
(56)【参考文献】
【文献】 実開平04−059238(JP,U)
【文献】 特開平08−013787(JP,A)
【文献】 実公昭47−015181(JP,Y1)
【文献】 米国特許第04854419(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 7/28
E04G 3/24
E04G 7/34
E04G 5/08
E04G 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
両側に桁側部を備えると共に上面に作業床を備えた吊り足場板を既設構築物に吊下げると共に、複数の吊り足場板を相互に桁側部を連接した状態で並設することにより、一方の桁側部から延びる第1方向X1と他方の桁側部から延びる第2方向X2に向けて作業床を延設して成る吊り足場構築体であり、
前記吊り足場板は、両側の桁側部のうち、一方の桁側部に第1嵌着手段を設けると共に、他方の桁側部に第2嵌着手段を設けており、
前記第1嵌着手段と第2嵌着手段は、並設される複数の吊り足場板の連接される桁側部の相互間で嵌着自在な嵌着条件を具備する構成において、
前記第1嵌着手段と第2嵌着手段が具備する嵌着条件に関して、嵌着条件を相違する第1型式の吊り足場板と第2型式の吊り足場板を含んで吊り足場構築体を構築可能とするアダプタ装置であり、
前記アダプタ装置は、前記第1型式の吊り足場板と第2型式の吊り足場板の間に介装される桁側フレームを備え、該桁側フレームの前記第1方向X1に臨む側部に前記第1型式と第2型式のうち何れか一方の型式の吊り足場板の第2嵌着手段に嵌着自在な第1継手手段を設け、前記第2方向X2に臨む側部に前記第1型式と第2型式のうち何れか他方の型式の吊り足場板の第1嵌着手段に嵌着自在な第2継手手段を設けて成ることを特徴とする異型式の吊り足場板を含む吊り足場構築用のアダプタ装置。
【請求項2】
両側に桁側部を備えると共に上面に作業床を備えた吊り足場板を既設構築物に吊下げると共に、複数の吊り足場板を相互に桁側部を連接した状態で並設することにより、一方の桁側部から延びる第1方向X1と他方の桁側部から延びる第2方向X2に向けて作業床を延設して成る吊り足場構築体であり、
前記吊り足場板は、両側の桁側部のうち、一方の桁側部に第1嵌着手段を設けると共に、他方の桁側部に第2嵌着手段を設けており、
前記第1嵌着手段と第2嵌着手段は、並設される複数の吊り足場板の連接される桁側部の相互間で嵌着自在な嵌着条件を具備する構成において、
前記第1嵌着手段と第2嵌着手段が具備する嵌着条件に関して、嵌着条件を相違する第1型式の吊り足場板と第2型式の吊り足場板を含んで吊り足場構築体を構築可能とするアダプタ装置を備えた中間足場板であり、
前記中間足場板は、両側に桁側部を備えると共に上面に作業床を備え、前記第1型式の吊り足場板と第2型式の吊り足場板の間に介装した状態で既設構築物に吊下げられるように構成されており、
前記中間足場板の両側の桁側部のうち、一方の桁側部には前記第1型式と第2型式のうち何れか一方の型式の吊り足場板の第2嵌着手段に嵌着自在な第1継手手段を設け、他方の桁側部には前記第1型式と第2型式のうち何れか他方の型式の吊り足場板の第1嵌着手段に嵌着自在な第2継手手段を設けて成ることを特徴とする異型式の吊り足場板を含む吊り足場構築用のアダプタ装置付き中間足場板。
【請求項3】
前記中間足場板は、それぞれ両側に桁側部を備えると共に上面に作業床を備え、既設構築物に吊下げられるように形成された複数の分割足場板により構成され、
複数の分割足場板は、並設された状態で相互に連接される桁側部を固着する連結固着手段を設けており、
並設された複数の分割足場板のうち、一端部に配置される分割足場板の該端部に臨む桁側部には前記第1型式と第2型式のうち何れか一方の型式の吊り足場板の第2嵌着手段に嵌着自在な第1継手手段を設け、他端部に配置される分割足場板の該端部に臨む桁側部には前記第1型式と第2型式のうち何れか他方の型式の吊り足場板の第1嵌着手段に嵌着自在な第2継手手段を設けて成ることを特徴とする請求項2に記載の異型式の吊り足場板を含む吊り足場構築用のアダプタ装置付き中間足場板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吊り足場を構築するために吊下げ状態で並設される吊り足場板に関して、嵌着手段の嵌着条件を相違する異型式の吊り足場板を含ませて吊り足場構築体を構築可能とするアダプタ装置と該アダプタ装置を設けた中間足場板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高速道路や橋梁等の高架構築物の建設又は改修に際して、該高架構築物の延長方向に沿って吊り足場が構築されている。
【0003】
このような吊り足場を構築するための吊り足場板は、例えば、図1及び図2に示すように構成されている。吊り足場板1Aは、床材2の両側縁を支持する一対の桁側フレーム3、3と、該桁側フレーム3、3の両端部を連結する妻側フレーム4、4により矩形枠状に形成され、床材2を前記桁側フレーム3、3に搭載しており、前記桁側フレーム3、3により桁側部を構成し(以下「桁側部3」という場合がある)、前記妻側フレーム4、4により妻側部を構成しており(以下「妻側部4」という場合がある)、前記床材2により作業床を構成している(以下「作業床2」という場合がある)。
【0004】
そこで、図2に示すように、高架構築物等の既設構築物の下方に複数の吊り足場板1Aをチェーン等の索条5により吊下げると共に、相互に桁側部3を連接した状態で並設しつつ作業床2を延長することにより、吊り足場構築体が構築される。通常は、所定の位置から一方の延長方向に向けて順次、吊り足場板1Aを連接しながら並設することにより吊り足場が構築されるが、吊り足場構築体が構築された状態で説明すると、作業床2は、吊り足場板1Aの一方の桁側部3から延びる第1方向X1と他方の桁側部3から延びる第2方向X2に向けて作業床2を延長する。
【0005】
前記索条5による吊持を可能にするため、吊り足場板1Aは、床材2の下側に位置して妻側フレーム4、4の間にセンターフレーム6を架設し、該センターフレーム6の軸方向に間隔をあけて金属環から成る吊下げ金具7を配置しており、該吊下げ金具7を床材2の窓孔8から突出させた状態で索条5を連結することにより、該金具7を介してセンターフレーム6を吊持するように構成されている。
【0006】
前述のように、複数の吊り足場板1Aを順次、連接状態で並設可能にするため、足吊り場板1Aは、両側の桁側部3、3のうち、一方の桁側部3に第1嵌着手段9Aを設け、他方の桁側部3に第2嵌着手段10Aを設けており、第1嵌着手段9と第2嵌着手段10は、並設される隣り合う複数の足場板1A、1Aの連接される桁側部3、3の相互において嵌着自在とされる「嵌着条件」を具備している。
【0007】
図1に例示する吊り足場板1Aの場合、第1嵌着手段9Aは、妻側フレーム4、4の一端部から同心状に突出する円形パイプ状のプラグ11、11により構成され、該プラグ11に係止孔12を設けている。これに対して、第2嵌着手段10Aは、妻側フレーム4、4の他端部に形成されたソケット13、13により構成され、挿脱自在な係止ピン14を設けている。
【0008】
前述の「嵌着条件」を具備させるため、一対のプラグ11、11の軸心の間隔と一対のソケット13、13の軸心の間隔は、等しい距離L1となるように設計され、プラグ11の外径とソケット13の内径は、嵌合可能な寸法となるように設計されている。そして、プラグ11をソケット13に嵌挿した状態で、前記係止ピン14を前記係止孔12に係止可能とするように設計されている。従って、このような「嵌着条件」を具備することにより、並設される一方の吊り足場板1Aの第1嵌着手段9Aと他方の吊り足場板1Aの第2嵌着手段10Aを相互に嵌着することができる。
【0009】
更に、好ましくは、並設された吊り足場板1A、1Aの作業床2、2が整合するように、「整合条件」を具備するように形成されており、桁側フレーム3の上面からプラグ11の軸心までの距離とソケット13の軸心までの距離は、等しい寸法H1となるように設計され、桁側フレーム3の端面からプラグ11の軸心までの距離とソケット13の軸心までの距離は、等しい寸法S1となるように設計されている。
【0010】
上記の結果、並設される複数の吊り足場板1A、1Aは、「嵌着条件」を具備する第1嵌着手段9Aと第2嵌着手段10Aを嵌着することにより、相互に桁側部3、3を連接した状態で連結することが可能であり、しかも、「整合条件」を具備する第1嵌着手段9Aと第2嵌着手段10Aを嵌着することにより、隣り合う吊り足場板における作業床2、2の間に段差等の不整を生じることなく、整合状態で作業床を延設することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特公平7−103679号公報
【特許文献2】特許第2647801号公報
【特許文献2】特許第2647802号公報
【特許文献2】特許第2664642号公報
【特許文献2】特許第3012827号公報
【特許文献2】特許第4106133号公報
【特許文献2】特許第5399865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、吊り足場の普及に伴い、生産設備の増強よるモデルチェンジや、ユーザの要望に応じた構造変更や、他社製品との差別化による設計変更等の種々の原因により、前記第1嵌着手段及び第2嵌着手段の型式を相違する異型式の吊り足場板が提供されることが予想される。この際、吊り足場板の桁側寸法や妻側寸法による外形に相違はなくても、上述した「嵌着条件」に相違を生じる可能性がある。
【0013】
例えば、図1及び図2に基づいて説明した吊り足場板を第1型式の吊り足場板1Aとしたとき、図3及び図4に例示するように、前記第1型式の吊り足場1Aが具備する「嵌着条件」とは相違する別の「嵌着条件」を備えた第2型式の足吊り場板1Bが提供される可能性がある。
【0014】
図3及び図4に示す第2型式の吊り足場板1Bの場合、一方の桁側部3に設けた第1嵌着手段9Bを桁側フレーム3から突設した角形パイプから成る一対のプラグ15、15により構成し、該プラグ15に係止孔16を設けており、他方の桁側部3に設けた第2嵌着手段10Bを角形パイプにより形成された一対のソケット17、17により構成し、該ソケット17に向けて桁側フレーム3の上部から挿脱自在とされる係止ピン18を設けている。
【0015】
第2型式の吊り足場板1Bは、それ自体としては、図4に示すように複数の同型式の吊り足場板1B、1Bを連接状態で並設可能であり、第1嵌着手段9Bと第2嵌着手段10Bは、並設される隣り合う複数の吊り足場板1B、1Bの連接される桁側部3、3の相互において嵌着自在とされる「嵌着条件」を具備している。
【0016】
即ち、図3に示すように、一対のプラグ15、15の中心の間隔と一対のソケット17、17の中心の間隔は、等しい距離L2となるように設計され、プラグ15の角形形状とソケット17の角形形状は、嵌合可能な形状及び寸法となるように設計されている。そして、プラグ15をソケット17に嵌挿した状態で、前記係止ピン18を前記係止孔16に係止することが可能となるように設計されており、第1嵌着手段9Bと第2嵌着手段10Bの間において「嵌着条件」を具備している。
【0017】
因みに、並設された足場板1B、1Bの作業床2、2が整合するように、「整合条件」も具備するように形成することが好ましく、桁側フレーム3の上面からプラグ15の中心までの距離とソケット17の中心までの距離は、等しい寸法H2となるように設計され、桁側フレーム3の端面からプラグ15の中心までの距離とソケット117の中心までの距離は、等しい寸法S2となるように設計されている。
【0018】
しかしながら、上述した第1型式の吊り足場板1Aにおける第1嵌着手段9A及び第2嵌着手段10Bが具備する「嵌着条件」と、第2型式の吊り足場板1Bにおける第1嵌着手段9B及び第2嵌着手段10Bが具備する「嵌着条件」が相違する場合、つまり、上述した距離L1と距離L2や、プラグ及びソケットの形状又は寸法や、その他の条件が1つでも相違する場合は、第1型式の吊り足場板1Aと第2型式の吊り足場板1Bを組み合わせた状態で吊り足場構築体を構築しようとしても、相互に嵌着手段を嵌合させることができないので、隣り合う第1型式の吊り足場板1Aと第2型式の吊り足場板1Bを連接状態で並設することができない。
【0019】
この点に関して、吊り足場構築体は、高速道路や橋梁等の高架構築物のように長い距離にわたり構築され、極めて多数の吊り足場板が使用されるため、現場ユーザ等が必要枚数の吊り足場板の調達に苦慮する可能性があり、このような場合、異型式の吊り足場板を含ませた状態で所望の吊り足場を構築できるようにするための手段を提供することが有益である。
【0020】
このため、本発明は、吊り足場を構築するために吊下げ状態で並設される吊り足場板に関して、嵌着手段の嵌着条件を相違する異型式の吊り足場板を含ませて吊り足場構築体を構築可能とするアダプタ装置を提供することを課題とし、更には、該アダプタ装置を備えた中間足場板を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0021】
そこで、本発明のアダプタ装置が手段として構成したところは、両側に桁側部を備えると共に上面に作業床を備えた吊り足場板を既設構築物に吊下げると共に、複数の吊り足場板を相互に桁側部を連接した状態で並設することにより、一方の桁側部から延びる第1方向X1と他方の桁側部から延びる第2方向X2に向けて作業床を延設して成る吊り足場構築体であり、前記吊り足場板は、両側の桁側部のうち、一方の桁側部に第1嵌着手段を設けると共に、他方の桁側部に第2嵌着手段を設けており、前記第1嵌着手段と第2嵌着手段は、並設される複数の吊り足場板の連接される桁側部の相互間で嵌着自在な嵌着条件を具備する構成において、前記第1嵌着手段と第2嵌着手段が具備する嵌着条件に関して、嵌着条件を相違する第1型式の吊り足場板と第2型式の吊り足場板を含んで吊り足場構築体を構築可能とするアダプタ装置であり、前記アダプタ装置は、前記第1型式の吊り足場板と第2型式の吊り足場板の間に介装される桁側フレームを備え、該桁側フレームの前記第1方向X1に臨む側部に前記第1型式と第2型式のうち何れか一方の型式の吊り足場板の第2嵌着手段に嵌着自在な第1継手手段を設け、前記第2方向X2に臨む側部に前記第1型式と第2型式のうち何れか他方の型式の吊り足場板の第1嵌着手段に嵌着自在な第2継手手段を設けて成る点にある。
【0022】
また、本発明のアダプタ装置付き中間足場板が手段として構成したところは、両側に桁側部を備えると共に上面に作業床を備えた吊り足場板を既設構築物に吊下げると共に、複数の吊り足場板を相互に桁側部を連接した状態で並設することにより、一方の桁側部から延びる第1方向X1と他方の桁側部から延びる第2方向X2に向けて作業床を延設して成る吊り足場構築体であり、前記吊り足場板は、両側の桁側部のうち、一方の桁側部に第1嵌着手段を設けると共に、他方の桁側部に第2嵌着手段を設けており、前記第1嵌着手段と第2嵌着手段は、並設される複数の吊り足場板の連接される桁側部の相互間で嵌着自在な嵌着条件を具備する構成において、前記第1嵌着手段と第2嵌着手段が具備する嵌着条件に関して、嵌着条件を相違する第1型式の吊り足場板と第2型式の吊り足場板を含んで吊り足場構築体を構築可能とするアダプタ装置を備えた中間足場板であり、前記中間足場板は、両側に桁側部を備えると共に上面に作業床を備え、前記第1型式の吊り足場板と第2型式の吊り足場板の間に介装した状態で既設構築物に吊下げられるように構成されており、前記中間足場板の両側の桁側部のうち、一方の桁側部には前記第1型式と第2型式のうち何れか一方の型式の吊り足場板の第2嵌着手段に嵌着自在な第1継手手段を設け、他方の桁側部には前記第1型式と第2型式のうち何れか他方の型式の吊り足場板の第1嵌着手段に嵌着自在な第2継手手段を設けて成る点にある。
【0023】
前記中間足場板は、1枚の足場板で構成しても良いが、それぞれ両側に桁側部を備えると共に上面に作業床を備え、既設構築物に吊下げられるように形成された複数の分割足場板により構成しても良い。その際、複数の分割足場板は、並設された状態で相互に連接される桁側部を固着する連結固着手段を設けており、並設された複数の分割足場板のうち、一端部に配置される分割足場板の該端部に臨む桁側部には前記第1型式と第2型式のうち何れか一方の型式の吊り足場板の第2嵌着手段に嵌着自在な第1継手手段を設け、他端部に配置される分割足場板の該端部に臨む桁側部には前記第1型式と第2型式のうち何れか他方の型式の吊り足場板の第1嵌着手段に嵌着自在な第2継手手段を設けている。
【発明の効果】
【0024】
本発明のアダプタ装置によれば、該アダプタ装置を介装することにより、第1嵌着手段と第2嵌着手段が具備する「嵌着条件」を相互に相違した異型式の吊り足場板を組み合わせた吊り足場構築体を構築することが可能になるという効果がある。
【0025】
本発明のアダプタ装置付き中間足場板によれば、中間足場板を介装することにより、第1嵌着手段と第2嵌着手段が具備する「嵌着条件」を相互に相違した異型式の吊り足場板を組み合わせた吊り足場構築体を構築することが可能になり、しかも、中間足場板の床材により連続した作業床を延設することができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】異型式の吊り足場板のうち第1型式の吊り足場板を示す斜視図である。
図2】第1型式の吊り足場板を並設した状態を示す斜視図である。
図3】異型式の吊り足場板のうち第2型式の吊り足場板を示す斜視図である。
図4】第2型式の吊り足場板を並設した状態を示す斜視図である。
図5】本発明の第1実施形態に係る中間足場板を示す斜視図である。
図6】第1実施形態に係る中間足場板を第1型式の吊り足場板と第2型式の吊り足場板の間に介装した状態を示す斜視図である。
図7】第1実施形態に係る中間足場板の変形実施形態を示す斜視図である。
図8】本発明の第2実施形態に係る中間足場板を示す斜視図である。
図9】第2実施形態に係る中間足場板を第1型式の吊り足場板と第2係止の吊り足場板の間に介装した状態を示す斜視図である。
図10】第2実施形態に係る中間足場板の変形実施形態を示す斜視図である。
図11】異型式の吊り足場板のうち第3型式の吊り足場板を示す斜視図である。
図12】本発明の第3実施形態に係る中間足場板を示す斜視図である。
図13】第3実施形態に係る中間足場板を第1型式の吊り足場板と第3型式の吊り足場板の間に配置した状態を示す斜視図である。
図14】本発明の第4実施形態に係る中間足場板を示す斜視図である。
図15】第4実施形態に係る中間足場板を第1型式の吊り足場板と第3型式の吊り足場板の間に配置した状態を示す斜視図である。
図16】アダプタ装置の実施形態を示しており、(A)は第1実施形態を示す斜視図、(B)は第2実施形態を示す斜視図、(C)は第3実施形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下図面に基づいて本発明の好ましい実施形態を詳述する。
【0028】
(中間足場板の第1実施形態)
図5及び図6は、上述した第1型式の吊り足場板1Aと第2型式の吊り足場板1Bを並設可能とする本発明の第1実施形態に係る中間足場板19を示している。
【0029】
中間足場板19は、第1型式の吊り足場板1Aの第2嵌着手段10Aに嵌着自在な第1継手手段20Aと、第2型式の吊り足場板1Bの第1嵌着手段9Bに嵌着自在な第2継手手段20Bを設けており、これによりアダプタ装置を構成している。中間足場板19のその他の構成は、上述した第1型式の吊り足場板1Aや第2型式の吊り足場板1Bと同様であり、桁側フレーム3a、3aと妻側フレーム4a、4aにより形成された矩形枠に床材2aを搭載し、センターフレーム6aに配置した吊下げ金具7aを窓孔8aから突出させることにより、索条5を連結するように構成されている。従って、図6に示すように、中間足場板19は、索条5により吊下げた状態で、第1型式の吊り足場板1Aと第2型式の吊り足場板1Bの間に介装することにより、前記床材2aにより両吊り足場板1A、1Bの床材2、2に連続する作業床を形成する。
【0030】
(第1継手手段)
前記第1継手手段20Aは、一方の桁側部3aに位置する妻側フレーム4a、4aの一端部から同心状に突出する円形パイプから成る一対のプラグ21、21により構成され、該プラグ21に係止孔22を設けており、図1に基づいて上述した第1型式の吊り足場板1Aの第2嵌着手段10Aとの間で「嵌着条件」を具備するように構成されている。
【0031】
換言すると、中間足場板19の第1継手手段20Aは、図1に示した第1型式の吊り足場板1Aの第1嵌着手段9Aと同じ構成とされており、該吊り足場板1Aの第2嵌着手段10Aとの間で、上述の距離L1や、プラグ21、21とソケット13、13の形状及び寸法等により規定される「嵌着条件」を具備しており、従って、第1継手手段20Aのプラグ11、11を第1型式の吊り足場板1Aにおける第2嵌着手段10Aのソケット13、13に嵌挿した状態で、該第2嵌着手段10Aの係止ピン14を前記係止孔22に係止することができるように構成されている。
【0032】
この際、中間足場板19の第1継手手段20Aは、第1型式の吊り足場板1Aの第2嵌着手段10Aに対して、上述の寸法H1や寸法S1等により規定される「整合条件」を具備することが好ましく、前記第1継手手段20Aと第2嵌着手段10Aを嵌着することにより、中間足場板19と第1型式の吊り足場板1Aを並設した状態で、相互の作業床2a、2の間に段差等の不整が生じることなく、整合状態で作業床が連続するように構成することが好ましい。
【0033】
(第2継手手段)
前記第2継手手段20Bは、他方の桁側部3aに設けた角形パイプから成る一対のソケット23、23により構成されており、該ソケット23に向けて桁側フレーム3aの上部から挿脱自在とされる係止ピン24を設けており、図3に基づいて上述した第2型式の吊り足場板1Bの第1嵌着手段9Bとの間で「嵌着条件」を具備するように構成されている。
【0034】
換言すると、中間足場板19の第2継手手段20Bは、図3に示した第2型式の吊り足場板1Bの第2嵌着手段10Bと同じ構成とするように形成されており、該吊り足場板1Bの第1嵌着手段9Bとの間で、上述の距離L2や、プラグ15、15とソケット23、23の形状及び寸法等により規定される「嵌着条件」を具備しており、従って、第2継手手段20Bのソケット23、23に第2型式の吊り足場板1Bにおける第1嵌着手段9Bのプラグ15、15を嵌挿した状態で、前記係止ピン24を該第1嵌着手段9Bの係止孔16に係止することができるように構成されている。
【0035】
この際、中間足場板19の第2継手手段20Bは、第2型式の吊り足場板1Bの第1嵌着手段9Bに対して、上述の寸法H2や寸法S2等により規定される「整合条件」を具備することが好ましく、前記第2継手手段20Bと第1嵌着手段9Bを嵌着することにより、中間足場板19と第2型式の吊り足場板1Bを並設した状態で、相互の作業床2a、2の間に段差等の不整が生じることなく、整合状態で作業床が連続するように構成することが好ましい。
【0036】
(作用)
上記のように構成した中間足場板19は、図6に示すように、第1方向X1に向けて第1型式の吊り足場板1Aを並設し、第2方向X2に向けて第2型式の吊り足場板1Bを並設することにより吊り足場を構築する場合、第1型式の吊り足場板1Aと第2型式の吊り足場板1Bの間に介装することにより、両吊り足場板1A、1Bを好適に連結することができる。
【0037】
第1方向X1に関して、中間足場板19は、第1継手手段20Aを第1型式の吊り足場板1Aの第2嵌着手段10Aに嵌着することにより、相互に桁側部3a、3を連接した状態で並設され、作業床2a、2を連続させる。尚、図示省略しているが、第1方向X1に向けて、複数の第1型式の吊り足場板1Aが順次、連接状態で並設され、作業床2を延長する。
【0038】
第2方向X2に関して、中間足場板19は、第2継手手段20Bを第2型式の吊り足場板1Bの第1嵌着手段9Bに嵌着することにより、相互に桁側部3a、3を連接した状態で並設され、作業床2a、2を連続させる。尚、図示省略しているが、第2方向X2に向けて、複数の第2型式の吊り足場板1Bが順次、連接状態で並設され、作業床2を延長する。
【0039】
(第1実施形態の変形実施形態)
上述した第1実施形態に係る中間足場19は、図7に示す変形実施形態のように、それぞれ両側に桁側部3a、3aを備えると共に上面に作業床2aを備え、センターフレーム6aの吊下げ金具7aを介して吊下げ可能とされた複数の分割足場板19A、19Bにより構成することが可能である。
【0040】
複数の分割足場板19A、19Bは、並設された状態で相互に連接される桁側部3a、3aを固着する連結固着手段25を設けている。連結固着手段25は、図示のようなプラグとソケットから成る嵌脱自在な嵌着手段を構成することが好ましいが、これに限らず、任意に構成することが可能である。
【0041】
複数の分割足場板19A、19Bのうち、前述した第1方向X1に臨む分割足場板19Aの桁側部3aには、上述した第1継手手段20Aが設けられており、第2方向X2に臨む分割足場板19Bの桁側部3aには、上述した第2継手手段20Bが設けられている。
【0042】
従って、前記連結固着手段25を介して連結した複数の分割足場板19A、19Bを第1型式の吊り足場板1Aと第2型式の吊り足場板1Bの間に介装し、第1継手手段20Aを第1型式の吊り足場板1Aの第2嵌着手段10Aに嵌着し、第2継手手段20Bを第2型式の吊り足場板1Bの第1嵌着手段9Bに嵌着することにより、第1方向X1に向けて並設される第1型式の吊り足場板1Aと、第2方向X2に向けて並設される第2型式の吊り足場板1Bを好適に連結することが可能である。
【0043】
(中間足場板の第2実施形態)
図8及び図9は、上述した第1型式の吊り足場板1Aと第2型式の吊り足場板1Bを並設可能とする本発明の第2実施形態に係る中間足場板26を示している。
【0044】
中間足場板26は、第2型式の吊り足場板1Bの第2嵌着手段10Bに嵌着自在な第1継手手段27Aと、第1型式の吊り足場板1Aの第1嵌着手段9Aに嵌着自在な第2継手手段27Bを設けており、これによりアダプタ装置を構成している。中間足場板26のその他の構成は、上述した第1実施形態に係る中間足場19と同様であるから、同じ構成部分は、同一符号で示している。
【0045】
(第1継手手段)
前記第1継手手段27Aは、一方の桁側部3aから突出する角形パイプにより形成された一対のプラグ28、28により構成され、該プラグ28に係止孔29を設けており、図3に基づいて上述した第2型式の吊り足場板1Bの第2嵌着手段10Bとの間で「嵌着条件」を具備するように構成されている。
【0046】
換言すると、中間足場板26の第1継手手段27Aは、図3に示した第2型式の吊り足場板1Bの第1嵌着手段9Bと同じ構成とされており、第2型式の吊り足場板1Bの第2嵌着手段10Bとの間で、上述の距離L2や、プラグ28、28とソケット17、17の形状及び寸法等により規定される「嵌着条件」を具備しており、従って、第1継手手段27Aのプラグ28、28を第2型式の吊り足場板1Bにおける第2嵌着手段10Bのソケット17、17に嵌挿した状態で、該第2嵌着手段10Bの係止ピン18を前記係止孔29に係止することができるように構成されている。
【0047】
この際、中間足場板26の第1継手手段27Aは、第2型式の吊り足場板1Bの第2嵌着手段10Bに対して、上述の寸法H2や寸法S2等により規定される「整合条件」を具備することが好ましく、前記第1継手手段27Aと第2嵌着手段10Bを嵌着することにより、中間足場板26と第2型式の吊り足場板1Bを並設した状態で、相互の作業床2a、2の間に段差等の不整が生じることなく、整合状態で作業床が連続するように構成することが好ましい。
【0048】
(第2継手手段)
前記第2継手手段27Bは、他方の桁側部3aに臨む妻側フレーム4a、4aの端部により形成された一対のソケット30、30により構成されており、該ソケット30に挿脱自在とされる係止ピン31を設けており、図1に基づいて上述した第1型式の吊り足場板1Aの第1嵌着手段9Aとの間で「嵌着条件」を具備するように構成されている。
【0049】
換言すると、中間足場板26の第2継手手段27Bは、図1に示した第1型式の吊り足場板1Aの第2嵌着手段10Aと同じ構成とされており、第1型式の吊り足場板1Aの第1嵌着手段9Aとの間で、上述の距離L1や、プラグ11、11とソケット30、30の形状及び寸法等により規定される「嵌着条件」を具備しており、従って、第2継手手段27Bのソケット30、30に第1型式の吊り足場板1Aにおける第1嵌着手段9Aのプラグ11、11を嵌挿した状態で、前記係止ピン31を該第1嵌着手段9Aの係止孔12に係止することができるように構成されている。
【0050】
この際、中間足場板26の第2継手手段27Bは、第1型式の吊り足場板1Aの第1嵌着手段9Aに対して、上述の寸法H1や寸法S1等により規定される「整合条件」を具備することが好ましく、前記第2継手手段27Bと第1嵌着手段9Aを嵌着することにより、中間足場板26と第1型式の吊り足場板1Aを並設した状態で、相互の作業床2a、2の間に段差等の不整が生じることなく、整合状態で作業床が連続するように構成することが好ましい。
【0051】
(作用)
上記のように構成した中間足場板26は、図9に示すように、第1方向X1に向けて第2型式の吊り足場板1Bを並設し、第2方向X2に向けて第1型式の吊り足場板1Aを並設することにより吊り足場を構築する場合、第2型式の吊り足場板1Bと第1型式の吊り足場板1Aの間に介装することにより、両吊り足場板1B、1Aを好適に連結することができる。
【0052】
第1方向X1に関して、中間足場板26は、第1継手手段27Aを第2型式の吊り足場板1Bの第2嵌着手段10Bに嵌着することにより、相互に桁側部3a、3を連接した状態で並設され、作業床2a、2を連続させる。尚、図示省略しているが、第1方向X1に向けて、複数の第2型式の吊り足場板1Bが順次、連接状態で並設され、作業床2を延長する。
【0053】
第2方向X2に関して、中間足場板26は、第2継手手段27Bを第1型式の吊り足場板1Aの第1嵌着手段9Aに嵌着することにより、相互に桁側部3a、3を連接した状態で並設され、作業床2a、2を連続させる。尚、図示省略しているが、第2方向X2に向けて、複数の第1型式の吊り足場板1Aが順次、連接状態で並設され、作業床2を延長する。
【0054】
(第2実施形態の変形実施形態)
第2実施形態に係る中間足場板26に関しても、図7に基づいて説明した第1実施形態の足場板19の変形実施形態と同様に、複数の分割足場板26A、26Bにより構成することが可能である。即ち、図10に示すように、複数の分割足場板26A、26Bは、並設された状態で相互に連接される桁側部3a、3aを固着する連結固着手段32を設け、前述した第1方向X1に臨む分割足場板26Aの桁側部3aに上述の第1継手手段27Aを設け、第2方向X2に臨む分割足場板26Bの桁側部3aに上述の第2継手手段27Bを設けている。
【0055】
(第3型式の吊り足場板と中間足場板の第3実施形態)
図11は、第3型式の吊り足場板1Cを示し、図12は、第3型式の吊り足場板1Cと上述した第1型式の吊り足場板1Aを組み合わせて吊り足場を構築する際に使用するための中間足場板を示している。
【0056】
図11に示すように、第3型式の吊り足場板1Cは、第1方向X1に臨む桁側部3に第1嵌着手段9Cを設け、第2方向X2に臨む桁側部3に第2嵌着手段10Cを設けている。図面に矢印Y1、Y2で示す桁側部3の長手方向に関して、第1嵌着手段9Cは、第1方向X1に臨む桁側部3のY1方向の端部に位置して、妻側フレーム4から突出する円形パイプから成るプラグ33を設けると共に該プラグ33に係止孔34を設け、Y2方向の端部に位置して、妻側フレーム4の端部により形成されたソケット35を設けると共に該ソケット35に挿脱自在な係止ピン36を設けている。これに対して、第2嵌着手段10Cは、第2方向X2に臨む桁側部3のY1方向の端部に位置して、妻側フレーム4の端部により形成されたソケット37を設けると共に該ソケット37に挿脱自在な係止ピン38を設け、Y2方向の端部に位置して、妻側フレーム4から突出する円形パイプから成るプラグ39を設けると共に該プラグ39に係止孔40を設けている。
【0057】
第3型式の吊り足場板1Cは、それ自体としては、複数の吊り足場板1C、1Cを連接状態で並設可能であり、第1嵌着手段9Cと第2嵌着手段10Cは、並設される隣り合う複数の吊り足場板1C、1Cの連接される桁側部3、3の相互において嵌着自在とされる「嵌着条件」を具備している。即ち、第1方向X1及び第2方向X2に関して、並設される一方の吊り足場板1Cの第1嵌着手段9Cを構成するプラグ33及びソケット35と、他方の吊り足場板1Cの第2嵌着手段10Cを構成するソケット37及びプラグ39が相互に嵌合され、それぞれ係止ピン36、38により係止される。
【0058】
しかしながら、第3型式の吊り足場板1Cにおける第1嵌着手段9C及び第2嵌着手段10Cが具備する「嵌着条件」は、上述した第1型式の吊り足場板1Aにおける第1嵌着手段9A及び第2嵌着手段10Bが具備する「嵌着条件」とは相違しており、従って、第3型式の吊り足場板1Cと第1型式の吊り足場板1Aを組み合わせた状態で吊り足場構築体を構築しようとしても、隣り合う異型式の吊り足場板1C、1Aを連接状態で並設することはできない。
【0059】
このため、異型式の吊り足場板1C、1Aを連接状態で嵌着可能とする第3実施形態の中間足場板41が提供される。図12に示すように、第3実施形態に係る中間足場板41は、第1型式の吊り足場板1Aの第2嵌着手段10Aに嵌着自在な第1継手手段42Aと、第3型式の吊り足場板1Cの第1嵌着手段9Cに嵌着自在な第2継手手段42Bを設けており、これによりアダプタ装置を構成している。中間足場板41のその他の構成は、上述した第1実施形態に係る中間足場19と同様であるから、同じ構成部分は、同一符号で示している。
【0060】
(第1継手手段)
前記第1継手手段42Aは、第1方向X1に臨む桁側部3aの両端に位置する妻側フレーム4から突出する円形パイプから成る一対のプラグ43、43により構成され、該プラグ43に係止孔44を設けており、図1に基づいて上述した第1型式の吊り足場板1Aの第2嵌着手段10Aとの間で「嵌着条件」を具備するように構成されている。
【0061】
換言すると、中間足場板41の第1継手手段42Aは、図1に示した第1型式の吊り足場板1Aの第1嵌着手段9Aと同じ構成とされており、第1型式の吊り足場板1Aの第2嵌着手段10Aとの間で着脱自在に嵌着される「嵌着条件」を具備している。
【0062】
(第2継手手段)
前記第2継手手段42Bは、第2方向X2に臨む桁側部3aの前記Y1方向の端部に位置して妻側フレーム4aの端部により形成されたソケット45及び該ソケット45に挿脱自在な係止ピン46と、前記Y2方向の端部に位置して妻側フレーム4aから突出する円形パイプから成るプラグ47及び該プラグ47に設けられた係止孔48により構成され、上述した第3型式の吊り足場板1Cの第1嵌着手段9Cとの間で「嵌着条件」を具備するように構成されている。
【0063】
換言すると、中間足場板41の第2継手手段42Bは、図11に示した第3型式の吊り足場板1Cの第2嵌着手段10Cと同じ構成とされており、第3型式の吊り足場板1Cの第1嵌着手段9Cとの間で嵌着自在に嵌着される「嵌着条件」を具備している。
【0064】
(作用)
上記のように構成した中間足場板41は、図13に示すように、第1方向X1に向けて第1型式の吊り足場板1Aを並設し、第2方向X2に向けて第3型式の吊り足場板1Cを並設することにより吊り足場を構築する場合、第1型式の吊り足場板1Aと第3型式の吊り足場板1Cの間に介装することにより、両吊り足場板1A、1Cを好適に連結することができる。
【0065】
第1方向X1に関して、中間足場板41は、第1継手手段42Aを第1型式の吊り足場板1Aの第2嵌着手段10Aに嵌着することにより、相互に桁側部3a、3を連接した状態で並設され、作業床2a、2を連続させる。
【0066】
第2方向X2に関して、中間足場板41は、第2継手手段42Bを第3型式の吊り足場板1Cの第1嵌着手段9Cに嵌着することにより、相互に桁側部3a、3を連接した状態で並設され、作業床2a、2を連続させる。
【0067】
(中間足場板の第4実施形態)
図14及び図15は、上述のように第3型式の吊り足場板1Cと第1型式の吊り足場板1Aを組み合わせて吊り足場を構築する際に使用するための中間足場板に関して、別の技術的構成を採用した第4実施形態の中間足場板を示している。
【0068】
第4実施形態に係る中間足場板49は、第3型式の吊り足場板1Cの第2嵌着手段10Cに嵌着自在な第1継手手段50Aと、第1型式の吊り足場板1Aの第1嵌着手段9Aに嵌着自在な第2継手手段50Bを設けており、これによりアダプタ装置を構成している。中間足場板49のその他の構成は、上述した第3実施形態に係る中間足場41と同様であるから、同じ構成部分は、同一符号で示している。
【0069】
(第1継手手段)
前記第1継手手段50Aは、第1方向X1に臨む桁側部3aの前記Y1方向の端部に位置して妻側フレーム4aから突出する円形パイプから成るプラグ51及び該プラグ51に設けられた係止孔52と、前記Y2方向の端部に位置して妻側フレーム4aの端部により形成されたソケット53及び該ソケット53に挿脱自在な係止ピン54により構成されており、図11に基づいて上述した第3型式の吊り足場板1Cの第2嵌着手段10Cとの間で「嵌着条件」を具備するように構成されている。
【0070】
換言すると、中間足場板49の第1継手手段50Aは、図11に示した第3型式の吊り足場板1Cの第1嵌着手段9Cと同じ構成とされており、第3型式の吊り足場板1Cの第2嵌着手段10Cとの間で着脱自在に嵌着される「嵌着条件」を具備している。
【0071】
(第2継手手段)
前記第2継手手段50Bは、第2方向X2に臨む桁側部3aの両端に位置して妻側フレーム4aの端部により形成された一対のソケット55、55及び該ソケット55に挿脱自在な係止ピン56により構成されており、上述した第1型式の吊り足場板1Aの第1嵌着手段9Aとの間で「嵌着条件」を具備するように構成されている。
【0072】
換言すると、中間足場板49の第2継手手段50Bは、図1に示した第1型式の吊り足場板1Aの第2嵌着手段10Aと同じ構成とされており、第1型式の吊り足場板1Aの第1嵌着手段9Aとの間で嵌着自在に嵌着される「嵌着条件」を具備している。
【0073】
(作用)
上記のように構成した中間足場板49は、図15に示すように、第1方向X1に向けて第3型式の吊り足場板1Cを並設し、第2方向X2に向けて第1型式の吊り足場板1Aを並設することにより吊り足場を構築する場合、第3型式の吊り足場板1Cと第1型式の吊り足場板1Aの間に介装することにより、両吊り足場板1C、1Aを好適に連結することができる。
【0074】
第1方向X1に関して、中間足場板49は、第1継手手段50Aを第3型式の吊り足場板1Cの第2嵌着手段10Cに嵌着することにより、相互に桁側部3a、3を連接した状態で並設され、作業床2a、2を連続させる。
【0075】
第2方向X2に関して、中間足場板49は、第2継手手段50Bを第1型式の吊り足場板1Aの第1嵌着手段9Aに嵌着することにより、相互に桁側部3a、3を連接した状態で並設され、作業床2a、2を連続させる。
【0076】
(その他の実施形態)
本発明によれば、上記の他、第2型式の吊り足場板1Bと第3型式の吊り足場板1Cを連結するためのアダプタ装置を具備した中間足場板を提供することも可能であり、その場合、中間足場板の一方の桁側部3aに第2型式の吊り足場板1Bの第1嵌着部9B又は第2嵌着部10Bとの間で「嵌着条件」を具備する第1継手手段を設け、他方の桁側部3aに第3型式の吊り足場板1Cの第2嵌着部10C又は第1嵌着部9Cとの間で「嵌着条件」を具備する第2継手手段を設ければ良い。
【0077】
尚、上記は、図示した吊り足場板1A、1B、1Cのそれぞれを第1型式、第2型式、第3型式と称することにより説明したが、特許請求の範囲に記載した第1型式の吊り足場板及び第2型式の吊り足場板の意味は、その具体的構成に関わらず、相互に「嵌着条件」を相違するため直接に嵌着することができない異型式の吊り足場の一方と他方を対象としたものであることを諒解されたい。
【0078】
(アダプタ装置の実施形態)
更に、上記は第1継手手段と第2継手手段から成るアダプタ装置を備えた中間足場板に関して説明したが、作業床を形成する足場板として提供する他、本発明は、作業床を有しないアダプタ装置として提供することができる。例えば、図16に示すように、少なくとも1本の桁側フレーム3aを異型式の吊り足場板の桁側フレーム3、3の間に介装させるように構成し、該桁側フレーム3aの前記第1方向X1に臨む側部に異型式とされた第1型式と第2型式のうち何れか一方の型式の吊り足場板の第2嵌着手段に嵌着自在な第1継手手段を設け、前記第2方向X2に臨む側部に前記第1型式と第2型式のうち何れか他方の型式の吊り足場板の第1嵌着手段に嵌着自在な第2継手手段を設けることにより、異型式の嵌着手段を備えた吊り足場板を好適に組み合わせた吊り足場を構築することが可能になる。
【0079】
図16(A)は、第1実施形態に係るアダプタ装置57を示しており、桁側フレーム3aの両側に図5に基づいて説明した第1実施形態に係る中間足場板19と同様の第1継手手段20Aと第2継手手段20Bを設けている。
【0080】
図16(B)は、第2実施形態に係るアダプタ装置58を示しており、桁側フレーム3aの両側に図8に基づいて説明した第2実施形態に係る中間足場板26と同様の第1継手手段27Aと第2継手手段27Bを設けている。
【0081】
図16(C)は、第3実施形態に係るアダプタ装置58を示しており、桁側フレーム3aの両側に図12に基づいて説明した第3実施形態に係る中間足場板41と同様の第1継手手段42Aと第2継手手段42Bを設けている。
【符号の説明】
【0082】
1 吊り足場板
1A、1B、1C 異型式の吊り足場板
2 床材(作業床)
3 桁側フレーム(桁側部)
4 妻側フレーム(妻側部)
5 索条
6 センターフレーム
7 吊下げ金具
8 窓孔
9A 第1型式の吊り足場板の第1嵌着手段
10A 第1型式の吊り足場遺体の第2嵌着手段
11 プラグ
12 係止孔
13 ソケット
14 係止ピン
9B 第2型式の吊り足場板の第1嵌着手段
10B 第2型式の吊り足場板の第2嵌着手段
15 プラグ
16 係止孔
17 ソケット
18 係止ピン
19 中間足場板(第1実施形態)
20A 第1継手手段
20B 第2継手手段
2a 床材
3a 桁側フレーム
4a 妻側フレーム
6a センターフレーム
7a 吊下げ金具
8a 窓孔
21 プラグ
22 係止孔
23 ソケット
24 係止ピン
19A、19B 分割足場板
25 連結固着手段
26 中間足場板(第2実施形態)
27A 第1継手手段
27B 第2継手手段
28 プラグ
29 係止孔
30 ソケット
31 係止ピン
26A、26B 分割足場板
32 連結固着手段
9C 第3型式の吊り足場板の第1嵌着手段
10C 第3型式の吊り足場板の第2嵌着手段
33 プラグ
34 係止孔
35 ソケット
36 係止ピン
37 ソケット
38 係止ピン
39 プラグ
40 係止孔
41 中間足場板(第3実施形態)
42A 第1継手手段
42B 第2継手手段
43 プラグ
44 係止孔
45 ソケット
46 係止ピン
47 プラグ
48 係止孔
49 中間足場板(第4実施形態)
50A 第1継手手段
50B 第2継手手段
51 プラグ
52 係止孔
53 ソケット
54 係止ピン
55 ソケット
56 係止ピン
57、58、59 アダプタ装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16