(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6366476
(24)【登録日】2018年7月13日
(45)【発行日】2018年8月1日
(54)【発明の名称】ワイヤレスマイクロホン
(51)【国際特許分類】
H04B 1/034 20060101AFI20180723BHJP
H01Q 1/22 20060101ALI20180723BHJP
【FI】
H04B1/034 B
H01Q1/22 Z
【請求項の数】4
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-231261(P2014-231261)
(22)【出願日】2014年11月14日
(65)【公開番号】特開2016-96445(P2016-96445A)
(43)【公開日】2016年5月26日
【審査請求日】2017年8月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000128566
【氏名又は名称】株式会社オーディオテクニカ
(74)【代理人】
【識別番号】100101878
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 茂
(72)【発明者】
【氏名】内藤 善彦
(72)【発明者】
【氏名】益田 彰
【審査官】
岩井 一央
(56)【参考文献】
【文献】
特開平02−278997(JP,A)
【文献】
実開昭59−073848(JP,U)
【文献】
特開2001−189668(JP,A)
【文献】
実開平06−066142(JP,U)
【文献】
米国特許第4910795(US,A)
【文献】
米国特許第4344184(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/00−1/58
H01Q 1/00−1/52
H04R 1/00−3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収音を行うマイクロホンユニットを含むマイクヘッドと、前記マイクヘッドの後部に連結されたマイクロホン本体とを備えるワイヤレスマイクロホンであって、
前記マイクロホン本体は、
少なくともアンテナ回路部を保持する金属製のホルダ部材と、
前記ホルダ部材の周囲を覆う金属製の筒状のカバー部材と、
前記カバー部材の後部側に挿着されると共に、前記ホルダ部材の後部側と接続される金属製の筒状のグリップエンド部材とを備え、
前記ホルダ部材は、前記グリップエンド部材を介して前記カバー部材と導通していることを特徴とするワイヤレスマイクロホン。
【請求項2】
前記アンテナ回路部のアンテナは、前記グリップエンド部材の後部開口から後方に突出して設けられていることを特徴とする請求項1に記載されたワイヤレスマイクロホン。
【請求項3】
前記ホルダ部材の後部側の外周面に形成された螺子溝と、前記グリップエンド部材の内周面側に形成された螺子溝とが螺合することにより、前記ホルダ部材と前記グリップエンド部材とが接続されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載されたワイヤレスマイクロホン。
【請求項4】
前記グリップエンド部材は、その前側の周縁に脚状に設けられた複数の端子部を有し、前記グリップエンド部材を前記カバー部材に装着した際、前記端子部が前記カバー部材の内周面に当接することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載されたワイヤレスマイクロホン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤレスマイクロホンに関し、特にマイクロホン本体の後部にアンテナを有するワイヤレスマイクロホンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ワイヤレスのマイクロホンにあっては、収音を行うマイクロホンユニットを収容したマイクヘッドと、このマイクヘッドと結合されるマイクロホン本体とを備える。
前記マイクロホン本体は、回路基板、バッテリ、アンテナなどを保持するホルダ部材(ボディ)と、このホルダ部材を覆うカバー部材(グリップする筐体部分)とからなる。前記ホルダ部材が前記カバー部材と結合されることによって、回路基板やバッテリなどがカバー部材内に固定される。
【0003】
尚、特許文献1に開示された構成にあっては、ホルダ部材(電池収容部、基板収容部)とカバー部材(外殻)との接続は、カバー部材の前部側内周面に形成された螺子溝と、本体部の前部側外周面に形成された螺子溝とが螺合することにより行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭63−18230号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ワイヤレスマイクロホンにあっては、一般にマイクロホン本体の後部(ホルダ部材の後部)にアンテナが設けられている。
そのため、前記ホルダ部材と前記カバー部材とを金属製とし、それらを導通させると共に回路基板のグランドを接続すれば、使用者がグリップ部分であるカバー部材を掌で握ることにより、マイクロホン本体をグランドプレーンとすることができる。
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された構成のようにホルダ部材とカバー部材の前部側で互いが接続されている場合、その接続位置と、アンテナの位置(ホルダ部材の後部)とが離れているため、アンテナを基準として高周波的にカバー部材はフローティング状態となる。
そのため、カバー部材を握っても安定したアンテナグランドがとれず、良好なRF(Radio Frequency)性能を得ることができないという課題があった。
【0007】
本発明は、前記した点に着目してなされたものであり、本体下部にアンテナを有するワイヤレスマイクロホンにおいて、マイクロホン本体をグランドプレーンとして、使用者が握ることにより安定したアンテナグランドを確保し、良好なRF性能を得ることのできるワイヤレスマイクロホンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記した課題を解決するために、本発明に係るワイヤレスマイクロホンは、収音を行うマイクロホンユニットを含むマイクヘッドと、前記マイクヘッドの後部に連結されたマイクロホン本体とを備えるワイヤレスマイクロホンであって、前記マイクロホン本体は、少なくともアンテナ回路部を保持する金属製のホルダ部材と、前記ホルダ部材の周囲を覆う金属製の筒状のカバー部材と、前記カバー部材の後端側に挿着されると共に、前記ホルダ部材の後部側と接続される金属製の筒状のグリップエンド部材とを備え、前記ホルダ部材は、前記グリップエンド部材を介して前記カバー部材と導通していることに特徴を有する。
尚、前記アンテナ回路部のアンテナは、前記グリップエンド部材の後部開口から後方に突出して設けられていることが望ましい。
また、前記ホルダ部材の後部側の外周面に形成された螺子溝と、前記グリップエンド部材の内周面側に形成された螺子溝とが螺合することにより、前記ホルダ部材と前記グリップエンド部材とが接続されていることが望ましい。
また、前記グリップエンド部材は、その前側の周縁に脚状に設けられた複数の端子部を有し、前記グリップエンド部材を前記カバー部材に装着した際、前記端子部が前記カバー部材の内周面に当接することが望ましい。
【0009】
このように構成することによって、アンテナ回路の近いグリップエンド部材においてグランドをとることができる。
そのため、ワイヤレスマイクロホンの使用者が、マイクロホン本体のカバー部材を掌で握ることにより、安定したアンテナグランドを確保し、良好なRF性能を得ることができる。
また、十分なアンテナグランドを確保できるため、電波の放射効率が良好となり、ワイヤレスマイクロホンとしての運用距離を伸ばすことができる。
【発明の効果】
【0010】
本体下部にアンテナを有するワイヤレスマイクロホンにおいて、マイクロホン本体をグランドプレーンとして、使用者が握ることにより安定したアンテナグランドを確保し、良好なRF性能を得ることのできるワイヤレスマイクロホンを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明に係るマイクロホンの平面図である。
【
図3】
図3は、マイクロホン本体を分解して示す斜視図である。
【
図4】
図4は、本体部材の表側を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、本体部材の裏側を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、
図1のマイクロホンが備えるアンテナの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明に係るワイヤレスマイクロホンの平面図であり、
図2はその側面図である。
【0013】
図示するワイヤレスマイクロホン1は、収音を行うマイクロホンユニット(図示せず)を内蔵するマイクヘッド2と、このマイクヘッド2に対し着脱可能に設けられたマイクロホン本体3とにより構成される。また、ワイヤレスマイクロホン1は音声信号を無線出力するためのアンテナ部30(アンテナ回路)をマイクロホン本体3の後部に備え、外周面にはディスプレイの窓26が設けられている。
【0014】
前記マイクロホン本体3は、複数の基板などからなる本体部材4と、この本体部材4を収容する金属製(例えばアルミニウム製)の円筒状のカバー部材5とにより構成される。
図3は、マイクロホン本体3を分解して示す斜視図である。また、
図4は、本体部材4の表側を示す斜視図であり、
図5は、本体部材4の裏側を示す斜視図である。また、
図6は、アンテナの斜視図である。
【0015】
前記マイクロホン本体3の本体部材4は、金属製(例えばアルミニウム製)のホルダ部材12を備え、このホルダ部材12にメイン基板13、オーディオ基板14、アンテナ基板15がそれぞれ複数の螺子により取り付けられている。さらに、ホルダ部材12には、電池を収容する電池ボックス16が取り付けられ、基板13、14、15の露出面を覆うようにカバー17、18が螺子により取り付けられている。
【0016】
また、ホルダ部材12の前端側には、アタッチメント部材19を介してマイクヘッド2側と音声信号の授受を行うためのコンタクト基板6が設けられている。
また、アンテナ基板15には、アンテナコネクタ20を介して
図6に示すような、例えばアンテナエレメントとしてジグザグ状の金属板を用いたアンテナ21が取り付けられ、このアンテナ21をアンテナカバー22で覆うことによりアンテナ部30が構成される。アンテナ21は例えば不平衡のモノポールアンテナである。
【0017】
また、ホルダ部材12の後部側には螺子溝12aが形成され、少なくともこの螺子溝12aは塗装されず金属面が露出している。一方、カバー部材5の後部部には例えば真鍮からなる筒状のグリップエンド部材25が回転自在に挿嵌され、このグリップエンド部材25の内周面に、前記ホルダ部材12側に形成された螺子溝12aに螺合する螺子溝25aが形成されている。前記螺子溝25aも塗装されず金属面が露出している。
【0018】
前記本体部材4(ホルダ部材12)は、下部に設けられたアンテナ部30側からカバー部材5に挿入され、その後部側に螺子溝12aがカバー部材5の後端部から挿入されたグリップエンド部材25の螺子溝25aに(グリップエンド部材25aを回転することにより)螺合するようになっている。このように螺合により結合されることによって、互いに接触する面積を確保し、本体部材4とグリップエンド部材25とを確実に導通させることができる。
【0019】
また、前記グリップエンド部材25の前側の周縁部には、塗装されず金属面が露出した複数の端子部25bが脚状に設けられ、グリップエンド部材25をカバー部材5に装着した際、前記端子部25bが前記カバー部材5の金属面が露出した内周面に当接するようになっている。尚、カバー部材5に装着したグリップエンド部材25を前記本体部材4(ホルダ部材12)に螺合するために回転させると、前記端子部25bは前記カバー部材5の内周面に摺接するようになされている。
これにより、本体部材4のホルダ部材12とグリップエンド部材25とカバー部材5との導通状態が確保されている。
【0020】
このように、本発明に係る実施の形態によれば、マイクロホン本体3において、各種基板を保持する金属製(アルミニウム製)のホルダ部材12の後部側が金属製(真鍮製)のグリップエンド部材25と導通し、グリップエンド部材25が金属製(アルミニウム製)のカバー部材5と導通する。即ち、マイクロホン本体3をグランドプレーンとすると共に、アンテナ部30やアンテナ基板15の近いグリップエンド部材25においてグランドをとることができる。
そのため、ワイヤレスマイクロホン1の使用者が、マイクロホン本体2のカバー部材5を掌で握ることにより、安定したアンテナグランドを確保し、良好なRF性能を得ることができる。
また、十分なアンテナグランドを確保できるため、電波の放射効率が良好となり、ワイヤレスマイクロホンとしての運用距離を伸ばすことができる。
【0021】
尚、前記実施の形態にあっては、アンテナ21の形状として、
図6に示したようなジグザグ状の金属板からなるものを示したが、本発明にあっては、その形態に限定されるものではなく、従来の一般的なモノポールアンテナもアンテナとして好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0022】
1 マイクロホン
2 マイクヘッド
3 マイクロホン本体
4 本体部材
5 カバー部材
6 コンタクト基板
12 ホルダ部材
13 メイン基板
14 オーディオ基板
15 アンテナ基板
16 電池ボックス
17 カバー
18 カバー
19 アタッチメント部材
20 アンテナコネクタ
21 アンテナ
22 アンテナカバー
25 グリップエンド
25a 螺子溝
25b 端子部
30 アンテナ部